(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184054
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】シャワー装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20221206BHJP
C02F 1/68 20060101ALI20221206BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20221206BHJP
【FI】
A47K3/28
C02F1/68 510A
C02F1/68 530B
C02F1/68 520B
B01F1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091677
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】竹内 一雄
(72)【発明者】
【氏名】谷村 竜一
(72)【発明者】
【氏名】倉内 亮平
【テーマコード(参考)】
2D132
4G035
【Fターム(参考)】
2D132FA03
2D132FA17
2D132FF00
2D132FJ04
2D132FJ22
4G035AA01
(57)【要約】
【課題】マイクロバブル、ナノバブル等の微細気泡を含むシャワー水を安定的に噴射可能なシャワー装置を提供する。
【解決手段】
混合栓3に接続される気体溶解タンク4と、この気体溶解タンクに接続し、気体溶解タンク内を所定圧力に維持するバッファタンク8と、前記気体溶解タンクに接続し、当該溶解タンク内で加圧溶解された気液混合体を噴射するシャワーヘッド6とを備えるシャワー装置によれば、コンプレッサーを常時作動させずとも気体溶解タンクの内部圧力をバッファタンクで高めることができるので、コスト及び省エネ性能に優れたものとなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合栓に接続される気体溶解タンクと、
この気体溶解タンクに接続し、気体溶解タンク内を所定圧力に維持するバッファタンクと、
前記気体溶解タンクに接続し、当該溶解タンク内で加圧溶解された気液混合体を噴射するシャワーヘッドと、
を備えることを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
前記シャワーヘッドは、微細気泡を生成可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシャワー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、溶存酸素水を生成するための装置として、水道圧を利用したシャワー装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このシャワー装置によれば、上部から水道水とともに空気を取り込んで気液混合タンク内で攪乱させて気液混合水を生成し、下部に接続されたシャワーホースを通してシャワーヘッドからシャワー水が吐出されるようになっている。
【0003】
また近年では、マイクロバブルを生成可能なシャワーヘッドを備えるシャワー装置が注目を集めている。マイクロバブルは、毛穴に入り込めるほど小さい泡なので、これを用いることにより通常のシャワーでは落としきれない毛穴汚れや皮脂を洗い流すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記シャワー装置によれば、気液混合タンク内の圧力が低下すると、気液混合水の溶存酸素量が低下するため、シャワーヘッドによる微細気泡の生成量が低下する問題を有していた。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて創成されたものであり、マイクロバブル、ナノバブル等の微細気泡を含むシャワー水を安定的に噴射可能なシャワー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
混合栓に接続される気体溶解タンクと、この気体溶解タンクに接続し、気体溶解タンク内を所定圧力に維持するバッファタンクと、前記気体溶解タンクに接続し、当該溶解タンク内で加圧溶解された気液混合体を噴射するシャワーヘッドとを備えるシャワー装置による。
【0008】
前記シャワーヘッドは、微細気泡を生成可能に構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシャワー装置によれば、バッファタンクが気体溶解タンク内を所定の圧力に維持するように構成されているので、当該気体溶解タンク内に貯水された気液混合体の溶存酸素濃度が低下しないため、当該気液混合体に微細気泡を生成するシャワーヘッドは、豊富に微細気泡を含むシャワー水を噴射できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のシャワー装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明のシャワー装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0012】
本実施形態に係るシャワー装置1は、給水管2を介して混合栓3に接続される気体溶解タンク4を有している。この気体溶解タンク4は、上部から混合栓3の水道水が流入し、内部で気体を加圧溶解するように構成されている。
【0013】
前記気体溶解タンク4の下部には、シャワーホース5を介してシャワーヘッド6が接続されており、気体溶解タンク4の内部で気体が加圧溶解された水道水をシャワーヘッド6から吐出するように構成されている。
【0014】
なお、前記シャワーヘッド6は、公知のものであり、マイクルバブル、ナノバルブ等の微細気泡を生成可能なものであることが好ましい。
【0015】
また、前記気体溶解タンク4には、給気管7を介してバッファタンク8が接続されている。さらに、このバッファタンク8には、給気管10を介してコンプレッサー9が接続されており、バッファタンク8は、コンプレッサー9によって供給された圧縮空気を一時貯留するように構成されている。
【0016】
前記気体溶解タンク4とバッファタンク8とを接続する給気管7には電磁弁11が設けられており、給気管7内の気体の流れを制御するように構成されている。
【0017】
また、気体溶解タンク4とバッファタンク8には、それぞれに内部圧力を計測可能な圧力センサ12,13が設けられている。このため、電磁弁11およびコンプレッサー9の作動を制御することにより、気体溶解タンク4の内部圧力を所定の値に維持するように構成されている。
【0018】
具体的な制御方法として、バッファタンク8内の圧力を所定の値に維持するために、圧力センサ13が所定の値を下回ると、コンプレッサー9を作動させる。これにより、バッファタンク8の内部圧力が高められる。
【0019】
続いて、圧力センサ13が所定の値を上回るとコンプレッサー9を停止させる。このように、圧力センサ13の値に応じてコンプレッサー9の作動・停止を切り替えることにより、バッファタンク8内の圧力は一定に保たれる。
【0020】
前記バッファタンク8は、気体溶解タンク4の内部圧力を所定の値に維持するためのものである。その制御方法としては、圧力センサ12が所定の値を下回ると、電磁弁11を開状態にすることで、バッファタンク8によって気体溶解タンク4の内部圧力が高められる。これにより、気体溶解タンク4は、バッファタンク8から供給される気体と、混合栓3から供給される水道水とを所定の圧力で加圧溶解するように構成されている。
【0021】
続いて、圧力センサ12が所定の値を上回ると、電磁弁11を閉状態にする。このように、圧力センサ12の値に応じて電磁弁11の開閉を制御することにより、気体溶解タンク4内の圧力は一定に保たれる。
【0022】
なお、電磁弁11は、圧力センサ12の検出値が所定の値を下回る間に常時、開状態にするのではなく開閉を繰り返すことが好ましい。具体的には、1秒間の開状態の後に5秒間の閉状態とし、圧力センサ12の検出値が所定の値を下回る間は、これを繰り返すように構成されている。このようにして、気体溶解タンク4の内部圧力を間欠的に高めることで、気体を効率的に加圧溶解することができる。
【0023】
また、コンプレッサー9の保護を目的として、給気管10には電磁弁14を設けることが好ましい。この電磁弁14は、前記コンプレッサー9が作動する前に、一時的に開状態となり給気管10の内部圧力を開放することで、コンプレッサー9にかかる負荷を軽減し破損を防止する。
【0024】
上述のシャワー装置1によれば、コンプレッサー9を常時作動させずとも気体溶解タンク4の内部圧力をバッファタンク8で高めることができるので、コスト及び省エネ性能に優れたものとなる。
【0025】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 シャワー装置
2 給水管
3 混合栓
4 気体溶解タンク
5 シャワーホース
6 シャワーヘッド
7 給気管
8 バッファタンク
9 コンプレッサー
10 給気管
11 電磁弁
12,13 圧力センサ
14 電磁弁