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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183989
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/42 20060101AFI20221206BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20221206BHJP
   B65H 1/28 20060101ALI20221206BHJP
   B65H 19/12 20060101ALI20221206BHJP
   B65H 43/02 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B41J11/42
B65H1/26 310Z
B65H1/28 310
B65H19/12 B
B65H43/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091563
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲崎▼ 啓典
【テーマコード(参考)】
2C058
3F048
3F064
3F343
【Fターム(参考)】
2C058AB12
2C058AC07
2C058AC11
2C058AC12
2C058AD01
2C058AE02
2C058AE04
2C058AE09
2C058AF04
2C058AF06
2C058AF08
2C058AF15
2C058AF17
2C058AF20
2C058AF23
2C058AF63
2C058GB03
2C058GB13
2C058GB26
2C058GB31
2C058GB53
2C058GB55
2C058GE01
3F048AA01
3F048AB01
3F048AC04
3F048BA02
3F048BB02
3F048BB04
3F048BB05
3F048BC03
3F048CB03
3F048CC03
3F048DA01
3F048DC12
3F048EA12
3F048EB02
3F064AA02
3F064BA06
3F064BB31
3F064EB02
3F064EB06
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC03
3F343FC29
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HB03
3F343HC11
3F343HC22
3F343KB03
3F343KB19
3F343KB20
3F343LA03
3F343LC22
3F343LD10
3F343MA02
3F343MA03
3F343MA09
3F343MA13
3F343MA15
3F343MA23
3F343MA32
3F343MB03
3F343MC17
3F343MC23
3F343MC26
3F343MC28
(57)【要約】
【課題】シート状媒体がロール状に巻回されたロール体と複数積層された状態のシート状媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置において、シート状媒体が給送トレイの所定位置に適切に配置されているか否かをユーザに報知することができる。
【解決手段】プリンタ100は、ロール紙P1がロール状に巻回されたロール体Rを収容可能な第1収容部11aと、カット紙P2を複数積層された状態で収容可能な第2収容部11bと、を有する給送トレイ11と、給送ローラ2と、ヘッド5と、複数の検知部と、報知部30と、制御部10とを含んでいる。そして、制御部10は、複数の検知部による検知結果に基づいて、報知動作を報知部30に実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に対して挿抜可能であって、シート状媒体がロール状に巻回されたロール体を収容可能な第1収容部と、シート状媒体を複数積層された状態で収容可能な第2収容部と、を有する給送トレイと、
前記給送トレイからシート状媒体を搬送経路に向けて給送する給送ローラと、
前記搬送経路内のシート状媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
前記給送トレイの所定位置にシート状媒体が配置されているか否かを検知可能な一又は複数の検知部と、
ユーザに対して報知する報知動作を実行可能な報知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記一又は複数の検知部による検知結果に基づいて、前記報知動作を前記報知部に実行させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記検知結果が前記第1収容部に前記シート状媒体が収容されていることを示すものでない場合、前記第1収容部に収容されるシート状媒体の前記給送トレイに対する配置に関する内容を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させ、
前記第2収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記検知結果が前記第2収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものでない場合、前記第2収容部に収容されるシート状媒体の前記給送トレイに対する配置に関する内容を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記検知結果が前記第2収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものでない場合、前記シート状媒体を前記第2収容部から除外する必要がある旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記検知結果が前記第1収容部に前記シート状媒体が収容されていないことを示すものでない場合、前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体を巻き戻す必要がある旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記一又は複数の検知部は、前記給送トレイの前記第1収容部にシート状媒体が収容されているか否かを検知可能な第1検知部を含み、
前記制御部は、前記第1検知部による検知結果に基づいて、前記報知動作を前記報知部に実行させることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものである場合、前記第1収容部に収容されるシート状媒体の前記給送トレイに対する配置に関する内容を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部に前記シート状媒体が収容されていることを示すものである場合、前記ロール体から巻き解かれたシート状媒体を巻き戻す必要がある旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記搬送経路内のシート状媒体を検知可能な搬送検知部を備え、
前記制御部は、
前記第1収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものである場合、前記給送ローラを駆動し、
前記給送ローラを駆動してから第1時間経過するまでに前記搬送検知部によってシート状媒体が検知されない場合、前記第1収容部に収容されているシート状媒体が前記給送トレイに適切に配置されていない旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項5~7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記搬送経路内のシート状媒体を検知可能な搬送検知部を備え、
前記制御部は、
前記第1収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものである場合、前記給送ローラを駆動し、
前記給送ローラを駆動した後に前記搬送検知部によってシート状媒体が検知されてから第2時間経過するまでに前記搬送検知部によってシート状媒体が検知されなくなった場合、前記シート状媒体を前記第2収容部から除外する必要がある旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項5~8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記一又は複数の検知部は、前記給送トレイの前記第2収容部にシート状媒体が収容されているか否かを検知可能な第2検知部をさらに含み、
前記制御部は、前記第1検知部及び前記第2検知部による検知結果に基づいて、前記報知動作を前記報知部に実行させることを特徴とする請求項5~9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1収容部に収容されたシート状媒体に印刷を行う指示を受信する場合であって、前記第2検知部による検知結果が前記第2収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものである場合、前記シート状媒体を前記第2収容部から除外する必要がある旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものであり、且つ、前記第2検知部による検知結果が前記第2収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものである場合、前記第1収容部及び前記第2収容部のいずれにもシート状媒体が収容されていない旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、
シート状媒体に印刷を行う指示を受信する前に、前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものであり、且つ、前記第2検知部による検知結果が前記第2収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものである場合、前記第2収容部に収容されているシート状媒体が給送される旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項10~12の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記一又は複数の検知部は、前記給送ローラによってシート状媒体を給送可能な給送位置にシート状媒体が配置されているか否かを検知する第3検知部をさらに含み、
前記制御部は、前記第1検知部及び前記第3検知センサによる検知結果に基づいて、前記報知動作を前記報知部に実行させることを特徴とする請求項5~13の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものであり、且つ、前記第3検知部による検知結果が前記給送位置にシート状媒体が配置されていないことを示すものである場合、前記第1収容部に収容されているシート状媒体が前記給送位置に配置されていない旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記一又は複数の検知部は、前記給送ローラによってシート状媒体を給送可能な給送位置にシート状媒体が配置されているか否かを検知する第3検知部をさらに含み、
前記制御部は、前記第1検知部、前記第2検知部、及び前記第3検知センサによる検知結果に基づいて、前記報知動作を前記報知部に実行させることを特徴とする請求項10~13の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記制御部は、
前記第1検知部による検知結果が前記第1収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものであり、且つ、前記第2検知部による検知結果が前記第2収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものであり、且つ、前記第3検知部による検知結果が前記給送位置にシート状媒体が配置されていることを示すものである場合、前記給送位置に残存したシート状媒体の切れ端を前記給送トレイから除外する必要がある旨を報知する動作を前記報知動作として前記報知部に実行させることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記一又は複数の検知部は、
前記給送トレイの前記第2収容部にシート状媒体が収容されているか否かを検知する第2検知部と、
前記給送ローラによってシート状媒体を給送可能な給送位置にシート状媒体が配置されているか否かを検知する第3検知部と、を含み、
前記制御部は、前記第2検知部及び前記第3検知部による検知結果に基づいて、前記報知動作を前記報知部に実行させることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状媒体がロール状に巻回されたロール体と複数積層された状態のシート状媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の用紙がロール状に巻回されたロール体と、カット紙との両方を収容可能な画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1には、ロール体用の載置部およびカット紙用の載置部が形成された給紙カセット(給送トレイ)を有するファクシミリ(画像形成装置)が開示されている。給送トレイに収容された用紙は、ローラ(給送ローラ)によって給送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平02-264556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような画像形成装置では、印刷に用いられるべき用紙が給送トレイに収容されていないにもかかわらず、給送ローラによる給送動作が開始してしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、シート状媒体がロール状に巻回されたロール体と複数積層された状態のシート状媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置において、シート状媒体が給送トレイの所定位置に適切に配置されているか否かをユーザに報知することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、筐体と、前記筐体に対して挿抜可能であって、シート状媒体がロール状に巻回されたロール体を収容可能な第1収容部と、シート状媒体を複数積層された状態で収容可能な第2収容部と、を有する給送トレイと、前記給送トレイからシート状媒体を搬送経路に向けて給送する給送ローラと、前記搬送経路内のシート状媒体に対して画像を形成する画像形成部と、前記給送トレイの所定位置にシート状媒体が配置されているか否かを検知可能な一又は複数の検知部と、ユーザに対して報知する報知動作を実行可能な報知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記一又は複数の検知部による検知結果に基づいて、前記報知動作を前記報知部に実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によると、給送トレイの所定位置にシート状媒体が配置されているか否かを検知し、検知結果に基づいた報知動作がユーザに対して行われる。このため、シート状媒体がロール状に巻回されたロール体と複数積層された状態のシート状媒体の両方を収容可能な給送トレイを有する画像形成装置において、ユーザが、シート状媒体が給送トレイの所定位置に適切に配置されているか否かを判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。
図2】カット紙収容時におけるプリンタの概略構成図である。
図3】ロール紙検知部を示す図であって、(a)ロール体が収容されていないときを示す図、及び、(b)ロール体が収容されているときを示す図である。
図4】カット紙検知部を示す図であって、(a)カット紙が収容されていないときを示す図、及び、(b)カット紙が収容されているときを示す図である。
図5】用紙有無検知部を示す図であって、(a)用紙がセットされていないときを示す図、及び、(b)用紙が適切にセットされているときを示す図である。
図6】第1実施形態に係るプリンタにおいて実行される処理手順の一例を示すフローチャートの前半部分である。
図7】第1実施形態に係るプリンタにおいて実行される処理手順の一例を示すフローチャートの後半部分である。
図8】第2実施形態に係るプリンタにおいて実行される処理手順の一例を示すフローチャートの前半部分である。
図9】第2実施形態に係るプリンタにおいて実行される処理手順の一例を示すフローチャートの後半部分である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るプリンタ100(本発明の画像形成装置の一例)について、図1図5を参照しつつ、以下に説明する。なお、図1に示す上下方向、左右方向及び前後方向を、プリンタ100の上下方向、左右方向及び前後方向とする。
【0010】
(プリンタ100の全体構成)
図1に示すように、プリンタ100は、筐体100aと、給送トレイ11と、給送ローラ2と、搬送ローラ対3aと、排紙ローラ対3bと、カッター機構4と、ヘッド5(本発明の画像形成部の一例)と、排紙トレイ6と、案内ガイド7と、中間ローラ対9と、制御部10と、報知部30と、を含む。給送トレイ11は、筐体100aの下部に挿抜可能である。給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜は、不図示のセンサによって検知される。排紙トレイ6は、筐体100aの上部の前側の側壁を構成し、筐体100aに対して開閉可能である。
【0011】
給送トレイ11は、筐体100aに対して挿抜可能である。給送トレイ11は、長尺の用紙P1(以下、ロール紙P1と称する)がロール状に巻回されたロール体Rを収容可能な第1収容部11aと、ロール紙P1よりも短尺の用紙であるカット紙P2(図2を参照)を複数積層された状態で収容可能な第2収容部11bとを有する。なお、本実施形態におけるロール紙P1及びカット紙P2が、本発明のシート状媒体の一例に相当する。また、給送トレイ11の後端部には、上側に延びる後端壁部18が形成されている。後端壁部18は、給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜時に、第2収容部11bに収容されたカット紙P2が抜け落ちないようにするための部材である。
【0012】
第1収容部11aは、円筒状の芯部材Rcと、2つのローラ14、15と、ロールカバー16とを有する。ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に、長尺の用紙P1がロール状に巻回されたものである。ロール体Rは、その回転軸Rx(芯部材Rcの中心軸)に沿った軸方向(図1の紙面垂直方向)が左右方向と平行になるように配置される。回転軸Rxの軸方向はロール紙P1及びカット紙P2の幅方向にも該当する。
【0013】
2つのローラ14、15は、左右方向に沿って長尺に延在しており、ロール体Rの幅より若干長く形成されている。ローラ15は、ローラ14の後方に配置されている。ローラ14、15は、その回転軸が回転軸Rxと平行となっている。そして、これら2つのローラ14,15が、ロール体Rの下側部分の外周面と接触した状態で当該ロール体Rを下方から支持する。
【0014】
ロール体Rからロール紙P1が巻き解かれるとき、反時計回りに回転(図1中の実線矢印)するロール体Rに従動して、2つのローラ14、15は回転する。第1収容部11aに収容されたロール体Rから巻き解かれたロール紙P1は、第2収容部11bの底面17(後述)の下の経路を通って給送ローラ2の直下又は給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の位置まで送られる。ロール紙P1は、給送ローラ2によって搬送経路に向けて給送され、中間ローラ対9、搬送ローラ対3a、ヘッド5、排紙ローラ対3bを経て、排紙トレイ6まで送られる。なお、ロール紙P1の搬送経路は、給送ローラ2、中間ローラ対9、搬送ローラ対3a、排紙ローラ対3bによって規定される。
【0015】
ロールカバー16は、第1収容部11aに収容されたロール体Rを覆う部材である。ロールカバー16は、左右方向に沿って延在しており、ローラ14、15の幅より長く形成されている。また、ロールカバー16は、第1収容部11aに収容可能な最大サイズのロール体Rの外周面に近接可能に配置されている。これにより、ロール体Rの巻きが緩んでロール体Rの外径が大きくなろうとしても、ロール体Rの外周面がロールカバー16の内面と接触し、外径が大きくなるのを規制することが可能となる。
【0016】
第2収容部11bは、第1収容部11aの後方に位置しており、カット紙P2を下方から支持する底面17を有する。底面17は左右方向に沿って長尺に延在しており、カット紙P2の幅よりも若干長く形成されている。第2収容部11bに収容されたカット紙P2は、給送ローラ2によって搬送経路に向けて給送され、中間ローラ対9、搬送ローラ対3a、ヘッド5、排紙ローラ対3bを経て、排紙トレイ6まで送られる。カット紙P2の搬送経路は、給送ローラ2、中間ローラ対9、搬送ローラ対3a、排紙ローラ対3bによって規定される。
【0017】
また、第2収容部11bの底面17の後端部分であって左右方向の中央部分には、切欠き加工がなされている。ロール紙P1を印刷する際は、上述したように、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が、第2収容部11bの底面17の下の経路を通って給送ローラ2まで送られる。そして、ロール紙P1は、カット紙P2が収容されていない状態の第2収容部11bの底面17の切欠き加工された部分から、給送ローラ2に当接することで搬送経路に向けて給送される。
【0018】
なお、本実施形態のプリンタ100は、ロール紙P1を印刷する際に、カット紙P2が第2収容部11bに収容されている場合は、給送ローラ2によってロール紙P1を給送することができない構成である。これは、本実施形態のプリンタ100は、ロール紙P1及びカット紙P2が共通する1つの給送ローラ2によって給送される構成であって、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1の上にカット紙P2が積載される構成であるからである。したがって、本実施形態において、ロール紙P1を印刷する際は、カット紙P2が第2収容部11bから取り除かれている必要がある。また、カット紙P2を印刷する際は、給送ローラ2によってロール紙P1及びカット紙P2を給送可能な給送位置よりもロール紙P1やカット紙P2の搬送方向下流にロール紙P1が配置されていると、ロール紙P1がカット紙P2の給送の妨げとなる虞がある。このため、カット紙P2を印刷する際は、ロール体Rが第1収容部11aに収容されていない、ロール紙P1が第1収容部11aに収容されたロール体Rから巻き解かれていない、又は、ロール紙P1が第1収容部11aに収容されたロール体Rから巻き解かれていたとしても、ロール紙P1が給送位置よりも搬送方向上流に配置されていることが望ましい。また、本実施形態において、給送トレイ11の筐体100aへの挿入時には、第1収容部11aの少なくとも一部と第2収容部11bの全部が、筐体100aの内部に収まった状態となっている。
【0019】
給送ローラ2は、第1収容部11aの後方であって、第2収容部11bの後端部付近に配置されている。給送ローラ2は、給送モータの駆動により回転することで、給送トレイ11からロール紙P1及びカット紙P2を搬送経路に給送する。上述したように、ロール紙P1の搬送経路とカット紙P2の搬送経路は、ともに給送ローラ2、中間ローラ対9、搬送ローラ対3a、排紙ローラ対3bによって規定される。よって、給送ローラ2は、ロール紙P1及びカット紙P2を共通する搬送経路に沿って給送する。
【0020】
また、本実施形態に係るプリンタ100は、給送ローラ2を回転可能に支持する揺動アーム20aと、揺動アーム20aを回転可能に筐体100aに支持する揺動軸20bとを有する。揺動軸20bの回転軸方向は、左右方向と平行である。揺動軸20bは、揺動アーム20aを筐体100aに直接的に支持してもよく、間接的に支持してもよい。ロール紙P1の搬送を行うときは、図1に示すように、給送ローラ2は、揺動軸20bを中心に揺動アーム20aが揺動することで、第1収容部11aに収容されたロール体Rから巻き解かれたロール紙P1に当接する。カット紙P2の搬送を行うときは、図2に示すように、給送ローラ2は、揺動軸20bを中心に揺動アーム20aが揺動することで、第2収容部11bに複数積層された状態で収容されているカット紙P2に当接する。これにより、給送ローラ2は、ロール紙P1及びカット紙P2を搬送経路に給送することができる。
【0021】
カッター機構4は、給送ローラ2よりもロール紙P1及びカット紙P2の搬送経路に沿った搬送方向(以下、単に「搬送方向」ともいう)の下流側であって、後述するヘッド5よりも搬送方向の上流側の位置に配置されている。カッター機構4は、例えば2枚の回転刃であるカッター4aと、カッター4aを軸方向に往復駆動させる切断モータ(不図示)とを含む。ロール体Rから巻き解かれて搬送経路に沿って搬送されたロール紙P1は、制御部10の制御により切断モータが駆動されることで、カッター4aによりロール紙P1の幅方向に切断される。これにより、排紙トレイ6に送られるロール紙P1に後端が形成される。
【0022】
案内ガイド7は、給送ローラ2の後方であって、カッター機構4よりも搬送方向の上流側に設けられている。案内ガイド7は、給送ローラ2によって給送されるロール紙P1及びカット紙P2をカッター機構4へと案内するためのものである。案内ガイド7は、図1に示すように、前後方向の前から後に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。案内ガイド7は、左右方向に沿って長尺に延在しており、ロール紙P1及びカット紙P2の幅より若干長く形成されている。案内ガイド7の表面には、搬送方向に沿って繰り返す細かい凹凸パターンが形成されている。ここでカット紙P2などの短尺の用紙が分離されて、重送を防ぐことができる。
【0023】
中間ローラ対9は、カッター機構4よりも搬送方向の下流側であって、ヘッド5より搬送方向の上流側に設けられている。中間ローラ対9は、ロール紙P1及びカット紙P2を搬送ローラ対3aへと搬送する。中間ローラ対9は、中間モータ(不図示)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。また、中間ローラ対9の近傍であって、中間ローラ対9よりも搬送方向の上流側かつ、カッター機構4よりも搬送方向の下流側には、中間レジセンサ31(本発明の搬送検知部の一例)が配置されている。中間レジセンサ31は、搬送経路内のロール紙P1又はカット紙P2を検知可能なセンサである。より詳細には、中間レジセンサ31は、搬送経路に沿って搬送されるロール紙P1又はカット紙P2が中間ローラ対9まで到達したか否かを検知するセンサである。
【0024】
搬送ローラ対3aは、不図示の搬送モータの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。排紙ローラ対3bは、不図示の排紙モータの駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部10の制御により不図示の搬送モータ及び排紙モータが駆動され、搬送ローラ対3a及び排紙ローラ対3bがロール紙P1(又はカット紙P2)を挟持しつつ回転することで、ロール紙P1(又はカット紙P2)が搬送される。
【0025】
ヘッド5は、ロール紙P1及びカット紙P2に画像を形成するものであって、搬送ローラ対3aよりも搬送方向の下流側であって、排紙ローラ対3bよりも搬送方向の上流側に配置されている。ヘッド5は、下面に形成された複数のノズル(図示略)と、ドライバICとを含む。制御部10の制御によりドライバICが駆動されると、ノズルからインクが吐出される。搬送ローラ対3aによって搬送されたロール紙P1(又はカット紙P2)がヘッド5の下面と対向する位置を通過するときに、ヘッド5のノズルからインクが吐出され、ロール紙P1及びカット紙P2に対して画像が形成される。なお、ヘッド5は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、回転軸Rxの軸方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。ヘッド5により画像が形成されたロール紙P1(又はカット紙P2)は、筐体100aに対して開いた状態の排紙トレイ6に受容される。
【0026】
本実施形態において、給送ローラ2によって給送されるロール紙P1及びカット紙P2の搬送方向の水平成分は前後方向の前から後に向かう方向であり、ヘッド5の下面と対向する位置を経て開いた状態の排紙トレイ6から外部に排出されるロール紙P1及びカット紙P2の搬送方向の水平成分は前後方向の後から前に向かう方向である。すなわち、本実施形態のプリンタ100は、搬送方向が途中で折り返される、いわゆるUターンパスの構成となっている。
【0027】
制御部10は、内部バス(不図示)を介して、給送モータ、中間モータ、搬送モータ、排紙モータ、ドライバIC、切断モータ等と接続されている。また、制御部10は、中間レジセンサ31、後述のセンサ51b、52b、53bと電気的に接続されている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。ROMには、CPUが各種制御を行うためのプログラムやデータが格納されている。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。
【0028】
報知部30は、ユーザに対して報知する報知動作を実行可能である。報知部30は、例えば、プリンタ100に設けられたディスプレイであって、ユーザに対して報知すべき情報を表示することによって、ユーザに対する報知動作を実行するものである。または、報知部30は、プリンタ100に設けられたスピーカーであって、ユーザに対して報知すべき情報を音声にて発することによって、ユーザに対する報知動作を実行するものでもよく、それ以外の方法で報知動作を実行するものでもよい。報知部30が実行する報知動作については、後述する制御部10の処理のところで詳しく説明する。
【0029】
(ロール紙検知部51)
また、第1実施形態のプリンタ100は、第1収容部11aにロール紙P1が収容されているか否かを検知するロール紙検知部51(本発明の第1検知部の一例)を含んでいる。ロール紙検知部51は、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1を検知可能なセンサである。ロール紙検知部51は、第1収容部11aのローラ15よりも下方且つ後方の位置に設けられている。ロール紙検知部51は、図3に示すように、アクチュエータ51aと、センサ51bとを含む。アクチュエータ51aは、回転軸51a2を中心に回転可能に支持されている。回転軸51a2の軸方向は左右方向と平行である。センサ51bは、アクチュエータ51aを検知するセンサである。センサ51bは、例えば、発光素子及び受光素子(不図示)を有するフォトセンサである。ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が第1収容部11aに収容されていないときは、図3(a)に示すように、アクチュエータ51aは光路を遮蔽することがなくセンサ51bに検知されていない。ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が第1収容部11aに収容されているときは、図3(b)に示すように、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1がアクチュエータ51aに接触する。すると、アクチュエータ51aは、ロール紙P1によって押されることで回転軸51a2を中心に回転し(図3(b)の実線矢印)、光路を遮蔽するためセンサ51bによって検知される。これにより、ロール紙検知部51は、第1収容部11aにロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が収容されているか否かを検知することができる。なお、アクチュエータ51a及びセンサ51bは、筐体100aに支持されていてもよく、給送トレイ11に支持されていてもよい。また、アクチュエータ51aとセンサ51bのいずれか一方が筐体100aに支持され、他方が給送トレイ11に支持されていてもよい。
【0030】
(カット紙検知部52)
また、第1実施形態のプリンタ100は、第2収容部11bにカット紙P2が収容されているか否かを検知するカット紙検知部52(本発明の第2検知部の一例)を含んでいる。カット紙検知部52は、揺動アーム20aに取り付けられている。カット紙検知部52は、図4に示すように、アクチュエータ52aと、センサ52bとを含む。アクチュエータ52aは、回転軸52a2を中心に回転可能に揺動アーム20aに支持されている。回転軸52a2の軸方向は左右方向と平行である。センサ52bは、アクチュエータ52aを検知するセンサである。センサ52bは、揺動アーム20aに取り付けられている。センサ52bは、例えば、発光素子及び受光素子(不図示)を有するフォトセンサである。カット紙P2が第2収容部11bに収容されていないときは、図4(a)に示すように、アクチュエータ52aは光路を遮蔽することがなくセンサ52bに検知されていない。カット紙P2が第2収容部11bに収容されているときは、図4(b)に示すように、底面17に積層されたカット紙P2がアクチュエータ52aに接触する。すると、アクチュエータ52aは、カット紙P2によって押されることで回転軸52a2を中心に回転し(図4(b)の実線矢印)、光路を遮蔽するためセンサ52bによって検知される。これにより、カット紙検知部52は、第2収容部11bにカット紙P2が収容されているか否かを検知することができる。なお、アクチュエータ52a及びセンサ52bは、揺動アーム20aを介さずに筐体100aに直接支持されていてもよく、給送トレイ11に支持されていてもよい。また、アクチュエータ52aとセンサ52bのいずれか一方が筐体100aに支持され、他方が給送トレイ11に支持されていてもよい。図4では、用紙有無検知部53の記載は省略している。
【0031】
(用紙有無検知部53)
さらに、第1実施形態のプリンタ100は、給送ローラ2によってロール紙P1及びカット紙P2を給送可能な給送位置にロール紙P1又はカット紙P2が配置されているか否かを検知する用紙有無検知部53(本発明の第3検知部の一例)を含む。より詳細には、用紙有無検知部53は、ロール紙検知部51よりも搬送方向の下流側であって、給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の給送位置にロール紙P1又はカット紙P2が存在しているか否かを検知するセンサである。用紙有無検知部53は、揺動アーム20aに取り付けられている。用紙有無検知部53は、その一部が給送ローラ2の直下よりも搬送経路に沿った搬送方向の下流側に配置されている。用紙有無検知部53は、図5に示すように、アクチュエータ53aと、センサ53bとを含む。アクチュエータ53aは、回転軸53a2を中心に回転可能に揺動アーム20aに支持されている。回転軸53a2の軸方向は左右方向と平行である。センサ53bは、アクチュエータ53aを検知するセンサである。センサ53bは、揺動アーム20aに取り付けられている。センサ53bは、例えば、発光素子及び受光素子(不図示)を有するフォトセンサである。ロール紙P1又はカット紙P2が給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の位置に存在していないときは、図5(a)に示すように、アクチュエータ53aは光路を遮蔽することがなくセンサ53bに検知されていない。ロール紙P1又はカット紙P2が給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の位置に存在しているときは、図5(b)に示すように、ロール紙P1又はカット紙P2がアクチュエータ53aに接触する。図5(b)では、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の位置に存在しているときを示している。すると、アクチュエータ53aは、ロール紙P1又はカット紙P2によって押されることで回転軸53a2を中心に回転し(図5(b)の実線矢印)、光路を遮蔽するためセンサ53bによって検知される。これにより、用紙有無検知部53は、給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の位置にロール紙P1又はカット紙P2が存在しているか否かを検知することができる。なお、アクチュエータ53a及びセンサ53bは、揺動アーム20aを介さずに筐体100aに直接支持されていてもよく、給送トレイ11に支持されていてもよい。また、アクチュエータ53aとセンサ53bのいずれか一方が筐体100aに支持され、他方が給送トレイ11に支持されていてもよい。図5では、カット紙検知部52の記載は省略している。
【0032】
また、搬送経路に沿ったロール紙検知部51と用紙有無検知部53との間の距離は、搬送経路に沿った給送ローラ2と中間ローラ対9との間の距離以上、且つ、搬送経路に沿った中間ローラ対9と搬送ローラ対3aとの間の距離以上である。
【0033】
(制御部10の処理)
続いて、図6及び図7を参照しつつ、プリンタ100において、ロール紙P1又はカット紙P2に印刷を行う際に、制御部10で行われる処理の一例について説明する。以下において説明する処理は、制御部10が印刷指示を受信したときに開始される。印刷指示は、例えばプリンタ100と接続されているPCやスマートフォン等の端末を介して、又は、プリンタ100に含まれる入力装置(不図示)を介してユーザにより入力される。本実施形態において、印刷指示は、第1収容部に収容されたロール紙P1に印刷を行う指示、又は、第2収容部に収容されたカット紙P2に印刷を行う指示である。
カット紙P
【0034】
まず、制御部10は、ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知したか否かを判断する(ステップS1)。ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知していないと判断した場合(S1:NO)、後述するステップS22に進む。ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知したと判断した場合(S1:YES)、制御部10は、カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知したか否かを判断する(ステップS2)。
【0035】
カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知しないと判断した場合(S2:NO)、後述するステップS8に進む。カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知したと判断した場合(S2:YES)、制御部10は、ロール紙P1とカット紙P2の両方が給送トレイ11に収容されていると判断する。そして、制御部10は、入力された印刷指示がロール紙P1であるか否か判断する(ステップS3)。
【0036】
印刷指示がロール紙P1であると判断した場合(S3:YES)、制御部10は、カット紙P2を第2収容部11bから除外する必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS4)。印刷指示がロール紙P1でないと判断した場合(S3:NO)、制御部10は、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1を巻き戻す必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS5)。
【0037】
ステップS4又はS5の後、制御部10は、不図示のセンサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したか否かを判断する(ステップS6)。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したと判断した場合(S6:YES)、制御部10は報知部30による所定の報知動作を停止させ(ステップS7)、ステップS1に戻る。なお、ここでいう所定の報知動作とは、ステップS4、S5、後述するステップS17、S18、S19、S21のいずれかの報知動作のことである。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知していないと判断した場合(S6:NO)、制御部10は、センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知するまで、報知部30に所定の報知動作の実行を継続させる。
【0038】
上述のステップS2において、カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知しないと判断した場合(S2:NO)、制御部10は、用紙有無検知部53が給送ローラ2による給送位置にロール紙P1が配置されていることを検知したか否かを判断する(ステップS8)。用紙有無検知部53が給送ローラ2による給送位置にロール紙P1が配置されていることを検知していないと判断した場合(S8:NO)、制御部10はロール紙P1が正しくセットされていないと判断する。ロール紙P1が正しくセットされているとは、第1収容部11aに収容されたロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が給送ローラ2の給送位置に配置されていることを意味する。そして、制御部10は、入力された印刷指示がロール紙P1であるか否か判断する(ステップS16)。
【0039】
印刷指示がロール紙P1であると判断した場合(S16:YES)、制御部10は、第1収容部11aに収容されているロール紙P1が給送位置に配置されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS17)。報知部30は、ステップS17の報知動作において、例えば、ロール紙P1の巻き出しが足りない旨を報知する動作、ロール紙P1が給送位置に配置されていない旨を報知する動作、ロール紙P1を給送位置まで巻き出す必要がある旨を報知する動作などを報知動作として実行してもよい。そして、上述したステップS6に進む。印刷指示がロール紙P1でないと判断した場合(S16:NO)、制御部10は、給送トレイ11に収容された用紙が誤っていると判断し、ロール紙P1を巻き戻す必要がある旨と、カット紙P2を第2収容部にセットする必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS18)。そして、上述したステップS6に進む。
【0040】
用紙有無検知部53が給送ローラ2による給送位置にロール紙P1が配置されていることを検知したと判断した場合(S8:YES)、制御部10は、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が正しくセットされていると判断する。そして、制御部10は、入力された印刷指示がロール紙P1であるか否か判断する(ステップS9)。
【0041】
印刷指示がロール紙P1でないと判断した場合(S9:NO)、制御部10は、給送トレイ11に収容された用紙が誤っていると判断し、ロール紙P1を巻き戻す必要がある旨と、カット紙P2を第2収容部にセットする必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS18)。そして、上述したステップS6に進む。
【0042】
印刷指示がロール紙P1であると判断した場合(S9:YES)、制御部10は、給送モータを駆動して給送ローラ2によるロール紙P1の給送動作を開始する(ステップS10)。そして、制御部10は、給送モータ、中間モータ、搬送モータ及び排紙モータを制御してロール紙P1を所定量搬送させる(ステップS11)。続いて、制御部10は、給送ローラ2を駆動してから第1時間が経過するまでに中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知されたか否かを判断する(ステップS12)。第1時間とは、給送ローラ2を駆動してからロール紙P1が中間レジセンサ31に到達するまでの時間であって、給送ローラ2から中間レジセンサ31までの搬送経路に沿った距離を給送ローラ2の給送速度で割ったものに許容可能な誤差を加えた時間である。
【0043】
制御部10は、給送ローラ2を駆動してから第1時間が経過するまでに中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知していないと判断した場合(S12:NO)、ロール紙P1が中間レジセンサ31まで到達しなかったとして、第1収容部11aに収容されているロール紙P1が給送トレイ11に適切に配置されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS19)。報知部30は、ステップS19の報知動作において、例えば、ロール紙P1の給送ができない旨を報知する動作、ロール紙P1が歪んだ状態で配置されている可能性がある旨を報知する動作、ロール紙P1を給送位置まで適切に巻き出す必要がある旨を報知する動作などを報知動作として実行してもよい。
【0044】
制御部10は、給送ローラ2を駆動してから第1時間が経過するまでに中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知したと判断した場合(S12:YES)、給送ローラ2を駆動した後に中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知されてから第2時間経過するまでに中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知されなくなったか否かを判断する(ステップS20)。第2時間とは、例えば、中間レジセンサ31がカット紙P2を検知する場合に、カット紙P2を検知し始めてから検知しなくなるまでの時間であって、カット紙P2の搬送方向に沿った長さを中間レジセンサ31の搬送速度で割ったものに許容可能な誤差を加えた時間である。すなわち、中間レジセンサ31が検知開始から第2時間経過しても検知された状態が続いている場合、制御部10は、中間レジセンサ31によってカット紙P2ではなく、ロール紙P1が検知されていると判断することができる。
【0045】
制御部10は、第2時間経過するまでに中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知されなくなったと判断した場合(S20:YES)、誤ってカット紙P2が配置されている又はロール紙P1が途中で切断されている可能性があるとして、給送トレイ11からカット紙P2又は切断されたロール紙P1を除外する必要を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS21)。ステップS19又はステップS21の後、上述したステップS6に進む。
【0046】
制御部10は、第2時間経過しても中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知された状態が維持されていると判断した場合(S20:NO)、ドライバICを制御して所定パス分記録する(ステップS13)。
【0047】
続いて、制御部10は、同一用紙内に記録データが存在していないか否かを判断する(ステップS14)。同一用紙内に記録データが存在していると判断した場合(S14:NO)、ステップS11に戻る。同一用紙内に記録データが存在していないと判断した場合(S14:YES)、制御部10はロール紙P1を排出し(ステップS15)、印刷を終了する。
【0048】
上述のステップS1において、ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知していないと判断した場合(S1:NO)、制御部10は、カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知したか否かを判断する(ステップS22)。
【0049】
カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知したと判断した場合(S22:YES)、後述するステップS28に進む。カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知しないと判断した場合(S22:NO)、制御部10は給送トレイ11にロール紙P1及びカット紙P2が収容されていないと判断する。そして、制御部10は、入力された印刷指示がカット紙P2であるか否か判断する(ステップS23)。
【0050】
印刷指示がカット紙P2でないと判断した場合(S23:NO)、制御部10は、ロール体Rの第1収容部11aへの収容及びロール体Rからのロール紙P1の巻き出しを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS24)。印刷指示がカット紙P2であると判断した場合(S23:YES)、制御部10は、カット紙P2のセットを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS25)。
【0051】
ステップS24又はS25の後、制御部10は、不図示のセンサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したか否かを判断する(ステップS26)。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したと判断した場合(S26:YES)、制御部10は報知部30による所定の報知動作を停止させ(ステップS27)、ステップS1に戻る。なお、ここでいう所定の報知動作とは、ステップS24、S25、後述するステップS37、S40のいずれかの報知動作のことである。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知していないと判断した場合(S26:NO)、制御部10は、センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知するまで、報知部30に所定の報知動作の実行を継続させる。
【0052】
上述のステップS22において、カット紙検知部52が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知したと判断した場合(S22:YES)、制御部10は、用紙有無検知部53が給送ローラ2による給送位置にカット紙P2が配置されていることを検知したか否かを判断する(ステップS28)。用紙有無検知部53が給送ローラ2による給送位置にカット紙P2が配置されていることを検知していないと判断した場合(S28:NO)、制御部10はカット紙P2が正しくセットされていないと判断する。カット紙P2が正しくセットされているとは、第2収容部11bに収容されたカット紙P2が給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の位置に存在していることを意味する。そして、制御部10は、入力された印刷指示がカット紙P2であるか否か判断する(ステップS36)。
【0053】
印刷指示がカット紙P2であると判断した場合(S36:YES)、制御部10は、上述したステップS25を経て、ステップS26に進む。印刷指示がカット紙P2でないと判断した場合(S36:NO)、制御部10は、給送トレイ11に収容された用紙が誤っていると判断し、カット紙P2の取り除きとロール体Rの収容及びロール紙P1の巻き出しを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS37)。そして、上述したステップS26に進む。
【0054】
用紙有無検知部53が給送ローラ2による給送位置にカット紙P2が配置されていることを検知したと判断した場合(S28:YES)、制御部10は、入力された印刷指示がカット紙P2であるか否か判断する(ステップS29)。印刷指示がカット紙P2でないと判断した場合(S29:NO)、上述したステップS37を経て、ステップS26に進む。印刷指示がカット紙P2であると判断した場合(S29:YES)、制御部10は、給送モータを駆動して給送ローラ2によるカット紙P2の給送動作を開始する(ステップS30)。そして、制御部10は、給送モータ、中間モータ、搬送モータ及び排紙モータを制御してカット紙P2を所定量搬送させる(ステップS31)。続いて、制御部10は、給送ローラ2よりも搬送方向の下流側に配置された中間レジセンサ31がカット紙P2を検知したか否かを判断する(ステップS32)。なお、制御部10は、カット紙P2の搬送を停止させてからステップS32を実行してもよく、カット紙P2の搬送中にステップS32を実行してもよい。
【0055】
中間レジセンサ31がカット紙P2を検知していないと判断した場合(S32:NO)、制御部10はカット紙P2の後端が中間レジセンサ31を通過したと判断する。そして、制御部10は、カット紙P2の未記録残存長さを算出し、当該未記録残存長さがこれから画像の記録を行うカット紙P2の記録必要長さよりも大きいか否かを判断する(ステップS38)。なお、本実施形態において算出されるカット紙P2の未記録残存長さは、例えば、中間レジセンサ31からヘッド5までの長さである。未記録残存長さが記録必要長さ以下の場合(S38:NO)、制御部10は、セットされたカット紙P2のサイズエラーと判断し、カット紙P2を排出する(ステップS39)。そして、制御部10は、カット紙P2のセットを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させ(ステップS40)、上述したステップS26に進む。
【0056】
中間レジセンサ31がカット紙P2を検知したと判断した場合(S32:YES)、又は、未記録残存長さが記録必要長さよりも大きいと判断した場合(S38:YES)、制御部10はドライバICを制御して所定パス分記録する(ステップS33)。
【0057】
続いて、制御部10は、同一用紙内に記録データが存在していないか否かを判断する(ステップS34)。同一用紙内に記録データが存在していると判断した場合(S34:NO)、ステップS31に戻る。同一用紙内に記録データが存在していないと判断した場合(S34:YES)、制御部10はカット紙P2を排出し(ステップS35)、印刷を終了する。
【0058】
以上に述べたように、第1実施形態のプリンタ100は、ロール紙P1がロール状に巻回されたロール体Rを収容可能な第1収容部11aと、カット紙P2を複数積層された状態で収容可能な第2収容部11bと、を有する給送トレイ11と、給送ローラ2と、ヘッド5と、複数の検知部と、報知部30と、制御部10とを含んでいる。そして、制御部10は、複数の検知部による検知結果に基づいて、報知動作を報知部30に実行させる。本実施形態によると、給送トレイ11の所定位置にロール紙P1又はカット紙P2が配置されているか否かを検知し、検知結果に基づいた報知動作がユーザに対して行われる。このため、ロール紙P1がロール状に巻回されたロール体Rと複数積層された状態のカット紙P2の両方を収容可能な給送トレイ11を有するプリンタ1において、ユーザが、ロール紙P1又はカット紙P2が給送トレイ11の所定位置に適切に配置されているか否かを判別することができる。
【0059】
また、本実施形態では、制御部10は、ロール紙検知部51、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53による検知結果に基づいて、報知動作を報知部30に実行させる。これによれば、ロール紙検知部51、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53による検知結果に基づいて、ユーザが、ロール紙P1又はカット紙P2が給送トレイ11の所定位置に適切に配置されているか否かを判別することができる。
【0060】
また、本実施形態では、制御部10は、第1収容部11aに収容されたロール紙P1に印刷を行う指示を受信する場合であって、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていないことを示すものである場合、第1収容部11aに収容されロール体Rからのロール紙P1の巻き出しを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる。これによれば、第1収容部11aにロール紙P1が収容されていない状態で、第1収容部11aに収容されたロール紙P1に印刷を行う指示を受信した場合でも、そのまま印刷が行われることを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、制御部10は、第2収容部11bに収容されたカット紙P2に印刷を行う指示を受信する場合であって、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを示すものである場合、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1を巻き戻す必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる。これによれば、第1収容部11aにロール紙P1が収容されている状態で、第2収容部11bに収容されたカット紙P2に印刷を行う指示を受信した場合でも、そのまま印刷が行われることを抑制することができる。
【0062】
さらに、本実施形態のプリンタ100は、搬送経路内のロール紙P1又はカット紙P2を検知可能な中間レジセンサ31を含む。制御部10は、第1収容部11aに収容されたロール紙P1に印刷を行う指示を受信する場合であって、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを示すものである場合、給送ローラ2を駆動する。そして、制御部10は、給送ローラ2を駆動してから第1時間経過するまでに中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知されない場合、第1収容部11aに収容されているロール紙P1が給送トレイ11に適切に配置されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる。これによれば、第1収容部11aにロール紙P1が収容されているにもかかわらず、給送ローラ2によるロール紙P1の給送が適切に行われない場合に、ユーザが、第1収容部11aに収容されたロール紙P1が適切に配置されていない旨を把握することができる。
【0063】
また、本実施形態では、制御部10は、給送ローラ2を駆動した後に中間レジセンサ31によってロール紙P1が検知されてから第2時間経過するまでにロール紙P1が検知されなくなった場合、カット紙P2を第2収容部11bから除外する必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる。これによれば、第1収容部11aにロール紙P1が収容されているにもかかわらず、実際に給送されたシート状媒体が第2収容部11bに収容されたカット紙P2であった場合に、ユーザが、第2収容部11bからカット紙P2を除外する必要がある旨を把握することができる。
【0064】
また、本実施形態では、制御部10は、第1収容部11aに収容されたロール紙P1に印刷を行う指示を受信する場合であって、カット紙検知部52による検知結果が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを示すものである場合、カット紙P2を第2収容部11bから除外する必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる。第1収容部11aに収容されたロール紙P1に印刷を行う場合に、第2収容部11bにカット紙P2が収容された状態となっていると、適切に印刷を行うことができない。上記構成によれば、第1収容部11aに収容されたロール紙P1に印刷を行う指示を受信したときにおいて、第2収容部11bにカット紙P2が収容されている可能性がある場合、カット紙P2を第2収容部から除外する必要がある旨が報知される。このため、給送トレイ11の所定位置にシート状媒体が適切に配置されていない状態で、印刷が行われることを抑制することができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、制御部10は、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを示すものであり、且つ、用紙有無検知部53による検知結果が給送位置にシート状媒体が配置されていないことを示すものである場合、第1収容部11aに収容されているロール紙P1が給送位置に配置されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる。これによれば、ロール体Rから巻き解かれたロール紙P1が給送位置に適切にセットされていない旨をユーザが把握できる。このため、第1収容部11aにロール体Rが収容されているにもかかわらず、不適切な状態でセットされたロール紙P1が給送ローラ2によって給送されないことや、給送された後に筐体100a内部でジャムを引き起こすことなどが生じることを抑制することができる。
【0066】
(第2実施形態)
上記第1実施形態において、プリンタ100は、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53を含まなくてもよい。以下に、ロール紙検知部51を含み、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53を含まない構成である本発明の第2実施形態について図8及び図9を参照して説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を用い、その説明を省略する。第2実施形態のプリンタは、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53を含まないこと以外は、第1実施形態のプリンタ100と同様の構成である。
【0067】
第2実施形態のプリンタでは、搬送経路に沿ったロール紙検知部51と給送ローラ2との間の距離は、搬送経路に沿った給送ローラ2と中間ローラ対9との間の距離以上、且つ、搬送経路に沿った中間ローラ対9と搬送ローラ対3aとの間の距離以上である。
【0068】
第2実施形態のプリンタにおいて、ロール紙P1又はカット紙P2に画像を記録する際に、制御部10で行われる処理の一例について説明する。以下において説明する処理は、制御部10が印刷指示を受信したときに開始される。
【0069】
まず、制御部10は、ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知したか否かを判断する(ステップS101)。ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知していないと判断した場合(S101:NO)、後述するステップS121に進む。ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知したと判断した場合(S101:YES)、制御部10は、入力された印刷指示がロール紙P1であるか否か判断する(ステップS102)。
【0070】
印刷指示がロール紙P1でないと判断した場合(S102:NO)、制御部10は、給送トレイ11に収容された用紙が誤っていると判断し、ロール紙P1の巻き戻しとカット紙P2のセットを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS103)。
【0071】
制御部10は、不図示のセンサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したか否かを判断する(ステップS104)。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したと判断した場合(S104:YES)、制御部10は報知部30による所定の報知動作を停止し(ステップS105)、ステップS101に戻る。なお、ここでいう所定の報知動作とは、ステップS103、後述するステップS109、S114、S117のいずれかの報知動作のことである。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知していないと判断した場合(S104:NO)、制御部10は、センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知するまで、報知部30に所定の報知動作を継続させる。
【0072】
印刷指示がロール紙P1であると判断した場合(S102:YES)、制御部10は、給送モータを駆動して給送ローラ2によるロール紙P1の給送動作を開始する(ステップS106)。次に、制御部10は、給送ローラ2よりも搬送方向の下流側に配置された中間レジセンサ31がロール紙P1を検知したか否かを判断する(ステップS107)。
【0073】
中間レジセンサ31がロール紙P1を検知していないと判断した場合(S107:NO)、制御部10は、給送ローラ2の駆動量が所定閾値以上か否かを判断する(ステップS108)。ここで、所定閾値とは、ロール紙P1の用紙無しを判定する所定の閾値であって、例えば予め設定されている。給送ローラ2の駆動量が所定閾値よりも小さいと判断した場合(S108:NO)、ステップS107に戻る。給送ローラ2の駆動量が所定閾値以上と判断した場合(S108:YES)、制御部10は、ロール紙P1が正しくセットされていないと判断し、ロール体Rからのロール紙P1の巻き出しを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS109)。そして、上述したステップS104に進む。
【0074】
中間レジセンサ31がロール紙P1を検知したと判断した場合(S107:YES)、制御部10は、給送モータ、中間モータ、搬送モータ及び排紙モータを制御してロール紙P1を所定量搬送させる(ステップS110)。続いて、制御部10は、ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール体Rが収容されていることを検知したか否かを判断する(ステップS111)。なお、制御部10は、ロール紙P1の搬送を停止させてからステップS111を実行してもよく、ロール紙P1の搬送中にステップS111を実行してもよい。
【0075】
ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知していないと判断した場合(S111:NO)、制御部10は、ロール体Rを構成する長尺の用紙P1の未記録残存長さを算出し、当該未記録残存長さがこれから画像の記録を行う長尺の用紙P1の記録必要長さよりも大きいか否かを判断する(ステップS112)。なお、本実施形態において算出されるロール体Rを構成する長尺の用紙P1の未記録残存長さは、例えば、ロール紙検知部51からヘッド5までの長さである。
【0076】
未記録残存長さが記録必要長さ以下の場合(S112:NO)、制御部10は、ロール体Rを構成する長尺の用紙P1の用紙切れと判断し、搬送中のロール紙P1を排出する(ステップS113)。そして、制御部10は、新たなロール体Rの収容及びロール紙P1の巻き出しを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させ(ステップS114)、上述したステップS104に進む。
【0077】
ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知したと判断した場合(S112:YES)、又は、未記録残存長さが記録必要長さよりも大きいと判断した場合(S111:YES)、制御部10は、中間レジセンサ31がロール紙P1を検知したか否かを判断する(ステップS115)。なお、中間レジセンサ31がロール紙P1を検知したか否かは、中間レジセンサ31が用紙の後端を検知したか否かによって決まる。より具体的には、カット紙P2が搬送されている場合、中間レジセンサ31は用紙を検知する状態から用紙を検知しない状態に切り替わる。このとき、中間レジセンサ31がカット紙P2の後端を検知した、すなわち、ロール紙P1を検知しないと判断する。一方で、ロール紙P1が搬送されている場合、中間レジセンサ31は用紙を検知する状態が維持される。このとき、中間レジセンサ31がカット紙P2の後端を検知しない、すなわち、ロール紙P1を検知したと判断する。
【0078】
中間レジセンサ31がロール紙P1を検知していないと判断した場合(S115:NO)、制御部10は、誤ってカット紙P2がセットされていたと判断し、搬送中のカット紙P2を排出する(ステップS116)。そして、制御部10は、カット紙P2の第2収容部11bからの取り除きを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させ(ステップS117)、上述したステップS104に進む。
【0079】
中間レジセンサ31がロール紙P1を検知したと判断した場合(S115:YES)、制御部10は、ドライバICを制御して所定パス分記録する(ステップS118)。
【0080】
続いて、制御部10は、同一用紙内に記録データが存在していないか否かを判断する(ステップS119)。同一用紙内に記録データが存在していると判断した場合(S119:NO)、ステップS110に戻る。同一用紙内に記録データが存在していないと判断した場合(S119:YES)、制御部10はロール紙P1を排出し(ステップS120)、印刷を終了する。
【0081】
上述のステップS101において、ロール紙検知部51が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知していないと判断した場合(S101:NO)、制御部10は、給送トレイ11にカット紙P2がセットされている又はロール紙P1とカット紙P2のいずれも収容されていないと判断する。そして、制御部10は、入力された印刷指示がカット紙P2であるか否か判断する(ステップS121)。
【0082】
印刷指示がカット紙P2でないと判断した場合(S121:NO)、制御部10は、給送トレイ11に収容された用紙が誤っていると判断し、カット紙P2の取り除きとロール体Rの収容及びロール紙P1の巻き出しを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS122)。
【0083】
続いて、制御部10は、不図示のセンサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したか否かを判断する(ステップS123)。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知したと判断した場合(S123:YES)、制御部10は報知部30による所定の報知を停止し(ステップS124)、ステップS101に戻る。なお、ここでいう所定の報知動作とは、ステップS122、後述するステップS128、S133のいずれかの報知動作のことである。センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知していないと判断した場合(S123:NO)、制御部10は、センサが給送トレイ11の筐体100aに対する挿抜を検知するまで、報知部30に所定の報知動作を継続させる。
【0084】
印刷指示がカット紙P2であると判断した場合(S121:YES)、制御部10は、給送モータを駆動して給送ローラ2によるカット紙P2の給送動作を開始する(ステップS125)。次に、制御部10は、給送ローラ2よりも搬送方向の下流側に配置された中間レジセンサ31がカット紙P2の前端を検知したか否かを判断する(ステップS126)。
【0085】
中間レジセンサ31がカット紙P2の前端を検知していないと判断した場合(S126:NO)、制御部10は、給送ローラ2の駆動量が所定閾値以上か否かを判断する(ステップS127)。ここで、所定閾値とは、カット紙P2の用紙無しを判定する所定の閾値であって、例えば予め設定されている。給送ローラ2の駆動量が所定閾値よりも小さいと判断した場合(S127:NO)、ステップS126に戻る。給送ローラ2の駆動量が所定閾値以上と判断した場合(S127:YES)、制御部10は、カット紙P2が正しくセットされていない又はロール体R及びカット紙P2の何れも収容されていないと判断し、カット紙P2のセットを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させる(ステップS128)。そして、上述したステップS123に進む。
【0086】
中間レジセンサ31がカット紙P2の前端を検知したと判断した場合(S126:YES)、制御部10は、給送モータ、中間モータ、搬送モータ及び排紙モータを制御してカット紙P2を所定量搬送させる(ステップS129)。続いて、制御部10は、中間レジセンサ31がカット紙P2を検知したか否かを判断する(ステップS130)。なお、制御部10は、カット紙P2の搬送を停止させてからステップS130を実行してもよく、カット紙P2の搬送中にステップS130を実行してもよい。
【0087】
中間レジセンサ31がカット紙P2を検知していないと判断した場合(S130:NO)、制御部10はカット紙P2の後端が中間レジセンサ31を通過したと判断する。そして、制御部10は、カット紙P2の未記録残存長さを算出し、当該未記録残存長さがこれから画像の記録を行うカット紙P2の記録必要長さよりも大きいか否かを判断する(ステップS131)。なお、本実施形態において算出されるカット紙P2の未記録残存長さは、例えば、中間レジセンサ31からヘッド5までの長さである。未記録残存長さが記録必要長さ以下の場合(S131:NO)、制御部10は、セットされたカット紙P2のサイズエラーと判断し、カット紙P2を排出する(ステップS132)。そして、制御部10は、カット紙P2のセットを報知する動作を報知動作として報知部30に実行させ(ステップS133)、上述したステップS123に進む。
【0088】
中間レジセンサ31がカット紙P2を検知したと判断した場合(S130:YES)、又は、未記録残存長さが記録必要長さよりも大きいと判断した場合(S131:YES)、制御部10はドライバICを制御して所定パス分記録する(ステップS134)。
【0089】
続いて、制御部10は、同一用紙内に記録データが存在していないか否かを判断する(ステップS135)。同一用紙内に記録データが存在していると判断した場合(S135:NO)、ステップS129に戻る。同一用紙内に記録データが存在していないと判断した場合(S135:YES)、制御部10はカット紙P2を排出し(ステップS136)、印刷を終了する。
【0090】
以上に述べたように、第2実施形態のプリンタは、ロール紙検知部51を含む。これにより、第1収容部11aにロール紙P1が収容されているか否かの検知結果に基づいて、ユーザが、シート状媒体が給送トレイの所定位置に適切に配置されているか否かを判別することができる。
【0091】
(変形例)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
【0092】
上記第1実施形態のプリンタ100は、ロール紙検知部51とカット紙検知部52と用紙有無検知部53とを含んでいる。また、上記第2実施形態のプリンタは、ロール紙検知部51、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53のうち、ロール紙検知部51のみを含んでいる。しかしながら、本発明にかかるプリンタは、ロール紙検知部51、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53のうち、いずれか1つのみ含んでいてもよく、いずれか2つの組み合わせを含んでいてもよい。例えば、プリンタは、ロール紙検知部51、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53のうち、カット紙検知部52と、用紙有無検知部53のみを含むものであってもよい。この場合、制御部10は、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53による検知結果に基づいて、報知動作を報知部30に実行させる。これによれば、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53の検知結果に基づいて、ユーザが、シート状媒体が給送トレイ11の所定位置に適切に配置されているか否かを判別することができる。
【0093】
また、ロール紙検知部51、カット紙検知部52及び用紙有無検知部53のうち、ロール紙検知部51と用紙有無検知部53のみを含んでいる構成のプリンタでは、ロール紙検知部51がロール紙P1を検出しなかった場合には、給送トレイ11にはカット紙P2が収容されている又はロール紙P1及びカット紙P2のいずれも収容されていないと判断される。この場合において、カット紙P2が正しくセットされているか否かの判断は、例えば、給送動作が開始された後に、給送ローラ2よりも搬送方向の下流側に配置された中間レジセンサ31がカット紙P2を検知したか否かによって行われる。
【0094】
本発明に係るプリンタにおいて、用紙有無検知部53が配置されていない場合、ロール紙P1又はカット紙P2が給送ローラ2の直下の位置に存在しているか否か、すなわち正しくセットされているか否かの判断は、例えば以下のように行われてもよい。例えば、給送トレイ11に収容されたロール体Rから巻き解かれたロール紙P1又はカット紙P2が、給送動作の開始後に給送ローラ2よりも搬送方向の下流側に配置された中間レジセンサ31に検知されるか否かによって、ロール紙P1又はカット紙P2が正しくセットされているか否かの判断が行われる。または、給送ローラ2の回転を駆動する給送モータ(不図示)に生じる電流を検知することで、ロール紙P1又はカット紙P2が正しくセットされているか否かの判断が行われてもよい。ロール紙P1又はカット紙P2が正しくセットされていない場合、給送ローラ2は給送トレイ11の底面と接触する。この場合、給送ローラ2は回転できずロックされ、給送モータには最大電流が生じる。このときの電流を検知することで、ロール紙P1又はカット紙P2が正しくセットされているか否かの判断を行うことが可能である。
【0095】
上記実施形態では、ロール紙検知部51、カット紙検知部52、用紙有無検知部53は、アクチュエータとフォトセンサとからなる。しかしながら、それぞれの検知部は、アクチュエータを有しておらず、発光素子と受光素子を有するフォトセンサであって、光線を用紙に照射することで用紙を直接検知するものであってもよい。この場合、発光素子と受光素子は、筐体に取り付けられている。また、用紙との接触によって押されたアクチュエータがスイッチ等に接触することで、用紙の有無を検知するセンサでもよい。
【0096】
上記実施形態では、用紙有無検知部53は、給送ローラ2の直下よりも搬送方向の下流側の位置にロール紙P1又はカット紙P2が存在しているか否かを検知するものである。しかしながら、用紙有無検知部53は、給送ローラ2の直下の位置にロール紙P1又はカット紙P2が存在しているか否かを検知するものであってもよい。
【0097】
上記第1実施形態及び第2実施形態では、給送トレイは筐体に対して前後方向に挿抜可能である。しかしながら、給送トレイは筐体に対して左右方向に挿抜可能な構成でもよい。
【0098】
本発明に係る画像形成装置は、プリンタ100の他に、複合機やコピー機などにも適用することもできる。また、プリンタは、インクジェット式に限らずレーザー式でもよい。さらに、本発明に係るシート状媒体は、用紙の他に、布やラベル等でもよい。
【0099】
上記第1実施形態において、制御部10は、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていないことを示すものであり、且つ、カット紙P2による検知結果が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていないことを示すものであり、且つ、用紙有無検知部53による検知結果が給送位置にシート状媒体が配置されていることを示すものである場合、給送位置に残存したロール紙P1の切れ端を給送トレイ11から除外する必要がある旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させるものでもよい。ロール体Rから巻き解かれるロール紙P1に印刷を行う場合、ロール紙P1は適当な長さに切断される。切断されたロール紙P1の切れ端が給送トレイ11に残存することがある。上記構成によれば、給送トレイ11に残存したロール紙P1の切れ端を検知することができる。そして、当該切れ端を除外する必要がある旨をユーザに報知することができる。なお、制御部10が、給送位置に残存したロール紙P1の切れ端を給送トレイ11から除外する必要がある旨を報知する動作を報知部30に実行させるタイミングは、給送トレイ11を筐体100aに挿入したときであってもよい。また、当該タイミングは、印刷指示を受信する前の任意のタイミングでもよく、印刷指示を受信した後でもよく、給送ローラ2による給送動作が開始した後でもよい。また、上記のすべてのタイミングで、制御部10が、給送位置に残存したロール紙P1の切れ端を給送トレイ11から除外する必要がある旨を報知する動作を報知部30に実行させてもよい。
【0100】
本発明において、制御部10は、シート状媒体に印刷を行う指示を受信する前に、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを示すものであり、且つ、カット紙検知部52による検知結果が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを示すものである場合、第2収容部11bに収容されているカット紙P2が給送される旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させるものでもよい。これによれば、ユーザは、シート状媒体に印刷を行う指示を受信する前に、給送ローラ2による給送時には第2収容部11bに収容されているカット紙P2が給送されることを把握することができる。このため、給送ローラ2による給送動作の開始前の段階で、第2収容部11bからシート状媒体を取り除く必要があるか否かを判断することができる。
【0101】
本発明において、制御部10は、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていないことを示すものであり、且つ、カット紙検知部52による検知結果が第2収容部11bにカット紙P2が収容されていないことを示すものである場合、第1収容部11a及び第2収容部11bいずれにもシート状媒体が収容されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させるものでもよい。これによれば、ユーザは、給送トレイ11にシート状媒体が配置されていないことを把握することができる。なお、制御部10が、第1収容部11a及び第2収容部11bいずれにもシート状媒体が収容されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させるタイミングは、給送トレイ11を筐体100aに挿入したときであってもよい。また、当該タイミングは、印刷指示を受信する前の任意のタイミングでもよく、印刷指示を受信した後でもよく、給送ローラ2による給送動作が開始した後でもよい。また、上記のすべてのタイミングで、制御部10が、第1収容部11a及び第2収容部11bいずれにもシート状媒体が収容されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させてもよい。
【0102】
本発明において、制御部10が、ロール紙検知部51による検知結果が第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを示すものであり、且つ、用紙有無検知部53による検知結果が給送位置にシート状媒体が配置されていないことを示すものである場合において、第1収容部11aに収容されているロール紙P1が給送位置に配置されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させるタイミングは、給送トレイ11を筐体100aに挿入したときであってもよい。また、当該タイミングは、印刷指示を受信する前の任意のタイミングでもよく、印刷指示を受信した後でもよく、給送ローラ2による給送動作が開始した後でもよい。また、上記のすべてのタイミングで、制御部10が、第1収容部11aに収容されているロール紙P1が給送位置に配置されていない旨を報知する動作を報知動作として報知部30に実行させてもよい。
【0103】
本発明の「検知結果が第1収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものでない場合」とは、ロール紙検知部51が直接、第1収容部11aにロール紙P1が収容されていないことを検知するような場合に限定されない。例えば、ロール紙検知部51が配置されていないプリンタにおいては、ロール紙検知部51以外の検知部の検知結果からは「第1収容部にシート状媒体が収容されていることを示す」とは言い切れないため、ロール紙検知部51以外の検知部の検知結果も、「第1収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものでない場合」に含まれる。
【0104】
本発明の「検知結果が第1収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものでない場合」とは、ロール紙検知部51が直接、第1収容部11aにロール紙P1が収容されていることを検知するような場合に限定されない。例えば、ロール紙検知部51が配置されていないプリンタにおいては、ロール紙検知部51以外の検知部の検知結果からは「第1収容部にシート状媒体が収容されていないことを示す」とは言い切れないため、ロール紙検知部51以外の検知部の検知結果も、「第1収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものでない場合」に含まれる。
【0105】
本発明の「検知結果が第2収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものでない場合」とは、カット紙検知部52が直接、第2収容部11bにカット紙P2が収容されていないことを検知するような場合に限定されない。例えば、カット紙検知部52が配置されていないプリンタにおいては、カット紙検知部52以外の検知部の検知結果からは「第2収容部にシート状媒体が収容されていることを示す」とは言い切れないため、カット紙検知部52以外の検知部の検知結果も、「第2収容部にシート状媒体が収容されていることを示すものでない場合」に含まれる。
【0106】
本発明の「検知結果が第2収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものでない場合」とは、カット紙検知部52が直接、第2収容部11bにカット紙P2が収容されていることを検知するような場合に限定されない。例えば、カット紙検知部52が配置されていないプリンタにおいては、カット紙検知部52以外の検知部の検知結果からは「第2収容部にシート状媒体が収容されていないことを示す」とは言い切れないため、カット紙検知部52以外の検知部の検知結果も、「第2収容部にシート状媒体が収容されていないことを示すものでない場合」に含まれる。
【0107】
本発明の「第1収容部に収容されるシート状媒体の給送トレイに対する配置に関する内容を報知する動作」には、ロール体Rからのロール紙P1の巻き出しを報知する動作、第1収容部11aにロール紙P1が収容されていない旨を報知する動作、第1収容部11aにロール紙P1を適切にセットする必要がある旨を報知する動作、ロール紙P1の切れ端を除外する必要がある旨を報知する動作、等が含まれる。
【0108】
本発明の「第2収容部に収容されるシート状媒体の給送トレイに対する配置に関する内容を報知する動作」には、カット紙P2を第2収容部にセットする必要がある旨を報知する動作、第2収容部11bにカット紙P2が収容されていない旨を報知する動作、第2収容部11bにカット紙P2を適切にセットする必要がある旨を報知する動作、等が含まれる。
【0109】
本発明に係る画像形成装置は、制御部10が、一又は複数の検知部による検知結果に基づいて、ある検知結果であれば報知部30に報知動作を実行させ、別の検知結果であれば報知部30に報知動作を実行させないよう制御するものを含む。
【0110】
上記実施形態のプリンタ100は、ロール紙P1を印刷する際に、カット紙P2が第2収容部11bに収容されている場合は、給送ローラ2によってロール紙P1を給送することができない構成である。しかしながら、本発明の画像形成装置は、ロール紙P1とカット紙P2とを異なる給送ローラによって異なる給送経路に給送する構成であってもよい。すなわち、この構成の場合、給送トレイにロール紙P1及びカット紙P2の両方が収容されている状態のとき、ロール紙P1とカット紙P2のそれぞれを給送可能である。このような構成であっても、制御部10は、給送トレイの所定位置にシート状媒体が配置されているか否かを検知可能な一又は複数の検知部の検知結果に基づいて、報知動作を報知部30に実行させる。
【符号の説明】
【0111】
2 給送ローラ
3a 搬出ローラ対
3b 排紙ローラ対
5 ヘッド(画像形成部)
9 中間ローラ対
11 給送トレイ
11a 第1収容部
11b 第2収容部
51 ロール紙検知部
52 カット紙検知部
53 用紙有無検知部
100 プリンタ
100a 筐体
P1 長尺の用紙
P1 ロール紙
P2 カット紙
R ロール体
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図9