(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183925
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 16/332 20190101AFI20221206BHJP
G06F 40/171 20200101ALI20221206BHJP
G06F 3/04883 20220101ALI20221206BHJP
【FI】
G06F16/332
G06F40/171
G06F3/0488 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091459
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岩附 弘靖
【テーマコード(参考)】
5B109
5B175
5E555
【Fターム(参考)】
5B109LA01
5B109VA02
5B109VA12
5B175DA01
5B175GA03
5B175GC01
5B175HB03
5E555AA10
5E555BA02
5E555BA05
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5E555BA07
5E555BA82
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5E555BB06
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5E555CA14
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5E555CC19
5E555DA01
5E555DB41
5E555DD07
5E555EA24
5E555FA15
(57)【要約】
【課題】語句を検索する機能を有する電子機器において、検索を行う際の作業効率を向上させる。
【解決手段】電子機器(1)は、手書き入力領域(10A)を有し、ユーザの手書きによる入力を受け付ける入力部(10)と、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定部(421)と、手書き入力領域(10A)に入力可能な文字数を特定する文字数特定部(422)と、第1入力文字(W1)の文字位置を特定する文字位置特定部(423)と、第1入力文字(W1)に対してそれぞれ特定された、検索文字、文字数および文字位置に基づき、語句の検索を行う検索部(43)と、検索の結果を表示部(30)に表示する表示制御部(44)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き入力領域を有し、ユーザの手書きによる入力を受け付ける入力部と、
前記手書き入力領域に入力された入力文字に基づき、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定部と、
前記手書き入力領域に対して入力が完了された第1入力文字の大きさ、および前記手書き入力領域に対する該第1入力文字の位置に基づき、前記手書き入力領域に入力可能な文字数を特定する文字数特定部と、
前記手書き入力領域における前記第1入力文字の位置に基づき、前記特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字の文字位置を特定する文字位置特定部と、
前記第1入力文字に対してそれぞれ特定された、前記検索文字、前記文字数および前記文字位置に基づき、語句の検索を行う検索部と、
前記検索の結果を表示部に表示する表示制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検索部は、前記第1入力文字が入力され、該第1入力文字に対して前記検索文字、前記文字数および前記文字位置がそれぞれ特定された時点で、前記検索を行う請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記検索部は、前記第1入力文字に対して特定された前記検索文字を前記第1入力文字に対して特定された前記文字位置に含む、前記特定された文字数以上の語句、を検索する、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1入力文字の後に第2入力文字が入力された場合、
前記文字位置特定部は、前記手書き入力領域における前記第2入力文字の位置に基づき、前記文字列における該第2入力文字の文字位置を特定し、
前記検索部は、前記第1入力文字に対して特定された前記検索文字を前記第1入力文字に対して特定された前記文字位置に含み、かつ、前記第2入力文字に対して特定された前記検索文字を前記第2入力文字に対して特定された前記文字位置に含む、前記特定された文字数以上の語句、を検索する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記手書き入力領域に入力された、文字の一部に基づき、漢字のパーツを特定するパーツ特定部を備え、
前記文字位置特定部は、前記文字列における前記パーツを含む文字の文字位置を特定し、
前記入力部に少なくとも前記第1入力文字と、少なくとも1つの前記漢字のパーツと、が入力された場合、
前記検索部は、前記第1入力文字に対して特定された前記検索文字を前記第1入力文字に対して特定された前記文字位置に含み、かつ、前記漢字のパーツを、該漢字のパーツを含む文字に対して特定された前記文字位置に含む、前記特定された文字数以上の語句、を検索する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記手書き入力領域に対する指示入力を受け付け、前記文字列における隣り合う別の文字として認識された複数の入力文字を合成して1つの入力文字として認定させる合成部を備え、
前記検索文字特定部は、前記合成部にて合成された前記入力文字に対して前記検索文字を特定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記手書き入力領域に対する指示入力を受け付け、前記文字列における1つの文字として認識された前記入力文字を、前記文字列における隣り合う複数の文字、隣り合う文字と文字の一部、もしくは隣り合う複数の文字の一部として認識させる分割部を備える請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記手書き入力領域に対する指示入力を受け付け、前記特定された文字数を増減させる文字数増減部を備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記文字列における各文字の入力領域を囲う枠線を前記表示部に表示させる、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の電子機器としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記検索文字特定部、前記文字数特定部、前記文字位置特定部、前記検索部、および前記表示制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
手書き入力領域を有し、ユーザの手書き入力による入力を受け付ける入力部を備える電子機器の制御方法であって、
前記手書き入力領域に入力された入力文字に基づき、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定ステップと、
前記手書き入力領域に対して入力が完了された第1入力文字の大きさ、および前記手書き入力領域に対する該第1入力文字の位置に基づき、前記手書き入力領域に入力可能な文字数を特定する文字数特定ステップと、
前記手書き入力領域における前記第1入力文字の位置に基づき、前記特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字の文字位置を特定する文字位置特定ステップと、
前記第1入力文字に対してそれぞれ特定された、前記検索文字、前記文字数および前記文字位置に基づき、語句の検索を行う検索ステップと、
前記検索の結果を表示部に表示する表示ステップと、
を含む電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字を入力し当該文字に基づいて関連する語句を検索する電子機器が知られている。例えば、特許文献1に記載されているように、漢字を入力し、入力された漢字に基づいて検索を行う電子辞書が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような語句を検索する機能を有する電子機器において、検索を行う際の作業効率には改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る電子機器は、手書き入力領域を有し、ユーザの手書きによる入力を受け付ける入力部と、前記手書き入力領域に入力された入力文字に基づき、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定部と、前記手書き入力領域に対して入力が完了された第1入力文字の大きさ、および前記手書き入力領域に対する該第1入力文字の位置に基づき、前記手書き入力領域に入力可能な文字数を特定する文字数特定部と、前記手書き入力領域における前記第1入力文字の位置に基づき、前記特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字の文字位置を特定する文字位置特定部と、前記第1入力文字に対してそれぞれ特定された、前記検索文字、前記文字数および前記文字位置に基づき、語句の検索を行う検索部と、前記検索の結果を表示部に表示する表示制御部と、を備える。
【0006】
また、上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る電子機器の制御方法は、手書き入力領域を有し、ユーザの手書き入力による入力を受け付ける入力部を備える電子機器の制御方法であって、前記手書き入力領域に入力された入力文字に基づき、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定ステップと、前記手書き入力領域に対して入力が完了された第1入力文字の大きさ、および前記手書き入力領域に対する該第1入力文字の位置に基づき、前記手書き入力領域に入力可能な文字数を特定する文字数特定ステップと、前記手書き入力領域における前記第1入力文字の位置に基づき、前記特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字の文字位置を特定する文字位置特定ステップと、前記第1入力文字に対してそれぞれ特定された、前記検索文字、前記文字数および前記文字位置に基づき、語句の検索を行う検索ステップと、前記検索の結果を表示部に表示する表示ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様では、語句を検索する機能を有する電子機器において、検索を行う際の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係る電子機器の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】1つの入力文字が、文字列の先端に位置するように手書き入力領域に入力された場合において表示部に表示される画面の例である。
【
図4】1つの入力文字が、文字列の最後尾に位置するように手書き入力領域に入力された場合において表示部に表示される画面の例である。
【
図5】2つの入力文字が入力された場合において、表示部に表示される画面の一例である。
【
図6】2つの入力文字が入力された場合において、表示部に表示される画面の別の例である。
【
図7】電子機器を用いた検索方法において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】電子機器において文字を移動させることを指示する入力操作が行われた場合において表示部に表示される画面の例である。
【
図9】本開示の実施形態2に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【
図10】文字の一部が入力された場合に手書き入力領域において表示される画面の例である。
【
図11】文字の一部が入力された場合に手書き入力領域において表示される画面の別の例である。
【
図12】文字の分割を指示する指示入力が行われた場合において手書き入力領域に表示される画面の一連の流れの例を示す図である。
【
図13】文字の合成を指示する指示入力が行われた場合において手書き入力領域に表示される画面の一連の流れの例を示す図である。
【
図14】ドラッグ操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面例である。
【
図15】ドラッグ操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の別の例である。
【
図16】ピンチイン操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。
【
図17】ピンチアウト操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。
【
図18】新たな入力文字の書き込み操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。
【
図19】デバイスを用いたドラッグ操作による文字数の減少を指示する指示入力が行われた場合の画面例である。
【
図20】ピンチイン操作による文字数の減少を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。
【
図21】ピンチイン操作による文字数の減少を指示する指示入力が行われた場合の画面の別の例である。
【
図22】電子機器における検索方法を説明するためのフローチャートである。
【
図23】電子機器において追加の入力を受け付けた場合に行われる処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
〔電子機器1の概要〕
以下、本発明の一実施形態について、図に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、本発明に係る電子機器の適用例として、
図1に示す電子機器1について説明する。
図1は、本開示の実施形態1に係る電子機器1の要部構成の一例を示すブロック図である。なお、電子機器1の具体例としては、電子辞書、スマートフォン、タブレット電子機器、フィーチャーフォン、パソコンなどが挙げられるが、この例に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態に係る電子機器1は、複数のコンテンツを有し、それらを起動させることができる。コンテンツとは、データとその表示アプリケーションが一体となったものであるが、表示アプリケーションはコンテンツに含まれていてもよく、外部アプリケーションと連動するものであってもよい。
【0011】
例えば、電子機器1は、ユーザによる情報(入力情報、例えば文字列)の入力を受け付けると、保持している複数のコンテンツデータから、該情報に対応するデータを検索し、表示させる処理を行ってもよい。この場合、コンテンツデータとは、例えば、辞書データ、テキストデータ、文書データ、画像データ、スケジュールデータなどが挙げられるが、この例に限定されるものではない。例えば、電子機器1において、文書データやテキストデータ(例えば電子書籍)を閲覧するためのアプリケーションを起動して、閲覧しているデータにおける文字列の検索を行うことができてもよい。換言すれば、電子機器1は、汎用コンテンツの検索電子機器として機能してもよい。また、電子機器1は、データの閲覧以外を目的とするコンテンツを有していてもよい。例えば、電子機器1は、コンテンツとしてゲームアプリケーションまたはメモ帳等のアプリケーションを有し、当該ゲームアプリケーションを実行することができるものであってもよい。
【0012】
また、本実施形態に係る電子機器1は、手書き検索機能を有している。電子機器1は、手書きによる文字の入力を受け付けると、当該文字に基づき検索語句を特定する。また、電子機器1は、当該検索語句に基づき当該検索語句に関連する情報を検索し、検索の結果を表示する。以下、電子機器1に入力される文字を「入力文字W」と称する。
【0013】
〔電子機器1の要部構成〕
図2は、電子機器1の外観の一例を示す概略図である。以下、
図1および
図2を用いて電子機器1の要部構成について説明する。
図1および
図2に示すように、電子機器1は、入力部10、記憶部20、表示部30、および制御部40を備える。なお、以下の説明において、
図2で矢印Xによって示される方向を「横方向」、矢印Yによって示される方向を「縦方向」と称する。また、複数の文字から成る文字列において、先に読まれる方を「前方」と称し、後に読まれる方を「後方」と称する。例えば「材料費」と言う語句において、「料」の文字に対して「材」の文字が位置する方を前方と称し、「費」の文字が位置する方を後方と称する。
【0014】
入力部10は、ユーザによる入力を受け付け、その入力に応じた信号を制御部40に出力する。
図2に示すように、入力部10は、手書き入力領域10Aおよびキーボード入力部10Bを備えている。手書き入力領域10Aは、ユーザによる手書き入力を受け付ける領域である。手書き入力領域10Aは、ユーザによる手書き入力が行われた位置を示す情報を制御部40に出力する。キーボード入力部10Bは、電子機器1に対する操作を受け付ける物理キーであり、例えば文字キー、決定キー、およびカーソルキーが含まれている。
【0015】
記憶部20は、電子機器1において用いられる各種情報を記憶する。記憶部20は、例えばフラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性のデバイスと、RAM(Random Access Memory)などの揮発性のデバイスとによって構成される。また、本実施形態における記憶部20は、検索文字データベース21を記憶している。
【0016】
検索文字データベース21は、検索文字として決定され得る複数の文字、例えば漢字の形状を示す情報を含むデータベースである。また、辞書データベース22は、複数の見出し語と、各々の当該見出し語に関連した複数種類の項目とが対応付けられたデータによって構成されるデータベースである。例えば、「約」という見出し語には、「約」という漢字の説明および意味についての情報が項目として対応付けられている。
【0017】
表示部30は、表示制御部44の制御に従って各種情報を表示するディスプレイである。例えば、表示部30は、見出し語表示領域31、および項目表示領域32を表示する。見出し語表示領域31とは、検索の結果取得された見出し語のリストを示す領域である。項目表示領域32とは、見出し語表示領域31において選択されている見出し語に対応する項目を表示する領域である。表示部30としては、情報の表示が可能な表示装置であればどのような装置によって実現されてもよいが、具体的な例としては、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイが挙げられる。
【0018】
また、
図2に示すように、表示部30は、手書き入力領域10Aを含むタッチパネルであり、手書き入力領域10Aの範囲を示す画面を表示する。さらに、表示部30は、ユーザによって手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wを表示する。
【0019】
また、表示部30は、他の情報を表示してもよい。例えば、
図2に示すように、表示部30は、その時使用しているコンテンツを示す情報、電子機器1のバッテリ残量を示す情報、および電子機器1において使用可能な各種ツールを表示するツールバー33を表示してもよい。これらの画面は、利便性の観点から手書き入力領域10A、見出し語表示領域31、および項目表示領域32等に覆われないように表示されることが好ましい。
【0020】
制御部40は、電子機器1における各種処理を実行する。
図1に示すように、制御部は、入力内容特定部41、検索内容特定部42、検索部43、および表示制御部44を含む。制御部40は、特に手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wに基づき、語句の検索を行い、当該検索の結果を表示部30に表示させる処理を行う。以下、手書き入力領域に入力される入力文字Wのうち、1番目に入力されたものを第1入力文字、2番目に入力されたものを第2入力文字と称する。また、3番目以降に入力される入力文字Wについても同様である。
【0021】
入力内容特定部41は、手書き入力領域10Aに対する入力内容を特定する。具体的には、入力内容特定部41は、手書き入力領域10Aから、手書き入力領域10Aに対する入力の内容、例えば手書き入力が行われた位置に応じた信号を取得する。入力内容特定部41は、当該信号を取得すると、手書き入力領域10Aに対して入力が行われたことを認識し、当該入力の内容を特定する。例えば、入力内容特定部41は、手書き入力領域10Aに対して入力が行われた位置を示す情報を取得した場合、第1入力文字W1が入力されたと判定し、さらに、該第1入力文字W1の形状を特定する。入力内容特定部41は、特定した第1入力文字W1の形状および第1入力文字W1が入力された位置を示す情報を含む入力情報を検索内容特定部42に出力する。なお、第1入力文字W1とは、手書き入力領域10Aが入力を受け付け可能な状態において1番目に入力された入力文字Wを示す。
【0022】
検索内容特定部42は、検索文字特定部421、文字数特定部422、および文字位置特定部423を備える。検索内容特定部42は、入力内容特定部41から入力情報を取得すると、当該情報に基づき、検索部43において検索を行う対象である語句に関する情報を特定し、特定した情報を検索部43に出力する。
【0023】
検索文字特定部421は、手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wに基づき、検索対象である検索文字を特定する。具体的には、検索文字特定部421は、入力内容特定部41から、入力情報を取得する。検索文字特定部421は、入力情報を取得すると、記憶部20の検索文字データベース21を参照し、入力情報に含まれる入力文字Wの形状に基づき検索文字を特定する。例えば、検索文字特定部421は、画像認識等の手法により、入力文字Wの形状と検索文字の形状との一致度を判定し、当該一致度が高い文字を検索文字として特定する。検索文字特定部421は、特定した検索文字を示す情報を検索部43に出力する。
【0024】
文字数特定部422は、手書き入力領域10Aに対して入力が完了された第1入力文字W1の形状に基づき、第1入力文字W1の大きさを特定する。第1入力文字W1とは手書き入力領域10Aが入力を受け付け可能な状態において1番目に入力された文字を示す。第1入力文字W1の大きさとは、例えば第1入力文字W1を囲む正方形の大きさである。当該正方形は、第1入力文字W1の縦方向の長さまたは横方向の長さのうちより長い方を一辺とする正方形である。
【0025】
また、文字数特定部422は、特定した第1入力文字W1の大きさおよび手書き入力領域10Aに対する該第1入力文字W1の位置に基づき、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を特定する。文字数特定部422は、特定した文字数を示す情報を文字位置特定部423および検索部43に出力する。
【0026】
文字位置特定部423は手書き入力領域10Aにおける第1入力文字W1の位置に基づき、特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字W1の文字位置を特定する。具体的には、文字位置特定部423は、文字数特定部422から手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を示す情報を取得する。文字位置特定部423は、当該情報および入力情報に含まれる第1入力文字W1が入力された位置を示す情報に基づき、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数からなる文字列において、第1入力文字W1が何番目に位置するかを特定する。文字位置特定部423は、特定した第1入力文字W1の文字位置を示す情報を検索部43に出力する。
【0027】
また、手書き入力領域10Aにおいて、第1入力文字W1の後に第2入力文字W2が入力された場合、文字位置特定部423は、手書き入力領域10Aにおける第2入力文字W2の位置に基づき、第1入力文字W1の文字位置を特定した方法と同様の方法を用いて、文字列における該第2入力文字W2の文字位置を特定する。
【0028】
検索部43は、第1入力文字W1に対してそれぞれ特定された、検索文字、文字数および文字位置に基づき、語句の検索を行う。具体的には、検索部43は、検索内容特定部42から、検索文字を示す情報、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を示す情報、および第1入力文字W1の文字位置を示す情報を取得する。検索部43は、これらの情報を取得すると、これらの情報に基づき、記憶部20の辞書データベース22を参照し、目的の語句を検索する。換言すると、検索部43は、第1入力文字W1が入力され、該第1入力文字W1に対して検索文字、文字数および文字位置がそれぞれ特定された時点、すなわち検索部43がこれらの情報を取得した時点で、検索を行う。
【0029】
また、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索する。検索部43は、特定した語句を示す情報を、検索結果を示す情報として表示制御部44に出力する。
【0030】
なお、検索部43は、検索の結果、条件に該当する見出し語が存在しなかった場合、文字数を減らして検索を行ってもよい。換言すると、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数よりも1文字少ない語句を検索する。
【0031】
また、手書き入力領域10Aにおいて、第1入力文字W1の後に第2入力文字W2が入力された場合、検索部43は、絞込み検索を行う。具体的には、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含み、かつ、第2入力文字W2に対して特定された検索文字を第2入力文字W2に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索する。
【0032】
表示制御部44は、検索部43から検索の結果を示す情報を取得すると、表示部30を制御し、表示部30に当該結果を示す情報を表示させる。また、表示制御部44は、手書き入力領域10Aへのユーザによる手書き入力の内容を表示部30に含まれる手書き入力領域10Aに反映させて表示してもよい。これにより、ユーザは自身が入力した入力文字Wの形状を視認することができる。本実施形態では、検索文字特定部421が手書き入力された文字の検索文字を特定するまで手書き入力された内容(文字や文字の一部等)が手書き入力領域10Aに表示され、検索文字が特定された時点で所定のフォントの表示用の文字に切り換えて表示される。
【0033】
また、表示制御部44は、文字列において各入力文字Wが入力された入力領域を囲う枠線B(
図3参照)を表示部30に含まれる手書き入力領域10Aに表示させてもよい。当該枠線は、例えば、文字数特定部422が特定した第1入力文字Wを囲む正方形と一致していてもよい。また、表示制御部44は、文字数特定部422が特定した文字数と一致する数の当該枠線を表示部30に含まれる手書き入力領域10Aに表示させてもよい。これにより、電子機器1は、検索内容特定部42において特定された入力文字Wの大きさおよび入力文字Wに基づいて特定された文字数をユーザに視認させることができる。
【0034】
<検索機能の具体例>
以下、検索内容特定部42、検索部43、および表示制御部44において行われる処理の具体例を説明する。
図3は、1つの入力文字が、文字列の先端に位置するように手書き入力領域10Aに入力された場合において表示部30に表示される画面の例である。
図3の符号301は、手書き入力領域10Aに2文字入力可能となる大きさの入力文字Wが入力された場合の画面例を示す。
図3の符号302は、手書き入力領域10Aに3文字入力可能となる大きさの入力文字Wが入力された場合の画面例を示す。
図3の符号303は、手書き入力領域10Aに4文字入力可能となる大きさの入力文字Wが入力された場合の画面例を示す。
【0035】
検索文字特定部421は、
図3の符号301、302、および303のいずれの例においても、第1入力文字W1の形状に基づき、漢字の「約」を検索文字として特定する。
図3の符号301に示す例において、文字数特定部422は、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を「2文字」と特定する。また、
図3の符号302に示す例において、文字数特定部422は、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を「3文字」と特定し、
図3の符号303に示す例では当該文字数を「4文字」と特定する。文字位置特定部423は、
図3の符号301、302、および303のいずれの例においても、入力文字Wの文字位置を「1文字目」と特定する。
【0036】
また、検索部43は、検索文字特定部421、文字数特定部422、および文字位置特定部423によって特定された情報に基づいて見出し語の検索を行う。例えば、
図3の符号301に示す例では、検索部43は、検索文字Wとして「約」を「1文字目」に含む、「2文字」以上の見出し語を検索する。また、
図3の符号302に示す例では、検索部43は、検索文字Wとして「約」を「1文字目」に含む、「3文字」以上の見出し語を検索する。また、
図3の符号303に示す例では、検索部43は、検索文字Wとして「約」を「1文字目」に含む、「4文字」以上の見出し語を検索する。
【0037】
図3の符号301に示す例において、手書き入力領域10Aには、第1入力文字W1を囲む枠線B1、およびもう1文字入力可能であることを示す枠線B2が表示される。また、「約束」、「約数」、および「約款」等の見出し語が、検索部43による検索の結果として特定され、見出し語表示領域31に表示される。また、
図3の符号302に示す例において、手書き入力領域10Aには、第1入力文字W1を囲む枠線B1、およびもう2文字入力可能であることを示す枠線B2、B3が表示される。また、「約束事」等の見出し語が検索部43による検索の結果として特定され、表示部30に表示される。また、
図3の符号303に示す例において、手書き入力領域10Aには、第1入力文字W1を囲む枠線B1、およびもう3文字入力可能であることを示す枠線B2~B4が表示される。また、「約束手形」等の見出し語が、検索部43による検索の結果として特定され、表示部30に表示される。
【0038】
図4は、1つの入力文字が、文字列の最後尾に位置するように手書き入力領域10Aに入力された場合において表示部30に表示される画面の例である。
図4の符号401は、手書き入力領域10Aに2文字入力可能となる文字サイズの入力文字が入力された場合の画面例を示す。
図4の符号402は、手書き入力領域10Aに3文字入力可能となる文字サイズでの入力文字が入力された場合の画面例を示す。
図4の符号403は、手書き入力領域10Aに4文字入力可能となる文字サイズの入力文字が入力された場合の画面例を示す。
【0039】
図4に示す例において、検索文字特定部421は、第1入力文字W1の形状に基づき、漢字の「判」を検索文字として特定する。
図4の符号401に示す例において、文字数特定部422は、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を「2文字」と特定する。また、
図4の符号402に示す例において、文字数特定部422は、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を「3文字」と特定し、
図4の符号403に示す例では当該文字数を「4文字」と特定する。文字位置特定部423は、
図4の符号401に示す例において、入力文字Wの文字位置を「2文字目」と特定する。また、文字位置特定部423は、
図4の符号402に示す例において、入力文字Wの文字位置を「3文字目」と特定する。文字位置特定部423は、
図4の符号403に示す例において、入力文字Wの文字位置を「4文字目」と特定する。
【0040】
また、検索部43は、検索文字特定部421、文字数特定部422、および文字位置特定部423によって特定された情報に基づいて見出し語の検索を行う。例えば、
図4の符号401に示す例では、検索部43は、検索文字Wとして「判」を「2文字目」に含む、「2文字」以上の見出し語を検索する。また、
図4の符号402に示す例では、検索部43は、検索文字Wとして「判」を「3文字目」に含む、「3文字」以上の見出し語を検索する。また、
図4の符号403に示す例では、検索部43は、検索文字Wとして「判」を「4文字目」に含む、「4文字」以上の見出し語を検索する。
【0041】
図4の符号401に示す例において、手書き入力領域10Aには、第1入力文字W1を囲む枠線B2、およびもう1文字入力可能であることを示す枠線B1が表示される。また、「審判」および「裁判」等の見出し語が、検索部43による検索の結果として特定され、表示部30に表示される。また、
図4の符号402に示す例において、手書き入力領域10Aには、第1入力文字W1を囲む枠線B3、およびもう2文字入力可能であることを示す枠線B1、B2が表示される。また、「太鼓判」等の見出し語が、検索部43による検索の結果として特定され、表示部30に表示される。また、
図4の符号403に示す例において、手書き入力領域10Aには、第1入力文字W1を囲む枠線B4、およびもう3文字入力可能であることを示す枠線B1~B3が表示される。また、「弾劾裁判」等の見出し語が、検索部43による検索の結果として特定され、表示部30に表示される。
【0042】
<あいまい検索・ブランク検索>
図5は、2つの入力文字W(第1入力文字W1および第2入力文字W2)が入力された場合において、表示部30に表示される画面の一例である。
図6は、2つの入力文字W(第1入力文字W1および第2入力文字W2)が入力された場合において、表示部30に表示される画面の別の例である。
【0043】
電子機器1は、複数の文字を含む語句において一部の文字のみが入力された場合、入力された文字に基づいて目的の語句を検索するあいまい検索機能、およびブランク検索機能を備える。
【0044】
具体的には、手書き入力領域10Aに、複数の文字が入力可能な大きさで第1入力文字W1が入力された場合、検索部43は、第1入力文字W1を含む語句を検索する。その後、第2入力文字W2が入力された場合、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含み、かつ、第2入力文字W2に対して特定された検索文字を第2入力文字W2に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索する。
【0045】
例えば、ユーザが「百花繚乱」という語句を検索したい場合、ユーザは、
図5に示すように、当該語句の一部である「百花」を、手書き入力領域10Aに4文字入力可能な大きさで、かつ「百花」が文字列の先頭に位置するように入力することで、目的の語句を検索することができる。
【0046】
また、ユーザが「錦上添花」という語句を検索したい場合、ユーザは、
図6に示すように、当該語句の一部である「上」および「花」を、手書き入力領域10Aに4文字入力可能な大きさで、かつ「上」が文字列の2番目に、「花」が文字列の4番目に位置するように入力することで、目的の語句を検索することができる。
【0047】
以上のように、電子機器1では、ユーザが目的の語句の一部のみを覚えていた場合であっても目的の語句を精度よく検索することができる。「百花繚乱」や「錦上添花」等のいわゆる熟語は、熟語の一部の漢字しか覚えていないことはよくあるため、このような機能を有することで、電子機器1の利便性が向上する。
【0048】
<電子機器1における検索方法の流れの一例>
図7は、電子機器1を用いた検索方法(制御方法)において行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図7を用いて、電子機器1における検索方法の流れの一例を説明する。
【0049】
まず、手書き入力領域10Aがユーザによる手書き入力を受け付けた場合、手書き入力領域10Aは、当該入力に応じた信号を入力内容特定部41に出力する。入力内容特定部41は、当該信号に基づき、入力の内容を特定する(S1)。当該入力の内容が、手書き入力領域10Aへの文字の入力である場合(S1でYES)、入力内容特定部41は、入力された第1入力文字W1の形状および位置を特定する(S2)。入力内容特定部41は、特定した第1入力文字W1の形状および位置を示す情報を検索内容特定部42に出力する。
【0050】
検索内容特定部42は、第1入力文字W1の形状および位置を示す情報を取得すると、検索対象の文字に関する情報を特定する。具体的には、検索文字特定部421は、入力文字Wの形状に基づき、検索文字を特定する(S3:検索文字特定ステップ)。ここで、検索内容特定部42は、入力文字Wが1文字目に入力された文字、すなわち第1入力文字W1であるか否かを判定する(S4)。入力文字Wが第1入力文字W1である場合(S4でYES)、文字数特定部422は、第1入力文字W1の大きさに基づき、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を特定する(S5:文字数特定ステップ)。ここで、入力文字Wが2文字目以降である場合(S4でNO)、文字数を特定する必要が無い。そのため、文字数特定部422は文字数を特定する処理(S5)を行わない。
【0051】
S5の後、または入力文字が第1入力文字W1でない場合(S4でNO)、文字位置特定部423は、文字数特定部422において特定された文字数および第1入力文字W1が入力された位置に基づき、第1入力文字W1の文字位置を特定する(S6:文字位置特定ステップ)。検索文字特定部421、文字数特定部422、および文字位置特定部423は、特定した各情報を検索部43に出力する。
【0052】
検索部43は、上述の各情報を取得すると、辞書データベース22を参照し、入力文字Wに対して特定された検索文字、文字数、および文字位置に基づき見出し語を検索する(S7:検索ステップ)。具体的には、検索部43は、当該検索文字を当該文字位置に含む、当該文字数以上の見出し語を有する語句を検索する。検索部43は、検索の結果得られた条件に合致する見出し語を示す情報を表示制御部44および入力内容特定部41に出力する。
【0053】
表示制御部44は、見出し語を示す情報を取得すると、検索部43による検索の結果として表示部30に表示させる(S8:表示ステップ)。具体的には、表示制御部44は、見出し語によって構成されるリストである見出し語表示領域31を表示する。
【0054】
入力内容特定部41は、見出し語を示す情報を取得すると、手書き入力領域10Aに新たに第2入力文字W2が入力されたか否かを判定する(S9)。手書き入力領域10Aに新たに第2入力文字W2が入力された場合(S9でYES)、入力内容特定部41は、当該第2入力文字W2に関する情報を特定する。すなわちS2以降の処理が再び行われ、第2入力文字W2に対応する検索文字、第2入力文字W2が入力された位置等の情報が特定される。ただし、
図7に示すように、入力文字Wが2文字目以降である場合(S4でNO)、文字数を特定する必要が無いため、文字数特定部422による文字数を特定する処理(S5)を行わず、S6以降の処理が行われる。
【0055】
これにより、検索部43は、第1入力文字W1および第2入力文字W2に基づく検索を行うことができる。第1入力文字W1および第2入力文字W2に基づく検索が行われた後、さらに第3入力文字W3、第4入力文字W4・・・が入力された場合も同様である。
【0056】
一方、手書き入力領域10Aに新たに第2入力文字W2が入力されなかった場合(S9でNO)、入力内容特定部41は、ユーザの操作による見出し語の選択を待機する(S10)。ユーザの操作により項目を表示すべき見出し語が選択された場合(S10でYES)、入力内容特定部41Aは、当該選択が行われたことを示す情報を検索部43Aに出力する。検索部43Aは、当該情報を取得すると、辞書データベース22を参照し、見出し語に対応する項目を検索し、当該項目の内容を示す情報を表示制御部44Aに出力する。表示制御部44Aは、取得した見出し語に対応する項目の内容を示す情報を項目表示領域32に表示させる(S11)。なお、S8の検索結果を表示する際に、見出し語表示領域31の最上位に表示されている見出し語の項目を項目表示領域32に表示しておき、S10で見出し語が選択された場合に、表示の内容を切り替えてもよい。
【0057】
<電子機器1の効果>
以上のように、電子機器1は、手書き入力領域10Aを有し、ユーザの手書きによる入力を受け付ける入力部10と、手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wに基づき、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定部421と、手書き入力領域10Aに対して入力が完了された第1入力文字W1の大きさ、および手書き入力領域10Aに対する該第1入力文字W1の位置に基づき、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を特定する文字数特定部422と、手書き入力領域10Aにおける第1入力文字W1の位置に基づき、特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字W1の文字位置を特定する文字位置特定部423と、第1入力文字W1に対してそれぞれ特定された、検索文字、文字数および文字位置に基づき、語句の検索を行う検索部43と、検索の結果を表示部30に表示する表示制御部44と、を備える。
【0058】
従来の電子辞書では、入力された文字で始まる語句を、文字数の少ない物から順に50音順に並べて検索結果の見出し語として表示していた。また、検索したい語句の文字数を特定する場合は別途の操作が必要であった。これに対して上記の構成によれば、入力された文字の大きさおよび位置に基づいて特定された文字数に基づいて語句を検索することができる。すなわち、上記の構成によれば、検索したい語句に対応する文字を入力する操作と検索したい語句の文字数を入力する操作とを1つの操作として行うことができる。従って、上記の構成を有する電子機器1では、検索操作の作業効率が向上している。
【0059】
また、電子機器1において、検索部43は、第1入力文字W1が入力され、該第1入力文字W1に対して検索文字、文字数および文字位置がそれぞれ特定された時点で、検索を行ってもよい。上記の構成によれば、検索を行うための操作をユーザが行わずとも語句の検索が行われる。
【0060】
また、電子機器1において、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索してもよい。
【0061】
上記の構成によれば、入力された文字の大きさに基づいて特定された文字数未満の文字数を有する語句は、検索対象から除外される。これにより、検索の結果として表示される目的の語句以外の語句の数を低減することができるため、ユーザが目的の語句を探しやすくなり、作業効率が向上する。
【0062】
また、第1入力文字W1の後に第2入力文字W2が入力された場合、文字位置特定部423は、手書き入力領域10Aにおける第2入力文字W2の位置に基づき、文字列における該第2入力文字W2の文字位置を特定してもよい。また、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含み、かつ、第2入力文字W2に対して特定された検索文字を第2入力文字W2に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索してもよい。
【0063】
上記の構成によれば、第1入力文字W1に基づく語句の検索結果を、第2入力文字W2に基づいてさらに絞り込むことができるため、ユーザの検索したい語句をより正確に特定することができる。
【0064】
また、電子機器1において、表示制御部44は、文字列における各文字の入力領域を囲う枠線Bを表示部30の手書き入力領域10Aに表示させてもよい。
【0065】
上記の構成によれば、ユーザは、自身が入力した入力文字の大きさに基づいて特定された文字数に対応する入力領域の数を認識することができる。これにより、ユーザは、目的の語句の文字数と見出し語句の文字数との対応を簡単に確認することができる。
【0066】
<変形例>
図8は、電子機器1において文字を移動させることを指示する入力操作が行われた場合において表示部30に表示される画面の一例を示す。
図8に示すように、電子機器1では、ユーザによる入力に基づき、文字位置特定部423によって特定された入力文字Wの位置を変更してもよい。具体的には、手書き入力領域10Aにおいて入力文字Wが選択され、当該入力文字Wが表示されていた位置から異なる位置へ移動させる入力操作が行われた場合、入力内容特定部41は、当該入力を受け付ける。また、入力内容特定部41は、当該入力が行われたことを示す情報を文字位置特定部423および表示制御部44に出力する。上述のような入力操作は、例えば、
図8の符号801に示すように、タッチペン等のデバイスDによって入力文字W(W1)が表示されている位置がタッチされ、
図8の符号802から符号803に示すように、当該入力文字W(W1)を囲む枠線B2から隣の枠線B1に向けてドラッグされる操作である。
【0067】
文字位置特定部423は、当該入力が行われたことを示す情報を取得すると、入力文字Wの新たな文字位置を特定する。
図8の符号803に示す例では、文字位置特定部423は、入力文字の新たな文字位置を「1文字目」とする。また、表示制御部44は、上述の入力操作によって選択された入力文字Wの位置を移動させる。
図8に示す例では、表示制御部44は、入力文字W(W1)を表示する位置を、枠線B2内から枠線B1内に移動させる。
【0068】
また、検索部43は、文字位置特定部423によって新たに特定された入力文字Wの文字位置に基づいて語句の検索を行う。以上のように、電子機器1では、簡単な操作で入力文字Wの文字位置を変更することができる。
【0069】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図9は、本開示の実施形態2に係る電子機器1Aの構成を示すブロック図である。以下、
図9を用いて、本開示の実施形態2に係る電子機器1Aの構成について説明する。
【0070】
電子機器1Aは、手書き入力領域10Aに第1入力文字W1が入力された後、さらに追加の指示入力が行われた場合、当該指示入力の内容に基づき語句の検索を行い、当該検索の結果を表示する。
図9に示すように、電子機器1Aは、記憶部20および制御部40に代えて記憶部20Aおよび制御部40Aを備える点において電子機器1とは異なる。
【0071】
記憶部20Aは、検索文字データベース21Aを記憶している。検索文字データベース21Aは、検索文字データベース21を構成する情報に加え、検索文字に関する情報として、当該検索文字の部首等、当該検索文字を形成する文字パーツを示す情報がさらに対応付けられている。
【0072】
制御部40Aは、入力内容特定部41、検索内容特定部42、検索部43、および表示制御部44に代えて、入力内容特定部41A、検索内容特定部42A、検索部43A、および表示制御部44Aを備える。入力内容特定部41A、検索内容特定部42A、検索部43A、および表示制御部44Aは、入力内容特定部41、検索内容特定部42、検索部43、および表示制御部44が行う処理に加え、手書き入力領域10Aに対して行われた指示入力の内容に基づく処理を行う。
【0073】
(入力内容特定部41A)
入力内容特定部41Aは、少なくとも第1入力文字W1の入力が完了した後、手書き入力領域10Aに対して追加の指示入力が行われた場合、当該指示入力の内容を特定する。入力内容特定部41Aは、特定した指示入力の内容を示す情報を検索内容特定部42Aに出力する。
【0074】
指示入力は、例えば文字の一部P(
図10、
図11参照)の入力、入力文字Wの分割を指示する入力、複数の入力文字Wの合成を指示する入力、または入力文字Wに基づいて決定された文字数の増減を指示する入力である。
【0075】
(検索内容特定部42A)
検索内容特定部42Aは、入力内容特定部41Aから指示入力の内容を示す情報を取得し、当該指示入力の内容に応じた処理を行う。
図9に示すように、検索内容特定部42Aは、検索文字特定部421、文字数特定部422、および文字位置特定部423に代えて検索文字特定部421A、文字数特定部422A、および文字位置特定部423Aを備える。検索文字特定部421A、文字数特定部422A、および文字位置特定部423Aは、検索文字特定部421、文字数特定部422、および文字位置特定部423が行う処理に加え、指示入力の内容に応じた処理を行う。また、検索内容特定部42Aは、さらにパーツ特定部424、分割部425、合成部426、および文字数増減部427を備える。
【0076】
(パーツ特定部424)
パーツ特定部424は、手書き入力領域10Aに入力された、文字の一部Pに基づき、文字パーツを特定する。文字パーツとは、1つの文字を形成する要素の一部を示す。例えば、文字パーツは、「へん」、「つくり」、または「かまえ」等といった漢字のパーツである。なお、文字パーツはこれらに限られず、当該パーツにより少なくとも1つの文字を特定可能な要素であればよい。パーツ特定部424は、特定した文字パーツを示す情報を、検索内容に関する情報として検索部43Aに出力する。
【0077】
また、分割部425において入力文字Wの分割が行われた場合、パーツ特定部424は、当該分割によって生成された文字の一部Pに基づき文字パーツを特定する。
【0078】
(分割部425)
分割部425は、手書き入力領域10Aに対して入力文字Wを分割することを示す指示入力が行われた場合、当該入力文字Wを分割する。具体的には、入力内容特定部41Aは、手書き入力領域10Aに対する指示入力を受け付けた場合、当該指示入力が行われたことを示す情報を分割部425に出力する。分割部425は、当該情報を取得すると、検索文字特定部421Aにおいて、入力文字Wに基づいて特定された検索文字を示す情報を取得する。分割部425は、当該検索文字を、(1)複数の文字、(2)文字および文字の一部P、または(3)文字の一部P1およびP2に分割する。例えば、分割部425は、「材」の文字を、「木」と「才」とに分割し、これらを隣り合う文字とする。分割部425は、当該分割によって生成された「木」を、「木」という1つの文字としてもよいし、「へん」としての「木」としてもよい。
【0079】
分割部425は、分割によって生じた文字および/または文字の一部を、手書き入力領域10Aに対するユーザによるさらなる指示入力に基づき変更してもよい。例えば、分割部425は、上述の例において生じた「木」を「木」という1つの文字とするか、または「へん」としての「木」とするかを、ユーザによる指示入力に基づいて決定してもよい。分割部425は、決定した文字を示す情報を、検索文字特定部421Aに出力する。また、分割部425は、決定した文字の一部を示す情報を、パーツ特定部424に出力する。
【0080】
以上のように、分割部425は、文字列における1つの文字として特定された(認識された)入力文字Wを、当該文字列における隣り合う複数の文字、隣り合う文字と文字の一部P、もしくは隣り合う複数の文字の一部(P1、P2)として検索文字特定部421Aおよびにパーツ特定部424に認識させる。
【0081】
なお、入力文字Wの分割が行われた場合、分割部425は、当該分割が行われたことを示す情報を文字数特定部422Aに出力する。
【0082】
(合成部426)
合成部426は、手書き入力領域10Aに対する指示入力を受け付け、文字列における隣り合う別の文字として認識された複数の入力文字(W1、W2)を合成して1つの入力文字(W´)として認識させる(
図13参照)。換言すると、合成部426は、入力文字Wの合成を行う。
【0083】
具体的には、手書き入力領域10Aに第1入力文字W1および第2入力文字W2が入力された後、入力文字Wを合成することを指示する旨の指示入力が行われた場合、入力内容特定部41Aは、当該指示入力の内容を示す情報を合成部426に出力する。合成部426は、当該情報を取得すると、当該指示入力によって指定された隣り合う2つの入力文字W1およびW2を合成し、1つの入力文字W´とする。例えば、第1入力文字W1および第2入力文字W2として「木」という文字がそれぞれ入力され、これらの入力文字を合成することを指示する入力が行われた場合、合成部426は、第1入力文字W1および第2入力文字W2を合成し、「林」という新たな入力文字W´を特定する。合成部426は、特定した新たな入力文字W´を示す情報を検索文字特定部421Aに出力する。また、合成部426は、文字の合成が行われたことを示す情報を文字数特定部422Aに出力する。
【0084】
なお、文字の合成は、複数の入力文字同士によるものに限られない。例えば、文字の合成は、1つの入力文字Wと1つの文字の一部Pとの間で行われてもよい。例えば、文字の一部Pとして「へん」である「木」と入力文字Wとしての「才」とを合成することを指示する指示入力が行われた場合、合成部426は、新たな入力文字W´として「材」を特定する。
【0085】
(文字数増減部427)
文字数増減部427は、手書き入力領域10Aに対する指示入力を受け付け、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を増減させる。具体的には、入力内容特定部41Aは、文字数を増加させる、または減少させることを指示する指示入力を受け付けると、当該指示入力を受け付けたことを示す情報を文字数増減部427に出力する。文字数増減部427は、当該情報を取得すると、文字数特定部422Aから、特定された文字数を示す情報を取得し、当該文字数を増加、または減少させる。文字数増減部427は、増減させた後の文字数を、新たな文字数を示す情報として、検索部43Aに出力する。
【0086】
(検索文字特定部421A)
検索文字特定部421Aは、分割部425において文字の分割が行われた場合、分割部425によって分割されることで新たに生成された入力文字W´に基づき、新たな検索文字を特定する。
【0087】
また、検索文字特定部421Aは、合成部426における文字の合成によって生成された入力文字W´に基づき新たな検索文字を特定する。換言すると、検索文字特定部421Aは、合成部426にて合成された入力文字(W´)に対して検索文字を特定する。
【0088】
(文字数特定部422A)
文字数特定部422Aは、指示入力の内容に基づき新たな文字数を特定する(
図14~
図21参照)。例えば文字の合成が行われた場合、文字数特定部422Aは、第1入力文字W1が入力された時点で特定した文字数から1文字減少させた文字数を新たな文字数として特定する。また、文字の分割が行われた場合、文字数特定部422Aは、第1入力文字W1が入力された時点で特定した文字数から1文字増加させた文字数を新たな文字数として特定する。文字数特定部422Aは、特定した新たな文字数を示す情報を検索部43Aに出力する。
【0089】
(文字位置特定部423A)
文字位置特定部423Aは、検索内容特定部42Aにおいて文字の分割、合成、または文字数の増減が行われた場合、文字列における入力文字Wまたは文字パーツを含む文字の一部Pの文字位置を新たに特定する。文字位置特定部423Aは、特定した入力文字Wまたは文字の一部Pの文字位置を示す情報を検索部43Aに出力する。
【0090】
(検索部43A)
検索部43Aは、検索内容特定部42Aから、検索文字を示す情報を取得した後、パーツ特定部424から、文字パーツを示す情報を取得し、文字位置特定部423Aから文字パーツに対応する文字の一部Pの文字位置を示す情報を取得すると、当該検索文字および文字パーツに基づく検索を行う。換言すると、入力部10の手書き入力領域10Aに、少なくとも第1入力文字W1と、文字パーツに対応する少なくとも1つの文字の一部Pと、が入力された場合、検索部43Aは、第1入力文字W1に基づいて特定された検索文字および文字の一部Pに基づいて特定された文字パーツに基づく検索を行う。
【0091】
具体的には、検索部43Aは、(1)第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含み、かつ、(2)文字パーツを、該文字パーツに対応する文字の一部Pに対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索する。
【0092】
また、手書き入力領域10Aにおいて、文字の合成を指示する指示入力が行われた場合、検索部43Aは、検索文字特定部421Aから、新たに特定された検索文字を示す情報を取得する。また、このとき、検索部43Aは、文字数特定部422Aによって特定された新たな文字数を示す情報を取得する。この場合、検索部43Aは、取得した各情報に基づき、新たに語句の検索を行う。
【0093】
また、手書き入力領域10Aにおいて、文字の分割を指示する指示入力が行われた場合、検索部43Aは、検索文字特定部421Aから、新たに特定された検索文字または検索文字と文字パーツとの組み合わせを示す情報を取得する。また、このとき、検索部43Aは、文字数特定部422Aによって特定された新たな文字数を示す情報を取得する。この場合、検索部43Aは、取得した各情報に基づき、新たに語句の検索を行う。
【0094】
また、手書き入力領域10Aにおいて、文字数の増減を指示する指示入力が行われた場合、検索部43Aは、文字数増減部427から、新たに特定された文字数を示す情報を取得する。この場合、検索部43Aは、取得した文字数以上の語句を新たに検索する。
【0095】
検索部43Aは、上述の各検索を行った後、当該検索の結果を示す情報を表示制御部44Aに出力する。
【0096】
(表示制御部44A)
表示制御部44Aは、入力文字Wおよび枠線Bの表示に加え、指示入力の内容を示す表示を行ってもよい。例えば、手書き入力領域10Aにおいて文字の合成を指示する指示入力が行われた場合、表示制御部44Aは、元々表示されていた入力文字Wに代えて、検索文字特定部421Aによって特定された新たな入力文字W´を手書き入力領域10Aに表示させてもよい。また、手書き入力領域10Aにおいて文字の分割を指示する指示入力が行われた場合、表示制御部44Aは、元々表示されていた入力文字Wに代えて、検索文字特定部421Aによって特定された新たな入力文字W´または文字パーツPを手書き入力領域10Aに表示させてもよい。また、表示制御部44Aは、文字数特定部422Aによって新たに特定された文字数に基づき、表示部30に表示させる枠線Bの数を変更してもよい(
図14参照)。
【0097】
また、表示制御部44Aは、文字数増減部427によって特定された文字数を示す情報に基づき、表示部30に表示させる枠線Bの数を変更してもよい。
【0098】
<指示入力の具体例>
以下、
図10~
図21を用いて、電子機器1Aにおいて手書き入力領域10Aに第1入力文字W1が入力された後、指示入力が行われた場合における処理の具体例を説明する。
図10~
図21は、手書き入力領域10Aにおいて表示される画面の例である。
【0099】
(文字パーツの入力)
図10は、文字の一部Pが入力された場合に手書き入力領域10Aにおいて表示される画面の例である。
図10に示すように、手書き入力領域10Aにおいて、1文字目の位置に文字の一部Pとして「きへん」が入力され、2文字目の位置に第1入力文字W1として漢字の「料」が入力された場合について説明する。
【0100】
入力内容特定部41Aは、第1入力文字W1を示す情報を検索内容特定部42に出力する。その後、手書き入力領域10Aに「へん」としての「木」が入力された場合、入力内容特定部41Aは、手書き入力領域10Aに文字の一部Pを追加して入力する指示入力が行われたことを特定する。手書き入力領域10Aに文字の一部Pが入力されたことを特定する方法は特に限定されない。例えば、
図10に示すように、手書き入力領域10Aに入力された文字の一部Pにおいて、一方向(例えば
図10において矢印Yで示す方向)の長さが、第1入力文字W1と同程度であり、別方向(例えば
図10において矢印Xで示す方向)の長さが、上記一方向の長さよりも短い場合、入力内容特定部41Aは、手書き入力領域10Aに文字の一部Pが入力されたと判定する。または、手書き入力領域10Aに文字の一部Pを入力された後、線Lがさらに入力された場合、入力内容特定部41Aは、手書き入力領域10Aに文字の一部Pが入力されたと判定してもよい。線Lは、文字の一部Pに基づいて1つの文字を特定するために不足している部分、例えば文字の一部Pとして「へん」が入力された場合、「つくり」を示す部分の範囲を示す線である。
【0101】
この場合、検索文字特定部421Aは、第1入力文字W1に基づき、検索文字として漢字の「料」を特定する。また、パーツ特定部424は、文字の一部Pに基づき、文字パーツとして「へん」としての「木」を特定する。また、文字位置特定部423Aは、文字の一部Pが「1文字目」に入力され、入力文字Wが「2文字目」に入力されたことを特定する。また、文字数特定部422Aは文字の一部Pの大きさに基づき、1文字目の文字枠を示す枠線B1の大きさを特定し、入力文字Wの大きさに基づき、2文字目の文字枠を示す枠線B2の大きさを特定する。さらに、文字数特定部422Aは、特定した枠線B1、B2の大きさに基づき、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を特定する。
図10に示す例では、当該文字数は「2文字」である。
【0102】
この場合、検索部43Aは、「へん」としての「木」を有する漢字を1文字目に含み、かつ「料」を2文字目に含む2文字以上の語句を検索する。例えば、検索部43Aは、「材料」、または「材料費」などの語句を検索結果として特定する。
【0103】
図11は、文字の一部Pが入力された場合に手書き入力領域10Aにおいて表示される画面の別の例である。手書き入力領域10Aに入力可能な文字の一部Pは「へん」に限られない。例えば、
図11に示すように、第1入力文字W1として手書き入力領域10Aに3文字入力可能となる大きさで、1文字目に位置する箇所に「材」の文字が入力された後、2文字目に文字の一部P1として「斗」が入力され、3文字目に文字の一部P2として「貝」が入力された場合について説明する。
【0104】
パーツ特定部424は、文字の一部P1に基づき、2文字目の文字パーツとして「斗」を特定し、文字の一部P2に基づき、3文字目の文字パーツとして「貝」を特定する。この場合、検索部43Aは、1文字目に「材」を含み、2文字目に「斗」を有する漢字を含み、3文字目に「貝」を有する漢字を含む3文字以上の語句を検索する。このような語句は、例えば「材料費」等である。
【0105】
以上のように、電子機器1Aは、ユーザが文字の全体を入力せず、文字の一部を入力した場合であっても、目的の語句を精度よく検索することが可能である。
【0106】
(文字の分割)
図12の符号1201~符号1205は、文字の分割を指示する指示入力が行われた場合において手書き入力領域10Aに表示される画面の一連の流れの例を示す図である。以下、
図12を用いて、電子機器1Aにおいて行われる文字の分割処理の一連の流れの例について説明する。
【0107】
文字の分割を開始することを指示する指示入力を受け付けると、分割部425は、文字の分割を開始する。文字の分割を開始することを指示する指示入力とは、例えば
図12の符号1201および符号1202に示すように、手書き入力領域10Aの範囲外から入力文字Wを通過し、手書き入力領域10Aの反対側の範囲外まで達する線を引く入力操作である。
【0108】
分割部425は、当該指示入力を受け付けると、入力された線に基づき入力文字Wを分割する。
図12の符号1201の例では、分割部425は、入力文字Wである「林」の中央に引かれた線に基づき、
図12の符号1202に示すように、入力文字Wを2つの「木」に分割する。
【0109】
なお、
図12の符号1201に示すように、入力文字Wを囲む枠線Bが表示されていた場合、当該枠線Bも分割後の文字、
図12の符号1202に示す例では2つの「木」を囲む枠線B1とB2とに分割されて表示されてもよい。
【0110】
図12の符号1203に示すように分割部425は、入力文字Wを分割することで文字の一部P1と文字の一部P2とを生成する。一例として、分割部425は、入力文字Wとしての「林」を分割した場合、「へん」としての「木」と「つくり」としての「木」と、を生成する。
【0111】
上述の分割により生成されたものが文字の一部P1およびP2であることを示すため、表示制御部44Aは、文字の一部P1および文字の一部P2、並びにこれらを囲む枠線B1および枠線B2の位置および大きさを変更して表示させてもよい。具体的には、
図12の符号1203に示すように、表示制御部44Aは、手書き入力領域10Aにおいて、文字の一部P1が「へん」としての位置に配置されるように枠線B1の位置および大きさを移動させてもよい。また、表示制御部44Aは、文字の一部P2が「つくり」としての位置に配置されるように枠線B2の位置および大きさを移動させてもよい。
【0112】
また、
図12の符号1204に示すように分割部425は、生成された文字の一部P1およびP2を変形させる指示入力をさらに受け付けてもよい。
【0113】
例えば、手書き入力領域10Aにおいて枠線B1内を複数回タッチする操作を受け付けた場合、分割部425は、文字の一部P1を1つの文字とする指示入力を受け付けたと判定する。この場合、
図12の符号1204に示すように、分割部425は、文字の一部P1である「へん」としての「木」を、1つの入力文字Wとしての「木」に変更する。
【0114】
また、手書き入力領域10Aにおいて枠線B2内において文字の一部P2が表示されている位置から所望の位置までドラッグする操作を受け付けた場合、分割部425は、文字の一部P2の種類を変更する入力指示を受け付けたと判定する。例えば、
図12の符号1204に示すように、文字の一部P2である「つくり」としての「木」を「へん」が位置する側に移動させる入力を受け付けた場合、分割部425は、
図12の符号1205に示すように、文字の一部P2を「へん」としての「木」(符号P2’)に変更する。
【0115】
最後に、文字の分割を終了することを指示する指示入力を受け付けると、分割部425は、入力文字Wの分割処理を終了し、当該分割処理により生成された入力文字Wおよび文字の一部Pを示す情報を検索文字特定部421Aまたはパーツ特定部424に出力する。文字の分割を終了することを指示する指示入力とは、例えば
図12の符号1205に示すように手書き入力領域10Aの範囲外をタッチする入力操作である。
【0116】
分割部425は、上述の分割処理により生成された入力文字Wおよび文字の一部P2を示す情報を検索文字特定部421Aまたはパーツ特定部424に出力する。これにより、入力文字Wおよび文字の一部P2に基づき検索文字が特定され、語句の検索が行われる。
図12に示す例では、1文字目に「木」を含み、2文字目に「へん」としての「木」を含む語句が検索される。このような語句は、例えば「木材」等である。
【0117】
(文字の合成)
図13は、符号1301~符号1302は、文字の合成を指示する指示入力が行われた場合において手書き入力領域10Aに表示される画面の一連の流れの例を示す図である。以下、
図13の符号1301に示すように、1文字目に「材」、2文字目に「米」、3文字目に「斗」が入力されている状態において、2文字目と3文字目が合成される例について説明する。
【0118】
合成部426は、2つの入力文字Wを合成することを指示する指示入力を受け付けると、当該指示入力によって示される2つの入力文字Wを合成する。このような指示を行うための指示入力は、例えば
図13の符号1301に示すように、3文字目の枠線B3内をタッチし、隣り合う2文字目の枠線B2内までドラッグする操作である。手書き入力領域10Aがこのような操作を受け付けた場合、合成部426は、2つの入力文字Wを合成する。具体的には、
図13の符号1301および符号1302に示すように、合成部426は、第2入力文字W2の「米」と第3入力文字W3の「斗」とを合成し、新たな第2入力文字W´として漢字の「料」を特定する。
【0119】
合成部426は、当該合成を行った後、新たな第2入力文字W2´を示す情報を検索文字特定部421Aに出力する。また、文字数特定部422Aは、当該合成に基づき、新たな文字数を特定する。
図13に示す例では、文字数特定部422Aは、新たな文字数を「2文字」と特定する。これにより、検索文字特定部421Aにおいて検索文字として漢字の「材」および「料」が特定され、検索部43Aにおいて1文字目に「材」を含み、2文字目に「料」を含む語句が検索される。
【0120】
なお、
図13に示す例では、2つの入力文字Wを合成する例について説明したが、文字の合成は1つの入力文字Wと1つの文字の一部Pとの間で行われてよい。例えば、合成部426は、「へん」としての「木」と文字としての「木」とを合成して「林」という文字としてもよい。
【0121】
なお、文字の合成を指示する指示入力の方法は、文字列の後方側から前方側、
図13に示す例では3文字目側から2文字目側へのドラッグ操作に限られない。例えば、文字の合成を指示する指示入力は、文字列の前方側から後方側へのドラッグ操作であってもよい。具体的には、当該指示入力は、
図13の符号1301において、枠線B2側から枠線B3側へのドラッグ操作であってもよい。
【0122】
(文字数の増減)
図14~
図21は、文字数の増減を指示する指示入力が行われた場合において手書き入力領域10Aに表示される画面の例である。以下、
図14~
図21を用いて、文字数増減部427が文字数を増減される方法の例について説明する。
図14~
図18は、文字数を増加させる場合の例であり、
図19~
図21は、文字数を減少させる場合の例である。
【0123】
図14は、ドラッグ操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面例である。
図14に示すように、文字数を増加させることを指示する指示入力は、例えば手書き入力領域10Aの文字列の前方側の範囲外から当該範囲内の枠線B1およびB2が表示されていない空白部分へのドラッグ操作であってもよい。
【0124】
上述のような操作を受け付けた場合、文字数増減部427は、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を増加させる。
図14の符号1401から1403に示す例では、文字数を「2文字」から「3文字」に増加させる。ここで、文字数増減部427は、文字列のどの位置において文字数が増加したかを特定する。例えば、
図14に示す例では、文字列の1文字目よりも前方において文字数を増加させる。
【0125】
文字位置特定部423Aは、増加した文字数に基づき、入力文字Wの新たな文字位置を決定する。これにより、
図14の符号1403に示す例では、検索部43Aは、2文字目に漢字の「上」を含む3文字以上の語句を検索する。また、表示制御部44Aは、増加した文字数に基づき新たな枠線B3を文字列の前方側に追加して表示させてもよい。
【0126】
文字数を増加させる操作は繰り返し行われてもよい。例えば
図14の符号1404に示すように、符号1401と同様の操作が繰り返し行われた場合、文字数増減部427は、文字数をさらに増加させ、「4文字」とする。
【0127】
図15は、ドラッグ操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の別の例である。
図15に示すように、文字数を増加させることを指示する指示入力は、例えば手書き入力領域10Aの文字列の後方側の範囲外から当該範囲内の枠線B1およびB2が表示されていない空白部分へのドラッグ操作であってもよい。
【0128】
上述のような操作を受け付けた場合、文字数増減部427は、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を増加させる。
図15の符号1501から1503に示す例では、文字数を「2文字」から「3文字」に増加させる。ここで、文字数増減部427は、文字列のどの位置において文字数が増加したかを特定する。例えば、
図15に示す例では、文字列の2文字目よりも後方において文字数を増加させる。
【0129】
文字位置特定部423Aは、増加した文字数に基づき、入力文字Wの新たな文字位置を決定する。これにより、
図15の符号1503に示す例では、検索部43Aは、1文字目に漢字の「上」を含む3文字以上の語句を検索する。また、表示制御部44Aは、増加した文字数に基づき新たな枠線B3を文字列の最後方側に追加して表示させてもよい。
【0130】
文字数を増加させる操作は繰り返し行われてもよい。例えば
図15の符号1504に示すように、符号1501と同様の操作が繰り返し行われた場合、文字数増減部427は、文字数をさらに増加させ、「4文字」とする。
【0131】
図16は、ピンチイン操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。
図16に示すように、文字数を増加させることを指示する指示入力は、例えば手書き入力領域10Aの文字列の前方側の空白部分におけるピンチイン操作であってもよい。
【0132】
上述のような操作を受け付けた場合、文字数増減部427は、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を増加させる。
図16の符号1601から符号1602に示す例では、文字数を「2文字」から「3文字」に増加させる。ここで、文字数増減部427は、文字列のどの位置において文字数が増加したかを特定する。例えば、
図16に示す例では、文字列の2文字目よりも後方において文字数を増加させる。
【0133】
文字位置特定部423Aは、増加した文字数に基づき、入力文字Wの新たな文字位置を決定する。これにより、
図16の符号1602に示す例では、検索部43Aは、1文字目に漢字の「材」を含み、2文字目に「へん」としての「米」を含む3文字以上の語句を検索する。また、表示制御部44Aは、増加した文字数に基づき新たな枠線B3を文字列の最後方側に追加して表示させてもよい。
図16の符号1602に示すように、符号1601と同様の操作が繰り返し行われた場合、文字数増減部427は、文字数をさらに増加させ、「4文字」とする。
【0134】
図17は、ピンチアウト操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。
図17に示すように、文字数を増加させることを指示する指示入力は、例えば手書き入力領域10Aの文字列の枠線B1と枠線B2との間の空白部分におけるピンチアウト操作であってもよい。
【0135】
上述のような操作を受け付けた場合、文字数増減部427は、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を増加させる。
図17の符号1701から符号1703に示す例では、文字数を「2文字」から「3文字」に増加させる。ここで、文字数増減部427は、文字列のどの位置において文字数が増加したかを特定する。例えば、
図17に示す例では、文字列の1文字目と2文字目との間において文字数を増加させる。
【0136】
文字位置特定部423Aは、増加した文字数に基づき、入力文字Wの新たな文字位置を決定する。これにより、
図17の符号1703に示す例では、検索部43Aは、1文字目に漢字の「材」を含む3文字以上の語句を検索する。また、表示制御部44Aは、増加した文字数に基づき新たな枠線B3を枠線B1と枠線B2との間に追加して表示させてもよい。
【0137】
図18は、新たな入力文字Wの書き込み操作による文字数の増加を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。
図18の符号1801から符号1802に示すように、文字数を増加させることを指示する指示入力は、例えば手書き入力領域10Aの枠線B1と枠線B2とが表示されていない空白部分における新たな入力文字W2の書き込み操作であってもよい。
【0138】
上述のような操作を受け付けた場合、文字数増減部427は、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を増加させる。
図18の符号1801から符号1803に示す例では、文字数を「2文字」から「3文字」に増加させる。ここで、文字数増減部427は、文字列のどの位置において文字数が増加したかを特定する。例えば、
図18に示す例では、文字列の1文字目よりも前方において文字数を増加させる。
【0139】
文字位置特定部423Aは、増加した文字数に基づき、第1入力文字W1の新たな文字位置を決定する。また、文字位置特定部423Aは、新たに入力された第2入力文字W2の文字位置も決定する。これにより、
図18の符号1803に示す例では、検索部43Aは、1文字目に第2入力文字W2である漢字の「向」を含み、2文字目に第1入力文字である漢字の「上」を含む3文字以上の語句を検索する。また、
図18の符号1803に示すように、表示制御部44Aは、増加した文字数に基づき新たな枠線B3を、第2入力文字W2を囲う位置に追加して表示させてもよい。
【0140】
図19は、タッチペン等のデバイスDを用いたドラッグ操作による文字数の減少を指示する指示入力が行われた場合の画面例である。文字数を減少させることを指示する指示入力は、例えば手書き入力領域10Aの文字列を示す枠線B4から手書き入力領域10Aの範囲外へのドラッグ操作であってもよい。具体的には、
図19の符号1901から符号1902に示すように、当該指示入力は、手書き入力領域10A内に枠線B1~B4が表示されている状態において、デバイスDを用いて枠線B4内から手書き入力領域の範囲外まで行われるドラッグ操作である。
【0141】
上述のような操作を受け付けた場合、文字数増減部427は、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を減少させる。
図19の符号1901から1903に示す例では、文字数増減部427は、文字数を「4文字」から「3文字」に減少させる。ここで、文字数増減部427は、文字列のどの位置において文字数が減少したかを特定する。例えば、
図19に示す例では、文字列の4文字目を削除することで文字数を減少させる。
【0142】
文字位置特定部423Aは、減少した文字数に基づき、入力文字Wの新たな文字位置を決定する。これにより、
図19の符号1903に示す例では、検索部43Aは、1文字目に漢字の「上」を含む3文字以上の語句を検索する。また、表示制御部44Aは、減少した文字数に対応するように、枠線B4を削除してもよい。
【0143】
文字数を減少させる操作は繰り返し行われてもよい。例えば
図19の符号1904に示すように、枠線B2を手書き入力領域10Aの範囲外にドラッグする操作が行われた場合、文字数増減部427は、文字数をさらに減少させ、「2文字」とする。なお、
図19の符号1904から符号1905に示す例では、文字数増減部427は、文字列の2文字目を削除することで文字数を減少させる。
【0144】
図20は、ピンチイン操作による文字数の減少を指示する指示入力が行われた場合の画面の例である。文字数を減少させることを指示する指示入力は、例えば手書き入力領域10Aにおいて表示されている枠線内において行われるピンチイン操作であってもよい。具体的には、
図20の符号2001に示すように、当該指示入力は、枠線B1~B4が表示されている状態において、1つの枠線B3内においてピンチイン操作であってもよい。
【0145】
上述のような操作を受け付けた場合、文字数増減部427は、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を減少させる。
図20の符号2001から符号2002に示す例では、文字数を「4文字」から「3文字」に減少させる。ここで、文字数増減部427は、文字列のどの位置において文字数が増加したかを特定する。例えば、
図20に示す例では、文字列の3文字目を削除することで文字数を減少させる。
【0146】
文字位置特定部423Aは、減少した文字数に基づき、入力文字Wおよび文字パーツPの新たな文字位置を決定する。これにより、
図20の符号2002に示す例では、検索部43Aは、1文字目に漢字の「材」を含み、2文字目に「へん」としての「米」を含む3文字以上の語句を検索する。また、表示制御部44Aは、減少した文字数に基づき枠線B3を削除して手書き入力領域10Aに表示させてもよい。
【0147】
上述のような文字数を減少させる操作は繰り返し行われてもよい。例えば
図20の符号2002に示すように、枠線B4内においてピンチイン操作が行われた場合、文字数増減部427は、文字数をさらに減少させ、「2文字」とする。
【0148】
図21は、ピンチイン操作による文字数の減少を指示する指示入力が行われた場合の画面の別の例である。
図21に示すように、ピンチイン操作による文字数を指示する入力操作は、文字または文字の一部が入力された枠線内において行われてもよい。
【0149】
例えば、
図21の符号2101に示すように、手書き入力領域10A内において枠線B1~B3が表示されており、枠線B1には入力文字Wが入力され、枠線B2には文字の一部Pが入力されている状態を例に挙げて説明する。この状態において、
図21の符号2101に示すように、枠線B2内でピンチイン操作が行われた場合、
図21の符号2102に示すように、文字数増減部427は、2文字目を削除することで文字数「3文字」から「2文字」に減少させる。このとき、枠線B2内に入力されていた文字の一部Pも同時に削除される。
【0150】
図21の符号2101に示す状態では、検索部43Aは1文字目に漢字の「材」を含み、2文字目に「へん」としての「米」を含む3文字以上の語句を検索する。これに対し、
図21の符号2103に示す例では、検索部43Aは、1文字目に漢字の「材」を含む2文字以上の語句を検索する。
【0151】
<電子機器1Aにおける検索方法の流れの一例>
図22は、電子機器1Aにおける検索方法を説明するためのフローチャートである。以下、
図22を用いて、電子機器1Aにおける検索方法の流れの一例を説明する。
【0152】
図22のステップS21~S29およびS31においてYESの場合は、
図7のステップS1~S9およびS10においてYESの場合と同様の処理であるため説明を省略する。ステップS29においてNOの場合、すなわち、手書き入力領域10Aに新たに入力文字Wが入力されなかった場合、入力内容特定部41Aは、手書き入力領域10Aに新たに追加の指示入力を受け付けたか否かを判定する(S30)。追加の指示入力を受け付けた場合(S30でYES)、入力内容特定部41Aは、当該入力の内容を特定し、電子機器1Aにおいて、当該入力の内容に応じた処理が行われる。
【0153】
入力内容特定部41Aが追加の指示入力を受け付なかったと判定した場合(S30でNO)、入力内容特定部41Aは、ユーザの操作による見出し語の選択を待機する(S31)。ユーザの操作により項目を表示すべき見出し語が選択された場合(S31でYES)、入力内容特定部41Aは、当該選択が行われたことを示す情報を検索部43Aに出力する。検索部43Aは、当該情報を取得すると、辞書データベース22を参照し、見出し語に対応する項目を検索し、当該項目の内容を示す情報を表示制御部44Aに出力する。表示制御部44Aは、取得した見出し語に対応する項目の内容を示す情報を表示部30に表示させる(S32)。
【0154】
図23は、電子機器1Aにおいて追加の指示入力を受け付けた場合に行われる処理の流れを説明するためのフローチャートである。以下、
図23を用いて、電子機器1において少なくとも第1入力文字W1が入力された後、追加の指示入力が行われた場合に行われる処理の流れの一例を説明する。
【0155】
入力内容特定部41Aは、当該入力の内容を特定する。当該入力が文字の一部Pを記入する入力である場合(S41でYES)、入力内容特定部41Aは、文字の一部Pが入力されたことを示す情報を検索内容特定部42Aに出力する。パーツ特定部424は、検索文字データベース21Aを参照し、文字の一部Pの形状に基づき、文字パーツを特定する(S42)。パーツ特定部424は、特定した文字パーツを示す情報を検索部43Aに出力する。また、文字位置特定部423Aは、文字の一部Pが入力された文字位置を特定し、当該文字位置を示す情報を検索部43Aに出力する。
【0156】
検索部43Aは、これまで入力されている入力文字Wに対して特定された検索文字に加え、文字パーツに基づく検索を行う。換言すると、検索部43Aは、検索文字に基づく検索の結果を、文字パーツに基づいてさらに絞り込んで検索する(S43)。具体的には、検索部43Aは、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を、特定された文字位置に含み、かつ文字の一部Pに対して特定された文字パーツを含む文字を、特定された文字位置に含む語句であって、これまで入力されている入力文字Wに対して特定された文字数以上の語句を検索する。検索部43Aは、検索の結果を示す情報を表示制御部44Aに出力する。表示制御部44Aは、当該検索の結果を表示部30に表示させる(S24)。その後、
図22のS29に戻る。
【0157】
追加の指示入力が文字の一部Pの入力でない場合(S41でNO)、入力内容特定部41Aは、追加の指示入力が、手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wのいずれかの分割を指示する指示入力であるか否かを判定する(S45)。追加の指示入力が、手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wのいずれかの分割を指示する指示入力である場合(S45でYES)、分割部425において入力文字Wの分割が行われる。具体的には、入力内容特定部41Aは、当該指示入力の内容を示す情報を検索内容特定部42Aに出力する。分割部425は、当該情報を取得すると、指示入力によって示された入力文字Wを分割し(S46)、複数の文字の一部Pを生成する。また、分割部425は、入力文字Wの分割を行ったことを示す情報を表示制御部44Aに出力する。表示制御部44Aは、入力文字Wの分割を行ったことを示す情報を取得すると、入力文字Wが分割されることで生成された複数の文字の一部Pを表示部30に表示させる(S47)。
【0158】
S47の後、分割後の複数の文字の一部Pに対して変形を指示する入力が行われた場合(S48でYES)、分割部425は、当該入力に応じて文字の一部Pを変形させる(S49)。例えば、
図12の符号1204に示すように、文字の一部P2である「つくり」としての「木」を移動させる入力が行われた場合、分割部425は、文字の一部P2を変形させ、「へん」としての「木」とする。
【0159】
文字の一部Pを変形させた後(S49の後)、またはS47の後、分割後の複数の文字の一部Pに対して変形を指示する入力が行われなかった場合(S48でNO)、入力内容特定部41は、文字の分割を終了する入力操作を受け付けたか否かを判定する(S50)。文字の分割を完了する入力を受け付けた場合、入力内容特定部41は、当該入力を受け付けたことを示す情報を分割部425に出力する。分割部425は、当該情報を取得すると、入力文字Wの分割を終了し、当該分割によって生成された文字の一部Pおよび/または入力文字W´を示す情報を検索文字特定部421Aおよびパーツ特定部424に出力する。
【0160】
検索文字特定部421Aおよびパーツ特定部424は、分割部425による分割によって生成された入力文字W´および文字の一部Pに基づき、検索文字および文字パーツを特定する。検索文字特定部421Aおよびパーツ特定部424は、特定した検索文字および文字パーツを示す情報を検索部43Aに出力する。検索部43Aは、分割後の文字の一部Pおよび入力文字W´に対して特定された検索文字および文字パーツに基づき見出し語を検索し(S51)、検索の結果を示す情報を表示制御部44Aに出力する。表示制御部44Aは、検索部43Aによる検索の結果を示す情報を取得すると、当該情報に基づき見出し語のリストを表示部30に表示させる(S52)。その後、
図22のS29に戻る。
【0161】
追加の指示入力が入力文字Wの分割を指示する指示入力でない場合(S45でNO)、入力内容特定部41Aは、追加の指示入力が、入力文字Wの合成を指示する指示入力であるか否かを判定する(S53)。追加の指示入力が、入力文字Wの合成を指示する指示入力である場合(S53でYES)、合成部426において入力文字Wの合成が行われる。具体的には、入力内容特定部41Aは、当該指示入力の内容を示す情報を検索内容特定部42Aに出力する。合成部426は当該情報を取得すると、当該情報に基づき、指示入力によって選択された入力文字Wの合成を行い(S54)、新たな入力文字W´を生成する。当該合成の詳細な方法については既に説明したためここでの説明を省略する。合成部426は、生成した入力文字W´を示す情報を検索文字特定部421Aに出力する。検索文字特定部421Aは、合成部426による合成によって生成された入力文字W´に基づき、検索文字を特定する。検索文字特定部421Aは、特定した検索文字を示す情報を検索部43Aに出力する。検索部43Aは、合成後の入力文字W´に対して特定された検索文字に基づき見出し語を検索し(S55)、検索の結果を示す情報を表示制御部44Aに出力する。表示制御部44Aは、検索部43Aによる検索の結果を示す情報を取得すると、当該情報に基づき見出し語のリストを表示部30に表示させる(S56)。その後、
図22のS29に戻る。
【0162】
追加の指示入力が入力文字Wの合成を指示する指示入力でない場合(S53でNO)、入力内容特定部41Aは、追加の指示入力が、文字数の増減を指示する指示入力であるか否かを判定する(S57)。指示入力が、文字数の増減を指示する入力である場合(S57でYES)、文字数増減部427において文字数の増減が行われ、新たな文字数が特定される。具体的には、入力内容特定部41Aは、当該指示入力の内容を示す情報を検索内容特定部42Aに出力する。文字数増減部427は当該情報を取得すると、文字数特定部422Aによって特定された文字数を示す情報を取得し、指示入力の内容に基づき当該文字数から文字数の増減を行い新たな文字数を特定する(S58)。その後、
図22のS26に戻る。なお、当該増減の詳細な方法については既に説明したためここでの説明を省略する。
【0163】
追加の入力が、文字数の増減を指示する指示入力でない場合(S57でNO)、すなわち、入力内容特定部41Aが、指示入力の内容は第1入力文字Wが入力された後に行われる処理のいずれを指定するものでもないと判定した場合、ステップS31の処理に進む。このような入力は、例えばユーザが誤って手書き入力領域10Aに触れた場合などに行われる入力である。
【0164】
<電子機器1Aの効果>
以上のように、電子機器1Aは、文字の一部Pに基づき、文字パーツ(漢字のパーツ)を特定するパーツ特定部424を備え、文字位置特定部423Aは、文字列における当該文字パーツを含む文字の文字位置を特定する。手書き入力領域10A(入力部10)に少なくとも第1入力文字W1と、少なくとも1つの文字の一部Pと、が入力された場合、検索部43Aは、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含み、かつ、文字パーツを、該文字パーツを含む文字に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索してもよい。
【0165】
上記の構成によれば、2文字以上の語句の検索において、第1入力文字W1に基づく検索結果が1つの文字パーツ(「へん」、「つくり」等)によって絞りこまれる。
【0166】
これにより、ユーザは、2文字以上の語句を検索する際、当該語句の1つの文字と、少なくとも1つの文字パーツを入力するだけで、目的の語句を含む検索結果を得ることができるため、検索の作業効率が向上する。
【0167】
電子機器1Aは、上記態様1から5のいずれかにおいて、指示入力を受け付け、文字列における隣り合う別の文字として認識された複数の入力文字(W1、W2)を合成して1つの入力文字W´として認定させる合成部426を備える。また、検索文字特定部421Aは、合成部426にて合成された入力文字W´に対して検索文字を特定してもよい。
【0168】
上記の構成によれば、2つの文字として認識された文字同士を、簡単な操作で1つに組み合わせることができる。例えば、「米」および「斗」のように2文字として認識された文字同士を「料」という1つの文字に組み合わせることができる。
【0169】
以上のように、ユーザは、入力した文字が目的の語句の文字とは異なっていた場合であっても、新たに文字を入力し直す必要がなく、簡単な操作で目的の文字を認識させることが可能となるため、検索の作業効率を向上させることができる。
【0170】
また、電子機器1Aは、指示入力を受け付け、文字列における1つの文字として認識された入力文字Wを、文字列における隣り合う複数の文字、隣り合う文字と文字の一部P、もしくは隣り合う複数の文字の一部Pとして認識させる分割部425を備えてもよい。
【0171】
上記の構成によれば、ユーザの操作に基づき、1つの文字を2つに分割することができる。例えば、「料」という入力文字として認識された文字を、「米」および「斗」という検索文字として検索することが可能となる。
【0172】
また、電子機器1Aは、指示入力を受け付け、文字数特定部422Aにおいて特定された文字数を増減させる文字数増減部427を備えてもよい。
【0173】
上記の構成によれば、入力した文字の大きさに基づいて特定された検索文字の文字数が、ユーザが検索したい目的の語句の文字数とは異なっていた場合、ユーザは手書き入力領域10Aへの入力を行うことで、見出し語句の文字数を、目的の語句の文字数とすることができる。
【0174】
〔ソフトウェアによる実現例〕
電子機器1・1A(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部40・40Aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0175】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0176】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0177】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0178】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0179】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器1は、手書き入力領域10Aを有し、ユーザの手書きによる入力を受け付ける入力部10と、手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wに基づき、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定部421と、手書き入力領域10Aに対して入力が完了された第1入力文字W1の大きさ、および手書き入力領域10Aに対する該第1入力文字W1の位置に基づき、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を特定する文字数特定部422と、手書き入力領域10Aにおける第1入力文字W1の位置に基づき、特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字W1の文字位置を特定する文字位置特定部423と、第1入力文字W1に対してそれぞれ特定された、検索文字、文字数および文字位置に基づき、語句の検索を行う検索部43と、検索の結果を表示部30に表示する表示制御部44と、を備える。
【0180】
従来の電子辞書では、入力された文字で始まる語句を、文字数の少ない物から順に50音順に並べて検索結果の見出し語として表示していた。また、検索したい語句の文字数を特定する場合は別途の操作が必要であった。これに対して上記の構成によれば、入力され文字の大きさおよび位置に基づいて特定された文字数に基づいて語句を検索することができる。すなわち、上記の構成によれば、検索したい語句に対応する文字を入力する操作と検索したい語句の文字数を入力する操作とを1つの操作として行うことができる。従って、上記の構成を有する電子機器1では、検索操作の作業効率が向上している。
【0181】
また、本発明の態様2に係る電子機器1は、上記態様1において、検索部43は、第1入力文字W1が入力され、該第1入力文字W1に対して検索文字、文字数および文字位置がそれぞれ特定された時点で、検索を行ってもよい。
【0182】
上記の構成によれば、検索を行うための操作をユーザが行わずとも語句の検索が行われる。
【0183】
また、本発明の態様3に係る電子機器1は、上記態様1または2において、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索してもよい。
【0184】
上記の構成によれば、入力された文字の大きさに基づいて特定された文字数未満の文字数を有する語句は、検索対象から除外される。これにより、検索の結果として表示される目的の語句以外の語句の数を低減することができるため、ユーザが目的の語句を探しやすくなり、作業効率が向上する。
【0185】
また、本発明の態様4に係る電子機器1は、上記態様1において、第1入力文字W1の後に第2入力文字W2が入力された場合、文字位置特定部423は、手書き入力領域10Aにおける第2入力文字W2の位置に基づき、文字列における該第2入力文字W2の文字位置を特定し、検索部43は、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含み、かつ、第2入力文字W2に対して特定された検索文字を第2入力文字W2に対して特定された前記文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索してもよい。
【0186】
上記の構成によれば、第1入力文字W1に基づく語句の検索結果を、第2入力文字W2に基づいてさらに絞り込むことができるため、ユーザの検索したい語句をより正確に特定することができる。
【0187】
また、本発明の態様5に係る電子機器1Aは、上記態様1から4のいずれかにおいて、手書き入力領域10Aに入力された、文字の一部Pに基づき、文字パーツ(漢字のパーツ)を特定するパーツ特定部424を備え、文字位置特定部423Aは、前記文字列におけるパーツを含む文字の文字位置を特定し、入力部10に少なくとも第1入力文字W1と、少なくとも1つの文字パーツに対応する文字の一部Pと、が入力された場合、検索部43Aは、第1入力文字W1に対して特定された検索文字を第1入力文字W1に対して特定された文字位置に含み、かつ、文字パーツを、該文字パーツを含む文字に対して特定された文字位置に含む、特定された文字数以上の語句、を検索してもよい。
【0188】
上記の構成によれば、2文字以上の語句の検索において、第1入力文字W1に基づく検索結果が1つの文字パーツ(「へん」、「つくり」等)によって絞りこまれる。
【0189】
これにより、ユーザは、2文字以上の語句を検索する際、当該語句の1つの文字と、少なくとも1つの文字パーツを入力するだけで、目的の語句を含む検索結果を得ることができるため、検索の作業効率が向上する。
【0190】
また、本発明の態様6に係る電子機器1Aは、上記態様1から5のいずれかにおいて、手書き入力領域10Aに対する指示入力を受け付け、文字列における隣り合う別の文字として認識された複数の入力文字を合成して1つの入力文字として認定させる合成部426を備え、検索文字特定部421Aは、合成部426にて合成された入力文字W´に対して前記検索文字を特定してもよい。
【0191】
上記の構成によれば、2つの文字として認識された文字同士を、簡単な操作で1つに組み合わせることができる。例えば、「米」および「斗」のように2文字として認識された文字同士を「料」という1つの文字に組み合わせることができる。
【0192】
以上のように、ユーザは、入力した文字が目的の語句の文字とは異なっていた場合であっても、新たに文字を入力し直す必要がなく、簡単な操作で目的の文字を認識させることが可能となるため、検索の作業効率を向上させることができる。
【0193】
また、本発明の態様7に係る電子機器1Aは、上記態様1から6のいずれかにおいて、手書き入力領域10Aに対する指示入力を受け付け、文字列における1つの文字として認識された入力文字Wを、文字列における隣り合う複数の文字、隣り合う文字と文字の一部P、もしくは隣り合う複数の文字の一部Pとして認識させる分割部425を備えてもよい。
【0194】
上記の構成によれば、ユーザの操作に基づき、1つの文字を2つに分割することができる。例えば、「料」という入力文字として認識された文字を、「米」および「斗」という検索文字として検索することが可能となる。
【0195】
また、本発明の態様8に係る電子機器1Aは、上記態様1から7のいずれかにおいて、手書き入力領域10Aに対する指示入力を受け付け、特定された文字数を増減させる文字数増減部427を備えてもよい。
【0196】
上記の構成によれば、入力した文字の大きさに基づいて特定された検索文字の文字数が、ユーザが検索したい目的の語句の文字数とは異なっていた場合、ユーザは入力部への入力を行うことで、見出し語句の文字数を、目的の語句の文字数とすることができる。
【0197】
また、本発明の態様9に係る電子機器1は、上記態様1から8のいずれかにおいて、表示制御部44が、文字列における各文字の入力領域を囲う枠線を表示部30に表示させもよい。
【0198】
上記の構成によれば、ユーザは、自身が入力した入力文字の大きさに基づいて決定された入力領域の数を認識することができる。これにより、ユーザは、目的の語句の文字数と見出し語句の文字数との対応を簡単に確認することができる。
【0199】
また、本発明の態様10に係る制御方法は、手書き入力領域10Aを有し、ユーザの手書き入力による入力を受け付ける入力部10を備える電子機器1の制御方法であって、手書き入力領域10Aに入力された入力文字Wに基づき、検索対象である検索文字を特定する検索文字特定ステップと、手書き入力領域10Aに対して入力が完了された第1入力文字W1の大きさ、および手書き入力領域10Aに対する該第1入力文字W1の位置に基づき、手書き入力領域10Aに入力可能な文字数を特定する文字数特定ステップと、手書き入力領域10Aにおける第1入力文字W1の位置に基づき、特定された文字数からなる文字列における該第1入力文字W1の文字位置を特定する文字位置特定ステップと、第1入力文字W1に対してそれぞれ特定された、検索文字、文字数および文字位置に基づき、語句の検索を行う検索ステップと、検索の結果を表示部30に表示する表示ステップと、を含む。
【0200】
上記の構成によれば、上記態様1と同様の効果を奏する。
【0201】
本発明の各態様に係る電子機器1は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電子機器1が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記電子機器1をコンピュータにて実現させる電子機器1の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0202】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0203】
1、1A 電子機器
10 入力部
10A 手書き入力領域
30 表示部
41、41A 入力内容特定部
42、42A 検索内容特定部
43、43A 検索部
44、44A 表示制御部
421、421A 検索文字特定部
422、422A 文字数特定部
423、423A 文字位置特定部
424 パーツ特定部
425 分割部
426 合成部
427 文字数増減部
B、B1~B4 枠線
P、P1、P2 文字の一部
W、W´ 入力文字
W1 第1入力文字
W2 第2入力文字