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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184126
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】デバイス取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091793
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉原 和希
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC04
3D020BD01
(57)【要約】
【課題】 ベース部材及びルーフへの取り付けが容易なデバイス取付構造を提供する。
【解決手段】 デバイス取付構造1は、ウインドウパネル2の車内側面に取り付けられ、デバイス7を支持するベース部材10と、ルーフ3に取り付けられたブラケット11と、ベース部材及びブラケットに取り付けられた第1カバー12とを有する。第4係合部42は、第1係合部41によって、第1方向、及び第3方向における第1側への移動が規制される一方、第2方向及び第3方向における第2側への移動が許容されている。第6係合部46は、第3係合部43によって、第1方向及び第3方向への移動が規制される一方、第2方向への移動が許容されている。第5係合部45は、第2係合部42によって、第1方向及び第3方向への移動が規制されると共に、付勢部材55によって第2方向において第2係合部と突き当てられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウインドウパネルとルーフとの境界部に設けられるデバイス取付構造であって、
上下方向を第1方向、前記ウインドウパネルの幅方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向を第3方向、前記第3方向において前記ルーフに対して前記ウインドウパネルが配置された側を第1側、相反する側を第2側とし、
前記ウインドウパネルの車内側面に取り付けられ、デバイスを支持するベース部材と、
前記ルーフに取り付けられたブラケットと、
前記ベース部材及び前記ブラケットに取り付けられ、前記デバイスを覆う第1カバーとを有し、
前記ベース部材は、第1係合部を有し、
前記ブラケットは、第2係合部と、第3係合部とを有し、
前記第1カバーは、前記第1係合部に係合する第4係合部と、前記第2係合部に係合する第5係合部と、前記第3係合部に係合する第6係合部とを有し、
前記第4係合部は、前記第1係合部によって、前記第1方向及び前記第3方向における前記第1側への移動が規制される一方、前記第2方向及び前記第3方向における第2側への移動が許容され、
前記第6係合部は、前記第3係合部によって、前記第1方向及び前記第3方向への移動が規制される一方、前記第2方向への移動が許容され、
前記第5係合部は、前記第2係合部によって、前記第1方向及び前記第3方向への移動が規制されると共に、前記第2係合部との間に設けられた付勢部材によって前記第2方向において前記第2係合部と突き当てられているデバイス取付構造。
【請求項2】
前記第2係合部は、前記第1方向に貫通した貫通孔を有し、
前記第5係合部は、前記第1方向に延び、前記孔に挿入される突片を有し、
前記第2係合部の前記第2方向における長さは、前記第5係合部の前記第2方向における長さよりも大きく、
前記第5係合部の前記第2方向における一端には前記付勢部材が結合され、
前記第5係合部の前記第2方向における他端には、前記第2係合部に当接する当接部が設けられている請求項1に記載のデバイス取付構造。
【請求項3】
前記当接部は、前記第1方向に延びるリブである請求項2に記載のデバイス取付構造。
【請求項4】
前記当接部は、前記第2係合部の前記孔の孔壁に当接している請求項3に記載のデバイス取付構造。
【請求項5】
前記付勢部材は、前記第2係合部の前記孔の孔壁に当接している請求項2~4のいずれか1つの項に記載のデバイス取付構造。
【請求項6】
前記第5係合部が前記第2係合部と前記第2方向において当接しているときに、前記第6係合部は前記第2方向において前記第3係合部と隙間を介して配置される請求項1~3のいずれか1つの項に記載のデバイス取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウインドウパネルとルーフとの境界部に設けられるデバイス取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウインドウパネルに取り付けられ、カメラ等のセンサモジュールを支持するベース部材と、ベース部材に結合され、ベース部材及びセンサモジュールを覆うカバーとを有するデバイス取付構造が開示されている。カバーは、ベース部材の先端部及び後端部を含む複数の部位において係止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6494750号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
意匠性を向上させるために、カバーの後端をルーフまで到達させたいという要望がある。この場合、カバーの後部をルーフに支持させることになる。カバーがベース部材とルーフとに跨って配置される場合、ベース部材及びルーフの相対位置にずれがあると、カバーを適切にベース部材及びルーフに支持させることが困難になるという問題がある。
【0005】
以上の背景に鑑み、本発明は、ベース部材及びルーフへの取り付けが容易なデバイス取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両のウインドウパネル(2)とルーフ(3)との境界部に設けられるデバイス取付構造(1)であって、上下方向を第1方向、前記ウインドウパネルの幅方向を第2方向、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向を第3方向、前記第3方向において前記ルーフに対して前記ウインドウパネルが配置された側を第1側、相反する側を第2側とし、前記ウインドウパネルの車内側面に取り付けられ、デバイス(7)を支持するベース部材(10)と、前記ルーフに取り付けられたブラケット(11)と、前記ベース部材及び前記ブラケットに取り付けられ、前記デバイスを覆う第1カバー(12)とを有し、前記ベース部材は、第1係合部(41)を有し、前記ブラケットは、第2係合部(42)と、第3係合部(43)とを有し、前記第1カバーは、前記第1係合部に係合する第4係合部(44)と、前記第2係合部に係合する第5係合部(45)と、前記第3係合部に係合する第6係合部(46)とを有し、前記第4係合部は、前記第1係合部によって、前記第1方向及び前記第3方向における前記第1側への移動が規制される一方、前記第2方向及び前記第3方向における第2側への移動が許容され、前記第6係合部は、前記第3係合部によって、前記第1方向及び前記第3方向への移動が規制される一方、前記第2方向への移動が許容され、前記第5係合部は、前記第2係合部によって、前記第1方向及び前記第3方向への移動が規制されると共に、前記第2係合部との間に設けられた付勢部材(55)によって前記第2方向において前記第2係合部と突き当てられている。
【0007】
この態様によれば、ベース部材及びルーフへの取り付けが容易なデバイス取付構造を提供することができる。ベース部材とブラケットとが第2方向に互いにずれているとき、第4係合部が第1係合部に対して第2方向に移動することによって、ずれが許容される。また、ベース部材とブラケットとが第3方向に互いにずれているとき、第4係合部が第1係合部に対して第1方向に移動することによって、ずれが許容される。第2係合部と第5係合部とが係合し、かつ第3係合部と第6係合部とが係合することによって、第1方向及び第3方向において、第1カバーのブラケットに対する位置が定まる。また、第2係合部と第5係合部とが第2方向において当接することによって、第2方向における第1カバーのブラケットに対する位置が定まる。
【0008】
上記の態様において、前記第2係合部は、前記第1方向に貫通した貫通孔(42B)を有し、前記第5係合部は、前記第1方向に延び、前記孔に挿入される突片(45A)を有し、前記第2係合部の前記第2方向における長さは、前記第5係合部の前記第2方向における長さよりも大きく、前記第5係合部の前記第2方向における一端には前記付勢部材が結合され、前記第5係合部の前記第2方向における他端には、前記第2係合部に当接する当接部(57)が設けられても良い。
【0009】
この態様によれば、第2係合部と第5係合部とが第2方向において当接することによって、第2方向における第1カバーのブラケットに対する位置が定まる。
【0010】
上記の態様において、前記当接部は、前記第1方向に延びるリブであっても良い。
【0011】
この態様によれば、第2係合部と第5係合部とを一層確実に当接させることができる。
【0012】
上記の態様において、前記当接部は、前記第2係合部の前記孔の孔壁に当接しても良い。
【0013】
この態様によれば、第2係合部と第5係合部とを一層確実に当接させることができる。
【0014】
上記の態様において、前記付勢部材は、前記第2係合部の前記孔の孔壁に当接しても良い。
【0015】
この態様によれば、第2係合部と第5係合部とを一層確実に当接させることができる。
【0016】
上記の態様において、前記第5係合部が前記第2係合部と前記第2方向において当接しているときに、前記第6係合部は前記第2方向において前記第3係合部と隙間を介して配置されても良い。
【0017】
この態様によれば、第6係合部と第3係合部とが第2方向において当接することが避けられる。これにより、第2係合部と第5係合部とを一層確実に当接させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の構成によれば、ベース部材及びルーフへの取り付けが容易なデバイス取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係るデバイス取付構造の斜視図
図2】デバイス取付構造の断面図(図6のII-II断面図)
図3】ベース部材の斜視図
図4】第1カバーの斜視図
図5】ブラケット及びルーフコンソールの分解斜視図
図6】第1カバーの平面図
図7】デバイス取付構造の断面図(図6のVII-VII断面図)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明のデバイス取付構造の実施形態について説明する。デバイス取付構造は、車両のウインドウパネルとルーフとの境界部に設けられる。ウインドウパネルは、車室の前部を画定するフロントウインドウパネル、車室の後部を画定するリヤウインドウパネル、車室の左右の側部を画定する一対のサイドウインドウパネルを含む。上下方向を第1方向、ウインドウパネルの幅方向を第2方向、第1方向及び第2方向に直交する方向を第3方向、第3方向においてウインドウパネルに対してルーフが配置された側を第1側、相反する側を第2側とする。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態では、デバイス取付構造1は、フロントウインドウパネル2と、ルーフ3との境界に設けられている。フロントウインドウパネル2は、上方に向けて後方に傾斜している。第2方向は左右方向に対応し、第3方向は前後方向に対応し、第1側は前側に対応し、第2側は後側に対応する。ルーフ3は、車室4の上部を画定し、略水平に配置されている。ルーフ3は、金属によって形成されたルーフパネル(不図示)と、ルーフパネルの下面に取り付けられたルーフライニング3Bとを有する。ウインドウパネルは、ガラスや樹脂によって形成されているとよい。
【0022】
デバイス取付構造1は、フロントウインドウパネル2の車内側面(後面)の上端部に取り付けられ、デバイス7を支持するベース部材10と、ルーフ3に取り付けられたブラケット11と、ベース部材10及びブラケット11に取り付けられ、デバイス7を覆う第1カバー12とを有する。デバイス7は、カメラ、レーダ、ライダ等を含むセンサであるとよい。ベース部材10、ブラケット11、及び第1カバー12は、樹脂によって形成されているとよい。
【0023】
図2及び図3に示すように、ベース部材10は、前面と後面とを有し、板状に形成されたベース本体部15を有する。ベース本体部15の前面は平面状に形成されている。ベース本体部15の前面は、両面テープや接着材によってフロントウインドウパネル2の車内側面に結合されている。ベース本体部15は、フロントウインドウパネル2の車内側面に沿って上下に延びている。ベース本体部15の上縁は、左右に延び、フロントウインドウパネル2の上縁近傍に配置されている。
【0024】
ベース本体部15の上部の左右方向における中央には、ベース本体部15を前面から後面に貫通する透孔16が形成されている。ベース本体部15の前面において、透孔16の前方には導光溝17が形成されている。導光溝17は、透孔16から前方に延び、前方に向けて左右方向における幅が漸増している。導光溝17の深さは、透孔16から前方に向けて、浅くなっている。
【0025】
図1及び図3に示すように、ベース本体部15の下部の左右方向における中央には、ベース本体部15を前面から後面に貫通するミラー装着孔18が形成されている。ミラー装着孔18は、導光溝17の前方に配置されている。ミラー装着孔18の内側には、ルームミラー21を支持するためのミラーベース22が配置される。ミラーベース22は、両面テープ又は接着剤によってフロントウインドウパネル2の車内側面に結合されている。ミラーベース22は、フロントウインドウパネル2から下方に延びた後、屈曲して後方に延びている。ミラーベース22の後端には、ルームミラー21が設けられている。
【0026】
ベース部材10において、導光溝17の左右方向における中央部を形成する部分は、着脱可能な付加部品24によって形成されてもよい。付加部品24は、ベース部材10に弾性爪等によって着脱可能に取り付けられているとよい。ベース部材10がフロントウインドウパネル2に結合された状態において、付加部品24はベース部材10に対して着脱可能になっている。付加部品24をベース部材10から取り外すことによって、導光溝17の内部やフロントウインドウパネル2の車内側面を清掃することが可能になる。また、付加部品24は、前端部において左右に延びる軸線を中心として回動可能に結合され、後端部において着脱可能にベース部材10に係止されてもよい。
【0027】
図2に示すように、ベース部材10の後面の上部には、デバイス7を着脱可能に係止するためのデバイス係止部26が設けられている。デバイス係止部26は、複数の弾性爪や係止溝41Bによって形成されている。本実施形態では、デバイス係止部26は、デバイス7の前端部を係止する左右一対の係止溝41Bとデバイス7の後端を係止する弾性爪とを有する。デバイス係止部26によって、デバイス7はベース部材10の後面に装着される。デバイス7がカメラである場合、デバイス7がベース部材10の後面に装着された状態において、カメラのレンズは透孔16と対応する位置に配置される。デバイス7がレーダやライダである場合、発信部及び受信部が透孔16と対応する位置に配置されるとよい。
【0028】
図1図2及び図5に示すように、ブラケット11は、ルーフパネル及びルーフライニング3Bの少なくとも一方に結合されているとよい。本実施形態では、ブラケット11は、ルーフライニング3Bに設けられている。ブラケット11は、ルーフライニング3Bと一体に形成されてもよい。ブラケット11は、左右に延びる前辺部11Aと、前辺部11Aの左右の両端から後方に延びる左右の側辺部11Bと、左右に延び、左右の側辺部11Bの後端のそれぞれに結合した後辺部11Cとを有し、四角形の枠形に形成されている。ブラケット11は、ルーフライニング3Bを上下に貫通する取付孔28の縁部に設けられている。ブラケット11の内側には、ルーフコンソール29が配置される。ルーフコンソール29は、ファスナ等の締結部材29Aによってルーフパネルに締結されるとよい。ルーフコンソール29は、室内灯又はディスプレイ等であってよい。
【0029】
図1図2及び図4に示すように、第1カバー12は、板状に形成されたカバー本体部31と、カバー本体部31の左右の側縁のそれぞれに設けられた左右一対のカバー側壁部32とを有する。第1カバー12がベース部材10及びブラケット11に装着された状態において、カバー本体部31はベース部材10の下方を前後に延びている。左右のカバー側壁部32はカバー本体部31から上方に延びている。各カバー側壁部32の上縁は、後方に向けて上方に傾斜し、フロントウインドウパネル2の車内側面に沿って延びている。第1カバー12は、第1~6係合部41~46によって、ベース部材10及びブラケット11に係止されている。
【0030】
図2図7に示すように、ベース部材10は、第1係合部41を有する。ブラケット11は、第2係合部42と、第3係合部43とを有する。第1カバー12は、第1係合部41に係合する第4係合部44と、第2係合部42に係合する第5係合部45と、第3係合部43に係合する第6係合部46とを有する。
【0031】
第4係合部44は、第1係合部41によって、上下方向(第1方向)への移動、及び前後方向(第3方向)における前側(第1側)への移動が規制される一方、左右方向(第2方向)及び前後方向(第3方向)における後側(第1側)への移動が許容されている。
【0032】
図2及び図3に示すように、第1係合部41は、ベース部材10の下面の前端部に設けられている。第1係合部41は、ベース部材10の後面の下部に突設された左右の第1壁部41Aと、各第1壁部41Aの後縁から前方に向けて凹み、かつ左右方向に貫通する左右の係止溝41Bを有する。一対の第1壁部41A及び係止溝41Bは、ベース部材10の下面においてミラー装着孔18の左方及び右方に配置されている。
【0033】
図4及び図6に示すように、第1カバー12の前縁の左右方向における中央には、後方に向けて凹む凹部51が形成されている。凹部51は、第1カバー12の厚み方向(上下方向)に貫通している。凹部51はミラー装着孔18の下方に配置されている。第4係合部44は、第1カバー12の前縁において凹部51の左右外方に設けられた左右の舌片44Aを有する。各舌片44Aは、板状に形成され、前方に延びている。各舌片44Aの前端44Bは、左右に延びる円柱状に形成されている。前端44Bの上下方向における厚みは、舌片44Aの他の部分の厚みよりも厚く形成されている。
【0034】
第4係合部44の各舌片44Aは、対応する第1係合部41の係止溝41Bに受容される。左右の係止溝41Bによって、左右の舌片44Aは上下方向への移動、及び前方への移動が規制される一方、左右方向及び後方への移動が許容されている。
【0035】
各第1壁部41Aの左右内方には、左右の前側付勢部53が設けられている。各前側付勢部53は、ベース部材10の後面から下方に突出した第2壁部53Aと、第2壁部53Aの後縁から前方かつ左右外方に延びる第1弾性片53Bとを有する。各第1弾性片53Bは、左右において対応する舌片44Aに左右内方から当接し、舌片44Aを左右外方に向けて付勢する。
【0036】
図4図7に示すように、第6係合部46は、第3係合部43によって、上下方向(第1方向)及び前後方向(第3方向)への移動が規制される一方、左右方向(第2方向)への移動が許容されている。
【0037】
第3係合部43は、ブラケット11の前辺部11Aの右部から前方に突出した板状の支持部43Aと、支持部43Aを上下方向(第1方向)に貫通した支持孔43Bを有する。支持孔43Bは、左右方向に延びた長方形に形成されている。
【0038】
第1カバー12の後縁は、ベース部材10の上縁より後方に配置され、かつブラケット11の前辺部11Aより後方に配置されている。すなわち、第1カバー12の後部は、ブラケット11の前辺部11Aの下方に配置されている。第6係合部46は、第1カバー12のベース部材10側を向く上面の後部右側に設けられている。第6係合部46は、カバー本体部31の上面から上方に突出した突片部46Aと、突片部46Aの側部に設けられた弾性爪46Bとを有する。弾性爪46Bは、突片部46Aに装着されている。
【0039】
突片部46Aは、左右一対の側壁部46Cと、一対の側壁部46Cを連結する連結壁部46Dとを有する。各側壁部46Cは、面が左右方向を向き、前後方向に延びている。連結壁部46Dは、面が前後方向を向き、左右方向に延びている。平面視において、突片部46AはH形に形成されている。弾性爪46Bは、上方から連結壁部46Dに被せられ、連結壁部46Dに係止されている。弾性爪46Bは、連結壁部46Dの上端から前面側に延びる前側片46Eと、連結壁部46Dの上端から後面側に延びる後側片46Fとを有するとよい。弾性爪46Bの前側片46E及び後側片46Fは、連結壁部46Dに係止され、上下方向への移動が規制されている。弾性爪46Bの前側片46E及び後側片46Fは、弾性変形することによって連結壁部46Dに対して前後方向に移動可能になっている。前側片46Eの中間部は左右の側壁部46Cの前縁よりも前方に突出し、後側片46Fは左右の側壁部46Cの後縁よりも後方に突出している。
【0040】
第6係合部46は、第3係合部43に挿入される。第6係合部46の一対の側壁部46Cの前縁及び後縁において第3係合部43の支持孔43Bの縁部に当接している。これにより、第6係合部46は、第3係合部43によって、前後方向への移動が規制されている。また、第6係合部46の前後の弾性爪46Bが第3係合部43の支持孔43Bの上縁に係止されることによって、第6係合部46は第3係合部43によって、上下方向への移動が規制されている。第3係合部43の左右幅は、第6係合部46の左右幅よりも大きく形成されている。これにより、第6係合部46は第3係合部43に対して左右方向に移動可能となっている。
【0041】
第5係合部45は、第2係合部42によって、上下方向(第1方向)及び前後方向(第3方向)への移動が規制されると共に、左右方向(第2係合部42)との間に設けられた付勢部材55によって左右方向(第2方向)において第2係合部42と突き当てられている。
【0042】
第2係合部42は、ブラケット11の前辺部11Aの左部に設けられている。第2係合部42は、前辺部11Aから前方に突出した板状の支持部42Aと、支持部42Aを上下方向(第1方向)に貫通する支持孔42Bを有する。第2係合部42は、左右方向に延びた長方形に形成されている。第2係合部42及び第3係合部43は、ブラケット11の前辺部11Aにおいて左右に互いに離れて配置されているとよい。
【0043】
第5係合部45は、第1カバー12の上面の後部左側に設けられている。第5係合部45は、カバー本体部31の上面から上方に突出した突片部45Aと、突片部45Aの側部に設けられた弾性爪45Bとを有する。弾性爪45Bは、突片部45Aに装着されている。
【0044】
突片部45Aは、左右一対の側壁部45Cと、一対の側壁部45Cを連結する連結壁部45Dとを有する。各側壁部45Cは、面が左右方向を向き、前後方向に延びている。連結壁部45Dは、面が前後方向を向き、左右方向に延びている。平面視において、突片部45AはH形に形成されている。弾性爪45Bは、上方から連結壁部45Dに被せられ、連結壁部45Dに係止されている。弾性爪45Bは、連結壁部45Dの上端から前面側に延びる前側片45Eと、連結壁部45Dの上端から後面側に延びる後側片45Fとを有するとよい。弾性爪45Bの前側片45E及び後側片45Fは、連結壁部45Dに係止され、上下方向への移動が規制されている。弾性爪45Bの前側片45E及び後側片45Fは、弾性変形することによって連結壁部45Dに対して前後方向に移動可能になっている。前側片45Eの中間部は、左右一対の側壁部45Cの前縁よりも前方に突出している。後側片45Fの中間部は、左右一対の側壁部45Cの後縁よりも後方に突出している。
【0045】
図6及び図7に示すように、第5係合部45の左右方向(第2方向)における一端には付勢部材55が結合されている。第5係合部45の左右方向(第2方向)における他端には、第2係合部42に当接する当接部としてのリブ57が設けられている。本実施形態では、付勢部材55は、第5係合部45の右側の側壁部45Cに結合されている。付勢部材55は、右側の側壁部45Cの上端から下方かつ右方に延びた弾性片であるとよい。付勢部材55は、左右方向に弾性変形することができる。
【0046】
リブ57は、第5係合部45の左側の側壁部45Cから左方に突出している。リブ57は、左側の側壁部45Cの左側面に沿って上下に延びている。
【0047】
第5係合部45は、第2係合部42に挿入される。第5係合部45の一対の側壁部45Cの前縁及び後縁において第2係合部42を構成する支持孔42Bの縁部に当接している。これにより、第5係合部45は、第2係合部42によって、前後方向への移動が規制されている。また、第5係合部45の前後の弾性爪45Bが第5係合部45を構成する支持孔42Bの上縁に係止されることによって、第5係合部45は第2係合部42によって、上下方向への移動が規制されている。
【0048】
第2係合部42の左右幅は、一対の側壁部45C、連結壁、及び当接部を含む第5係合部45の左右幅よりも大きく形成されている。第5係合部45が第2係合部42に挿入された状態において、弾性部材は第2係合部42の支持孔42Bの右縁に当接し、突片部45Aを支持孔42Bに対して左方に付勢する。これにより、リブ57が支持孔42Bの左縁に当接し、支持孔42Bに対する突片部45Aの左右方向における位置が定まる。
【0049】
図4及び図6に示すように、第1カバー12の前部には、第2カバー61が装着される。第2カバー61は、互いに結合する左側ピース61Aと右側ピース61Bとを有する。左側ピース61A及び右側ピース61Bのそれぞれは、第1カバー12の下面の前端部に結合する。第2カバー61は、第1カバー12の前端部から下方に膨出している。第2カバー61は、第1カバー12の凹部51及びベース部材10の前端部を覆う。第2カバー61の後部には、ミラーベース22が通過するための貫通孔61Cが形成されている。第2カバー61の前部には、車室内の空気を第2カバー内に取り入れるための換気孔61Dが形成されている。
【0050】
次に、第1カバー12のベース部材10及びブラケット11への取付方法について説明する。最初に、作業者は、第1カバー12の各舌片44Aを対応する係止溝41Bに後方から挿入する。このとき、左右の前側付勢部53が対応する舌片44Aを左右外方に押圧する。これにより、第1カバー12が、ベース部材10に対して左右方向において概ねセンタリングされる。
【0051】
各舌片44Aが各係止溝41Bに挿入された状態で、第1カバー12は、各舌片44Aの前端44Bを中心として、所定の範囲で回動することができ、第1カバー12の後端が上下に移動することができる。次に、作業者は、第1カバー12の後端を上方に移動させ、第5係合部45の突片部45Aを第2係合部42の支持孔42Bに挿入すると共に、第6係合部46の突片部46Aを第3係合部43の支持孔43Bに挿入する。これにより、第5係合部45の弾性爪45Bが第2係合部42の支持孔42Bの孔縁に係止されると共に、第6係合部46の弾性爪46Bが第3係合部43の支持孔43Bの孔縁に係止される。これにより、第1カバー12がベース部材10及びブラケット11に取り付けられる。その後、第2カバー61の左側ピース61A及び右側ピース61Bが第1カバー12に取り付けられる。
【0052】
以上の実施形態によれば、ベース部材10及びルーフ3への取り付けが容易なデバイス取付構造1を提供することができる。ベース部材10とブラケット11とが左右方向に互いにずれているとき、第1係合部41に対して第4係合部44が左右方向に移動することによって、ずれが許容される。また、ベース部材10とブラケット11とが前後方向に互いにずれているとき、第4係合部44が第1係合部41に対して前後方向に移動することによって、ずれが許容される。また、第2係合部42と第5係合部45とが係合し、かつ第3係合部43と第6係合部46とが係合することによって、上下方向及び前後方向において、第1カバー12のブラケット11に対する位置が定まる。また、第2係合部42と第5係合部45とが左右方向において当接することによって、左右方向における第1カバー12のブラケット11に対する位置が定まる。
【0053】
第5係合部45の付勢部材55が第2係合部42の支持孔42Bの右端の孔壁に当接することによって、第5係合部45の突片部45Aが支持孔42Bに対して左方に付勢され、リブ57が支持孔42Bの左端の孔壁に当接する。これにより、第1カバー12の左右方向における位置がブラケット11に対して定まる。付勢部材55が、支持孔42Bの軸線方向である上下方向に延びているため、支持孔42Bの孔壁に確実に当接することができる。同様に、リブ57が、支持孔42Bの軸線方向である上下方向に延びているため、支持孔42Bの孔壁に確実に当接することができる。
【0054】
第5係合部45のリブ57が第2係合部42の支持孔42Bと左右方向において当接しているときに、第6係合部46の突片部46Aは左右方向において第3係合部43の支持孔42Bと隙間を介して配置される。これにより、第5係合部45のリブ57が第2係合部42の支持孔42Bに確実に当接することができ、ブラケット11に対する第1カバー12の左右方向における位置が定まる。
【0055】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えばデバイス取付構造1は、リヤウインドウパネル、サイドウインドウパネルを含む他のウインドウパネルとルーフ3との境界に設けられてもよい。また、第2係合部42と第5係合部45との構成を互いに置換してもよく、第3係合部43と第6係合部46との構成を互いに置換してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 :デバイス取付構造
2 :フロントウインドウパネル
3 :ルーフ
4 :車室
7 :デバイス
10 :ベース部材
11 :ブラケット
12 :第1カバー
15 :ベース本体部
41 :第1係合部
42 :第2係合部
42A :支持部
42B :支持孔
43 :第3係合部
43A :支持部
43B :支持孔
44 :第4係合部
45 :第5係合部
45A :突片部
45B :弾性爪
46 :第6係合部
46A :突片部
46B :弾性爪
53 :前側付勢部
55 :付勢部材
57 :リブ
61 :第2カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7