IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社GSユアサの特許一覧

<>
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図1
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図2
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図3
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図4
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図5
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図6
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図7
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図8
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図9
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図10
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図11
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図12
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図13
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図14
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図15
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図16
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図17
  • 特開-情報出力方法及び情報出力システム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184031
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報出力方法及び情報出力システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/58 20200101AFI20221206BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20221206BHJP
   H05B 47/28 20200101ALI20221206BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20221206BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20221206BHJP
   H05B 47/14 20200101ALI20221206BHJP
   H05B 45/14 20200101ALI20221206BHJP
   H05B 45/18 20200101ALI20221206BHJP
【FI】
H05B45/58
G05B19/418 Z
H05B47/28
H05B47/18
H05B47/19
H05B47/14
H05B45/14
H05B45/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091642
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】野村 元哉
(72)【発明者】
【氏名】黒田 篤哉
【テーマコード(参考)】
3C100
3K273
【Fターム(参考)】
3C100AA27
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA56
3C100AA62
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB34
3C100CC02
3C100EE06
3C100EE17
3K273PA02
3K273QA33
3K273QA37
3K273RA12
3K273RA17
3K273SA08
3K273SA09
3K273SA22
3K273SA23
3K273SA35
3K273SA50
3K273TA07
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA70
3K273TA78
3K273UA15
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】複数のLED光源の状態の管理を可能にする情報出力方法及び情報出力システムを提供する。
【解決手段】情報出力方法では、夫々に複数のLED素子を含む複数のLED光源に点灯のために供給される電流及び電圧を取得し、各LED光源での温度を取得し、取得した電流、電圧及び温度の履歴に基づいて、各LED光源に含まれる前記複数のLED素子のジャンクション温度の代表値を計算し、前記複数のLED光源に対応する複数の第1画像を表示し、各第1画像に関連付けて、各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々に複数のLED素子を含む複数のLED光源に点灯のために供給される電流及び電圧を取得し、
各LED光源での温度を取得し、
取得した電流、電圧及び温度の履歴に基づいて、各LED光源に含まれる前記複数のLED素子のジャンクション温度の代表値を計算し、
前記複数のLED光源に対応する複数の第1画像を表示し、
各第1画像に関連付けて、各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像を表示する
情報出力方法。
【請求項2】
各第1画像は、各LED光源の発光面を模擬している
請求項1に記載の情報出力方法。
【請求項3】
各LED光源でのジャンクション温度の代表値に応じて、各第1画像の色を調整する
請求項1又は2に記載の情報出力方法。
【請求項4】
各LED光源でのジャンクション温度の代表値と各LED光源の点灯時間との関係に基づいて、各LED光源の劣化状態を判定し、
前記第2画像は、更に、各LED光源の劣化状態を示す
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報出力方法。
【請求項5】
各LED光源の劣化状態に応じて、各第1画像の色を調整する
請求項4に記載の情報出力方法。
【請求項6】
夫々に複数のLED素子を含む複数のLED光源と、
前記複数のLED光源に点灯のために供給される電流及び電圧を計測する計測部と、
各LED光源での温度を測定する温度センサと、
情報処理装置と、
情報を出力する端末装置とを備え、
前記情報処理装置は、
前記計測部が計測した電流及び電圧を取得し、
前記温度センサが測定した温度を取得し、
取得した電流、電圧及び温度の履歴に基づいて、各LED光源に含まれる前記複数のLED素子のジャンクション温度の代表値を計算し、
前記端末装置は、
前記複数のLED光源に対応する複数の第1画像を表示し、
各第1画像に関連付けて、前記情報処理装置が計算した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像を表示する
情報出力システム。
【請求項7】
通信装置を更に備え、
前記情報処理装置は、
計算した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を前記通信装置へ送信し、
前記通信装置は、
前記複数の第1画像を表示するための第1データと、受信した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した前記第2画像を表示するための第2データとを、前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、
受信した前記第1データ及び前記第2データに基づいて、前記複数の第1画像及び前記第2画像を表示する
請求項6に記載の情報出力システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記複数の第1画像を表示するための第1データと、受信した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した前記第2画像を表示するための第2データとを、前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、
受信した前記第1データ及び前記第2データに基づいて、前記複数の第1画像及び前記第2画像を表示する
請求項6に記載の情報出力システム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、
各LED光源でのジャンクション温度の代表値と各LED光源の点灯時間との関係に基づいて、各LED光源の劣化状態を判定し、
前記端末装置は、
前記情報処理装置が判定した各LED光源の劣化状態をも示す前記第2画像を表示する
請求項6乃至8のいずれか一つに記載の情報出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光源の状態に関する情報を出力する情報出力方法及び情報出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
UV(ultraviolet;紫外線)は、種々の産業で利用されている。例えば、UVの照射によって硬化する物質を利用した技術が、造形、接着、コーティング、塗装及び印刷等の種々の産業用のプロセスで利用されている。例えば、液晶パネルの製造技術には、レジストの剥離、又は接着剤の硬化等の工程でUVを利用するものがある。UVの光源としては、効率が高く、制御が容易であることから、LED(light emitting diode;発光ダイオード)を用いたLED光源が用いられることがある。LED光源は、使用に伴って徐々に劣化し、最終的に、不点灯等の故障が発生するか、又は照度の低下によって産業用のプロセスに支障をもたらすことがある。故障が発生した場合、又は産業用のプロセスに支障をもたらすまで照度が低下した場合は、LED光源を用いた印刷機又は液晶パネルの製造装置等の機械の使用ができなくなる。特許文献1には、電流及び電圧等に基づいてLED光源の故障を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5662347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LED光源の故障、又は産業用のプロセスに支障をもたらす照度の低下が検出された場合、LED光源が交換されるまでは、印刷機等の機械の使用ができなくなる。そこで、LED光源の状態を監視し、故障又は照度の低下を未然に防止することが望ましい。通常、機械には複数のLED光源が備えられている。また、複数の機械が同時に稼働していることもある。そこで、複数のLED光源の状態を管理するための技術が望まれる。
【0005】
本発明は、複数のLED光源の状態の管理を可能にする情報出力方法及び情報出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る情報出力方法は、夫々に複数のLED素子を含む複数のLED光源に点灯のために供給される電流及び電圧を取得し、各LED光源での温度を取得し、取得した電流、電圧及び温度の履歴に基づいて、各LED光源に含まれる前記複数のLED素子のジャンクション温度の代表値を計算し、前記複数のLED光源に対応する複数の第1画像を表示し、各第1画像に関連付けて、各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像を表示する。
【0007】
本発明の一局面に係る情報出力システムは、夫々に複数のLED素子を含む複数のLED光源と、前記複数のLED光源に点灯のために供給される電流及び電圧を計測する計測部と、各LED光源での温度を測定する温度センサと、情報処理装置と、情報を出力する端末装置とを備える。前記情報処理装置は、前記計測部が計測した電流及び電圧を取得し、前記温度センサが測定した温度を取得し、取得した電流、電圧及び温度の履歴に基づいて、各LED光源に含まれる前記複数のLED素子のジャンクション温度の代表値を計算する。前記端末装置は、前記複数のLED光源に対応する複数の第1画像を表示し、各第1画像に関連付けて、前記情報処理装置が計算した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像を表示する。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、複数のLED光源の状態を管理することができる。LED光源の状態に応じた管理を行うことにより、LED光源を利用する機械が使用できなくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】LED光源の状態に関する情報を出力する実施形態1に係る情報出力システム100の構成例を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る拠点に設置された情報処理装置及び機械の機能構成例を示すブロック図である。
図3】光源データの内容例を示す概念図である。
図4】通信装置の内部の機能構成例を示すブロック図である。
図5】端末装置の内部の機能構成例を示すブロック図である。
図6】実施形態1に係る情報出力システムが実行する情報取得の処理の手順を示すフローチャートである。
図7】ジャンクション温度が一定である場合の維持率の時間変化を模式的に示すグラフである。
図8】実際のLED素子の維持率の時間変化を模式的に示すグラフである。
図9】複数の機械のリストの表示例を示す模式図である。
図10】受付画像の例を示す模式図である。
図11】情報出力システムがLED光源の状態に関する情報を出力する処理の手順を示すフローチャートである。
図12】複数の第1画像の例を示す模式図である。
図13】第2画像の第1の例を示す模式図である。
図14】第2画像の第2の例を示す模式図である。
図15】第2画像の第3の例を示す模式図である。
図16】第2画像の第4の例を示す模式図である。
図17】実施形態2に係る情報出力システムの構成の第1の例を示す模式図である。
図18】実施形態2に係る情報出力システムの構成の第2の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
情報出力方法では、夫々に複数のLED素子を含む複数のLED光源に点灯のために供給される電流及び電圧を取得し、各LED光源での温度を取得し、取得した電流、電圧及び温度の履歴に基づいて、各LED光源に含まれる前記複数のLED素子のジャンクション温度の代表値を計算し、前記複数のLED光源に対応する複数の第1画像を表示し、各第1画像に関連付けて、各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像を表示する。
【0011】
情報出力方法では、複数のLED光源に供給される電流及び電圧並びにLED光源の温度が取得され、ジャンクション温度の代表値が計算される。複数のLED光源に対応する複数の第1画像が表示され、各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像が表示される。使用者は、第1画像を見て、各LED光源に関する情報が出力されることを知ることができる。また、使用者は、第2画像を見て、ジャンクション温度の代表値を確認することができる。ジャンクション温度の代表値が高すぎることは、LED光源21の温度が異常である。使用者は、ジャンクション温度に異常のあるLED光源を冷却させる等の方法により、ジャンクション温度の代表値に応じた処置を行うことができる。このようにして、使用者は、複数のLED光源の状態を管理することができる。
【0012】
情報出力方法では、各第1画像は、各LED光源の発光面を模擬していてもよい。第1画像がLED光源の発光面を模擬していることにより、第1画像を視認した使用者は、第1画像がLED光源に関係していることを容易に認識することができる。
【0013】
情報出力方法では、各LED光源でのジャンクション温度の代表値に応じて、各第1画像の色を調整してもよい。ジャンクション温度の代表値が他のLED光源と異なるLED光源に対応する第1画像は、他の第1画像と異なる色を有する。使用者は、第1画像の色を確認することにより、ジャンクション温度の代表値が異常であるLED光源を認識することができる。また、使用者は、複数のLED光源の中から、ジャンクション温度の代表値が他と異なるLED光源を認識することができる。
【0014】
情報出力方法では、各LED光源でのジャンクション温度の代表値と各LED光源の点灯時間との関係に基づいて、各LED光源の劣化状態を判定し、前記第2画像は、更に、各LED光源の劣化状態を示してもよい。点灯時間が長くなるほどLED素子は劣化し、ジャンクション温度が高いほど劣化がより速く進行するので、ジャンクション温度の代表値及び点灯時間に基づいて、LED光源の劣化状態が判定される。使用者は、第2画像を見て、LED光源の劣化状態を確認することができる。使用者は、既に劣化したLED光源を交換する等の方法により、LED光源の劣化状態に応じた処置を行うことができる。
【0015】
情報出力方法では、各LED光源の劣化状態に応じて、各第1画像の色を調整してもよい。劣化状態が他のLED光源と異なるLED光源に対応する第1画像は、他の第1画像と異なる色を有する。使用者は、第1画像の色を確認することにより、劣化状態に異常があるLED光源を認識することができる。また、使用者は、複数のLED光源の中から、劣化状態が他と異なるLED光源を認識することができる。
【0016】
情報出力システムは、夫々に複数のLED素子を含む複数のLED光源と、前記複数のLED光源に点灯のために供給される電流及び電圧を計測する計測部と、各LED光源での温度を測定する温度センサと、情報処理装置と、情報を出力する端末装置とを備える。前記情報処理装置は、前記計測部が計測した電流及び電圧を取得し、前記温度センサが測定した温度を取得し、取得した電流、電圧及び温度の履歴に基づいて、各LED光源に含まれる前記複数のLED素子のジャンクション温度の代表値を計算する。前記端末装置は、前記複数のLED光源に対応する複数の第1画像を表示し、各第1画像に関連付けて、前記情報処理装置が計算した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像を表示する。情報出力システムでは、情報処理装置は、複数のLED光源に供給される電流及び電圧並びにLED光源の温度を取得し、ジャンクション温度の代表値を計算する。また、端末装置は、複数の第1画像及び第2画像を表示する。使用者は、端末装置を利用して、第1画像及び第2画像を視認する。使用者は、端末装置を利用して、LED光源のジャンクション温度の代表値を確認することができる。使用者は、ジャンクション温度の代表値に応じた処置を行うことができる。このようにして、使用者は、端末装置を利用して、複数のLED光源の状態を管理することができる。
【0017】
情報出力システムでは、通信装置を更に備え、前記情報処理装置は、計算した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を前記通信装置へ送信し、前記通信装置は、前記複数の第1画像を表示するための第1データと、受信した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した前記第2画像を表示するための第2データとを、前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、受信した前記第1データ及び前記第2データに基づいて、前記複数の第1画像及び前記第2画像を表示してもよい。情報処理装置は、取得した情報を通信装置へ送信し、通信装置は、第1データ及び第2データを端末装置へ送信する。端末装置は、第1データに基づいて第1画像を表示し、第2データに基づいて第2画像を表示する。通信装置が端末装置へのデータの送信を行うことにより、情報処理装置に負担をかけることなく、安定した情報の出力が可能となる。なお、データの送信による情報処理装置での負担が小さい形態では、情報処理装置が端末装置へのデータの送信を行ってもよい。
【0018】
情報出力システムでは、前記情報処理装置は、前記複数の第1画像を表示するための第1データと、受信した各LED光源でのジャンクション温度の代表値を示した前記第2画像を表示するための第2データとを、前記端末装置へ送信し、前記端末装置は、受信した前記第1データ及び前記第2データに基づいて、前記複数の第1画像及び前記第2画像を表示してもよい。情報処理装置は、取得した情報に基づいた第1データ及び第2データを端末装置へ送信し、端末装置は、第1データに基づいて第1画像を表示し、第2データに基づいて第2画像を表示する。情報処理装置が端末装置へのデータの送信を行うことにより、情報出力システムに必要な装置を減らすことができる。
【0019】
情報出力システムでは、前記情報処理装置は、各LED光源でのジャンクション温度の代表値と各LED光源の点灯時間との関係に基づいて、各LED光源の劣化状態を判定し、前記端末装置は、前記情報処理装置が判定した各LED光源の劣化状態をも示す前記第2画像を表示してもよい。情報処理装置は、点灯時間が長くなるほどLED素子は劣化し、ジャンクション温度が高いほど劣化がより速く進行することに基づいて、LED光源の劣化状態を判定する。使用者は、端末装置を利用して、LED光源の劣化状態を確認し、LED光源の劣化状態に応じた処置を行うことができる。
【0020】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
<実施形態1>
図1は、LED光源の状態に関する情報を出力する実施形態1に係る情報出力システム100の構成例を示す模式図である。情報出力システム100は、機械2に備えられたLED光源に関する情報を出力する情報出力方法を実行する。複数の拠点20の夫々に、機械2と、情報処理装置1とが設置されている。複数の情報処理装置1は、インターネット等の通信ネットワーク5に接続されている。通信ネットワーク5には、通信装置4が接続されている。更に、情報出力システム100は、端末装置3を含んでいる。情報出力システム100は、複数の端末装置3を含んでいてもよい。
【0021】
機械2は、LED光源を備えている。機械2は、例えば、印刷機、又は画像表示用の液晶パネルを製造する装置等の産業用の機械である。拠点20は、例えば工場である。情報処理装置1は、機械2に接続されている。一つの拠点20には、複数の機械2が設置されていてもよい。複数の機械2が設置されている場合は、複数の機械2と複数の情報処理装置1とが1対1で接続されていてもよく、一つの情報処理装置1に複数の機械2が接続されていてもよい。情報処理装置1は、機械2に搭載されていてもよい。
【0022】
通信ネットワーク5は、無線通信ネットワークを含んでいてもよい。通信装置4と情報処理装置1とは、通信ネットワーク5を介して通信を行う。端末装置3は、可搬型であり、使用者が所持する。例えば、端末装置3は、無線通信を利用する。端末装置3は、通信ネットワーク5を介して通信装置4と通信を行う。情報処理装置1は、機械2が備えるLED光源の状態に関する情報を取得し、通信装置4は、情報処理装置1が取得した情報を記憶し、端末装置3は情報を出力する。
【0023】
図2は、実施形態1に係る拠点20に設置された情報処理装置1及び機械2の機能構成例を示すブロック図である。機械2は、複数のLED光源21を備えている。複数のLED光源21は、UV照射を行う工程で用いられる位置に設けられている。例えば、複数のLED光源21は、一つの工程で用いられ、一つの位置に設けられている。又は、複数のLED光源21は、複数の工程で用いられ、複数の位置に設けられていてもよい。機械2で行われる夫々の工程は、産業用のプロセスの例である。LED光源21は、UVを発光する複数のLED素子211を含んでいる。例えば、LED光源21は平板状であり、機械2内の所定の箇所に複数のLED光源21が並べて配置されている。複数のLED光源21には、複数のLED光源21へ電力を供給するための電源部22が接続されている。電源部22には、電源部22を制御する制御部23が接続されている。また、複数のLED光源21は、情報処理装置1に接続されている。
【0024】
LED光源21は、基板213と、複数のLED素子211と、温度センサ212とを有している。例えば、基板213は、樹脂を被覆した金属製であり、平板状である。基板213上には、複数のLED素子211が実装されている。例えば、複数のLED素子211は、マトリクス状に配置されている。基板213上に配置された複数のLED光源21は、発光する平面である発光面をなす。図2には、LED光源21に6個のLED素子211が含まれた例を示しているが、LED光源21に含まれるLED素子211の数は他の数であってもよい。複数のLED素子211は互いに直列に接続され、電源部22に接続されている。複数のLED素子211の一部又は全部は並列に接続されていてもよい。電源部22から電力を供給されることにより、LED素子211は点灯し、UVを発光する。
【0025】
温度センサ212は、基板213の所定の位置に配置されている。例えば、温度センサ212はサーミスタである。LED光源21は、情報処理装置1に接続されている。LED光源21は、温度センサ212が測定した温度の値を情報処理装置1へ入力する。例えば、情報処理装置1は温度センサ212に直接に接続されている。温度センサ212はLED光源21の温度を測定し、情報処理装置1は温度センサ212が測定した温度の値を取得する。又は、温度センサ212は、電源部22を経由して情報処理装置1に接続されていてもよく、電源部22は、温度センサ212が測定した温度の値を取得し、温度の値を情報処理装置1へ入力してもよい。LED光源21には複数の温度センサ212が設けられていてもよい。複数のLED光源21の夫々は、同様の構成となっている。LED光源21は、冷却ファン等、その他の機構を含んでいてもよい。
【0026】
制御部23は、電源部22の動作を制御する。LED素子211を点灯させるべきタイミングで、制御部23は点灯のための制御信号を電源部22へ入力し、電源部22は、制御信号に従ってLED光源21へ電力を供給する。電力は複数のLED素子211へ供給され、複数のLED素子211は点灯する。LED素子211を消灯させるべきタイミングで、制御部23は消灯のための制御信号を電源部22へ入力し、電源部22は、制御信号に従って電力の供給を停止し、複数のLED素子211は消灯する。制御部23は、制御信号を停止することによって電源部22に電力の供給を停止させてもよい。複数のLED素子211が点灯することにより、LED光源21が点灯し、複数のLED素子211が消灯することにより、LED光源21は消灯する。LED光源21が点灯することにより、UVが発光され、機械2は、UVを利用した夫々の工程を実行する。
【0027】
電源部22は、LED光源21へ供給する電流及び電圧を計測する計測部221を有している。電源部22は、計測部221が計測した電流及び電圧の値を情報処理装置1へ入力する。情報処理装置1は、LAN(local area network)等の通信ネットワークを介してLED光源21及び電源部22に接続されてもよい。
【0028】
電源部22及び制御部23は、例えば、機械2に設けられている。図2には、複数のLED光源21が単一の電源部22に接続された例を示したが、複数の電源部22が設けられ、LED光源21と電源部22とが一対一で接続されていてもよい。計測部221は電源部22の外部にあってもよい。一つの拠点20に複数の機械2が存在している場合、制御部23は、複数の機械2に設けられた複数の電源部22を制御する形態であってもよい。電源部22は、複数の機械2に設けられた複数のLED光源21へ電力を供給してもよい。
【0029】
情報処理装置1は、サーバ装置等のコンピュータである。情報処理装置1は、ネットワークカード型のデバイスであってもよい。情報処理装置1は、演算部11と、メモリ12と、記憶部13と、ドライブ部14と、通信部15と、インタフェース部16とを備えている。演算部11は、例えばCPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit)、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部11は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ12は、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶する。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)である。記憶部13は、不揮発性であり、例えばハードディスクである。ドライブ部14は、光ディスク又は可搬型メモリ等の記録媒体10から情報を読み取る。通信部15は、通信ネットワーク5に接続され、情報処理装置1の外部の装置と通信ネットワーク5を通じて通信を行う。インタフェース部16は、複数のLED光源21と電源部22とに接続されている。
【0030】
演算部11は、記録媒体10に記録されたコンピュータプログラム131をドライブ部14に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム131を記憶部13に記憶させる。演算部11は、コンピュータプログラム131に従って、情報処理装置1に必要な処理を実行する。なお、コンピュータプログラム131は情報処理装置1の外部からダウンロードされてもよく、予めコンピュータプログラム131が記憶された記憶部13が情報処理装置1に備えられてもよい。これらの場合は、情報処理装置1はドライブ部14を備えていなくてもよい。なお、情報処理装置1は複数のコンピュータで実現されていてもよい。
【0031】
記憶部13は、複数のLED光源21の状態に関する情報を記録した光源データ132を記憶している。図3は、光源データ132の内容例を示す概念図である。光源データ132には、機械2に関する情報が記録されている。図3に示す例では、機械2に関する情報として、拠点20を識別するための拠点識別情報と、機械2を識別するための機械識別情報と、拠点20の名称と、機械2の形式とが記録されている。名称は、機械2の名称、又は機械2を使用する事業者の名称であってもよい。機械2に関する情報は、光源データ132には含まれていなくてもよく、一部のみが光源データ132に含まれていてもよい。
【0032】
光源データ132には、複数のLED光源21に関するデータが含まれている。一つのLED光源21に関するデータには、当該LED光源21を識別するための識別情報が含まれている。時刻に関連付けて、LED光源21が点灯しているか又は消灯しているかを示す点灯情報、LED光源21に供給された電流及び電圧の値、並びに温度センサ212が測定した温度の値が記録されている。時刻の情報は、年月日を示す情報を含んでいてもよい。また、時刻に関連付けて、複数のLED素子211のジャンクション温度の代表値が記録されている。ジャンクション温度は、LED素子211の接合部の温度である。ジャンクション温度の代表値は、LED光源21が有する複数のLED素子211のジャンクション温度の代表的な値である。例えば、代表値は、複数のLED素子211のジャンクション温度の平均値、中央値、又は最頻値に対応する。ジャンクション温度が高いほど、LED素子211の劣化が早まる。このため、ジャンクション温度の代表値が高すぎることは、LED光源21の温度が異常であることを意味する。なお、光源データ132に含まれる一つのLED光源21に関するデータには、時刻の代わりに、LED光源21を点灯しているときに経過した時間の積算である点灯時間が記録されていてもよい。
【0033】
更に、一つのLED光源21に関するデータには、当該LED光源21に含まれるLED素子211が発光するUVの照度の維持率と、LED光源21が将来に劣化する時期である劣化時期とが記録されている。UV照度の維持率は、初期のUV照度に対する現在のUV照度の割合を示す。劣化時期は、現在から維持率が所定の閾値以下になるまでの点灯時間の長さを示す。例えば、閾値は、UV照度の低下によって機械2で行われる工程に支障をきたし始めるときの維持率である。光源データ132には、冷却ファンの動作時間等、各LED光源21に関するその他の情報が記録されていてもよい。
【0034】
図4は、通信装置4の内部の機能構成例を示すブロック図である。通信装置4は、サーバ装置等のコンピュータである。通信装置4は、演算部41と、メモリ42と、記憶部43と、ドライブ部44と、通信部45とを備えている。演算部41は、例えばCPU、GPU、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部41は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ42は、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶する。メモリ42は、例えばRAMである。記憶部43は、不揮発性であり、例えばハードディスクである。ドライブ部44は、光ディスク又は可搬型メモリ等の記録媒体40から情報を読み取る。通信部45は、通信ネットワーク5に接続され、通信装置4の外部の装置と通信ネットワーク5を通じて通信を行う。
【0035】
演算部41は、記録媒体40に記録されたコンピュータプログラム431をドライブ部44に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム431を記憶部43に記憶させる。演算部41は、コンピュータプログラム431に従って、通信装置4に必要な処理を実行する。なお、コンピュータプログラム431は通信装置4の外部からダウンロードされてもよく、予めコンピュータプログラム431が記憶された記憶部43が通信装置4に備えられてもよい。これら場合は、通信装置4はドライブ部44を備えていなくてもよい。なお、通信装置4は複数のコンピュータで実現されていてもよく、クラウドを用いて構成されていてもよい。
【0036】
記憶部43は、光源DB(データベース)432を記憶している。光源DB432は、複数の光源データ132を含んでいる。光源DB432に含まれる光源データ132は、情報出力システム100に含まれる複数の情報処理装置1が夫々に生成した光源データ132である。
【0037】
図5は、端末装置3の内部の機能構成例を示すブロック図である。端末装置3は、スマートフォン又はタブレット型コンピュータ等、使用者が使用する可搬型のコンピュータである。端末装置3は、演算部31と、メモリ32と、記憶部33と、操作部34と、表示部35と、通信部36とを備えている。演算部31は、例えばCPU、GPU、又はマルチコアCPUを用いて構成されている。演算部31は、量子コンピュータを用いて構成されていてもよい。メモリ32は、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶する。メモリ32は、例えばRAMである。記憶部33は、不揮発性であり、例えばハードディスク又は不揮発性半導体メモリである。操作部34は、使用者からの操作を受け付けることにより、テキスト等の情報の入力を受け付ける。操作部34は、例えばタッチパネル、キーボード又はポインティングデバイスである。表示部35は、画像を表示する。表示部35は、例えば液晶ディスプレイ又はELディスプレイ(Electroluminescent Display)である。操作部34及び表示部35は、一体になっていてもよい。通信部36は、有線又は無線通信により、端末装置3の外部の装置と通信を行う。
【0038】
記憶部33は、コンピュータプログラム331を記憶する。コンピュータプログラム331は、コンピュータプログラム331を記憶する光ディスク又は可搬型メモリ等の記録媒体30から読み出され、通信部36を用いてダウンロードされ、記憶部33に記憶される。例えば、コンピュータプログラム331は、通信装置4からダウンロードされる。コンピュータプログラム331は、予め記憶部33に記憶されていてもよい。或は、コンピュータプログラム331は、記憶部33ではなく、メモリ32に記憶されてもよい。例えば、コンピュータプログラム331は、情報出力システム100に関する処理を実行する際にダウンロードされ、メモリ32に記憶され、情報出力システム100に関する処理が終了する際にメモリ32から消去されてもよい。演算部31は、コンピュータプログラム331に従って必要な処理を実行する。
【0039】
次に、実施形態1に係る情報出力システム100が実行する処理を説明する。各拠点20では、制御部23は、所定のプログラム又は外部から入力される指示に従って、制御信号を電源部22へ入力することにより、電源部22の動作を制御する。電源部22は、制御部23による制御に従って、各LED光源21へ電力を供給することにより、各LED光源21に含まれる複数のLED素子211を点灯させる。また、電源部22は、制御部23による制御に従って、電力の供給を停止することにより、各LED光源21に含まれる複数のLED素子211を消灯させる。このようにして、制御部23は、複数のLED光源21の点灯及び消灯を制御する。
【0040】
制御部23が各LED光源21の点灯及び消灯を制御することに並行して、情報出力システム100は、各LED光源21の状態に関する情報を取得する処理を実行する。図6は、実施形態1に係る情報出力システム100が実行する情報取得の処理の手順を示すフローチャートである。以下、ステップをSと略す。情報処理装置1は、電源部22がLED光源21へ供給する電流及び電圧の値を取得し、LED光源21の温度を取得する(S11)。S11では、計測部221が電流及び電圧を計測し、計測した電流及び電圧の値を電源部22が情報処理装置1へ入力する。情報処理装置1は、インタフェース部16で電流及び電圧の値を取得する。また、温度センサ212がLED光源21の温度を測定し、情報処理装置1は、温度センサ212が測定した温度の値をインタフェース部16で取得する。温度センサ212は測定した温度の値を情報処理装置1へ入力してもよく、温度に応じた信号を温度センサ212がインタフェース部16へ入力し、入力された信号に基づいて演算部11が温度を判定してもよい。
【0041】
情報処理装置1は、次に、時刻、LED光源21が点灯しているか又は消灯しているかを示す点灯情報、並びに取得した電流、電圧及び温度の値を、記憶部13に記憶する(S12)。S12では、演算部11は、電源部22から取得した電流及び電圧に応じて、点灯情報を生成する。例えば、演算部11は、LED光源21が点灯するために十分な電流及び電圧の値が取得された場合は、点灯を示す点灯情報を生成し、取得された電流又は電圧の値が点灯に必要な値に達していない場合は、消灯を示す点灯情報を生成する。なお、制御部23がインタフェース部16に接続され、制御部23による点灯及び消灯の制御内容をインタフェース部16が制御部23から取得し、演算部11は取得した制御内容に応じて点灯情報を生成してもよい。
【0042】
また、演算部11は、S11又はS12を実行する時刻を計測する。情報処理装置1は、時刻を計測する時計部を有していてもよい。S12では、演算部11は、記憶部13に記憶している光源データ132に、時刻、点灯情報、並びに電流、電圧及び温度の値を関連付けて記録することにより、時刻、点灯情報、電流、電圧及び温度を記憶部13に記憶する。光源データ132に過去の情報が記録されている場合は、演算部11は、過去の情報に時刻、点灯情報、電流、電圧及び温度を追加する。このため、光源データ132には、時刻、点灯情報、電流、電圧及び温度の履歴が記録される。S12では、演算部11は、光源データ132に点灯時間を記録してもよい。
【0043】
情報処理装置1は、次に、電流、電圧及び温度の値に基づいて、LED光源21に含まれる複数のLED素子211のジャンクション温度の代表値を計算する(S13)。S13では、演算部11は、LED光源21に供給された電流及び電圧並びに温度センサ212が測定した温度に基づき、従来の計算方法により、ジャンクション温度の代表値を計算する。代表値は、LED光源21に含まれる複数のLED素子211のジャンクション温度を代表する値であり、計算によって推測される値である。例えば、代表値は、特定のLED素子211のジャンクション温度、又は複数のLED素子211のジャンクション温度の平均値、中央値、最頻値、若しくは最大値である。
【0044】
S13では、演算部11は、例えば、電流及び電圧からLED素子211での消費電力を計算し、熱抵抗法により、消費電力と、温度センサ212が測定した温度と、基板213及びLED素子211の熱抵抗とから、ジャンクション温度の代表値を計算する。例えば、熱抵抗の値は予め記憶部13に記憶されているか、又はコンピュータプログラム131に予め含まれている。演算部11は、電流、電圧及び温度の値の履歴に基づいて、ジャンクション温度の代表値を計算してもよい。S13では、演算部11は、更に、計算したジャンクション温度の代表値を、計算に用いた電流、電圧及び温度の値に関連付けて光源データ132に記録することにより、ジャンクション温度の代表値を記憶部13に記憶する。光源データ132に過去の情報が記録されている場合は、演算部11は、過去の情報にジャンクション温度の代表値を追加する。このため、光源データ132には、ジャンクション温度の代表値の履歴が記録される。
【0045】
情報処理装置1は、次に、LED光源21の状態を表す情報として、LED光源21に含まれる各LED素子211のUV照度の維持率を計算する(S14)。UV照度は、LED素子211が発光するUVの照度である。UV照度の維持率は、初期のLED素子211のUV照度に対する現在のLED素子211のUV照度の割合を示す。
【0046】
図7は、ジャンクション温度が一定である場合の維持率の時間変化を模式的に示すグラフである。図中の横軸は点灯時間を示し、縦軸はUV照度の維持率を示す。点灯時間は、LED光源21が点灯し続けている間に経過した時間である。一般的に、点灯時間が長くなるほど、LED素子211は劣化し、UV照度が低下する。即ち、点灯時間が長くなるほど、維持率はより低下する。維持率がある程度低下した状態では、UVの光量が減少し、機械2に必要なUVの光量が不足する。維持率が所定の閾値以下になった場合に、LED光源21が劣化したとする。LED光源21が劣化する速さは、LED素子211のジャンクション温度によって異なる。即ち、維持率の変化は、ジャンクション温度によって異なる。ジャンクション温度が高いほど、劣化がより速く進行し、維持率はより低下する。図7には、ジャンクション温度が所定の一定温度である場合の維持率を実線で示し、ジャンクション温度がより高い温度である場合の維持率を破線で示し、ジャンクション温度が更に高い温度である場合の維持率を一点鎖線で示す。ジャンクション温度に応じて、点灯時間の長さに対する維持率の変化率が異なる。ジャンクション温度が高いほど、LED光源21はより短い点灯時間で劣化する。
【0047】
図8は、実際のLED素子211の維持率の時間変化を模式的に示すグラフである。図中の横軸は点灯時間を示し、縦軸はUV照度の維持率を示す。実際には、ジャンクション温度は一定ではないので、点灯時間の長さに対する維持率の変化率はジャンクション温度に応じて変化する。このため、実際の維持率は、図8に示すように、変化率を変化させながら、点灯時間に応じて減少する。
【0048】
S14では、演算部11は、光源データ132に記録された時刻、点灯情報及びジャンクション温度の代表値の履歴に基づいて、UV照度の維持率を計算する。例えば、演算部11は、時刻及び点灯情報から、LED光源21が点灯していた時刻を特定し、特定した時刻に関連付けられたジャンクション温度の代表値を、特定した時刻でのジャンクション温度とする。また、演算部11は、時刻とジャンクション温度との関係から、点灯時間とジャンクジョン温度との関係を定め、各ジャンクション温度に応じた維持率の変化率と点灯時間の長さとに応じて、LED光源21が点灯していた夫々の時刻における維持率を逐次計算する。例えば、ジャンクション温度に応じた維持率の変化率は、予め記憶部13に記憶されているか、又はコンピュータプログラム131に予め含まれている。例えば、演算部11は、図8に示すごときグラフを生成することにより、現在の維持率を計算する。
【0049】
なお、情報処理装置1は、その他の方法でUV照度の維持率を計算してもよい。例えば、機械2に照度計又はカメラを備えておき、情報処理装置1は、照度計が測定したUV照度又はカメラが測定したUVの明るさを取得し、取得した情報に基づいてUV照度の維持率を計算してもよい。光源データ132に点灯時間を記録している場合は、演算部11は、記録している点灯時間とジャンクション温度との関係から、維持率を計算してもよい。
【0050】
S14では、演算部11は、記憶部13に記憶している光源データ132に維持率を記録することにより、維持率を記憶部13に記憶する。光源データ132に過去の維持率が記録されている場合は、演算部11は、記録されている維持率を更新してもよく、維持率の履歴を記録してもよい。
【0051】
情報処理装置1は、次に、各LED光源21が劣化する時期を示す劣化時期を計算する(S15)。劣化時期は、計算によって推測される値である。S15では、演算部11は、例えば、図8に示すごとき維持率の変化のグラフを生成し、グラフを外挿し、現在から維持率が閾値以下になるまでの点灯時間の長さを計算する。現在から維持率が閾値以下になるまでの点灯時間の長さは、LED光源21の劣化時期である。例えば、維持率の閾値は、予め記憶部13に記憶されているか、又はコンピュータプログラム131に予め含まれている。例えば、S14で計算した維持率が閾値以下である場合は、演算部11は、劣化時期をゼロ若しくは負の値にするか、又は、LED光源21が既に劣化した状態であることを示す情報を生成する。
【0052】
S15では、演算部11は、記憶部13に記憶している光源データ132に劣化時期を記録することにより、LED光源21の劣化時期を記憶部13に記憶する。光源データ132に過去の劣化時期が記録されている場合は、演算部11は、記録されている劣化時期を更新してもよく、劣化時期の履歴を記録してもよい。S14及びS15の処理により、情報処理装置1は、各LED光源21の劣化状態を判定する。
【0053】
情報処理装置1は、接続されている複数のLED光源21の夫々について、S11~S15の処理を実行する。情報処理装置1は、各LED光源21に関するその他の情報を取得して光源データ132に記録してもよい。情報処理装置1は、S11~S15の処理を随時繰り返し実行する。
【0054】
情報処理装置1は、光源データ132を通信装置4へ送信する(S16)。S16では、演算部11は、記憶部13に記憶している光源データ132を、通信部15に、通信ネットワーク5を介して通信装置4へ送信させる。演算部11は、光源データ132を全て送信してもよく、各LED光源21に関する最新の情報を光源データ132から抽出し、抽出した情報を送信してもよい。情報処理装置1は、S11~S15の処理を実行する都度、又は定期的に、S16の処理を実行する。情報処理装置1は、通信装置4からデータ送信の要求を受け付け、データ送信の要求に応じて光源データ132を送信してもよい。
【0055】
通信装置4は、情報処理装置1から送信された光源データ132を通信部45で受信する(S17)。通信装置4は、受信した光源データ132を記憶部43に記憶する(S18)。S18では、演算部41は、記憶部43に記憶した光源DB432に光源データ132を記録することにより、光源データ132を記憶部43に記憶する。通信装置4は、S17で、複数の情報処理装置1の夫々から送信された光源データ132を受信し、S18で、夫々の光源データ132を光源DB432に記録する。情報出力システム100は、以上で情報取得の処理を終了する。S11~S15の処理が随時実行され、S11~S15の処理が実行される都度又は定期的にS16~S18の処理が実行されることにより、光源DB432は、随時更新される。
【0056】
情報出力システム100は、各LED光源21の状態に関する情報を出力する処理を実行する。通信装置4は、端末装置3に対して情報を提供するサーバ装置として機能し、端末装置3は、通信装置4から提供された情報を出力するクライアント装置として機能する。例えば、コンピュータプログラム431は、ウェブサーバプログラムが含まれており、通信装置4の演算部41は、コンピュータプログラム431に従って、端末装置3へ情報を送信する。例えば、コンピュータプログラム331は、ウェブブラウザプログラムを含んでおり、端末装置3の演算部31は、コンピュータプログラム331に従って、ウェブページを表示部35に表示することにより、通信装置4から提供された情報を出力する。
【0057】
端末装置3は、情報出力システム100に含まれる複数の機械2のリストを表示部35に表示する。通信装置4は、光源DB432に記録されている複数の機械2に関する情報を端末装置3へ送信し、端末装置3は、受信した情報に基づいて、複数の機械2のリストを表示部35に表示する。通信装置4は、光源DB432とは別に、複数の機械2に関する情報を記憶部43に記憶しておき、当該情報を端末装置3へ送信してもよい。
【0058】
図9は、複数の機械2のリストの表示例を示す模式図である。情報出力システム100に含まれる複数の機械2の夫々について、機械2を特定するための機械2に固有の情報が表示される。機械2に固有の情報として、拠点識別情報と、機械識別情報と、拠点20の名称と、機械形式とが表示される。拠点識別情報、機械識別情報、名称及び機械形式の一部のみが表示されてもよく、機械2に固有の他の情報が表示されてもよい。端末装置3を使用する使用者は、表示されたリストを視認し、操作部34を操作することにより、いずれかの機械2を指定する。一つの拠点20に複数の機械2が存在している場合は、一つの拠点識別情報に関連付けて、複数の機械2に関する機械識別情報、名称、及び機械形式が表示されてもよい。まず複数の拠点20のリストが表示され、いずれかの拠点20が指定された場合に、指定された拠点20に設置された機械2のリストが表示されてもよい。
【0059】
いずれかの機械2が指定された場合に、端末装置3は、指定された機械2が備えるLED光源21の状態に関する情報の要求を受け付けるための受付画像を表示部35に表示する。図10は、受付画像の例を示す模式図である。指定された機械2を特定するための情報が表示され、情報の要求を受け付けるためのボタンが表示される。図10に示した「LED光源ステータス」と記載されたボタンは、機械2に備えられたLED光源21の状態に関する情報の要求を受け付けるためのボタンである。「LED光源使用時間」と記載されたボタンは、LED光源21の使用時間に関する情報の要求を受け付けるためのボタンである。このボタンを用いることで、使用者は、LED光源21の点灯時間及び冷却ファンの動作時間等、LED光源21の使用時間に関する情報を要求することができる。「異常履歴」と記載されたボタンは、LED光源21の異常に関する情報の要求を受け付けるためのボタンである。このボタンを用いることで、使用者は、現在LED光源21に発生している異常、又は発生した異常の履歴を要求することができる。
【0060】
図9及び図10に示す如き情報の要求を受け付けるための画像は、使用者が操作部34を操作して表示の指示を入力することに応じて、表示部35に表示される。情報の要求を受け付けるための画像は、表示部35に、常時表示されていてもよく、定期的に表示されてもよい。情報の要求を受け付けるための画像は、所定の時刻になる等、使用者からの指示以外の特定のトリガに応じて表示部35に表示されてもよい。
【0061】
図11は、情報出力システム100がLED光源21の状態に関する情報を出力する処理の手順を示すフローチャートである。端末装置3は、図10に示す如き受付画像を表示部35に表示し、LED光源21の状態に関する情報の要求を受け付ける(S201)。
【0062】
S201では、使用者が操作部34を操作することによって、演算部31は、情報の要求を受け付ける。例えば、使用者は、操作部34を操作して、図10に示す受付画像上で「LED光源ステータス」と記載されたボタンをタップ等の方法で指定することにより、情報の要求を入力し、演算部31は情報の要求を受け付ける。端末装置3は、次に、情報の要求を通信装置4へ送信する(S202)。S202では、演算部31は、通信部36に、情報の要求を示すデータを通信ネットワーク5を介して通信装置4へ送信させる。情報の要求を示すデータには、機械2を特定するための情報が含まれていてもよい。
【0063】
通信装置4は、情報の要求を受信する(S203)。S203では、情報の要求を示すデータが通信部45で受信される。通信装置4は、次に、機械2に備えられた複数のLED光源21に対応する複数の第1画像を表示するための第1データを生成する(S204)。S204では、演算部41は、光源DB432に記録された機械2に係る光源データ132に基づいて、複数の第1画像を表す第1データを生成する。演算部41は、例えば、html(Hypertext Markup Language)データでなる第1データを生成する。
【0064】
S204では、演算部41は、光源データ132に記録された各LED光源21のジャンクション温度の代表値に応じて、第1画像の色を定め、夫々に定めた色を有する複数の第1画像を表す第1データを生成する。例えば、演算部41は、ジャンクション温度の代表値が所定の設定値以上である場合と代表値が設定未満である場合とで、第1画像の色を異ならせる。例えば、ジャンクション温度の代表値が所定の設定値以上である場合は第1画像の色が黄色に定められ、ジャンクション温度の代表値が設定値未満である場合に第1画像の色が青色に定められる。
【0065】
また、演算部41は、光源データ132に記録された各LED光源21の劣化状態に応じて、第2画像の色を定め、夫々に定めた色を有する複数の第1画像を表す第1データを生成する。例えば、演算部41は、LED光源21に含まれるLED素子211のUV照度の維持率が閾値以下である場合と、維持率が閾値を超過する場合とで第1画像の色を異ならせる。例えば、UV照度の維持率が閾値以下である場合は第1画像の色が赤色に定められ、維持率が閾値を超過する場合は第1画像の色は青又は黄色に定められる。例えば、演算部41は、LED光源21の劣化時期が所定の設定時期以前である場合と、劣化時期が設定時期よりも後である場合とで第1画像の色を異ならせる。なお、演算部41は、予め記憶部43に記憶してある第1データを読み出すことにより、第1データを生成してもよい。
【0066】
通信装置4は、第1データを端末装置3へ送信する(S205)。S205では、演算部41は、通信部45に第1データを端末装置3へ送信させる。端末装置3は、第1データを通信部36で受信する(S206)。端末装置3は、次に、複数の第1画像を表示部35に表示する(S207)。S207では、演算部31は、受信した第1データに基づいて、機械2に備えられた複数のLED光源21に対応する複数の第1画像を表示部35に表示する。
【0067】
図12は、複数の第1画像の例を示す模式図である。複数のLED光源21に対応する複数の第1画像61が並んで表示されている。各第1画像61には、対応するLED光源21の光源識別情報が付されている。第1画像61には、LED光源21に含まれる複数のLED素子211を表した画像が含まれており、各第1画像61は各LED光源21の発光面を模擬した画像となっている。第1画像61がLED光源21の発光面を模擬していることにより、第1画像61を視認した使用者は、第1画像61がLED光源21に関係していることを容易に認識することができる。
【0068】
使用者は操作部34を操作することによって、複数の第1画像61のいずれかを指定することができる。複数の第1画像61のいずれかを指定することにより、複数のLED光源21の中で状態に関する情報を出力すべきLED光源21が指定される。LED光源21の発光面を模擬した第1画像61を視認した使用者は、複数のLED光源21の中から一つのLED光源21を選ぶ感覚で、状態に関する情報を出力すべきLED光源21を指定することができる。
【0069】
また、S207では、演算部31は、S204において定められた色を有する第1画像61を表示する。即ち、演算部31は、第1画像61の色を、LED光源21でのジャンクション温度の代表値に応じた色に調整し、また、LED光源21の劣化状態に応じた色に調整する。図12の例では、光源識別情報が002であるLED光源21に対応する第1画像61の色は、他の第1画像61の色と異なっている。例えば、光源識別情報が002であるLED光源21のジャンクション温度の代表値が所定の設定値以上である場合に、当該LED光源21に対応する第1画像61の色は黄色となる。例えば、光源識別情報が002であるLED光源21に含まれるLED素子211のUV照度の維持率が閾値以下である場合、又はLED光源21の劣化時期が所定の設定時期以前である場合は、当該LED光源21に対応する第1画像61の色は赤色となる。
【0070】
ジャンクション温度の代表値に応じて第1画像61の色が調整されるので、ジャンクション温度の代表値が他のLED光源21と異なるLED光源21に対応する第1画像61は、他の第1画像61と異なる色を有する。また、LED光源21の劣化状態に応じて第1画像61の色が調整されるので、劣化状態が他のLED光源21と異なるLED光源21に対応する第1画像61は、他の第1画像61と異なる色を有する。使用者は、第1画像61の色を確認することにより、LED光源21の温度又は劣化状態に異常があることを認識することができる。使用者は、複数の第1画像61の中で色の異なる第1画像61を確認することにより、ジャンクション温度の代表値又は劣化状態が他と異なるLED光源21を認識することができる。このため、使用者は、状態に関する情報を出力すべきLED光源21として、異常のあるLED光源21を選択することが容易となる。
【0071】
端末装置3は、複数のLED光源21の中から一つのLED光源21の指定を受け付ける(S208)。S208では、使用者が操作部34を操作することによって、演算部31は、LED光源21の指定を受け付ける。例えば、使用者は、ある特定のLED光源21に関する情報を所望する場合に、操作部34を操作して、図12に示す如き複数の第1画像61の中から、当該LED光源21に対応する第1画像61をタップ等の方法で指定することにより、LED光源21の指定を入力する。端末装置3は、次に、一つのLED光源21を指定する指定情報を通信装置4へ送信する(S209)。S209では、演算部41は、受け付けたLED光源21の指定に従って指定情報を生成し、通信部36に通信装置4へ指定情報を送信させる。
【0072】
通信装置4は、指定情報を通信部45で受信する(S210)。通信装置4は、次に、指定情報で指定されたLED光源21の状態に関する情報を示す第2画像を表示するための第1データを生成する(S211)。S211では、演算部41は、光源DB432に記録された光源データ132に含まれる指定されたLED光源21に関する情報に基づいて、第2画像を表す第2データを生成する。演算部41は、例えば、htmlデータでなる第2データを生成する。なお、通信装置4は、予め第2データを記憶部43に記憶しておき、演算部41は、記憶部43から第2データを読み出すことにより、第2データを生成してもよい。
【0073】
通信装置4は、第2データを端末装置3へ送信する(S212)。S212では、演算部41は、通信部45に第2データを端末装置3へ送信させる。端末装置3は、第2データを通信部36で受信する(S213)。端末装置3は、次に、第2画像を表示部35に表示する(S214)。S214では、演算部31は、受信した第2データに基づいて、指定されたLED光源21の状態に関する情報を示した第2画像を表示部35に表示する。
【0074】
図13は、第2画像62の第1の例を示す模式図である。図13には、光源識別情報が001であるLED光源21の状態に関する情報を示した第2画像62を表示した例を示す。第2画像62は、LED光源21のジャンクション温度の代表値を示している。使用者は、第2画像62を目視することにより、ジャンクション温度の代表値を確認し、LED光源21に含まれるLED素子211のジャンクション温度がどの程度の温度になっているのかを確認することができる。
【0075】
また、第2画像62は、LED光源21の劣化状態を示している。第2画像62で示される劣化状態には、LED光源21が既に劣化した状態なのか、又はまだ劣化していない正常な状態なのかを示す情報が含まれている。更に、第2画像62で示される劣化状態には、LED光源21に含まれるLED素子211のUV照度の維持率、及びLED光源21の劣化時期が含まれている。使用者は、第2画像62を目視することにより、LED光源21の現在の劣化状態を確認することができる。
【0076】
図14は、第2画像62の第2の例を示す模式図である。図14には、光源識別情報が002であるLED光源21の状態に関する情報を示した第2画像62を表示した例を示す。ジャンクション温度の代表値に応じた色が他の第1画像61と異なっている第1画像61を指定したことに応じて、図14に示す如き第2画像62が表示される。ジャンクション温度の代表値の現在値が、設定値を超過する値となっており、LED素子211が高温の状態になっていることが表されている。使用者は、第1画像61の色に基づいてジャンクション温度の代表値に異常があることを認識したLED光源21について、ジャンクション温度の代表値を確認することができる。使用者は、ジャンクション温度の代表値の具体的な値を確認し、LED素子211のジャンクション温度が設定値に比べてどの程度異常な値になっているのかを知ることができる。使用者は、拠点20で待機している作業者に異常を通知してLED光源21を冷却させるか、又はLED光源21を停止させる等の方法により、ジャンクション温度に異常のあるLED光源21に適した処置を施すことができる。
【0077】
図15は、第2画像62の第3の例を示す模式図である。LED光源21の劣化状態に応じた色が他の第1画像61と異なっている第1画像61を指定したことに応じて、図15に示す如き第2画像62が表示される。LED素子211のUV照度の維持率が所定の閾値以下であり、LED光源21が既に劣化した状態となっていることが表されている。使用者は、第1画像61の色に基づいて劣化状態に問題があることを認識したLED光源21について、劣化状態を確認することができる。使用者は、拠点20で待機している作業者に劣化状態を通知してLED光源21を交換させる等の方法により、劣化状態に問題があるLED光源21に適した処置を施すことができる。
【0078】
図16は、第2画像62の第4の例を示す模式図である。LED光源21の劣化状態に応じた色が他の第1画像61と異なっている第1画像61を指定したことに応じて、図16に示す如き第2画像62が表示される。LED光源21の劣化時期が30日後となっており、所定の設定時期以前であることが表されている。使用者は、第1画像61の色に基づいて劣化状態に問題があることを認識したLED光源21について、作業者に、劣化時期が間近のLED光源21を交換させるか、又は近い将来の交換に備えて在庫を確認させる等の方法により、劣化時期が近いLED光源21に適した処置を施すことができる。なお、端末装置3は、第1画像61に第2画像62を重ねて表示する等の方法により、第1画像61及び第2画像62を同時に表示してもよい。
【0079】
端末装置3は、次に、他のLED光源21に関する情報を表示するべきか否かを判定する(S215)。例えば、演算部31は、使用者が操作部34を操作することにより、他のLED光源21に関する情報の表示の指示を受け付けた場合に、他のLED光源21に関する情報を表示すると判定する。例えば、演算部31は、使用者が操作部34を操作することにより、情報の表示を終了することの指示を受け付けた場合に、他のLED光源21に関する情報を表示しないと判定する。他のLED光源21に関する情報を表示すると判定した場合は(S215:YES)、端末装置3は、処理をS207へ戻し、複数の第1画像61を表示する。なお、端末装置3は、処理をS201まで戻し、図9又は図10に示す如き情報の要求を受け付けるための画像を表示してもよい。
【0080】
他のLED光源21に関する情報を表示しないと判定した場合は(S215:NO)、端末装置3は、LED光源21の状態に関する情報を出力する処理を終了する。S201~S215の処理は、任意のタイミングで実行される。なお、S201~S203の処理が行われなくとも、S204~S215の処理が定期的に実行されることにより、LED光源21の状態に関する情報が出力されてもよい。又は、LED光源21のジャンクション温度の代表値が設定値以上になる等の異常が発生した場合に、S204~S215の処理が実行されることにより、LED光源21の状態に関する情報が出力されてもよい。
【0081】
以上詳述した如く、本実施形態においては、情報処理装置1は、LED光源21に供給される電流及び電圧並びにLED光源21の温度を取得し、ジャンクション温度の代表値を計算し、LED光源21の劣化状態を計算する。情報処理装置1は、LED光源21の状態に関する情報を通信装置4へ送信し、通信装置4は情報を記憶する。端末装置3は、複数のLED光源21に対応する複数の第1画像61を表示し、各LED光源21でのジャンクション温度の代表値を示した第2画像62を表示する。第1画像61及び第2画像62を表示するために必要な第1データ及び第2データは、通信装置4が端末装置3へ送信する。通信装置4がデータの記憶及び端末装置3への送信を行うことにより、情報処理装置1及び機械2に負担をかけることなく、安定した情報の出力が可能となる。なお、情報処理装置1から端末装置3へのデータの送信を行っても情報処理装置1での負担が小さい形態では、情報処理装置1がS203~S205及びS210~S212の処理を実行し、通信装置4は情報処理装置1と端末装置3との通信を中継してもよい。
【0082】
使用者は、第1画像61を見て、LED光源21に関する情報が出力されることを知ることができる。例えば、使用者は、複数の第1画像61の中から一つの第1画像61を選択することにより、情報を出力すべきLED光源21を選択することができる。また、使用者は、第2画像62を見て、ジャンクション温度の代表値を確認することができる。更に、第2画像62は、LED光源21の劣化状態を示す。使用者は、第2画像62を見て、LED光源21の劣化状態を知ることができる。例えば、使用者は、拠点20で待機している作業者に連絡をして、ジャンクション温度に異常のあるLED光源21を冷却させるか、又は劣化したLED光源21を交換させる等の方法により、LED光源21の状態に応じた処置を行うことができる。
【0083】
このようにして、情報出力システム100を利用することによって、使用者は、複数の拠点20で利用されている複数のLED光源21の状態を管理することができる。LED光源21の状態に応じた管理を行うことにより、LED光源21の故障、又は産業用のプロセスに支障をもたらす照度の低下を未然に防止できる。LED光源21の故障又は照度の低下を未然に防止できるので、機械2が使用できなくなることが防止され、機械2による作業の効率が向上する。
【0084】
<実施形態2>
実施形態2では、通信装置4を利用せずに、LED光源の状態に関する情報を出力する。図17は、実施形態2に係る情報出力システム100の構成の第1の例を示す模式図である。情報出力システム100は、通信装置4を含んでいない。複数の拠点20の夫々に、機械2と、情報処理装置1とが設置されており、夫々の情報処理装置1は通信ネットワーク5に接続されている。端末装置3は、通信ネットワーク5を介して複数の情報処理装置1と通信が可能である。拠点20に設置された情報処理装置1及び機械2の構成、並びに端末装置3の構成は、実施形態1と同様である。
【0085】
情報処理装置1は、実施形態1と同様のS11~S15の処理を実行する。即ち、情報処理装置1は、各LED光源21に関する情報を取得し、各LED光源21のジャンクション温度の代表値、及び各LED光源21の状態を表す情報を記録した光源データ132を記憶する。
【0086】
実施形態2では、情報処理装置1は、端末装置3に対して情報を提供し、端末装置3は、情報処理装置1から提供された情報を出力する。例えば、コンピュータプログラム131は、ウェブサーバプログラムが含まれており、情報処理装置1の演算部11は、コンピュータプログラム131に従って、端末装置3へ情報を送信する。
【0087】
情報出力システム100は、S201~S215の処理を実行する。但し、実施形態1において通信装置4が実行していたS203~S205及びS210~S212の処理は、実施形態2では情報処理装置1が実行する。端末装置3を使用者が操作することによって、機械2が指定され、端末装置3は、指定された機械2に備えられたLED光源21に関する情報を記憶している情報処理装置1へ、情報の要求を送信する。情報処理装置1は、第1データを生成して端末装置3へ送信し、端末装置3は、第1画像61を表示する。端末装置3は、一つのLED光源21を指定する指定情報を情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、第2データを生成して端末装置3へ送信し、端末装置3は、第2画像62を表示する。このようにして、情報出力システム100は、LED光源21の状態に関する情報を出力する。
【0088】
実施形態2においても、情報処理装置1は、LED光源21に関する情報を取得し、端末装置3は、第1画像61及び第2画像62を表示することにより、LED光源21の状態に関する情報を出力する。使用者は、LED光源21の状態に関する情報を確認し、LED光源21の状態に応じた処置を行うことができる。このようにして、実施形態2においても、情報出力システム100を利用することによって、使用者は、複数のLED光源21の状態を管理することができる。情報処理装置1が端末装置3へのデータの送信を行うことにより、情報出力システム100に必要な装置を減らすことができる。例えば、小規模な情報出力システム100を安価に構成することができる。
【0089】
図18は、実施形態2に係る情報出力システム100の構成の第2の例を示す模式図である。情報出力システム100は、工場等の拠点20内に設けられている。拠点20に、機械2と、情報処理装置1とが設置されている。機械2が備える複数のLED光源21には、電源部22が接続されており、電源部22には制御部23が接続されている。電源部22及び制御部23は、例えば、機械2に設けられている。拠点20には、複数の機械2が設置されていてもよい。端末装置3は、情報処理装置1と通信が可能である。情報処理装置1、機械2、電源部22、制御部23及び端末装置3の構成は、実施形態1と同様である。情報処理装置1は、通信部15により、端末装置3と通信を行う。端末装置3は、直接に情報処理装置1と通信を行ってもよく、LAN等の通信ネットワークを介して情報処理装置1と通信を行ってもよい。
【0090】
情報処理装置1は、実施形態1と同様のS11~S15の処理を実行することにより、各LED光源21のジャンクション温度の代表値、及び各LED光源21の状態を表す情報を記録した光源データ132を記憶する。第1の例と同様に、情報出力システム100は、S201~S215の処理を実行し、S203~S205及びS210~S212の処理は、情報処理装置1が実行する。このようにして、情報出力システム100は、LED光源21の状態に関する情報を出力する。
【0091】
実施形態2の第2の例においても、情報出力システム100を利用することによって、使用者は、複数のLED光源21の状態を管理することができる。実施形態2の第2の例では、使用者は、拠点20内において、LED光源21の状態を知ることができる。使用者は、ジャンクション温度に異常のあるLED光源21を即座に冷却させる等の方法により、異常のあるLED光源21に適した処置を即座に施すことができる。
【0092】
実施形態1及び2では、LED光源21の劣化状態を表す指標として、LED素子211のUV照度の維持率を用いる例を示した。情報出力システム100は、LED光源21の劣化状態を表す指標として、維持率以外の指標を用いてもよい。例えば、指標としてLED素子211の輝度が用いられてもよい。実施形態1及び2では、UV照度の維持率等、LED光源21の劣化状態を示す情報が出力される形態を示した。情報出力システム100は、LED光源21のジャンクション温度の代表値を出力する一方で、LED光源21の劣化状態を示す情報は出力しない形態であってもよい。
【0093】
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
1 情報処理装置
131 コンピュータプログラム
2 機械
21 LED光源
211 LED素子
212 温度センサ
22 電源部
221 計測部
3 端末装置
331 コンピュータプログラム
4 通信装置
431 コンピュータプログラム
5 通信ネットワーク
61 第1画像
62 第2画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18