(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183919
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】車両のエネルギ受給部
(51)【国際特許分類】
B60L 53/14 20190101AFI20221206BHJP
H01H 89/00 20060101ALI20221206BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20221206BHJP
H01H 13/18 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B60L53/14
H01H89/00
H01H36/00 M
H01H13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091452
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
【テーマコード(参考)】
5G046
5G052
5G206
5H125
【Fターム(参考)】
5G046AB01
5G046AC52
5G046AE05
5G052AA14
5G052AA21
5G052BB01
5G052BB10
5G052HA08
5G052HA11
5G052JA03
5G052JA07
5G052JB05
5G052JC04
5G052JC06
5G206AS38H
5G206AS38Z
5G206CS04H
5G206CS04Z
5G206GS21
5G206HS05
5G206KS03
5G206KS09
5G206KS57
5G206RS05
5G206RS24
5G206RS32
5G206RS35
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BE02
5H125DD03
5H125EE68
5H125FF11
(57)【要約】
【課題】簡便な操作によってリッドを自動的に開くことができる、車両のエネルギ受給部を提供する。
【解決手段】車両のエネルギ受給部100は、車両の外表面1に対して車両内方へ凹設されており車両外方に開口した開口部10aとエネルギ受給口2とを有する受給凹部10と、開口部10aより車両外方に位置しており開口部10aを開放する第1位置と、開口部10aを閉鎖する第2位置と、開口部10aより車両内方に位置する第3位置とに移動可能なリッド20と、リッド20を開閉駆動するアクチュエータ30と、リッド20が第2位置から第3位置に位置することを検出可能な検出部53と、検出部53による検出に基づいてリッド20を第1位置へ移動させるようにアクチュエータ30を作動させる制御部60とを備えている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外表面に対して車両内方へ凹設されており、車両外方に開口した開口部とエネルギの受給口とを有する、受給凹部と
前記開口部より車両外方に位置しており該開口部を開放する第1位置と、前記開口部を閉鎖する第2位置と、前記開口部より車両内方に位置する第3位置とに移動可能な、リッドと、
前記リッドを開閉駆動するアクチュエータと、
前記リッドが前記第2位置から前記第3位置に位置することを検出可能な、検出部と、
前記検出部による検出に基づいて、前記リッドを前記第1位置へ移動させるように前記アクチュエータを作動させる、制御部と
を備えた車両のエネルギ受給部。
【請求項2】
前記検出部は、
前記リッドが前記第2位置に位置することを検出可能な、第2位置検出部と、
前記リッドが前記第3位置に位置することを検出可能な、第3位置検出部と
を含んでおり、
前記第3位置検出部は、前記開口部側から操作可能に配置されており、車両内方へ押し込まれたときに検出する、スイッチであり、
前記制御部は、前記リッドが前記第1位置に位置する状態で、前記第3位置検出部が押し込み操作されると、前記リッドを前記第2位置へ移動させるように前記アクチュエータを作動させる、
請求項1に記載の車両のエネルギ受給部。
【請求項3】
前記リッドの、前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置への移動に伴って車両内外に移動可能に構成されており、前記開口部側から操作可能に配置された、操作部を更に備え、
前記検出部は、
前記リッドが前記第1位置に位置するときに対応した位置に位置する前記操作部を検出可能な、第1位置検出部と、
前記リッドが前記第2位置に位置するときに対応した位置に位置する前記操作部を検出可能な、第2位置検出部と
前記リッドが前記第3位置に位置するときに対応した位置に位置する前記操作部を検出可能な、第3位置検出部と
を含んでおり、
前記制御部は、前記リッドが前記第1位置に位置する状態で、前記第3位置検出部が前記操作部を検出すると、前記リッドを前記第2位置へ移動させるように前記アクチュエータを作動させる、
請求項1に記載の車両のエネルギ受給部。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1位置検出部が前記操作部を検出している状態に続いて、前記第2位置検出部及び前記第3位置検出部が前記操作部を順に検出したときに、前記リッドを閉じるように前記アクチュエータを作動させる、
請求項3に記載の車両のエネルギ受給部。
【請求項5】
前記制御部は、前記第3位置検出部による検出の後、所定時間経過後に前記アクチュエータを作動させる、
請求項2~4のいずれか1つに記載の車両のエネルギ受給部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエネルギ受給部に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエネルギ受給部として、例えば電気自動車等には車載バッテリを充電するための充電口が設けられている。充電口は車外に向けて開口しており、外部の給電プラグが接続される受電コネクタと、上記開口を開閉可能なリッドとを有している。特許文献1には、リモートキー若しくは車内に設置する操作パネルからの操作によって、リッドを自動的に開閉させるリッド開閉装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のリッド開閉装置によれば、リッドを開閉させるのに、リモートキーを取り出して操作するか、若しくは車内の操作パネルを操作することを要するので、リッドの開閉操作が煩わしく面倒である。
【0005】
本発明は、簡便な操作によってリッドを自動的に開くことができる、車両のエネルギ受給部を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
車両の外表面に対して車両内方へ凹設されており、車両外方に開口した開口部とエネルギの受給口とを有する、受給凹部と
前記開口部より車両外方に位置しており該開口部を開放する第1位置と、前記開口部を閉鎖する第2位置と、前記開口部より車両内方に位置する第3位置とに移動可能な、リッドと、
前記リッドを開閉駆動するアクチュエータと、
前記リッドが前記第2位置から前記第3位置に位置することを検出可能な、検出部と、
前記検出部による検出に基づいて、前記リッドを前記第1位置へ移動させるように前記アクチュエータを作動させる、制御部と
を備えた車両のエネルギ受給部を提供する。
【0007】
本発明によれば、リッドを第2位置から第3位置へ押し込むことによって、リッドを第1位置へ移動させることができる。これによって、リモートキーを操作したり、車内に設けられた操作パネルを操作することを要せず、簡便にリッドを開くことができるので、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡便な操作によってリッドを自動的に開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る車両のエネルギ受給部を示す斜視図。
【
図4A】リッドが第1位置に位置するときの
図1のIV-IV線断面図。
【
図4B】リッドが第2位置に位置するときの
図1のIV-IV線断面図。
【
図4C】リッドが第3位置に位置するときの
図1のIV-IV線断面図。
【
図6】
図1のエネルギ受給部のリッド開閉に係る作動を示すフローチャート。
【
図7】変形例に係るエネルギ受給部を示す
図4Bと同様の断面図。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る車両のエネルギ受給部を示す斜視図。
【
図11A】リッドが第1位置に位置するときの
図8のXI-XI線断面図。
【
図11B】リッドが第2位置に位置するときの
図8のXI-XI線断面図。
【
図11C】リッドが第3位置に位置するときの
図8のXI-XI線断面図。
【
図12】
図8の制御部の概略構成を示すブロック図。
【
図13】
図8のエネルギ受給部のリッド開閉に係る作動を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る車両のエネルギ受給部を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両のエネルギ受給部100を示す斜視図である。エネルギ受給部100は車両の外部から供給されるエネルギを受給するように構成されており、本実施形態では、電気自動車又はプラグインハイブリット車等における車載バッテリ5(
図5参照)を充電するための充電部として構成されている。
【0012】
図1に示されるように、エネルギ受給部100は、車両の外表面1に対して車両内方へ凹設された受給凹部10と、受給凹部10に設けられたエネルギ受給口2と、受給凹部10の開口部10aを閉鎖するリッド20とを有している。なお、
図1において、車両の外表面1は二点鎖線により透過して示されている。
【0013】
受給凹部10は、車両の外表面1に対して車両内方へ凹設された第1凹部11と、第1凹部からさらに車両内方へ凹設された第2凹部12とを有している。
【0014】
図2は、エネルギ受給部100の
図1におけるA矢視図である。
図2において、車両の外表面1及び第1凹部11が二点鎖線により透過して示されている。
図2に示されるように、リッド20は、図中左側に位置するヒンジ軸O1を中心として回動可能に構成されている。ヒンジ軸O1は、受給凹部10の凹設方向に直交する方向に延びている。
【0015】
以下の説明では、受給凹部10が凹設された方向(すなわち車両内外に沿った方向)を第1方向X、ヒンジ軸O1が延びる方向を第2方向Y、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向を第3方向Zとそれぞれ称する。また、第1方向Xにおいて、車両内方へ向かう方向をX1と称し、車両外方へ向かう方向をX2とそれぞれ称する。第2方向Yにおいて、
図1中上側をY1と称し、
図1中下側をY2とそれぞれ称する。第3方向Zにおいて、受給凹部10からヒンジ軸O1側に向かう方向をZ1と称し、受給凹部10からヒンジ軸O1とは反対側に向かう方向をZ2とそれぞれ称する。
【0016】
リッド20は、ヒンジ軸O1周りに回動可能に構成されており、受給凹部10の開口部10aより車両外方に位置しており開口部10aを開放する第1位置(実線で示す)と、開口部10aを閉鎖する第2位置(一点鎖線で示す)と、開口部10aより車両内方に位置する第3位置(二点鎖線で示す)との3つの開閉位置に移動可能である。
【0017】
リッド20は、本体パネル21と、本体パネル21の外表面に取り付けられた外側パネル22とを有している。リッド20が第2位置に位置する状態で、本体パネル21の内表面には、第3方向Z2側の端部に、第1方向X1側に円柱状に突出する第1突出部(操作部)23及び第2突出部24が設けられている。第1突出部23及び第2突出部24は第3方向Zに互いに隣接している。第2突出部24は、第1突出部23よりも第1方向Xにおける高さが低く、先端に磁石24aが取り付けられている。
【0018】
リッド20が第2位置に位置するとき、第1方向Xから見て、第1突出部23及び第2突出部24は第1凹部11内に位置すると共に、第2凹部12よりも第3方向Z2側に位置している。より具体的に、リッド20が第2位置に位置するとき、磁石24aは第1突出部23よりも第3方向Z1側に隣接している。
【0019】
図1を併せて参照して、第1凹部11は、周縁部11aがリッド20の外形20aに対応する形状に構成されており、第2位置に位置するリッド20が丁度収容されて、リッド20の外表面20bと車両の外表面1とが略面一になるように形成されている。また、第1凹部11は、リッド20の第2位置から第3位置への移動を許容するように第1方向Xに所定の深さを有するように形成されている。
【0020】
第1凹部11には、周縁部11aに沿って第2凹部12を囲むように環状に延びるシール部材13が取り付けられている。シール部材13は、第2位置に位置するリッド20により第1方向X1側へ押接されて、第2凹部12を閉空間に維持して、第2凹部12に外部から雨水や埃等の異物が侵入することを防止している。
【0021】
第2凹部12は、第1凹部11の周縁部11aよりも内側において円筒状に凹設されている。第2凹部12には、エネルギ受給口2が設けられている。エネルギ受給口2は、第1方向Xに延びる一対の接続ポート2a,2bを含んでいる。一対の接続ポート2a,2bは、車載バッテリ5(
図5参照)に充電するとき、外部の電源に接続された給電プラグ(不図示)が接続されるように構成されている。
【0022】
エネルギ受給部100は、リッド20を開閉駆動するアクチュエータ30と、アクチュエータ30の作動を制御してリッド20を開閉させる制御装置40とを有している。
【0023】
アクチュエータ30は、制御装置40からの制御信号に基づいて、リッド20を、第1位置又は第2位置に移動させる。アクチュエータ30は、第2凹部12よりも第3方向Z1側に位置している。
【0024】
アクチュエータ30は、モータ31と、一端部32aがモータ31の回転軸31aに接続されており他端部32bがリッド20に接続されたリンク部32とを有している。すなわち、モータ31の回転軸31aは、中心軸がヒンジ軸O1を構成している。モータ31は、回転軸31aの回転角度を制御可能に構成されている。本実施形態では、モータ31として例えばステッピングモータを採用している。
【0025】
モータ31は、第1凹部11に対して第3方向Z1側に位置している。リンク部32は、第1凹部11をヒンジ軸O1と第2凹部12との間において第1方向Xに貫通するように円弧状に延びている。
【0026】
制御装置40は、第2凹部12に対して第3方向Z2側に位置しおり、第1凹部11に対して第1方向X1側から取り付けられている。
図3は制御装置40の分解斜視図である。
図3に示されるように、制御装置40は、回路基板50と、回路基板50を支持する回路ベース41と、回路基板50及び回路ベース41を収容するケーシング42と、ケーシング42の表面を覆うゴムカバー43とを有している。
【0027】
回路ベース41は、矩形枠状に形成されており、回路基板50を第1方向X1側から支持している。
【0028】
回路基板50には、第1方向X1に押し込み操作可能に構成されたスイッチ部51及び磁気検出部52とを含む検出部53と、検出部53に対して第3方向Z2側に位置する第1光源54と、検出部53に対して第3方向Z1側に位置する第2光源55とが実装されている。磁気検出部52としては、ホールIC、MR素子等、磁気を検出することができる種々のものを採用できる。第1光源54及び第2光源55はLED(Light Emitting Diode)により構成されている。
【0029】
ケーシング42は、樹脂製の透明部材により形成されている。ケーシング42は、第1方向X1側が開口した直方体に形成されている。具体的には、ケーシング42は、第1方向X2側の端部において第2方向Y及び第3方向Zに平行に延びるケーシング外壁部44と、ケーシング外壁部44の周縁部から第1方向X1側へ延びるケーシング側壁部45とを有している。
【0030】
ケーシング外壁部44には、第1方向X2側から見て、スイッチ部51に略中心を一致させて第1方向Xに貫通するケーシング貫通孔(第2貫通孔)44aと、ケーシング貫通孔44aの第3方向Z2側において第1光源54に略中心を一致させて第1方向X2へ円柱状に突出する第1レンズ部44bとが形成されている。ケーシング貫通孔44aの穴径は、第1方向X2側から見て、ケーシング貫通孔44a内にスイッチ部51の全体が位置する一方で、磁気検出部52は一部のみ位置する程度の大きさに形成されている。換言すれば、磁気検出部52は少なくとも一部がケーシング外壁部44によって第1方向X2側から覆われている。
【0031】
ケーシング側壁部45は、第1方向X1側に位置するケーシング第1側壁部46と、第1方向X2側に位置しており第1方向Xに直交する断面形状がケーシング第1側壁部46よりも一段縮小したケーシング第2側壁部47とを有している。第1方向Xにおいて、ケーシング第1側壁部46は、ケーシング第2側壁部47よりも長い。
【0032】
図4Aは、
図1のIV-IV線に沿ったスイッチ部51及び磁気検出部52を通る第1方向X及び第3方向Zに平行な断面図であり、制御装置40の周辺を示す。
図4Aを併せて参照して、ケーシング第1側壁部46は、第1方向Xに直交する断面形状において内周部が回路基板50の外形に略一致する大きさに形成されている。ケーシング第1側壁部46は、第1方向Xにおける長さが、回路ベース41と回路基板50とを合計した長さに略一致している。
【0033】
ケーシング第2側壁部47は、第1方向Xに直交する断面形状において内周部が回路基板50の外形よりも小さい。すなわち、ケーシング42は、内周部にケーシング第1側壁部46とケーシング第2側壁部47との境界部に段部42aが存在する。回路基板50は、第1方向X2側の端面が段部42aに略当接して、第1方向Xにおける位置決めがなされている。
【0034】
ケーシング第2側壁部47のうち第3方向Z1側に位置する側壁には、第2光源55から放出される光が入力される位置に、第3方向Z1側へ延びる第2レンズ部47bが形成されている。第2レンズ部47bは、第3方向Zに直交する断面形状が第3方向Z1側に向かって次第に拡大するように形成されている。第2レンズ部47bは、受給凹部10の第2凹部12の円筒壁部12aを第3方向Z1に貫通しており、第2光源55から放出される光を受けて、第2凹部12の内側に位置するエネルギ受給口2を照らす。
【0035】
ゴムカバー43は、ケーシング42の第1方向X2側の端部(具体的にはケーシング外壁部44及びケーシング第2側壁部47)を覆うように形成されている。ゴムカバー43は、ケーシング外壁部44を覆うカバー外壁部48と、ケーシング第2側壁部47を覆うカバー側壁部49とを有している。
【0036】
カバー外壁部48には、ケーシング貫通孔44aに嵌り込んで第1方向Xに変形可能に構成された変形部48aと、第1レンズ部44bが挿入されるカバーレンズ孔48bとが形成されている。
図4Aに示す状態において、変形部48aは、第1方向X2から見たときの中心部に、残余の部分に比して厚肉に形成された厚肉部48cを有しており、厚肉部48cは第1方向X1側の端面がスイッチ部51に略当接している。厚肉部48cは、第1方向X2側の端面がケーシング外壁部44よりも第1方向X2側に位置している。
【0037】
また、受給凹部10の第1凹部11には、第1方向X2側から見て、ケーシング貫通孔44aに中心が一致した凹部貫通孔(貫通孔)11bと、第1レンズ部44bに中心が一致した凹部レンズ孔11cとが形成されている。すなわち、ケーシング貫通孔44aは、凹部貫通孔11bに対してこの軸線方向に対向している。凹部貫通孔11bは、孔の大きさがケーシング貫通孔44aよりも一回り大きく形成されており、具体的には、第1方向X2側から見て、スイッチ部51を中心とする円形状をなし、スイッチ部51及び磁気検出部52を内側に囲むような大きさに形成されている。
図4Aに示す状態において凹部貫通孔11b内には、厚肉部48cが位置しており、厚肉部48cは第1方向X2側の端面が第1凹部11よりも第1方向X1側に位置している。
【0038】
第1レンズ部44bは、カバーレンズ孔48b及び凹部レンズ孔11cを通って第1方向X2へ延びて、外端面が第1凹部11と面一状となるように構成されている。
【0039】
図4Bは、リッド20が第2位置に位置するときの、
図4Aと同様の断面図である。
図4Bに示されるように、リッド20が第2位置に位置するとき、第1突出部23は、スイッチ部51に対して略中心を一致させつつ、ゴムカバー43の厚肉部48cに対して第1方向X2側から略当接している。換言すると、リッド20が第2位置に位置するとき、リッド20の第1突出部23は第1方向X1側の端面が、第1凹部11よりも第1方向X1側に位置している。
【0040】
一方、第2突出部24は、磁石24aが磁気検出部52に対して、略中心を一致させながら、ケーシング外壁部44及びカバー外壁部48を間に介在させつつ空間部を挟んで対向しており、磁石24aによる磁気を検出する。
【0041】
図4Cは、リッド20が第3位置に位置するときの、
図4Aと同様の断面図である。
図4Cに示されるように、リッド20が第3位置に位置するとき、第1突出部23はゴムカバー43の厚肉部48cを第1方向X1へ押圧して、厚肉部48cを介してスイッチ部51を第1方向X1へ押し込み操作する。すなわちスイッチ部51は、第1突出部23により押し込み操作されてオン状態となる。
【0042】
一方、第2突出部24は、
図4Bに示される状態に比して、第1方向X1側に位置するものの、第1凹部11に対して第1方向Xに間隔を空けて対向している。このとき、磁気検出部52は、磁石24aによる磁気を継続して検出している。
【0043】
なお、リッド20は、アクチュエータ30により開閉が制御されており、具体的にはモータ31の回転軸31aが所定の回転角度で停止することによって第1位置又は第2位置に位置決めされている。モータ31によるリッド20の位置決め力は、第2位置に位置するリッド20をモータ31による停止力に抗して手動で第1方向Xに押し込むことによって第3位置への移動が許容される程度の力に設定されている。
【0044】
この他、リッド20自体の剛性を調整することによって、モータ31は回転軸31aの停止を維持する一方で、リッド20自体を第1方向X1へ変形させることによって、リッド20のうちヒンジ軸O1とは反対側(第3方向Z2側)に位置する部分を第1方向X1側に移動させることにより、第3位置に移動させるように構成してもよい。
【0045】
すなわち、
図4Aに示されるように、リッド20が第1位置に位置するとき、スイッチ部51はオフ状態であり、磁気検出部52は磁石24aによる磁気を検出しない。また、
図4Bに示されるように、リッド20が第2位置に位置するとき、スイッチ部51はオフ状態であり、磁気検出部52は磁石24aによる磁気を検出する。また、
図4Cに示されるように、リッド20が第3位置に位置するとき、スイッチ部51はオン状態になり、磁気検出部52は磁石24aによる磁気を検出する。
【0046】
また、回路基板50には、リッド20の開閉を制御する制御部60がさらに設けられている。制御部60は、メモリ、記憶装置及び演算装置(CPU)を備えた周知のコンピュータと、コンピュータに実装されたソフトウエアとによって、後述する機能を実行するように構成されている。制御部60は、スイッチ部51及び磁気検出部52による検出結果に基づいて、モータ31の作動を制御すると共に、第1光源54及び第2光源55の点灯を制御する。なお、制御部60を、車両に搭載された車両ECU(Electric Control Unit)により構成してもよい。
【0047】
図5は、制御部60の概略構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、制御部60は、リッド開検出部61と、押込操作検出部62と、モータ制御部63と、第1光源制御部64と、第2光源制御部65とを有している。
【0048】
リッド開検出部61は、磁気検出部52による検出結果に基づいて、リッド20が第1位置に位置しているか判断する。具体的には、磁気検出部52が磁石24aによる磁気を検出していないとき、リッド開検出部61はリッド20が第1位置に位置していると判断する。換言すれば、リッド開検出部61は、磁気検出部52が磁石24aによる磁気を検出しているとき、リッド20が第2位置又は第3位置に位置していると判断する。
【0049】
押込操作検出部62は、スイッチ部51のオン/オフ状態に基づいて、スイッチ部51が押し込み操作されたかどうか判断する。また、押込操作検出部62は、リッド開検出部61の判断結果を利用して、第3位置に位置するリッド20によってスイッチ部51が押し込み操作されたのか、それともユーザによる手動により押し込み操作されたのか判断する。
【0050】
つまり、押込操作検出部62は、リッド開検出部61によってリッド20が第1位置に位置すると判断されたときに、押し込み操作を検出すると、ユーザによって押し込み操作されたと判断する。一方、押込操作検出部62は、リッド開検出部61によってリッド20が第2位置又は第3位置に位置すると判断されたときに、押し込み操作を検出すると、リッド20の第1突出部23によって押し込み操作されたと判断する。
【0051】
モータ制御部63は、モータ31の作動を制御してリッド20を開閉させる。具体的には、モータ制御部63は、車両に備えた認証部7によってユーザ認証を行い該認証が成立した場合に、押込操作検出部62によってユーザによってスイッチ部51が押し込み操作されたと判断されとき(すなわちリッド20が第1位置に位置している)、リッド20を第2位置に移動させるようにモータ31を制御する。
【0052】
一方、モータ制御部63は、認証部7による上記ユーザ認証が成立した場合に、押込操作検出部62によってリッド20の第1突出部23によってスイッチ部51が押し込み操作されたと判断されたとき(すなわちリッド20が第2位置又は第3位置に位置している)、リッド20を第1位置に移動させるようにモータ31を制御する。
【0053】
一方、モータ制御部63は、スイッチ部51が押し込み操作されたと判断されないときには、モータ31を停止するように制御し、リッド20を第1位置又は第2位置にロックする。なお、本実施形態では、モータ制御部63は、スイッチ部51が押し込み操作されたと判断された後、所定時間(例えば0.5秒~1.0秒)後にモータ31を作動させる。
【0054】
認証部7について、詳述は省略するが、例えば、キーとLF(Low Frequency)信号による通信を行い、車外のキーの認証を行う車外LF送受信アンテナを有する送受信機を備える。送受信機は、通信ケーブルによって制御部60と通信可能に接続されているが、ECUと通信可能に接続されてもよい。送受信機は、ECUからの命令に応じて機動し、認証処理に関する通信を行う。認証処理で認証部7は、キーに対して認証コードの送信要求を行い、キーから受信した認証コードを登録された正規コードと比較し、これらが合致(成立)すればユーザであると判断する。
【0055】
第1光源制御部64は、リッド開検出部61によってリッド20が第1位置に位置すると判断されたとき、車載バッテリ5の充電状態に応じて第1光源54の発光態様を制御する。例えば、充電状態に応じて、第1光源54を、点灯させたり、点滅させたり、発光色を変えるように制御してもよい。第1レンズ部44bに現れる第1光源54の発光態様は、ユーザに車載バッテリ5の充電状態を報知するインジケータを構成する。
【0056】
第2光源制御部65は、リッド開検出部61によってリッド20が第1位置に位置すると判断されたとき、第2光源55を点灯させて、第2レンズ部47bを介して、第2凹部12内のエネルギ受給口2を照らす。これにより、暗所におけるエネルギ受給口への給電プラグの差し込む作業性が向上する。
【0057】
図6は、本実施形態に係るエネルギ受給部100における、リッド20の開閉に係る作動を示すフローチャートである。
図6に示されるように、まず、認証部7がユーザ認証を行う(ステップS001)。ステップS001において、ユーザ認証が成立した場合(すなわちYESの場合)、ステップS002に進む。一方、ユーザ認証が不成立である場合(すなわちNOの場合)制御を終了する。
【0058】
ステップS002において、リッド開検出部61が、リッド20が第1位置に位置しているか否か判断する。ステップS002における判断がYESの場合(すなわちリッド20が第1位置に位置している)、ステップS003に進む。ステップS003において、第1光源制御部64は第1光源54を車載バッテリ5の充電状態に応じた態様で点灯させるように制御すると共に、第2光源制御部65は第2光源55を点灯させるように制御する。
【0059】
次に、押込操作検出部62が、スイッチ部51が押し込み操作されたか否か判断する(ステップS004)。ステップS004において、押込操作検出部62が、スイッチ部51が押し込み操作されたと判断したとき(すなわちYES)、ステップS005に進む。一方、押込操作検出部62が、スイッチ部51が押し込み操作されたと判断しないとき(すなわちNO)制御を終了する。
【0060】
次に、ステップS005において、所定時間が経過したか否か判断された後に、ステップS006に進む。ステップS006において、モータ制御部63は、モータ31を制御して、リッド20を第2位置へ移動させる。次に、ステップS007に進み、第1光源制御部64及び第2光源制御部65は、第1光源54及び第2光源55を消灯状態に制御する。
【0061】
すなわち、リッド20が第1位置に位置する状態(すなわち受給凹部10の開口部10aが解放された状態)で、ユーザによりスイッチ部51が押し込み操作されたとき、所定時間経過した後にアクチュエータ30がリッド20を第2位置(すなわち受給凹部10の開口部10aを閉鎖する)に移動させる。
【0062】
一方、ステップS002において、リッド開検出部61が、リッド20が第1位置に位置していないと判断したとき(すなわちNO)、第1光源制御部64及び第2光源制御部65は第1光源54及び第2光源55をそれぞれ消灯状態に制御する(ステップS011)。
【0063】
次に、押込操作検出部62が、スイッチ部51が押し込み操作されたか否か判断する(ステップS012)。ステップS012において、押込操作検出部62が、スイッチ部51が押し込み操作されたと判断したとき(すなわちYES)、ステップS013に進む。一方、押込操作検出部62が、スイッチ部51が押し込み操作されたと判断しないとき(すなわちNO)制御を終了する。
【0064】
次に、ステップS013において、所定時間が経過したか否か判断された後に、ステップS014に進む。ステップS014において、モータ制御部63は、モータ31を制御して、リッド20を第1位置へ移動させる。次に、ステップS015に進み、第1光源制御部64は第1光源54を車載バッテリ5の充電状態に応じた態様で点灯させるように制御すると共に、第2光源制御部65は第2光源55を点灯させるように制御する。
【0065】
すなわち、リッド20が第2位置に位置する状態(すなわち受給凹部10の開口部10aが閉鎖された状態)で、リッド20を第3位置に押し込むことによって第1突出部23を介してスイッチ部51が押し込み操作されたとき、所定時間経過した後にアクチュエータ30がリッド20を第1位置(すなわち受給凹部10の開口部10aが解放された状態)に移動させる。
【0066】
上記実施形態によれば、磁石24aと磁気検出部52とによってリッド20が第2位置に位置することを検出でき、リッド20が第2位置に位置するときに第1突出部23とスイッチ部51によってリッド20の第3位置への移動を検出することができる。さらに、リッド20が第1位置に位置するときにスイッチ部51を手動により操作することを可能とする。
【0067】
ここで、リッド20の第2位置及び第3位置の検出を近接して配置された2つの検出部53によって構成する場合であっても、本発明によれば、リッド20の第2位置が磁気検出部52により検出され、リッド20の第3位置、及びユーザによる手動操作がスイッチ部51により検出されるので、押し込み操作されるスイッチを1つのスイッチ部51に限定でき、ユーザによるスイッチ部51の誤認による誤操作が防止される。
【0068】
また、スイッチ部51と磁気検出部52とが同一の回路基板50上に配置されているので、これらを1つのユニットに纏めることができ、組み付け性が向上する。しかも、スイッチ部51及び磁気検出部52それぞれを回路基板50に接続するためのハーネスが不要になるので配策が容易になる。
【0069】
また、スイッチ部51及び磁気検出部52を受給凹部10(第1凹部11)に対して開口部10aとは反対側(すなわち第1方向X1側)に配置した場合であっても、凹部貫通孔11bを介して、スイッチ部51によって第1突出部23又はユーザによる押し込み操作を確実に検出できると共に、磁気検出部52によって磁石24aによる磁気を確実に検出できる。この場合、磁気検出部52と磁石24aとの間には、受給凹部10の壁が存在しないので、磁気検出部52による磁気の検出精度を向上できる。
【0070】
また、回路基板50には押し込み操作されるスイッチ部51が1つのみ設けられているので、ケーシング42に回路基板50を収容する場合でも該1つのスイッチ部51に対応してケーシング貫通孔44aを1つ形成するだけでよい。すなわち、スイッチ部が2つ並ぶ構成と比較すると、2つのケーシング貫通孔44aを形成する必要がないため、スイッチ部51と磁気検出部52とをより近くに配置できる。よって、制御装置40を小型化しやすい。
【0071】
また、スイッチ部51び磁気検出部52はゴムカバー43によって車両外方から覆われるため、外環上現れないので見栄えが良い。さらに、スイッチ部51及び磁気検出部52をゴムカバー43によって保護しつつ、ゴムカバー43の変形部48aを介したスイッチ部51の操作性とゴムカバー43を介した磁気検出部52による磁石24aの磁力の検出性とを確保できる。
【0072】
[第2実施形態]
以下、
図8~
図13を参照して、本発明の第2実施形態に係る車両のエネルギ受給部200について説明する。以下の説明において、第1実施形態に係る車両のエネルギ受給部100と共通する部分については同じ符号を使用して、その説明を省略する。
【0073】
図8は、エネルギ受給部200の斜視図である。
図8に示されるように、エネルギ受給部200は、第1実施形態に係るエネルギ受給部100に対して制御装置40に換えて制御装置240を有している点で主に異なっている。
図9は、エネルギ受給部200の
図8におけるB矢視図である。
図9を併せて参照して、制御装置240は、第1凹部11の第1方向X1側に取り付けられて第1方向X1に円筒状に延びている。
【0074】
図10は、制御装置240の分解斜視図である。
図11Aは、
図8のXI-XI線に沿った制御装置240を通る第1方向X及び第3方向Zに平行な断面図である。
図10及び
図11Aを参照して、制御装置240は、第1方向Xに移動可能に構成された操作部241と、操作部241を内側に収容するケーシング242と、ケーシング242の第1方向X2側に設けられたゴムカバー243と、ケーシング242の第1方向X1側の端部を閉じる底部カバー244と、操作部241を第1方向X2側に付勢するコイルスプリング245と、底部カバー244に支持された回路基板250とを有している。
【0075】
操作部241は第1方向Xに延びる円柱部241aと、円柱部241aの第1方向X2側の端部に設けられ第1方向X2側に向かって先細りとなる円錐台部241bとを有している。円柱部241aの外周部には、径方向に突出して第1方向Xに延びる複数の突条241cが設けられている。複数の突条241cは、円柱部241aの第2方向Yにおける両端部と第3方向Z1側の端部との合計3箇所に設けられている。
【0076】
円柱部241aの第3方向Z2側の端部には、第1方向X及び第2方向Yに平行に延びる平面部241dが形成されている。平面部241dには、第1方向X2側の端部に磁石246が面一状に現れるように埋設されている。円柱部241aの第1方向X1側の端部には第1方向X2へ凹となる円錐台状の凹部241fが形成されている。凹部241fは、円柱部241aと同心状に形成されており、内部にコイルスプリング245の第1方向X2側の端部が収容される。
【0077】
円錐台部241bは、第1方向X1側の外径が、円柱部241aの外径よりも小さい。すなわち、円錐台部241bと円柱部241aとの間には段部241eが形成されている。
【0078】
ケーシング242は、第1方向X1側が開口した円筒状に形成されたケーシング円筒部247と、ケーシング円筒部247の内側を第1方向X2側において第1方向Xに隔てるケーシング隔壁部248とを有している。
【0079】
ケーシング円筒部247の内周側には、第1方向Xに延びる複数の溝部247aが形成されている。複数の溝部247aにはそれぞれ、操作部241の複数の突条241cが配置されている。第1方向Xに直交する断面形状において、各溝部247aは、対応する突条241cがスライド可能に収まる程度の大きさに形成されている。
【0080】
ケーシング円筒部247は、第3方向Z2側の端部に第1方向Xに延びる拡張部247bが形成されている。拡張部247bは、操作部241の平面部241dに対向する平面部247cを有する直方体状に形成されている。
【0081】
図8、9に示されるように、ケーシング242は、ケーシング円筒部247の第1方向X2側の端部において、第1凹部11に対して第1方向X1側から取り付けられており、これによって制御装置240が受給凹部10に対して第1方向X1側に取り付けられている。より具体的には、ケーシング242は、第1方向X2側から見て、凹部貫通孔11bの径方向中心にケーシング円筒部247の中心軸線を一致させて取り付けられている。
【0082】
図10、
図11Aに戻って、ケーシング隔壁部248は、ケーシング円筒部247の内周部のうち第1方向X2側の端部に近接した位置に設けられている。ケーシング隔壁部248には、第1方向Xに貫通したケーシング貫通孔248aが形成されている。ケーシング貫通孔248aは、ケーシング円筒部247に対して軸心を一致させつつ、外径が操作部241の円柱部241aよりも小さく円錐台部241bの第1方向X1側端部における外径よりも大きい。
【0083】
ケーシング隔壁部248の第1方向X2側の端面には、外周縁部において第1方向X1側に凹となる凹部248bが形成されている。凹部248bはケーシング円筒部247の内周部と共に第1方向X1側に凹となる環状溝を構成している。
【0084】
ゴムカバー243は、カバー円環部243aと、カバー円環部243aの外周縁部から第1方向X1に突出するカバー突出部243bと、カバー円環部243aの内周部から第1方向X2に突出するカバー円錐台部243cとを有している。カバー円環部243aは、ケーシング隔壁部248と第1凹部11との間に第1方向Xに挟持されている。カバー突出部243bは、ケーシング隔壁部248の凹部248b内に嵌着されている。カバー円錐台部243cは操作部241の円錐台部241bを第1方向X2側から覆っている。
【0085】
底部カバー244は、ケーシング円筒部247の内周部に略一致する形状に構成されており、ケーシング円筒部247の内周部のうち第1方向X1側の端部に取り付けられている。すなわち、底部カバー244は、第3方向Z2側の端部に、ケーシング円筒部247の拡張部247bに対応した拡張部244aを有している。底部カバー244及びケーシング円筒部247の拡張部244a,247bには、回路基板250が収容されている。回路基板250は、第1方向X1側の端部において、底部カバー244の拡張部244aに支持されている。
【0086】
底部カバー244には、ケーシング円筒部247の軸心に略一致した位置において第1方向X2側に円錐状に突出する突出部244bがさらに形成されている。突出部244bには、コイルスプリング245の第1方向X1側の端部が内径側から支持される。
【0087】
コイルスプリング245は、操作部241の凹部241fと底部カバー244との間に第1方向Xに圧縮された状態で配置されている。
図11Aに示す状態では、操作部241は、コイルスプリング245によって第1方向X2に付勢されて、段部241eにおいてケーシング隔壁部248に対して第1方向X1側から当接して位置決めされている。すなわち、操作部241は、第1方向X1側へ押圧されたとき、コイルスプリング245による付勢力に抗して第1方向Xに移動可能に構成されている。
【0088】
図11Aに示す状態では、操作部241の円錐台部241b及びカバー円錐台部243cは、凹部貫通孔11bに軸心が一致しており、カバー円錐台部243cの第1方向X2側の端面が第1凹部11と略面一状になっている。
【0089】
操作部241は、リッド20の第1位置~第3位置への移動に伴って、第1方向Xに移動する。具体的には、
図11Aに示されるように、リッド20が第1位置に位置するとき、操作部241はコイルスプリング245により第1方向X2へ付勢される一方で、ケーシング隔壁部248によって第1方向X2側から位置決めされている。この状態では、操作部241が第1方向Xにおける移動可能な範囲のうち、最も第1方向X2側に位置している。
【0090】
図11Bに示されるように、リッド20が第2位置に位置するとき、第1実施形態において説明したように、リッド20の第1突出部23は、第1凹部11よりも第1方向X1側に位置している。このため、操作部241は、ゴムカバー243を介して第1突出部23により第1方向X1に押し込まれる。この結果、操作部241は、
図11Aに示される場合に比して第1方向X1側に移動した位置に位置決めされる。
【0091】
図11Cに示されるように、リッド20が第3位置に位置するとき、リッド20の第1突出部23がさらに第1方向X1側に位置するので、ゴムカバー243を介して操作部241をさらに第1方向X1へ押圧する。この結果、操作部241は、
図11Bに示される場合に比して第1方向X1側にさらに移動した位置に位置決めされる。
【0092】
すなわち、リッド20の第1位置、第2位置及び第3位置への移動に伴って、操作部241は第1方向X1に順に移動する。以下の説明では、リッド20が第1~第3位置に位置するときにそれぞれ対応する、操作部241の第1方向Xにおける位置も第1位置、第2位置及び第3位置と称する。なお、操作部241は、リッド20が第1位置に位置するとき、受給凹部10の開口部10a側からのユーザの手指によっても第1方向X1へ押し込み操作されて、第2位置及び第3位置に移動する。
【0093】
図10に示されるように、回路基板250には、第1磁気検出部251、第2磁気検出部252及び第3磁気検出部253を含む検出部254が実装されている。第1~第3磁気検出部251~253は、第1方向X2側から第1方向X1側に向かって順に並ぶように実装されている。各検出部254は、操作部241に埋設された磁石246が第3方向Zに対向して位置するときに、該磁石246による磁気をそれぞれ検出する。各検出部254としては、ホールIC、MR素子等、磁気を検出することができる種々のものを採用できる。
【0094】
具体的には、
図11Aに示されるように、第1磁気検出部251は、第1位置に位置する操作部241の磁石246に対して第3方向Zに対向する位置に配置されている。
図11Bに示されるように、第2磁気検出部252は、第2位置に位置する操作部241の磁石246に対して第3方向Zに対向する位置に配置されている。
図11Cに示されるように、第3磁気検出部253は、第3位置に位置する操作部241の磁石246に対して第3方向Zに対向する位置に配置されている。
【0095】
また、回路基板250には、リッド20の開閉を制御する制御部260がさらに設けられている。制御部260は、メモリ、記憶装置及び演算装置(CPU)を備えた周知のコンピュータと、コンピュータに実装されたソフトウェアとによって、後述する機能を実行するように構成されている。制御部260は、検出部254による検出結果に基づいて、モータ31の作動を制御する。なお、制御部260を、車両に搭載された車両ECU(Electric Control Unit)により構成してもよい。
【0096】
図12は、制御部260の概略構成を示すブロック図である。
図12に示されるように、制御部260は、第1位置検出部261と、第2位置検出部262と、第3位置検出部263と、モータ制御部264とを有している。
【0097】
第1位置検出部261は、第1磁気検出部251による検出結果に基づいて、操作部241が第1位置に位置しているか判断する。第2位置検出部262は、第2磁気検出部252による検出結果に基づいて、操作部241が第2位置に位置しているか判断する。第3位置検出部263は、第3磁気検出部253による検出結果に基づいて、操作部241が第3位置に位置しているか判断する。
【0098】
モータ制御部264は、モータ31の作動を制御してリッド20を開閉させる。具体的には、モータ制御部264は、認証部7によるユーザ認証が成立した場合に、第1位置検出部261によって操作部241が第1位置に所定時間にわたって位置している(すなわちリッド20が開状態である)と判断された後に、第2位置検出部262及び第3位置検出部263によって操作部241が第2位置及び第3位置に順に位置した(移動した)と判断されたときに、リッド20を第2位置に移動させるようにモータ31を制御する。
【0099】
一方、モータ制御部264は、認証部7によるユーザ認証が成立した場合に、第2位置検出部262によって操作部241が第2位置に所定時間にわたって位置している(すなわちリッド20が閉状態である)と判断された後に、第3位置検出部263によって操作部241が第3位置に位置した(移動した)と判断されたときに、リッド20を第1位置に移動させるようにモータ31を制御する。
【0100】
モータ制御部264は、第3位置検出部263によって操作部241が第3位置に位置したことと判断されないときには、モータ31を停止するように制御し、リッド20を第1位置又は第2位置にロックする。なお、本実施形態では、モータ制御部264は、操作部241が第3位置に移動したと判断された後、所定時間(例えば0.5秒~1.0秒)後にモータ31を作動させる。
【0101】
図13は、本実施形態に係るエネルギ受給部200における、リッド20の開閉に係る作動を示すフローチャートである。
図13に示されるように、まず、認証部7がユーザ認証を行う(ステップS101)。ステップS101において、ユーザ認証が成立した場合(すなわちYESの場合)、ステップS102に進む。一方、ユーザ認証が不成立である場合(すなわちNOの場合)制御を終了する。
【0102】
ステップS102において、第1位置検出部261が、操作部241が第1位置に所定時間にわたって位置しているか否か判断する。すなわち第1磁気検出部251が所定時間にわたってオンとなっているか判断する。ステップS102における判断がYESの場合、ステップS103に進む。なお、操作部241が所定時間にわたって第1位置に位置していることから、リッド20が第1位置に位置していると判断できる。上記所定時間はリッド20が短い時間だけ第1位置に位置したと判断することを除外するように、例えば1.0秒から2.0秒に設定されている。
【0103】
ステップS103において、第1位置検出部261が、第1磁気検出部251による操作部241の検出がオフになったことを確認して、ステップS204に進む。
【0104】
ステップS104において、第2位置検出部262は、第2磁気検出部252が操作部241を検出したか否か判断する。第2位置検出部262は、ステップS104においては、第2磁気検出部252が操作部241を短い時間でも検出したか否かを判断し、所定時間にわたって検出しているか否か判断しない。ステップS104において、第2位置検出部262の判断がYESになると、ステップS105に進む。
【0105】
ステップS105において、第3位置検出部263は、第3磁気検出部253が操作部241を検出したか否か判断する。第3位置検出部263は、第3磁気検出部253が操作部241を短い時間でも検出したか否かを判断し、所定時間にわたって検出しているか否か判断しない。ステップS105において、第3位置検出部263の判断がYESになると、ステップS106に進む。
【0106】
ステップS106において、所定時間が経過したと判断された後に、ステップS107に進む。ステップS107において、モータ制御部264は、モータ31を制御して、リッド20を第2位置へ移動させる。
【0107】
すなわち、リッド20が第1位置に位置する状態(すなわち受給凹部10の開口部10aが解放された状態)で、操作部241がユーザにより押し込み操作されて第1位置、第2位置及び第3位置に順に移動したとき、所定時間経過した後にアクチュエータ30がリッド20を第2位置(すなわち受給凹部10の開口部10aを閉鎖する)に移動させる。
【0108】
一方、ステップS102において、第1位置検出部261が、操作部241が第1位置に所定時間にわたって位置していないと判断したとき(すなわちNO)、ステップS110に進む。
【0109】
ステップS110において、第2位置検出部262が、操作部241が第2位置に所定時間にわたって位置しているか否か判断する。すなわち第2磁気検出部252が所定時間にわたってオンとなっているか判断する。第2位置検出部262は、ステップS110においては、第2磁気検出部252が操作部241を所定時間にわたって検出しているか否かを判断する。ステップS110における判断がYESの場合、ステップS111に進む。
【0110】
なお、操作部241が所定時間にわたって第2位置に位置していることから、リッド20が第2位置に位置していると判断できる。上記所定時間はリッド20が短い時間だけ第2位置に位置したと判断することを除外するように、例えば1.0秒から2.0秒に設定されている。
【0111】
ステップS111において、第2位置検出部262が、第2磁気検出部252による操作部241の検出がオフになったことを確認して、ステップS112に進む。
【0112】
ステップS112において、第3位置検出部263は、第3磁気検出部253が操作部241を検出したか否か判断する。第3位置検出部263は、第3磁気検出部253が操作部241を短い時間でも検出したか否かを判断し、所定時間にわたって検出しているか否か判断しない。ステップS112において、第3位置検出部263の判断がYESになると、ステップS113に進む。
【0113】
ステップS113において、所定時間が経過したと判断された後に、ステップS114に進む。ステップS114において、モータ制御部264は、モータ31を制御して、リッド20を第1位置へ移動させる。
【0114】
すなわち、リッド20が第2位置に位置する状態(すなわち受給凹部10の開口部10aが閉鎖された状態)で、ユーザがリッド20を第3位置へ押し込むことによって操作部241が第2位置から第3位置に押し込み操作されたとき、所定時間経過した後にアクチュエータ30がリッド20を第1位置(すなわち受給凹部10の開口部10aをを開放する)に移動させる。
【0115】
上記説明した各実施形態に係るエネルギ受給部100,200によれば、次の効果が発揮される。
【0116】
(1)リッド20が第2位置に位置するときに、リッド20を第2位置から第3位置へ押し込むことによって、リッド20を自動的に第1位置へ移動させる(受給凹部10を開く)ことができる。これによって、リモートキーを操作したり、車内に設けられた開閉スイッチを操作することを要せず、利便性が向上する。
【0117】
(2)第1実施形態において、リッド20が第1位置に位置するときに、ユーザによる手動操作によってスイッチ部51を押し込むという簡便な操作によって、リッド20を自動的に第2位置に移動させる(受給凹部10を閉鎖する)ことができる。
【0118】
(3)第2実施形態において、リッド20が第1位置に位置するときに、ユーザによる手動操作によって操作部241を押し込むという簡便な操作によって、リッド20を自動的に第2位置に移動させる(受給凹部10を閉鎖する)ことができる。さらに、1つの操作部241を介して、リッド20の第1位置~第3位置を検出できるので、第1位置~第3位置それぞれに対応して操作部241を設ける場合に比して、部品点数を削減できると共に省スペース化を実現できる。
【0119】
(4)第2実施形態において、リッド20が第1位置に位置するときに、ユーザによる手動操作によって操作部241が、第1磁気検出部251、第2磁気検出部252部及び第3磁気検出部253によって順に検出された場合に、操作部241がユーザによって押し込み操作されたと確実に判断できるので、誤動作なく確実にリッド20を第2位置に移動させることができる。
【0120】
(5)ユーザがリッド20又は手指によってスイッチ部51(又は操作部241)を押し込み操作したときに、ユーザの手指がリッド20又はスイッチ部51(又は操作部241)から離れる時間を経た後に、リッド20を自動的に開閉させることができるので、開閉するリッド20とユーザの手指との干渉を抑制できる。
【0121】
なお、本発明に係る車両のエネルギ受給部100,200は、上記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0122】
上記第1実施形態では、磁気検出部52は、ケーシング貫通孔44aを介して、磁石24aによる磁気を検出するように構成したが、これに限らない。
図7は変形例に係る車両のエネルギ受給部110を示す
図4Bと同様の断面図である。
図7に示されるように、上記実施形態に比して凹部貫通孔11bの外径を小さくすることによって、第1凹部11が磁気検出部52を第1方向X2側から覆うように構成してもよい。この場合、磁気検出部52は、磁石24aによる磁気を、第1凹部11、カバー外壁部48及びケーシング外壁部44を介して検出することを可能とするように、磁石24aによる磁気の強さ及び/又は磁気検出部52における磁気検出性を適宜設定すればよい。
【0123】
上記第2実施形態でも、上記第1実施形態と同様に回路基板250に第1光源54及び第2光源55を設けると共に、制御部260に第1光源54及び第2光源55の発光を制御する第1光源制御部及び第2光源制御部を設けてもよい。
【0124】
上記第2実施形態では、操作部241の位置を検出するために、操作部241に磁石246を埋設し、第1~第3磁気検出部251~253によって磁石246を検出するように構成したが、この他、種々の検出方法を採用できる。例えば、操作部241の移動に伴って移動する移動片を、接点により電気的に検出するように構成してもよい。
【0125】
上記各実施形態では、スイッチ部51(又は操作部241)をリッド20の開閉制御のために使用したが、この他、種々の操作に使用してもよい。例えば、リッド20が第1位置に位置するときに、スイッチ部51(又は操作部241)がユーザにより押し込み操作されたときに、給電プラグのエネルギ受給口2への係止又は係止解除するように構成してもよく、若しくは給電開始又は給電停止するように構成してもよく、この他種々の操作入力に利用してもよい。
【0126】
上記各実施形態では、エネルギ受給部100を、電気自動車又はプラグインハイブリット車等における車載バッテリ5を充電するための受電口として構成したが、この他、ガソリン、軽油、水素等の燃料を受給するための受給口にも適用してもよい。
【0127】
上記第2実施形態においては、ステップS102において、第1位置検出部261が、操作部241が第1位置に所定時間にわたって位置している場合に、リッド20が第1位置に位置していると判断するように構成しているが、操作部241が第1位置に短い時間でも位置している場合に、リッド20が第1位置に位置していると判断するように構成してもよい。その場合、例えば、第1位置検出部261、第2位置検出部262、第3位置検出部263の検出順序、及び、アクチュエータ30の作動履歴を制御部60に記憶しておき、その順番を考慮して判断するようにしてもよい。
【0128】
また、上記第2実施形態においては、ステップS110において、第2位置検出部262が、操作部241が第2位置に所定時間にわたって位置している場合に、リッド20が第2位置に位置していると判断するように構成しているが、操作部241が第2位置に短い時間でも位置している場合に、リッド20が第2位置に位置していると判断するように構成してもよい。その場合、例えば、第1位置検出部261、第2位置検出部262、第3位置検出部263の検出順序、及び、アクチュエータ30の作動履歴を制御部60に記憶しておき、その順番を考慮して判断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 車両の外表面
2 エネルギ受給口
5 車載バッテリ
7 認証部
10 受給凹部
11 第1凹部
12 第2凹部
20 リッド
23 第1突出部
24a 磁石
30 アクチュエータ
31 モータ
32 リンク部
40 制御装置
42 ケーシング
43 ゴムカバー
44 ケーシング外壁部
44a ケーシング貫通孔
44b 第1レンズ部
45 ケーシング側壁部
47b 第2レンズ部
48 カバー外壁部
48a 変形部
48b カバーレンズ孔
50 回路基板
51 スイッチ部
52 磁気検出部
54 第1光源
55 第2光源
60 制御部
61 リッド開検出部
62 押込操作検出部
63 モータ制御部
64 第1光源制御部
65 第2光源制御部
100 エネルギ受給部
200 エネルギ受給部
240 制御装置
241 操作部
246 磁石
250 回路基板
251 第1磁気検出部
252 第2磁気検出部
253 第3磁気検出部
254 検出部
260 制御部
261 第1位置検出部
262 第2位置検出部
263 第3位置検出部
264 モータ制御部