IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京瓦斯株式会社の特許一覧

特開2022-184053制御装置、制御プログラム、及び制御方法
<>
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図1
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図2
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図3
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図4
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図5
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図6
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図7
  • 特開-制御装置、制御プログラム、及び制御方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184053
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】制御装置、制御プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091674
(22)【出願日】2021-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三好 政徳
(72)【発明者】
【氏名】稲野 晃
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガスの供給に障害が発生した場合であっても、ガス需要に応じたガスを継続して供給できるようにする制御装置、制御プログラム及び制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置10において、ガス流路の各地点における特定時刻までのガス供給状況を解析する解析部12、ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報の少なくとも一方とを用いて、ガスを安定的に継続して供給することができるガス供給計画を生成する生成部15及び生成したガス供給計画に従って制御設備を制御する制御部16を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を用いて前記ガス流路に対するガス供給計画を生成する生成部
を備えた制御装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記ガス供給計画及び前記予測値に従ったガス供給を実現する制御情報を生成し、
前記制御情報に従って、前記ガス流路におけるガス供給状況を変動させる制御設備の制御を行う制御部を更に備えた
請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御情報に、制御対象となる前記制御設備を指定する指定情報、制御対象となる前記制御設備に対して制御を開始する制御時間、及び制御対象となる前記制御設備に対して行う制御の目標値を表す制御値が含まれる
請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記気象情報に、前記ガス流路が存在する地域の雷発生情報、降雨量、及び日照時間の少なくとも1つが含まれる
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記工事情報に、前記ガス流路から予め定めた範囲内で行われる掘削工事、及び建築工事の少なくとも1つに関する情報が含まれる
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記生成部は、それぞれ過去の前記予測値、前記ガス供給計画、並びに、前記気象情報及び前記工事情報の少なくとも一方の関連付けを学習した学習モデルにそれぞれ最新の前記予測値、並びに、前記気象情報及び前記工事情報の少なくとも一方を入力することで、前記ガス供給計画を生成する
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
コンピュータに、
ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を用いて前記ガス流路に対するガス供給計画を生成する処理を実行させる
制御プログラム。
【請求項8】
生成部を含む制御装置であって、
前記生成部が、ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を用いて前記ガス流路に対するガス供給計画を生成する生成ステップ
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給量を制御する制御装置、制御プログラム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガス需要量の予測値に対してガス製造コストが低減するようなガス供給量を設定するガス供給方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、予め設定された予測式を用いて、過去の同供給日、かつ、同時間帯におけるガス供給量及び気象要素からガスの需要量を予測するエネルギー需要量予測システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-189998号公報
【特許文献2】特開2007-241360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された従来技術は、天候、気温、湿度、曜日、季節といった気象要素を勘案してガス需要量を予測しており、過去のガス需要量の実績だけからガス需要量を予測する場合よりもガス需要量を精度よく予測しようとするものである。しかしながら、特許文献1に開示される従来技術は、ガス供給設備に異常が見られない正常状態の下でのガス需要量を満たすガス供給計画を生成するものである。したがって、何らかの理由によりガス供給を行う設備に障害が発生した場合、障害発生状態の下でのガス需要量を満たすガス供給計画を生成することが困難になるという問題が生じる。
【0006】
また、特許文献2に開示されたエネルギー需要量予測システムは、予測式毎に設定される予測成績に関する過去の評価値を参考にして、オペレーターが予め用意されている複数の予測式の中から選択した予測式を用いてガス需要を予測する。
【0007】
しかしながら、予測式毎に設定される予測成績に関する過去の評価値は、ガス供給設備に異常が見られない正常状態の下での評価値である。したがって、何らかの理由によりガス供給を行う設備に障害が発生した場合、オペレーターは障害が発生しても安定的にガスを供給することができる予測式を選択することができず、その結果、エネルギー需要量予測システムは、障害発生状態の下でのガス需要量を満たすガス供給計画を生成することが困難になるという問題が生じる。
【0008】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、現状のガスの需要状況と現状のガス供給計画から予測されるガスの供給状況を用いて新たなガス供給計画を生成する場合と比較して、ガスの供給に障害が発生した場合であっても、ガス需要に応じたガスを継続して供給することが可能なガス供給計画を生成することができる制御装置、制御プログラム、及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1態様に係る制御装置は、ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を用いて前記ガス流路に対するガス供給計画を生成する生成部を備える。
【0010】
第2態様に係る制御装置は、第1態様に係る制御装置において、前記生成部は、前記ガス供給計画及び前記予測値に従ったガス供給を実現する制御情報を生成し、前記制御情報に従って、前記ガス流路におけるガス供給状況を変動させる制御設備の制御を行う制御部を更に備える。
【0011】
第3態様に係る制御装置は、第2態様に係る制御装置において、前記制御情報に、制御対象となる前記制御設備を指定する指定情報、制御対象となる前記制御設備に対して制御を開始する制御時間、及び制御対象となる前記制御設備に対して行う制御の目標値を表す制御値が含まれる。
【0012】
第4態様に係る制御装置は、第1態様~第3態様の何れかの態様に係る制御装置において、前記気象情報に、前記ガス流路が存在する地域の雷発生情報、降雨量、及び日照時間の少なくとも1つが含まれる。
【0013】
第5態様に係る制御装置は、第1態様~第4態様の何れかの態様に係る制御装置において、前記工事情報に、前記ガス流路から予め定めた範囲内で行われる掘削工事、及び建築工事の少なくとも1つに関する情報が含まれる。
【0014】
第6態様に係る制御装置は、第1態様~第5態様の何れかの態様に係る制御装置において、前記生成部は、それぞれ過去の前記予測値、前記ガス供給計画、並びに、前記気象情報及び前記工事情報の少なくとも一方の関連付けを学習した学習モデルにそれぞれ最新の前記予測値、並びに、前記気象情報及び前記工事情報の少なくとも一方を入力することで、前記ガス供給計画を生成する。
【0015】
第7態様に係る制御プログラムは、コンピュータに、ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を用いて前記ガス流路に対するガス供給計画を生成する処理を実行させるプログラムである。
【0016】
第8態様に係る制御方法は、生成部を含む制御装置であって、前記生成部が、ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を用いて前記ガス流路に対するガス供給計画を生成する生成ステップを含む。
【発明の効果】
【0017】
第1態様、第7態様、及び第8態様によれば、現状のガスの需要状況と現状のガス供給計画から予測されるガスの供給状況を用いて新たなガス供給計画を生成する場合と比較して、ガスの供給に障害が発生した場合であっても、ガス需要に応じたガスを継続して供給することが可能なガス供給計画を生成することができる、という効果を有する。
【0018】
第2態様によれば、オペレーターの操作によってガス供給状況を変動させる制御設備の制御を行う場合と比較して、制御設備を正しく制御することができる、という効果を有する。
【0019】
第3態様によれば、制御設備に対する制御タイミング、及び目標とする制御値を制御設備毎に制御することができる、という効果を有する。
【0020】
第4態様によれば、気象情報をガスの供給に障害をもたらすか否かを判定するための判定要素として利用することができる、という効果を有する。
【0021】
第5態様によれば、工事情報をガスの供給に障害をもたらすか否かを判定するための判定要素として利用することができる、という効果を有する。
【0022】
第6態様によれば、予め機械学習が行われた学習モデルを用いてガス供給計画を生成することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ガス供給システムの一例を示す図である。
図2】制御装置の機能構成例を示す図である。
図3】ガス供給計画の一例を示す図である。
図4】計測情報の表示画面例を示す図である。
図5】制御装置における電気系統の要部構成例を示す図である。
図6】制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】ガス供給計画学習モデルを用いたガス供給計画の生成例を示す図である。
図8】制御情報学習モデルを用いた制御情報の生成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0025】
図1は、ガスの供給を行うガス事業者とガス供給に関する契約を行った需要施設5に対してガスを供給するガス供給システム100の一例を示す図である。
【0026】
図1に示すように、ガス供給システム100は、LNG(Liquefied Natural Gas:天然ガス)基地2、ガバナステーション3A、地区ガバナ3B、ガスホルダー4、データ集配信装置6、供給指令センター8、及びガス導管9といったガス設備を含んで構成され、需要施設5の一例である工場5Aや住宅5Bにガスを供給する。
【0027】
LNG基地2、ガバナステーション3A、地区ガバナ3B、ガスホルダー4、及び需要施設5はガス導管9により接続されている。また、LNG基地2、ガバナステーション3A、及びガスホルダー4は通信回線7によってデータ集配信装置6に接続されており、データ集配信装置6と供給指令センター8も通信回線7により接続されている。
【0028】
LNG基地2は主に海岸に建設され、タンカー1によって運ばれたLNGを受け入れ、LNG基地2内部に設けられたタンクにLNGを貯蔵する。その上で、LNG基地2は、通信回線7を通じて受信した後述する供給指令センター8からの制御指示に従って、タンクに貯蔵したLNGの気化、熱量調整、及び付臭等を行い、制御指示で指示された量のガスを制御指示で指示された時間にあわせてガス導管9に供給する。
【0029】
LNG基地2からガス導管9に供給されるガスは、広域に亘ってガスを効率よく輸送できるように例えば1MPa以上7MPa未満の圧力で供給される。本実施形態では、1MPa以上の圧力を「高圧」と表す。
【0030】
LNG基地2から供給される高圧のガス、すなわち高圧ガスはガバナステーション(Governor Station:GS)3Aに輸送される。ガバナステーション3Aは、LNG基地2から供給された高圧ガスの圧力を0.1MPa以上1MPa未満の圧力に低下させる減圧調整を行う。本実施形態では、0.1MPa以上1MPa未満の圧力を「中圧」と表す。
【0031】
中圧に減圧されたガス、すなわち中圧ガスはガス導管9を通じて、中圧ガスを使用する工場5A等の需要施設5に供給される。中圧ガスの一部は、ガスホルダー(Gas Holder:GH)4に貯蔵され、例えばLNG基地2の故障によりLNG基地2からのガスの供給が途絶えた場合であっても、ガスホルダー4から各々の需要施設5に対して各々のガス需要量にあわせたガスが供給できるように備えている。
【0032】
また、中圧ガスの一部は、ガス導管9を通じて地区ガバナ3Bに輸送される。地区ガバナ3Bは、中圧ガスの圧力を0.1MPa未満の圧力に低下させる減圧調整を行う。本実施形態では、0.1MPa未満の圧力を「低圧」と表す。
【0033】
低圧に減圧されたガス、すなわち低圧ガスはガス導管9を通じて、低圧ガスを使用する住宅5B等の需要施設5に供給される。
【0034】
なお、「ガバナ」とは減圧装置のことを意味し、ガバナステーション3A及び地区ガバナ3Bの各々に設置されている。以降では、ガバナステーション3A及び地区ガバナ3Bを総称して「ガバナ3」ということがある。また、高圧ガスを輸送するガス導管9を「高圧ガス導管9A」、中圧ガスを輸送するガス導管9を「中圧ガス導管9B」、及び低圧ガスを輸送するガス導管9を「低圧ガス導管9C」ということがある。ガス導管9は高圧ガス導管9A、中圧ガス導管9B、及び低圧ガス導管9Cの総称である。ガス導管9は、本実施形態におけるガス流路の一例である。
【0035】
図1に示すガス供給システム100の例では、ガス供給システム100の構成をわかりやすく説明するためLNG基地2、ガバナステーション3A、地区ガバナ3B、及びガスホルダー4をそれぞれ1つしか図示していないが、実際にはガス供給システム100を構成する各々の設備は複数存在し、ガス導管9によって接続されている。すなわち、ガス供給システム100のガス導管9によって、それぞれ複数のLNG基地2及びガスホルダー4から需要施設5に対してガスを供給する供給ネットワークが形成されている。
【0036】
供給指令センター8は、需要施設5におけるガスの需要に対してガスの供給量が不足することなく、ガスを安定的に継続して供給することができるガスの供給体勢、すなわちガス供給状況を予測し、予測したガス供給状況に従ってガスの供給量を制御する制御装置10を備えた施設である。なお、以降ではガス供給状況を「NW状況」と表すことがある。
【0037】
通信回線7を通じて供給指令センター8から送信された、ガス供給状況を制御する制御指示は、データ集配信装置6を経由して、ガス流路におけるガス供給状況を実際に制御する制御設備に送信される。図1に示すガス供給システム100の例では、通信回線7が接続されているLNG基地2、ガバナステーション3A、及びガスホルダー4に設置されている制御設備に対して制御指示が送信される形態を示しているが、制御指示の送信先はこれに限定されない。例えばガス導管9に設置されている図示しない圧力調整器及び地区ガバナ3Bも通信回線7で供給指令センター8と接続しておき、供給指令センター8は、図示しない圧力調整器及び地区ガバナ3Bに制御指示を送信してガス供給状況を制御させるようにしてもよい。制御設備には、例えばバルブやポンプが含まれる。
【0038】
ガス流路に相当するLNG基地2、ガバナ3、ガスホルダー4、及びガス導管9にはセンサ17(図4参照)が取り付けられており、各々のセンサ17は、センサ17が取り付けられたガス流路における各地点のガス供給状況を表す情報を予め定めた間隔(例えば60秒)で計測する。ガス供給状況を表す情報には、例えばガスの圧力、ガスの流量、並びに、ガスの圧力及び流量を調整するバルブの開閉状態が含まれる。以降では、センサ17によって計測されたガス供給状況を表す情報のことを「計測情報」ということにする。
【0039】
計測情報は、例えばLNG基地2やガスホルダー4といった各々のセンサ17の取り付け先であるガス設備に一旦集約され、ガス設備から通信回線7を通じて供給指令センター8に設置されている制御装置10に送信される。通信回線7に接続可能なセンサ17であれば、ガス設備に計測情報を送信することなく、センサ17から計測情報を制御装置10に直接送信してもよい。
【0040】
なお、各センサ17における計測情報の取得間隔はセンサ17毎に設定可能であり、各センサ17における計測情報の取得間隔は、例えば制御装置10によって自由に設定される。
【0041】
ガス供給システム100の通信回線7には無線回線が用いられ、ガス設備とデータ集配信装置6とを接続する通信回線7、及びデータ集配信装置6と供給指令センター8とを接続する通信回線7には、それぞれ予備回線が備えられている。これにより、使用中の通信回線7に障害が発生して制御指示や計測情報といったデータの送受信ができなくなった場合であっても、予備回線を用いてデータ通信を継続することができる。当然のことながら、通信回線7は有線回線であってもよい。
【0042】
図2は、供給指令センター8に設置された制御装置10の機能構成例を示す図である。制御装置10は、通信部11、解析部12、表示部13、情報記憶部14、生成部15、及び制御部16の各機能部を備える。
【0043】
通信部11は、ガス供給システム100を構成する各ガス設備から通信回線7を通じてガス流路における計測情報を受信すると共に、後述する制御部16によって指定された制御設備に対して、通信回線7を通じてガス流路のガス供給状況を制御する制御指示を送信する。
【0044】
また、通信部11は、例えばインターネットに接続して気象情報及び工事情報の少なくとも一方を受信する。
【0045】
通信部11で受信する気象情報は、ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報である。
【0046】
例えば雷が発生している場合、又は雷が発生する可能性がある場合には、落雷により停電が発生することがある。ガス供給システム100を構成するガス設備が設置されている何れかの地域で停電が発生すると、当該地域に設置されているガス設備を稼働させることができなくなることがあるため、ガス供給に関する障害の発生要因となり得る。また、停電が発生しなくとも、落雷によりガス設備が物理的に破壊されることも考えられる。
【0047】
また、例えば雨が降っている場合、ガス供給システム100を構成するガス設備の何れかが水没してしまうことがある。とりわけ河川の近くに設置されたガス設備で、かつ、周辺に比べて海抜の低い地域に設置されたガス設備では、河川の氾濫によりガス設備が浸水したり水没したりする危険性が高まる。ガス設備に対して浸水や水没が生じると、当該ガス設備を稼働させることができなくなることがあるため、ガス供給に関する障害の発生要因となり得る。
【0048】
また、再生可能エネルギーの普及に伴い、例えば地区ガバナ3Bのように比較的小規模なガス設備の中には太陽光パネルで発電した電力を利用して動作するものがある。太陽光パネルで発電した電力を利用するガス設備には余剰電力を蓄える蓄電池が設置されているが、雨や曇り続きで昼間の日照時間がない期間が長期にわたって続くと蓄電池に蓄えられた電力が枯渇し、ガス設備を稼働させることができない状況が発生することがある。
【0049】
したがって、通信部11で受信する気象情報には、ガス流路が存在する地域の雷発生情報、降雨量、及び日照時間の少なくとも1つが含まれる。
【0050】
なお、ガス流路が存在しない地域(「他の地域」という)であっても、他の地域に関する気象情報が、ガス流路の存在する地域でのガス供給に関する障害の発生の判定に影響を与えるものであれば、通信部11は他の地域に関する気象情報を受信してもよい。
【0051】
例えばガス流路が存在する地域を流れる河川の上流で雨が降ると、ガス流路が存在する地域で雨が降っていない場合でも河川の水位が上昇し、河川が氾濫する危険性が増す。その結果、ガス設備に対して浸水や水没が生じる可能性が増し、ガス供給に関する障害の発生要因となり得る。
【0052】
ガス供給に関する障害は、ガス設備の異常発生によるものの他に、需要施設5で予測値を超えるガス需要が生じ、ガス需要量がガス供給量を上回ってしまった場合にも発生する。こうした想定外のガス需要の変化は、需要施設5が存在する地域で停電が発生すると起きやすい傾向が見られる。例えば家庭用燃料電池コージェネレーションシステムが設置されている住宅5Bでは、停電時に家庭用燃料電池コージェネレーションシステムで発電を行おうとするため、その地域でのガス需要量が増加する。また、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムが設置されていない住宅5Bであったとしても、電気が使えないことからガスでお湯を沸かしたり調理を行ったりする回数が増加する。
【0053】
したがって、ガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報には、需要施設5が存在する地域の気象情報、特に需要施設5が存在する地域に停電を生じさせるか否かを判定することができる気象情報も含まれる。送電線の地絡及び鉄塔の倒壊は停電の発生要因の一例となることから、送電線の地絡及び鉄塔の倒壊を引き起こす風に関する情報、すなわち風速情報及び竜巻情報、並びに、地震に関する情報もガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報の一例である。
【0054】
一方、通信部11で受信する工事情報は、ガス供給に関する障害の発生要因となり得る工事情報である。
【0055】
例えばガス流路の周辺で掘削工事が行われている場合、誤ってガス導管9が破壊されてしまうことがある。ガス供給システム100を構成するガス設備が破壊されると、当然のことながらガスの供給ができなくなってしまうため、ガス供給に関する障害の発生要因となり得る。
【0056】
ここで「ガス流路の周辺」とは、掘削工事によりガス流路が破壊される恐れのある範囲として規定されたガス流路から予め定めた範囲のことをいう。
【0057】
また、例えば地区ガバナ3Bのように地上に設置されたガス設備であれば、ビルの建築工事といった掘削工事以外の工事中であっても、例えば足場が倒壊してガス設備が破壊される場合も考えられる。したがって、通信部11で受信する工事情報には、ガス流路の周辺で行われる掘削工事、及び建築工事の少なくとも1つに関する情報が含まれる。
【0058】
通信部11は、計測情報、並びに、気象情報及び工事情報の少なくとも一方を各情報が更新される毎に受信する。説明の便宜上、本実施形態に係る通信部11は、計測情報、気象情報、及び工事情報をそれぞれ受信するものとして説明を行う。
【0059】
計測情報、気象情報、及び工事情報には、それぞれいつの時点の情報であるのかを表す時刻情報が含まれる。更に気象情報には、いつ気象情報で通知されるような気象状況になるのか、又はなったのかを示す時刻情報も含まれ、工事情報には、いつ工事情報で通知されるような工事が行われるのかを示す時刻情報も含まれる。
【0060】
通信部11が受信した計測情報は解析部12及び表示部13に通知され、通信部11が受信した気象情報及び工事情報は情報記憶部14に通知される。
【0061】
情報記憶部14は、通信部11から気象情報及び工事情報を受け付けると、気象情報及び工事情報を更新順に並べて記憶装置に記憶する。
【0062】
解析部12は、圧力解析部12A及びNW状況予測部12Bを含み、ガス流路の各地点における予め定めた特定時刻までのガス供給状況を解析する。
【0063】
そのため、圧力解析部12Aは、各々のセンサ17で計測されたガス流路の各地点における計測情報と、後述する生成部15で生成されたガス供給計画19とを用いて、ガス流路の各地点における最新のガスの圧力、すなわちガス圧を解析する。圧力解析部12Aは、ガス圧の解析結果をNW状況予測部12Bに通知する。
【0064】
ガス供給計画19とは、どのLNG基地2やガスホルダー4からどの程度の量のガスを供給すれば、各需要施設5のガス需要量を満たすことができるのかを時系列に沿って規定した計画のことである。ガス需要量は1日の時間帯や季節の変化によって変動することから、こうしたガス供給計画19が必要となる。ガス供給計画19によって、各時刻における各LNG基地2や各ガスホルダー4からのガス供給量が決定される。
【0065】
図3は、ガス供給計画19の一例を示す図である。図3におけるガス供給計画19の縦軸はガス供給量を表し、横軸は時間を表している。また、図3におけるグラフ19A~19Fは、例えばガス供給システム100に含まれる6つのLNG基地2をそれぞれ基地A~基地Fで表した場合の各LNG基地2におけるガス供給量の時間変化を表す。
【0066】
NW状況予測部12Bは、圧力解析部12Aからガス圧の解析結果を受け付けると、ガス圧の解析結果とガス供給計画19とを用いて、ガス流路の各地点における現在時刻からN時間(Nは正の実数)後までのガス圧及びガスの流量を含むガス供給状況を予測する。現在時刻とは、ガス供給状況の予測を行う上での基準となる時刻であり、例えば通信部11における計測情報の受信時刻、又はNW状況予測部12Bによるガス供給状況の予測開始時刻等、状況に応じて設定することができる。現在時刻からN時間後の時刻は、本実施形態に係る特定時刻の一例である。
【0067】
NW状況予測部12Bは、N時間後までのガス供給状況をNW予測データとして生成部15に通知する。
【0068】
このように計測情報とガス供給計画19からNW予測データを出力する解析部12は、ガス流路におけるガス供給状況のトラッキング解析が可能な公知の非定常流送シミュレーションアプリケーションを用いて実現される。
【0069】
一方、表示部13は、通信部11から計測情報を受け付けると、計測情報を各々の計測情報の計測地点と対応付けて供給指令センター8に設置されている表示装置に表示する。
【0070】
図4は、表示部13による計測情報の表示画面例を示す図である。図4に示すように、計測情報の表示画面では、センサ17が取り付けられている地区の名称と、当該地区における計測情報の値が対応付けられて表示される。図4の表示画面では、計測情報として各地区におけるガス圧を表示している例を示しているが、計測情報に例えばガスの流量といった他の計測値が含まれる場合には、各々の計測値が地区の名称と対応付けられて表示される。
【0071】
また、図4の表示画面では、各地区におけるガス流路のつながりをリンク18として模式的に表示している。したがって、供給指令センター8でガス供給システム100におけるガス供給状況を監視するオペレーターは、表示画面を確認することでガス供給状況がどの地区でどのような状況になっているかを把握することができる。
【0072】
生成部15は、解析部12からNW予測データを受け付けると、NW予測データと、情報記憶部14で記憶装置に記憶されている気象情報及び工事情報とを用いて、N時間後までのガス供給計画19を生成する。
【0073】
生成部15で生成されたガス供給計画19は解析部12で参照される。したがって、制御装置10では、解析部12で最新のガス供給計画19と最新の計測情報を用いて、N時間後まで予測したNW予測データを出力し、それにより生成部15がN時間後までのガス供給計画19を生成するという生成サイクルが継続して行われる。
【0074】
更に生成部15は、生成したガス供給計画19に従ってNW予測データで示されたガス供給状況を実現するためには、ガス流路におけるガスの流れをどのように制御すればよいのかを表す制御情報を生成する。すなわち、生成部15は、ガス供給計画19及びNW予測データに従ったガス供給を実現する制御情報を生成する。
【0075】
制御情報には、制御対象となる制御設備を指定する指定情報、制御対象となる制御設備に対して制御を開始する制御時間、及び制御対象となる制御設備に対して行う制御の目標値を表す制御値が含まれる。生成部15は、生成した制御情報を制御部16に通知する。
【0076】
制御部16は、生成部15から制御情報を受け付けると、制御対象として指定された制御設備に対して、制御情報に従ってガス流路におけるガス供給状況を変動するように指示する制御指示を生成し、生成した制御指示を通信部11に通知する。すなわち、制御部16は制御設備の制御を行う。
【0077】
既に説明したように、通信部11は制御部16から制御指示を受け付けると、通信回線7を通じて制御対象となる制御設備を含むガス設備に制御指示を送信する。制御指示を受信したガス設備は、制御指示に従って制御対象として指定された制御設備の制御を行う。
【0078】
図2に示したような制御装置10は、コンピュータ20を用いて構成される。図5は、コンピュータ20を用いて構成した制御装置10における電気系統の要部構成例を示す図である。
【0079】
コンピュータ20は、図2に示した制御装置10の各機能部を担うCPU(Central Processing Unit)21、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)22、CPU21の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)23、不揮発性メモリ24、及び入出力インターフェース(I/O)25を備える。CPU21、ROM22、RAM23、不揮発性メモリ24、及びI/O25はバス26を介して各々接続されている。
【0080】
不揮発性メモリ24は、不揮発性メモリ24に供給される電力が遮断されたとしても、記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ24は、必ずしもコンピュータ20に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ20に着脱される記憶装置であってもよい。不揮発性メモリ24には、例えば情報記憶部14によって記憶される気象情報及び工事情報、並びに、生成部15によって生成されるガス供給計画19が記憶される。
【0081】
I/O25には、例えば通信ユニット27、入力ユニット28、及び表示ユニット29が接続される。
【0082】
通信ユニット27は通信回線7及びインターネットに接続され、インターネットに接続された外部装置や、ガス供給システム100を構成する通信回線7に接続されたガス設備との間でデータ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0083】
入力ユニット28は、制御装置10のオペレーターからの操作を受け付けてCPU21に通知する装置であり、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、ポインティングデバイス、及びマウスといった入力装置が用いられる。
【0084】
表示ユニット29は、CPU21によって処理された情報をオペレーターの視覚を通じて把握できるよう表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電光表示板、及び映像をスクリーンに投影するプロジェクタのような表示装置が用いられる。一例として表示ユニット29には図4に示した計測情報の表示画面が表示される。
【0085】
なお、制御装置10は、図5に例示したI/O25に接続されるユニットを必ずしも備える必要はなく、状況に応じて必要となるユニットを備えればよい。また、制御装置10は、例えば用紙に画像を形成する画像形成ユニットのような別のユニットをI/O25に接続し、ガス流路におけるガス供給状況を表す図4に示した計測情報の表示画面の内容を用紙に形成するようにしてもよい。
【0086】
次に、本実施形態に係る制御装置10の動作について詳細に説明する。
【0087】
図6は、制御装置10でガス供給システム100におけるガス供給状況の制御を開始した場合に、CPU21によって実行される制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御処理を規定する制御プログラムは、例えば制御装置10のROM22に予め記憶されている。制御装置10のCPU21は、ROM22に記憶される制御プログラムを読み込み、制御処理を実行する。
【0088】
なお、不揮発性メモリ24にはガス供給計画19と、インターネットを通じて受信した気象情報及び工事情報とが記憶されているものとする。制御装置10の生成部15でまだ一度もガス供給計画19を生成していない場合は、予め用意されているガス供給計画19のデフォルト値が不揮発性メモリ24に記憶されている。
【0089】
ステップS10において、CPU21は通信ユニット27を通じて、ガス流路に取り付けられた各々のセンサによって計測された計測情報を取得する。
【0090】
ステップS20において、CPU21は、不揮発性メモリ24から前回生成したガス供給計画19、すなわち最新のガス供給計画19を取得する。
【0091】
ステップS30において、CPU21は、ステップS10で取得した計測情報と、ステップS20で取得したガス供給計画19とを用いて、N時間後までのNW予測データを生成し、生成したNW予測データをRAM23に記憶する。NW予測データの生成には、公知の非定常流送シミュレーションアプリケーションが用いられる。
【0092】
ステップS40において、CPU21は、不揮発性メモリ24からN時間後までの気象状況を表す気象情報を取得する。
【0093】
ステップS50において、CPU21は、不揮発性メモリ24からN時間後までの工事状況を表す工事情報を取得する。
【0094】
ステップS60において、CPU21は、ステップS30で生成したNW予測データ、ステップS40で取得した気象情報、及びステップS50で取得した工事情報を用いて、N時間後までのガス供給計画19を生成する。
【0095】
具体的には、CPU21は、人工知能を利用したガス供給計画学習モデル30を用いてNW予測データ、気象情報、及び工事情報からガス供給計画19を生成する。
【0096】
ガス供給計画学習モデル30は、支障なくガス供給が行われた過去の複数のガス供給計画19と、これら各々のガス供給計画19の生成に用いられたNW予測データ、気象情報、及び工事情報とを対応付けた教師データを用いて、教師データに含まれるNW予測データ、気象情報、及び工事情報を入力すると、対応するガス供給計画19を出力するように機械学習を行うことで生成される。すなわち、ガス供給計画学習モデル30は、支障なくガス供給が行われた場合のNW予測データ、ガス供給計画19、気象情報、及び工事情報の関連付けを学習した本実施形態に係る学習モデルの一例である。
【0097】
ガス供給計画学習モデル30の機械学習には例えばニューラルネットワークが用いられる。
【0098】
図7は、ガス供給計画学習モデル30を用いたガス供給計画19の生成例を示す図である。
【0099】
図7に示すように、CPU21は、N時間後まで時刻をずらしながら、ガス供給計画学習モデル30にステップS30で生成した各時刻におけるNW予測データ、ステップS40で取得した各時刻における気象状況を表す気象情報、及びステップS50で取得した各時刻における工事状況を表す工事情報を入力することで、ガス供給計画19を生成する。
【0100】
ガス供給計画学習モデル30の機械学習は必ずしも制御装置10で実行する必要はなく、CPU21は、例えばインターネットに接続された外部装置で機械学習が行われたガス供給計画学習モデル30を用いてもよい。
【0101】
ここでは一例として、ガス供給計画学習モデル30を用いてガス供給計画19を生成する例について説明したが、ガス供給計画19の生成方法はこれに限定されない。例えばNW予測データ、気象情報、及び工事情報を説明変数とし、ガス供給計画19を目的変数とする予測関数を用いてガス供給計画19を生成してもよい。また、NW予測データ、気象情報、及び工事情報の組み合わせに対するクラスタ分析を行ってガス供給計画19を生成してもよい。
【0102】
説明の便宜上、ガス供給計画19の生成に気象情報及び工事情報の両方を用いたが、既に説明したように、ガス供給計画19の生成には気象情報及び工事情報の少なくとも一方があればよい。ステップS60の処理は、ガス供給計画を生成する生成ステップの一例である。
【0103】
ステップS70において、CPU21は、ステップS30で生成したNW予測データ、及びステップS60で生成したガス供給計画19を用いて、N時間後までの制御情報を生成する。
【0104】
具体的には、CPU21は、人工知能を利用した制御情報学習モデル40を用いてNW予測データ及びガス供給計画19から制御情報を生成する。
【0105】
制御情報学習モデル40は、支障なくガス供給が行われた過去の複数のガス供給計画19と、これら各々のガス供給計画19の生成に用いられたNW予測データと、ガス供給計画19に従って実際に行われた制御内容を示す制御情報とを対応付けた教師データを用いて、教師データに含まれるNW予測データ及びガス供給計画19を入力すると、対応する制御情報を出力するように機械学習を行うことで生成される。すなわち、制御情報学習モデル40は、支障なくガス供給が行われた場合のNW予測データ、ガス供給計画19、及び制御情報の関連付けを学習したものである。
【0106】
制御情報学習モデル40の機械学習にも、ガス供給計画学習モデル30の機械学習と同様に例えばニューラルネットワークが用いられる。
【0107】
図8は、制御情報学習モデル40を用いた制御情報の生成例を示す図である。
【0108】
図8に示すように、CPU21は、N時間後まで時刻をずらしながら、制御情報学習モデル40にステップS30で生成した各時刻におけるNW予測データ、及びステップS60で生成した各時刻におけるガス供給計画19を入力することで、各時刻における制御情報を生成する。各々の時刻における制御情報の制御時間には、その時刻に制御設備の制御が開始されるように対応する時刻が設定される。
【0109】
これにより、NW予測データ及びガス供給計画19に従ったガス供給を実現する制御情報が生成される。
【0110】
制御情報学習モデル40の機械学習は必ずしも制御装置10で実行する必要はなく、CPU21は、例えばインターネットに接続された外部装置で機械学習が行われた制御情報学習モデル40を用いてもよい。
【0111】
ここでは一例として、制御情報学習モデル40を用いて制御情報を生成する例について説明したが、制御情報の生成方法はこれに限定されない。例えばNW予測データ及びガス供給計画19を説明変数とし、制御情報を目的変数とする予測関数を用いて制御情報を生成してもよい。また、NW予測データ及びガス供給計画19の組み合わせに対するクラスタ分析を行って制御情報を生成してもよい。
【0112】
ステップS80において、CPU21は通信ユニット27を制御して、ステップS70で生成した制御情報に含まれる指定情報によって指定された制御設備に対して制御指示を送信し、図6に示す制御処理を終了する。
【0113】
以上により、制御対象となる制御設備が、制御情報に含まれる制御時間に、ガス供給状況を表す物理量(例えばガス圧)を制御情報で指定された制御値に設定するための制御を行う。
【0114】
制御装置10が生成したガス供給計画19は、気象情報及び工事情報の少なくとも一方を用いて生成された、ガスの供給に今後障害が発生か否かを考慮したガス供給計画19である。したがって、実際にガスの供給に障害が発生した場合でも、こうしたガス供給計画19に従って生成された制御情報によって、障害の発生を事前に考慮したガス流路の制御が行われるため、ガス需要に応じたガスが継続して供給されることになる。
また、制御装置10では、ガス流路の制御に関してオペレーターの操作が不要となるため、オペレーターの誤操作や判断ミスによるガス流路の制御が行われることがない。特に、障害発生時にはオペレーターは正常時に比べて冷静な判断を素早く行うことが困難になるため誤操作が起こりやすいが、本実施形態に係る制御装置10であれば、適切なタイミングで適切な制御をミスなく実施することができる。
【0115】
以上、実施形態を用いて制御装置10の一態様について説明したが、開示した制御装置10の形態は一例であり、制御装置10の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、図6に示した制御処理の順序を変更してもよい。
【0116】
また、本開示では、一例として制御処理をソフトウェアで実現する形態について説明した。しかしながら、図6に示したフローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はPLD(Programmable Logic Device)に実装し、ハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、制御処理をソフトウェアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0117】
このように、制御装置10のCPU21を例えばASIC、FPGA、PLD、GPU(Graphics Processing Unit)、及びFPU(Floating Point Unit)といった特定の処理に特化した専用のプロセッサに置き換えてもよい。
【0118】
また、制御装置10の制御処理は、1つのCPU21によって実現される形態の他、複数のCPU21、又はCPU21とFPGAとの組み合わせというように、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよい。更に、制御装置10の制御処理は、制御装置10の筐体の外部に位置する、物理的に離れた場所に存在するプロセッサとの協働によって実現されるものであってもよい。
【0119】
実施形態では、制御装置10のROM22に制御プログラムが記憶されている例について説明したが、制御プログラムの記憶先はROM22に限定されない。本開示の制御プログラムは、コンピュータ20で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば制御プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、運用訓練プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。ROM22、不揮発性メモリ24、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0120】
更に、制御装置10は、通信ユニット27を通じて外部装置から制御プログラムをダウンロードし、ダウンロードした制御プログラムを、例えば不揮発性メモリ24に記憶してもよい。この場合、制御装置10のCPU21は、外部装置からダウンロードした制御プログラムを読み込んで制御処理を実行する。
【符号の説明】
【0121】
1 タンカー、2 LNG基地、3 ガバナ、3A ガバナステーション、3B 地区ガバナ、4 ガスホルダー、5 需要施設、5A 工場、5B 住宅、6 データ集配信装置、7 通信回線、8 供給指令センター、9 ガス導管、9A 高圧ガス導管、9B 中圧ガス導管、9C 低圧ガス導管、10 制御装置、11 通信部、12 解析部、12A 圧力解析部、12B NW状況予測部、13 表示部、14 情報記憶部、15 生成部、16 制御部、17 センサ、18 リンク、19 ガス供給計画、19A (ガス供給計画の)グラフ、20 コンピュータ、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 不揮発性メモリ、25 I/O、26 バス、27 通信ユニット、28 入力ユニット、29 表示ユニット、30 ガス供給計画学習モデル、40 制御情報学習モデル、100 ガス供給システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記ガス供給計画を生成する
御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ガス供給計画及び前記予測値に従ったガス供給を実現する制御情報を生成し、
前記制御情報に従って、前記ガス流路におけるガス供給状況を変動させる制御設備の制御を行う
求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御情報に、制御対象となる前記制御設備を指定する指定情報、制御対象となる前記制御設備に対して制御を開始する制御時間、及び制御対象となる前記制御設備に対して行う制御の目標値を表す制御値が含まれる
請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記気象情報に、前記ガス流路が存在する地域の雷発生情報、降雨量、及び日照時間の少なくとも1つが含まれる
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記工事情報に、前記ガス流路から予め定めた範囲内で行われる掘削工事、及び建築工事の少なくとも1つに関する情報が含まれる
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記学習モデルは、前記需要施設に支障なくガス供給が行われた過去の複数の前記ガス供給計画と、当該複数の前記ガス供給計画の生成に用いられた前記予測値と、前記気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を対応付けた教師データを用いて機械学習された学習モデルである
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
コンピュータに、
ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記ガス供給計画を生成する処理を実行させる
制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータによって、
ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記ガス供給計画を生成する生成ステップ
実行する制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するために、第1態様に係る制御装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記ガス供給計画を生成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第2態様に係る制御装置は、第1態様に係る制御装置において、前記プロセッサは、前記ガス供給計画及び前記予測値に従ったガス供給を実現する制御情報を生成し、前記制御情報に従って、前記ガス流路におけるガス供給状況を変動させる制御設備の制御を行う
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
第6態様に係る制御装置は、第1態様~第5態様の何れかの態様に係る制御装置において、前記学習モデルは、前記需要施設に支障なくガス供給が行われた過去の複数の前記ガス供給計画と、当該複数の前記ガス供給計画の生成に用いられた前記予測値と、前記気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を対応付けた教師データを用いて機械学習された学習モデルである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第7態様に係る制御プログラムは、コンピュータに、ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記ガス供給計画を生成する処理を実行させるプログラムである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
第8態様に係る制御方法は、コンピュータによって、ガス流路の予め定めた各地点における特定時刻までのガス供給状況を表す予測値と、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記ガス供給計画を生成する生成ステップを実行する
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ガス流路の予め定めた各地点における計測情報を取得し、
前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を取得し、
前記計測情報と最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における最新のガスの圧力であるガス圧を解析し、
前記ガス圧の解析結果と前記最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における現在時刻からN時間(Nは正の実数)後までのガス圧及びガスの流量を含むガス供給状況を表す予測値を出力し、
前記予測値と、前記気象情報、及び前記工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記N時間後までのガス供給計画を生成する
制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ガス供給計画及び前記予測値に従ったガス供給を実現する制御情報を生成し、
前記制御情報に従って、前記ガス流路におけるガス供給状況を変動させる制御設備の制御を行う
請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御情報に、制御対象となる前記制御設備を指定する指定情報、制御対象となる前記制御設備に対して制御を開始する制御時間、及び制御対象となる前記制御設備に対して行う制御の目標値を表す制御値が含まれる
請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記気象情報に、前記ガス流路が存在する地域の雷発生情報、降雨量、及び日照時間の少なくとも1つが含まれる
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記工事情報に、前記ガス流路から予め定めた範囲内で行われる掘削工事、及び建築工事の少なくとも1つに関する情報が含まれる
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記学習モデルは、前記需要施設に支障なくガス供給が行われた過去の複数の前記ガス供給計画と、当該複数の前記ガス供給計画の生成に用いられた前記予測値と、前記気象情報及び工事情報の少なくとも一方と、を対応付けた教師データを用いて機械学習された学習モデルである
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
コンピュータに、
ガス流路の予め定めた各地点における計測情報を取得し、
前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を取得し、
前記計測情報と最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における最新のガスの圧力であるガス圧を解析し、
前記ガス圧の解析結果と前記最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における現在時刻からN時間(Nは正の実数)後までのガス圧及びガスの流量を含むガス供給状況を表す予測値を出力し、
前記予測値と、前記気象情報及び前記工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記N時間後までのガス供給計画を生成する処理を実行させる
制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータによって、
ガス流路の予め定めた各地点における計測情報を取得するステップと、
前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を取得するステップと、
前記計測情報と最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における最新のガスの圧力であるガス圧を解析するステップと、
前記ガス圧の解析結果と前記最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における現在時刻からN時間(Nは正の実数)後までのガス圧及びガスの流量を含むガス供給状況を表す予測値を出力するステップと、
前記予測値と、前記気象情報及び前記工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記N時間後までのガス供給計画を生成するステップと、
を実行する制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するために、第1態様に係る制御装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ガス流路の予め定めた各地点における計測情報を取得し、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を取得し、前記計測情報と最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における最新のガスの圧力であるガス圧を解析し、前記ガス圧の解析結果と前記最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における現在時刻からN時間(Nは正の実数)後までのガス圧及びガスの流量を含むガス供給状況を表す予測値を出力し、前記予測値と、前記気象情報、及び前記工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記N時間後までのガス供給計画を生成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第7態様に係る制御プログラムは、コンピュータに、ガス流路の予め定めた各地点における計測情報を取得し、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を取得し、前記計測情報と最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における最新のガスの圧力であるガス圧を解析し、前記ガス圧の解析結果と前記最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における現在時刻からN時間(Nは正の実数)後までのガス圧及びガスの流量を含むガス供給状況を表す予測値を出力し、前記予測値と、前記気象情報及び前記工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記N時間後までのガス供給計画を生成する処理を実行させるプログラムである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
第8態様に係る制御方法は、コンピュータによって、ガス流路の予め定めた各地点における計測情報を取得するステップと、前記ガス流路におけるガス供給に関する障害の発生要因となり得る気象情報及び工事情報を取得するステップと、前記計測情報と最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における最新のガスの圧力であるガス圧を解析するステップと、前記ガス圧の解析結果と前記最新のガス供給計画とを用いて、前記ガス流路の前記各地点における現在時刻からN時間(Nは正の実数)後までのガス圧及びガスの流量を含むガス供給状況を表す予測値を出力するステップと、前記予測値と、前記気象情報及び前記工事情報を入力すると、需要施設に支障なくガスを供給することができるガス供給計画を出力する学習モデルを用いて、前記予測値、前記気象情報、及び前記工事情報から前記ガス流路に対する前記N時間後までのガス供給計画を生成するステップと、を実行する。