(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183997
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】持込手荷物事前預け入れシステムおよび持込手荷物事前預け入れサービス方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091576
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 淳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】持込手荷物をスムーズに収納棚に収納することができる持込手荷物事前預け入れシステムおよび持込手荷物事前預け入れサービス方法を提供する。
【解決手段】実施形態の持込手荷物事前預け入れシステムは、個別情報記録部と、予約情報記録部と、予約受付部と、タグ発行部と、を持つ。個別情報記録部は、座席と機内において持込手荷物を収容可能な手荷物置場とを関連付けた配置情報を記録する。予約情報記録部は、前記手荷物置場の予約情報を記録する。予約受付部は、前記配置情報および前記予約情報に基づいて、利用者が予約可能な前記手荷物置場を提示して、前記手荷物置場の予約を受け付ける。タグ発行部は、前記予約受付部が受け付けた前記予約に基づいて、前記持込手荷物に取り付けるタグを発行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席と機内において持込手荷物を収容可能な手荷物置場とを関連付けた配置情報を記録する個別情報記録部と、
前記手荷物置場の予約情報を記録する予約情報記録部と、
前記配置情報および前記予約情報に基づいて、利用者が予約可能な前記手荷物置場を提示して、前記手荷物置場の予約を受け付ける予約受付部と、
前記予約受付部が受け付けた前記予約に基づいて、前記持込手荷物に取り付けるタグを発行するタグ発行部と、
を備える、
持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項2】
前記予約受付部は、前記利用者が使用する前記座席の近傍の前記手荷物置場を提示する、
請求項1に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項3】
前記個別情報記録部は、前記手荷物置場と、前記手荷物置場に収容可能な規定サイズの前記持込手荷物の個数と、を対応付けた手荷物置場情報をさらに記録し、
前記予約受付部は、前記手荷物置場に格納可能な前記持込手荷物の個数を提示する、
請求項1または請求項2に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項4】
前記個別情報記録部は、前記手荷物置場と、前記手荷物置場の収容可能容量と、を対応付けた手荷物置場情報をさらに記録し、
前記予約受付部は、前記手荷物置場における格納可能な空き容量を提示する、
請求項1または請求項2に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項5】
前記予約受付部は、前記収容可能容量に対して収容可能な規定サイズの前記持込手荷物の個数を算出して提示する、
請求項4に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項6】
前記タグ発行部は、前記座席を特定する座席番号および前記手荷物置場を特定する手荷物置場番号を前記タグに記載する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項7】
前記タグ発行部は、前記座席番号および手荷物置場番号が含まれる持込手荷物バーコードを、便番号が含まれるフライト指定バーコードとは独立して前記タグに記載する、
請求項6に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項8】
前記タグ発行部は、前記持込手荷物ではない受託手荷物に取り付けられるタグと区別しうる色やマークを前記タグに付する、
請求項6または請求項7に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項9】
前記タグは、情報を印字可能な材質からなるタグであり、
前記タグ発行部は、前記座席を特定する座席番号および前記手荷物置場を特定する手荷物置場番号を前記タグに印字する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項10】
前記タグは、情報を電子的に記録する電子タグであり、
前記タグ発行部は、前記座席を特定する座席番号および前記手荷物置場を特定する手荷物置場番号を前記タグに記録させる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項11】
前記持込手荷物の積込完了を検出する積込管理部をさらに有する、
請求項6に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項12】
前記積込管理部は、受信した画像から、前記タグに記載された手荷物置場番号と、前記手荷物置場に付された手荷物置場番号と、を認識することにより、前記持込手荷物の積込の完了を検出する、
請求項11に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項13】
前記積込管理部は、前記手荷物置場番号と前記手荷物置場番号とを画像認識により検出する、
請求項11に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項14】
前記積込管理部は、前記持込手荷物の積込完了を前記利用者に通知する、
請求項11に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項15】
前記積込管理部は、前記予約情報に基づいて、前記持込手荷物の積込を積込作業者に指示する、
請求項11に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項16】
前記予約受付部からの要求に応じて、前記予約情報を更新する予約処理部をさらに有する、
請求項11から請求項15のいずれか一項に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項17】
前記予約処理部は、前記積込管理部からの要求に応じて、前記予約情報における持ち込み手荷物ステータスを更新する、
請求項16に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項18】
前記予約処理部は、受け付けた前記持込手荷物の数に応じた従量手数料をシステム使用料として算出する、
請求項16に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項19】
前記予約処理部は、積み込んだ前記持込手荷物の数に応じた従量手数料を積込手数料として算出する、
請求項16に記載の持込手荷物事前預け入れシステム。
【請求項20】
座席と機内において持込手荷物を収容可能な手荷物置場とを関連付けた配置情報を取得する配置情報取得ステップと、
前記手荷物置場の予約情報を取得する予約情報取得ステップと、
前記配置情報および前記予約情報に基づいて、利用者が予約可能な前記手荷物置場を提示して、前記手荷物置場の予約を受け付ける予約受付ステップと、
前記予約受付ステップが受け付けた前記予約に基づいて、前記持込手荷物に取り付けるタグを発行するタグ発行ステップと、
を備える、
持込手荷物事前預け入れサービス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、持込手荷物事前預け入れシステムおよび持込手荷物事前預け入れサービス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機や電車などを運行する交通機関が提供する受託手荷物(お預け手荷物)を管理するシステムやサービスが知られている。例えば、航空機を運行する航空会社は、利用者が出発空港において手荷物を預け入れ、到着空港において手荷物を受け取る受託手荷物管理サービスを提供している。
【0003】
一方、使用者は、機内に持込可能な手荷物(持込手荷物)を、出発空港において預け入れずに機内に持ち込むことができる。使用者は、手荷物を預け入れずに機内に持ち込むことにより、手荷物の預け入れや受け取りに要する手間や時間を削減できる。
【0004】
使用者が持込手荷物を機内に持ち込む場合、手荷物検査場の混雑や、利用者自らが持込手荷物を機内の収納棚に収納する作業に起因する混雑が発生していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、持込手荷物をスムーズに収納棚に収納することができる持込手荷物事前預け入れシステムおよび持込手荷物事前預け入れサービス方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の持込手荷物事前預け入れシステムは、個別情報記録部と、予約情報記録部と、予約受付部と、タグ発行部と、を持つ。個別情報記録部は、座席と機内において持込手荷物を収容可能な手荷物置場とを関連付けた配置情報を記録する。予約情報記録部は、前記手荷物置場の予約情報を記録する。予約受付部は、前記配置情報および前記予約情報に基づいて、利用者が予約可能な前記手荷物置場を提示して、前記手荷物置場の予約を受け付ける。タグ発行部は、前記予約受付部が受け付けた前記予約に基づいて、前記持込手荷物に取り付けるタグを発行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の持込手荷物事前預け入れシステムの構成図。
【
図2】航空会社の管理システムから取得した運行情報。
【
図4】
図3に示す飛行機の座席と収納棚の配置情報の一例を示す図。
【
図7】持込手荷物事前預け入れサービスの概要を示す図。
【
図8】リモート受付装置による予約サービスフローチャート。
【
図9】
図8に示すステップS140における収容棚Cの予約の受付を詳細に説明するフローチャート。
【
図11】有人受付装置による預入サービスのフローチャート。
【
図14】積込管理部による積込サービスのフローチャート。
【
図16】引渡管理部による引渡サービスのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の持込手荷物事前預け入れシステムおよび持込手荷物事前預け入れサービス方法を、図面を参照して説明する。以下の実施形態では、交通機関が飛行機である場合における持込手荷物事前預け入れシステム等を一例として説明する。
【0010】
図1は、実施形態の持込手荷物事前預け入れシステム100の構成図である。
持込手荷物事前預け入れシステム100は、飛行機の利用者Uに持込手荷物事前預け入れサービスを提供するシステムである。持込手荷物事前預け入れシステム100は、有人受付装置110と、無人受付装置120と、リモート受付装置130と、持込手荷物管理装置140と、を備える。持込手荷物事前預け入れシステム100は、航空会社が管理する管理システム400と通信可能に接続されている。
【0011】
有人受付装置110、無人受付装置120、リモート受付装置130、および持込手荷物管理装置140は、例えば、CPU等のプロセッサと、メモリと、ハードディスクなどの記録媒体と、通信装置と、入出力装置等を搭載したコンピュータを備える。各装置の機能は、コンピュータがプログラムを実行することにより実現される。
【0012】
以降の説明において、出発空港において預け入れて到着空港において受け取る手荷物「受託手荷物(お預け手荷物)」といい、飛行機の機内の収容棚Cに収容する手荷物を「持込手荷物B」という。収容棚Cは、機内における「手荷物置場」の一例である。
【0013】
有人受付装置110は、収容棚Cの予約および持込手荷物Bの預け入れを受け付ける装置である。有人受付装置110は、出発空港において航空会社が設置する有人受付に設置される装置である。有人受付装置110は、有人受付において座席予約や受託手荷物の受付を実施する有人受付装置D1と一体に設けられていてもよい。以降の説明において、有人受付装置110は、有人受付装置D1と一体に設けられているとする。
【0014】
有人受付装置110は、収容棚Cの予約を受け付ける予約受付部1と、持込手荷物Bに取り付けるタグTを発行するタグ発行部2と、持込手荷物Bの預け入れを受け付ける預入受付部3と、を備える。
【0015】
無人受付装置120は、収容棚Cの予約および持込手荷物Bの預け入れを受け付ける装置である。無人受付装置120は、出発空港において航空会社が設置する無人受付に設置される装置である。無人受付装置120は、無人受付におけるチェックイン装置や受託手荷物の受付を実施する無人装置D2(バゲッジドロップなど)と一体に設けられていてもよい。以降の説明において、無人受付装置120は、無人受付装置D2と一体に設けられているとする。
【0016】
無人受付装置120は、有人受付装置110と同様に、収容棚Cの予約を受け付ける予約受付部1と、持込手荷物Bに取り付けるタグTを発行するタグ発行部2と、持込手荷物Bの預け入れを受け付ける預入受付部3と、を備える。
【0017】
リモート受付装置130は、利用者Uの通信端末TとネットワークNWを経由して接続さ、収容棚Cの予約を受け付ける装置である。リモート受付装置130は、利用者Uからの電話連絡による指示に応じて、旅行代理店等のオペレータが操作する装置であってもよい。
【0018】
リモート受付装置130は、収容棚Cの予約を受け付ける予約受付部1を有する。
【0019】
使用者Uがリモート受付装置130を用いて収容棚Cの予約を行った場合、利用者Uは出発空港に到着後において、有人受付装置110または無人受付装置120において発行されたタグTを持込手荷物Bに取り付け、有人受付装置110または無人受付装置120において持込手荷物Bの預け入れを行う。
【0020】
持込手荷物管理装置140は、持込手荷物Bを管理する装置である。持込手荷物管理装置140は、有人受付装置110、無人受付装置120、およびリモート受付装置130からの収容棚Cの予約要求に応じて、収容棚Cの予約(予約情報の更新)を行う。
【0021】
持込手荷物管理装置140は、収容棚Cの予約を管理する予約管理部4と、連携管理部5と、積込管理部6と、備える。
【0022】
図2は、航空会社の管理システム400から取得した運行情報である。
運行情報は、航空会社が運航する飛行(フライト)ごとの情報であって、日付と、便番号(フライトナンバー)と、飛行機の機種と、出発地と、到着地と、出発時刻と、到着時刻と、を関連付けた情報である。なお、「飛行(フライト)」は、航空会社と日付と便番号(フライトナンバー)とから一意に特定される。持込手荷物管理装置140は、運行情報を管理システム400から取得して参照することにより、例えば、日付と便番号(フライトナンバー)から飛行機の機種番号を特定できる。
【0023】
予約管理部4は、個別情報記録部41と、予約情報記録部42と、予約処理部44と、を有する。
【0024】
図3は、飛行機の座席Sと収納棚Cの一例を示す図である。
個別情報記録部41は、飛行機の機種ごとの情報を記録する。具体的には、個別情報記録部41は、
図3に例示する座席Sと収納棚Cに関する配置情報と収容棚情報とを記録する。飛行機の機種が同じであっても飛行(フライト)ごとに配置情報と収容棚情報が異なる場合、個別情報記録部41は飛行(フライト)ごとに配置情報と収容棚情報を記録することもできる。
【0025】
図4は、
図3に示す飛行機の座席Sと収納棚Cの配置情報の一例を示す図である。
配置情報は、飛行機の機種ごとの情報であって、座席Sと収容棚Cとを関連付けた情報である。
図4に例示する配置情報は、機種番号と、座席Sを特定する座席番号と、収容棚Cを特定する収容棚番号と、が対応付けられたテーブルデータである。座席番号と同じエントリ(ロウ)に記載された収容棚番号は、当該座席番号が特定する座席Sの近傍にある収容棚Cを示す。
【0026】
配置情報には、同じ座席番号に対して異なる収容棚番号が記載された複数のエントリが含まれる。すなわち、配置情報において、一つの座席Sに対して近傍の収容棚Cが複数含まれ得る。
【0027】
ここで、飛行機の機種とは、座席S(座席の配置や大きさ)のコンフィグレーションの種別を含む。すなわち、飛行機の機体が同じであっても、座席Sのコンフィグレーションが異なる場合、飛行機の機種は異なる。
【0028】
図5は、収容棚情報の一例を示す図である。
収容棚情報(手荷物置場情報)は、収容棚Cの収容可能容量や収容可能な持込手荷物Bの個数等の情報である。
図5に例示する収容棚情報は、機種番号と、収容棚Cを特定する収容棚番号と、収容棚Cの収容可能容量と、収容棚Cに収容可能な規定サイズの持込手荷物Bの個数と、が対応付けられたテーブルデータである。収容棚情報は、故障中の収容棚Cや航空会社が利用者Uへの使用を許可しない収容棚Cなどの収容棚Cのステータスが反映されたデータである。
【0029】
なお、収容棚Cの収容可能容量は、収容棚Cの実際の容量であってもよいし、航空会社ごとに設定された収容棚Cの予約可能な容量(実際の容量>予約可能な容量)であってもよい。収容棚Cの予約可能な容量を実際の容量より少なく設定することにより、予約された持込手荷物Bのみで収容棚Cが埋まってしまい、他の利用者Uが座席Sの近くの収容棚Cを使用できなくなることを防止できる。同様に、収容棚Cに収容可能な規定サイズの持込手荷物Bの個数は、収容棚Cに実際に収容可能な規定サイズの持込手荷物Bの個数であってもよいし、当該個数より少ない個数であってもよい。
【0030】
図6は、予約情報の一例を示す図である。
予約情報記録部42は、収容棚Cの予約情報と、予約情報に関連する顧客情報と、を記録する。
図6に例示する予約情報は、便番号と、機種番号と、収容棚Cを特定する収容棚番号と、利用者Uが予約している席番号と、予約番号と、利用者の顧客番号と、予約した持込手荷物Bの個数(予約個数)と、持込手荷物Bのステータスを示す持込手荷物ステータスと、利用者Uへの通知のステータスを示す通知ステータスと、が対応付けられたテーブルデータである。予約情報のエントリは、収容棚Cが予約されるごとに追加される。なお、予約情報における「顧客」とは、収容棚Cの予約を行った利用者Uをいう。予約情報における「顧客番号」は、収容棚Cの予約を行った利用者Uに付される番号である。
【0031】
予約処理部44は、予約受付部1および預入受付部3からの要求に応じて、配置情報、収容棚情報および予約情報を予約受付部1および預入受付部3に提供する。また、予約処理部44は、予約受付部1からの要求に応じて、予約情報を更新する。
【0032】
連携管理部5は、航空会社が管理する管理システム400と、通信可能に接続されている。管理システム400は、従来から航空会社が使用している既存システムであり、座席予約を管理する座席予約管理システム200と、受託手荷物を管理する受託手荷物管理システム300と、マイレージサービスなどの航空会社が提供するサービスに登録された利用者(会員)の会員情報を記録する会員情報記録部250と、を備える。
【0033】
積込管理部6は、持込手荷物Bが収容棚Cに収容されたことを管理する。積込管理部6は、利用者Uおよび積込作業者Wの通信端末TとネットワークNWを経由して接続されている。
【0034】
以降、持込手荷物事前預け入れシステム100による持込手荷物事前預け入れサービスに関して具体的に説明する。
【0035】
図7は、持込手荷物事前預け入れサービスの概要を示す図である。
持込手荷物事前預け入れサービスは、予約サービスS1と、預入サービスS2と、積込サービスSと、を少なくとも一つ含む。
【0036】
<予約サービスS1>
持込手荷物事前預け入れシステム100による予約サービスS1について説明する。
図8は、リモート受付装置130による予約サービスS1のフローチャートである。
【0037】
リモート受付装置130の予約受付部1は、利用者Uや利用者からの電話連絡を受けたコールセンタからの受付要求に応じて、ステップS100からステップS110に遷移して受付処理を開始する。
【0038】
予約受付部1は、ステップS110において、利用者Uが飛行機の座席Sの予約が必要であることを示す入力を受け付ける。予約受付部1は、利用者Uが飛行機の座席Sの予約が必要である場合、次にステップS120を実施する。予約受付部1は、利用者Uが飛行機の座席Sの予約が必要でない場合、次にステップS130を実施する。
【0039】
予約受付部1は、ステップS120において、座席予約管理システム200と連携して利用者Sが希望した座席Sを予約する。予約受付部1は、次にステップS130を実施する。
【0040】
予約受付部1は、ステップS110からステップS120において、座席予約管理システム200から利用者Uが予約した飛行(フライト)と座席Sの情報を取得する。
【0041】
予約受付部1は、ステップS130において、利用者Uが持込手荷物Bの預け入れが必要であることを示す入力を受け付ける。予約受付部1は、例えば予約受付部1が備えるタッチディスプレイを介して、持込手荷物Bを預け入れる意向や持込手荷物Bのサイズや個数を利用者Uから取得する。なお、持込手荷物Bのサイズや個数が航空会社の規定するサイズや個数を超える場合、予約受付部1は持込手荷物Bが規定するサイズや個数を超えている旨を通知してステップS190を実施して受付処理を終了する。
【0042】
予約受付部1は、利用者Uが持込手荷物Bの預け入れが必要である場合、次にステップS140を実施する。予約受付部1は、利用者Uが持込手荷物Bの預け入れが必要でない場合、次にステップS190を実施して、受付処理を終了する。
【0043】
予約受付部1は、ステップS140において、収容棚Cの予約を受け付ける。
図9は、
図8に示すステップS140における収容棚Cの予約の受付を詳細に説明するフローチャートである。
【0044】
予約受付部1は、ステップS141において、利用者Uが予約した飛行(フライト)の情報に基づいて、管理システム400から取得した運行情報から飛行(フライト)に使用される飛行機の機種を特定する。また、予約受付部1は、ステップS141において、予約管理部4の予約処理部44と通信して、利用者Uが予約した飛行(フライト)に使用される飛行機の機種に対応する配置情報および収容棚情報を個別情報記録部41から取得する。予約受付部1は、次にステップS142を実施する。
【0045】
予約受付部1は、ステップS142において、予約管理部4の予約処理部44と通信して、利用者Uが予約した飛行(フライト)に対応する予約情報を予約情報記録部42から取得する。予約受付部1は、次にステップS143を実施する。
【0046】
予約受付部1は、ステップS143において、取得した配置情報、収容棚情報および予約情報に基づいて、予約可能な収容棚Cを選定して、予約可能な収容棚Cを利用者Uに提示する。予約受付部1は、例えば予約受付部1が備えるタッチディスプレイを介して予約可能な収容棚Cを利用者Uに提示する。なお、予約可能な収容棚Cの選定は、予約管理部4の予約処理部44が実施してもよい。
【0047】
図10は、予約可能な収容棚Cの提示例を示す図である。
図10に示す例において、利用者Uが予約した座席番号「3B」の座席Sは、強調表示されている。予約可能な収容棚Cには数字が記載されており、記載された数字は予約可能な持込手荷物Bの個数を示している。予約可能な持込手荷物Bの個数は、収容棚情報の収容可能個数から、予約済みの持込手荷物Bの個数を差し引くことで算出される。数字が記載されていない収容棚Cは、予約ができないことを示している。
【0048】
予約受付部1が、利用者Uに対して予約可能な収容棚Cの個数を提示せず、収容棚Cが予約済みかどうかのみを提示する場合、収容棚情報は必要ない。すなわち、予約受付部1は、配置情報および予約情報を取得できれば、予約可能な収容棚Cを利用者Uに提示できる。
【0049】
予約受付部1は、予約可能な収容棚Cを予約可能な持込手荷物Bの個数と共に一覧表示してもよい。予約受付部1は、例えば、予約した座席Sに近い順または棚番号の昇順に、予約可能な収容棚Cを一覧表示する。予約受付部1は、予約した座席Sの上部の棚を取得し、強調表示(マークの添付や色識別など)する。また、予約受付部1は、収容棚Cから予約した座席Sまでの距離(列数など)を、予約可能な収容棚Cと共に表示してもよい。
【0050】
予約受付部1は、予約可能な「規定サイズ」の持込手荷物Bの個数ではなく、収容棚Cにおいて開いているスペース(未収容スペース)の体積や面積を提示してもよい。例えば、予約受付部1は、収容棚情報の収容可能容量から、予約済み持込手荷物Bの容積を差し引いた収容棚Cの空き容積を利用者Uに提示してもよい。
【0051】
予約受付部1は、予約が完了していない他の利用者が持込手荷物Bを収容できるように、所定の基準に基づいて、予約可能な収容棚Cの一部を利用者Uに提示しなくてもよい。
【0052】
予約受付部1は、
図10に示すように、予約可能な収容棚Cであって、利用者Uが予約した座席の近傍の収容棚Cを提示する。利用者Uは、利用する座席Sの近傍の収容棚Cの中から予約する収容棚Cを選択できる。予約受付部1は、次にステップS144を実施する。
【0053】
予約受付部1は、ステップS144において、利用者Uから予約する収容棚Cを受け付ける。予約受付部1は、例えば予約受付部1が備えるタッチディスプレイを介して予約する収容棚Cを利用者Uから受け付ける。予約する収容棚Cは複数個であってもよい。予約受付部1は、収容棚Cの受付に合わせて、クレジットカード等の電子決済により持込手荷物Bの料金を収受してもよい。予約受付部1は、次にステップS145を実施する。
【0054】
予約受付部1は、ステップS145において、携帯電話番号を含む顧客情報を受け付ける。受付された顧客情報は、予約情報記録部42に記録される。予約情報記録部42に記録された予約情報と顧客情報とは、顧客番号により対応付けられる。利用者Uがマイレージサービスなどの航空会社が提供するサービスの会員でない場合、利用者Uからの携帯電話番号など通知に必要な情報を受け付ける。利用者Uがマイレージサービスなどの航空会社が提供するサービスの会員である場合、利用者Uからの携帯電話番号の受付は必須ではなく、予約受付部1は予約情報と会員情報記録部250が記録する会員情報とを直接対応付けてもよい。次にステップS146を実施する。
【0055】
予約受付部1は、ステップS146において、予約管理部4の予約処理部44と通信して、予約情報を更新する。具体的には、予約受付部1は、ステップS144にて受け付けた予約に関する情報を、予約情報記録部42の予約情報に追加する。また、予約受付部1は、受け付けた予約に該当するエントリにおける持込手荷物ステータスを「予約済み」に変更する。有人受付装置110は、次にステップS190を実施する。
【0056】
予約受付部1は、予約した座席や予約した収容棚Cの情報が含まれるEチケットなどを発行する。または、既存システムで発行するEチケットなどへ収容棚Cの情報を含めてもよい。予約受付部1は、次にステップS190を実施して、受付処理を終了する。なお、利用者Uは、上述した
図8に示すフローチャートにおけるいずれのステップにおいても、収容棚Cの予約を行わないことを選択できる。
【0057】
予約受付部1は、座席予約管理システム200と連携して、座席Sの予約の受付と収容棚Cの予約の受付とを連携させてもよい。例えば、予約受付部1は、利用者Uに予約可能な座席Sに合わせて、予約可能な収容棚Cを提示してもよい。利用者Uは、予約可能な収容棚Cの近傍の座席Sを優先して予約できる。
【0058】
<預入サービスS2>
次に、持込手荷物事前預け入れシステム100による預入サービスS2について説明する。
図11は、有人受付装置110による預入サービスS2のフローチャートである。なお、無人受付装置120のフローチャートは、航空会社のオペレータではなく利用者Uにより操作させる点を除いて、有人受付装置110のフローチャートと同じである。
【0059】
有人受付装置110は、利用者Uからの受付要求に応じて、ステップS100からステップS111に遷移して受付処理を開始する。
【0060】
有人受付装置110の予約受付部1は、ステップS111において、座席予約管理システム200と連携して、搭乗券やEチケットに基づいて利用者Uのチェックインを受け付ける。有人受付装置110は、次にステップS130を実施する。
【0061】
予約受付部1は、ステップS130において、上述したリモート受付装置130の予約受付部1と同様に、利用者Uが持込手荷物Bの預け入れが必要であることを示す入力を受け付ける。予約受付部1は、例えば予約受付部1が備えるタッチディスプレイを介して、持込手荷物Bを預け入れる意向や持込手荷物Bのサイズや個数を利用者Uから取得する。なお、持込手荷物Bのサイズや個数が航空会社の規定するサイズや個数を超える場合、予約受付部1は持込手荷物Bを預け入れることができない旨を通知してステップS190を実施して受付処理を終了する。
【0062】
なお、利用者Uがゲート前や特定の手荷物受け渡し場所での持込手荷物Bの預入を希望する場合、予約受付部1は持込手荷物Bの預入場所などの情報を利用者Uから取得して、ゲート前や特定の手荷物預入場所での持込手荷物Bの預入を受け付けることも可能とし、次にステップS150を実施する。また、利用者Uが予約した飛行(フライト)の持込手荷物Bの預け入れ可能時刻を過ぎている場合、持込手荷物Bを預け入れることができないため、予約受付部1は持込手荷物Bを預け入れることができない旨を通知して次にステップS190を実施して受付処理を終了する。
【0063】
予約受付部1は、利用者Uが持込手荷物Bの預け入れが必要である場合、次にステップS131を実施する。予約受付部1は、利用者Uが持込手荷物Bの預け入れが必要でない場合、次にステップS190を実施して、受付処理を終了する。
【0064】
予約受付部1は、ステップS131において、利用者Uの収容棚Cの予約の有無を示す入力を受け付ける。予約受付部1は、利用者Uによる利用者Uの収容棚Cの予約が済んでいない場合、次にステップS140を実施する。予約受付部1は、利用者Uによる利用者Uの収容棚Cの予約が済んでいる場合、次にステップS150を実施する。
【0065】
予約受付部1は、ステップS140において、予約サービスS1のステップS140と同様に、収容棚Cの予約を受け付ける。予約受付部1は、有人受付装置110にて収容棚Cの予約を受け付ける場合、例えば予約した座席Sの頭上の収容棚Cなど、予約できる収容棚Cを限定してもよい。これにより、利用者Uによる事前の収容棚Cの予約を促進できる。
【0066】
他の利用者による収容棚Cの予約のキャンセルが発生している場合、利用者Uの予約した座席Sより利用者の希望に合った収容棚C(より近い収容棚Cやより広い収容棚Cなど)が予約可能であるときがある。この場合、予約受付部1は、利用者Uが予約した収容棚Cに代えて予約することを推奨する収容棚Cを利用者Uに案内してもよい。利用者Uは、予約した座席Sより希望に合った収容棚Cを予約できる。
【0067】
予約受付部1は、ステップS150において、持込手荷物Bの料金またはゲート前や特定の手荷物預入場所で預け入れられる持込手荷物Bの料金を利用者Uに要求する。予約受付部1は、予約サービスS1において収容棚Cの予約がされている場合であっても、持込手荷物Bの料金を収受していない場合は、持込手荷物Bの料金を利用者Uに要求する。予約受付部1は、持込手荷物Bの料金またはゲート前や特定の手荷物預入場所で預け入れられる持込手荷物Bの料金の収受を確認した後、ステップS160を実施する。
【0068】
有人受付装置110のタグ発行部2は、ステップS160において、タグTを発行する。
図12はタグTの一例を示す図である。タグTには、フライト指定情報D1と、フライト指定バーコードC1と、持込手荷物情報D2と、持込手荷物バーコードC2と、持込手荷物マークMと、が記載される。タグTの材質は紙の他、プラスチックなど印字可能なものであればなんでも良い。
【0069】
フライト指定情報D1は、持込手荷物Bが収容される飛行(フライト)を特定する情報であり、日付と便番号と出発地と到着地を含む。フライト指定情報D1は、受託手荷物(お預け手荷物)に取り付けられるタグに記載される情報と同じである。
【0070】
フライト指定バーコードC1は、フライト指定情報D1をバーコード化したものである。フライト指定情報D1は、一次元バーコードでもよく、二次元バーコードでもよく、他の形式のコードであってもよい。
【0071】
持込手荷物情報D2は、持込手荷物Bが収容される収容棚Cを特定する情報であり、収容棚番号と座席番号とを含む。タグTには収容棚番号に加えて座席番号が記載される。そのため、飛行機のCA等は、タグTが取り付けられた持込手荷物Bが、どの座席Sに座る利用者Uが持ち込んだ荷物であるかを判別できる。なお、利用者Uがゲート前や特定の手荷物預入所での持込手荷物Bの預入を希望する場合、持込手荷物情報D2は持込手荷物Bの預入場所を特定する情報(例えばゲート番号や特定の手荷物預入場所)を含む。
【0072】
持込手荷物バーコードC2は、持込手荷物情報D2をバーコード化したものである。
図11に例示する持込手荷物バーコードC2は、二次元バーコードである。バーコードD2は、持込手荷物Bの受け渡し場所、顧客番号などの個人情報に関連する暗号化された情報を含んでもよい。これらの個人情報は、タグTには視認可能な文字として印字されずバーコードとして記載される。そのため、例えば第三者がタグTを見た場合であっても、第三者は持込手荷物Bを所有する利用者Uの個人情報を特定しにくい。なお、利用者Uがゲート前や特定の手荷物預入場所での持込手荷物Bの預入を希望する場合、持込手荷物バーコードC2は持込手荷物Bの預入場所を特定する情報(例えばゲート番号や特定の手荷物預入場所)を含む。
【0073】
持込手荷物マークMは、受託手荷物(お預け手荷物)に取り付けられるタグと区別しやすくするために付されるマークである。
図11に例示する持込手荷物マークMは、漢字で「手」と記載されており、一見して受託手荷物(お預け手荷物)ではなく持込手荷物Bであると区別できる。
【0074】
タグTは、受託手荷物(お預け手荷物)に取り付けられるタグと異なる色が付されていてもよい。例えば、受託手荷物(お預け手荷物)に取り付けられるタグが白色の場合、持込手荷物Bに取り付けられるタグTが赤色であってもよい。受託手荷物(お預け手荷物)と持込手荷物Bの区別が容易になる。
【0075】
タグTは、無線タグなどの電子的にデータを保存して送受信を行える電子タグであってもよい。その場合、タグ発行部2は電子タグにフライト指定情報D1および持込手荷物情報D2を送信して保存させる。
【0076】
有人受付装置110は、タグTの発行後、次にステップS170を実施する。利用者Uは、発行されたタグTを預け入れる持込手荷物Bに取り付ける。利用者Uは、タグTの半券を控えとして保持する。
【0077】
有人受付装置110は、ステップS170において、持込手荷物Bの預け入れを受け付ける。預入受付部3は、例えば予約受付部1が備えるバーコード読み取り装置を介して持込手荷物Bに取り付けたタグTのフライト指定バーコードC1および持込手荷物バーコードC2を読み込むことにより、持込手荷物Bの預け入れを受け付ける。預入受付部3は、予約管理部4の予約処理部44と通信して、預け入れられた持込手荷物Bに該当するエントリにおける持込手荷物ステータスを「預入済み」に変更する。有人受付装置110は、次にステップS190を実施して、受付処理を終了する。
【0078】
図13は、持込手荷物Bの預入受付後の処理を示す図である。
預け入れが受付された持込手荷物Bは、受託手荷物(お預け手荷物)と同様に、ベルトコンベアBCにより検査場に運ばれる。持込手荷物Bの開口部は、開閉を確認可能なシールSLで封止される。封止するシールSLにも便番号と収容棚番号と座席番号が印字されていてもよい。第三者による持込手荷物Bに対する不正を抑止できる。
【0079】
持込手荷物Bは、検査場における検査を経た後、積込作業者Wに届けられる。積込作業者Wに届けられた持込手荷物Bは、フライト指定バーコードC1および持込手荷物バーコードC2がスキャンされて、コンテナに積み込まれる受託手荷物(お預け手荷物)と確実に区別される。そのため、受託手荷物(お預け手荷物)と持込手荷物Bとを間違える誤配の発生を防止できる。
【0080】
<積込サービスS3>
次に、持込手荷物事前預け入れシステム100による積込サービスS3について説明する。
図14は、積込管理部6による積込サービスS3のフローチャートである。
【0081】
積込作業者Wは、届けられた持込手荷物Bを、タグTに記載された情報より指定された便における収容棚Cに収容する。積込作業者Wは、予約された収容棚Cに持込手荷物Bを収容した後、通信端末Tを介して積込管理部6に対して積込完了を通知する。
【0082】
積込管理部6は、積込作業者Wからの通知に応じて、ステップS200からステップS210に遷移して処理を開始する。
【0083】
積込管理部6は、ステップS210において、出発時刻が近付いた飛行(フライト)に積み込まれる持込手荷物Bの積込を行う積込作業者Wに対して、持込手荷物Bの積込を指示する。積込指示は、専用のアプリケーションを用いた通知方法でもよいし、メールを用いた通知方法でもよい。積込管理部6は、次にステップS220を実施する。
【0084】
積込管理部6は、ステップS220において、積込作業者Wの通信端末Tからの積込完了通知から、予約された収容棚Cへの持込手荷物Bの積込完了を検出する。積込完了通知は、専用のアプリケーションを用いた通知方法でもよいし、積込作業者Wが通信端末Tで撮影した写真を送付する通知方法でもよい。
【0085】
図15は、積込作業者Wが撮影した写真例を示す図である。
積込作業者Wが通信端末Tで撮影した写真を送付する通知方法では、積込作業者Wが撮影した写真には、積み込んだ持込手荷物Bと、予約された収容棚Cの近傍に表示された座席番号SCと、タグTと、が含まれている。積込管理部6は、受信した画像(写真、動画)から画像認識により座席番号SCとタグTを認識することにより、予約された収容棚Cへの持込手荷物Bの積込完了を検出する。このとき、専用のアプリケーションを用いた通知方法では、積込作業者Wが積込完了に関する必要情報を手入力により入力して通知してもよい。なお、飛行機が、座席番号SCの代わりに、座席番号SCを示すバーコード等を備える場合は、座席番号SCの代わりにバーコードを撮影してもよい。積込管理部6は、次にステップS230を実施する。
【0086】
積込管理部6は、ステップS230において、予約管理部4の予約処理部44と通信して、積み込まれた持込手荷物Bに該当するエントリにおける持込手荷物ステータスを「積込済み」に変更する。利用者Uや飛行機のCA等は、持込手荷物ステータスを照会することで、持込手荷物Bのステータスを確認できる。積込管理部6は、次にステップS240を実施する。
【0087】
積込管理部6は、ステップS240において、収容棚Cの予約の受付時(ステップS144)に取得した顧客情報に基づいて、持込手荷物Bの積込完了を利用者Uに通知する。積込管理部6は、例えば顧客情報に含まれる携帯電話番号に基づいて、利用者Uに積込完了を通知するショートメッセージを送信する。利用者Uがマイレージサービスなどの航空会社が提供するサービスの会員である場合、積込管理部6は登録されたEメールアドレスに対して積込完了を通知するEメールを送信する。利用者Uは、持込手荷物Bの積込完了をタイムリーに知ることができる。持込手荷物Bが何らかの事情により予約された収容棚Cに積み込まれず他の収容棚Cに積み込まれる場合がある。例えば、収容棚Cが故障しているときや持込手荷物Bが予約時に申請したサイズより大きいときなどにおいて他の収容棚Cに積み込まれる場合がある。この場合であっても、利用者Uは持込手荷物Bが実際に積み込まれた収容棚Cの場所を知ることができ、持込手荷物Bを手間なく確実に回収できる。積込管理部6は、次にステップS250を実施して、処理を終了する。
【0088】
持込手荷物事前預け入れシステム100の予約処理部44は、持込手荷物事前預け入れサービスを提供する航空会社に対する使用手数料を決定する。持込手荷物事前預け入れシステム100は、例えば、基本手数料に加え、受け付けた持込手荷物Bの数に応じた従量手数料を航空会社に請求する使用手数料としてもよい。そうすることで繁忙期と閑散期での持込手荷物量の増減に合わせた手数料の支払いも可能になり航空会社にとってコスト合理化が可能となる。
【0089】
持込手荷物Bの積込作業は、航空会社が行わなくてもよい。持込手荷物Bの積込作業は、例えば飛行機の清掃作業等を請け負っている企業等が行ってもよい。この場合、持込手荷物事前預け入れシステム100の予約処理部44は、持込手荷物事前預け入れサービスを提供する航空会社に対する積込手数料を決定する。持込手荷物事前預け入れシステム100は、例えば、基本手数料に加え、受け付けた持込手荷物Bの数に応じた従量手数料を航空会社に請求する積込手数料としてもよい。
【0090】
<引渡サービスS4>
持込手荷物事前預け入れシステム100は、さらに引渡管理部を備え、預け入れられた持込手荷物Bを到着地に到着後に到着ゲート等にて引き渡す引渡サービスS4を実施してもよい。
図16は、持込手荷物事前預け入れシステム100による引渡サービスS4のフローチャートである。
【0091】
引渡管理部は、管理システム400からの到着地への到着通知に応じて、ステップS300からステップS310に遷移して処理を開始する。
【0092】
引渡管理部は、ステップS310において、到着した飛行(フライト)に積み込まれている持込手荷物Bのうち引渡場所が設定されている持込手荷物Bを検出する。
図6に例示する予約情報において引渡場所としてゲート「G12」が設定された持込手荷物Bが、引渡場所が設定されている持込手荷物Bである。
【0093】
引渡場所が設定されている持込手荷物Bを検出した場合、引渡管理部は当該持込手荷物Bを預け入れた利用者Uに引渡情報を通知する。通知される引渡情報は、例えば、詳細な引渡場所や引渡時間やそれらを含むバーコード等である。
【0094】
引渡管理部は、例えば顧客情報に含まれる携帯電話番号に基づいて、利用者Uに引渡情報を通知するショートメッセージを送信する。利用者Uがマイレージサービスなどの航空会社が提供するサービスの会員である場合、引渡管理部は登録されたEメールアドレスに対して引渡情報を通知するEメールを送信する。引渡管理部は、次にステップS320を実施する。
【0095】
引渡管理部は、ステップS320において、利用者Uが提示するタグTの半券等の持込手荷物Bの預入情報を検出する。検出される持込手荷物Bの預入情報は、予約受付部1が発行するEチケットであってもよい。利用者Uがマイレージサービスなどの航空会社が提供するサービスの会員である場合、検出される持込手荷物Bの預入情報は会員情報を示す会員カード等であってもよい。引渡管理部は、次にステップS330を実施する。
【0096】
引渡管理部は、ステップS330において、引渡情報と預入情報とに基づいて持込手荷物Bの引渡要否を判定する。引渡管理部は、引渡情報と預入情報とが合致した場合、持込手荷物Bの引渡を許可する。引渡管理部は、予約管理部4の予約処理部44と通信して、引き渡された持込手荷物Bに該当するエントリにおける持込手荷物ステータスを「引渡済み」に変更する。引渡管理部は、次にステップS340を実施して、処理を終了する。
【0097】
本実施形態の持込手荷物事前預け入れシステムおよび持込手荷物事前預け入れサービス方法によれば、持込手荷物Bをスムーズに収納棚Cに収納することができる。持込手荷物Bが利用者の搭乗前に収容棚Cに収容されるため、手荷物検査場の混雑や、利用者自らが持込手荷物Bを機内の収納棚Cに収納する作業に起因する混雑が発生しない。利用者Uは、有人受付装置110や無人受付装置120において持込手荷物Bを預け入れることができるので、搭乗までにおける買い物や食事において持込手荷物Bを管理する必要がない。また、利用者Uの持込手荷物Bに起因する不都合や待ち時間が削減されるため、空港のレストランやショップの売り上げ増加にもつながる。
【0098】
上記各実施形態では、持込手荷物事前預け入れシステム100は、既存の座席予約管理システム200および受託手荷物管理システム300とは別のシステムであったが、持込手荷物事前預け入れシステム100はこれに限られない。持込手荷物事前預け入れシステム100は、座席予約管理システム200および受託手荷物管理システム300と一体のシステムであってもよい。
【0099】
上記各実施形態では、持込手荷物事前預け入れシステム100は、飛行機に持ち込む手荷物を預け入れるシステムであるが、持込手荷物事前預け入れシステム100はこれに限られない。持込手荷物事前預け入れシステム100は、新幹線等の電車に持ち込む手荷物を預け入れるシステムであってもよい。
【0100】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、配置情報および予約情報に基づいて手荷物置場の予約を受け付けることにより、持込手荷物Bをスムーズに収納棚Cに収納することができる。
【0101】
上述した実施形態におけるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
100…持込手荷物事前預け入れシステム、1…予約受付部、2…タグ発行部、3…預入受付部、4…予約管理部、5…連携管理部、6…積込管理部、B…持込手荷物、C…収容棚(手荷物置場)、S…座席、T…タグ