(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184082
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】入出荷作業用表示器および収納システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091724
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】中村 辰巳
(72)【発明者】
【氏名】松本 敦
(72)【発明者】
【氏名】錦 朋範
(72)【発明者】
【氏名】武田 健
(72)【発明者】
【氏名】安川 謙一
(72)【発明者】
【氏名】田中 大樹
(72)【発明者】
【氏名】森本 裕介
(72)【発明者】
【氏名】豊田 輝
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB22
3F522CC05
3F522CC06
3F522GG03
3F522GG18
3F522GG44
3F522HH02
3F522HH04
3F522HH13
3F522KK02
3F522LL58
(57)【要約】
【課題】指定された収納領域の誤認を抑制するとともに、スイッチ部の誤操作を抑制する。
【解決手段】表示器1は、照明部14と、スイッチ部13とを備える。照明部14は、一の収納領域23に対応する対象物9が指定された際に、当該一の収納領域23の内部に照明光140を照射する。スイッチ部13は、少なくとも一部が当該一の収納領域23の内部に配置される操作部131を有する。スイッチ部13は、対象物9の入出荷作業時に操作部131が操作されることにより、照明部14を制御する。これにより、指定された収納領域23の誤認を抑制することができるとともに、スイッチ部13の誤操作を抑制することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の対象物が複数の収納領域にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚において各収納領域に対応して設けられ、前記複数の収納領域に対して対象物の出し入れを行う際に利用される入出荷作業用表示器であって、
一の収納領域に対応する対象物が指定された際に前記一の収納領域の内部に照明光を照射する照明部と、
少なくとも一部が前記一の収納領域の内部に配置される操作部を有し、前記対象物の入出荷作業時に前記操作部が操作されることにより前記照明部を制御するスイッチ部と、
を備えることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項2】
請求項1に記載の入出荷作業用表示器であって、
前記操作部の全体が前記一の収納領域の内部に配置されることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入出荷作業用表示器であって、
前記スイッチ部は押しボタン式のスイッチであることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項4】
複数種類の対象物が複数の収納領域にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚において各収納領域に対応して設けられ、前記複数の収納領域に対して対象物の出し入れを行う際に利用される入出荷作業用表示器であって、
一の収納領域に対応する対象物が指定された際に前記一の収納領域の内部に照明光を照射する照明部と、
前記一の収納領域の間口よりも手前側において前記間口近傍に配置される操作部を有し、前記対象物の入出荷作業時に前記操作部が操作されることにより前記照明部を制御する押しボタン式のスイッチ部と、
を備え、
前記スイッチ部の前記操作部の少なくとも一部が前記一の収納領域の前記間口と前後方向において直接的に対向することを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項5】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、
前記照明部による前記照明光の照射と並行して前記一の収納領域よりも手前側に表示光を照射するとともに、前記スイッチ部の操作により前記照明部の制御と並行して制御される表示灯をさらに備えることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項6】
請求項5に記載の入出荷作業用表示器であって、
前記表示灯の光源は、前記照明部の光源と同一であることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項7】
請求項5に記載の入出荷作業用表示器であって、
前記表示灯の光源は、前記照明部の光源と異なることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、
前記一の収納領域に対して出し入れされる前記対象物の個数を示すカウンタをさらに備えることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、
前記照明部および前記スイッチ部を保持する1つの筐体である表示器本体をさらに備えることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項10】
請求項9に記載の入出荷作業用表示器であって、
前記スイッチ部は、前記表示器本体から前記一の収納領域に向かって突出することを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、
前記照明部の光源は、前記スイッチ部の前記操作部の内部に配置されることを特徴とする入出荷作業用表示器。
【請求項12】
収納システムであって、
複数種類の対象物が複数の収納領域にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚と、
前記複数の収納領域にそれぞれ対応して設けられる複数の請求項1ないし11のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器と、
を備えることを特徴とする収納システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の収納領域に対して対象物の出し入れを行う際に利用される入出荷作業用表示器、および、当該入出荷作業用表示器を備える収納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の組立工場等において、複数種類の部品が仕分けされて収納されている収納棚から、リスト等により指定された順に部品を取り出すピッキング作業が行われている。当該収納棚には、例えば、特許文献1に示されるようなピッキング表示器が、各部品の収納領域に対応して収納棚の前面等に取り付けられる。当該ピッキング表示器では、押しボタンLEDが点灯または点滅することにより、取り出すべき部品の収納領域が作業者に指示される。これにより、作業者が収納領域を誤認して部品の種類を間違えて取り出すこと等が抑制される。
【0003】
収納領域から部品を取り出した作業者が、押しボタンLEDを押して消灯すると、次に取り出すべき部品の収納領域に対応するピッキング表示器が点灯または点滅する。特許文献1のピッキング表示器では、押しボタンLEDに加えてスポットライトLEDが設けられており、押しボタンLEDの点灯または点滅に同期して、取り出すべき部品に光を照射する。これにより、作業者による部品の取り間違い等がさらに抑制される。特許文献2のピッキング表示装置においても、略同様の機能が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-338866号公報
【特許文献2】特開2006-347670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のピッキング表示器の場合、作業者は、ピッキング表示器が指示する収納領域に手を差し入れて部品を把持して取り出す動作と、当該取り出し動作の完了後にピッキング表示器の押しボタンLEDを押す動作と、を行う必要がある。このため、ピッキング作業の効率向上に限界がある。また、当該ピッキング表示器では、収納棚の前面に取り付けられた表示器本体の前面に押しボタンLEDが設けられているため、作業者が移動する際等に意図せず押しボタンLEDに接触し、押しボタンLEDが誤って押されるおそれがある。特許文献2のピッキング表示装置においても同様に、取り出し完了時に押される完了ボタンが、意図しない接触等により誤操作されるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、指定された収納領域の誤認を抑制するとともに、スイッチ部の誤操作を抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数種類の対象物が複数の収納領域にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚において各収納領域に対応して設けられ、前記複数の収納領域に対して対象物の出し入れを行う際に利用される入出荷作業用表示器であって、一の収納領域に対応する対象物が指定された際に前記一の収納領域の内部に照明光を照射する照明部と、少なくとも一部が前記一の収納領域の内部に配置される操作部を有し、前記対象物の入出荷作業時に前記操作部が操作されることにより前記照明部を制御するスイッチ部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の入出荷作業用表示器であって、前記操作部の全体が前記一の収納領域の内部に配置される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の入出荷作業用表示器であって、前記スイッチ部は押しボタン式のスイッチである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、複数種類の対象物が複数の収納領域にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚において各収納領域に対応して設けられ、前記複数の収納領域に対して対象物の出し入れを行う際に利用される入出荷作業用表示器であって、一の収納領域に対応する対象物が指定された際に前記一の収納領域の内部に照明光を照射する照明部と、前記一の収納領域の間口よりも手前側において前記間口近傍に配置される操作部を有し、前記対象物の入出荷作業時に前記操作部が操作されることにより前記照明部を制御する押しボタン式のスイッチ部とを備え、前記スイッチ部の前記操作部の少なくとも一部が前記一の収納領域の前記間口と前後方向において直接的に対向する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、前記照明部による前記照明光の照射と並行して前記一の収納領域よりも手前側に表示光を照射するとともに、前記スイッチ部の操作により前記照明部の制御と並行して制御される表示灯をさらに備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の入出荷作業用表示器であって、前記表示灯の光源は、前記照明部の光源と同一である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の入出荷作業用表示器であって、前記表示灯の光源は、前記照明部の光源と異なる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、前記一の収納領域に対して出し入れされる前記対象物の個数を示すカウンタをさらに備える。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、前記照明部および前記スイッチ部を保持する1つの筐体である表示器本体をさらに備える。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の入出荷作業用表示器であって、前記スイッチ部は、前記表示器本体から前記一の収納領域に向かって突出する。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器であって、前記照明部の光源は、前記スイッチ部の前記操作部の内部に配置される。
【0018】
請求項12に記載の発明は、収納システムであって、複数種類の対象物が複数の収納領域にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚と、前記複数の収納領域にそれぞれ対応して設けられる複数の請求項1ないし11のいずれか1つに記載の入出荷作業用表示器とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、指定された収納領域の誤認を抑制することができるとともに、スイッチ部の誤操作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施の形態に係る表示器を示す正面図である。
【
図7】第2の実施の形態に係る表示器を示す正面図である。
【
図9】第3の実施の形態に係る表示器を示す正面図である。
【
図11】第4の実施の形態に係る表示器を示す側面図である。
【
図12】第5の実施の形態に係る表示器を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入出荷作業用表示器1を示す正面図である。入出荷作業用表示器1(以下、単に「表示器1」とも呼ぶ。)は、例えば、製品の組立工場等において部品等の対象物が収納される収納棚2に設けられ、当該収納棚2に対する対象物の出し入れを行う際に利用される。以下の説明では、表示器1は、リスト等により指定された部品を収納棚から取り出すピッキング作業の際に、取り出すべき部品を作業者に指示するピッキング表示器であるものとして説明する。
【0022】
図2は、表示器1を用いた収納システム10の一部を示す正面図である。収納システム10は、収納棚2と、複数の表示器1とを備える。収納棚2は、例えば、上下方向に並ぶ複数段の棚板21と、
図2中の上下方向および左右方向に延びるフレーム22とを備える。複数の棚板21は、フレーム22により支持される。収納棚2の収納空間は、複数の棚板21およびフレーム22により、マトリクス状に配置された複数の収納領域23に区画されている。収納棚2では、複数種類の対象物(例えば、製品の部品等)が複数の収納領域23にそれぞれ仕分けされて収納される。
【0023】
複数の表示器1は、収納棚2の複数の収納領域23にそれぞれ対応して設けられる。
図2に示す例では、各表示器1は、対応する収納領域23の手前側において、当該収納領域23の上端にてフレーム22に取り付けられる。具体的には、表示器1は、収納領域23の正面視における中央部の鉛直上方において、フレーム22の前面(すなわち、収納棚2に正対する作業者から見て手前側の面)に取り付けられる。
【0024】
複数の表示器1は、有線または無線にて、収納システム10の外部のシステム制御部3に接続される。システム制御部3は、複数の表示器1を制御する。なお、システム制御部3は、収納システム10に含まれてもよい。
【0025】
図3は、システム制御部3の構成を示す図である。システム制御部3、プロセッサ31と、メモリ32と、入出力部33と、バス34とを備える通常のコンピュータである。バス34は、プロセッサ31、メモリ32および入出力部33を接続する信号回路である。メモリ32は、各種情報を記憶する。メモリ32は、例えば、記憶媒体30に予め記憶されている入出荷作業用のプログラム39を読み出して記憶する。プロセッサ31は、メモリ32に記憶される上記プログラム39等に従って、メモリ32等を利用しつつ様々な処理(例えば、演算処理)を実行する。入出力部33は、操作者からの入力を受け付けるキーボード35およびマウス36、プロセッサ31からの出力等を表示するディスプレイ37、並びに、プロセッサ31からの出力等を送信する送信部38を備える。
【0026】
システム制御部3は、例えば、収納棚2から取り出される予定の対象物9の種類および個数を取り出し順に並べたリストを予め記憶している。システム制御部3は、当該リストに基づいて、作業者が取り出すべき対象物9が収納されている収納領域23を、当該収納領域23に対応する表示器1を制御することにより作業者に指示する。作業者は、当該収納領域23からの対象物9の取り出しを完了すると、当該表示器1を操作して、取り出し作業の完了を示す信号(以下、「完了信号」とも呼ぶ。)をシステム制御部3に送信する。システム制御部3は、完了信号を受け付けると、上記リストに基づいて、作業者が次に取り出すべき対象物9が収納されている収納領域23を、当該収納領域23に対応する表示器1を制御することにより作業者に指示する。
【0027】
なお、表示器1は、収納領域23から対象物9を取り出す際ではなく、収納領域23に対象物9を収納する際に用いられてもよい。また、表示器1は、収納領域23から対象物9を取り出す際、および、対象物9を収納する際の双方において用いられてもよい。換言すれば、表示器1は、複数の収納領域23に対して、指定された対象物9の出し入れを行う際に利用可能である。
【0028】
図4は、表示器1を示す側面図である。
図4では、表示器1が取り付けられている収納棚2の一部を断面にて併せて示す。また、
図4では、当該表示器1の下方に位置する他の表示器1の一部も併せて示す。
【0029】
図1および
図4に示すように、表示器1は、表示器本体11と、表示灯12と、スイッチ部13と、照明部14と、カウンタ15とを備える。表示器本体11は、表示灯12、スイッチ部13、照明部14およびカウンタ15を保持する1つの筐体である。表示器本体11の内部には、例えば、表示灯12、スイッチ部13、照明部14およびカウンタ15に電力を供給する電池等の電源等(図示省略)が設けられる。あるいは、表示器本体11の内部には、表示灯12、スイッチ部13、照明部14およびカウンタ15と、表示器1の外部の電源とを接続する端子等が設けられてもよい。
【0030】
表示器本体11は、
図1中の上下方向および左右方向に広がる略平板状の第1部位111と、
図1中の左右方向および前後方向(すなわち、紙面に垂直な方向)に広がる略平板状の第2部位112と、を備える。第2部位112は、第1部位111の下端部から、
図1中の前後方向の奥側(すなわち、
図4中の右側)に延びる。換言すれば、
図1および
図4に例示する表示器本体11は、側面視において略L字型である。なお、表示器本体11の形状は、後述するように、他の形状であってもよい。
【0031】
以下の説明では、
図1中の上下方向、左右方向および前後方向を、単に「上下方向」、「左右方向」および「前後方向」とも呼ぶ。また、前後方向において、収納棚2に正対する作業者から遠い側を「奥側」と呼び、近い側を「手前側」と呼ぶ。なお、
図1中の上下方向および左右方向は、表示器1を収納棚2に取り付ける向きによって、実際の上下方向および左右方向と一致する場合もあり、一致しない場合もある。
【0032】
図4に示す例では、表示器本体11は、収納領域23の上端部にて左右方向に延びるフレーム22に取り付けられる。表示器本体11の第1部位111は、収納棚2の手前側の面である前面25よりも手前側に位置し、当該前面25と前後方向に対向する。表示器本体11の第2部位112は、収納棚2の前面25よりも奥側に位置し、フレーム22の下方においてフレーム22と上下方向に対向する。すなわち、表示器本体11の第1部位111は、収納棚2の収納領域23の間口24(すなわち、作業者が収納領域23に対して手を挿脱する開口)よりも手前側に位置し、第2部位112は、当該間口24から奥側(すなわち、収納領域23の内部へと向かう方向)へと延びる。
【0033】
収納領域23の間口24とは、収納棚2の前面25における収納領域23の開口である。
図4では、収納領域23の間口24を二点鎖線にて示す。
図4に示す例では、間口24は、収納棚2の手前側の部位において収納領域23を区画する上側のフレーム22の前面25と下側のフレーム22の前面25との間の領域である。間口24は、前後方向に略垂直に広がる略矩形面状の領域である。なお、
図5に例示するように、収納領域23の上側のフレーム22の前面25と、下側のフレーム22の前面25とが、前後方向にずれている場合、間口24は、上側および下側のフレーム22の前面25のうち奥側に位置する前面25から、前後方向に略垂直に広がる領域である。
【0034】
表示灯12は、表示器本体11の第1部位111の前面に設けられる。表示灯12は、内部に図示省略の光源(以下、「表示用光源」とも呼ぶ。)を有する表示部である。
図4に示す例では、表示灯12は、表示器本体11の第1部位111の前面から手前側に突出する略平板状の部位である。表示灯12の正面視における形状は、例えば略長円形または略矩形である。表示灯12の形状は、様々に変更されてよい。また、表示灯12は、必ずしも、表示器本体11の第1部位111の前面から手前側に突出する必要はなく、表示灯12の前面は、例えば、第1部位111の前面と略同じ位置に位置してもよい。
【0035】
システム制御部3(
図2参照)により、一の収納領域23内の対象物9が取り出し対象として指定されると、当該収納領域23に対応する表示器1において表示灯12の表示用光源が点灯され、当該収納領域23よりも手前側の空間に対して(すなわち、収納棚2に正対する作業者に対して)、表示灯12から表示光120が照射される。これにより、作業者は、当該収納領域23内の対象物9の取り出しが指示されていることを、視覚により確認することができる。
図4では、表示灯12から照射される表示光120の外縁を破線にて示す。表示灯12の表示用光源は、例えば、複数色の光を選択的に照射可能なマルチカラー光源であり、システム制御部3の制御により、各色の光を点灯(すなわち、連続的な点灯)、点滅および消灯可能である。当該表示用光源としては、色が異なる複数のLEDが利用可能である。
【0036】
カウンタ15は、表示器本体11の第1部位111の前面に設けられる。
図1に示す例では、カウンタ15は、表示灯12の上側に配置される。カウンタ15は、数字等の情報を表示するディスプレイである。カウンタ15は、システム制御部3により制御され、収納領域23から取り出される予定の対象物9の個数を表示する。カウンタ15は、当該対象物9の個数以外の情報も表示してもよい。
【0037】
カウンタ15は、例えば液晶ディスプレイである。表示器1では、収納棚2に取り付けられる表示器1の向きを検出するセンサが設けられ、カウンタ15に表示される情報の向きが、表示器1の向きに合わせて変更されてもよい。これにより、表示器1の向きに関わらず、作業者がカウンタ15に表示される情報を読み取りやすくなる。
【0038】
カウンタ15に表示される情報が数字のみで構成される場合、カウンタ15は、例えば7セグメントディスプレイ等であってもよい。カウンタ15の種類は、様々に変更されてよい。なお、表示器本体11の前面における表示灯12およびカウンタ15の配置は様々に変更されてよい。例えば、カウンタ15は、表示灯12の下側または側方に配置されてもよい。
【0039】
照明部14は、表示器本体11の第2部位112の下面に設けられる。照明部14は、透光性を有する照明カバー141の内部に光源142(以下、「照明用光源142」とも呼ぶ。)が設けられた照明灯である。
図4に示す例では、照明部14の照明カバー141は、その全体が収納領域23の内部(すなわち、間口24よりも前後方向の奥側)に配置される。照明カバー141は、表示器本体11の第2部位112の下面から下方に突出する薄型の略直方体状の部位である。照明部14を下方から見た場合の形状は、例えば、略長円形または略矩形である。照明部14の形状(すなわち、照明カバー141の形状)は、様々に変更されてよい。
【0040】
システム制御部3により、一の収納領域23内の対象物9が取り出し対象として指定されると、当該収納領域23に対応する表示器1において照明部14の照明用光源142が点灯され、当該収納領域23の内部に照明光140が照射される。これにより、作業者は、当該収納領域23内の対象物9の取り出しが指示されていることを、視覚により確認することができる。
図4では、照明部14から照射される照明光140の外縁を破線にて示す。好ましくは、照明部14からの照明光140は、収納領域23の内部に収納されている対象物9に対して照射される。これにより、作業者は、取り出しが指示されている対象物9自体を、視覚により容易に確認することができる。照明部14の照明用光源142は、表示灯12の表示用光源とは異なる光源である。照明用光源142は、例えば、単色の光を照射可能な光源であり、システム制御部3の制御により点灯、点滅および消灯可能である。照明用光源142としては、例えばLEDが利用可能である。
【0041】
表示器1では、システム制御部3により表示灯12および照明部14が並行して制御され、照明部14による収納領域23の内部への照明光140の照射と並行して(すなわち、同期して)、表示灯12による表示光120の照射が行われる。これにより、作業者は、取り出しが指示された対象物9が収納されている収納領域23を、複数の収納領域23の中から間違えることなく容易かつ迅速に見つけ出すことができる。
【0042】
スイッチ部13は、作業者が操作することにより表示灯12および照明部14を並行して制御する。
図4に示す例では、照明部14の一部がスイッチ部13と兼用される。具体的には、スイッチ部13は押しボタン式のスイッチであり、照明部14の照明カバー141が、当該押しボタン式のスイッチの操作部131である押しボタンとなっている。
【0043】
表示器1では、スイッチ部13の操作部131が上方に向けて(すなわち、表示器本体11に向けて)押し込まれることにより、表示灯12および照明部14が同期して制御される。操作部131の当該押し込み操作は、例えば、作業者が収納領域23から対象物9を取り出す際に、対象物9を掴んで収納領域23内から外部に移動する途上の手の甲等を用いて行われる。これにより、表示灯12および照明部14が、例えば消灯される。また、操作部131が操作されると、スイッチ部13からシステム制御部3へと上述の完了信号が送られ、システム制御部3の制御により、作業者が次に取り出すべき対象物9が収納されている収納領域23に対応する表示器1において、表示灯12および照明部14が点灯される。
【0044】
なお、操作部131の上記押し込み操作による表示灯12および照明部14の制御では、必ずしも表示灯12および照明部14が消灯される必要はなく、表示灯12および照明部14の状態が変更されればよい。例えば、操作部131が操作されることにより、表示灯12から照射される表示光120の色が変更されてもよい。あるいは、表示灯12および/または照明部14が一定時間点滅した後、消灯されてもよい。
【0045】
図4に示す例では、照明部14の照明カバー141と兼用されるスイッチ部13の操作部131は、上述のように、その全体が収納領域23の内部に配置される。換言すれば、操作部131の全体が、収納領域23の間口24よりも前後方向の奥側に位置している。これにより、作業者が移動する際等に意図せず操作部131に接触してスイッチ部13が誤って操作されることを抑制することができる。
【0046】
図4に示す例では、操作部131は、上述のように、表示器本体11の第2部位112の下面から下方に(すなわち、収納領域23に向かって)突出する薄型の略直方体状の部位である。具体的には、操作部131は、正面視において、表示器本体11の第2部位112から収納領域23の中央部に向かって突出する。操作部131の上下方向の厚さ(すなわち、表示器本体11の下面からの突出量)は、例えば、5mm~10mmである。操作部131を下方から見た場合の形状は、例えば、略長円形または略矩形である。操作部131の形状は、様々に変更されてよい。
【0047】
表示器1は、上述のように、必ずしも、指定された対象物9を収納棚2から取り出す出荷作業の際に利用される必要はなく、例えば、対象物9を収納棚2の指定された収納領域23に収容する入荷作業の際に利用されてもよい。換言すれば、表示器1は、複数の収納領域23に対して対象物9の出し入れを行う際に利用される。当該表示器1では、上述のカウンタ15は、収納領域23に対して出し入れされる対象物9の個数を示す。また、対象物9の入出荷作業時にスイッチ部13の操作部131が操作されることにより、表示灯12および照明部14が制御される。表示灯12および照明部14の当該制御では、点灯している表示灯12および照明部14の消灯や色の変更のみならず、消灯している表示灯12の点灯や点滅等が行われてもよい。
【0048】
表示器1では、必ずしも、スイッチ部13の操作部131の全体が収納領域23の内部に配置される必要はなく、操作部131の少なくとも一部が収納領域23の内部に配置されていればよい。例えば、
図6に示す表示器1aでは、スイッチ部13aの操作部131aのうち、前後方向の奥側の一部のみが収納領域23の内部(すなわち、間口24よりも奥側)に配置され、他の部分は収納領域23の外部に位置する。この場合も、意図しない操作部131aへの接触によるスイッチ部13aの誤操作を抑制することができる。
【0049】
上述の
図6は、表示器1aを示す側面図である。表示器1aは、表示器本体11aの形状が異なる点、および、照明部14aと兼用されるスイッチ部13aの配置が異なる点を除き、
図1および
図4に示す表示器1と略同様の構造を有する。
図6に示す例では、表示器本体11aは、上下方向および左右方向に広がる略平板状の部材である。換言すれば、表示器本体11aは、
図1および
図4に示す表示器本体11の第1部位111におよそ相当する。
【0050】
表示器本体11aは、収納領域23の上端部にて左右方向に延びるフレーム22に取り付けられる。表示器本体11aは、収納棚2の前面25よりも手前側に位置し、当該前面25と前後方向に対向する。すなわち、表示器本体11aの全体が、収納棚2の収納領域23の間口24よりも手前側に位置する。表示器本体11aの下端部は、上記フレーム22の下端から下方に突出しており、収納領域23と前後方向に対向する。表示器本体11aの下端部には、表示器本体11aの下端面から奥側に向かって斜め上方に延びる傾斜面113aが設けられる。傾斜面113aは、収納領域23と前後方向に対向する。当該傾斜面113aの法線は、傾斜面113aから下方に離れるに従って
図6中の右側(すなわち、収納領域23の内部)に向かう。
【0051】
スイッチ部13aは、上述の表示器1と同様に、押しボタン式のスイッチである。スイッチ部13aの操作部131aは、傾斜面113aから
図6中の右斜め下方(すなわち、奥側かつ下方)に突出するように設けられる。すなわち、スイッチ部13aは、表示器本体11aから収納領域23に向かって突出する。具体的には、スイッチ部13aは、正面視において収納領域23の中央部に向かって突出する。スイッチ部13aは、操作部131aが傾斜面113aに向かって押し込まれることにより操作される。
【0052】
表示器1aでは、照明部14aの照明用光源142aは、上述の表示器1と同様に、スイッチ部13aの操作部131aの内部に配置される。照明部14aの照明用光源142aは、カウンタ15aの下側に位置する表示部12aの表示用光源とは異なる光源である。照明部14aからの照明光140aは、収納領域23の内部に照射される。好ましくは、照明部14aからの照明光140aは、収納領域23の内部の対象物9に照射される。
【0053】
以上に説明したように、表示器1,1aは、複数種類の対象物9が複数の収納領域23にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚2において、各収納領域23に対応して設けられ、当該複数の収納領域23に対して対象物9の出し入れを行う際に利用される入出荷作業用表示器である。表示器1は、照明部14と、スイッチ部13とを備える。照明部14は、一の収納領域23に対応する対象物9が指定された際に、当該一の収納領域23の内部に照明光140を照射する。スイッチ部13は、少なくとも一部が当該一の収納領域23の内部に配置される操作部131を有する。スイッチ部13は、対象物9の入出荷作業時に操作部131が操作されることにより、照明部14を制御する。これにより、上述のように、指定された収納領域23の誤認を抑制することができるとともに、スイッチ部13の誤操作を抑制することができる。また、作業者が、対象物9の出し入れを行うために収納領域23に挿入した手によってスイッチ部13を操作することができるため、スイッチ部13の押し間違え等の誤操作を防止しつつ、対象物9の出し入れに係る動作を少なくして作業効率を向上することもできる。表示器1aにおいても同様である。
【0054】
表示器1では、上述のように、操作部131の全体が上記一の収納領域23の内部に配置されることが好ましい。これにより、意図しない操作部131への接触によるスイッチ部13の誤操作を、さらに抑制することができる。
【0055】
上述のように、スイッチ部13は押しボタン式のスイッチであることが好ましい。これにより、レバースイッチ等に比べて表示器本体11からのスイッチ部13の突出量を小さくすることができるため、表示器1を小型化することができる。表示器1aにおいても同様である。
【0056】
上述のように、表示器1は、表示灯12をさらに備えることが好ましい。表示灯12は、照明部14による照明光140の照射と並行して上記一の収納領域23よりも手前側に表示光120を照射するとともに、スイッチ部13の操作により照明部14の制御と並行して制御される。これにより、収納棚2の手前側に位置する作業者が、指定された収納領域23をさらに容易に認識することができるため、指定された収納領域23の誤認をさらに抑制することができる。表示器1aにおいても同様である。
【0057】
上述のように、表示灯12の光源は、照明部14の光源(すなわち、照明用光源142)と異なることが好ましい。これにより、表示灯12および照明部14の配置の自由度を向上することができる。また、表示光120および照明光140の色や点灯状態(例えば、点滅と点灯)とを容易に異ならせることができる。表示器1aにおいても同様である。
【0058】
上述のように、表示器1は、上記一の収納領域23に対して出し入れされる対象物9の個数を示すカウンタ15をさらに備えることが好ましい。これにより、収納領域23に対して出し入れされる対象物9の個数を作業者が容易に認識することができるため、個数の誤認を抑制することができる。表示器1aにおいても同様である。
【0059】
上述のように、表示器1は、照明部14およびスイッチ部13を保持する1つの筐体である表示器本体11をさらに備えることが好ましい。このように、照明部14およびスイッチ部13を一繋がりの部材とすることにより、収納棚2等に対する表示器1の設置を容易とすることができる。また、照明部14とスイッチ部13とが別体として配置される場合に比べて、作業者がスイッチ部13の位置を容易に把握することができる。表示器1aにおいても同様である。
【0060】
上述のように、スイッチ部13は、表示器本体11から上記一の収納領域23に向かって突出することが好ましい。例えば、
図6で示すようにスイッチ部13が収納領域23に向かって突出することにより、スイッチ部13は作業者によって収納領域23側から操作されることとなる。これにより、作業者は、対象物9の出し入れのために収納領域23へ手を挿入する際に誤ってスイッチ部13を操作するおそれを低減でき、収納領域23から手を出す際にスイッチ部13を操作しやすいことから、対象物9の出し入れに係る作業の効率をさらに向上することができる。表示器1aにおいても同様である。
【0061】
上述のように、照明部14の光源(すなわち、照明用光源142)は、スイッチ部13の操作部131の内部に配置されることが好ましい。これにより、表示器1を小型化することができる。また、スイッチ部13において操作部131が発光することにより、作業者が操作部131の位置を容易に認識することができる。その結果、対象物9の出し入れに係る作業の効率をさらに向上することができる。表示器1aにおいても同様である。
【0062】
上述の収納システム10は、複数種類の対象物9が複数の収納領域23にそれぞれ仕分けされて収納される収納棚2と、当該複数の収納領域23にそれぞれ対応して設けられる複数の上記表示器1と、を備える。これにより、収納領域23の誤認およびスイッチ部13の誤操作を抑制可能な収納システム10を実現することができる。収納システム10が複数の表示器1に代えて、複数の表示器1aを備える場合についても同様である。
【0063】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る表示器1bについて説明する。
図7は、表示器1bを示す正面図である。
図8は、表示器1bを示す側面図である。表示器1bは、上述の表示灯12とは異なる表示灯12bが設けられる点を除き、
図1および
図4に示す表示器1と略同様の構造を有する。
【0064】
表示器1bでは、スイッチ部13bの操作部131bの手前側の面が、表示灯12bとして利用される。表示灯12bの光源は、照明部14bの光源である照明用光源142bと同一である。換言すれば、照明用光源142bは、照明部14bおよび表示灯12bにおいて光源として共用される。具体的には、照明用光源142bから出射された光の一部は、照明光140bとして収納領域23の内部(すなわち、間口24よりも奥側の空間)に位置する対象物9に照射される。また、照明用光源142bから出射された光の他の一部は、ミラー等により前後方向の手前側へと導かれ、表示光120bとして収納領域23よりも手前側の空間に対して照射される。この場合、操作部131bの手前側の面は、操作部131bの他の部位に比べて透光性を低下させることが好ましい。これにより、収納領域23および対象物9を明るく照明しつつ、表示部12bを見る作業者がまぶしいと感じることを防止することができる。
【0065】
表示器1bでは、表示灯12bの光源が照明部14bの光源と同一とされることにより、表示器1bの構造を簡素化することができる。また、スイッチ部13bの操作部131bを、照明部14bおよび表示灯12bとして利用することにより、表示器1bを小型化することができる。
【0066】
なお、
図1および
図4に示す表示器1においても、表示灯12の光源が照明部14の光源(すなわち、照明用光源142)と同一とされてもよい。この場合、表示器本体11の下面に配置されている照明用光源142からの光の一部が、光ファイバやミラー等により、表示器本体11の前面に配置される表示灯12へと導かれる。この場合であっても、光源の数を減らすことができるため、表示器1の構造を簡素化することができる。
【0067】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る表示器1cについて説明する。
図9は、表示器1cを示す正面図である。
図10は、表示器1cを示す側面図である。表示器1cは、上述の表示器本体11とは異なる表示器本体11cが設けられる点を除き、
図1および
図4に示す表示器1と略同様の構造を有する。
【0068】
表示器1cでは、表示器本体11cは、上下方向および左右方向に広がる略平板状の部材である。換言すれば、表示器本体11cは、
図1および
図4に示す表示器本体11の第1部位111におよそ相当する。
【0069】
表示器本体11cは、収納領域23の上端部にて左右方向に延びるフレーム22に取り付けられる。表示器本体11cは、収納棚2の前面25よりも手前側に位置し、当該前面25と前後方向に対向する。すなわち、表示器本体11cの全体が、収納棚2の収納領域23の間口24よりも手前側に位置する。表示器本体11cの下端部は、上記フレーム22の下端から下方に突出しており、収納領域23と前後方向に対向する。
【0070】
スイッチ部13cは、上述の表示器1と同様に、押しボタン式のスイッチである。スイッチ部13cの操作部131cは、表示器本体11cの下端面から略鉛直下方に突出するように設けられる。すなわち、スイッチ部13cは、正面視において、表示器本体11cから収納領域23に向かって突出する。具体的には、スイッチ部13cは、正面視において収納領域23の中央部に向かって突出する。操作部131cは、収納領域23の間口24よりも手前側において、間口24近傍に配置される。
図10に示す例では、操作部131cは間口24に隣接しており、操作部131cの奥側の端部は、間口24に実質的に接触している。
【0071】
スイッチ部13cでは、操作部131cの全体が、収納領域23の間口24と前後方向において直接的に(すなわち、間に他の構造を挟まず)対向する。なお、スイッチ部13cでは、必ずしも操作部131cの全体が間口24と対向する必要はなく、操作部131cの少なくとも一部が収納領域23の間口24と直接的に対向していればよい。スイッチ部13cは、操作部131cが表示器本体11cの下端面に向かって押し込まれることにより操作される。
【0072】
表示器1cでは、照明部14cの照明用光源142cは、上述の表示器1と同様に、スイッチ部13cの操作部131cの内部に配置される。照明部14cからの照明光140cは、収納領域23の内部に照射される。好ましくは、照明部14cからの照明光140cは、収納領域23の内部の対象物9に照射される。照明部14cは、対象物9の入出荷作業時にスイッチ部13cの操作部131cが操作されることにより、上述の照明部14と略同様に制御される。
【0073】
以上に説明したように、表示器1cは、照明部14cと、押しボタン式のスイッチ部13cとを備える。照明部14cは、一の収納領域23に対応する対象物9が指定された際に、当該一の収納領域23の内部に照明光140cを照射する。スイッチ部13cは、当該一の収納領域23の間口24よりも手前側において、間口24近傍に配置される操作部131cを有する。スイッチ部13cは、対象物9の入出荷作業時に操作部131cが操作されることにより照明部14を制御する。スイッチ部13cの操作部131cの少なくとも一部は、上記一の収納領域23の間口24と前後方向において直接的に対向する。これにより、表示器1と同様に、指定された収納領域23の誤認を抑制することができる。また、操作部131cが、間口24近傍において間口24と前後方向に対向する位置に配置されることにより、スイッチ部13cの誤操作を抑制することができる。さらに、作業者が、対象物9の出し入れを行うために収納領域23に挿入した手によってスイッチ部13cを容易に操作することができるため、対象物9の出し入れに係る作業効率を向上することもできる。
【0074】
上述のように、表示器1cでは、操作部131cの全体が、収納領域23の間口24と前後方向において直接的に対向することが好ましい。これにより、作業者によるスイッチ部13cの操作を、さらに容易とすることができる。
【0075】
図9および
図10に示すように、表示器1cは、表示灯12cをさらに備えることが好ましい。表示灯12cは、表示灯12(
図1および
図4参照)と同様に、照明部14cによる照明光140cの照射と並行して上記一の収納領域23よりも手前側に表示光120cを照射するとともに、スイッチ部13cの操作により照明部14cの制御と並行して制御される。これにより、上記と同様に、指定された収納領域23の誤認をさらに抑制することができる。
【0076】
表示器1cでは、表示灯12cの光源は、照明部14cの光源(すなわち、照明用光源142c)と異なることが好ましい。これにより、表示灯12cおよび照明部14cの配置の自由度を向上することができる。また、表示光120cおよび照明光140cの色や点灯状態を容易に異ならせることができる。
【0077】
表示器1cは、上記一の収納領域23に対して出し入れされる対象物9の個数を示すカウンタ15cをさらに備えることが好ましい。これにより、収納領域23に対して出し入れされる対象物9の個数を作業者が容易に認識することができるため、個数の誤認を抑制することができる。
【0078】
表示器1cは、照明部14cおよびスイッチ部13cを保持する1つの筐体である表示器本体11cをさらに備えることが好ましい。これにより、収納棚2等に対する表示器1cの設置を容易とすることができる。また、照明部14cとスイッチ部13cとが別体として配置される場合に比べて、作業者がスイッチ部13cの位置を容易に把握することができる。
【0079】
表示器1cでは、スイッチ部13cは、表示器本体11cから上記一の収納領域23に向かって突出することが好ましい。これにより、作業者は、対象物9の出し入れのために収納領域23に挿入した手でスイッチ部13cをさらに操作しやすくなる。その結果、対象物9の出し入れに係る作業の効率をさらに向上することができる。
【0080】
表示器1cでは、照明部14cの光源(すなわち、照明用光源142c)は、スイッチ部13cの操作部131cの内部に配置されることが好ましい。これにより、表示器1cを小型化することができる。また、スイッチ部13cにおいて操作部131cが発光することにより、作業者が操作部131cの位置を容易に認識することができる。その結果、対象物9の出し入れに係る作業の効率をさらに向上することができる。
【0081】
上述の収納システム10(
図2参照)では、表示器1に代えて表示器1cが設けられる場合であっても、上記と同様に、収納領域23の誤認およびスイッチ部13cの誤操作を抑制可能な収納システム10を実現することができる。
【0082】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る表示器1dについて説明する。
図11は、表示器1dを示す側面図である。表示器1dは、上述の表示灯12cとは異なる表示灯12dが設けられる点を除き、
図9および
図10に示す表示器1cと略同様の構造を有する。
【0083】
表示器1dでは、スイッチ部13dの操作部131dの手前側の面が、表示灯12dとして利用される。表示灯12dの光源は、照明部14dの光源である照明用光源142dと同一である。換言すれば、照明用光源142dは、照明部14dおよび表示灯12dにおいて光源として共用される。具体的には、照明用光源142dから出射された光の一部は、照明光140dとして収納領域23の内部(すなわち、間口24よりも奥側の空間)に位置する対象物9に照射される。また、照明用光源142dから出射された光の他の一部は、ミラー等により前後方向の手前側へと導かれ、表示光120dとして収納領域23よりも手前側の空間に対して照射される。
【0084】
表示器1dでは、表示灯12dの光源が照明部14dの光源と同一とされることにより、表示器1dの構造を簡素化することができる。また、押しボタン式のスイッチ部13dの操作部131dを、照明部14dおよび表示灯12dとして利用することにより、表示器1dを小型化することができる。
【0085】
次に、本発明の第5の実施の形態に係る表示器1eについて説明する。
図12は、表示器1eを示す側面図である。表示器1eは、照明部14eとスイッチ部13eとが表示器本体11eの異なる位置に配置される点を除き、
図9および
図10に示す表示器1cと略同様の構造を有する。
【0086】
表示器1eでは、照明部14eは、上述の表示器1cと同様に、表示器本体11eの下端面に設けられる。照明部14eは、照明用光源142eと、照明用光源142eを下方から覆う照明カバー141eと、を備える。照明部14eは、収納領域23の内部の対象物9に照明光140eを照射する。
【0087】
表示器1eでは、スイッチ部13eは、表示器本体11eの下端部において、前後方向の奥側の面に設けられる。スイッチ部13eでは、操作部131eの全体が収納領域23の内部(すなわち、間口24よりも奥側)に位置する。これにより、スイッチ部13eの誤操作をさらに抑制することができる。スイッチ部13eは、操作部131eが表示器本体11eの奥側の面に向かって押し込まれることにより操作される。表示器1eでは、操作部131eの全体が表示器本体11eと前後方向に重なっており、正面視において操作部131eの全体が表示器本体11eにより隠されているため、スイッチ部13eの誤操作を、より一層抑制することができる。
【0088】
図12に例示する表示器1eでは、表示灯12eは、照明部14eとは別に表示器本体11eの手前側の面(すなわち、前面)に設けられるが、
図11に示す表示器1dと略同様に、照明部14eの手前側の面が表示灯12eとされてもよい。この場合、表示灯12eの光源は照明用光源142eと同一であることが好ましい。これにより、表示器1eの構造を簡素化することができるとともに、表示器1eを小型化することもできる。
【0089】
上述の表示器1,1a~1eおよび収納システム10では、様々な変更が可能である。
【0090】
例えば、表示器1では、スイッチ部13は、必ずしも押しボタン式のスイッチである必要はなく、他の種類のスイッチであってもよい。スイッチ部13は、例えば、表示器本体11の第2部位112から収納領域23に向かって下方に突出する棒状の操作部を備えるレバースイッチであってもよい。この場合、作業者が棒状の操作部を側方に押して傾けることにより、スイッチ部13の操作が行われる。表示器1aにおいても同様に、スイッチ部13aは、表示器本体11aの下端部の傾斜面113aから収納領域23に向かって斜め下方に突出する棒状の操作部を備えるレバースイッチであってもよい。表示器1b,1eにおいても同様である。
【0091】
表示器1eでは、必ずしもスイッチ部13eと照明部14eとが1つの表示器本体11eに設けられる必要はない。例えば、
図13に示すように、照明部14eは表示器本体11eの下端面に設けられ、スイッチ部13eは、表示器本体11eから離れた位置において収納棚2に(例えば、棚板21の底面に)取り付けられてもよい。あるいは、スイッチ部13eが表示器本体11eに設けられ、照明部14eが表示器本体11eから離れた位置にて収納棚2に取り付けられてもよい。
【0092】
表示器1bでは、照明部14bは、スイッチ部13bから独立してスイッチ部13bとは異なる位置に設けられてもよい。この場合、スイッチ部13bの操作部131b内部には、表示灯12bの光源が、照明部14の照明用光源142bとは別に設けられる。表示器1dにおいても同様である。
【0093】
表示器1では、表示灯12およびカウンタ15の一方または双方が省略されてもよい。表示器1a~1eにおいても同様である。
【0094】
表示器1,1a~1e、および、収納システム10は、製品の組立工場以外の様々な施設(例えば、流通センター等)において、様々な用途に利用されてよい。
【0095】
上述の表示器1,1a~1eおよびシステム制御部3では、システム制御部3の制御により光源の制御、すなわち光の点灯、点滅および消灯を制御していたが、作業者によるスイッチ部の操作やその操作方法によって表示器1,1a~1eの内部で光源の各種制御を行い、その制御結果をシステム制御部3へ送信してもよい。
【0096】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0097】
1,1a~1e 表示器
2 収納棚
9 対象物
10 収納システム
11,11a,11c,11e 表示器本体
12,12a~12e 表示灯
13,13a~13e スイッチ部
14,14a~14e 照明部
15,15a,15c カウンタ
23 収納領域
24 間口
120,120b,120c,120d 表示光
131,131a~131e 操作部
140,140a~140e 照明光
142,142a~142e 照明用光源