(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183930
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091478
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】新川 麻里
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サービスの提供者のリソースを有効活用できるようにサービスの利用をユーザに訴求する
【解決手段】データ処理装置と、ユーザ端末と、店舗端末と、を備え、ユーザにサービスの勧誘を行うメッセージを送信するデータ処理システムにおいて、データ処理装置1は、店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得する店舗データ取得部131と、記憶部12が記憶する複数のユーザと、複数のユーザ夫々の店舗における第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データを参照し、店舗が第1サービスの受付が可能であることを受付可否データが示している場合に、店舗において第2サービスの利用履歴があるユーザを利用ユーザとして利用履歴データから抽出し、第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを利用ユーザに送信するメッセージ送信部132と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得する店舗データ取得部と、
複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における前記第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データを記憶する記憶部と、
前記店舗が前記第1サービスの受付が可能であることを前記受付可否データが示している場合に、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザを利用ユーザとして前記利用履歴データから抽出し、前記第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを前記利用ユーザに送信するメッセージ送信部と、
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記店舗データ取得部は、前記第1サービスの受付が可能な時間帯を示す時間帯データをさらに取得し、
前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、前記時間帯データが示す時間帯に前記第2サービスを利用した履歴を有する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記メッセージ送信部は、複数の前記第2サービスのうち、前記時間帯の長さ以内の時間でサービスを提供できる一以上の前記第2サービスの利用履歴がある前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出する、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、前記店舗において前記第2サービスを所定の回数以上利用した履歴を有する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記店舗データ取得部は、前記店舗の所在地を示す所在地情報をさらに取得し、
前記記憶部は前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの位置を示す位置情報と、を関連づけてさらに記憶し、
前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、前記位置情報が示す位置が、前記所在地情報が示す前記店舗の所在地から所定の範囲内に存在する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における料金の支払い方法を含む前記第2サービスの利用履歴と、を関連付けて記憶し、
前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、所定の支払方法を利用した履歴を有する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれが前記店舗以外で提供される第3サービスの契約の有無を示すデータと、を関連付けて記憶し、
前記メッセージ送信部は、抽出した前記利用ユーザが前記第3サービスを契約している場合、前記第3サービスを契約していない前記利用ユーザに提示する第1の価格とは異なる第2の価格を含む前記メッセージを送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの決済サービスにおける支払額、年齢層、性別、又は趣味のうち少なくとも1以上のユーザの属性を表すユーザ属性データと、を関連付けて記憶し、
前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザのうち、学習用利用履歴データ及び学習用ユーザ属性データを学習用ユーザの前記第1サービスの利用有無と対応付けた教師データを用いて学習した学習済みモデルに、前記複数のユーザの前記ユーザ属性データ及び前記利用履歴データを入力することで前記学習済モデルが出力した前記第1サービスの利用確率が閾値以上となる前記利用ユーザを抽出する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得するステップと、
前記店舗が前記第1サービスの受付が可能であることを前記受付可否データが示している場合に、記憶部に記憶された複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における前記第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データに基づいて、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザを利用ユーザとして前記利用履歴データから抽出し、前記第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを前記利用ユーザに送信するメッセージステップと、
を有するデータ処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得するステップと、
前記店舗が前記第1サービスの受付が可能であることを前記受付可否データが示している場合に、記憶部に記憶された複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における前記第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データに基づいて、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザを利用ユーザとして前記利用履歴データから抽出し、前記第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを前記利用ユーザに送信するメッセージステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品またはサービスを申し込むための画面をユーザの端末に表示するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムによれば、ユーザが自身の端末を用いてサービスを申し込むことができる。しかしながら、サービスの利用者が多い期間にサービスの申し込みが集中してしまうと、サービスの提供者のリソースに空きがある期間が多くなり、提供者のリソースを有効活用できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、サービスの提供者のリソースを有効活用できるようにサービスの利用をユーザに訴求できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のデータ処理装置においては、店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得する店舗データ取得部と、複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における前記第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データを記憶する記憶部と、前記店舗が前記第1サービスの受付が可能であることを前記受付可否データが示している場合に、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザを利用ユーザとして前記利用履歴データから抽出し、前記第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを前記利用ユーザに送信するメッセージ送信部と、を有する。
【0007】
前記店舗データ取得部は、前記第1サービスの受付が可能な時間帯を示す時間帯データをさらに取得し、前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、前記時間帯データが示す時間帯に前記第2サービスを利用した履歴を有する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出してもよい。
【0008】
前記メッセージ送信部は、複数の前記第2サービスのうち、前記時間帯の長さ以内の時間でサービスを提供できる一以上の前記第2サービスの利用履歴がある前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出してもよい。
【0009】
前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、前記店舗において前記第2サービスを所定の回数以上利用した履歴を有する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出してもよい。
【0010】
前記店舗データ取得部は、前記店舗の所在地を示す所在地情報をさらに取得し、前記記憶部は前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの位置を示す位置情報と、を関連づけてさらに記憶し、前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、前記位置情報が示す位置が、前記所在地情報が示す前記店舗の所在地から所定の範囲内に存在する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における料金の支払い方法を含む前記第2サービスの利用履歴と、を関連付けて記憶し、前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記複数のユーザのうち、所定の支払方法を利用した履歴を有する前記利用ユーザを前記利用履歴データから抽出してもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれが前記店舗以外で提供される第3サービスの契約の有無を示すデータと、を関連付けて記憶し、前記メッセージ送信部は、抽出した前記利用ユーザが前記第3サービスを契約している場合、前記第3サービスを契約していない前記利用ユーザに提示する第1の価格とは異なる第2の価格を含む前記メッセージを送信してもよい。
【0013】
前記記憶部は、前記複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの決済サービスにおける支払額、年齢層、性別、又は趣味のうち少なくとも1以上のユーザの属性を表すユーザ属性データと、を関連付けて記憶し、前記メッセージ送信部は、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザのうち、学習用利用履歴データ及び学習用ユーザ属性データを学習用ユーザの前記第1サービスの利用有無と対応付けた教師データを用いて学習した学習済みモデルに、前記複数のユーザの前記ユーザ属性データ及び前記利用履歴データを入力することで前記学習済モデルが出力した前記第1サービスの利用確率が閾値以上となる前記利用ユーザを抽出してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様のデータ処理方法においては、コンピュータが実行する、店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得するステップと、前記店舗が前記第1サービスの受付が可能であることを前記受付可否データが示している場合に、記憶部に記憶された複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における前記第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データに基づいて、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザを利用ユーザとして前記利用履歴データから抽出し、前記第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを前記利用ユーザに送信するメッセージステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得するステップと、前記店舗が前記第1サービスの受付が可能であることを前記受付可否データが示している場合に、記憶部に記憶された複数のユーザと、前記複数のユーザそれぞれの前記店舗における前記第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データに基づいて、前記店舗において前記第2サービスの利用履歴がある前記ユーザを利用ユーザとして前記利用履歴データから抽出し、前記第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを前記利用ユーザに送信するメッセージステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サービスの提供者のリソースを有効活用できるようにサービスの利用をユーザに訴求できるようにする装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態のデータ処理装置システムSの概要を示す図である。
【
図2】データ処理装置1の装置構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部12が記憶する利用履歴データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
[データ処理システムSの概要]
図1は、第1の実施形態のデータ処理システムS概要を示す図である。データ処理システムSは、店舗において提供されるサービスの利用申し込みを促すためのメッセージをユーザに送信するためのシステムである。データ処理システムSは、データ処理装置1と、ユーザ端末2と、店舗端末3と、を備える。店舗は、例えば美容室、理髪店又はマッサージ店のように、サービスの提供に要する時間がそれぞれ異なる複数のサービスを提供する店舗である。
【0019】
データ処理装置1は、店舗の管理者からの要求を店舗端末3から受けて、店舗において提供されるサービスの利用申し込みを促すためのメッセージをユーザ端末2に送信する装置であり、例えばサーバである。データ処理装置1は、第1サービスの申し込みを受け付ける広告メッセージをユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2より、第1サービスの契約申し込みを示す申込メッセージを受け付ける。第1サービスは、例えば定額料金でユーザが所定のサービスを利用できるサブスクリプション方式のサービスである。店舗が美容室である場合、第1サービスは、例えば、1ヵ月に定額を支払うことで回数に制限なくカットをするサービス又は回数に制限なく髪染めをするサービスである。
【0020】
データ処理装置1は、店舗端末3より、第1サービスへの申し込み受付の可否を示す受付可否データを受信する。受付可否データには、定額で利用可能な一以上のサービスの名称と、当該一以上のサービスを利用可能な時間帯と、が含まれている。受付可否データには、複数の異なる時間帯のそれぞれにおいて利用可能な一以上のサービスの名称が含まれていてもよい。受付可否データには、店舗端末3が受付可否データを送信した時刻を含む時間帯において利用可能なサービスの名称が含まれていてもよい。
【0021】
データ処理装置1は、受付可否データを店舗端末3から受信すると、申し込みが受付可能である店舗の第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴があるユーザを抽出する。データ処理装置1は、抽出したユーザに第1サービスへの申し込みを勧誘するメッセージを送信する。第2サービスは、例えば、第1サービスと同じ種類のサービスであり、かつユーザがサービスの利用の都度対価を支払うサービスである。第1サービスが、回数に制限なくカットをするサービスである場合、第2サービスは、1回だけカットをするサービスである。
【0022】
データ処理装置1がユーザ端末2に送信するメッセージには、例えば、第1サービスの内容、第1サービスを利用するための月額料金、並びにサービスを利用可能な曜日及び時間帯を示す情報が含まれている。メッセージには、第1サービスに対応する第2サービスの1回あたりの利用料金が含まれていてもよい。サービスを利用可能な曜日及び時間帯は、例えば、店舗への来店者数が比較的少ない曜日及び時間帯として店舗の管理者により設定される。
【0023】
データ処理装置1が送信するメッセージには、第1サービスを申し込むためのウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)情報を含まれていてもよい。この場合、第1サービスを申し込むためのウェブページは、ユーザのユーザID又は電話番号に関連付けられたページであってもよい。データ処理装置1が第1サービスを申し込むためのウェブページを提供する場合、データ処理装置1は、記憶部12に記憶されたユーザ情報のうち第1サービスの申し込みに必要なユーザ情報が、あらかじめ入力されたウェブページを生成し、URLにアクセスしたユーザ端末2に送信してもよい。
【0024】
データ処理装置1は、メッセージを送信したユーザ端末2より第1サービスへの申し込みを示す申込メッセージを受信する。データ処理装置1は、申込を行ったユーザの申し込み受付処理を行う。データ処理装置1は、申込メッセージを受信すると、店舗端末に対して第1サービスの申し込みを受け付けたことを示す申込受付メッセージを店舗端末3に送信する。
【0025】
[データ処理装置1の構成]
図2は、データ処理装置1の装置構成を示すブロック図である。データ処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、店舗データ取得部131と、メッセージ送信部132と、を有する。通信部11は、ユーザ端末2及び店舗端末3と通信するための通信インターフェースである。
【0026】
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部12は、複数のユーザと、複数のユーザそれぞれの店舗における第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データを記憶する。記憶部12は、ユーザと、店舗と、店舗におけるユーザの第2サービスの利用履歴と、を対応付けた利用履歴データを記憶する。
【0027】
図3は、記憶部12が記憶する利用履歴データのデータ構造の一例を示す図である。
図3に示す例の場合、記憶部12は、ユーザID、店舗ID、来店日、来店時間及びユーザが利用したサービス名が関連付けられた利用履歴データを記憶する。利用履歴データには、サービスを担当した担当者名が含まれていてもよい。店舗が美容室である場合、サービスを担当した担当者名にはスタイリストの名前が含まれる。
【0028】
記憶部12は、複数のユーザと、複数のユーザそれぞれの店舗における料金の支払い方法を含む第2サービスの利用履歴と、を関連付けて記憶してもよい。この場合、記憶部12は、利用履歴データとしてサービス利用時の料金の支払い方法をさらに記憶する。料金の支払い方法は、例えば、現金払い、クレジットカード払い、QR(Quick Response)コード決済又はICカード決済を示す情報である。
【0029】
データ処理装置1は、不図示の決済プラットフォームと連携し、決済プラットフォームからユーザの支払履歴を取得してもよい。この場合、データ処理装置1は、決済プラットフォームから支払履歴を取得し、支払履歴に含まれる情報に基づいて、サービスを利用した店舗名、決済金額、利用したサービスの内容又は支払い日時を特定し、特定した情報を含む利用履歴データを記憶部12に記憶してもよい。データ処理装置1が決済プラットフォームと連携することで、ユーザが利用したサービスに関する情報を店舗の店員が入力することなく、データ処理装置1がユーザの利用履歴を容易に取得することができる。
【0030】
記憶部12は、複数のユーザと、複数のユーザそれぞれの位置を示す位置情報と、を関連づけてさらに記憶してもよい。位置情報は、例えばユーザの住所又は勤務先住所であるが、位置情報はユーザの携帯端末の位置をリアルタイムで示す情報であってもよい。
【0031】
記憶部12は、複数のユーザと、複数のユーザそれぞれの決済サービスにおける支払額、年齢層、性別、又は趣味のうち少なくとも1以上のユーザの属性を表すユーザ属性データと、を関連付けて記憶してもよい。記憶部12は、ユーザの属性を示すユーザ情報テーブルを記憶する。ユーザ情報テーブルには、ユーザID、名前、性別、ユーザの生年月日、ユーザの住所、職業、勤務先住所、ユーザの位置情報、連絡先及びユーザの属性データが記録される。ユーザの属性データは、例えば、決済サービスにおける支払額又はユーザの年齢層、性別若しくは趣味が含まれる。
【0032】
記憶部12は、複数のユーザと、複数のユーザそれぞれが店舗以外で提供される第3サービスの契約の有無を示すデータと、を関連付けて記憶してもよい。この場合、記憶部12は、ユーザ情報テーブルに、第3サービスの契約の有無を示すデータをさらに記憶する。第3サービスは、店舗が提供する第1サービス及び第2サービスと異なる、店舗を運営する事業者と異なる事業者により提供されるサービスである。第3サービスは例えば、ユーザが利用する携帯端末を識別するための携帯端末IDを用いて利用できるサービスであり、通信事業者が提供する通信サービス又は決済サービス等である。データ処理装置1は、例えば、ユーザ端末2に紐づく支払方法(例えば携帯端末の通信料金と合算して支払方法)で支払うことを了承したユーザ、又はユーザ端末2の位置情報の利用をデータ処理装置1に対して許可したユーザを、第3サービスの契約をしているユーザであるとしてもよい。
【0033】
記憶部12は、店舗の属性を示す店舗属性情報を示すテーブルを記憶してもよい。具体的には記憶部12は、店舗ID、店舗の所在地、営業時間、店舗が属するグループ並びに提供する1以上のサービスの内容、価格及び提供時間を示す情報を店舗属性として記憶する。
【0034】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより、店舗データ取得部131及びメッセージ送信部132として機能する。
【0035】
店舗データ取得部131は、店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得する。受付可否データは店舗端末から送信される広告依頼メッセージに含まれていてもよい。この場合、店舗データ取得部131は、店舗端末3より、店舗を識別する店舗IDと、店舗における第1サービスの受付可否を示す受付可否データと、を含む広告依頼メッセージを取得する。店舗データ取得部131は、広告依頼メッセージを受信した店舗を識別する情報と、受付可否データと、をメッセージ送信部132に出力する。
【0036】
店舗データ取得部131は、第1サービスの受付が可能な時間帯を示す時間帯データをさらに取得してもよい。店舗データ取得部131は、広告依頼メッセージにさらに含まれる時間帯データを取得する。時間帯データは、店舗の営業時間のうち、第1サービスの利用が可能な時間帯又は店舗が第1サービスの利用を促進したい時間帯を示す情報である。例えば、時間帯データは特定の曜日、特定の時間帯又はその両方を含むデータである。時間帯データは、例えば、平日の14時~16時という情報を示す。
【0037】
店舗データ取得部131は、不図示の予約管理DBと連携し、時間帯データを取得してもよい。この場合、店舗データ取得部131は、予約管理DBから、広告依頼メッセージに含まれる店舗IDが示す店舗のリソース情報を取得する。店舗データ取得部131は、
例えば、リソース情報が示す時間帯ごとのリソースの総数とリソースの空き数との割合である空席率を算出し、空席率が閾値以上である時間帯を時間帯データとして取得する。
【0038】
店舗データ取得部131は、店舗の所在地を示す所在地情報をさらに取得してもよい。店舗データ取得部131は、例えば店舗が複数の支店を有する場合、店舗端末3から送信される広告依頼メッセージに含まれる支店の所在地を示す所在地情報を取得する。記憶部12が店舗属性情報を記憶する場合、店舗データ取得部131は、記憶部12に記憶された店舗属性情報を参照して、店舗に対応する所在地を取得してもよい。
【0039】
メッセージ送信部132は、店舗が第1サービスの受付が可能であることを受付可否データが示している場合に、店舗において第2サービスの利用履歴があるユーザを利用ユーザとして利用履歴データから抽出し、第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを利用ユーザに送信する。入力された受付可否データが、店舗において第1サービスの受付が可能であることを示している場合、メッセージ送信部132は、受付可否データに含まれる店舗IDに対応する店舗におけるユーザの利用履歴を記憶部12から取得する。メッセージ送信部132は、店舗IDに対応する店舗において、受付可否データが示す第1サービスに対応する第2サービスを利用した利用履歴があるユーザを抽出する。
【0040】
メッセージ送信部132は、第1サービスに対応する第2サービスを利用した利用履歴があるユーザを抽出した場合、店舗IDに対応する店舗における第1サービスへの申し込みを促す広告メッセージを作成する。メッセージ送信部132は、作成したメッセージを、抽出したユーザに対して送信する。メッセージは例えば、SMS、Eメール又はアプリでの通知により送信される。
【0041】
ところで、第1サービスを利用可能な時間帯に店舗に行くことができるユーザに第1サービスへの申し込みを勧誘することで、第1サービスの申し込みをユーザから受けられる確率が高まる。比較的来店客数が少ない曜日及び時間帯に利用可能な第1サービスに申し込まれると、店舗は、リソースを効率よく運用しながら収入を拡大することができる。そこで、メッセージ送信部132は、店舗において第2サービスの利用履歴がある複数のユーザのうち、広告依頼メッセージに含まれる時間帯データが示す時間帯に第2サービスを利用した履歴を有する利用ユーザを利用履歴データから抽出してもよい。
【0042】
具体的には、メッセージ送信部132は、店舗データ取得部131から時間帯データをさらに取得すると、店舗IDが示す店舗におけるユーザの利用履歴を記憶部12から取得する。メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗において、時間帯データが示す時間帯に第2サービスを利用した利用履歴があるユーザを抽出する。なお、時間帯データが特定の曜日を示す場合、メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗において、時間帯データが示す曜日に第2サービスを利用した利用履歴があるユーザを抽出する。
【0043】
ユーザが利用することが見込まれるサービスの提供時間が、店舗が第1サービスの利用を促進したい時間帯に収まるようにユーザに第1サービスを勧誘することで、店舗はさらに効率よくリソースを運用することができる。そこで、メッセージ送信部132は、複数の第2サービスのうち、時間帯の長さ以内の時間でサービスを提供できる一以上の第2サービスの利用履歴がある利用ユーザを利用履歴データから抽出してもよい。時間帯データが示す時間帯が例えば午後1時から午後2時の間である場合、メッセージ送信部132は、1時間以内で提供が可能なカットサービスを利用したことがあるユーザを抽出する。時間帯データが示す時間帯が午後1時から午後4時の間である場合、メッセージ送信部132は、3時間以内で提供が可能なカットサービス又は髪染めサービスを利用したことがあるユーザを抽出する。
【0044】
具体的には、メッセージ送信部132は、利用履歴データが示すユーザの過去の来店時刻と、利用したサービス名とを記憶部12から取得する。メッセージ送信部132は、店舗データに含まれるサービス名と提供時間との関係を参照し、ユーザが過去に利用したサービスに対応する提供時間を特定する。メッセージ送信部132は、過去の来店時刻及び利用したサービスに対応する提供時間に基づいて、ユーザの過去の店舗での滞在時間帯を特定する。メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗において第2サービスの利用履歴があるユーザのうち、ユーザの過去の滞在時間帯が、時間帯データが示す時間帯に含まれるユーザを抽出する。データ処理装置1がこのように構成されることで、リソースを効率よく運用しながら店舗が収入を拡大できるようユーザを勧誘することができる。
【0045】
記憶部12は、サービスを提供する店舗の担当者(例えばスタイリスト)に関連付けて、どのユーザに対して、どのサービスを、どのような期間に提供したかを記憶してもよい。また、店舗データ取得部131は、担当者の空き時間を示すデータをさらに取得してもよい。この場合、メッセージ送信部132は、ユーザにサービスを提供した履歴がある一以上の担当者のうち、空いている担当者がいる場合にメッセージをユーザに送信してもよい。データ処理装置1がこのように構成されていることで、店舗の担当者は、自身に空きがある場合に、自身がサービスを提供した顧客に対してメッセージを送信するよう依頼することで担当者の売り上げを拡大することが可能となる。
【0046】
ユーザが店舗において複数回第2サービスを利用している場合、第1サービスを申し込む蓋然性が高いと考えられる。そこで、メッセージ送信部132は、店舗において第2サービスの利用履歴がある複数のユーザのうち、店舗において第2サービスを所定の回数以上利用した履歴を有する利用ユーザを利用履歴データから抽出してもよい。メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗において第2サービスを利用している利用履歴があるユーザのうち、所定の回数以上第2サービスを利用した利用履歴があるユーザを抽出する。所定の回数は例えば、2回、5回、10回等である。メッセージ送信部132は、所定の回数に変えて、過去に利用した金額の合計額、所定期間における店舗の利用回数、所定期間における店舗での支払金額の合計又は所定期間における決済サービスでの支払金額の合計を用いてもよい。
【0047】
メッセージ送信部132は、ユーザの位置に関する情報と、店舗の所在地に関する情報と、に基づいてユーザを抽出することで、ユーザが第1サービスに申し込む蓋然性を高めることができる。そこで、メッセージ送信部132は、店舗において第2サービスの利用履歴がある複数のユーザのうち、位置情報が示す位置が、所在地情報が示す店舗の所在地から所定の範囲内に存在する利用ユーザを利用履歴データから抽出してもよい。メッセージ送信部132は店舗の利用履歴があるユーザのうち、店舗の所在地が示す位置と、ユーザの住所又は勤務先住所が示す位置と、を比較する。メッセージ送信部132は、店舗の所在地が示す位置と、ユーザの住所又は勤務先住所が示す位置と、が所定の距離以内であるユーザをメッセージの送信対象として抽出する。
【0048】
メッセージ送信部132は、時間帯情報が示す曜日又は時間帯に店舗周辺に滞在する蓋然性が高いユーザをメッセージの送信対象として抽出してもよい。メッセージ送信部132は、店舗において第2サービスの利用履歴がある複数のユーザの行動履歴データを取得する。行動履歴データは、例えばユーザのスケジュール又はユーザ端末2の位置情報が示す過去の時間と位置の対応に関する情報である。メッセージ送信部132は、時間帯情報が示す曜日又は時間帯に店舗の所在地から所定の範囲内に所定の回数以上滞在した行動履歴があるユーザをメッセージの送信対象として抽出する。
【0049】
メッセージ送信部132は、店舗において第2サービスの利用履歴がある複数のユーザのうち、所定の支払方法を利用した履歴を有する利用ユーザを利用履歴データから抽出してもよい。メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗において第2サービスを利用した利用履歴があるユーザのうち、所定の支払方法で料金を支払ったユーザをメッセージの送信対象として抽出する。所定の支払方法は、例えば決済において店舗が支払う手数料が比較的安い支払方法、又は決済に利用されることで店舗に特典が与えられる支払方法である。メッセージ送信部132が、ユーザの過去の支払方法の履歴を参照してユーザを抽出することで、店舗が得られる利益を高めることができる。
【0050】
メッセージ送信部132は、抽出した利用ユーザが第3サービスを契約している場合、第3サービスを契約していない利用ユーザに提示する第1の価格とは異なる第2の価格を含むメッセージを送信してもよい。メッセージ送信部132は、記憶部12から第3サービスの契約有無を示す情報を含むユーザ情報を取得する。第2の価格は第1の価格より安価に設定された、第3のサービスを利用しているユーザを優待するための価格である。
【0051】
メッセージ送信部132は、メッセージの送信対象として抽出したユーザが第3サービスを契約している場合、第2の価格を示す情報を含む、店舗IDが示す店舗における第1サービスへの申し込みを促す広告メッセージを作成する。メッセージ送信部132は、メッセージの送信対象として抽出したユーザが第3サービスを契約していない場合、第1の価格を示す情報を含む、店舗IDが示す店舗における第1サービスへの申し込みを促す広告メッセージを作成する。メッセージ送信部132は、第3サービスを契約していないユーザに対して、第1の価格と、第3サービスを契約した場合の第2の価格とを示す広告メッセージをユーザ端末2に送信してもよい。
【0052】
メッセージ送信部132がこのように構成されることで、ユーザにとっては、第3サービスを利用することによるメリットが生じるので、ユーザが第3サービスを利用するように動機づけられる。一例として、データ処理装置1は、第3サービスを契約していないユーザに広告メッセージを送信した後に、第3サービスを当該ユーザが契約する申し込みを店舗端末3から受けた場合に、店舗に特典を付与してもよい。このように、ユーザが第3サービスの利用を開始することで第3サービスを提供する事業者から店舗に利益が還元されるような場合、データ処理装置1がこのように構成されていることで、ユーザ、店舗、及び第3サービスを提供する事業者の三者にとってメリットが生じる。
【0053】
なお、メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗と同じグループに属する他店補を利用した利用履歴があるユーザをメッセージの送信対象として抽出してもよい。この場合、メッセージ送信部132は、記憶部12が記憶する店舗属性情報を参照することにより、店舗が属するグループと同一のグループに属する他の店舗又は店舗から所定の範囲を特定する。メッセージ送信部132は、特定した店舗の利用履歴があるユーザをメッセージの送信対象として抽出する。
【0054】
メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗から所定範囲の位置にあり、同種のサービスを提供する店舗を利用した利用履歴があるユーザをメッセージの送信対象として抽出してもよい。この場合、メッセージ送信部132は、記憶部12が記憶する店舗属性情報を参照することにより、店舗IDが示す店舗から所定範囲の位置にあり、同種のサービスを提供する店舗を特定する。メッセージ送信部132は、特定した店舗の利用履歴があるユーザをメッセージの送信対象として抽出する。
【0055】
データ処理装置1は、機械学習によりユーザの第1サービスの申込確率を推定し、申込確率の高いユーザをメッセージの送信対象として抽出してもよい。メッセージ送信部132は、店舗において第2サービスの利用履歴があるユーザのうち、学習用利用履歴データ及び学習用ユーザ属性データを学習用ユーザの第1サービスの利用有無と対応付けた教師データを用いて学習した学習済みモデルに、複数のユーザのユーザ属性データ及び利用履歴データを入力することで学習済モデルが出力した第1サービスの利用確率が閾値以上となる利用ユーザを抽出してもよい。
【0056】
メッセージ送信部132は、店舗の利用履歴がある複数のユーザの属性データと、利用履歴データと、を記憶部12に記憶された学習済みモデルに入力する。メッセージ送信部132は、学習済みモデルから出力された第1サービスの利用確率が閾値以上となるユーザをメッセージの送信対象ユーザとして抽出する。メッセージ送信部132はこのように学習済モデルを利用してユーザを抽出することで、申し込み確率が高いと推定されるユーザに対してメッセージを送信することができる。
【0057】
[データ処理装置1における処理の流れ]
図4及び
図5は、データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すフローチャートは、データ処理装置1が受付可否データを受信可能となった時点から開始している。
図5に示すフローチャートは、
図4における「A」及び「B」から続いている。
【0058】
まず、店員が店舗端末3において第1サービスの受け付けを行うという操作を行った場合、店舗データ取得部131は、店舗における第1サービスの受付が可能であることを示す受付可否データを取得する(S00)。店舗データ取得部131は、店舗端末3から店舗ID及び時間帯データを含む第1サービスに対応する広告依頼メッセージを取得する(S01)。店舗データ取得部131は、広告依頼メッセージに含まれる店舗IDが示す店舗に対応する店舗属性情報を記憶部12から取得する(S02)。広告依頼メッセージが時間帯データを含まない場合、店舗データ取得部131は、予約管理DBと連携し、時間帯データを取得してもよい。
【0059】
メッセージ送信部132は、ユーザの位置情報を含むユーザ情報及び利用履歴データを記憶部12から取得する(S03)。メッセージ送信部132は、店舗IDに対応する店舗が提供する第1サービスに対応する第2サービスを利用した利用履歴があるユーザのうち、ユーザの位置情報が店舗の住所から所定の範囲の位置にいるユーザを抽出する(S04)。メッセージ送信部132は、取得した時間帯データが示す時間帯と合致する時間帯に店舗を利用した利用履歴があるユーザが、抽出結果に存在するかを判定する(S05)。取得した時間帯データが示す時間帯に合致する利用履歴があるユーザが存在する場合(S05におけるYES)、メッセージ送信部132は、時間帯データが示す時間帯に合致する利用履歴があるユーザに広告メッセージを送信する(S06)。
【0060】
メッセージ送信部132は、取得した時間帯データが示す時間帯に店舗を利用した利用履歴があるユーザが、抽出結果に存在しない場合、(S05におけるNO)、店舗IDに対応する店舗が提供する第2サービスを利用した利用履歴があるユーザを抽出する(
図5のS07)。メッセージ送信部132は、さらに、店舗IDが示す店舗と同じグループに属する他店補を利用した利用履歴があるユーザ又は、店舗IDが示す店舗から所定範囲の位置にあり、同種のサービスを提供する店舗を利用した利用履歴があるユーザを抽出してもよい。
【0061】
メッセージ送信部132は、取得した時間帯データが示す時間帯と合致する時間帯に店舗を利用した利用履歴があるユーザが、抽出結果に存在するかを判定する(S08)。取得した時間帯データが示す時間帯に合致する利用履歴があるユーザが存在する場合(
図5のS08におけるYES)、メッセージ送信部132は、時間帯データが示す時間帯に店舗を利用した利用履歴があるユーザに広告メッセージを送信する(S09)。
【0062】
取得した時間帯データが示す時間帯に合致する利用履歴があるユーザが存在しない場合(S08におけるNO)、メッセージ送信部132は、店舗IDが示す店舗の利用履歴があるユーザのうちランダムに抽出したユーザに広告メッセージを送信する(S10)。広告メッセージを送信すると、メッセージ送信部132は、メッセージの送信対象と送信結果を示す送信結果を店舗端末3に送信する(S11)。送信結果の送信が完了すると、データ処理装置1は、処理を終了する。
【0063】
以上のとおり、データ処理装置1は、店舗に近い位置にいるユーザのうち、集客したい時間帯に第1サービスに対応する第2サービスを利用したことがあるユーザに対して優先的に広告メッセージを送信する。したがって、データ処理装置1は、第1サービスを申し込む蓋然性が高いユーザに対して効率的に広告メッセージを送信することができる。
【0064】
また、データ処理装置1は、店舗に近い位置にいるユーザの中に、集客したい時間帯に第2サービスを利用したことがあるユーザがいない場合、他のユーザに広告メッセージを送信するとともに、メッセージを送信したユーザに関する情報を含む送信結果を店舗に通知する。これにより、広告メッセージの送信を依頼した店舗の管理者は、指定した時間帯に来店する可能性があるユーザが少ないということを認識し、時間帯を変更することを検討することが可能になる。なお、S10においては、第2サービスを利用したことがないが、店舗を利用したことがあるユーザを選択し、選択したユーザに対して広告メッセージを送信してもよい。
【0065】
[変形例]
ところで、サブスクリプション方式のサービスを契約したユーザが、サービスのメリットを実感できないと、ユーザがサービスを解約してしまうことが想定される。そこで、メッセージ送信部132は、サブスクリプション方式のサービスである第1サービスを契約したユーザに対して、第1サービスの利用を促すメッセージである利用促進メッセージを送信するように構成されてもよい。当該利用促進メッセージは、第1サービスの利用申し込みを促すメッセージの一例である。記憶部12は、ユーザに関連付けて第1サービスの契約有無を記憶する。
【0066】
メッセージ送信部132は、第1サービスを契約しているユーザの、第1サービスに対応する第2サービス(すなわち、第1サービスを契約したユーザが利用可能な一以上のサービス)の利用履歴を参照し、第2サービスの利用回数が閾値未満である場合、利用促進メッセージを送信する。利用促進メッセージは、例えば、第1サービスの残りの契約期間、利用できる第2サービスの内容、第2サービスの料金又は利用可能な時間の少なくともいずれかに関する情報を含む。閾値は、第1サービスを利用するメリットがユーザに生じる回数に基づいて定められており、例えば所定期間における第1サービスの料金から第2サービスの料金を除算することで算出される値である。
【0067】
データ処理装置1は、学習済みモデルを用いることにより、ユーザの属性に応じて、送信する利用促進メッセージの内容、送信回数、送信頻度又は送信時間帯を決定してもよい。具体的には、メッセージ送信部132は、利用促進メッセージを送信したユーザの第2サービスの利用有無、ユーザの属性情報(例えば、ユーザの性別、職業、趣味、利用したサービスの内容、サービスの利用回数又は決済サービスの利用額)と、メッセージの送信回数、送信頻度又は送信時間帯若しくは送信したメッセージの内容のうち、1以上の要素と、を教師データとして学習した学習済みモデルを記憶部12から取得する。メッセージ送信部132は、取得した学習済みモデルに、第1サービスを契約しているユーザの属性情報を入力し、出力されたメッセージの内容、送信回数、送信頻度又は送信時間帯で利用促進メッセージを送信する。
【0068】
データ処理装置1がこのように構成されることで、ユーザに第2のサービスの利用を促すことが可能となり、サービスの提供者のリソースを有効活用できるようにサービスの利用をユーザに訴求することできる。この結果、第1のサービスの解約を防止することができ、店舗は売り上げを拡大することが可能となる。
【0069】
[データ処理装置1による効果]
以上説明したように、データ処理装置1においては、店舗データ取得部131が、店舗における第1サービスの受付の可否を示す受付可否データを取得する。メッセージ送信部132は、記憶部12が記憶する、複数のユーザと、複数のユーザそれぞれの店舗における第1サービスに対応する第2サービスの利用履歴と、が関連付けられた利用履歴データを参照し、店舗が第1サービスの受付が可能であることを受付可否データが示している場合に、店舗において第2サービスの利用履歴があるユーザを利用ユーザとして利用履歴データから抽出し、第1サービスの利用申し込みを促すメッセージを利用ユーザに送信する。データ処理装置1がこのように構成されていることで、サービスの提供者のリソースを有効活用できるようにサービスの利用をユーザに訴求することができる。
【0070】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0072】
1 データ処理装置
2 ユーザ端末
3 店舗端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 店舗データ取得部
132 メッセージ送信部