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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184077
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】磁気情報記録媒体処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/08 20060101AFI20221206BHJP
   G06K 13/05 20060101ALI20221206BHJP
   G11B 5/49 20060101ALI20221206BHJP
   G11B 5/56 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G06K7/08 040
G06K13/05
G11B5/49 B
G11B5/56 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091710
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】末永 輝雄
【テーマコード(参考)】
5B023
【Fターム(参考)】
5B023BA02
5B023FA03
(57)【要約】
【課題】他の規格の磁気情報記録媒体に対応する装置と部品及び設計を共通化して製造コストを低減可能な磁気情報記録媒体処理装置を提供する。
【解決手段】カードリーダ1は、カード搬送路4で搬送されるカード2の厚さ方向(Z方向)の一方側であるZ1方向側からカード搬送路4に臨むように配置される磁気ヘッド51及び磁気ヘッド51を支持する磁気ヘッド支持部52を含む磁気ヘッドモジュール50と、カード搬送路4のZ1方向側の搬送面18aが形成される上フレーム18と、を備え、磁気ヘッド支持部52は、上フレーム18にネジ53、54のみによって固定されており、Z方向に延びる軸回りの回転位置を調整するための調整用孔部52aを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気情報記録媒体が搬送される媒体搬送路と、
前記媒体搬送路で搬送される前記磁気情報記録媒体の厚さ方向の一方側である第1方向側から前記媒体搬送路に臨むように配置される磁気ヘッド及び前記磁気ヘッドを支持する磁気ヘッド支持部を含む磁気ヘッドモジュールと、
前記媒体搬送路の前記第1方向側の搬送面が形成される第1フレームと、を備え、
前記磁気ヘッド支持部は、前記第1フレームにネジのみによって固定されており、前記厚さ方向に延びる軸回りの回転位置を調整するための調整用孔部を有する、
磁気情報記録媒体処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記調整用孔部は、前記磁気情報記録媒体の搬送方向における第1幅と、前記搬送方向及び前記厚さ方向に直交する直交方向における第2幅とが異なる形状となっている、
磁気情報記録媒体処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記第1幅は、前記第2幅よりも小さい、
磁気情報記録媒体処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記磁気ヘッド支持部は、前記ネジが挿通されるネジ孔部を備え、
前記ネジ孔部は、前記厚さ方向から見て円形に構成されている、
磁気情報記録媒体処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記厚さ方向の他方側である第2方向側から前記媒体搬送路に臨み且つ前記磁気ヘッドと対向するように配置されるローラ及び前記ローラを支持するローラ支持部を含むローラモジュールと、
前記媒体搬送路の前記第2方向側の搬送面が形成される第2フレームと、を備え、
前記ローラ支持部は、前記第2フレームにネジのみによって固定されている、
磁気情報記録媒体処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記ローラ支持部は、前記媒体搬送路で搬送される前記磁気情報記録媒体の搬送方向を回動の軸方向とする前記ローラの回動が可能となるように、かつ、前記厚さ方向へ前記ローラが移動可能となるように前記ローラを支持する、
磁気情報記録媒体処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記磁気情報記録媒体は、JIS-IIの規格に準拠するものである、
磁気情報記録媒体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気情報記録媒体に記録される磁気情報の読取りや磁気情報記録媒体への磁気情報の記録を行う磁気記録媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、磁気情報が記録される磁気情報記録媒体が搬送される媒体搬送路を備えるとともに、前記媒体搬送路で搬送される前記磁気情報記録媒体の厚さ方向の一方を第1方向とすると、前記第1方向側から前記媒体搬送路に臨むように配置される磁気ヘッドを有する磁気ヘッドモジュールを備える、磁気情報記録媒体処理装置が記載されている。この磁気ヘッドモジュールは、媒体搬送路で搬送される磁気情報記録媒体の搬送方向を回動の軸方向とする磁気ヘッドの回動が可能となるように、かつ、磁気情報記録媒体の厚さ方向へ磁気ヘッドが移動可能となるように磁気ヘッドを保持するヘッド保持部を備えている。
【0003】
特許文献2には、カード搬送路の上下に配置された磁気ヘッドによって、カードに記録された情報の再生および/またはカードへの情報の記録を行うカードリーダが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-41052号公報
【特許文献2】特許第5303314号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気情報記録媒体処理装置は、挿入される磁気情報記録媒体の規格に応じた設計とすることが求められる。磁気情報がうら面に記録されたカード(JIS(日本産業規格)のJIS X6301(JIS-I))に準拠したカード)が挿入される磁気情報記録媒体処理装置であれば、例えば特許文献1のように、カード搬送路の下側に磁気ヘッドを配置する必要がある。一方、磁気情報がおもて面に記録されたカード(JIS X6302(JIS-II))に準拠したカード)が挿入される磁気情報記録媒体処理装置であれば、例えば特許文献2のように、少なくともカード搬送路の上側に磁気ヘッドを配置する必要がある。更に、処理対象とする磁気情報記録媒体の規格によっては、磁気ヘッドの配置に高い精度が求められる場合がある。このように、規格の異なる磁気情報記録媒体毎に媒体処理装置全体の構造を大きく変えるのでは、媒体処理装置の製造コストが高くなる。
【0006】
本発明は、他の規格の磁気情報記録媒体に対応する装置と多くの部品及び設計を共通化して製造コストを低減可能な磁気情報記録媒体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の磁気情報記録媒体処理装置は、磁気情報記録媒体が搬送される媒体搬送路と、前記媒体搬送路で搬送される前記磁気情報記録媒体の厚さ方向の一方側である第1方向側から前記媒体搬送路に臨むように配置される磁気ヘッド及び前記磁気ヘッドを支持する磁気ヘッド支持部を含む磁気ヘッドモジュールと、前記媒体搬送路の前記第1方向側の搬送面が形成される第1フレームと、を備え、前記磁気ヘッド支持部は、前記第1フレームにネジのみによって固定されており、前記厚さ方向に延びる軸回りの回転位置を調整するための調整用孔部を有する、ものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、他の規格の磁気情報記録媒体に対応する装置と多くの部品及び設計を共通化して製造コストを低減可能な磁気情報記録媒体処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態であるカードリーダ1の概略構成を模式的に示す側面図である。
図2図1に示すカード2の平面図である。
図3図1に示すカードリーダ1を上面側から示す斜視図である。
図4図1に示すカードリーダ1を下面側から示す斜視図である。
図5図1に示すカードリーダ1における磁気ヘッドモジュール50及びパッドローラモジュール60を本体フレーム16から取り外した状態の斜視図である。
図6図5に示す磁気ヘッドモジュール50及びパッドローラモジュール60を下側から見た斜視図である。
図7図1に示すカードリーダ1におけるパッドローラモジュール60を下フレーム17から取り外した状態の分解斜視図である。
図8図5に示す磁気ヘッドモジュール50を下側から見た斜視図である。
図9図5に示す磁気ヘッドモジュール50を上側から見た平面図である。
図10図1に示すカードリーダ1へ転用可能なカードリーダ1Aの概略構成を模式的に示す側面図である。
図11図10に示すカードリーダ1Aにおける磁気ヘッドモジュール70及びパッドローラモジュール80を本体フレーム16から取り外した状態の斜視図である。
図12図10に示すカードリーダ1Aにおける磁気ヘッドモジュール70を下フレーム17から取り外した状態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
(カードリーダの全体構成)
図1は、本発明の一実施形態であるカードリーダ1の概略構成を模式的に示す側面図である。図2は、図1に示すカード2の平面図である。図3は、図1に示すカードリーダ1を上面側から示す斜視図である。図4は、図1に示すカードリーダ1を下面側から示す斜視図である。
【0012】
カードリーダ1は、磁気情報が記録される磁気情報記録媒体としてのカード2に記録された磁気情報の読取りやカード2への磁気情報の記録を行うための装置である。カードリーダ1は、受付機やATM等の所定の上位装置に搭載されて使用される。カードリーダ1は、カード2を搬送するカード搬送機構3(図3、4参照)を備えるカード搬送式のカードリーダである。カードリーダ1の内部には、カード2が搬送される媒体搬送路としてのカード搬送路4(図1参照)が形成されている。図1では、カード搬送機構3の図示を省略している。
【0013】
カード2は、たとえば、厚さが0.7~0.8mm程度の略長方形状の塩化ビニール製のカードである。図2に示すように、カード2のおもて面には、磁気情報が記録される磁気ストライプ2aが形成されている。また、カード2には、ICチップが内蔵されており、カード2のおもて面には、ICチップの外部接続端子2bが形成されている。なお、カード2は、厚さが0.18~0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。また、ICチップは省略されてもよい。
【0014】
カードリーダ1が記録及び読取りの対象としているカード2は、JIS-IIの規格に準拠したカードである。カードリーダ1では、磁気ストライプ2aが見えるように模様が印刷されたカード2と、磁気ストライプ2aが見えないように模様が印刷されたカード2とが使用される。
【0015】
図1に示すように、カード搬送路4で搬送されるカード2は、X方向へ移動する。すなわち、X方向は、カード2の搬送方向である。X方向に直交するZ方向は、カード搬送路4で搬送されるカード2の厚さ方向であり、Z方向とX方向とに直交するY方向は、カード搬送路4で搬送されるカード2の幅方向である。カードリーダ1は、カード2の厚さ方向と上下方向(鉛直方向)とが一致するように配置される。
【0016】
以下の説明では、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、Z方向を上下方向とする。また、X方向の一方であるX1方向を「手前」方向とし、その反対方向であるX2方向を「奥」方向とし、Z方向の一方であるZ1方向を「上」方向とし、その反対方向であるZ2方向を「下」方向とし、Y方向の一方であるY1方向を「右」方向とし、その反対方向であるY2方向を「左」方向とする。
【0017】
カードリーダ1は、磁気ストライプ2aに記録された磁気情報の読取りと磁気ストライプ2aへの磁気情報の記録を行う磁気ヘッド51を含む磁気ヘッドモジュール50(図3参照)と、磁気ヘッド51に下側から対向するパッドローラ61を含むパッドローラモジュール60(図4参照)と、外部接続端子2bに接触してカード2と通信を行うためのIC接点バネ7(図1参照)を有するIC接点モジュール8(図3参照)と、カード搬送路4で搬送されるカード2を検知するための光学式センサ9(図1参照)と、カードリーダ1を制御するための電子部品等が実装される回路基板と、を備えている。光学式センサ9は、上下方向でカード搬送路4を挟むように対向配置される発光素子12および受光素子13を備えている。磁気ヘッドモジュール50は、磁気ヘッド51が上側からカード搬送路4に臨むように配置されている。パッドローラモジュール60は、パッドローラ61が下側からカード搬送路4に臨むように配置されている。カード搬送路4を搬送されるカード2は、磁気ヘッド51とパッドローラ61とで挟持された状態で、磁気ストライプ2aに磁気ヘッド51が摺接して磁気情報の記録及び読取りが行われる。
【0018】
カードリーダ1は、発光素子12が実装される回路基板14と、受光素子13が実装される回路基板15とを備えている。回路基板14、15は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、平板状に形成されている。さらに、カードリーダ1は、カード搬送機構3、磁気ヘッドモジュール50、パッドローラモジュール60、IC接点モジュール8、および回路基板14、15が取り付けられる本体フレーム16を備えている。
【0019】
本体フレーム16は、本体フレーム16の下側部分を構成する下フレーム17と、本体フレーム16の上側部分を構成する上フレーム18とから構成されている。下フレーム17と上フレーム18とが互いに固定されることで、本体フレーム16が構成されている。下フレーム17および上フレーム18は、樹脂材料で形成されている。下フレーム17と上フレーム18との間には、カード搬送路4が形成されている。下フレーム17には、カード搬送路4の下側の搬送面17aが形成されている。上フレーム18には、カード搬送路4の上側の搬送面18aが形成されている。図3に示した磁気ヘッドモジュール50は、上フレーム18にネジ(後述の図5のネジ53、54)のみによって固定されている。換言すると、磁気ヘッドモジュール50は、上フレーム18に、非接着及び非溶着の状態で固定されている。図4に示したパッドローラモジュール60は、下フレーム17にネジ(後述の図6のネジ64、65)のみによって固定されている。換言すると、パッドローラモジュール60は、下フレーム17に、非接着及び非溶着の状態で固定されている。
【0020】
カード搬送機構3は、カード2の上面に当接してカード2を搬送する搬送ローラ23(図3参照)と、搬送ローラ23を駆動するモータ21と、モータ21の動力を搬送ローラ23に伝達する動力伝達機構22と、各搬送ローラ23に対向配置されるパッドローラ23a(図4参照)とを備えている。動力伝達機構22は、複数のプーリやベルト等によって構成されている。
【0021】
IC接点モジュール8は、IC接点バネ7を保持するIC接点ブロック38(図1参照)と、IC接点バネ7が電気的に接続される平板状の回路基板39(図3参照)とを備えている。このIC接点モジュール8は、IC接点バネ7が上側からカード搬送路4に臨むように配置されている。IC接点モジュール8は、IC接点バネ7がカード搬送路4から退避する退避位置とIC接点バネ7がカード2の外部接続端子2bに接触可能な接触位置との間でIC接点モジュール8を移動させるソレノイド40に連結されている(図3参照)。具体的には、IC接点モジュール8は、図示を省略するレバー部材を介して、ソレノイド40に連結されている。
【0022】
発光素子12は、カード搬送路4の下側に配置されている。発光素子12は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板である回路基板14の上面に実装されている。受光素子13は、カード搬送路4の上側に配置されている。受光素子13は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板である回路基板15の下面に実装されている。
【0023】
(磁気ヘッドモジュール、パッドローラモジュール、およびその周辺部分の構成)
図5は、図1に示すカードリーダ1における磁気ヘッドモジュール50及びパッドローラモジュール60を本体フレーム16から取り外した状態の斜視図である。図6は、図5に示す磁気ヘッドモジュール50及びパッドローラモジュール60を下側から見た斜視図である。図7は、図1に示すカードリーダ1におけるパッドローラモジュール60を下フレーム17から取り外した状態の分解斜視図である。図8は、図5に示す磁気ヘッドモジュール50を下側から見た斜視図である。図9は、図5に示す磁気ヘッドモジュール50を上側から見た平面図である。
【0024】
磁気ヘッドモジュール50は、内周部に磁気ヘッド51を支持する、略筒状の磁気ヘッド支持部52を有する。磁気ヘッド支持部52は、内周部の軸方向が上下方向と一致するように、上フレーム18に固定される。
【0025】
磁気ヘッド支持部52によって支持される磁気ヘッド51の先端部には、磁気ギャップMGが形成されている(図8参照)。磁気ヘッド51は、磁気ギャップMGがカード搬送路4の上側からカード搬送路4に臨むように配置されている。図8に示すように、磁気ヘッド51は、磁気ストライプ2aに記録された磁気情報を読取るためのリードコアRCと、磁気ストライプ2aに磁気情報を記録するためのライトコアWCとを備えている。磁気ヘッド51は、リードコアRCとライトコアWCとが一体化されたリードライト一体型の磁気ヘッドである。磁気ギャップMGは、磁気ヘッド51の先端部において、リードコアRCとライトコアWCとの間に形成されている。磁気ヘッド51は、磁気ギャップMGの延びる方向が磁気ヘッド支持部52の内周部の軸方向に直交する状態で、磁気ヘッド支持部52の内周部に支持されている。磁気ヘッド51は、磁気ギャップMGの延びる方向と直交する方向に延びる回動軸Ax(図9参照)の周りに僅かな角度だけ回動自在に、磁気ヘッド支持部52に支持されている。磁気ヘッド51の磁気ギャップMGの延びる方向と前後方向とのなす角度が略90度となっていることで、JIS-IIの規格に準拠するカード2の磁気情報の記録及び読取りが可能なカードリーダ1を実現できる。つまり、磁気ギャップMGの延びる方向は左右方向に略一致し、回動軸Axの延びる方向は前後方向に略一致している。
【0026】
図9に示すように、磁気ヘッド支持部52には、上下方向から見て磁気ヘッド51を取り囲むように、上下方向に貫通する調整用孔部52aと、上下方向に貫通するネジ孔部52b、52cと、が設けられている。調整用孔部52aとネジ孔部52bは、前後方向の位置が同じであり、且つ、磁気ヘッド51を挟んで左右方向に並んで配置されている。ネジ孔部52cは、磁気ヘッド51の手前側の隣に配置されており、左右方向の位置が磁気ヘッド51と同じになっている。
【0027】
ネジ孔部52bは、磁気ヘッド支持部52を上フレーム18に固定するためのネジ53(図5参照)が挿通されるものである。ネジ孔部52cは、磁気ヘッド支持部52を上フレーム18に固定するためのネジ54(図5参照)が挿通されるものである。ネジ孔部52cは、磁気ヘッド支持部52を上フレーム18に固定する際の磁気ヘッド支持部52の位置決め用の孔部としても機能する。ネジ孔部52b、52cは、上下方向にみたときの形状が円形(公差を除けば真円)となっている。このように、磁気ヘッド支持部52は、ネジ53とネジ54のみよって上フレーム18に固定されている。
【0028】
調整用孔部52aは、上下方向を回動の軸方向とする磁気ヘッド支持部52の回転位置(換言すると、磁気ヘッド支持部52に支持されている磁気ヘッド51の回転位置)を調整するために設けられている。調整用孔部52aは、上下方向にみたときの形状が長円形となっている。具体的には、調整用孔部52aは、前後方向の幅が左右方向の幅よりも小さい長円形状となっている。なお、調整用孔部52aは、磁気ヘッド支持部52を上下方向に貫通していなくてもよく、磁気ヘッド支持部52の上面側から下側に向かって形成された溝によって構成されていてもよい。なお、磁気ヘッド支持部52の回転位置を精度良く調整可能とするために、調整用孔部52aの中心とネジ孔部52bの中心を結ぶ線分と、磁気ギャップMGの延びる方向とが平行であることが好ましい。また、この線分上に磁気ギャップMGが重なることが好ましい。
【0029】
以上の構成の磁気ヘッドモジュール50を上フレーム18に固定する際には、まず、磁気ヘッド支持部52をネジ53とネジ54によって上フレーム18に仮固定する。仮固定とは、磁気ヘッド支持部52の回転位置(換言すると、磁気ギャップMGの延びる方向と前後方向とのなす角度)が変更可能な程度に、ネジ53とネジ54が緩く締められた状態を言う。この仮固定の状態で、磁気ギャップMGの延びる方向と前後方向とのなす角度が実質的に90度となるように、磁気ヘッド支持部52の回転位置の調整が行われる。この調整は、調整用孔部52aに図示省略の偏心ピンを挿入し、この偏心ピンを周方向に回転(Z方向に延びる軸回りに回転)させることで行われる。偏心ピンを回すことで、磁気ギャップMGの延びる方向と前後方向とのなす角度が実質的に90度となった後は、その状態で、ネジ53とネジ54を更に締めて、磁気ヘッド支持部52を上フレーム18に本固定する。本固定とは、磁気ヘッド支持部52の回転位置が変更不能な程度に、ネジ53とネジ54が強く締められた状態を言う。本固定の後、調整用孔部52aから偏心ピンを取り外すことで、磁気ヘッドモジュール50の上フレーム18への固定が完了する。
【0030】
パッドローラモジュール60は、パッドローラ61が下側からカード搬送路4に臨むように配置されている。パッドローラモジュール60は、前後方向を回動の軸方向とするパッドローラ61の回動が可能となるように、かつ、上下方向へパッドローラ61が移動可能となるようにパッドローラ61を支持するローラ支持部61Sを備えている。ローラ支持部61Sは、左右方向を回動の軸方向としてパッドローラ61を回動自在に支持する板バネ62と、板バネ62に形成される2つの挿通孔にそれぞれ挿通される支持ピン63a、63bが形成され、且つ、下フレーム17にネジ64、65によって固定される被固定部材63と、板バネ62を上側へ付勢する圧縮コイルバネ66と、を備えている。
【0031】
被固定部材63は、例えば樹脂材料で形成されている。被固定部材63は、前後方向に細長い略長方形の平板状に形成される上面部63uと、上面部63uの外周端から下側に向かって伸びる側壁部63sとから構成されている。上面部63uは、上面部63uの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。上面部63uには、パッドローラ61の上端側部分が配置される、上下方向に貫通する貫通孔63hが形成されている。
【0032】
支持ピン63a、63bは、支持ピン63a、63bの軸方向と上下方向とが一致するように、かつ、上面部63uから下側へ突出するように上面部63uに固定されている。支持ピン63bは、上面部63uの奥端側に固定されており、パッドローラ61よりも奥側に配置されている。支持ピン63aは、上面部63uの手前端側に固定されており、パッドローラ61よりも手前側に配置されている。支持ピン63aと支持ピン63bとは、左右方向において同じ位置に配置されている。支持ピン63a、63bは、支持ピン63a、63bの上端側部分の外径が支持ピン63a、63bの下端側部分の外径よりも大きくなった細長い段付きの円柱状に形成されている。
【0033】
板バネ62は、前後方向に細長い略長方形状に形成されており、板バネ62の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。板バネ62の奥端側部分には、支持ピン63bが挿通される丸孔状の挿通孔(図示省略)が形成されている。この挿通孔の内径は、支持ピン63bの下端側部分の外径とほぼ等しくなっている。板バネ62の手前端側部分には、支持ピン63aが挿通される丸孔状の挿通孔(図示省略)が形成されている。この挿通孔の内径は、支持ピン63aの下端側部分の外径とほぼ等しくなっている。板バネ62は、上面部63uの下側に配置されている。板バネ62を上面部63uの下側に配置する際には、支持ピン63a、63bが上側から板バネ62の挿通孔に挿通される。
【0034】
板バネ62には、パッドローラ61が挿通される上下方向に貫通した貫通孔62hが形成されている。この貫通孔62hは、板バネ62の奥端側であって、かつ、支持ピン63bが挿通される挿通孔よりも手前側に形成されている。パッドローラ61は、上端側が板バネ62及び被固定部材63の上面部63uよりも上側へ突出するように、板バネ62に固定されている。
【0035】
圧縮コイルバネ66の内周側には、被固定部材63の上面部63uに形成される突起部63tが挿入されている。この突起部63tは、上面部63uの下面の、前後方向の略中心から下側へ突出する円柱状に形成されている。板バネ62には、この突起部63tが挿通される貫通孔(図示省略)が形成されている。この突起部63tの下端面には、座金66bが当接しており、この座金66bはネジ66aによって固定されている。圧縮コイルバネ66の下端は、座金66bの上面に当接し、圧縮コイルバネ66の上端は、板バネ62の下面に当接している。
【0036】
図7に示すように、下フレーム17は、搬送面17aが形成される平板状の搬送ガイド部17hを備えている。搬送ガイド部17hは、搬送ガイド部17hの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。搬送ガイド部17hの前後方向の略中央には、上下方向で搬送ガイド部17hを貫通する貫通孔17fが形成されている。
【0037】
搬送ガイド部17hの、前後方向における開口部17fの両側部分は、パッドローラモジュール60の被固定部材63が固定されるモジュール固定部17gとなっている。モジュール固定部17gの下面は、被固定部材63が下側から当接する当接面となっており、この当接面は、上下方向に直交する平面状に形成されている。また、モジュール固定部17gの下面側には、開口部17fの前後方向の両側の2箇所にメネジ17bとメネジ17cが形成されている。パッドローラモジュール60は、被固定部材63の奥側端部に形成されたネジ穴64aに挿通されたネジ64がメネジ17bと係合し、被固定部材63の手前側端部に形成されたネジ穴65aに挿通されたネジ65がメネジ17cと係合することで、下フレーム17に固定されている。パッドローラモジュール60は、被固定部材63の貫通孔63hを介して被固定部材63の上面部63uよりも上側に配置されたパッドローラ61の部分が、搬送ガイド部17hの開口部17fに挿通されるように、下フレーム17に固定されている。
【0038】
(本形態の主な効果)
以上のように、カードリーダ1では、磁気ヘッドモジュール50が上フレーム18にネジ53、54のみによって固定され、パッドローラモジュール60が下フレーム17にネジ64、65のみによって固定されている。このため、磁気ヘッドモジュール50を上フレーム18から取り外して、別のモジュールに交換し、パッドローラモジュール60を下フレーム17から取り外して、別のモジュールに交換することで、異なる規格の磁気情報記録媒体に対応する装置への転用が可能となる。換言すれば、異なる規格の磁気情報記録媒体に対応する装置における磁気ヘッドモジュール及びパッドローラモジュールの組を、磁気ヘッドモジュール50及びパッドローラモジュール60の組に交換するだけで、カードリーダ1を製造することが可能となる。
【0039】
図10は、図1のカードリーダ1へ転用可能なカードリーダ1Aの概略構成を模式的に示す側面図である。カードリーダ1Aは、JIS-Iの規格に準拠したカード2Aに対する磁気情報の記録及び読取りが可能な磁気情報記録媒体処理装置である。カードリーダ1Aは、磁気ヘッドモジュール50が、パッドローラ81を含むパッドローラモジュール80に交換され、パッドローラモジュール60が、パッドローラ81に対向する磁気ヘッド71を含む磁気ヘッドモジュール70に交換されている点を除いては、図1のカードリーダ1と同じ構成である。カード2Aは、図2に示すカード2において、磁気ストライプ2aが裏面に形成されたものとなっている。
【0040】
図11は、図10に示すカードリーダ1Aにおける磁気ヘッドモジュール70及びパッドローラモジュール80を本体フレーム16から取り外した状態の斜視図である。図12は、図10に示すカードリーダ1Aにおける磁気ヘッドモジュール70を下フレーム17から取り外した状態の分解斜視図である。
【0041】
磁気ヘッドモジュール70は、磁気ヘッド71の先端部が下側からカード搬送路4に臨むように配置されている。磁気ヘッドモジュール70は、前後方向を回動の軸方向とする磁気ヘッド71の回動が可能となるように、かつ、上下方向へ磁気ヘッド71が移動可能となるように磁気ヘッド71を支持する磁気ヘッド支持部71Sを備えている。磁気ヘッド支持部71Sは、左右方向を回動の軸方向として磁気ヘッド71を回動自在に支持する板バネ72と、板バネ72に形成される2つの挿通孔にそれぞれ挿通される支持ピン73a、73bが形成され、且つ、下フレーム17にネジ74、75によって固定される被固定部材73と、板バネ72を上側へ付勢する圧縮コイルバネ76と、を備えている。磁気ヘッドモジュール70は、被固定部材73の奥側端部に形成されたネジ穴74aに挿通されたネジ74がメネジ17bと係合し、被固定部材73の手前側端部に形成されたネジ穴75aに挿通されたネジ75がメネジ17cと係合することで、下フレーム17に固定されている。磁気ヘッドモジュール70は、磁気ヘッド71の先端部が、搬送ガイド部17hの開口部17fに挿通されるように、下フレーム17に固定されている。
【0042】
パッドローラモジュール80は、パッドローラ81が上側からカード搬送路4に臨むように配置されている。パッドローラ81の回転軸82は、ネジによって上フレーム18に固定されている。
【0043】
なお、カードリーダ1Aでは、磁気ヘッド71の磁気ギャップの延びる方向と前後方向とのなす角度の精度はそこまで要求されない。このため、図1のカードリーダ1のように、磁気ヘッドモジュール70において調整用孔部は不要である。
【0044】
このように、図10に示すカードリーダ1Aにおける磁気ヘッドモジュール70をパッドローラモジュール60に交換し、図10に示すカードリーダ1Aにおけるパッドローラモジュール80を磁気ヘッドモジュール50に交換するだけで、図1に示すカードリーダ1を製造できる。この結果、カードリーダ1とカードリーダ1Aとで多くの部品や設計の共通化が可能となり、カードリーダ1の製造コストの削減が可能となる。
【0045】
また、カードリーダ1に搭載される磁気ヘッドモジュール50は、調整用孔部52aを有する。このため、前述したように、磁気ヘッドモジュール50を上フレーム18にネジで仮固定した状態で、調整用孔部52aを利用して磁気ヘッドモジュール50の回転位置を適切な位置に調整してから、磁気ヘッドモジュール50を上フレーム18にネジで本固定することができる。JIS-IIの規格に準拠したカード2に対応するカードリーダ1を製造する際は、磁気ヘッドモジュール50の位置精度が要求されることから、通常は、磁気ヘッドモジュール50は接着等の手段で上フレーム18に固定される。これに対し、カードリーダ1では、磁気ヘッドモジュール50はネジのみによって上フレーム18に固定される。その代わり、調整用孔部52aが設けられていることで、ネジのみによって磁気ヘッドモジュール50が固定される場合であっても、磁気ヘッドモジュール50の位置精度は十分に確保することができる。
【0046】
また、カードリーダ1Aにおける磁気ヘッドモジュール70の磁気ヘッド71を除く部分と、カードリーダ1におけるパッドローラモジュール60のパッドローラ61を除く部分の構成は、多少の形状の違いは存在するものの、ほぼ同じ構成である。つまり、カードリーダ1におけるパッドローラモジュール60は、カードリーダ1Aにおける磁気ヘッドモジュール70との部品及び設計の略共通化が可能となる。このため、カードリーダ1では、パッドローラ61がカード2の動きに追従できることによる磁気情報の読取り精度を向上させながらも、製造コストの削減が可能となる。
【0047】
(各種の変形例)
実施形態のカードリーダ1は、自動でカードを搬送するものとしたが、手動にてカードを出し入れする手動式のカードリーダにも本発明を適用可能である。
カードリーダ1における磁気ヘッド支持部52は、ネジ53とネジ54の2つのネジによって上フレーム18に固定されるものとしたが、例えばネジ54は削除し、ネジ53のみで上フレーム18に固定される構成としてもよいし、3つ以上のネジで上フレーム18に固定される構成としてもよい。
カードリーダ1におけるパッドローラモジュール60のパッドローラ61は、前後方向を回動の軸方向として回動可能、且つ、上下方向へ移動可能となるようにローラ支持部61Sによって支持されるものとしたが、これに限らない。例えば、板バネ62と圧縮コイルバネ66を削除し、被固定部材63にパッドローラ61が軸回りにのみ回動自在に支持される構成としてもよい。
【0048】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0049】
(1)
磁気情報記録媒体(カード2)が搬送される媒体搬送路(カード搬送路4)と、
前記媒体搬送路で搬送される前記磁気情報記録媒体の厚さ方向(Z方向)の一方側である第1方向(Z1方向)側から前記媒体搬送路に臨むように配置される磁気ヘッド(磁気ヘッド51)及び前記磁気ヘッドを支持する磁気ヘッド支持部(磁気ヘッド支持部52)を含む磁気ヘッドモジュール(磁気ヘッドモジュール50)と、
前記媒体搬送路の前記第1方向側の搬送面(搬送面18a)が形成される第1フレーム(上フレーム18)と、を備え、
前記磁気ヘッド支持部は、前記第1フレームにネジ(ネジ53、54)のみによって固定されており、前記厚さ方向に延びる軸回りの回転位置を調整するための調整用孔部(調整用孔部52a)を有する、
磁気情報記録媒体処理装置(カードリーダ1)。
【0050】
(1)によれば、磁気ヘッド支持部が第1フレームにネジのみによって固定されている。このため、磁気ヘッドモジュールを第1フレームから取り外して、別のモジュールに交換することが可能となる。これにより、異なる規格の磁気情報記録媒体に対応する装置への転用又はこの装置からの転用が可能となり、部品や設計の共通化による装置の製造コストの削減が可能となる。また、磁気ヘッド支持部が調整用孔部を有するため、例えば、磁気ヘッド支持部を第1フレームにネジで仮固定した状態で、調整用孔部を利用して磁気ヘッド支持部の回転位置を調整することができる。この回転位置を適切な位置に調整した状態で、磁気ヘッド支持部を第1フレームにネジで本固定することで、磁気ヘッド支持部を接着や溶接等の手段を用いることなく、適切な位置に固着することができる。JIS-IIの規格に準拠する磁気情報記録媒体に対応する装置では、磁気ヘッドモジュールの位置に高い精度が要求される。このため、通常は接着等の手段によって磁気ヘッドモジュールがフレームに固着されて、磁気ヘッドモジュールを他のモジュールに交換することはできない。これに対し、(1)によれば、調整用孔部を利用することで、JIS-IIの規格に準拠に準拠した磁気情報記録媒体に対応する装置を安価に実現できる。
【0051】
(2)
(1)に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記調整用孔部は、前記磁気情報記録媒体の搬送方向(X方向)における第1幅と、前記搬送方向及び前記厚さ方向に直交する直交方向(Y方向)における第2幅とが異なる形状となっている、
磁気情報記録媒体処理装置。
【0052】
(2)によれば、磁気ヘッド支持部を第1フレームにネジで仮固定した状態で、調整用孔部を利用して磁気ヘッド支持部の回転位置を容易に調整することができる。
【0053】
(3)
(2)に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記第1幅は、前記第2幅よりも小さい、
磁気情報記録媒体処理装置。
【0054】
(3)によれば、磁気ヘッド支持部を第1フレームにネジで仮固定した状態で、調整用孔部を利用して磁気ヘッド支持部の回転位置を容易に調整することができる。
【0055】
(4)
(2)又は(3)に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記磁気ヘッド支持部は、前記ネジが挿通されるネジ孔部(ネジ孔部52b、52c)を備え、
前記ネジ孔部は、前記厚さ方向から見て円形に構成されている、
磁気情報記録媒体処理装置。
【0056】
(4)によれば、調整用孔部を利用して磁気ヘッド支持部の回転位置を調整した状態を保持したまま、磁気ヘッド支持部を第1フレームにネジによって固定できる。
【0057】
(5)
(1)から(4)のいずれかに記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記厚さ方向の他方側である第2方向(Z2方向)側から前記媒体搬送路に臨み且つ前記磁気ヘッドと対向するように配置されるローラ(パッドローラ61)及び前記ローラを支持するローラ支持部(ローラ支持部61S)を含むローラモジュール(パッドローラモジュール60)と、
前記媒体搬送路の前記第2方向側の搬送面(搬送面17a)が形成される第2フレーム(下フレーム17)と、を備え、
前記ローラ支持部は、前記第2フレームにネジ(ネジ64、65)のみによって固定されている、
磁気情報記録媒体処理装置。
【0058】
(5)によれば、磁気ヘッドモジュールと、これに対向するローラモジュールとを取り外して、別のモジュールに交換することで、他の規格の磁気情報記録媒体に対応する装置への転用が可能となる。または、別のモジュールを、磁気ヘッドモジュール及びローラモジュールに交換することで、所定の規格に準拠した磁気情報記録媒体に対応する装置から、この規格と異なる規格に準拠した磁気情報記録媒体に対応する装置への転用が可能となる。
【0059】
(6)
(5)に記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記ローラ支持部は、前記媒体搬送路で搬送される前記磁気情報記録媒体の搬送方向を回動の軸方向とする前記ローラの回動が可能となるように、かつ、前記厚さ方向へ前記ローラが移動可能となるように前記ローラを支持する、
磁気情報記録媒体処理装置。
【0060】
(6)によれば、磁気情報記録媒体の動きに追従してローラが動くため、磁気ヘッドによる磁気情報の読取り精度を高めることができる。
【0061】
(7)
(1)から(6)のいずれかに記載の磁気情報記録媒体処理装置であって、
前記磁気情報記録媒体は、JIS-IIの規格に準拠するものである、
磁気情報記録媒体処理装置。
【0062】
(7)によれば、JIS-IIの規格に準拠した磁気情報記録媒体に対応する装置と、例えばJIS-Iの規格に準拠した磁気情報記録媒体に対応する装置とで部品及び設計の共通部分を多くでき、製造コストを削減できる。
【符号の説明】
【0063】
1 カードリーダ
2 カード
4 カード搬送路
17 下フレーム
17a 搬送面
18 上フレーム
18a 搬送面
50 磁気ヘッドモジュール
51 磁気ヘッド
52 磁気ヘッド支持部
52a 調整用孔部
52b、52c ネジ孔部
53、54 ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12