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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184013
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20221206BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G15/01 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091612
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 慎理
【テーマコード(参考)】
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H270KA32
2H270LA18
2H270LD03
2H270LD08
2H270MB13
2H270MB16
2H270MB17
2H270MB18
2H270MB25
2H270MB27
2H270MB28
2H270MB29
2H270MB43
2H270MD05
2H270MD06
2H270RC03
2H300EB04
2H300EB12
2H300EC05
2H300EF08
2H300EJ01
2H300EJ09
2H300EJ47
2H300FF05
2H300GG22
2H300GG23
2H300GG32
2H300GG48
2H300RR21
2H300RR38
2H300RR39
2H300RR40
2H300TT02
(57)【要約】
【課題】 位置ずれ補正用パターンを形成する画像形成装置の状況に応じて、位置ずれ補正用パターンにおける掃き寄せの発生のしかたも異なる。掃き寄せの発生状況によっては、掃き寄せの影響により補正の精度が低下してしまう。
【解決手段】 掃き寄せ補正用パターンは、第1色の基準パターン、第1色の比較パターン、第2色の基準パターン、第2色の比較パターンを含み、像担持体の移動方向において、第1色の基準パターンの第1の幅より、第1色の比較パターンの第2の幅の方が長く、第2色の基準パターンの第3の幅より、第2色の比較パターンの第4の幅の方が長く、制御手段は、位置ずれ補正用パターンを検知した第1の検知結果を掃き寄せ補正用パターンを検知した第2の検知結果で補正した結果に基づき、位置ずれ補正を行う。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色の現像剤像からなる位置ずれ補正用パターンを像担持体に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により形成された前記位置ずれ補正用パターンに向けて光を照射し、照射した光の反射光を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された検知結果に基づき、位置ずれ補正を行う制御手段と、を備え、
前記画像形成手段は、複数の色の現像剤像からなる掃き寄せ補正用パターンを前記像担持体に形成し、
前記掃き寄せ補正用パターンは、第1色の基準パターン、第1色の比較パターン、第2色の基準パターン、第2色の比較パターンを含み、
前記像担持体の移動方向において、前記第1色の基準パターンの第1の幅より、前記第1色の比較パターンの第2の幅の方が長く、前記第2色の基準パターンの第3の幅より、前記第2色の比較パターンの第4の幅の方が長く、
前記制御手段は、前記位置ずれ補正用パターンを検知した第1の検知結果を前記掃き寄せ補正用パターンを検知した第2の検知結果で補正した結果に基づき、前記位置ずれ補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の色の現像剤像からなる位置ずれ補正用パターンを像担持体に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により形成された前記位置ずれ補正用パターンに向けて光を照射し、照射した光の反射光を検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された検知結果に基づき、位置ずれ補正を行う制御手段と、を備え、
前記位置ずれ補正用パターンは、第1色の基準パターン、第1色の比較パターン、第2色の基準パターン、第2色の比較パターンを含み、
前記像担持体の移動方向において、前記第1色の基準パターンの第1の幅より、前記第1色の比較パターンの第2の幅の方が長く、前記第2色の基準パターンの第3の幅より、前記第2色の比較パターンの第4の幅の方が長く、
前記制御手段は、前記位置ずれ補正用パターンを検知した第1の検知結果から、掃き寄せに関する値を算出し、前記第1の検知結果を前記掃き寄せに関する値で補正した結果に基づき、前記位置ずれ補正を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1色の基準パターンと前記第1色の比較パターンの差分を求めることで、前記第1色の現像剤像における掃き寄せ量に関する値を求め、前記第2色の基準パターンと前記第2色の比較パターンの差分を求めることで、前記第2色の現像剤像における掃き寄せに関する値を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体の移動方向において、前記第1色の基準パターンの幅、前記第1色の比較パターンの幅、前記第2色の基準パターンの幅、前記第2色の比較パターンの幅のそれぞれは、前記検知手段のスポット径より大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記補正した結果に基づき、所定の基準色の現像剤像に対する他の色の現像剤像の位置ずれ量を算出し、前記位置ずれ量に基づき、前記位置ずれ補正を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、所定の基準色の現像剤像の中心位置と他の色の現像剤像の中心位置との差分に応じて前記位置ずれ量を算出することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記補正した結果に基づき、主走査方向ずれ、又は副走査方向ずれの少なくとも1つのずれを補正することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検知手段は、現像剤像に光を照射する照射手段と、
前記現像剤像からの拡散反射光を受光する受光手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に電子写真プロセスを用いたカラーレーザプリンタ、カラー複写機等の画像形成装置に関し、特に像担持体状に形成された各色現像剤像の位置合わせ制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の感光ドラムを備えたカラー画像形成装置は、感光ドラムの機械的取り付け誤差や、各色のレーザビームの光路長誤差、光路変化等により各色の画像間の位置ずれが発生する。そのため、各色間の画像間の位置ずれを補正するために、中間転写ベルト上に位置ずれ補正用パターンを形成し、形成した位置ずれ補正用パターンを光学センサで検知することで、各色間の位置ずれ量を補正する方法が提案されている。
【0003】
特許文献1においては、拡散反射光を用いて位置ずれ補正用パターンを検知するためのセンサにより検知する方法について開示されている。拡散反射光を用いて位置ずれ補正用パターンを検知する場合、中間転写ベルト上に形成したブラック現像剤からの拡散反射光の出力値が中間転写ベルトからの拡散反射光と同程度に小さくなる。そのため、位置ずれ補正用パターンは図11に示すように、カラー現像剤のパターンを下地として、カラー現像剤にブラック現像剤のパターンを重畳したパターンにしている。図11の例においては、イエロー現像剤パターン1601、マゼンタ現像剤パターン1602、シアン現像剤パターン1603の夫々の上にブラック現像剤パターン1604が重畳されている。これにより、拡散反射光が少ないブラック現像剤のパターンを検知することを可能とすることが開示されている。
【0004】
特許文献2においては、掃き寄せによる画像後端部の濃度増加を鑑み、各色間の位置ずれ量を補正する場合に、掃き寄せによる影響を抑制する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-93155
【特許文献2】特開2013-122504
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、位置ずれ補正用パターンを形成する画像形成装置の状況に応じて、位置ずれ補正用パターンにおける掃き寄せの発生のしかたも異なる。掃き寄せの発生状況によっては、掃き寄せの影響により補正の精度が低下してしまうという課題があった。
【0007】
本出願に係る発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであり、複数色の現像剤を用いる画像形成装置において、像担持体上に形成される各色の画像間の位置ずれ補正を、掃き寄せの影響による精度の低下を抑制して行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、複数の色の現像剤像からなる位置ずれ補正用パターンを像担持体に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により形成された前記位置ずれ補正用パターンに向けて光を照射し、照射した光の反射光を検知する検知手段と、前記検知手段により検知された検知結果に基づき、位置ずれ補正を行う制御手段と、を備え、前記画像形成手段は、複数の色の現像剤像からなる掃き寄せ補正用パターンを前記像担持体に形成し、前記掃き寄せ補正用パターンは、第1色の基準パターン、第1色の比較パターン、第2色の基準パターン、第2色の比較パターンを含み、前記像担持体の移動方向において、前記第1色の基準パターンの第1の幅より、前記第1色の比較パターンの第2の幅の方が長く、前記第2色の基準パターンの第3の幅より、前記第2色の比較パターンの第4の幅の方が長く、前記制御手段は、前記位置ずれ補正用パターンを検知した第1の検知結果を前記掃き寄せ補正用パターンを検知した第2の検知結果で補正した結果に基づき、前記位置ずれ補正を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成によれば、複数色の現像剤を用いる画像形成装置において、像担持体上に形成される各色の画像間の位置ずれ補正を、掃き寄せの影響による精度の低下を抑制して行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の概略構成図
図2】センサユニットの概略構成図
図3】センサユニットの駆動回路図
図4】掃き寄せが発生していない場合の位置ずれ補正用パターンの例を示した図
図5】掃き寄せが発生している場合の位置ずれ補正用パターンの例を示した図
図6】掃き寄せ量補正パターンの例を示した図
図7】位置ずれ補正用パターンと掃き寄せ量補正パターンを別に形成した例を示した図
図8】基準パターンと比較パターンの例を示した図
図9】位置ずれ補正用パターンと掃き寄せ量補正パターンを兼ねたパターンを形成した例を示した図
図10】基準パターンと比較パターンの例を示した図
図11】従来の位置ずれ補正用パターンを示した図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
(第1の実施形態)
[画像形成装置の説明]
図1は本発明における画像形成装置であるカラーレーザビームプリンタ201の構成を示す断面概略図である。本発明で用いた画像形成装置は、4色(Y:イエロー,M:マゼンタ,C:シアン,Bk:ブラック)の画像を重ね合わせてフルカラー画像を形成するために、4色の画像形成部を備えている。なお、以下イエロー、マゼンタ、シアンで形成される現像剤像をカラー現像剤像、ブラックで形成される現像剤像をブラック現像剤像とする。
【0013】
カラーレーザビームプリンタ201は、ホストコンピュータ202から画像データ203を受け取ると、印字画像生成部204で画像データをビデオ信号形式データに展開し、像形成用のビデオ信号205を生成する。制御部206はCPU209等の演算処理手段を有しており、印字画像生成部204にて生成されたビデオ信号205を受信し、スキャナユニット210内にあるレーザ発光素子である複数のレーザダイオード211をビデオ信号に応じて駆動する。
【0014】
レーザダイオード211から出射されたレーザビーム212y,212m,212c,212k(以下、レーザビーム212とも呼ぶ)は、以下を介して感光ドラム215y,215m,215c,215kに照射される。具体的には、レーザビーム212は、ポリゴンミラー207、レンズ213y,213m,213c,213k(以下、レンズ213とも呼ぶ)、折り返しミラー214y,214m,214c,214k(以下、折り返しミラー214とも呼ぶ)を介する。そして、感光ドラム215y,215m,215c,215k(以下、感光ドラム215とも呼ぶ)上に照射される。複数の像担持体である感光ドラム215y,215m,215c,215kは、夫々帯電手段216y、216m、216c、216k(以下、帯電手段216とも呼ぶ)により帯電される。
【0015】
感光ドラム215にレーザビーム212が照射されて表面電位が部分的に下がることにより、感光ドラム215の表面に静電潜像が形成される。レーザビーム212の照射により感光ドラム215上に形成された静電潜像には、現像手段217y,217m,217c,217k(以下、現像手段217とも呼ぶ)により静電潜像に応じたトナー像(現像剤像とも呼ぶ)が形成される。以上のように、画像形成装置201は、感光ドラム215の各々に異なる色のトナー像を形成する画像形成手段が備わる。感光ドラム215上に形成されたトナー像は、一次転写部材218y,218m,218c,218k(以下、一次転写部材218とも呼ぶ)にバイアス電圧を印加することにより、転写媒体としての中間転写ベルト219上に一次転写される。中間転写ベルト219は、回転する無端状ベルトにより構成される中間転写体である。
【0016】
最初にイエローの画像が中間転写ベルト219に一次転写され、その上にマゼンタの画像、シアンの画像、ブラックの画像の順に多重転写され、複数色のトナー像が重畳されたカラー画像が形成される。以上のように、画像形成装置201は、感光ドラム215の各々に形成されるトナー像を中間転写体としての中間転写ベルト219へ順次転写する転写手段としての一次転写部材218を備えている。なお、中間転写ベルト219は中間転写ベルト駆動ローラ226により駆動される。カセット220内の記録材Pは給紙ローラ222によってピックアップされた後、中間転写ベルト219上に一次転写された画像に同期するように二次転写部へ搬送される。そして、二次転写部において二次転写ローラ223にて二次転写が行われることで記録材P上にトナー像が転写される。
【0017】
トナー像が二次転写された記録材Pは定着器224にて熱と圧力によりトナー像の熱定着が行なわれた後、画像形成装置上部の排紙部に排出される。また、センサユニット225は中間転写ベルト219上に転写される各色の画像間の位置ずれ量の検知を行うための位置ずれ補正用パターンを検知する。センサユニット225は、中間転写ベルト219上に形成される各色の位置ずれ補正用パターンに光を照射したときの反射光を検知し、検知結果を制御部206に送信する。制御部206は、センサユニット225による検知結果に基づき、中間転写ベルト219に形成された位置ずれ補正用パターンの位置を算出し、算出した夫々の色の位置ずれ補正用パターンの位置に基づき、各色の画像間の位置ずれ補正を行う。なお、ここでは一例として転写媒体は中間転写ベルト219として説明を行った。しかし、これに限られるものではなく、本発明においては、転写媒体は感光ドラム、記録材、記録材を吸着させ搬送する搬送ベルト等でもよく、それぞれの上に形成された補正用パターンを検知することで、位置ずれ検知を行うことも可能である。
【0018】
[色ずれ補正センサの構成]
図2にセンサユニット225の概略構成図を示す。センサユニット225は光学センサ301,302である。複数の光学センサ301,302を中間転写ベルト219の搬送方向(図中の矢印方向)に直交する方向に配置することで、画像の主走査方向の位置ずれ検出や、副走査方向の位置ずれ検知を行う。光学センサ301,302は中間転写ベルト219及び位置ずれ補正用パターン305からの拡散反射光を検知する。光学センサ301,302は、それぞれ発光素子303及び受光素子304を有する。発光素子303は、中間転写ベルト219のベルト面の垂線方向に対して15°の角度で赤外光を照射するように配置される。
【0019】
受光素子304は、中間転写ベルト219及び位置ずれ補正用パターン305からの拡散反射光を検知するために中間転写ベルト219のベルト面の垂線方向に対して45°の受光角度になるように配置される。発光素子303から出射された赤外光は、中間転写ベルト219及び中間転写ベルト219上の各色の位置ずれ補正用パターン305に照射される。受光素子304は、中間転写ベルト219及び中間転写ベルト219上の位置ずれ補正用パターンからの赤外光の拡散反射光を受光する。なお、ここでは一例として発光素子303の角度を15°、受光素子304の角度を45°として説明したが、これに限られるものではない。つまり、求めたい位置ずれ補正の精度に応じて、上記の角度から多少のずれがあってもよい。また、発光素子303から出射される光を赤外光として説明したが、これに限られるものではない。つまり、求めたい位置ずれ補正の精度に応じて、赤外光以外の色の光を用いて検知することも可能である。
【0020】
次に、図3にセンサユニット225の駆動回路図を示す。発光素子303は、制御部206からの発光素子駆動信号Vledonにより点灯制御される。発光素子駆動信号Vledonにより、ベース抵抗403を介してトランジスタなどのスイッチング素子404が駆動され、電流制限抵抗405で発光素子303に流れる電流が制御されることにより、発光素子303の発光制御が行われる。受光素子304が中間転写ベルト219及び位置ずれ補正用パターンからの拡散反射光を受光し、受光した拡散反射光量に応じた電流が抵抗401に流れることにより、拡散反射光量の検知値がアナログ出力信号として出力される。
【0021】
分圧抵抗406,407により決められる所定の閾値電圧と、拡散反射光量の検知値を示すアナログ出力信号電圧と、をコンパレータ402により比較することで、アナログ出力信号はデジタル出力信号Vdoutに変換される。制御部206は、デジタル出力信号Voutを時系列に取り込み、デジタル出力信号Voutの立ち上がり及び立ち下がりエッジのタイミングを検知し、各エッジの取り込みタイミングを不図示の記憶装置に順次格納していく。
【0022】
[位置ずれ補正用パターン]
次に、本実施形態における位置ずれ補正用パターンの構成、位置ずれ補正制御を行う際に中間転写ベルト219上に形成される位置ずれ補正用パターンの概略及び位置ずれ補正方法について説明する。
【0023】
図4に、位置ずれ補正用パターンの構成例、センサユニット225で検知した位置ずれ補正用パターンのアナログ出力信号、アナログ出力信号をコンパレータで所定の閾値電圧Vthで2値化した後のデジタル出力信号を示す。なお、図4においては、掃き寄せは発生していない。
【0024】
位置ずれ補正用パターンは、イエロー現像剤パターン501y、502y、マゼンタ現像剤パターン501m、502m、シアン現像剤パターン501c、502c、ブラック現像剤パターン501k、502kとから構成される。拡散反射光を用いるセンサユニット225によって位置ずれ補正用パターンを検知する場合、中間転写ベルト219上に形成したブラック現像剤パターンからの拡散反射光は中間転写ベルト219からの拡散反射光と同程度に低い。これにより、中間転写ベルト219上に形成したブラック現像剤パターンを検知できないため、ブラック現像剤パターン501k、502kは、イエロー現像剤パターン501y、502yの上層に重畳するように形成している。なお、センサユニット225のアナログ出力信号のS/N比を高くするために、センサユニット225の受光素子のスポット径505より、位置ずれ補正用パターンの幅の方が大きくなるように形成している。
【0025】
位置ずれ補正用パターンは、中間転写ベルト219の移動方向下流側に配置する前半部分の位置ずれ補正パターン503、移動方向上流側に配置する後半部分の位置ずれ補正パターン504を含む。前半部分の位置ずれ補正パターン503と、後半部分の位置ずれ補正パターン504は、中間転写ベルト219の移動方向に対して反転した形状となっており、2つで位置ずれ補正パターンセット506としている。
【0026】
[位置ずれ量の算出]
次に、位置ずれ補正用パターンの検位置結果に基づき、位置ずれ量を算出する方法について説明する。位置ずれ量の算出は、基準色パターンと補正色パターンの形成位置をセンサユニット225で検知し、各パターンの検知タイミングを制御部206に入力して行う。本実施形態においては、イエロー現像剤パターンを基準色パターンとし、マゼンタ現像剤パターン、シアン現像剤パターン、ブラック現像剤パターンを補正色パターンとして、各色の相対的な位置ずれ量を算出する。
【0027】
制御部206は、位置ずれ補正用パターンの形成位置を検知するために、内部でタイマを動作させる。そして、タイマ基準点から、位置ずれ補正用パターンのデジタル出力信号の立ち上がり、及び立下りエッジに対応する検知タイミングをメモリに記憶する。検知タイミングは以下のように定義される。
第1のイエロー現像剤パターンの先端位置検知タイミングty11、
第1のブラック現像剤パターンの先端位置検知タイミングtk11、
第1のブラック現像剤パターンの後端位置検知タイミングtk12、
第1のイエロー現像剤パターンの後端位置検知タイミングty12、
第1のマゼンタ現像剤パターンの先端位置検知タイミングtm11、
第1のマゼンタ現像剤パターンの後端位置検知タイミングtm12、
第1のシアン現像剤パターンの先端位置検知タイミングtc11、
第1のシアン現像剤パターンの後端位置検知タイミングtc12、
第2のシアン現像剤パターンの先端位置検知タイミングtc21、
第2のシアン現像剤パターンの後端位置検知タイミングtc22、
第2のマゼンタ現像剤パターンの先端位置検知タイミングtm21、
第2のマゼンタ現像剤パターンの後端位置検知タイミングtm22、
第2のイエロー現像剤パターンの先端位置検知タイミングty21、
第2のブラック現像剤パターンの先端位置検知タイミングtk21、
第2のブラック現像剤パターンの後端位置検知タイミングtk22、
第2のイエロー現像剤パターンの後端位置検知タイミングty22。
【0028】
次に、各色間の位置ずれ量を算出するために、各々のパターンの中心位置を次式により算出する。
第1のイエロー現像剤パターンの中心位置ty1=(ty11+ty12)/2・・・(1)
第1のマゼンタ現像剤パターンの中心位置tm1=(tm11+tm12)/2・・・(2)
第1のシアン現像剤パターンの中心位置tc1=(tc11+tc12)/2・・・(3)
第1のブラック現像剤パターンの中心位置tk1=(tk11+tk12)/2・・・(4)
第2のイエロー現像剤パターンの中心位置ty2=(ty21+ty22)/2・・・(5)
第2のマゼンタ現像剤パターンの中心位置tm2=(tm21+tm22)/2・・・(6)
第2のシアン現像剤パターンの中心位置tc2=(tc21+tc22)/2・・・(7)
第2のブラック現像剤パターンの中心位置tk2=(tk21+tk22)/2・・・(8)
上式で算出した各パターンの中心位置を元に、基準色であるイエロー現像剤パターンに対する他の各色のパターンの副走査方向の位置ずれ時間を次式により算出する。
マゼンタ現像剤パターンの副走査位置ずれ時間tpd_my=((tm1-ty1)+(tm2-ty2))/2・・・(9)
シアン現像剤パターンの副走査位置ずれ時間tpd_cy=((tc1-ty1)+(tc2-ty2))/2・・・(10)
ブラック現像剤パターンの副走査位置ずれ時間tpd_ky=((tk1-ty1)+(tk2-ty2))/2・・・(11)
各色パターンの先端位置、後端位置、及び中心位置に対応する時間は、ある基準時刻(例えばタイマー計測開始時刻)からの経過時間を示している。制御部206は、算出した位置ずれ時間を、中間転写ベルト219の速度PSを用いて位置ずれ量に換算することにより、基準色であるイエロー現像剤パターンに対する他の各色パターンの相対位置ずれ量を、次式により算出する。
マゼンタ現像剤パターンの副走査位置ずれ量PDd1_my=PS×tpd_my・・・(12)
シアン現像剤パターンの副走査位置ずれ量PDd1_cy=PS×tpd_cy・・・(13)
ブラック現像剤パターンの副走査位置ずれ量PDd1_ky=PS×tpd_ky・・・(14)
ここで算出した位置ずれ量PDd1_my、PDd1_cy、PDd1_kyは、演算結果が正の場合には、基準色に対して補正色の書き出しが遅いことを示している。一方、演算結果が負の場合には、基準色に対して補正色の書き出し位置が早いことを示している。位置ずれ量PDd1_my、PDd1_cy、PDd_kyを、副走査方向の書き出し位置補正量として印字画像生成部204にフィードバックすることにより、位置ずれ補正制御を実施する。なお、図4に示した位置ずれ補正用パターン506を中間転写ベルト219上に複数セット形成し、演算で算出した各セットの位置ずれ補正量の平均値を用いることで、位置ずれ補正の精度を高めている。
【0029】
[掃き寄せによる位置ずれ補正誤差]
図5に、位置ずれ補正用パターンの構成例、センサユニット225で検知した位置ずれ補正用パターンのアナログ出力信号、アナログ出力信号をコンパレータで所定の閾値電圧Vthで2値化した後のデジタル出力信号を示す。各色で形成した位置ずれ補正用パターンの後端部に掃き寄せ601y、601m、601c、601kが発生している。このような場合、位置ずれ補正用パターンのアナログ出力信号は、実線波形のように後端部の検知タイミングが遅れている。なお、アナログ出力信号の破線波形は掃き寄せが発生していない状態における出力波形である。
【0030】
これは、位置ずれ補正用パターンに掃き寄せが発生すると、中間転写ベルト219上に形成される位置ずれ補正用パターンの後端部のエッジ位置は変わっていないが、後端部の濃度が濃くなり、センサユニット225で検知する反射光量が増加することに起因する。その結果、受光素子であるフォトトランジスタに流れる電流が増加し、電流-電圧変換後の電圧波形のピーク値が高くなるため、電圧波形の立下りタイミングに遅延が生じる。デジタル出力信号は、アナログ出力信号をコンパレータの閾値電圧Vthで比較して生成しているため、アナログ出力信号の立下りタイミングが遅れると、デジタル出力信号のH/L切り替わりタイミングも破線波形から実線波形に遅延する。なお、ここでは一例としてブラック現像剤パターンに関しては、前述のとおり拡散反射光量が他色のパターンよりも低いため、掃き寄せの影響を受けにくい傾向にある。図5においてブラック現像剤パターンの掃き寄せがアナログ波形にあたえる影響は図示していない。しかし、ブラック現像剤の掃き寄せの影響も補正したい場合は、以下においてブラックの掃き寄せ量補正パターンを形成してもよい。
【0031】
掃き寄せが発生している状態における各パターンの中心位置の検知タイミングは、次式により算出する。
第1のイエロー現像剤パターンの中心位置ty1’=(ty11+ty12’)/2・・・(15)
第1のマゼンタ現像剤パターンの中心位置tm1’=(tm11+tm12’)/2・・・(16)
第1のシアン現像剤パターンの中心位置tc1’=(tc11+tc12’)/2・・・(17)
第2のイエロー現像剤パターンの中心位置ty2’=(ty21+ty22’)/2・・・(18)
第2のマゼンタ現像剤パターンの中心位置tm2’=(tm21+tm22’)/2・・・(19)
第2のシアン現像剤パターンの中心位置tc2’=(tc21+tc22’)/2・・・(20)
よって、掃き寄せの影響により、各色の位置ずれ補正用パターンの中心位置の検知タイミングは、以下の誤差を含むこととなる。
第1のイエロー現像剤パターンの誤差Δty1=(ty1’-ty1)・・・(21)
第1のマゼンタ現像剤パターンの誤差Δtm1=(tm1’-tm1)・・・(22)
第1のシアン現像剤パターンの誤差Δtc1=(tc1’-tc1)・・・(23)
第2のイエロー現像剤パターンの誤差Δty2=(ty2’-ty2)・・・(24)
第2のマゼンタ現像剤パターンの誤差Δtm2=(tm2’-tm2)・・・(25)
第2のシアン現像剤パターンの誤差Δtc2=(tc2’-tc2)・・・(26)
各パターンの中心位置の検知タイミングに基づき位置ずれ補正の演算を行うため、中心位置の検知タイミングに、掃き寄せによる検知誤差が含まれている場合、位置ずれ補正にも誤差が生じてしまう。
【0032】
[掃き寄せ量補正パターン]
本実施形態においては、掃き寄せによる位置ずれ補正の誤差を抑制するために、位置ずれ補正用パターンとは別に、掃き寄せ量補正パターン103を形成する。図6に、掃き寄せ量補正パターンを示す。掃き寄せ量補正パターンは、各色基準パターンと比較パターンを含む。基準パターンと比較パターンは、副走査方向における幅が異なる2種類のパターンである。図6に示す掃き寄せ量補正パターンは、イエローの基準パターン101y、イエローの比較パターン102y、マゼンタの基準パターン101m、マゼンタの比較パターン102m、シアンの基準パターン101c、シアンの比較パターン102cである。ここでは、基準パターンの副走査方向の長さを100dot(600dpi換算で約4.2mm)、比較パターンの副走査方向の長さを200dot(約8.4mm)としている。
【0033】
なお、掃き寄せ量補正パターン103は、図7に示すように、位置ずれ補正用パターン506の近傍に配置してもよい。このように形成することで、位置ずれ補正制御を行う場合に、位置ずれ補正用パターンに発生している掃き寄せの影響を補正する補正パラメータを取得することができる。しかし、掃き寄せ量補正パターンの形成タイミングはこれに限られるものではない。例えば、中間転写ベルト219の1周に位置ずれ補正用パターンと掃き寄せ量補正パターンの両方を形成することが困難である場合、位置ずれ補正制御実行タイミングとは異なるタイミングで掃き寄せ量補正パターンを形成してもよい。
【0034】
図6のアナログ出力信号は、各色の基準パターン、比較パターンをセンサユニット225で検知した波形である。各色の比較パターンを検知した場合における掃き寄せの発生による後端部の波形ピーク値104y1、104m、104cは、基準パターンを検知した場合における掃き寄せの発生による後端部の波形ピーク値105y1、105m、105cより大きな値となる。これは、現像ニップ部で感光ドラムへと現像できなかった一部の現像剤が、感光ドラムの潜像領域と非潜像領域の界面(副走査方向における画像後端部)付近でまとめて現像されるためである。副走査方向に長い画像ほど、掃き寄せの影響により画像後端部の濃度が濃くなり、波形ピーク値が大きくなる。
【0035】
[掃き寄せ量の検知方法]
掃き寄せ量補正パターンをセンサユニット225で検知した場合のアナログ出力信号デジタル出力信号を、図6に示している。制御部206は、掃き寄せ量補正パターンの形成位置を検知するために、内部でタイマを動作させる。そして、タイマ基準点から、掃き寄せ量補正パターンのデジタル出力信号の立ち上がり、及び立下りエッジに対応する検知タイミングをメモリに記憶する。検知タイミングは以下のように定義される。
基準イエロー現像剤パターンの先端位置検知タイミングtya1、
基準イエロー現像剤パターンの後端位置検知タイミングtya2、
比較イエロー現像剤パターンの先端位置検知タイミングtyb1、
比較イエロー現像剤パターンの後端位置検知タイミングtyb2、
基準マゼンタ現像剤パターンの先端位置検知タイミングtma1、
基準マゼンタ現像剤パターンの後端位置検知タイミングtma2、
比較マゼンタ現像剤パターンの先端位置検知タイミングtmb1、
比較マゼンタ現像剤パターンの後端位置検知タイミングtmb2、
基準シアン現像剤パターンの先端位置検知タイミングtca1、
基準シアン現像剤パターンの後端位置検知タイミングtca2、
比較シアン現像剤パターンの先端位置検知タイミングtcb1、
比較シアン現像剤パターンの後端位置検知タイミングtcb2。
【0036】
次に、各色の基準パターン、及び比較パターンのパターン幅の時間を次式により算出する。
イエローの基準パターン幅の時間Tya=(tya2-tya1)・・・(27)
イエローの比較パターン幅の時間Tyb=(tyb2-tyb1)・・・(28)
マゼンタの基準パターン幅の時間Tma=(tma2-tma1)・・・(29)
マゼンタの比較パターン幅の時間Tmb=(tmb2-tmb1)・・・(30)
シアンの基準パターン幅の時間Tca=(tca2-tca1)・・・(31)
シアンの比較パターン幅の時間Tcb=(tcb2-tcb1)・・・(32)
次に、図8を用いて、掃き寄せ量の算出について説明する。各色の位置ずれ補正用パターンに発生する掃き寄せ量は、基準パターンと比較パターンのパターン幅を比較することで算出する。算出方法は各色で共通であるため、ここでは、一例としてイエローの掃き寄せ量補正パターンを用いて掃き寄せ量を算出する方法について説明する。なお、図8(a)は基準パターンのアナログ出力信号、及びデジタル出力信号を示している。図8(b)は比較パターンのアナログ出力信号、及びデジタル出力信号を示している。
【0037】
基準パターンをセンサユニット225で検知した場合のデジタル出力信号の検知幅は、以下の区間を含んでいる。センサのスポット径505の一部に基準パターンが入ってから、スポット径505のすべてに基準パターンが入るまでの区間TA。スポット径505のすべてに基準パターンが入ってから、スポット径505から基準パターンがすべて抜けるまでの区間TB。区間TBには、掃き寄せによる検知誤差が含まれている。
【0038】
比較パターンをセンサユニット225で検知した場合のデジタル出力信号の検知幅は、以下の区間を含んでいる。センサのスポット径505の一部に比較パターンが入ってから、スポット径505のすべてに比較パターンが入るまでの区間TA。比較パターンと基準パターンのパターン幅の差分(100dot)が通過する区間TC。区間TCの後、スポット径505から比較パターンがすべて抜けるまでの区間TD。区間TDには、掃き寄せによる検知誤差が含まれている。
【0039】
ここで、区間TBは、基準パターンのパターン幅(100dot)を形成した場合に発生する掃き寄せによる検知誤差を含んでいる。一方、区間TDは、比較パターンのパターン幅(200dot)を形成した場合に発生する掃き寄せによる検知誤差を含んでいる。つまり、区間TDと区間TBの検知結果の差分を算出することにより、パターン幅の差分である100dotのパターンを形成した場合に発生する掃き寄せによるデジタル出力信号の検知誤差を算出することができる。
【0040】
このとき、比較パターンのパターン幅と基準パターンのパターン幅の差分100dotが通過する区間TCに要する時間T_TCは、中間転写ベルト219の速度から求めることができる。区間TDと区間TBの差分の時間は、以下のようにして算出することができる。
イエロー現像剤パターン100dotあたりの掃き寄せによる検知誤差時間Terr_y100=Tyb-Tya-T_TC・・・(33)
式(33)で算出したTerr_y100は、イエロー現像剤パターン100dotあたりの掃き寄せによる検知誤差時間である。ここから、1dotあたりの掃き寄せによる検知誤差時間を次式により算出する。
イエロー現像剤パターン1dotあたりの掃き寄せによる検知誤差時間Terr_y=(Tyb-Tya-T_TC)/100・・・(34)
[位置ずれ検知結果の補正]
上述した算出方法により、各色の1dotあたりの掃き寄せによる検知誤差時間Terr_y、Terr_m、Terr_cを求める。そして、上述した式(15)~式(20)で算出した、掃き寄せが発生している状態における位置ずれ補正用パターンの中心位置の検知タイミングを補正する。これにより、掃き寄せの影響を抑制した位置ずれ補正用パターンの中心位置を算出することができる。例えば、位置ずれ補正用パターンの副走査方向のパターン幅が300dotである場合には、次式により中心位置を求めることができる。
掃き寄せ補正後の第1のイエロー現像剤パターンの中心位置ty1’’=(ty11+ty12’)-(Terr_y×300)/2・・・(35)
掃き寄せ補正後の第1のマゼンタ現像剤パターンの中心位置tm1’’=(tm11+tm12’)-(Terr_m×300)/2・・・(36)
掃き寄せ補正後の第1のシアン現像剤パターンの中心位置tc1’’=(tc11+tc12’)-(Terr_c×300)/2・・・(37)
掃き寄せ補正後の第2のイエロー現像剤パターンの中心位置ty2’’=(ty21+ty22’)-(Terr_y×300)/2・・・(38)
掃き寄せ補正後の第2のマゼンタ現像剤パターンの中心位置tm2’’=(tm21+tm22’)-(Terr_m×300)/2・・・(39)
掃き寄せ補正後の第2のシアン現像剤パターンの中心位置tc2’’=(tc21+tc22’)-(Terr_c×300)/2・・・(40)
このように、位置ずれ補正用パターンに発生している掃き寄せによる検知誤差を算出することができる。また、算出した検知誤差に基づき、位置ずれ補正用パターンを検知した中心位置を補正することにより、掃き寄せによる検知誤差を抑制することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、掃き寄せを検知するための掃き寄せ量補正パターンを形成する方法について説明した。本実施形態においては、位置ずれ補正パターンの一部を掃き寄せ量補正パターンとして用いる方法について説明する。なお、画像形成装置の構成、センサユニットの構成、位置ずれ補正制御など、先の第1の実施形態と同様の内容については、ここでの詳しい説明は省略する。
【0042】
[掃き寄せ量補正パターン]
本実施形態においては、掃き寄せによる位置ずれ補正の誤差を抑制するために、位置ずれ補正用パターンと掃き寄せ量補正パターンを兼ねたパターンを形成する。図9に、位置ずれ補正用パターンと掃き寄せ量補正パターンを兼ねたパターンを示す。パターン群901は、位置ずれ補正パターンであり、且つ掃き寄せ量補正パターンの基準パターンを兼ねている。パターン群902は、イエロー現像剤パターン、マゼンタ現像剤パターン、シアン現像剤パターンの幅をパターン群901よりも副走査方向に長くしており、位置ずれ補正パターンであり、且つ掃き寄せ量補正パターンの比較パターンを兼ねている。なお、ブラック現像剤パターンに関しては、ここでは一例として掃き寄せの影響を受けにくいため、掃き寄せ量補正パターンを形成していない。しかし、ブラック現像剤の掃き寄せの影響も補正したい場合は、ブラック現像剤を用いた比較パターンを形成してもよい。
【0043】
図10は、位置ずれ補正パターンと、掃き寄せ量補正パターンを兼ねたパターンの一部を示した図である。また、アナログ出力信号、デジタル出力信号を示している。掃き寄せ量補正の基準パターンを含むパターン群901に対して、比較パターンを含むパターン群902は、副走査方向に幅が長いパターンである。よって、先の第1の実施形態で説明した場合と同様に、掃き寄せの影響の受け方が異なる。各色の比較パターンを検知した場合における、掃き寄せの発生による後端部の波形ピーク値104y、104m、104cは、基準パターンを検知した場合における掃き寄せの発生による後端部の波形ピーク値105y、105m、105cより大きな値となる。
【0044】
各制御部206は、掃き寄せ量補正パターンの形成位置を検知するために、内部でタイマを動作させる。そして、タイマ基準点から、掃き寄せ量補正パターンのデジタル出力信号の立ち上がり、及び立下りエッジに対応する検知タイミングをメモリに記憶する。
【0045】
次に、各色の基準パターン、及び比較パターンのパターン幅の時間を次式により算出する。
イエローの基準パターン幅の時間Tya=(tya2-tya1)・・・(41)
イエローの比較パターン幅の時間Tyb=(tyb2-tyb1)・・・(42)
マゼンタの基準パターン幅の時間Tma=(tma2-tma1)・・・(43)
マゼンタの比較パターン幅の時間Tmb=(tmb2-tmb1)・・・(44)
シアンの基準パターン幅の時間Tca=(tca2-tca1)・・・(45)
シアンの比較パターン幅の時間Tcb=(tcb2-tcb1)・・・(46)
以下、先の第1の実施形態と同様であるため、詳しい説明は省略する。算出した基準パターン、及び比較パターンのパターン幅の時間から差分時間を求める。そして、差分時間から掃き寄せが検知誤差となる量を算出し、位置ずれ補正用パターンを検知した結果を補正する。
【0046】
このように、位置ずれ補正用パターンに発生している掃き寄せによる検知誤差を算出することができる。また、算出した検知誤差に基づき、位置ずれ補正用パターンを検知した中心位置を補正することにより、掃き寄せによる検知誤差を抑制することができる。また、位置ずれ補正用パターンと掃き寄せ量補正パターンを兼ねたパターンを形成することで、検知にかかる時間を短縮することもできる。
【符号の説明】
【0047】
101 基準パターン
102 比較パターン
206 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11