(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183917
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】リネーム処理装置及び印画物販売システム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/14 20190101AFI20221206BHJP
【FI】
G06F16/14 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091448
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】船田 千紗子
(57)【要約】
【課題】画像ファイルのファイル名のリネーム処理を効率良くかつ正確に行う。
【解決手段】リネーム処理装置は、顔画像及び名前のマスタ情報を記憶部に保存する登録部と、第1ファイル名の撮影画像を受信する受信部と、前記撮影画像内の顔画像とマスタ情報内の顔画像との類似度を求める画像解析部と、前記撮影画像のファイル名を変更するリネーム処理部と、を備える。前記リネーム処理部は、前記マスタ情報内の顔画像を類似度順に並べてオペレータ端末に表示し、前記オペレータ端末により選択された顔画像に対応する名前を用いて第2ファイル名を生成し、前記撮影画像のファイル名を変更する。前記リネーム処理部は、前記オペレータ端末により入力された第3ファイル名に含まれる人名が前記マスタ情報に登録されている場合、前記撮影画像のファイル名を第3ファイル名に修正する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人物の顔画像及び名前の登録を受け付け、マスタ情報として記憶部に保存する登録部と、
第1ファイル名の撮影画像を受信する受信部と、
前記撮影画像を解析し、前記撮影画像に写っている人物の顔画像を抽出し、抽出した顔画像と前記マスタ情報内の顔画像との類似度を求める画像解析部と、
前記撮影画像のファイル名を変更するリネーム処理部と、
を備え、
前記リネーム処理部は、
前記マスタ情報内の顔画像を類似度順に並べてオペレータ端末に表示し、前記オペレータ端末により選択された顔画像に対応する名前を用いて第2ファイル名を生成し、前記撮影画像のファイル名を前記第1ファイル名から前記第2ファイル名に変更し、
前記撮影画像の変更後のファイル名を修正する場合、前記オペレータ端末により入力された第3ファイル名と前記マスタ情報とを比較し、前記第3ファイル名に含まれる人名が前記マスタ情報に登録されている場合、前記撮影画像のファイル名を前記第2ファイル名から前記第3ファイル名に修正する、リネーム処理装置。
【請求項2】
前記リネーム処理部は、前記第3ファイル名に含まれる人名が前記マスタ情報に登録されていない場合、前記オペレータ端末にエラーメッセージを表示させることを特徴とする請求項1に記載のリネーム処理装置。
【請求項3】
前記第3ファイル名に含まれる人名が前記マスタ情報に登録されている場合、前記画像解析部は、この人名に対応する前記マスタ情報内の顔画像と、ファイル名を修正する前記撮影画像内の顔画像との類似度を算出し、前記リネーム処理部は、算出された前記類似度が所定値以上の場合、前記撮影画像のファイル名を前記第2ファイル名から前記第3ファイル名に修正し、算出された前記類似度が前記所定値未満の場合、前記オペレータ端末にエラーメッセージを表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載のリネーム処理装置。
【請求項4】
前記リネーム処理部は、前記第2ファイル名の撮影画像を、前記第1ファイル名の撮影画像に紐付けて記憶部に保存することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリネーム処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリネーム処理装置と、
前記リネーム処理装置から前記第2ファイル名の撮影画像の画像データを受信し、前記画像データをプリンタへ転送してプリント出力させるプリンタ制御装置と、
を備える印画物販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リネーム処理装置及び印画物販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
野球場やサッカースタジアム等では、選手に関連する写真(ブロマイド)が販売されている。例えば、販売スペースにPC及びプリンタを設置し、スタッフがPCを操作して画像をサーバからPCにダウンロードし、プリンタで画像を用紙にプリントして写真を作製し、販売している。
【0003】
サーバには多数の画像が保存されている。プリントしたい画像を検索するときの検索性向上のため、画像のファイル名には人名(例えば選手名)等を用いることが好ましい。デジタルカメラで選手を撮影した画像には、デジタルカメラにより、英数字で構成されたファイル名が自動付与される。従来、オペレータが画像を目視確認し、相応しいファイル名を考えて手入力で変更していたため、リネーム作業に時間がかかっていた。
【0004】
最近では、試合中にプロカメラマンが撮影した写真をプリント出力し、当日販売するサービスが提供されている。このようなサービスを提供している場合、画像ファイルのファイル名のリネーム作業を迅速に行うことが求められる。しかし、画像に写っている選手の氏名が分からない場合、名鑑などの選手一覧から氏名を探すことになり、手間がかかるという問題があった。また、ファイル名を入力する際に、誤って別の選手の氏名を入力したり、文字の誤変換をしてしまったりすることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-236771号公報
【特許文献2】特開2019-204355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、画像ファイルのファイル名のリネーム処理を効率良くかつ正確に行うことができるリネーム処理装置及び印画物販売システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるリネーム処理装置は、複数の人物の顔画像及び名前の登録を受け付け、マスタ情報として記憶部に保存する登録部と、第1ファイル名の撮影画像を受信する受信部と、前記撮影画像を解析し、前記撮影画像に写っている人物の顔画像を抽出し、抽出した顔画像と前記マスタ情報内の顔画像との類似度を求める画像解析部と、前記撮影画像のファイル名を変更するリネーム処理部と、を備え、前記リネーム処理部は、前記マスタ情報内の顔画像を類似度順に並べてオペレータ端末に表示し、前記オペレータ端末により選択された顔画像に対応する名前を用いて第2ファイル名を生成し、前記撮影画像のファイル名を前記第1ファイル名から前記第2ファイル名に変更し、前記撮影画像の変更後のファイル名を修正する場合、前記オペレータ端末により入力された第3ファイル名と前記マスタ情報とを比較し、前記第3ファイル名に含まれる人名が前記マスタ情報に登録されている場合、前記撮影画像のファイル名を前記第2ファイル名から前記第3ファイル名に修正するものである。
【0008】
本発明による印画物販売システムは、上記リネーム処理装置と、前記リネーム処理装置から前記第2ファイル名の撮影画像の画像データを受信し、前記画像データをプリンタへ転送してプリント出力させるプリンタ制御装置と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像ファイルのファイル名のリネーム処理を効率良くかつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る印画物販売システムの概略構成図である。
【
図5】リネーム方法を説明するフローチャートである。
【
図10】ファイル名修正方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る印画物販売システムの概略構成図である。印画物販売システムは、スポーツ施設やコンサート会場等のイベント会場において写真等の印画物を販売するためのシステムであり、販売画像を管理する管理装置5、画像のリネームや加工を行うオペレータが使用するオペレータ端末7、印画物(写真)をプリント出力するプリンタ4、プリンタ4を制御するプリンタ制御装置3、顧客から画像の選択を受け付け、料金が投入されると、印画物(写真)を自動でプリント出力する画像プリント装置2等を備える。以下の実施形態では、スポーツの試合中の選手の写真販売を行う場合について説明する。
【0013】
スポーツの試合中の選手の写真が、プロカメラマンのカメラ6で撮影される。カメラ6で撮影された画像は、管理装置5にアップロードされ、当日、販売されるようになっている。
【0014】
管理装置5にアップロードされた撮影画像のファイル名(第1ファイル名)は、カメラ6により自動付与されたものとなっている。撮影画像のファイル名は、例えば“IMG5531.jpg”や“P5050012.jpg”のような英数字で構成され、ファイル名からは、どのような画像か分からない。
【0015】
管理装置5には、事前に選手の顔画像及び名前(氏名)がマスタ情報として登録されている。管理装置5は、撮影画像の画像解析を行い、撮影画像に写っている顔画像を抽出し、抽出した顔画像と、事前登録顔画像とを比較し、類似度を求める。オペレータ端末7には、事前登録顔画像及び名前が、類似度順に表示される。オペレータは、オペレータ端末7に表示された類似度を参考に、撮影画像に写っている選手の名前を選択する。管理装置5は、選択された名前を用いて新たなファイル名(第2ファイル名)を作成し、撮影画像のファイル名を新たなファイル名に変更する。
【0016】
例えば、管理装置5に、
図2に示すような、選手が写ったファイル名“IMG5531.jpg”の撮影画像がアップロードされた場合、管理装置5は、この撮影画像の画像解析を行い、選手の顔画像を抽出する。管理装置5は、撮影画像から抽出した顔画像と、事前登録顔画像との類似度を求める。
【0017】
オペレータが、抽出された選手の顔画像を選択すると、オペレータ端末7に、事前登録顔画像及び名前が、選択された顔画像との類似度が高い順に表示される。オペレータは、類似度を参考にこの選手の名前を選択する。管理装置5は、選択された名前を用いて“01_〇〇太郎.jpg”というファイル名を作成し、撮影画像のファイル名を変更(リネーム)する。ファイル名の中の“01”は通し番号である。
【0018】
人物名に加えて、ポジションやシーンなどをファイル名に含めてもよい。例えば、複数のポジションが事前に登録されており、オペレータが、選手のポジションを選択すると、ファイル名に反映される。例えば、“01_〇〇太郎_フォワード.jpg”というファイル名が作成される。
【0019】
オペレータ端末7では、上述のような、類似する顔画像を選択することによるリネームだけでなく、名前を直接手入力することでも、リネームが可能になっている。
【0020】
リネーム作業後、リネーム済み画像のファイル名を、同じ又は別のオペレータが修正する場合がある。オペレータが修正後のファイル名(第3ファイル名)を入力すると、管理装置5は、入力されたファイル名の中の選手名とマスタ情報とを比較する。マスタ情報内に同じ名前の選手がいない場合は、エラーメッセージを表示させる。マスタ情報内に同じ名前の選手がいる場合、管理装置5は、マスタ情報内のこの選手の顔画像と、ファイル名を修正する画像内の顔画像とを比較し、類似度が低い(所定値未満である)場合、エラーメッセージを表示させる。これにより、ファイル名修正時の誤入力を防止できる。
【0021】
プリンタ制御装置3及びプリンタ4はイベント会場の写真販売スペースに設置されており、スタッフは、プリンタ制御装置3を操作し、販売する画像を管理装置5からダウンロードする。管理装置5に保存されている撮影画像はリネームされているため、例えば選手名で検索して画像を絞り込み、ダウンロードすることができる。
【0022】
プリンタ制御装置3からプリンタ4へ画像データを転送し、プリント出力させる。スタッフは、プリンタ4からプリント出力された写真を顧客に販売する。
【0023】
管理装置5は、リネーム処理後の撮影画像を画像プリント装置2へ送信する。例えば顧客は、写真を購入したい選手の名前を画像プリント装置2に入力して検索する。画像プリント装置2は、顧客から入力された選手名をファイル名に含む画像ファイルのサムネイル一覧画面を表示する。
【0024】
顧客が購入希望の画像を選択すると、画像プリント装置2は課金処理を行い、顧客から支払われた貨幣を受け入れて、釣り銭を出金する。その後、画像プリント装置2内に収容されているプリンタから、選択された画像をプリント出力する。画像プリント装置2は、写真の自動販売機として機能することができる。
【0025】
このように、本実施形態によれば、管理装置5が、撮影画像の画像解析を行い、撮影画像に写っている顔と、事前登録顔画像との類似度を求める。オペレータ端末7には、事前登録顔画像及び名前が類似度順に表示される。オペレータは、画像ファイル名のリネームに際し、類似度の高い事前登録顔画像の名前を選択するだけでよい。そのため、画像ファイルのファイル名のリネーム処理を効率良く正確に行うことができる。
【0026】
また、リネーム済み画像のファイル名を修正する場合、修正後のファイル名の中の選手名とマスタ情報とを比較し、同じ名前の選手がいるか、同じ名前の選手の顔と類似しているかを確認し、問題がある場合はエラーメッセージを表示させるため、ファイル名修正時の誤入力を防止できる。
【0027】
次に、リネーム処理装置としての機能を有する管理装置5について説明する。
図3に示すように、管理装置5は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ、ハードディスク装置等を含む記憶部50を有したコンピュータであり、記憶部50にはリネームプログラム、マスタ情報、撮影画像データ、リネーム済み画像等が格納されている。マスタ情報は、例えばスポーツ選手の顔画像と選手名とを対応付けたものである。また、選手名だけでなく背番号も対応付けられていてもよい。
【0028】
管理装置5のCPU(Central Processing Unit)がリネームプログラムを実行することで、
図3に示すように、登録部51、撮影画像受信部52、リネーム処理部53、画像解析部54及び画像送信部55の機能が実現される。
【0029】
登録部51は、オペレータ端末7を介して、選手の顔画像及び名前の事前登録を受け付ける。例えば、登録部51は、
図4に示すような登録画面をオペレータ端末7へ送信する。登録画面には、画像追加ボタン11、名前入力領域12、背番号入力領域13、登録ボタン14等が設けられている。オペレータがオペレータ端末7を操作し、画像追加ボタン11を押すと、端末内の画像が選択できるようになる。オペレータが登録したい画像を選択すると、画像表示領域10に画像が表示される。画像の追加はドラッグアンドドロップでもよい。1人の選手につき少なくとも1枚の顔画像を登録する。
【0030】
名前入力領域12に選手の名前を入力し、背番号入力領域13に選手の背番号を入力する。登録ボタン14を押すと、顔画像及び選手名(さらに背番号)を含む事前登録顔画像がマスタ情報として、記憶部50に格納される。このようなマスタ情報の事前登録を全選手について行っておく。
【0031】
撮影画像受信部52は、カメラ6から撮影画像データを受信し、記憶部50に格納する。
【0032】
図5は、リネーム処理の流れを説明するフローチャートである。
図5に示すフローチャートに沿って、リネーム処理部53及び画像解析部54の機能について説明する。
【0033】
リネーム処理部53は、リネーム処理画面を作成して、オペレータ端末7へ送信する。
図6にリネーム処理画面の一例を示す。例えば、リネーム処理画面の画像ファイル一覧表100にリネームを行う撮影画像のファイル名が表示される。
【0034】
オペレータが、リネーム処理する画像ファイルを選択する(ステップS1)。
図7に示すように、選択された画像が画像表示領域102に表示される。画像解析部54が選択された撮影画像を解析し、撮影画像に写っている選手の顔画像を抽出する(ステップS2)。抽出された顔画像は、抽出画像表示領域104に並べて表示される(ステップS3)。
図7に示す例では、1人の選手だけが写っているため、1個の顔画像G1が撮影画像から抽出され、抽出画像表示領域104に表示される。
【0035】
画像解析部54は、事前登録されている顔画像と、撮影画像から抽出した顔画像との類似度を算出する。類似度の算出は、管理装置5とは別のコンピュータが行ってもよい。その場合、画像解析部54は、別コンピュータから類似度算出結果を取得する。撮影画像から抽出した顔画像は、事前登録されている全ての顔画像に対して類似度が算出される。例えば、100人分の選手の顔画像が事前登録されている場合、顔画像G1について、100人分の選手の事前登録顔画像に対する類似度が算出される。
【0036】
オペレータがオペレータ端末7を操作し、人物名を特定したい顔画像を選択する(ステップS4)。例えば、
図8に示すように顔画像G1を選択する。リネーム処理部53が、事前登録顔画像及び名前を、選択された顔画像G1に対する類似度が高い順に事前登録画像表示領域106に表示する(ステップS5)。このとき、類似度もあわせて表示される。
【0037】
オペレータは、類似度を参考に、
図9に示すように、顔画像G1の人物を選択する(ステップS6)。オペレータは、類似度の高い人物から順にチェックできるので、人物の特定が容易である。
【0038】
リネーム処理部53は、選択された人物の名前を含むファイル名を生成し、完成ファイル名表示領域120に表示する(ステップS7)。オペレータは、通し番号付加ボタン116により、通し番号をファイル名に入れるか否か、入れる場合はファイル名の先頭に入れるか、最後に入れるかを選択できる。
図9は、通し番号をファイル名の先頭に入れる場合を示している。
【0039】
ポジションやシーンなどのよく使用される言葉が事前に登録されている場合、登録ワード表示領域108,112に表示される。オペレータが、ファイル名として使用したい言葉を選択すると、選択された言葉が選択ワード表示領域110,114に表示され、ファイル名に反映される。
【0040】
例えば、
図9に示す例で、さらに登録ワード表示領域108内の「フォワード」という言葉を選択した場合、“01_〇〇太郎_フォワード.jpg”というファイル名が生成される。
【0041】
クリアボタン124を押すと、ファイル名が消去され、改めてファイル名を生成できるようになる。
【0042】
加工履歴付加ボタン130により、この画像に対し、オペレータ端末7で既に加工されたか、又は未加工であるかを示す加工履歴が付加できる。加工は、画像販売用に行われるものであり、例えば、画像サイズの変更や、チームロゴの合成等である。
【0043】
オペレータが登録ボタン122を押すと、リネーム処理部53は、ファイル名を変更した画像データ(リネーム済み画像)を記憶部50に保存する(ステップS8)。このとき、リネーム前の元の撮影画像データと紐付けて保存するようにしてもよい。
【0044】
例えば、1つの撮影画像データを加工して画像サイズの異なる複数の画像を生成し、これら複数の画像についてそれぞれリネームを行った場合、リネーム後の複数の画像が互いに関連するものとして紐付けられる。そして、各画像に付加された加工履歴に基づいて、リネーム済みであるが未加工である画像、リネーム及び加工が行われ販売可能である画像を容易に分類して取り扱うことができるようになる。
【0045】
次に、リネーム済み画像のファイル名の修正処理を、
図10に示すフローチャートに沿って説明する。
【0046】
オペレータは、オペレータ端末7を操作して、ファイル名修正対象の画像を選択する(ステップS11)。リネーム処理部53は、
図11に示すようなファイル名修正画面を作成して、オペレータ端末7へ送信する。
【0047】
オペレータは、ファイル名修正画面に、修正後のファイル名を入力して、変更ボタン140を押す(ステップS12)。
【0048】
リネーム処理部53は、入力されたファイル名から選手名(人物名)を抽出し、マスタ情報と比較する(ステップS13)。マスタ情報の中に抽出した選手名がない場合(ステップS14_No)、エラーメッセージを表示する(ステップS16)。
【0049】
例えば、“08_山田三郎.jpg”というファイル名を“08_山田太郎.jpg”というファイル名に修正したいところ、誤って“08_山田タロウ.jpg”と入力し、山田タロウという選手がいない場合、
図12に示すようなエラーメッセージを表示させる。
【0050】
マスタ情報の中に抽出した選手名がある場合(ステップS14_Yes)、画像解析部54が、ファイル名修正対象の画像内の顔画像と、この選手名に対応するマスタ情報内の顔画像との類似度を算出する。類似度が所定値未満であり、顔が類似していない場合(ステップS15_No)、エラーメッセージを表示する(ステップS16)。
【0051】
例えば、“08_山田三郎.jpg”というファイル名を“08_山田太郎.jpg”というファイル名に修正したいところ、誤って“08_山田次郎.jpg”と入力し、山田次郎という選手がいる場合、画像解析部54は、
図13に示すようなエラーメッセージを表示させる。
【0052】
類似度が所定値以上であり、顔が類似している場合(ステップS15_Yes)、修正後のファイル名が新たに登録される。
【0053】
オペレータは、エラーメッセージを確認して、正しいファイル名を入力する。これにより、ファイル名修正時の誤入力を防止できる。
【0054】
図7~
図9では、1人の選手だけが写っている画像のリネーム処理について説明したが、画像に複数の選手が写っている画像のリネーム処理の例を
図14、
図15を用いて説明する。
【0055】
例えば、
図14に示すように、リネーム対象の撮影画像に2人の選手が写っている場合、抽出画像表示領域104には、2個の顔画像G1、G2が表示される。オペレータが顔画像G1を選択すると、事前登録顔画像及び名前が、顔画像G1に対する類似度が高い順に事前登録画像表示領域106に表示される。オペレータが顔画像G1に対応する人物を選択すると、選択された人物の名前を含むファイル名が生成される。例えば、“01_〇〇太郎.jpg”というファイル名が生成される。
【0056】
次に、
図15に示すように、オペレータが顔画像G2を選択すると、事前登録顔画像及び名前が、顔画像G2に対する類似度が高い順に事前登録画像表示領域106に表示される。オペレータが顔画像G2に対応する人物を選択すると、その人物名がファイル名に反映される。例えば、“01_〇〇太郎.jpg”というファイル名に、今回選択した「△△大介」という人物名をつなげて、“01_〇〇太郎_△△大介.jpg”というファイル名となる。
【0057】
このように、撮影画像に複数の選手が写っている場合、オペレータは、一人ずつ順に名前を選択する。複数の選手の名前を用いた新たなファイル名が作成される。
【0058】
上記実施形態において、事前登録顔画像を事前登録画像表示領域106に表示するにあたり、類似度が所定の閾値以下の事前登録顔画像については、類似度を0%として表示してもよい。これにより、類似度の低い画像を候補から外して考えることができる。
【0059】
画像解析部54が撮影画像のシーン解析を行い、類似度を0%にする閾値をシーンによって変えてもよい。ハイタッチのシーンや、野球のバッティングのシーンでは、顔が隠れて、本人の顔画像であっても類似度が低く算出される場合がある。例えば、通常は閾値を75%に設定し、シーン解析によりハイタッチやバッティングのシーンであると判定された場合は、閾値を30%に変更する。これにより、選手名が検索しやすくなる。
【0060】
撮影画像に写っている複数の人物のうち、ピンボケしている顔画像は抽出しないようにしてもよい。
【0061】
1人の選手について複数の顔画像を事前登録している場合、各顔画像の類似度の平均値を算出し、算出した平均値に最も近い類似度の事前登録顔画像を事前登録画像表示領域106に表示してもよいし、複数の顔画像のうち最も類似度の高い事前登録顔画像を事前登録画像表示領域106に表示してもよい。
【0062】
OCR(光学的文字認識)により撮影画像中の背番号を読み取り、記憶部50に格納されている背番号リストを参照して選手名を特定してもよい。
【0063】
上記実施形態では、リネーム済み画像のファイル名を修正する場合、新たなファイル名に含まれる人物名がマスタ情報に含まれるか否か、及び、この人物名に対応するマスタ情報内の顔画像がファイル名修正対象の画像内の顔画像と類似しているか否かを確認していたが、新たなファイル名に含まれる人物名がマスタ情報に含まれるか否かのみ確認するものとしてもよい。
【0064】
上述したリネームプログラムを記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。また、リネームプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0065】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0066】
2 画像プリント装置
3 プリンタ制御装置
4 プリンタ
5 管理装置(リネーム処理装置)
6 カメラ
7 オペレータ端末
50 記憶部
51 登録部
52 撮影画像受信部
53 リネーム処理部
54 画像解析部
55 画像送信部