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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184091
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ディスポーザー
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20221206BHJP
   B02C 18/00 20060101ALI20221206BHJP
   E03C 1/266 20060101ALI20221206BHJP
   E03C 1/262 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B09B3/00 D
B02C18/00 103A
B02C18/00 105B
E03C1/266 Z
E03C1/262 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091733
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内川 篤
【テーマコード(参考)】
2D061
4D004
4D065
【Fターム(参考)】
2D061DA03
2D061DE03
2D061DE15
2D061DE23
4D004AA03
4D004AB01
4D004CA04
4D004CB13
4D065CA16
4D065CC03
4D065DD04
4D065DD18
4D065DD24
4D065DD30
4D065EB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ディスポーザーの使用に際して、粉砕室内での攪拌によって、塵芥や生ごみ、汚水などが、粉砕室から投棄口側に跳ね上がる、又は逆流することがあっても、屋内側に侵入することを防止することができるディスポーザーを提供するものである。
【解決手段】ディスポーザーを、厨芥を投棄する投棄口1aと、投棄口の下方であって、投棄口から投棄された厨芥を収納し、撹拌しながら粉砕する粉砕室2と、投棄口から粉砕室に給水を行う給水機構と、から構成し、更に、投棄口から粉砕室までの間に、投棄口から粉砕室に向かう給水は通過させるが、投棄口から粉砕室に向かう逆流物を制限する逆流防止構造を備えて構成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厨芥を投棄する投棄口と、
投棄口の下方であって、投棄口から投棄された厨芥を収納し、撹拌しながら粉砕する粉砕室と、
投棄口から粉砕室に給水を行う給水機構と、
からなるディスポーザーであって、
投棄口から粉砕室までの間に、
投棄口から粉砕室に向かう給水は通過させるが、粉砕室から投棄口に向かう粉砕物の逆流を防止する逆流防止構造を備えたことを特徴とするディスポーザー。
【請求項2】
逆流防止構造を、
投棄口に配置される目皿部材に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のディスポーザー。
【請求項3】
逆流防止構造が、
目皿部材に複数備えた、粉砕室から投棄口に向かう方向に対し、角度を備えて設けた通水口からなることを特徴とする、請求項2に記載のディスポーザー。
【請求項4】
目皿部材は略水平面を備え、
逆流防止構造が、略水平面上に、粉砕室から投棄口に向かう方向に対し、角度を備えて設けた通水口を備えたことを特徴する請求項2又は請求項3に記載のディスポーザー。
【請求項5】
目皿部材の略水平面上に設けられた通水口が、使用者の不在となる方向に傾斜して設けたことを特徴とする、請求項4に記載のディスポーザー。
【請求項6】
粉砕室から投棄口に向かう方向が鉛直方向であって、平面視において、全ての通水口から粉砕室が目視できないことを特徴とする、請求項2乃至請求項5のいずれか一つに記載のディスポーザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の残渣、残飯などを粉砕処理して下水に排出するディスポーザーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、調理などで生じた厨芥や残飯などを細かく粉砕し、処理槽などを介して下水側に排出することで処理する機器としてディスポーザーが知られている。
ディスポーザーの構成を簡単に説明すると、流し台のシンクに厨芥を投棄する投棄口を備え、
この投棄口から投入された厨芥や残飯などがディスポーザー本体に投入されて粉砕処理され、排出口から処理槽などを介して下水側に排出される。
ディスポーザー本体は、投棄口の下方であって、投棄口から投棄された厨芥を収納して粉砕する粉砕室と、粉砕室にて粉砕した厨芥を下流側に排出する排出口と、を備えてなる。
また、粉砕室は、略円筒形状であって、その上端部分に投棄口からの厨芥を粉砕室に投入する投入口と、粉砕室の内側面に周縁に沿って固定された固定刃と、粉砕室の下方に備えられ、粉砕室内で粉砕室の中心軸を中心として回転する回転盤と、該回転盤上に備えられた、厨芥や生ごみを固定刃と挟むようにしてすりつぶすことで切断する回転刃と、から構成されてなり、粉砕された厨芥や生ごみは、固定刃と回転盤の隙間から下方に排出され、排出口から排出される。
固定刃は、金属素材からなるリング体であって、内側面に斜め下方に向かうスリットを備え、このスリット部分と回転刃の間に厨芥や生ごみなどが挟まることで、削り取られるようにして厨芥や生ごみなどが粉砕される。
粉砕を行う際には、投棄口から給水が行われる。具体的には、投棄口に小径の通水口を複数備えた目皿部材を投棄口にセットし、その上で投棄口に給水栓などから給水を行うことで、目皿部材の通水口、投棄口、投入口を介し、粉砕室内に給水を行うことができる、この給水によって、粉砕室内の粉砕された厨芥や生ごみなどが排出口に排出されるように作用する。
また、粉砕された厨芥や生ごみなどは、この固定刃のスリットなどを通して、固定刃や回転盤よりも下方に降下して排出口に向かって粉砕室から排出される。
【0003】
上記ディスポーザーにおいて、ディスポーザーの作動時に投棄口に目皿部材を配置するのは、投棄口からディスポーザーの粉砕室内に使用者などが手を差し込むなどすると危険であり、また粉砕室内から大きな塵芥や生ごみなど回転盤の回転による衝撃などで投棄口から逆流することを防止する必要があるためである。また、蓋体によって完全に投棄口を閉塞すると、投棄口を介して給水を行うことが不可能であるため、目皿部材によって、使用者の手などが粉砕室に達したり、塵芥などの投棄口側への逆流することを防ぎつつ、粉砕室内に給水を行うことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-296508号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1など従来のディスポーザーに使用される目皿部材の通水口は、通水口が設けられた面に対して単純に垂直に形成されている。このため、底面が水平方向に形成された目皿部材は、垂直方向に小径の通水口を複数形成して構成されてなる。
これに対し、ディスポーザーが作動する場合、粉砕室内はモーターによって回転盤が回転し、回転盤上の回転刃と粉砕室側面の固定刃とが塵芥や生ごみなどと激しく衝突することで、粉砕室内の粉砕物や給水が強い力で撹拌される状態となる。
このため、撹拌された粉砕室内の粉砕物や給水、特に給水が汚れて汚水となった水滴が撹拌によって粉砕室内から上方に跳ね飛ばされ、一部が目皿部材の通水口をそのまま上方に通過して、シンク内部等屋内側に逆流し、屋内側を汚してしまう場合があった。
投棄口を蓋体など、完全に閉塞する部材によって閉塞してしまえば、このような逆流を防止することができるが、このように完全に閉塞してしまうと、給水栓を利用して投棄口から粉砕室内に給水を行うことが不可能になる、といった問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、ディスポーザーの使用に際して、粉砕室内での攪拌によって、塵芥や生ごみ、汚水などが、粉砕室から投棄口側に跳ね上がる、又は逆流することがあっても、屋内側に侵入することを防止することができるディスポーザーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、厨芥を投棄する投棄口と、
投棄口の下方であって、投棄口から投棄された厨芥を収納し、撹拌しながら粉砕する粉砕室と、
投棄口から粉砕室に給水を行う給水機構と、
からなるディスポーザーであって、
投棄口から粉砕室までの間に、
投棄口から粉砕室に向かう給水は通過させるが、粉砕室から投棄口に向かう粉砕物の逆流を防止する逆流防止構造を備えたことを特徴とするディスポーザー
である。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、逆流防止構造を、
投棄口に配置される目皿部材に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のディスポーザーである。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、逆流防止構造が、目皿部材に複数備えた、粉砕室から投棄口に向かう方向に対し、角度を備えて設けた通水口からなることを特徴とする、請求項2に記載のディスポーザーである。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、目皿部材は略水平面を備え、
逆流防止構造が、略水平面上に、粉砕室から投棄口に向かう方向に対し、角度を備えて設けた通水口を備えたことを特徴する請求項2又は請求項3に記載のディスポーザーである。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、目皿部材の略水平面上に設けられた通水口が、使用者の不在となる方向に傾斜して設けたことを特徴とする、請求項4に記載のディスポーザーである。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、粉砕室から投棄口に向かう方向が鉛直方向であって、平面視において、全ての通水口から粉砕室が目視できないことを特徴と
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明では、槽体側から、投棄口を介し粉砕室内への給水を確保しつつ、粉砕室での撹拌により粉砕され微細化した塵芥や生ごみ、また汚水が、粉砕室から投棄口側に逆流した場合であっても、そのまま屋内側に逆流することが防止される。
請求項2に記載の本発明では、逆流防止構造を設けた部材を明確にすることができる。
請求項3、請求項4に記載の本発明では、特に目皿部材の通水口を、粉砕室から投棄口に向かう方向に対し角度を備えて設けたことで、粉砕室での撹拌により粉砕され微細化した塵芥や生ごみ、また汚水が、粉砕室から投棄口側に逆流した場合であっても、そのまま屋内側に逆流することが防止される。
特に、請求項5に記載したように、略水平面上に設けられた通水口が、下方から上方に向かって、使用者の不在となる方向に傾斜して投棄口に配置される場合、逆流した塵芥や生ごみ、また汚水が、たとえ屋内側に逆流した場合でも、使用者の側に向いて逆流することを確実になくすことができる。
また、請求項6に記載の本発明では、粉砕室から投棄口に鉛直上昇した塵芥や生ごみ、また汚水が、そのまま直接屋内側に逆流することを確実になくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第一実施例の施工状態を示す参考図である。
図2】第一実施例のディスポーザーの断面状態を示す参考図である。
図3】第一実施例の目皿部材の断面図である。
図4】第一実施例の目皿部材の平面図である。
図5】第一実施例の目皿部材の、底面通水口の平面視を示す参考図である。
図6】板部分を備えたディスポーザーの断面状態を示す参考図である。
【実施例0014】
以下に、本発明の第一実施例を、図面を参照しつつ説明する。
図1に示した本発明の第一実施例は、以下に記載する、流し台N、ディスポーザー本体1、目皿部材M、排水接続管7より構成されている。
流し台Nは、槽体としてのシンクSを備えた排水機器であって、シンクSを備えた天板Tと、天板Tを支える箱状のキャビネットCと、シンクS内に給水を行う給水機構としての給水栓Qと、から構成される。
ここで、流し台Nの使用者は、給水栓Qの反対位置にて作業を行う。このため、本実施例では、図1において、左側が使用者の位置(方向)であり、給水栓Q側が使用者の反対方向である。
またシンクSには、厨芥や生ごみなどを投棄する投棄口1aを備えてなる。
ディスポーザー本体1は、投棄口1aの下方に配置される機器であって、投棄口1aから投棄された厨芥を収納して粉砕する粉砕室2と、粉砕室2にて粉砕した厨芥を下流側に排出する排出口1bとを備えてなる。
本実施例の粉砕室2は、略円筒形状、正確には、図1に示したように、略半球形状円筒形状であって、その上端部分に投棄口1aからの厨芥を粉砕室2に投入する投入口2aと、粉砕室2の内側面に周縁に沿って固定された固定刃3と、粉砕室2の下方に備えられ、粉砕室2内で粉砕室2の中心軸を中心として回転する回転盤5と、該回転盤5上に備えられた、厨芥や生ごみを固定刃3と挟むようにしてすりつぶすことで切断する回転刃4と、から構成されてなる。
回転盤5はモーターによって高速に回転し、前述のように硬質な厨芥や生ごみなども確実に粉砕することができる。
また、図1図2から明らかなように、本実施例においては、投棄口1aから粉砕室2の投入口2aまでは水平面に対して垂直、すなわち鉛直方向に向かって形成されてなる。
粉砕された厨芥や生ごみは、後述する固定刃3のスリットなどから下方に排出され、排出口1bから排出される。
固定刃3は、金属素材からなるリング体であって、内側面に斜め下方に向かうスリットを備え、このスリット部分と回転刃4の間に厨芥や生ごみなどが挟まることで、削り取られるようにして厨芥や生ごみなどが粉砕される。また、粉砕された厨芥や生ごみなどは、この固定刃3のスリットから下方に降下して排出口1bに向かって粉砕室2から排出される。
また、投棄口1aと投入口2aの間は接続管6によって接続される。
また、投棄口1aには、投棄口1aを覆うように配置される目皿部材Mが備えられてなる。投棄口1aにはセンサーが備えられ、安全のため、投棄口1aを目皿部材Mで閉塞しない限り、ディスポーザーは駆動しないように構成されている。
目皿部材Mについて詳述すると、図3図4に示したように、略円筒形状をした側面部分と、下端部分を覆う、平坦にして使用時に水平方向に配置される底面部分と、から構成された部材であって、その上縁の一部から内径側に取っ手部M1を備えてなり、取っ手部M1のある側面部分にセンサーに対応する磁性体(図示せず)を備えてなる。
また、目皿部材Mの側面には側面通水口M2が、目皿部材Mの底面には底面通水口M3が、それぞれ設けられてなる。
側面通水口M2は、水平方向に向かって規則的に設けられた1.4ミリメートル角の複数の開口から構成されてなる。
底面通水口M3は、平面視1.4ミリメートル角の規則的に設けられた複数の開口からなり、それぞれの開口は、水平方向に対して約45度の角度を有して設けられてなる。この開口の方向は、下方から上方に向かうほど、吐水部Qに向かう方向に設けられてなる。
また、目皿部材Mの底面の厚みは2ミリメートル以上あり、このため1.4ミリメートル角の大きさに設けられた底面通水口M3は、図5に示したように、平面視において、上面の開口部分から、下面の開口部分を見ることはできない。なお、図5においては、実線の部分が平面視において目視可能な底面通水口M3の部分であり、破線の部分は目皿部材Mの底面に隠れて目視できない底面通水口M3の部分である。また、側面通水口M2は平面視では外形側及び内径側の開口部分を見ることはほぼできないため、本実施例の目皿部材Mでは、平面視において、下方を目視できる通水口は側面通水口M2、底面通水口M3のいずれにも存在しない。
また、上記したように、投棄口1aにはセンサーが備えられ、安全のため、投棄口1aに目皿部材Mを配置して、センサーが目皿部材Mの磁性体を検知しない限り、ディスポーザーは駆動しないように構成されている。
尚、本実施例において、目皿部材Mの磁性体が投棄口1aのセンサーに対応する位置とは、目皿部材Mの取っ手部M1が給水栓Qの逆方向に配置される状態である。
また本実施例の粉砕室2は、図2に示すように、粉砕室2の内側面に、投入口2aを起点とし、粉砕室2の内側面であって、回転刃4、又は固定刃3の高さ位置まで連続する傾斜面2cを、平面視投入口2aを中心とした回転対称形状となるようにして3面備えてなる。
図2図3に示したように粉砕室2の内側面には突出部分2bが設けられ、この突出部分2bの下面に傾斜面2cが設けられてなる。傾斜面2cは、回転盤5の回転方向に厨芥や生ごみなどが向かうとき、厨芥や生ごみなどが傾斜面2cに沿って下方に向かう方向に傾斜が備えられている。このため、ディスポーザーが作動し、厨芥や生ごみなどが回転盤5の回転によって粉砕室2内を回転するように移動すると、傾斜面2cの傾斜に当たって、傾斜面2cに沿って下方に降下することとなる。
排水接続管7は、上流側の端部をディスポーザーの排出口1bに、下流側の端部を下水側につながる床下配管に、それぞれ接続されてなる。
【0015】
以下に、上記第一実施例のディスポーザーの使用方法を説明する。
上記のように構成したディスポーザーを使用する場合、まず厨芥や生ごみなどを投棄口1aから投棄する。投棄口1aから投入された厨芥や生ごみなどは、接続管6を介して投入口2aから粉砕室2内に投入される。
次に目皿部材Mを投棄口1aに配置する。
この時は、目皿部材Mの磁性体を投棄口1aのセンサーに対応する位置に配置する。前述の通り、本実施例において、目皿部材Mの磁性体が投棄口1aのセンサーに対応する位置とは、目皿部材Mの取っ手部M1が給水栓Qの逆方向に配置される状態である。従って、ディスポーザーの使用時において、目皿部材Mの底面通水口M3は、下方から上方に向かって、使用者の不在となる方向である給水栓Qの方向に傾斜して投棄口1aに配置される。
この状態から、給水栓Qを開栓してシンクS内に給水を行いつつディスポーザーを作動させると、回転盤5が回転し、厨芥や生ごみなどが回転盤5の回転動作によって粉砕室2内を、粉砕室2の中心から渦を巻くようにして外周側(粉砕室2の内側面方向)に飛ばされる。このため、回転刃4と固定刃3に挟まれた厨芥や生ごみなどは、すりつぶされるようにして粉砕され、一部はスリットや回転盤5と固定刃3との間の隙間を通じて下方に排出される。
すりつぶされた厨芥や生ごみなどは、回転盤5の回転による遠心力で粉砕室2の内側面に押し付けられる。また、この時回転盤5の付勢によって厨芥や生ごみなどは移動しているため、回転盤5の回転方向に合わせて粉砕室2の内側面に沿って移動する。
ここで、厨芥や生ごみなどが投入口2aから回転刃4、または固定刃3のどの位置に存在していても、傾斜面2cが投入口2aから回転刃4または固定刃3までの全ての位置に設けられているため、厨芥や生ごみなどは必ず傾斜面2cに当たって、傾斜面2cに沿って下方に移動し、回転刃4及び固定刃3の位置まで案内されて粉砕される。すなわち、回転刃4と固定刃3の粉砕の効率を上げるため、回転盤5を高速で回転させた場合でも、傾斜面2cによって厨芥や生ごみなどが飛び跳ねず、回転刃4及び固定刃3に案内されるため、全体に効率よく厨芥や生ごみなどを粉砕することができる。
粉砕された厨芥や生ごみなどは、先に述べたように、固定刃3のスリットや、固定刃3と回転盤5の隙間等を通じて下方に排出される。
また、ディスポーザーの作動中においては、給水栓QからシンクS内に給水された給水が、投棄口1a、目皿部材Mの側面通水口M2及び底面通水口M3、接続管6を通過して粉砕室2内に給水が行われ、粉砕室2内の粉砕された厨芥や生ごみなどが滑らかに排出口1bに排出されるように作用する。
また、本実施例では、粉砕室2内面を円弧にすることで、回転刃4及び固定刃3の粉砕室2内面への付着を減らすことができる。天面と側面とが交差する角部分を設けると、この角部分に厨芥や生ごみが付着した場合に、上面と側面の2か所で付着することになり、落下しにくくなるが、粉砕室2の内面を円弧形状とすることで、厨芥や生ごみの付着箇所は常に一か所だけとなり、厨芥や生ごみなどの内面の付着する場合を少なくすることができる。
また、本実施例では、平面視において、傾斜面2cは投入口2aを中心とした奇数の回転対称形状、具体的には3回転対称形状を成すことで、傾斜面2cの、粉砕室2の中心を基準とした対向位置には傾斜面2cがなく、その分粉砕室2内を幅広に利用することができる。対向位置に傾斜面2cがあると、傾斜面2cの突出部分2bの分、粉砕室2の内径が狭くなり、大きな厨芥や生ごみなどが詰まる場合があるが、本実施例では傾斜面2cの対向位置に傾斜面2cがないため、比較的大きな厨芥や生ごみなども粉砕することが可能になる。
これらの工程を経て、スリットや回転盤5と固定刃3との間の隙間を下方に排出された、粉砕済みの厨芥や生ごみなどは、排出口1bから排水接続管7を介して下水側に排出される。
【0016】
ディスポーザーの作動時において、粉砕室2内部で回転盤5が粉砕室2内を激しく撹拌することで、粉砕室2内の粉砕物や給水、特に給水が汚れて汚水となった水滴が、粉砕室2内から上方に跳ね飛ばされ、一部が目皿部材Mの位置まで達してしまう場合がある。
この場合に、本実施例では、目皿部材Mの側面通水口M2、及び底面通水口M3を、粉砕室2から投棄口1aに向かう方向、即ち鉛直方向に対し角度を備えて設けたことで、粉砕室2での撹拌により粉砕され微細化した塵芥や生ごみ、また汚水が、粉砕室2から投棄口1a側に逆流した場合であっても、そのまま屋内側(シンクS側)に逆流することが防止される。
特に本実施例では、平面視において、通水口を通して下方を目視できる通水口は側面通水口M2、底面通水口M3のいずれにも存在しないように構成されている。即ち、平面視において、全ての通水口から、投棄口1aの鉛直下方に設けられた粉砕室2が目視できない構成であり、粉砕室2から鉛直方向に逆流した塵芥や生ごみ、また汚水等は、通水口を下方から上方に通り抜けて通過することができないように構成されている。
また、本実施例では、略水平面上に設けられた底面通水口M3が、下方から上方に向かって、使用者の不在となる方向である給水栓Qに向かって傾斜するように、目皿部材Mが投棄口1aに配置されているため、塵芥や生ごみ、また汚水が底面通水口M3を通過したとしても、使用者とは不在となる方向に案内されるため、使用者が汚れるといったことがない。
【0017】
本発明の第一実施例は以上のようであるが本発明は上記実施例に限定される物ではなく、発明の主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば上記実施例では、目皿部材Mの通水口は角形形状であったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、円形形状等必要に応じて自由に変更してもよい。
【0018】
また、上記実施例では、逆流防止構造は目皿部材Mに備えられた通水口であるが、本発明は上記実施例に限定される物ではなく、例えば目皿部材Mに、常時閉塞し、シンクSから粉砕室への通水時のみ開口する逆流防止弁を設けたり、
図6に記載したように、接続管6上に、接続管6内部を半分覆う板部分6aを高さを変えて2枚配置しても良い。この板部分6aは弾性を備え、大きな塵芥や生ごみなどは弾性変形によって下方への通過を許容する。
また、シンクSからの給水は、高低差によって生じる上下方向の隙間等を流下して粉砕室2内に供給される。
他方、粉砕室2内から、粉砕された塵芥や生ごみ、また汚水等が跳ね上がった場合には、板部分6aの下面に当接して逆流が防止される。
【符号の説明】
【0019】
1 ディスポーザー本体
1a 投棄口
1b 排出口
2 粉砕室
2a 投入口
2b 突出部分
2c 傾斜面
3 固定刃
4 回転刃
5 回転盤
6 接続管
6a 板部分
7 排水接続管
C キャビネット
M 目皿部材
M1 取っ手部
M2 側面通水口
M3 底面通水口
N 流し台
Q 給水栓
S シンク
T 天板
図1
図2
図3
図4
図5
図6