(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184001
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】受注システム
(51)【国際特許分類】
G06T 11/60 20060101AFI20221206BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20221206BHJP
【FI】
G06T11/60 100D
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091585
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】510002730
【氏名又は名称】株式会社ケイオー
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】忍田 達平
(72)【発明者】
【氏名】有川 純一
【テーマコード(参考)】
5B050
5L049
【Fターム(参考)】
5B050AA09
5B050BA06
5B050BA11
5B050BA12
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA04
5B050EA03
5B050EA05
5B050EA06
5B050EA09
5B050EA12
5B050EA13
5B050EA20
5B050EA23
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA12
5B050FA13
5L049BB54
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】簡易な操作により、加工処理を施した画像が印刷された商品の受注を行い得るようにする。
【解決手段】受注販売システム1では、ユーザに商品やテンプレートを選択させ、テンプレート内に設けられたユーザ画像領域に貼り付けるユーザ画像をアップロードさせる。また受注販売システム1は、ユーザの操作に基づき、ユーザ画像に対する画像加工処理を行わせ、加工後のユーザ画像をテンプレートのユーザ画像領域に貼り付けたデザイン画面をユーザ端末装置8に表示してユーザに確認させる。このため受注販売システム1では、ユーザに予め画像の加工処理を行わせる必要が無く、また他のアプリケーション等を使用させる必要も無く、商品やテンプレートに適した画像加工処理を容易に行わせることができる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運営装置と、端末装置とがネットワークを介して接続された受注システムであって、
前記端末装置は、
前記運営装置から受信した情報を表示する表示部と、
ユーザの操作を受け付ける操作部と、
前記操作部を介して入力された操作指示を基に、前記運営装置に対して要求を送信する送信部と
を具え、
前記運営装置は、
複数の商品に関する情報を記憶する記憶部と、
前記端末装置からの前記要求を受信する受信部と、
前記要求に基づき、前記商品を選択する商品選択処理部と、
前記要求に基づき、前記ユーザから提供されるユーザ画像を取得するユーザ画像取得部と、
前記要求に基づき、前記ユーザ画像に加工処理を施す画像加工処理部と、
前記加工処理を施した前記ユーザ画像を前記商品に印刷する受注指示を送信する受注指示送信部と
を具えることを特徴とする受注システム。
【請求項2】
前記ユーザ画像及び前記商品の少なくとも一方を基に、前記加工処理の度合いを表すパラメータを決定するパラメータ決定部
をさらに具え、
前記画像加工処理部は、
前記ユーザ画像に対し、前記パラメータにより表される度合いで前記加工処理を施す
ことを特徴とする請求項1に記載の受注システム。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記複数の商品に加えて、予めデザインが定められると共に前記ユーザ画像を割り付ける範囲を表すユーザ画像領域が設定された複数のテンプレートを記憶し、
前記運営装置は、
前記要求に基づき、前記テンプレートを選択するテンプレート選択処理部
をさらに具え、
前記パラメータ決定部は、前記ユーザ画像、前記商品及び前記テンプレートの少なくとも一つを基に前記パラメータを決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の受注システム。
【請求項4】
前記画像加工処理部は、前記テンプレートに複数の前記ユーザ画像領域が設定されていた場合、一の前記ユーザ画像領域に割り付けられた前記ユーザ画像のうち当該ユーザ画像領域からはみ出た部分を削除する
ことを特徴とする請求項3に記載の受注システム。
【請求項5】
前記商品に印刷すべきデザインを前記記憶部に記憶させ、又は読み出すデザイン管理部
をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の受注システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記デザインを一意のデザインキーと対応付けて記憶し、
前記デザイン管理部は、前記デザインキーが指定されると、当該デザインキーと対応付けられた前記デザインを前記記憶部から読み出す
ことを特徴とする請求項5に記載の受注システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は受注システムに関し、例えばユーザが所望する画像が印刷された商品の受注を行う場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の情報通信技術を利用した商品の通信販売が盛んに行われている。また近年では、例えば記念品として、ユーザが撮像した記念写真等の画像を既存の商品に印刷することを希望する場合がある。そこで、受注納品システムとして、ユーザに商品(物品)を選択させると共に所望の画像をアップロードさせ、当該画像を当該商品に印刷したものを作成して提供するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでユーザは、商品に印刷される画像に対し、明るさや色彩の変更や一部分の切り抜き等の加工処理を行いたい場合がある。また近年では、画像処理技術の高度化により、例えば人物や風景を撮像した画像(すなわち写真)を水彩画調や油絵調、或いはアニメ調等、様々な画調に変換する処理も可能となっている。
【0005】
しかしながら、画像の加工や画調の変換など、画像に対して様々な加工処理を施した状態で商品に印刷する場合、ユーザは専用のソフトウェアやサービスを利用してこれらの加工処理を行ってから、受注納品システムにアップロードする必要があり、作業が繁雑である、という問題があった。
【0006】
また受注納品システムでは、ユーザにアップロードされた画像を商品の画像とを組み合わせることにより、画像が印刷された商品のイメージを画面上に表示してユーザに確認させる場合がある。しかし、この段階でユーザが商品と画像とのバランス等を考慮し、当該画像の再加工を所望する場合、当該画像に対して再び加工処理を施してから再度アップロードさせる、という作業を行わせることになり、その作業が極めて煩雑である、という問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な操作により、加工処理を施した画像が印刷された商品の受注を行い得る受注システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の受注システムにおいては、運営装置と、端末装置とがネットワークを介して接続された受注システムであって、端末装置には、運営装置から受信した情報を表示する表示部と、ユーザの操作を受け付ける操作部と、操作部を介して入力された操作指示を基に、運営装置に対して要求を送信する送信部とを設け、運営装置には、複数の商品に関する情報を記憶する記憶部と、端末装置からの要求を受信する受信部と、要求に基づき、商品を選択する商品選択処理部と、要求に基づき、ユーザから提供されるユーザ画像を取得するユーザ画像取得部と、要求に基づき、ユーザ画像に加工処理を施す画像加工処理部と、加工処理を施したユーザ画像を商品に印刷する受注指示を送信する受注指示送信部とを設けるようにした。
【0009】
本発明は、運営装置が端末装置からユーザにより用意されたユーザ画像を取得すると共に、当該ユーザからの要求に基づいて当該ユーザ画像に対し、アニメ調等の高度な画調変換や、画像中の人物に対する美肌加工、スリム化加工、及び背景の切り抜き加工等を含む加工処理を施した上で、商品の発注を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な操作により、加工処理を施した画像が印刷された商品の受注を行い得る受注システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】受注販売システムの全体構成を示す略線図である。
【
図2】運営サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】デザインサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】画像フィルタサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】運営端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】ユーザ端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】受注販売処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】デザイン処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】商品ビュー画面の構成を示す略線図である。
【
図14】デザイン画面(2)の構成を示す略線図である。
【
図16】画像加工処理手順を示すフローチャートである。
【
図17】フィルタ処理シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【
図18】フィルタ処理の適用例を示す略線図である。
【
図21】テンプレートに対するユーザ画像の貼付を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.受注販売システムの構成]
図1に示すように、本実施の形態による受注販売システム1は、運営サーバ装置2、デザインサーバ装置3、画像フィルタサーバ装置4及び運営端末装置5(以下、これらをまとめて運営装置群6と呼ぶ)、並びにユーザ端末装置8が、それぞれネットワーク9に接続された構成となっている。このうち運営装置群6の各装置は、所定の企業の運営管理によりネットワーク9上で商品の受注販売サービスを提供しており、ユーザ端末装置8を使用するユーザの操作に応じて、当該ユーザの画像が印刷された商品の受注販売を行うようになっている。
【0014】
運営サーバ装置2は、
図2に模式的なブロック図を示すように、制御部11、記憶部12及び通信部13等により構成されている。制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有している。この制御部11は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部12等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行うことができる。また制御部11は、例えば記憶部12から受注販売プログラム(詳しくは後述する)を読み出して実行することにより、その内部に統括制御部21、商品選択処理部22、テンプレート選択処理部23及び受注指示送信部24といった複数の機能ブロックを形成する。各機能ブロックについては後述する。
【0015】
記憶部12は、例えばSSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、各種プログラムや各種情報等を記憶している。この記憶部12は、商品に関する情報が格納される商品データベース(DB)25及びデザインのテンプレートに関する情報が格納されるテンプレートデータベース(DB)45等を有している。
【0016】
受信部としての通信部13は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3(IEEE802.3u/ab/an/ae)等の規格に準拠した有線LAN(Local Area Network)のインタフェースであり、ネットワーク9との間で種々の情報を送受信することができる。
【0017】
デザインサーバ装置3は、
図3に模式的なブロック図を示すように、制御部31、記憶部32及び通信部33等により構成されている。制御部31は、運営サーバ装置2の制御部11(
図2)と同様、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有している。この制御部31は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部32等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行うことができる。また制御部31は、例えば記憶部32からデザインプログラム(詳しくは後述する)を読み出して実行することにより、その内部にデザイン管理部41、ユーザ画像取得部42、画像貼付処理部43及び画像加工処理部44といった複数の機能ブロックを形成する。各機能ブロックについては後述する。
【0018】
記憶部32は、運営サーバ装置2の記憶部12(
図2)と同様、例えばSSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、各種プログラムや各種情報等を記憶している。この記憶部32は、ユーザにより作成されたデザインに関する情報が格納されるユーザデザイン記憶部45等を有している。通信部33は、運営サーバ装置2の通信部13(
図2)と同様、例えばIEEE802.3u/ab/an/ae等の規格に準拠した有線LANのインタフェースであり、ネットワーク9との間で種々の情報を送受信することができる。
【0019】
画像フィルタサーバ装置4は、
図4に模式的なブロック図を示すように、制御部51、記憶部52及び通信部53等により構成されている。制御部51は、運営サーバ装置2の制御部11(
図2)等と同様、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有している。この制御部51は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部52等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行うことができる。また制御部51は、例えば記憶部52からフィルタ処理プログラム(詳しくは後述する)を読み出して実行することにより、その内部にフィルタ処理部61及びパラメータ決定部62といった複数の機能ブロックを形成する。各機能ブロックについては後述する。
【0020】
因みに画像フィルタサーバ装置4は、デザインサーバ装置3からの依頼に基づき、画像データに対して「グレースケール」、「セピア」、「モノクロ」、及び「アニメ調」といった画調を変換するフィルタ処理や、画像中の人物に関して「美肌加工」、「スリム化加工」及び「背景切り抜き加工」等の加工を施すフィルタ処理を行い得るようになっている。
【0021】
記憶部52は、運営サーバ装置2の記憶部12と同様、例えばSSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、各種プログラムや各種情報等を記憶している。この記憶部52は、フィルタ処理に関する情報が格納されるフィルタデータベース(DB)65及びパラメータに関する情報が格納されるパラメータデータベース(DB)66を有している。通信部53は、運営サーバ装置2の通信部13と同様、例えばIEEE802.3u/ab/an/ae等の規格に準拠した有線LANのインタフェースであり、ネットワーク9との間で種々の情報を送受信することができる。
【0022】
運営端末装置5は、
図5に模式的なブロック図を示すように、制御部71、記憶部72、通信部73、表示部74及び操作部75等により構成されている。因みに運営端末装置5は、例えばノート型コンピュータ装置である。制御部71は、運営サーバ装置2の制御部11(
図2)等と同様、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有している。この制御部71は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部72等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行うことができる。
【0023】
記憶部72は、運営サーバ装置2の記憶部12と同様、例えばSSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、各種プログラムや各種情報等を記憶している。通信部73は、例えばIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax等の規格に準拠した無線LAN(Wi-Fi)のインタフェースであり、ネットワーク9との間で種々の情報を送受信することができる。表示部74は、例えば液晶パネルのような表示デバイスであり、制御部71の制御に基づいて種々の画面を表示する。操作部75は、例えばキーボードやタッチパッド、或いはマウス等のような入力操作デバイスであり、企業の社員等からの操作を受け付けて制御部71に通知する。
【0024】
ユーザ端末装置8は、
図6に模式的なブロック図を示すように、制御部81、記憶部82、通信部83、表示部84及び操作部85等により構成されている。因みにユーザ端末装置8は、運営端末装置5(
図5)と同様、例えばノート型コンピュータ装置である。制御部81は、運営サーバ装置2の制御部11(
図2)等と同様、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有している。この制御部81は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部82等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行うことができる。
【0025】
記憶部82は、運営サーバ装置2の記憶部12と同様、例えばSSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、各種プログラムや各種情報等を記憶している。通信部83、表示部84及び操作部85は、それぞれ運営端末装置5(
図5)の通信部73、表示部74及び操作部75と同様に構成されている。
【0026】
ネットワーク9は、例えばインターネットのような情報ネットワーク網であり、図示しないルータ等のネットワーク機器、有線や無線による各種回線等が適宜組み合わされることにより、種々の接続先(ノード)の間で情報を送受信する。このネットワーク9では、例えばIEEE802.3u/ab/an/ae等の規格に準拠した有線LANにより、各ノードが有線により接続されている。またネットワーク9では、例えばIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax等の規格に準拠した無線LANや、第5世代移動通信システム(5G:5th Generation)等の移動体通信システムにより、各ノードが無線により接続されている。さらにネットワーク9では、各ノードに一意のネットワークアドレス(例えばIPアドレス等)がそれぞれ割り当てられると共に、DNS(Domain Name System)等の仕組みにより、文字や記号の組み合わせにより表されたURL(Uniform Resource Locator)を用いて、該ネットワーク9上のアドレスを指定し得るようになっている。
【0027】
[2.受注販売処理]
次に、受注販売システム1において、ユーザからの受注を受け付けて商品を販売する受注販売処理について、
図7のフローチャートを参照しながら説明する。運営サーバ装置2の制御部11(
図2)は、電源が投入されると、所定のオペレーティングシステムを起動した上で、統括制御部21(
図2)等の機能ブロックを内部に形成する。
【0028】
また制御部11は、HTTPサーバプログラム等の各種プログラムを実行することにより、ウェブサーバとして機能している。例えば制御部11は、所定の端末装置等からウェブブラウザ等を利用して所定のURLにアクセスされる(要求を受け付ける)と、html形式のファイルや各種画像ファイル等、ウェブページを表示するためのデータ(以下これをページデータと呼ぶ)を送信し、当該端末装置の表示部等に当該ウェブページを表示させることができる。
【0029】
制御部11は、ユーザ端末装置8(
図1及び
図6)からネットワーク9を介して所定のURLに対するアクセスを受け付けると、記憶部12から受注販売プログラムを読み出して実行することにより、
図7に示す受注販売処理手順RT1を開始し、最初のステップSP1に移る。
【0030】
ステップSP1において制御部11は、統括制御部21(
図2)により、
図8に示すメイン画面P1をユーザ端末装置8の表示部84(
図6)に表示させ、次のステップSP2に移る。このメイン画面P1は、上部に「商品から選ぶ」、「デザインから選ぶ」、「ご利用ガイド」等の文字や、所定のアイコン等により複数の操作項目が表示されたメイン操作欄M1が表示されており、ユーザの操作により何れかの操作項目を選択させるようになっている。例えばメイン画面P1では、「商品から選ぶ」の操作項目が選択されると、商品データベース25(
図2)を参照し、
図8に示したように、複数の商品名が上下方向に沿って整列配置された商品リストL1が表示される。因みにメイン操作欄M1には、ユーザの氏名や住所、連絡先等を登録したアカウントにログオンするためのアカウントアイコンや、購入手続を行うためのカートボタン、商品名等による検索処理を行うための検索アイコン等が設けられている。
【0031】
ステップSP2において制御部11は、商品選択処理部22(
図2)により、メイン画面P1に対するユーザの操作を基に、いずれかの商品を選択する商品選択操作を受け付け、次のステップSP3に移る。具体的に制御部11は、ユーザ端末装置8(
図6)の表示部84にメイン画面P1を表示させた状態において、ユーザにより操作部85を介して操作項目T1の「商品から選ぶ」を選択する操作が行われると、
図8に示したように、商品リストL1を表示する。続いて制御部11は、ユーザからの操作部85を介した操作により、商品リストL1に表示された複数の商品名のうち何れかを選択させる。
【0032】
ステップSP3において制御部11は、ユーザから所定の操作を受け付けると、テンプレートデータベース26(
図2)を参照し、
図9に示すテンプレート選択画面P2をユーザ端末装置8の表示部84(
図6)に表示させ、次のステップSP4に移る。このテンプレート選択画面P2には、商品に印刷すべき画像のうち背景や外枠等に相当する部分のデザインが予め設定されたテンプレート(デザインテンプレートとも呼ばれる)が、格子状に整列された状態で複数配置されており、その何れかを選択し得るようになっている。因みに各テンプレートには、ユーザの画像を配置すべきユーザ画像領域が1箇所又は2箇所以上設けられている。
【0033】
ステップSP4において制御部11は、テンプレート選択処理部23(
図2)により、テンプレート選択画面P2に対するユーザの操作を基に、何れかのテンプレートを選択するテンプレート選択操作を受け付け、次のステップSP5に移る。具体的に制御部11は、テンプレート選択画面P2に表示されている何れかのテンプレートがユーザにより選択されると、
図10に示す商品詳細画面P3を表示する。
【0034】
商品詳細画面P3には、メイン画面P1(
図8)と同様のメイン操作欄M1等の他に、テンプレートが配置された状態の商品を拡大して表示する商品表示欄G3や、商品の名称や説明及び金額等を文字により表す説明欄TX3の他、「デザインをはじめる」の文字列が表示されたデザイン開始ボタンB3が設けられている。
【0035】
ステップSP5において制御部11は、ユーザの操作により、商品詳細画面P3のデザイン開始ボタンB3が選択されると、サブルーチンとしてデザイン処理を行い(詳しくは後述する)、次のステップSP6に移る。このデザイン処理において、制御部11は、デザインサーバ装置3(
図1及び
図3)等と連携しながら、ユーザの操作に基づき、テンプレートにユーザの画像を組み合わせる等の処理を行う。
【0036】
ステップSP6において制御部11は、デザイン処理の完了後に、商品詳細画面P3のメイン操作欄M1においてユーザによりカートアイコンが選択されると、画像が印刷された商品を購入させる購入手続を行い、次のステップSP7に移る。この購入手続では、例えば所定の購入画面(図示せず)において、ユーザに商品の配達先となる住所や氏名等を入力させ、また決済方法を選択させる等、種々の手続を行わせる。また制御部11は、受注指示送信部24により、選択された商品や決定されたテンプレート等、及び商品の配達先等の受注に関する情報を、印刷装置(図示せず)に供給する。これに応じて印刷装置は、決定されたテンプレート等に基づいた画像を商品に印刷し、完成した商品を配達先に発送する。
【0037】
ステップSP7において制御部11は、受注販売処理手順RT1を終了する。因みに制御部11は、ウェブサーバとして動作している間、他の端末装置(図示せず)等からのアクセスに応じて適宜ページデータを生成及び送信し、必要に応じて受注販売処理手順RT1をそれぞれ実行するようになっている。
【0038】
[3.デザイン処理]
次に、受注販売処理手順RT1(
図7)のステップSP5においてサブルーチンとして行われるデザイン処理について説明する。運営サーバ装置2の制御部11(
図2)は、受注販売処理手順RT1においてステップSP5に移ると、デザインサーバ装置3(
図1及び
図3)に対してデザイン処理の開始を指示する。これに応じてデザインサーバ装置3の制御部31は、記憶部32から所定のデザインプログラムを読み出して実行することにより、運営サーバ装置2の制御部11と連携しながら、
図11に示すデザイン処理手順RT2を開始し、最初のステップSP11に移る。
【0039】
因みにここでは、商品詳細画面P3(
図10)に示したテンプレートTPが選択されており、当該テンプレートTP内に、任意の画像を貼り付け得る3箇所のユーザ画像領域UA(UA1、UA2及びUA3)が設けられているものとする。
【0040】
ステップSP11において制御部31は、
図12に示すデザイン画面P4をユーザ端末装置8の表示部84(
図6)に表示させ、次のステップSP12に移る。このデザイン画面P4の上部には、左側にユーザ画像領域UAを選択するためのユーザ画像領域選択欄CAが配置され、右側に現在のデザインを保存するための保存ボタンBSVが配置されている。またデザイン画面P4には、中央にデザイン欄CDが配置され、左側にオブジェクト追加欄CJが配置され、右側に商品ビュー欄CVが配置されている。
【0041】
ユーザ画像領域選択欄CAは、何れかのユーザ画像領域UAを選択させるための欄であり、それぞれのユーザ画像領域UAを表した領域選択ボタンBA1、BA2及びBA3が左右方向に沿って整列配置され、その何れかを選択させ得るようになっている。以下では、ここで選択されたユーザ画像領域UAを対象ユーザ画像領域UATと呼ぶ。因みにユーザ画像領域選択欄CAは、対象ユーザ画像領域UATと対応する領域選択ボタンの色を他の領域選択ボタンの色と相違させることにより、現在の対象ユーザ画像領域UATを表している。またデザイン画面P4は、初期状態として、ユーザ画像領域選択欄CAにおいて最も左側の領域選択ボタンBA1が選択された状態となっている。
【0042】
デザイン欄CDは、テンプレートTPのうち対象ユーザ画像領域UATを表示すると共に、他のユーザ画像領域UAを省略して表示している。このデザイン欄CDは、対象ユーザ画像領域UATに関するデザインの変更操作を受け付けると共に、変更されたデザインを表示し得るようになっている。
【0043】
オブジェクト追加欄CJは、対象ユーザ画像領域UATに対する画像やテキスト等のオブジェクトを追加する操作を受け付ける欄であり、テキストボタンBT、スタンプボタンBS、マイ画像ボタンBP、及びマイデザインボタンBD等が設けられている。テキストボタンBTは、任意のテキスト(文字)をオブジェクトとして追加するためのボタンである。スタンプボタンBSは、予め用意された記号やマーク、或いは図形等が描かれたスタンプをオブジェクトとして追加するためのボタンである。マイ画像ボタンBPは、ユーザが保有する画像をアップロードし、オブジェクトとして追加するためのボタンである。マイデザインボタンBDは、過去に当該ユーザにより作成及び保存されたデザインを読み出すためボタンである。
【0044】
商品ビュー欄CVは、現在のデザインを商品に印刷した場合のイメージを、ユーザ画像領域UAごとに表示するための欄であり、それぞれのユーザ画像領域UAの画像を商品の画像と組み合わせた商品ビュー画像PV(PV1、PV2及びPV3)が上下方向に沿って整列配置されている。各商品ビュー画像PVが選択された場合、
図13に示すように、サブウィンドウとして商品ビュー画面P5を表示する。
【0045】
商品ビュー画面P5は、上部に注釈を表す注釈欄N5が配置され、右側にデザイン画面P4と同様の商品ビュー欄CVが設けられ、中央に表示欄CPが設けられている。表示欄CPには、現在のデザインを商品に印刷した場合のイメージが表示されると共に、その下側に購入ボタンB5が配置されている。
【0046】
ステップSP12(
図11)において制御部31は、ユーザ端末装置8(
図6)の操作部85を介したユーザからの操作指示を受け付けると、次のステップSP13に移る。ステップSP13において制御部31は、ユーザ画像領域を選択する操作を受け付けたか否か、すなわちデザイン画面P4(
図12)の商品ビュー欄CVにおける何れかの商品ビュー画像PVが選択されたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、制御部31は次のステップSP14に移り、選択された商品ビュー画像PVと対応するユーザ画像領域UAを新たな対象ユーザ画像領域UATとし、デザイン欄CDに表示する画像を新たな対象ユーザ画像領域UATを表す画像に変更した後、再度ステップSP12に戻って次の操作を受け付ける。
【0047】
一方、ステップSP13において否定結果が得られると、制御部31は次のステップSP15に移り、画像編集に関する操作を受け付けたか否か、具体的にはオブジェクト追加欄CJのマイ画像ボタンBP又は画像編集用の各操作ボタン(後述する)が操作されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはテキストボタンBT、スタンプボタンBS又はマイデザインボタンBDが操作されたことを表している。このとき制御部31は、次のステップSP16に移り、操作されたボタンに応じた処理を行い、再度ステップSP12に戻って次の操作を受け付ける。
【0048】
一方、ステップSP15において肯定結果が得られると、このことは画像編集に関する操作を受け付けたことを表している。このとき制御部31は、
図14に示すデザイン画面P6をユーザ端末装置8の表示部84(
図6)に表示させ、次のステップSP17に移る。このデザイン画面P6は、全体的にデザイン画面P4(
図12)と類似した構成であるものの、オブジェクト追加欄CJにおいて、画像の加工処理を行うための加工項目が複数配置された画像加工項目欄PRが表示されている。
【0049】
画像加工項目欄PRには、上側から順にフィルタ欄PRF、トリミング欄PRT、最大化欄PRM、サイズ欄PRS、回転欄PRR及び反転欄PRV等が設けられている。このうちフィルタ欄PRFは、画像全体の色調や画調等を変更する種々の処理である「フィルタ処理」による加工を行うための欄である。フィルタ欄PRFには、各フィルタ処理を行うためのフィルタ処理ボタンBFが、格子状に並べて複数配置されている。各フィルタ処理ボタンBFには、例えば「オリジナル」、「グレースケール」、「セピア」、「モノクロ」、「アニメ調」、「美肌加工」、「スリム化加工」、「背景切り抜き加工」等の文字が付されると共に、その背景にそれぞれのフィルタ処理を施した画像が配置されている。因みに「オリジナル」は、フィルタ処理を施す前の状態に戻すことを意味する。またこれらのフィルタ処理は、3種類まで重ねて適用できるようになっている。
【0050】
これらのフィルタのうち「アニメ調」は、例えば明暗の差を小さくし、輪郭を表す線を重ねる等の処理を行うことにより、撮像された画像をあたかもアニメーションにより描かれた絵のように加工する処理である。「美肌加工」は、例えば人物の肌色部分に対して輝度を高める等の処理を行うことにより、人物の肌の部分を明るく見えるように加工する処理である。「スリム化加工」は、例えば画像のうち人物の部分を抽出して左右方向に圧縮する等の処理を行うことにより、人物がスリムに見えるように加工する処理である。「背景切り抜き加工」は、例えば背景に人物が重なった状態の画像から人物と背景との境界を抽出し、背景部分を削除し人物の部分のみを残すように加工する処理である。
【0051】
トリミング欄PRTは、ユーザ画像のうち一部の領域のみを切り出して対象ユーザ画像領域UATに貼り付けるトリミング処理を行うための欄である。最大化欄PRMは、ユーザ画像の全体が対象ユーザ画像領域UAT内にちょうど収まるように大きさを変更する最大化処理を行うための欄である。サイズ欄PRSは、ユーザ画像の大きさを変更するサイズ変更処理を行うための欄である。回転欄PRRは、ユーザ画像を回転させる回転処理を行うための欄である。反転欄PRVは、ユーザ画像を上下又は左右に反転させる反転処理を行うための欄である。以下では、フィルタ処理を除いた各処理をまとめて一般加工処理と呼ぶ。
【0052】
ステップSP17(
図11)において制御部31は、画像をアップロードする操作を受け付けたか否か、具体的にはマイ画像ボタンBPが操作されたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、制御部31は次のステップSP18に移る。
【0053】
ステップSP18において制御部31は、ユーザ画像取得部42(
図3)により、ユーザ端末装置8(
図1及び
図6)と連携し、該ユーザ端末装置8の記憶部82に記憶されている画像のうち、ユーザに選択されたもの(以下これをユーザ画像と呼ぶ)をアップロードさせる。続いて制御部31は、画像貼付処理部43(
図3)により、デザイン画面P6(
図14)のデザイン欄CDにおける対象ユーザ画像領域UAT内にユーザ画像を表示させ、次のステップSP19に移る。因みに
図14は、商品ビュー欄CVにおいて領域選択画像PA2が選択され、テンプレートTPのうちユーザ画像領域UA2が対象ユーザ画像領域UATとなっており、この対象ユーザ画像領域UATにユーザ画像が表示された状態を表している。
【0054】
ステップSP19において制御部31は、ユーザ画像に適用したフィルタ処理の数を計数するためのフィルタカウンタを値「0」に初期化した後、再度ステップSP12に戻って次の操作を受け付ける。
【0055】
一方、ステップSP17において否定結果が得られると、制御部31は次のステップSP20に移り、ユーザ画像を加工する画像加工処理の操作を受け付けたか否か、具体的にはデザイン画面P6(
図14)の画像加工項目欄PRにおける何れかが選択されたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、制御部31は次のステップSP21に移り、サブルーチンとして画像加工処理(詳しくは後述する)を行い、その後に再度ステップSP12に戻って次の操作を受け付ける。
【0056】
一方、ステップSP20において否定結果が得られると、制御部31は次のステップSP22に移り、現在のデザインを保存する操作を受け付けたか否か、具体的にはデザイン画面P6(
図14)の保存ボタンBSVが操作されたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことはユーザに現在のデザイン(以下これを印刷デザインとも呼ぶ)を保存しておき、後で本人又は他のユーザにより当該デザインを再利用する意思があることを表している。このとき制御部31は、次のステップSP23に移る。
【0057】
ステップSP23において制御部31は、
図15に示す保存画面P7をユーザ端末装置8の表示部84(
図6)に表示させる。保存画面P7には、上側から順に、メッセージM7、デザインキー表示欄K7、URL表示欄U7、コピーボタンB7C、メールアドレス入力欄A7、送信ボタンB7S、及びOKボタンB7K等が表示されている。
【0058】
メッセージM7には、例えば「デザインを保存しました」といった文字列が表示され、現在のデザインをユーザデザイン記憶部45(
図3)に記憶させたことを通知する。デザインキー表示欄K7は、保存されたデザインと対応付けて生成されたデザインキーが表示される。このデザインキーは、各デザインに対して一意に生成されており、当該デザインを再利用する際に必要となる。URL表示欄U7には、当該デザインの再利用を直ちに開始するための再利用URLが表示されている。コピーボタンB7Cは、OS上に用意されているクリップボードに再利用URLをコピーするためのボタンである。
【0059】
メールアドレス入力欄A7は、メールアドレスを入力し得るようになっている。送信ボタンB7Sは、初期状態では操作できないものの、メールアドレス入力欄A7にメールアドレスが入力されると操作可能となり、操作されると、メール本文に再表示URLが含まれるメールを生成し、メールアドレス入力欄A7に入力されたメールアドレスへ送信する。OKボタンB7Kは、操作されると保存画面P7を閉じる。制御部31は、このOKボタンB7Kが操作されると、保存画面P7を閉じて直前の表示画面に戻り、その後に再度ステップSP12に戻って次の操作を受け付ける。
【0060】
因みにこのとき保存されたデザインは、デザイン画面P4(
図12)等のオブジェクト追加欄CJにおける左側に配置されたマイデザインボタンBDが操作され、さらにデザインキーが入力されることにより、再利用し得るようになっている。このとき制御部31のデザイン管理部41(
図3)は、ユーザデザイン記憶部45に対するデザインの保存や読み出しに関する処理を行う。
【0061】
一方、ステップSP22において否定結果が得られると、制御部31は次のステップSP24に移り、デザインの作業を終了して商品の購入手続きに移るか否か、具体的には
商品ビュー画面P5(
図13)を表示した状態において購入ボタンB5が操作されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、制御部31は再度ステップSP12に戻って次の操作を受け付ける。一方、ステップSP24において肯定結果が得られると、制御部11はデザイン処理手順RT2を終了し、このことを運営サーバ装置2(
図2)に通知する。これに応じて運営サーバ装置2の制御部11は、受注販売処理手順RT1(
図7)のステップSP5に戻り、その次のステップSP6に移る。
【0062】
[4.画像加工処理]
次に、デザイン処理手順RT2(
図11)のステップSP21においてサブルーチンとして行われる画像加工処理について説明する。デザインサーバ装置3の制御部31(
図3)は、デザイン処理手順RT2においてステップSP21に移ると、記憶部32から所定の画像加工プログラムを読み出して実行すると共に、運営サーバ装置2(
図1及び
図2)の制御部11と適宜連携することにより、
図16に示す画像加工処理手順RT3を開始し、最初のステップSP31に移る。
【0063】
ステップSP31において制御部11は、フィルタを適用する指示を受け付けたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは一般加工処理(トリミング処理、最大化処理、サイズ変更処理、回転処理及び反転処理等)の指示を受け付けたことを表している。このとき制御部11は、次のステップSP32に移り、画像加工処理部44により、受け付けた指示に従った処理を行い、次のステップSP37に移る。
【0064】
一方、ステップSP31において肯定結果が得られると、制御部11は次のステップSP33に移り、今回適用するフィルタを含めたフィルタの適用数が上限数である3回以下であるか否か、具体的には現時点のフィルタカウンタが2以下であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは現在のユーザ画像に新たなフィルタを適用し得ることを表している。このとき制御部11は、次のステップSP34に移る。
【0065】
ステップSP34において制御部11は、サブルーチンとしてフィルタ処理を行うことにより、ユーザ画像に対してフィルタを適用し、次のステップSP35に移る。ステップSP35において制御部11は、現在のフィルタカウンタに値「1」を加算することにより該フィルタカウンタを更新し、次のステップSP37に移る。
【0066】
一方、ステップSP33において否定結果が得られると、このことはユーザ画像に対して3種類のフィルタを既に適用しているため、これ以上フィルタを適用し得ないことを表している。このとき制御部11は、次のステップSP36に移り、所定のエラー画面をユーザ端末装置8の表示部84(
図6)に表示させる等のエラー処理を行い、次のステップSP37に移る。
【0067】
ステップSP37において制御部11は、画像加工処理手順RT3を終了し、元のデザイン処理手順RT2(
図11)のステップSP21に戻り、その次のステップSP12に戻って次の操作を受け付ける。
【0068】
[5.フィルタ処理シーケンス]
次に、画像加工処理手順RT3(
図16)のステップSP34においてサブルーチンとして行われるフィルタ処理について説明する。このフィルタ処理では、デザインサーバ装置3と画像フィルタサーバ装置4との間で情報をやり取りしながら、
図17に示す処理シーケンスを進めるようになっている。
【0069】
具体的にデザインサーバ装置3の制御部31は、記憶部32から所定のフィルタ依頼ブログラムを読み出して実行することにより、フィルタ依頼プログラムRT4を開始してステップSP41に移る。ステップSP41において制御部31は、現在の画像データ、適用するフィルタの種類、及び画像を印刷する商品に関する情報等を画像フィルタサーバ装置4へ送信する。
【0070】
一方、画像フィルタサーバ装置4の制御部51は、予め記憶部52所定のフィルタ処理プログラムを読み出して実行することにより、フィルタ処理手順RT5を開始している。制御部51は、最初のステップSP51において、デザインサーバ装置3から現在の画像データ、適用するフィルタの種類、及び画像を印刷する商品に関する情報等を受信して、次のステップSP52に移る。
【0071】
ステップSP52において制御部51は、画像データに対して所定の解析処理を施すことにより特徴量を抽出し、次のステップSP53に移る。ステップSP53において制御部51は、パラメータ決定部62(
図4)により、パラメータデータベース66(
図4)を参照しながら、特徴量、テンプレート及び商品の色等を基に、フィルタ処理における適用の度合いを表すパラメータを決定し、次のステップSP54に移る。
【0072】
ステップSP54において制御部51は、フィルタ処理部61(
図4)により、決定したパラメータを用いたフィルタ処理を画像データに適用して、次のステップSP55に移る。例えばフィルタ処理部61は、
図18(A)に示す画像P11に対し、所定のパラメータを用いてフィルタ処理「アニメ調」を適用することにより、
図18(B)に示す画像P12に変換することができる。またフィルタ処理部61は、この画像P12に対し、所定のパラメータを用いてフィルタ処理「セピア」を適用することにより、
図18(C)に示す画像P13に変換することができる。
【0073】
ステップSP55(
図17)において制御部51は、フィルタ処理を適用した画像データをデザインサーバ装置3へ送信した後、次のステップSP56に移ってフィルタ処理手順RT5を終了する。
【0074】
これに応じてデザインサーバ装置3の制御部31は、ステップSP42に移り、画像フィルタサーバ装置4から送信された画像データを受信して、次のステップSP43に移る。ステップSP43において制御部31は、デザイン画面P6(
図14)における対象ユーザ画像領域UATにフィルタ処理が適用されたユーザ画像を表示させ、次のステップSP44に移る。ステップSP44において制御部31は、フィルタ依頼プログラムRT4を終了し、元の画像加工処理手順RT3(
図16)のステップSP34に戻った上で、その次のステップSP35に移る。
【0075】
[6.複数のユーザ画像領域に対する画像の貼付]
次に、上述したデザイン処理(
図11等)において、画像貼付処理部43(
図3)により、
図19に示すように、テンプレートTPに設けられた複数のユーザ画像領域UA(UA1、UA2及びUA3)に対し、ユーザ画像をそれぞれ貼り付ける(割り付ける)処理について説明する。ここでは、ユーザの操作により、
図20(A)、(B)及び(C)に示すユーザ画像UP1、UP2及びUP3がそれぞれアップロードされ、
図21に示すようにユーザ画像領域UA1、UA2及びUA3にそれぞれ貼り付けられるものとする。
【0076】
例えばユーザ画像UP1は、
図20(A)に示した貼付枠F1の内側のみがユーザ画像領域UA1に貼り付けられている(
図21)。この場合、仮にユーザ画像UP1の部分を単純にテンプレートTPの下側に重ねるように貼り付けた場合、ユーザ画像UP1のうち貼付枠F1の外側部分がユーザ画像領域UA2内に入ってしまう恐れがある。
【0077】
そこで画像貼付処理部43は、ユーザの操作によってトリミング処理や拡大縮小処理等が適宜行われ、ユーザ画像UP1のうちユーザ画像領域UA1内に表示させるべき部分、すなわち貼付枠F1の位置や大きさ等が決定されると、ユーザ画像UP1のうち該貼付枠F1の内側部分に相当する部分ユーザ画像UP1Rを生成する。その上で画像貼付処理部43は、テンプレートTPのユーザ画像領域UA1に部分ユーザ画像UP1Rを重ねるようにして貼り付ける。
【0078】
また画像貼付処理部43は、これと同様に、ユーザ画像UP2及びUP3のうち貼付枠F2及びF3にそれぞれ貼り付けるべき部分として部分ユーザ画像UP2R及びUP3Rをそれぞれ生成し、テンプレートTPのユーザ画像領域UA2及びUA3にそれぞれ重ねるように貼り付ける。これにより画像貼付処理部43は、各ユーザ画像領域UAに貼り付けられた(割り付けられた)ユーザ画像UPが当該ユーザ画像領域UA内のみに表示され、他のユーザ画像領域UAに表示されないようにすることができる。換言すれば、画像貼付処理部43は、各ユーザ画像UPのうちユーザ画像領域UAからはみ出した部分が、他のユーザ画像領域UAに表示されることを回避し得るようになっている。
【0079】
[7.効果等]
以上の構成において、本実施の形態による受注販売システム1では、ユーザの操作に基づきユーザ端末装置8が運営サーバ装置2に接続すると、受注販売処理(
図7)を開始し、ユーザに商品やテンプレートTPを選択させる。また受注販売システム1は、デザイン処理(
図11)により、テンプレート内に設けられたユーザ画像領域UAに貼り付けるユーザ画像UPをアップロードさせると共に、ユーザの操作に基づき、当該ユーザ画像UPに対する画像加工処理(
図16)を行わせる。このとき受注販売システム1は、加工後のユーザ画像UPをテンプレートTPのユーザ画像領域UAに貼り付けた状態を、デザイン画面P6(
図14)としてユーザ端末装置8の表示部84に表示させ、ユーザに確認させる。
【0080】
すなわち受注販売システム1では、ユーザの操作に基づきブラウザ等を利用してユーザ端末装置8から運営サーバ装置2にアクセスさせた後、当該ブラウザ上での継続した操作により、商品及びテンプレートTPの選択をさせ、引き続きデザイン処理を行わせ、さらに必要に応じて画像加工処理を行わせることができる。
【0081】
このため受注販売システム1では、ユーザに予めユーザ画像UPの加工処理を行わせる必要が無く、また他のアプリケーション等を使用させる必要も無く、商品やテンプレートTPに適した画像加工処理を容易に行わせることができる。
【0082】
また受注販売システム1では、画像加工処理として、比較的一般的な処理であるトリミング処理、サイズ変更処理、回転処理及び反転処理等に加えて、比較的高度な処理であるフィルタ処理により、画像全体の雰囲気(画調)を変更させることもできる。これにより受注販売システム1では、ユーザの好みに応じて、当該ユーザが用意したユーザ画像UPを、商品やテンプレートTPの雰囲気に合致した画像への微細な加工や、単なる人物や風景の写真から特徴的な画像への大幅な加工を、極めて容易に行わせることができる。
【0083】
さらに受注販売システム1では、ユーザが作成したデザインにデザインキーを割り当てて保存しておき、当該ユーザに後から再利用させ得ると共に、当該ユーザがメール等で当該デザインキーを通知することにより、他のユーザに当該デザインを利用させることもできる。これにより受注販売システム1では、例えば複数のユーザがそれぞれのユーザ端末装置からアクセスしながらデザイン処理を順次行うことにより、複数のユーザの協力により1つのデザインを完成させることもできる。また受注販売システム1では、例えばデザインを作成したユーザがデザインキーを不特定多数のユーザに対して公開することにより、当該デザインを幅広く利用させることもできる。
【0084】
また受注販売システム1では、画像データを解析して特徴量を抽出した上で、テンプレート及び商品の色等を基にパラメータを作成し、このパラメータを適用の度合いとしてフィルタ処理を行うようにした(
図17)。これにより受注販売システム1では、テンプレートや商品の色に適した度合いで、画像に対してフィルタ処理を適用することができる。
【0085】
これに加えて受注販売システム1では、テンプレートTPに複数のユーザ画像領域UAが設けられている場合(
図19)、各ユーザ画像領域UAを互いに独立した領域と見なし、一のユーザ画像領域UAに貼り付けたユーザ画像UPの一部が当該ユーザ画像領域UAからはみ出したとしても、他のユーザ画像領域UAに入り込まないようにした。これにより受注販売システム1では、他のユーザ画像領域UAに対する影響を気にすることなく、各ユーザ画像領域UAに対して最適な位置や大きさに調整したユーザ画像UPを貼り付けさせることができる。
【0086】
以上の構成によれば、本実施の形態による受注販売システム1では、ユーザに商品やテンプレートを選択させ、テンプレート内に設けられたユーザ画像領域に貼り付けるユーザ画像をアップロードさせる。また受注販売システム1は、ユーザの操作に基づき、ユーザ画像に対する画像加工処理を行わせ、加工後のユーザ画像をテンプレートのユーザ画像領域に貼り付けたデザイン画面をユーザ端末装置8に表示してユーザに確認させる。このため受注販売システム1では、ユーザに予め画像の加工処理を行わせる必要が無く、また他のアプリケーション等を使用させる必要も無く、商品やテンプレートに適した画像加工処理を容易に行わせることができる。
【0087】
[8.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、画像加工処理のフィルタ処理として、「グレースケール」、「セピア」、「モノクロ」及び「アニメ調」の各フィルタ処理を行う場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば「油絵調」や「水彩画調」、或いは「ヴィンテージ」等、他の種々のフィルタ処理を行うようにしても良い。
【0088】
また上述した実施の形態においては、適用可能なフィルタ処理の上限数を3とする場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、当該上限数を2以下又は4以上としても良く、さらには上限数を設定しないようにしても良い。
【0089】
さらに上述した実施の形態においては、画像データから得られた特徴量、テンプレート及び商品の色等を基にパラメータを決定し、当該パラメータを適用の度合いとして当該画像データにフィルタ処理を適用する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば画像データから得られた特徴量のみを基にパラメータを決定する等、当該特徴量、テンプレート及び商品の色のうち少なくとも1つを基にパラメータを決定しても良い。また、ユーザにフィルタ処理を適用する度合いを数値等により指定させ、これを基にパラメータを決定しても良く、或いはパラメータを画像データ等に関わらず固定値としても良い。
【0090】
さらに上述した実施の形態においては、デザインを保存可能とする場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばデザインを保存しないようにしても良い。また、デザインキーをユーザに通知せず、例えばパスワードを用いたログオン処理によりユーザを認証した上で、デザインを作成したユーザ本人にのみ、当該デザインを再利用させ得るようにしても良い。
【0091】
さらに上述した実施の形態においては、受注販売処理手順RT1(
図7)において、ユーザに商品を選択させてからテンプレートを選択させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばテンプレートを先に選択してから商品を選択させても良く、或いは商品及びテンプレートを組み合わせたものの一覧を提示し、ユーザに商品及びテンプレートを同時に選択させても良い。
【0092】
さらに上述した実施の形態においては、運営装置群6(
図1)に運営サーバ装置2、デザインサーバ装置3及び画像フィルタサーバ装置4といった3台のサーバ装置を設ける場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、運営装置群6に2台以下又は4台以上のサーバ装置を設けても良い。この場合、各サーバにより各処理を適宜分担して実行すれば良い。
【0093】
さらに上述した実施の形態においては、運営サーバ装置2の記憶部12に受注販売プログラム等の各種プログラムを予め記憶させておく場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば運営サーバ装置2が所定のプログラムサーバ装置(図示せず)から各種プログラムをダウンロードして実行するようにしても良い。デザインサーバ装置3及び画像フィルタサーバ装置4についても同様である。
【0094】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、例えばユーザから提供される画像を印刷した商品の受注を受け付ける受注システムで利用できる。
【符号の説明】
【0096】
1……受注販売システム、2……運営サーバ装置、3……デザインサーバ装置、4……画像フィルタサーバ装置、5……運営端末装置、6……運営装置群、8……ユーザ端末装置、9……ネットワーク、11、31、51、71、81……制御部、12、32、52、72、82……記憶部、13、33、53、73、83……通信部、21……統括制御部、22……商品選択処理部、23……テンプレート選択処理部、24……受注指示送信部、41……デザイン管理部、42……ユーザ画像取得部、43……画像貼付処理部、44……画像加工処理部、45……ユーザデザイン記憶部、61……フィルタ処理部、62……パラメータ決定部、74、84……表示部、75、85……操作部、TP……テンプレート、UA……ユーザ画像領域、UP……ユーザ画像。