(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183931
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】蓄熱装置および蓄熱供給方法
(51)【国際特許分類】
F28D 20/02 20060101AFI20221206BHJP
F02C 6/18 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
F28D20/02 D
F02C6/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091479
(22)【出願日】2021-05-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和2年8月24日 公開の経緯/内容 2020年度日本建築学会技術部門設計競技 人新世を見据えたSDGs達成に資する街区・集落のネットポジティブデザインの二次審査において、提案名「おのこしでまちおこし」により発表、公開
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】山本 ミゲイル
(72)【発明者】
【氏名】笹村 佳央
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 啓明
(72)【発明者】
【氏名】本田 力也
(72)【発明者】
【氏名】宮原 夢未
(72)【発明者】
【氏名】向山 佳穂
(72)【発明者】
【氏名】菅原 理
(72)【発明者】
【氏名】菊池 明
(57)【要約】
【課題】発電装置の発電過程で副次的に発生する熱を、発電装置から離れた場所に設けられた熱需要機器に高効率に供給できる蓄熱装置および蓄熱供給方法を提供する。
【解決手段】発電装置5から発生する熱50を熱需要機器6で利用する副次熱利用システム3に用いられる蓄熱装置1であって、発電装置5で発生した熱50を授受する受熱部と、受熱部が授受した熱50を回収して蓄熱する蓄熱部と、蓄熱部に蓄熱した熱50を熱需要機器6へ供給する送熱部と、を備えた蓄放熱ユニットと、蓄放熱ユニットを移動可能とする移動ユニットと、を備える。上記の蓄熱装置1に発電装置5から発生する熱50を蓄熱させ、蓄熱装置1を移動させて熱需要機器6に熱50を供給する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置から発生する熱を熱需要機器で利用する副次熱利用システムに用いられる蓄熱装置であって、
前記発電装置で発生した熱を授受する受熱部と、前記受熱部が授受した熱を回収して蓄熱する蓄熱部と、前記蓄熱部に蓄熱した熱を前記熱需要機器へ供給する送熱部と、を備えた蓄放熱ユニットと、前記蓄放熱ユニットを移動可能とする移動ユニットと、
を備える、
蓄熱装置。
【請求項2】
前記移動ユニットは、
前記蓄放熱ユニットを方向自在に移動可能とする駆動部と、
前記駆動部の運動を制御する運動制御部と、
前記蓄放熱ユニット、および前記蓄放熱ユニットの周囲の物体の位置を認識する位置認識部と、
前記駆動部の動力源を供給する動力部と、
を備える、
請求項1に記載の蓄熱装置。
【請求項3】
前記移動ユニットは、前記発電装置により生成された電力が蓄えられる蓄電部を備え、前記蓄電部に蓄電された電力によって前記駆動部が駆動される、
請求項2に記載の蓄熱装置。
【請求項4】
前記蓄熱部は、前記発電装置で発生した熱を回収して蓄熱する蓄熱材を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の蓄熱装置。
【請求項5】
前記蓄熱部は、前記蓄熱材が層状に充填された蓄熱層を備える、
請求項4に記載の蓄熱装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の蓄熱装置に発電装置から発生する熱を蓄熱させ、前記蓄熱装置を移動させて熱需要機器に熱を供給する、
蓄熱供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱装置および蓄熱供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物由来の燃料を用いて電気と熱を生成する熱電供給方法(コージェネレーションシステム)には、有機性廃棄物を発酵させて生成するメタンガス(バイオガス)を燃料とするバイオガス発電による方法が一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。また、バイオガス発電によって発電した電力のうち、余剰電力を蓄電池等に一時的に蓄える方法が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-90084号公報
【特許文献2】特開2002-256883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、上記で挙げたバイオガス発電による熱電供給方法は、生ごみ等の有機性廃棄物を燃料とするため、有機性廃棄物を収集車両等により回収する必要があり、車両等の機材費や人件費等の運搬コストがかさむという課題がある。
また、発電により生成する熱を発電装置から離れた場所に位置する熱需要機器に供給する場合、例えば熱を搬送するための熱媒体を供給する配管を発電装置から熱需要機器まで設ける構成が考えられる。しかしながら、このような構成では配管を予め発電装置から熱需要機器まで敷設する必要がある他、配管からの熱の損失が発生することで、熱需要機器を含む熱利用システムとしての熱効率が低下するという課題もある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、発電装置の発電過程で副次的に発生する熱を、発電装置から離れた場所に設けられた熱需要機器に高効率に供給できる蓄熱装置および蓄熱供給方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る蓄熱装置は、発電装置から発生する熱を熱需要機器で利用する副次熱利用システムに用いられる蓄熱装置であって、発電装置で発生した熱を授受する受熱部と、受熱部が授受した熱を回収して蓄熱する蓄熱部と、蓄熱部に蓄熱した熱を熱需要機器へ供給する送熱部と、を備えた蓄放熱ユニットと、蓄放熱ユニットを移動可能とする移動ユニットと、を備える。
【0007】
上記の構成とすることにより、発電装置から発生する熱を回収して蓄熱した蓄熱装置を移動させることで、発電装置から離れた場所に位置する熱需要機器に容易に熱を供給することができる。また、蓄熱装置は、蓄熱部に熱を蓄熱した状態で移動するため、移動時や熱供給時における熱の損失を抑制することができ、熱効率を向上させることができる。
【0008】
また、本発明に係る蓄熱装置において、移動ユニットは、蓄放熱ユニットを方向自在に移動可能とする駆動部と、駆動部の運動を制御する運動制御部と、蓄放熱ユニット、および蓄放熱ユニットの周囲の物体の位置を認識する位置認識部と、駆動部の動力源を供給する動力部と、を備えてもよい。
【0009】
上記の構成とすることにより、蓄熱装置は、運動制御部および位置認識部を作動させて移動時の安全な経路および走行を確保し、駆動部が動力部から動力源を供給されて駆動することによって熱供給対象の熱需要機器等の目標地点まで移動することができる。そのため、蓄熱装置は目標地点まで移動する際の熱の損失を抑制することができ、熱供給効率をより向上させることができる。
【0010】
また、本発明に係る蓄熱装置において、移動ユニットは、発電装置により生成された電力が蓄えられる蓄電部を備え、蓄電部に蓄電された電力によって駆動部が駆動されてもよい。
【0011】
上記の構成とすることにより、蓄熱装置は、発電装置で発電した電力を蓄電部に蓄電でき、蓄電部に蓄電した電力により駆動部が駆動されることで、移動することができるため、容易に蓄熱装置の所望の移動機能を確保できる。また、蓄電部は蓄熱装置の動力源となる電力を蓄電できるため、蓄熱装置は熱需要機器への熱供給可能な範囲を広げることができる。
【0012】
また、本発明に係る蓄熱装置において、蓄熱部は、発電装置で発生した熱を回収して蓄熱する蓄熱材を備えてもよい。
【0013】
上記の構成とすることにより、蓄熱装置は蓄熱材を備えることによって発電装置で発生した熱の回収をより好適な構成で行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る蓄熱装置において、蓄熱部は、蓄熱材が層状に充填された蓄熱層を備えてもよい。
【0015】
上記の構成とすることにより、蓄熱装置は、蓄熱部に蓄熱材を層状に充填した蓄熱層を備えることで、蓄熱部に空気層を形成することができるため、発電装置から回収された熱媒体が蓄熱材の構成によるむらが生じることなく、蓄熱部内を通過することができる。そのため、熱媒体の回収による蓄熱性能を向上させることができる。
【0016】
また、本発明に係る蓄熱供給方法は、上記の蓄熱装置に発電装置から発生する熱を蓄熱させ、蓄熱装置を移動させて熱需要機器に熱を供給することを特徴とする。
【0017】
上記の構成とすることにより、蓄熱供給方法を離れた場所に設けられた熱需要機器に高効率に熱供給できる蓄熱供給方法とすることができる。また、蓄熱装置の移動範囲に応じて、発電装置や熱需要機器の設置自由度を向上できる蓄熱供給方法とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、発電装置の発電過程で副次的に発生する熱を、発電装置から離れた場所に設けられた熱需要機器に高効率に供給できる蓄熱装置および蓄熱供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例が適用される副次熱利用システムの一例を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例が適用される副次熱利用システムにおける発電装置の発電方法の一例を示す流れ図である。
【
図3】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例における発電装置で発生した熱の授受方法を示す説明図である。
【
図4】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例における移動時の構成を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例における蓄熱装置に蓄熱した熱の熱需要機器への供給方法を示す説明図である。
【
図6】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例における蓄熱装置に蓄熱した熱の発熱需要機器への供給方法の変形例を示す説明図である。
【
図7】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例における発電装置で発生した熱の授受方法の変形例を示す説明図である。
【
図8】本発明の実施形態による蓄熱装置の一例が適用される副次熱利用システムの変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態による蓄熱装置および蓄熱供給方法について、
図1乃至
図8に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による蓄熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、街2を形成する街区21A,21B,21C,21Dにそれぞれ設けられる副次熱利用システム3(3A,3B,3C,3D)にそれぞれ備えられている。
【0021】
蓄熱装置1Aは、街区21A内を移動可能に設けられる。街区21A内において、副次熱利用システム3Aは、住宅・商業施設等の燃料供給源4Aから発生した生ごみ等の有機性廃棄物41Aをバイオガス発電装置5A(以下、「発電装置5A」という)に投入し、発電装置5Aは発電過程で高温の熱50を有する発電副次発生気体51を生成する。熱50は、発電副次発生気体51を熱媒体として蓄熱装置1Aに回収され、熱50が蓄熱装置1Aに蓄熱される。蓄熱装置1Aは、熱50を蓄熱した状態で街区21A内を移動し、街区21A内に設けられる熱を動力源とする熱需要機器6A,6A′に順次、発電副次発生気体51を熱媒体として熱50を供給する。
【0022】
本実施形態において上記の副次熱利用システム3Aは、街区21B,21C,21Dにおいても同様の構成でそれぞれ3B,3C,3Dとしてそれぞれ設けられる。
なお、以下の説明においては、各符号において個々の街区を意味するA,B,C,Dを省略して説明する。
【0023】
なお、街区21は、副次熱利用システム3が設置可能であり、街区21内を蓄熱装置1が移動可能であれば、構成は限定されない。例えば、住宅街でもあってもよいし、大規模な商業施設・繁華街や、学校等の公共施設であってもよい。
【0024】
蓄熱装置1の設置位置は、発電副次発生気体51を発電装置5から回収することにより熱50を蓄熱可能であるとともに、熱需要機器6に発電副次発生気体51を供給可能な位置まで移動できれば限定されない。例えば、移動時、供給時以外は発電装置5に隣接して配置されていればよい。
【0025】
熱需要機器6の設置位置は、蓄熱装置1が移動可能な範囲内であれば限定されない。また、熱供給対象の熱需要機器6は複数設けられてもよい。例えば、街区21Aにおいて、蓄熱装置1Aは、移動距離D1だけ離れて位置する熱需要機器6Aに熱50を供給可能であり、移動距離D1よりも大きい移動距離D2だけ離れた熱需要機器6A′にも熱50を供給可能である。
【0026】
熱需要機器6は、熱50の供給により駆動できれば種類や構成等は限定されない。例えば、給湯や外気等の予熱機構、デシカント空調の再生、その他低温排熱の活用が可能な機器等が挙げられる。
【0027】
有機性廃棄物41は、発電装置5が所望の発電量を得られればよい。例えば、上記の生ごみ以外に家畜のし尿等を用いる等、街2や各街区で発生する有機性廃棄物の特性を考慮して決定されてもよい。
【0028】
本実施形態における発電装置5による発電工程および発電副次発生気体51の生成過程について
図2に基づいて説明する。
図2に示すように、発電装置5は、前処理・スラリー形成工程52と、メタン発酵工程53と、バイオガス供給前処理工程54と、バイオガス一時貯留工程55と、発電および発電副次発生気体生成工程56と、消化液処理工程57とによる有機性廃棄物を燃料としたバイオガス発電により発電を行う。
【0029】
先ず、前処理・スラリー形成工程52において、運搬された有機性廃棄物41が分別機521に投入され、発電に用いられる発電用廃棄物42と、発電に使用できない異物43とに分別される。発電用廃棄物42は受入槽522に集積される。受入槽522は発電用廃棄物42からスラリー状の発酵用廃棄物44を生成する。
【0030】
メタン発酵工程53において、発酵用廃棄物44は発酵槽531へ移動してメタン発酵(嫌気性処理)され、高温のメタンガス532(以下、「バイオガス532」という)を生成する。また、メタン発酵後に発酵槽531に残留する発酵液533は、消化液処理工程57において、排水処理・脱臭装置571に移動し、液肥として残渣572を生成する。
【0031】
バイオガス供給前処理工程54において、バイオガス532は脱硫装置541に移動し、含有している硫化水素を除去する。続くバイオガス一時貯留工程55において、バイオガス532はガスホルダ551に移動し、一時的に集積・貯留される。
【0032】
発電および発電副次発生気体生成工程56において、バイオガス532は発電機561に移動し、発電機561内の図示しない発電用タービンを駆動させ、発電を行う。発電に用いられたバイオガス532は、発電の副次熱(熱50)を有する発電副次発生気体51として生成され、蓄熱装置1に熱媒体として回収され熱50が蓄熱される。蓄熱装置1は熱供給対象の熱需要機器6に移動し、蓄熱した熱50を熱需要機器6に供給する。なお、発電機561によって得られた電力は、街区21内の電力を動力源とする電気需要機器等に用いてもよいし、蓄熱装置1の移動機構の動力源として用いてもよい。
【0033】
なお、本実施形態において、熱50は気体である発電副次発生気体51を熱媒体として生成されるが、所望の熱50を蓄熱装置1に蓄熱でき、熱需要機器6に供給できれば、熱媒体の種類は上記の実施形態に限定されない。例えば、熱50の熱媒体を液体としてもよい。
【0034】
また、発電装置5は、発電によって所望の熱50を有する熱媒体を生成でき、蓄熱装置1に蓄熱できれば、発電装置5の構成や発電方法は上記の実施形態に限定されない。
例えば、
図2に示すように発電装置5は、バイオガス供給前処理工程54を完了した後にバイオガス532が直接、発電機561に移動してもよい。また、例えば、発電装置5は、設置スペースが小さい等の設置制約があればガスホルダ551による一時貯留を省略する等の設置制約を考慮した構成としてもよい。
また、本実施形態では、バイオガス532による発電方法を用いているが、公知の火力発電等のその他の発電方法を用いてもよい。
【0035】
図3に示すように、蓄熱装置1は、発電装置5から発電副次発生気体51を熱媒体として熱50を授受する受熱部11と、受熱部11で授受した熱50を蓄熱する蓄熱部12と、発電副次発生気体51を熱媒体として蓄熱部12に蓄熱した熱50を熱需要機器6に供給する送熱部13と、を備える蓄放熱ユニット14と、蓄熱部12に熱50を蓄熱した状態で蓄熱装置1を方向自在に移動させることができる移動ユニット15と、を備えている。
図4に示すように、移動ユニット15は、蓄熱装置1を方向自在に移動可能とする駆動部151と、駆動部151の移動方向や移動速度、開始および停止等の運動を制御する運動制御部152と、蓄熱装置1の移動時に蓄熱装置1と他車両や建造物、障害物等の蓄熱装置1の周囲の物体との位置を認識する位置認識部153と、駆動部151の動力源を供給する動力部154と、を備える。動力部154は、駆動部151の動力源を考慮して形成される。本実施形態において、駆動部151は外部電力を動力源とする。
また、本実施形態において蓄熱装置1は、受熱部11と蓄熱部12と送熱部13と運動制御部152と位置認識部153と動力部154とを格納する格納部16を備える。
【0036】
本実施形態において受熱部11は、一方が蓄熱部12に接続され、他方が外部に開口する発電副次発生気体51が通過可能な配管により形成される。また、受熱部11は外部に開口する他方の端部に受熱部11を遮断自在な受熱口111を備える。本実施形態において受熱口111は、受熱部11を外部に対して遮断自在とする弁によって構成される。
【0037】
蓄熱部12は、蓄熱材121が層状に充填された蓄熱層122を備えるチャンバーとして形成され、発電副次発生気体51が蓄熱材121間を通過できる十分な空隙を有する。また、蓄熱部12は発電副次発生気体51が、蓄熱層122の内部をむらなく通過するよう短絡のない構造とする。
蓄熱材121は、耐高温性を有し、蓄熱部12外への熱の損失を防ぐために熱貫流率が小さい素材とする。また、蓄熱材121は、熱容量の大きい素材とする。なお、蓄熱材121は、蓄熱する熱50を有する熱媒体が熱50の授受や供給等の移動時において相変化する場合は、相変化による潜熱として蓄熱する構成としてもよい。
【0038】
本実施形態において送熱部13は、受熱部11と同様に一方が蓄熱部12に接続され、他方が外部に開口する発電副次発生気体51が通過可能な配管により形成される。また、送熱部13は外部に開口する他方の端部に送熱部13を遮断自在な送熱口131を備える。本実施形態において送熱口131は、受熱口111と同様に送熱部13を外部に対して遮断自在とする弁によって構成される。
なお、受熱部11および送熱部13は、受熱部11および送熱部13を外部から遮断自在にすることができれば構成は限定されない。例えば、受熱口111および送熱口131を開閉自在なバルブやシャッター等の開閉機構とする構成が挙げられる。
【0039】
本実施形態において格納部16は箱型形状によって形成される。なお、格納部16は所望の蓄熱性能および熱供給性能が発揮できれば、形状や配設位置等は上記に限定されない。例えば、移動時の障害物との接触等の可能性を考慮して角部を面取りした形状としてもよい。また、発電装置5に近接して発電副次発生気体51を授受する配設位置を設け、熱需要機器6への熱供給後に該配設位置へ再度移動して戻る構成としてもよいし、発電副次発生気体51を授受した発電装置5から離れた位置にある熱需要機器6への熱供給を完了した後に同じ街区内に設けられた別の発電装置5に近接する配設位置に移動してもよい。
【0040】
本実施形態において駆動部151は、蓄熱装置1の下面に公知のタイヤによる複数の移動体151aと、移動体151aに電気的に接続され外部電力によって移動体151aを駆動させる作動部151bと、を備え、街区21内を方向自在に移動可能な構成とする。本実施形態において作動部151bは外部電力で作動する公知のモータを備える。
なお、蓄熱装置1を方向自在に移動させることが可能であれば、駆動部151の移動機構は限定されない。例えば、飛行することによって街区21内を移動するドローン式の移動機構を設けてもよいし、地上を自走する移動機構と飛行によって移動する移動機構との両方を備えてもよい。
【0041】
運動制御部152は、駆動部151の運動を制御することが可能であれば、制御機構は限定されない。例えば、駆動部151の運動の開始停止や移動速度を制御するエンジンおよびブレーキや移動方向を制御するステアリング、移動運動を自動で制御するコンピュータ等を設ける構成が挙げられる。
【0042】
位置認識部153は、蓄熱装置1が移動時に蓄熱装置1と蓄熱装置1の周囲の物体との位置を認識することが可能であれば、位置認識機構は限定されない。例えば、GPS、LiDAR、カメラ等の機構を備える構成等が挙げられる。
【0043】
本実施形態において動力部154は、駆動部151の動力源となる外部電力を授受する授受部154aと、授受部154aと作動部151bとに電気的に接続され授受部154aから供給された電力を蓄電し作動部151bに供給する蓄電部154bと、を備える。駆動部151の動力源となる外部電力は、発電装置5で発電された電力としてもよい。本実施形態において授受部154aは外部電力源と電気的に接続可能な配線用差込接続器を備える。
なお、蓄熱装置1が熱50を蓄熱部12に蓄熱した状態で移動可能であれば、動力源の種類や動力部154の構成は上記に限らない。例えば、ガソリンや水素等を動力源として駆動部151が駆動可能な動力部154を構成してもよい。また、例えば、駆動部151と運動制御部152や位置認識部153の動力源が同一の場合、動力部154は駆動部151に加えて運動制御部152や位置認識部153に対して動力源を供給できる機構を備えてもよい。
【0044】
図3に示すように、本実施形態において副次熱利用システム3は、発電副次発生気体51を介して熱50を受熱部11が授受する際に、発電装置5と受熱部11を接続し、内部を発電副次発生気体51が移動する第一ダクト71を備える。また、
図5に示すように、本実施形態において副次熱利用システム3は、発電副次発生気体51を介して熱50を送熱部13から熱需要機器6に供給する際に、送熱部13と熱需要機器6を接続し、内部を発電副次発生気体51が移動する第二ダクト72を備える。
また、本実施形態において発電装置5は、第一ダクト71を接続可能な第二送熱部58を備え、熱需要機器6は、第二ダクト72を接続可能な第二受熱部61を備える。第二送熱部58と第二受熱部61とは、受熱部11および送熱部13と同様の外部に対して遮断自在な機構を設けてもよい。
【0045】
本実施形態において、受熱部11および送熱部13は、それぞれ第一ダクト71および第二ダクト72と接続自在に設けられる。そのため、蓄熱装置1は第一ダクト71を介して発電装置5から発電副次発生気体51を回収した後に第一ダクト71との接続を解除して熱需要機器6へ移動する。また、蓄熱装置1は第二ダクト72を介して発電副次発生気体51を熱需要機器6に供給した後に第二ダクト72との接続を解除して次の目的地へ移動する。
なお、所望の熱50を蓄熱装置1が授受および供給可能であれば、第一ダクト71および第二ダクト72は、発電装置5および熱需要機器6との接続についても発電副次発生気体51の移動時のみ接続され、蓄熱装置1の移動中は接続を解除されてもよい。
また、発電副次発生気体51は、所望の熱50を有する状態で移動可能であれば、配管によって蓄熱装置1と発電装置5または熱需要機器6との間を移動させてもよい。
【0046】
図3に示すように、第二送熱部58と受熱部11とは、それぞれ第一ダクト71の両端に接続され、第一ダクト71を介して第二送熱部58と受熱部11が連通される。このとき、受熱口111は開口されている。熱50を有する発電副次発生気体51は、熱媒体として第二送熱部58から第一ダクト71を通って受熱部11に達し、受熱部11を介して蓄熱部12に回収され、熱50が蓄熱部12に蓄熱される。
上記の発電副次発生気体51の移動時において、送熱口131は開口され、送熱部13は蓄熱部12に回収された発電副次発生気体51を外部に排気可能に開放される。つまり、蓄熱部12に蓄熱された熱50を外部に放熱可能に開放される。
【0047】
図4に示すように、発電副次発生気体51を回収した蓄熱装置1は、第一ダクト71による発電装置5との接続を解除した後、街区21内を移動する。なお、本実施形態において蓄熱装置1は、受熱口111および送熱口131の開口を閉じることで熱の損失を抑制しながら移動する。
【0048】
図5に示すように、本実施形態において熱需要機器6は、第二ダクト72の内部に送風もしくは、第二ダクト72の内部の空気を吸引するファン62を備える。
【0049】
送熱部13と第二受熱部61とはそれぞれ第二ダクト72の両端に接続され、第二ダクト72を介して送熱部13と第二受熱部61が連通される。このとき、送熱口131は開口されている。蓄熱部12に回収された発電副次発生気体51は、熱媒体として送熱部13から第二ダクト72を通って第二受熱部61に達し、熱需要機器6に熱50を供給する。発電副次発生気体51は、ファン62が駆動されることにより、第二ダクト72の内部を円滑に移動させられる。
上記の発電副次発生気体51の移動時において、受熱口111は開口され、受熱部11は蓄熱部12に回収された発電副次発生気体51を外部に排気可能に開放される。つまり、蓄熱部12に蓄熱された熱50を外部に放熱可能に開放される。
【0050】
また、各ダクトや各送熱部、受熱部を構成する素材は、耐高温性に優れ、熱の損失を防ぐために熱貫流率が小さい特性を備える。例えば、公知の鋼板材が挙げられる。
【0051】
また、
図1に示す各街区に備えられる副次熱利用システム3は、備えられる各街区の熱需要を考慮して構成されてもよい。例えば、発電装置5の発電規模が各街区で異なってもよいし、蓄熱装置1の蓄熱容量が各街区で異なってもよい。また、副次熱利用システム3は、熱供給作業を行うスペースや街区21の規模等の制約を考慮して構成されてもよい。例えば、第一ダクト71および第二ダクト72に長さを調整できる機構を備えてもよいし、街区21の規模に応じて発電装置5および蓄熱装置1の規模を調整してもよい。
【0052】
次に、上述した本発明の実施形態による蓄熱装置および蓄熱供給方法の作用・効果について
図1乃至
図5に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による蓄熱装置1を備える副次熱利用システム3は、各街区21にそれぞれ設けられる。
【0053】
図2に示すように、副次熱利用システム3は、燃料供給源4から供給される有機性廃棄物41を燃料として、発電装置5によるバイオガス発電を行い、発電の過程で高温の熱50を有する発電副次発生気体51が副次的に生成される。また、上記の発電で得られた電力は、蓄熱装置1の動力部154や街区21内の図示しない電力を動力源とする電気需要機器等に供給される。
【0054】
図3に示すように、上記で生成された発電副次発生気体51は、第二送熱部58と受熱部11とが第一ダクト71により接続された構成により、第二送熱部58から第一ダクト71を介して受熱部11に達し、受熱部11を通って蓄熱材121が層状に充填された蓄熱層122を備えた蓄熱部12に熱媒体として回収され蓄熱部12に熱50が蓄熱される。なお、上記の発電副次発生気体51の移動時において、送熱口131は開口され、送熱部13は蓄熱部12に回収された発電副次発生気体51の一部を外部に排気可能に開放される。
【0055】
蓄熱装置1は、蓄熱部12が蓄熱性に優れた蓄熱材121で構成されることにより、蓄熱部12による熱50の回収をより好適な構成で行うことができる。
また、蓄熱部12が蓄熱材121を層状に充填した蓄熱層122を備えることにより、蓄熱部12に空気層を形成することができるため、回収された発電副次発生気体51が蓄熱材121の構成によるむらが生じることなく、蓄熱部12内を通過することができる。そのため、発電副次発生気体51の回収による蓄熱性能を向上させることができる。
【0056】
図4に示すように、発電副次発生気体51を回収した蓄熱装置1は、動力部154に備えられる蓄電部154bに蓄電された電力を駆動部151に供給して駆動部151を駆動させることにより、熱供給対象の熱需要機器6の位置まで自走して移動する。また、蓄熱装置1は運動制御部152によって駆動部151の移動方向や移動速度、開始および停止等の運動を制御する。また、蓄熱装置1は位置認識部153によって移動時の蓄熱装置1と他車両や建造物、障害物等の蓄熱装置1の周囲の物体との位置を認識する。
【0057】
図5に示すように、熱供給対象の熱需要機器6の位置まで移動した蓄熱装置1の蓄熱部12に回収されている発電副次発生気体51は、送熱部13と第二受熱部61とが第二ダクト72により接続された構成により、送熱部13から第二ダクト72を介して第二受熱部61に達し、熱媒体として熱需要機器6に熱50を供給する。また、ファン62は、発電副次発生気体51を移動させる際に駆動させられる。なお、上記の発電副次発生気体51の移動時において、受熱口111は開口され、受熱部11は蓄熱部12に回収されている発電副次発生気体51の一部を外部に排気可能に開放される。
【0058】
蓄熱装置1は、発電副次発生気体51を第二送熱部58から受熱部11へ移動させて蓄熱部12に回収させて熱50を蓄熱し、熱供給対象の熱需要機器6まで移動し、発電副次発生気体51を熱媒体として熱50を送熱部13から第二受熱部61へ供給することにより、熱需要機器6に所望の熱供給を行うことができるため、熱需要機器6は熱50の供給を受けて駆動することができる。
【0059】
蓄熱装置1は、発電装置5から発生する熱50を回収して蓄熱し、方向自在に移動させることで、離れた位置にある熱供給対象の熱需要機器6に動力源となる熱50を容易に供給することができる。また、蓄熱装置1は、蓄熱部12に熱50を蓄熱した状態で移動するため、移動時や熱供給時等における熱の損失を抑制することができ、熱供給を高効率に行うことができる。
また、蓄熱装置1は、運動制御部152や位置認識部153を作動させることにより、蓄熱装置1を安全な経路および走行で移動させることができる。そのため、蓄熱装置1は熱需要機器6まで移動する際の熱の損失を抑制することができ、熱供給効率をより向上させることができる。
また、蓄熱装置1は、発電装置5で発電した電力を蓄電した蓄電部154bから駆動部151に電力が供給されることによって移動することができるため、動力源となる燃料や複雑な動力機構を積載する必要なく容易に蓄熱装置1の所望の移動機能を確保できる。また、蓄電部154bは蓄熱装置1の動力源となる電力を蓄電できるため、蓄熱装置1は熱需要機器への熱供給可能な範囲を広げることができる。
【0060】
また、蓄熱装置1を備えた副次熱利用システム3は、熱50を蓄熱した蓄熱装置1が移動して熱需要機器6に熱50を供給する構成を有することにより、離れた場所に設けられた熱需要機器6に動力源となる熱50を高効率に供給できる蓄熱供給方法を実現することができる。また、街区21内において、蓄熱装置1の移動範囲に応じて、熱需要機器6等の副次熱利用システム3に用いられる機器の設置自由度を向上させることができる。
【0061】
また、受熱部11および送熱部13は、それぞれ遮断自在な受熱口111および送熱口131を有する構成により受熱口111および送熱口131を自在に開閉できるため、発電副次発生気体51の授受量や供給量を容易に調整できる。そのため、蓄熱装置1は蓄熱部12の蓄熱状態を容易に管理することができるため、蓄熱装置1の移動時等における熱損失を抑制することができる。
また、蓄熱装置1は、第二送熱部58から受熱部11へ発電副次発生気体51を移動させる際に、送熱口131が蓄熱部12に回収された発電副次発生気体51を排気可能に開放される構成により、蓄熱部12への熱50の過供給を防ぐことができ、蓄熱部12の劣化を防ぐことができる。
また、蓄熱装置1は、送熱部13から第二受熱部61へ発電副次発生気体51を移動させる際に、受熱口111を、発電副次発生気体51を排気可能に開放する構成により、蓄熱装置1に蓄熱されている熱需要機器6の駆動に用いられない温域の熱50を排出することができ、蓄熱装置1に蓄熱されている熱50の温度低下を抑制することができる。
また、蓄熱装置1と発電装置5または熱需要機器6との間の熱50の授受および供給は、第一ダクト71および第二ダクト72によって閉管内で行われるため、熱50の移動時における熱損失を抑制することができ、蓄熱効率および熱供給効率をより向上させることができる。
また、熱需要機器6はファン62を備え、発電副次発生気体51を送熱部13から第二受熱部61へ移動させる際に、ファン62が駆動されることにより、発電副次発生気体51は第二ダクト72の内部を円滑に移動させられるため、熱供給効率をより向上させることができる。
【0062】
また、蓄熱装置1は、簡易な構成によって実施可能であるため、熱供給機能を発揮するために必要なインフラ設備の要求性能を抑制できる。そのため、インフラ設備の機能が不十分な場所や、インフラ設備の整備が不十分な場所、災害によりインフラ設備の機能が不十分な場所等においても適用することができる。
【0063】
また、蓄熱装置1は、簡易な構成の移動可能な蓄熱機構であり、複雑な構成の蓄熱機構等が不要であるため、所望の移動能力と蓄熱容量を有していれば、蓄熱装置1を大きさや処理能力に対して高い自由度で形成することができる。そのため、蓄熱装置1は、街2内や街区21内における有機性廃棄物41の運搬コストを考慮して形成でき、街2や街区21の規模や各街区で発生する有機性廃棄物41の発生量等の条件を考慮して形成および配設することにより、運搬車両等の機材費や人件費等の有機性廃棄物41の運搬コストを削減することができる。
【0064】
上記の蓄熱装置1は、街区21A,21B,21C,21Dにそれぞれ設けられた副次熱利用システム3A,3B,3C,3Dにおいて同様に設けられ、上記と同様の機構により各熱需要機器への熱供給が実施される。
【0065】
以上、本発明による蓄熱装置および蓄熱供給方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、副次熱利用システム3は、各街区において同じ構成で設けられているが、個々の街区において要求される発電量および供給熱量を考慮して、副次熱利用システム3を構成してもよい。また、例えば、上記の実施形態では、第一ダクト71は受熱部11と第二送熱部58を接続し、第二ダクト72は送熱部13と第二受熱部61を接続しているが、第一ダクト71と第二ダクト72とが逆の構成となってもよい。
【0066】
また、例えば、上記の実施形態では、熱50は送熱部13と第二受熱部61とが第二ダクト72を介して接続される構成により、蓄熱装置1から熱需要機器6へ供給される。これに対して、
図6に示すように、熱需要機器6は、熱需要機器6から排出熱63を有する排出気体64を排出する排出熱送熱部65を備え、副次熱利用システム3は、蓄熱装置1と熱需要機器6、より具体的には受熱部11と排出熱送熱部65を接続する第三ダクト73を備えてもよい。
上記の構成により、副次熱利用システム3は、排出気体64を排出熱送熱部65から第三ダクト73を介して受熱部11へ移動させ、排出熱63を蓄熱部12に回収することができる。また、排出熱63が回収された排出気体64は、蓄熱装置1の送熱部13から第二ダクト72を介して再利用熱66を有する再利用気体67として熱需要機器6に再供給できる。そのため、排出熱63は、再利用熱66として熱需要機器6で再利用できる。なお、第三ダクト73を構成する素材は、第一ダクト71および第二ダクト72と同様としてもよい。
【0067】
また、例えば、上記の実施形態では、副次熱利用システム3は、発電副次発生気体51を熱媒体として熱50の移動を実施しているが、副次熱利用システム3や熱50が抱える条件を考慮して熱の授受および供給機構を構成してもよい。
例えば、
図7に示すように、蓄熱部12に液状の蓄熱材121を設け、熱媒体となる熱交換流体81を内部に充填した管状コイル8が蓄熱材121内に配置される構成を備え、熱50を蓄熱装置1と発電装置5または熱需要機器6との間で授受および供給してもよい。なお、上記の構成において、管状コイル8は、熱交換性能を向上させるために表面積が大きい構成とし、熱伝導率に優れた素材により構成してもよい。また、蓄熱装置1に水配管を接続し、熱50を中温水として取り出す構成として熱50の授受および供給を行ってもよい。
【0068】
また、例えば、上記の実施形態では、蓄熱装置1は、街区21内に1つ設けられているが、街区21内の熱需要機器6の数や蓄熱装置1の移動距離等を考慮して街区21内に複数設けられてもよい。上記の構成によれば、個々の蓄熱装置1の熱供給範囲が小さくなり移動距離を削減できるため、駆動部151が要する燃料等を削減することができる。
また、副次熱利用システム3は、複数の蓄熱装置1間で熱媒体となる発電副次発生気体51を移動させることができる機構を設けてもよい。この機構により、熱50の蓄熱量が不足する蓄熱装置1が、他の蓄熱装置1から発電副次発生気体51の供給を受けることができる。この構成により、蓄熱装置1は、熱50の蓄熱量の不足に係る補充のための移動距離や消費燃料、熱需要機器6への熱供給の作業時間を削減することができる。
【0069】
また、例えば、上記の実施形態では、副次熱利用システム3は各街区21にそれぞれ設けられているが、
図8に示すように、各街区21を回走可能な蓄熱装置1が回送熱供給網22を構成することにより、熱供給を行ってもよい。上記の構成によれば、街2は各街区21の副次熱利用システム3における蓄熱装置1の設置数を削減することができ、副次熱利用システム3の設置費用や維持管理費用を削減することができる。
【符号の説明】
【0070】
1,1A,1B,1C,1D 蓄熱装置
3,3A,3B,3C,3D 副次熱利用システム
5,5A,5B,5C,5D バイオガス発電装置(発電装置)
6,6A,6B,6C,6D,6A′,6B′,6C′,6D′ 熱需要機器
11 受熱部
12 蓄熱部
13 送熱部
14 蓄放熱ユニット
15 移動ユニット
50 熱
121 蓄熱材
122 蓄熱層
151 駆動部
152 運動制御部
153 位置認識部
154 動力部
154b 蓄電部