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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184151
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】良紙判定装置および印刷機
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/04 20060101AFI20221206BHJP
   B41F 7/02 20060101ALI20221206BHJP
   B41F 13/54 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B65H43/04
B41F7/02 454
B41F13/54 454
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091835
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】年藤 孝英
(72)【発明者】
【氏名】西山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】道法 崇光
【テーマコード(参考)】
2C034
3F048
【Fターム(参考)】
2C034AA16
2C034AA44
3F048AA05
3F048AB01
3F048BB02
3F048CA06
3F048CA08
3F048DA05
3F048DC12
3F048EA12
3F048EB17
3F048EB30
(57)【要約】
【課題】良紙判定装置および印刷機において、不良紙の発生を低減すると共に安定した良紙判定を可能とする。
【解決手段】印刷物の印刷品質に応じて良紙判定を行う良紙判定装置であって、印刷中である印刷物の印刷品質値と予め設定された目標値との偏差に応じた修正度合が入力され、前記修正度合が予め設定された判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の印刷品質に応じて良紙判定を行う良紙判定装置であって、
印刷中である印刷物の印刷品質値と予め設定された目標値との偏差に応じた修正度合が入力され、
前記修正度合が予め設定された判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する、
良紙判定装置。
【請求項2】
印刷物が良紙として判定されると、印刷物を発送設備へ搬送するための発送開始信号を出力する、
請求項1に記載の良紙判定装置。
【請求項3】
印刷物が良紙として判定され、且つ、前記修正度合が前記判定値よりも小さくなった状態が予め設定された所定時間以上継続すると、前記発送開始信号を出力する、
請求項2に記載の良紙判定装置。
【請求項4】
前記修正度合が前記判定値よりも小さくなった状態が予め設定された所定時間以上継続すると、印刷物を良紙として判定する、
請求項1に記載の良紙判定装置。
【請求項5】
前記修正度合が前記判定値よりも小さくなった状態が予め設定された所定時間以上継続すると、印刷物を良紙として判定し、印刷物を発送設備へ搬送するための発送開始信号を出力する、
請求項4に記載の良紙判定装置。
【請求項6】
印刷物の搬送先を発送ラインと不良紙排出ラインとの間で切り替える搬送切替装置が設けられ、前記発送開始信号は、前記搬送切替装置により印刷物の搬送先を発送ラインに切り替えるための信号である、
請求項3または請求項5に記載の良紙判定装置。
【請求項7】
前記修正度合は、前記印刷品質値を前記目標値に近づけるための修正時間であり、前記修正時間が前記判定値としての修正判定時間よりも短くなると、印刷物を良紙として判定し、前記修正時間が前記修正判定時間よりも短くなってから前記所定時間を超えると、前記発送開始信号を出力する、
請求項6に記載の良紙判定装置。
【請求項8】
前記修正度合は、前記印刷品質値を前記目標値に近づけるための修正時間であり、前記修正時間が前記判定値としての修正判定時間よりも短くなると、印刷物を良紙として判定し、前記修正時間が前記修正判定時間よりも短くなってから予め設定された印刷部数の印刷物が前記発送設備への発送ラインから排出されると、前記発送開始信号を出力する、
請求項6に記載の良紙判定装置。
【請求項9】
前記修正度合は、前記印刷品質値と前記目標値との偏差量であり、前記偏差量が前記判定値としての偏差判定量よりも小さくなると、印刷物を良紙として判定する、
請求項1に記載の良紙判定装置。
【請求項10】
前記印刷品質を前記目標値に近づけるための前記修正度合の変化を表示する表示装置が設けられる、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の良紙判定装置。
【請求項11】
過去の良紙判定結果および過去の良紙判定時の印刷条件を含めた判定状況に基づいて前記判定値を補正する、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の良紙判定装置。
【請求項12】
前記印刷品質は、印刷物の見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度の少なくともいずれか一つである、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の良紙判定装置。
【請求項13】
前記見当位置と前記断裁位置と前記幅方向位置と前記印刷濃度から印刷条件に応じて前記印刷品質が選択され、選択された前記印刷品質における全ての修正度合が前記判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する、
請求項12に記載の良紙判定装置。
【請求項14】
印刷物を印刷する印刷条件としての印刷立上げ状態に応じて見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度から印刷品質が選択され、前記判定値が設定される、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の良紙判定装置。
【請求項15】
印刷媒体を供給する給紙装置と、
前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置と、
印刷済の前記印刷媒体を縦裁断して重ねると共に搬送経路および経路長を変更するウェブパス装置と、
縦裁断して重ねられた前記印刷媒体を縦折りした後に横断裁して折帖を形成する折機と、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の良紙判定装置と、
を備える印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、印刷機により印刷された印刷物が良紙であることを判定する良紙判定装置、良紙判定装置を備える印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、新聞用オフセット輪転印刷機は、給紙装置と、インフィード装置と、印刷装置と、ウェブパス装置と、折機と、排紙装置とを備える。新聞用オフセット輪転印刷機は、起動後に、低速での印刷中にウェブの搬送位置や印刷濃度などを調整する必要がある。新聞用オフセット輪転印刷機は、起動後の低速での印刷中に、ウェブの搬送位置や印刷濃度などの調整作業が完了すると、製品となる新聞が、新聞用オフセット輪転印刷機に接続される発送設備へ送り出される。このような良紙判定装置として、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-094941号公報
【特許文献2】特開平6-297693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウェブの搬送位置や印刷濃度などの調整作業を実施した後の良紙判定作業は、オペレータの目視により実施される。すなわち、オペレータは、調整作業後の印刷物を目視することで、ウェブに対する印刷位置や印刷濃度などの印刷品質などをチェックし、良紙判定を行う。調整作業や良紙判定作業を行っている間、ウェブは、白損、黒損、品質不良などの不良紙になる。印刷物の良紙判定は、オペレータの経験則によるものが大きく、判定にばらつきがある。そのため、経験が浅いオペレータが印刷物の良紙判定を行う場合、不良紙が増加してしまうという課題がある。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、不良紙の発生を低減すると共に安定した良紙判定を可能とする良紙判定装置および印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の良紙判定装置は、印刷物の印刷品質に応じて良紙判定を行う良紙判定装置であって、印刷中である印刷物の印刷品質値と予め設定された目標値との偏差に応じた修正度合が入力され、前記修正度合が予め設定された判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する。
【0007】
また、本開示の印刷機は、印刷媒体を供給する給紙装置と、前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置と、印刷済の前記印刷媒体を縦裁断して重ねると共に搬送経路および経路長を変更するウェブパス装置と、縦裁断して重ねられた前記印刷媒体を縦折りした後に横断裁して折帖を形成する折機と、前記良紙判定装置と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の良紙判定装置および印刷機によれば、不良紙の発生を低減することができると共に、安定した良紙判定を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機における良紙判定制御を表すブロック構成図である。
図2図2は、新聞の発送設備を表す概略図である。
図3図3は、良紙判定方法を表すフローチャートである。
図4図4は、良紙判定方法を表すタイムチャートである。
図5図5は、良紙判定方法の第1変形例を表すフローチャートである。
図6図6は、良紙判定方法の第2変形例を表すフローチャートである。
図7図7は、良紙判定方法の第2変形例を表すタイムチャートである。
図8図8は、良紙判定方法の第3変形例を表すフローチャートである。
図9図9は、良紙判定方法の第4変形例を表すフローチャートである。
図10図10は、良紙判定方法の第4変形例を表すタイムチャートである。
図11図11は、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0011】
[新聞用オフセット輪転印刷機]
図11は、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図である。本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機は、印刷装置の版胴のサイズが4頁幅×1頁周長に設定された4×1輪転印刷機であるが、版胴のサイズが4頁幅×2頁周長に設定された4×2輪転印刷機であってもよい。
【0012】
図11に示すように、本実施形態の印刷機は、新聞用オフセット輪転印刷機Pである。新聞用オフセット輪転印刷機Pは、給紙装置Rと、インフィード装置Iと、印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、折機Fとを備える。
【0013】
給紙装置Rは、複数(本実施形態では、5台)の給紙ユニットR1~R5を有する。インフィード装置Iは、複数(本実施形態では、5台)のインフィードユニットI1~I5を有する。印刷装置Uは、複数(本実施形態では、5台)の印刷ユニットU1~U5を有する。ウェブパス装置Dは、1台のウェブパスユニットD1を有する。折機Fは、1台の折ユニットF1を有する。
【0014】
給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1~R5は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブ(印刷媒体)Wがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アームを有する。保持アームを回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。インフィード装置Iにおいて、インフィードユニットI1~I5は、ほぼ同様の構成をなし、印刷装置Uの各印刷ユニットU1~U5に送り込むウェブWの張力を調整することで、印刷装置Uを走行するウェブWの張力を適正値に安定して維持する。なお、給紙装置Rからインフィード装置IまでのウェブWの張力は、給紙ユニットR1~R5に設けられた図示しないブレーキ装置により行われる。
【0015】
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1~U5は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1~U5は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11~U52とすることができる。印刷ユニットU11~U52は、ほぼ同様の構成をなし、インキ供給装置、版胴、ブランケット胴などを有する。
【0016】
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1~U5に対して設けられる。ウェブパスユニットD1は、ウェブWを縦方向(ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したウェブWの搬送経路を設定するターンバー、ウェブWにおける天地長手方向の絵柄位置を調整するコンペンセータなどを有する。印刷ユニットU1~U5で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより絵柄位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
【0017】
折機Fにて、折ユニットF1は、ウェブパスユニットD1から複数のウェブWが重ねられて導入されたウェブWを縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙する。
【0018】
<良紙判定システム>
図1は、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機における良紙判定制御を表すブロック構成図である。
【0019】
図1に示すように、良紙判定システム10は、操作装置11と、見当調整装置12と、断裁位置調整装置13と、幅方向位置調整装置14と、印刷濃度調整装置15と、良紙判定装置16と、表示装置17と、記憶部18と、搬送切替装置19とを備える。
【0020】
操作装置11は、オペレータが操作可能であり、オペレータが操作装置11を操作することで、各種の操作信号を良紙判定装置16に送信することができる。
【0021】
見当調整装置12は、印刷ユニットU1~U5(図11参照)に配置される。見当調整装置12は、カメラを有し、カメラがウェブWに印刷された見当マークを撮影する。見当調整装置12は、ウェブWにおける基準色の見当マークの位置と、カメラが撮影したウェブWの基準色以外の色ごとの見当マークの位置とを比較する。見当調整装置12は、基準色の見当マークの位置と基準色以外の色ごとの見当マークの位置との偏差に応じた見当修正信号を出力する。見当修正信号は、基準色の見当マークの位置と基準色以外の色ごとの見当マークの位置との偏差を減少させるための見当修正量を含む。見当調整装置12は、見当修正信号に基づいて印刷ユニットU1~U5における各版胴の天地位相や左右位置を調整することで、ウェブWの印刷画像のずれを修正する。
【0022】
断裁位置調整装置13は、折ユニットF1(図11参照)に配置される。断裁位置調整装置13は、カメラを有し、カメラがウェブWに印刷された絵柄を撮影する。断裁位置調整装置13は、折ユニットF1による回転基準タイミングと、カメラが撮影したウェブWの実際のタイミングとを比較する。断裁位置調整装置13は、折ユニットF1の回転基準タイミングと実際の印刷絵柄のタイミングとの偏差に応じた断裁位置修正信号を出力する。断裁位置修正信号は、折ユニットF1の回転基準タイミングと実際の印刷絵柄のタイミングとの偏差を減少させるための断裁位置修正量を含む。断裁位置調整装置13は、断裁位置修正信号に基づいてウェブパスユニットD1におけるウェブWの天地長手方向の絵柄位置を調整するコンペンセータの位置を調整することで、ウェブWの断裁位置のずれを修正する。
【0023】
幅方向位置調整装置14は、折ユニットF1(図11参照)に配置される。幅方向位置調整装置14は、印刷機の絵柄幅方向の基準となる位置に配置されるカメラを有し、カメラは、ウェブWの絵柄幅方向の規定位置に印刷された絵柄マークを撮影する。幅方向位置調整装置14は、カメラの基準位置と、カメラが撮影した絵柄マークの位置とを比較する。幅方向位置調整装置14は、基準となるカメラの位置と実際のウェブ端部の位置との偏差に応じた幅方向位置修正信号を出力する。幅方向位置修正信号は、基準となるカメラの位置と実際のウェブ端部の位置との偏差を減少させるための幅方向位置修正量を含む。幅方向位置調整装置14は、幅方向位置修正信号に基づいてウェブパスユニットD1における複数のターンバーの位置を調整することで、ウェブWの幅方向位置のずれを修正する。
【0024】
印刷濃度調整装置15は、印刷ユニットU1~U5(図11参照)に配置される。印刷濃度調整装置15は、濃度センサとしてのカメラを有し、カメラ(濃度センサ)がウェブWに印刷された絵柄を撮影する。印刷濃度調整装置15は、ウェブWにおける基準の印刷絵柄の濃度と、カメラが撮影したウェブWの実際の印刷絵柄の濃度とを比較する。印刷濃度調整装置15は、基準の印刷絵柄の濃度と実際の印刷絵柄の濃度との偏差に応じた印刷濃度修正信号を出力する。印刷濃度修正信号は、基準の印刷絵柄の濃度と実際の印刷絵柄の濃度との偏差を減少させるための印刷濃度修正量を含む。印刷濃度調整装置15は、印刷濃度修正信号に基づいて印刷ユニットU1~U5におけるインキ供給量を調整することで、ウェブWの印刷濃度のずれを修正する。
【0025】
良紙判定装置16は、印刷物の印刷品質に応じて良紙判定を行う。良紙判定装置16は、操作装置11と見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15が接続される。良紙判定装置16は、操作装置11からの操作信号と、見当調整装置12からの見当修正信号と、断裁位置調整装置13からの断裁位置修正信号と、幅方向位置調整装置14からの幅方向位置修正信号と、印刷濃度調整装置15からの印刷濃度修正信号が入力される。
【0026】
本実施形態では、印刷品質として、見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度が設定される。すなわち、印刷品質とは、新聞用オフセット輪転印刷機Pにより製作された製品としての新聞の製品品質である。良紙判定装置16は、新聞という製品の品質としての見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度が目標値にあれば良紙として判定する。但し、印刷品質は、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度に限定されるものではなく、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度の少なくともいずれか一つを設定すればよいものである。また、印刷品質として、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度以外のものを設定してもよい。
【0027】
良紙判定装置16は、印刷中である印刷物(新聞)の印刷品質値(見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度)と予め設定された目標値との偏差に応じた修正度合が入力され、修正度合が予め設定された判定値よりも小さくなると、印刷物を良紙として判定する。なお、良紙判定装置16による良紙の判定方法の詳細については、後述する。
【0028】
表示装置17は、良紙判定装置16に接続される。表示装置17は、良紙判定装置16の判定状況や判定結果を表示する。
【0029】
記憶部18は、良紙判定装置16に接続される。記憶部18は、良紙判定装置16が良紙判定を実行するための判定値を格納する。この場合、記憶部18は、過去の判定状況も格納する。判定状況には、良紙判定時の印刷条件が含まれる。各種の印刷条件(例えば、紙種・インキなどの資材情報、たて頁、頁数、カラー頁数、紙パスルートなど)に応じて判定値を緩めたり、厳しくしたりした判定履歴や、判定値の修正履歴などである。つまり、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15の制御状態に加えて、印刷条件・資材情報などを加味し、過去の良紙判定実績から自動的に良紙判定基準を学習する。また、ベテランのオペレータの修正実績を学習する。例えば、紙種によって良紙になる時間が異なることを学習すると、判定値としての修正判定時間を変えるなど、判定基準を変更していく。
【0030】
また、記憶部18は、初稿、再立ち上げ、替わり面、紙通し追加変更の印刷条件とそれぞれの判定項目の判定値を記憶する。ここでいう判定項目とは、印刷中である印刷物(新聞)の印刷品質(見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度)である。良紙判定装置16は、これから印刷する印刷物が初稿であれば、基準となる判定項目と判定値により良紙判定を行う。一方、初稿印刷で良紙判定後、停止した印刷機を再立ち上げして印刷する場合は、再立ち上げの判定項目と判定値により良紙判定を行う。また、新聞記事差し替えにより、一部の印刷面(替わり面)について版交換を行った後、再度印刷する場合は、この替わり面部分のみは替わり面の判定項目と判定値により良紙判定を行う。また、紙通し追加変更により再度印刷する場合は、紙通し追加変更の判定項目と判定値により良紙判定を行う。
【0031】
すなわち、再立ち上げや替わり面や紙通し追加変更のための印刷立上げの際は、すでに初稿で良紙判定を実施しているので、変更の無い部分は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15の制御状態は良好であり、印刷物の印刷品質値と予め設定された目標値との偏差に応じた修正度合も小さい。そのため、良紙判定装置16は、初稿、再立ち上げ、替わり面、紙通し追加変更の印刷条件によって判定項目と判定値を補正する。例えば、初稿であれば印刷機を初期状態から立ち上げるため、基準となる厳しめの判定項目と判定値により良紙判定を行う。再立ち上げして印刷する場合は、輪転機の各調整装置が初稿の良紙状態の位置からの再起動になるため、緩やかな判定項目と判定値により良紙判定を行っても良い。一部の印刷面(替わり面)について版交換を行った後、再度印刷する場合は、この替わり面部分のみは替わり面の判定項目と判定値により良紙判定を行う。紙通し追加変更により再度印刷する場合は、この紙通し追加変更のウェブのみは、紙通し追加変更の判定項目と判定値により良紙判定を行う。このように印刷条件としての初稿、再立ち上げ、替わり面、紙通し追加変更などの印刷立上げ状態に応じて見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度から判定項目(印刷品質)が選択され、判定値が設定されることによって、良好な良紙判定を行うことが可能となる。
【0032】
例えば、品質調整値の調整度合のレベルを、要十分調整A1、要調整A2、軽微な調整A3とすると、初稿、再立ち上げ、替わり面、紙通し追加変更の調整度合のレベルは、下記のものとなる。なお、替わり面にて、通し面は、再立上げと同様の条件であり、紙通し追加変更は、変更となったウェブのみの条件であり、それ以外は再立上げ条件となる。
初稿 見当位置A1、断裁位置A1、幅方向位置A1、印刷濃度A1
再立上げ 見当位置A3、断裁位置A3、幅方向位置A3、印刷濃度A3
替わり面 見当位置A2、断裁位置A3、幅方向位置A3、印刷濃度A1
通し面 見当位置A3、断裁位置A3、幅方向位置A3、印刷濃度A3
紙通し追加変更 見当位置A1、断裁位置A1、幅方向位置A1、印刷濃度A1
【0033】
搬送切替装置19は、新聞の発送設備20に配置される。搬送切替装置19は、新聞用オフセット輪転印刷機Pの起動時に発生する不良紙と、良紙判定装置16による良紙判定後に排出される良紙との搬送先を切り替えるものである。
【0034】
<発送設備>
図2は、新聞の発送設備を表す概略図である。
【0035】
図2に示すように、発送設備20は、裁荷装置21と、キャリア装置22と、カウンタスタッカ23と、配送コンベア24とを備える。
【0036】
裁荷装置21は、新聞用オフセット輪転印刷機Pに隣接して配置される。新聞用オフセット輪転印刷機Pにより印刷された印刷物(新聞)は、排紙コンベア31により裁荷装置21に搬送される。裁荷装置21は、排紙コンベア31により搬送された印刷物をキャリア装置22に供給する。キャリア装置22は、図示しないグリッパ装置が印刷物の端部を把持して搬送し、カウンタスタッカ23に受け渡す。カウンタスタッカ23は、計数センサ32を有する。カウンタスタッカ23は、キャリア装置22により搬送された印刷物の1バッチを計数センサ32により計数し、縦列に集積する。カウンタスタッカ23は、縦列に集積された印刷物を1バッチごとに180度回転して積み上げ、1スタックとして搬出する。配送コンベア24は、1スタックの印刷物を発送トラック33まで搬送する。
【0037】
搬送切替装置19は、裁荷装置21に配置される。搬送切替装置19は、印刷物の搬送先を発送ラインと不良紙排出ラインとの間で切り替える。新聞用オフセット輪転印刷機Pの起動後、低速での印刷中に、印刷品質(見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度)などの調整作業が実施されることから、白損、黒損、品質不良などの不良紙が発生する。搬送切替装置19は、良紙判定装置16により印刷物が良紙であると判定するまで、不良紙である印刷物をキャリア装置22に供給せずに、不良紙排出ライン21bにより外部に排出する。その後、搬送切替装置19は、良紙判定装置16により印刷物が良紙であると判定されると、印刷物の搬送先を不良紙排出ライン21bから発送ライン21aに切り替え、良紙である印刷物を発送ライン21aによりキャリア装置22に供給する。なお、搬送切替装置19は、印刷物の搬送先を発送ラインと不良紙排出ラインとの間で切り替えることができれば、裁荷装置21に限らず、発送設備20のどこに配置されてもよい。
【0038】
新聞用オフセット輪転印刷機Pは、印刷制御装置PC(プレスコントロール)により制御される。良紙判定システム10は、印刷制御装置PCに接続される。すなわち、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15は、印刷制御装置PCに接続されると共に、良紙判定装置16に接続される。良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15からの修正信号に基づいて搬送切替装置19を切替制御する。
【0039】
<良紙判定処理>
図3は、良紙判定方法を表すフローチャート、図4は、良紙判定方法を表すタイムチャートである。
【0040】
良紙判定装置16は、印刷品質(見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度)を目標値に近づけるための修正度合が判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する。良紙判定装置16は、修正度合が判定値よりも小さくなり、且つ、修正度合が判定値よりも小さくなる前に印刷された印刷物が新聞用オフセット輪転印刷機Pから排出されると印刷物を良紙として判定する。
【0041】
また、良紙判定装置16は、印刷品質を目標値に近づけるための修正度合の変化を表示装置17に表示する。また、良紙判定装置16は、過去の良紙判定結果に基づいて判定値を補正する。
【0042】
以下、具体的に説明するが、良紙判定装置16は、印刷品質値としての見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度をそれぞれの目標値に近づけるための各修正度合と各判定値とを比較する。この場合、良紙判定装置16は、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度をそれぞれの修正度合と各判定値との判定を同時に実行している。そのため、以下の説明では、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度における1つの修正度合と判定値との判定処理について説明する。
【0043】
図3に示すように、ステップS11にて、新聞用オフセット輪転印刷機Pが起動した後、低速での印刷中に、印刷品質値としての見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度などの調整作業が開始される。ステップS12にて、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15からの修正信号が入力されたかどうかを判定する。良紙判定装置16は、修正信号が入力されていないと判定(No)すると、ステップS13にて、印刷物が良紙であると判定し、ステップS17に移行する。
【0044】
ステップS12にて、良紙判定装置16は、修正信号が入力されたと判定(Yes)すると、ステップS14にて、修正信号が入力されている時間Tn(1~n)が予め設定された判定時間Tj(例えば、0.1秒)以下であるか否かを判定する。修正信号が入力されている時間Tnとは、修正度合としての修正時間であり、印刷品質値を目標値に近づけるための修正時間である。また、判定時間Tjとは、判定値としての修正判定時間であり、目標値に余裕度を加味して設定される。良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS15にて、後述する良紙時間Taをリセットして0とした後、ステップS12に戻る。
【0045】
一方、良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下であると判定(Yes)すると、ステップS16にて、良紙判定装置16は、印刷物が良紙であると判定する。そして、ステップS17にて、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下になっている良紙時間Taを計測するためのタイマをスタートさせる。そして、良紙時間Taが予め設定された所定時間としての不良紙排出時間Taj(例えば、5秒)を超えているか否かを判定する。つまり、ステップS12で修正信号が入力されなかったり、ステップS14で修正時間Tnが修正判定時間Tj以下になったりすることで、ステップS13やステップS16で良紙判定されてから、不良紙排出時間Tajが経過したか否かを判定する。
【0046】
ここで、所定時間は、良紙判定装置16に修正信号が入力されずに良紙判定されてから、また、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下であって良紙判定されてから、印刷物の印刷品質値が安定するまでの待ち時間である。本実施形態では、所定時間を不良紙排出時間Tajとしている。すなわち、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15が見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度を調整したとしても、各調整装置12,13,14,15から搬送切替装置19までの搬送ラインに不良紙の印刷物が残っている。不良紙排出時間Tajは、各調整装置12,13,14,15から裁荷装置21までの搬送ラインに残っている不良紙の印刷物が搬送切替装置19により外部に排出されるまでの時間である。なお、不良紙排出時間Tajは、新聞用オフセット輪転印刷機Pの形態や印刷速度などに応じて変動する。一般的に、不良紙排出時間Tajは、印刷品質値が安定するまでの待ち時間より長いことから、ここでは、所定時間を不良紙排出時間Tajとしている。但し、待ち時間が不良紙排出時間Tajより長いとき、所定時間を待ち時間としてもよく、別途設定してもよい。
【0047】
良紙判定装置16は、良紙時間Taが不良紙排出時間Tajを経過していないと判定(No)すると、ステップS12に戻り、ステップS12からステップS17の処理を繰り返す。このとき、ステップS14にて、良紙判定装置16が、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS15にて、ステップS17でスタートさせたタイマを停止すると共に、計測していた良紙時間Taをリセットして0とする。一方、良紙判定装置16は、良紙時間Taが不良紙排出時間Tajを超えていると判定(Yes)すると、ステップS18にて、搬送切替装置19に発送開始信号を出力することで搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0048】
この場合、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15からの全ての修正信号に基づいて判定処理で良紙判定をすると、搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0049】
ここで、良紙判定装置16による良紙判定処理の具体的な事例を説明する。見当調整装置12は、新聞用オフセット輪転印刷機Pの起動後、低速での印刷中に、予め設定された所定の調整時間Tsごとに、基準色の見当マークの位置と基準色以外の色ごとの見当マークの位置との偏差を算出している。この場合、基準色の見当マークの位置と基準色以外の色ごとの見当マークの位置との偏差は、複数回算出した偏差の平均値とすることが好ましい。また、偏差に応じて設定される修正量は、偏差の80%程度の値とすることが好ましい。そして、断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15も同様である。
【0050】
上述したように、良紙判定装置16は、印刷品質値としての見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度をそれぞれの目標値に近づけるための各修正度合と各判定値とを比較し、良紙判定を行う。このとき、良紙判定装置16は、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度をそれぞれの修正度合と各判定値との判定を同時に実行する。そして、良紙判定装置16は、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度における全ての修正度合が判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する。但し、良紙判定装置16は、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度から印刷条件に応じて印刷品質を1つまたは複数選択し、選択した印刷品質における全ての修正度合が判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定してもよい。
【0051】
図4に示すように、時間t1にて、修正信号S1が出力される。修正信号S1は、時間t1から時間t2までの修正時間T1を有する。そして、時間t2にて、修正作業が終了する。ここで、修正時間T1は、修正判定時間Tj以下ではない。時間t2から調整時間Tsが経過した時間t3にて、修正信号S2が出力される。調整時間Tsは、調整装置12,13,14,15が各種の調整をした後の印刷物が印刷品質値をカメラなどのセンシング機器に到達するまでの待ち時間と、新たな修正を行うまでのデータ収集時間との合計時間である。修正信号S2は、時間t3から時間t4までの修正時間T2を有する。そして、時間t4にて、修正作業が終了する。ここで、修正時間T2は、修正時間T1より短くなっているものの、修正判定時間Tj以下ではない。時間t4から調整時間Tsが経過した時間t5にて、修正信号S3が出力される。修正信号S3は、時間t5から時間t6までの修正時間T3を有する。そして、時間t6にて、修正作業が終了する。ここで、修正時間T3は、修正時間T1,T2より短くなっているものの、修正判定時間Tj以下ではない。
【0052】
そして、時間t6から調整時間Tsが経過した時間t7で偏差がないと、修正信号Sが出力されない。続いて、時間t7から調整時間Tsが経過した時間t8でも偏差がないと、修正信号Sが出力されない。すなわち、時間t7,t8での修正時間Tは、0である。つまり、この状態は、修正判定時間Tj以下である。そのため、修正信号Sが出力されない時間t7,t8にて、印刷物を良紙と判定する。また、時間t8から調整時間Tsが経過した時間t9にて、修正信号S4が出力される。修正信号S4は、時間t9から時間t10までの修正時間T4を有する。ここで、修正時間T4は、修正時間T1,T2,T3よりさらに短くなり、修正判定時間Tj以下となる。そのため、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下になった時間t10でも、印刷物を良紙と判定する。そして、t7からt11までの良紙時間Taが不良紙排出時間Tajを超えていると判定されると、搬送切替装置19に発送開始信号を出力することで搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0053】
なお、良紙判定装置16による良紙判定処理の具体的な事例は、上述したものに限定されない。図5は、良紙判定方法の第1変形例を表すフローチャートである。
【0054】
図5に示すように、ステップS21にて、新聞用オフセット輪転印刷機Pが起動した後、低速での印刷中に、印刷品質値の調整作業が開始される。ステップS22にて、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15からの修正信号が入力されたかどうかを判定する。良紙判定装置16は、修正信号が入力されていないと判定(No)すると、ステップS23にて、修正信号が入力されていない時間が予め設定された所定時間、ここでは、不良紙排出時間Tajを超えているか否かを判定する。なお、所定時間は、不良紙排出時間Tajに限らず、別途設定してもよい。
【0055】
良紙判定装置16は、修正信号が入力されていない時間が所定時間(不良紙排出時間Taj)を超えていないと判定(No)すると、ステップS22に戻る。一方、修正信号が入力されていない時間が所定時間を超えたと判定(Yes)すると、ステップS27にて、良紙判定装置16は、印刷物が良紙であると判定し、ステップS28に移行する。
【0056】
ステップS22にて、良紙判定装置16は、修正信号が入力されたと判定(Yes)すると、ステップS24にて、修正時間Tnが判定時間Tj以下であるか否かを判定する。良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS25にて、良紙時間Taをリセットして0とした後、ステップS22に戻る。
【0057】
一方、良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下であると判定(Yes)すると、ステップS26にて、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下になっている良紙時間Taを計測するためのタイマをスタートさせる。そして、良紙時間Taが不良紙排出時間Tajを超えているか否かを判定する。良紙判定装置16は、良紙時間Taが不良紙排出時間Tajを経過していないと判定(No)すると、ステップS22に戻り、ステップS22からステップS26の処理を繰り返す。このとき、ステップS24にて、良紙判定装置16が、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS25にて、ステップS26でスタートさせたタイマを停止すると共に、計測していた良紙時間Taをリセットして0とする。
【0058】
良紙判定装置16は、良紙時間Taが不良紙排出時間Tajを超えていると判定(Yes)すると、ステップS27にて、印刷物が良紙であると判定する。そして、ステップS28にて、搬送切替装置19に発送開始信号を出力することで搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0059】
この場合、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15からの全ての修正信号に基づいて判定処理で良紙判定をすると、搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0060】
図6は、良紙判定方法の第2変形例を表すフローチャート、図7は、良紙判定方法の第2変形例を表すタイムチャートである。
【0061】
図6に示すように、ステップS31にて、新聞用オフセット輪転印刷機Pが起動した後、低速での印刷中に、印刷品質値としての見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度などの調整作業が開始される。ステップS32にて、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15からの修正信号が入力されたかどうかを判定する。良紙判定装置16は、修正信号が入力されていないと判定(No)すると、ステップS33にて、印刷物が良紙であると判定し、ステップS37に移行する。
【0062】
ステップS32にて、良紙判定装置16は、修正信号が入力されたと判定(Yes)すると、ステップS34にて、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下であるか否かを判定する。良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS35にて、良紙時間Taをリセットして0とした後、ステップS32に戻る。
【0063】
一方、良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下であると判定(Yes)すると、ステップS36にて、良紙判定装置16は、印刷物が良紙であると判定する。そして、ステップS37にて、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下になってから排出された印刷物の排出部数Naを計測するためのカウンタをスタートさせる。そして、排出部数Naが予め設定された不良紙排出部数Njを超えているか否かを判定する。つまり、ステップS32で修正信号が入力されなかったり、ステップS34で修正時間Tnが修正判定時間Tj以下になったりすることで、ステップS33やステップS36で良紙判定されてから、不良紙排出部数Njの印刷物が排出されたか否かを判定する。不良紙排出部数Njは、各調整装置12,13,14,15から裁荷装置21までの搬送ラインに残っている不良紙の印刷物の印刷部数である。なお、不良紙排出部数Njは、新聞用オフセット輪転印刷機Pの形態などに応じて変動する。
【0064】
良紙判定装置16は、排出部数Nが不良紙排出部数Njを超えていないと判定(No)すると、ステップS32に戻り、ステップS32からステップS37の処理を繰り返す。このとき、ステップS34にて、良紙判定装置16が、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS35にて、ステップS37でスタートさせたカウンタを停止すると共に、計測していた排出部数Naをリセットして0とする。一方、排出部数Naが不良紙排出部数Njを超えていると判定(Yes)すると、ステップS38にて、良紙判定装置16は、搬送切替装置19に発送開始信号を出力することで搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0065】
ここで、良紙判定装置16による良紙判定処理の具体的な事例を説明する。図7に示すように、時間t1にて、修正信号S1が出力される。修正信号S1は、時間t1から時間t2までの修正時間T1を有する。そして、時間t2にて、修正作業が終了する。ここで、修正時間T1は、修正判定時間Tj以下ではない。時間t2から調整時間Tsが経過した時間t3にて、修正信号S2が出力される。修正信号S2は、時間t3から時間t4までの修正時間T2を有する。そして、時間t4にて、修正作業が終了する。ここで、修正時間T2は、修正時間T1より短くなっているものの、修正判定時間Tj以下ではない。時間t4から調整時間Tsが経過した時間t5にて、修正信号S3が出力される。修正信号S3は、時間t5から時間t6までの修正時間T3を有する。そして、時間t6にて、修正作業が終了する。ここで、修正時間T3は、修正時間T1,T2より短くなっているものの、修正判定時間Tj以下ではない。
【0066】
そして、時間t6から調整時間Tsが経過した時間t7で偏差がないと、修正信号Sが出力されない。続いて、時間t7から調整時間Tsが経過した時間t8でも偏差がないと、修正信号Sが出力されない。すなわち、時間t7,t8での修正時間Tは、0である。つまり、この状態は、修正判定時間Tj以下である。そのため、修正信号Sが出力されない時間t7,t8にて、印刷物を良紙と判定する。また、時間t8から調整時間Tsが経過した時間t9にて、修正信号S4が出力される。修正信号S4は、時間t9から時間t10までの修正時間T4を有する。ここで、修正時間T4は、修正時間T1,T2,T3よりさらに短くなり、修正判定時間Tj以下となる。そのため、修正時間Tが修正判定時間Tj以下になった時間t10でも、印刷物を良紙と判定する。そして、t7からt11までの排出部数Naが不良紙排出部数Njを超えていると判定されると、搬送切替装置19に発送開始信号を出力することで搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0067】
図8は、良紙判定方法の第3変形例を表すフローチャートである。
【0068】
図8に示すように、ステップS41にて、新聞用オフセット輪転印刷機Pが起動した後、低速での印刷中に、印刷品質値の調整作業が開始される。ステップS42にて、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15からの修正信号が入力されたかどうかを判定する。良紙判定装置16は、修正信号が入力されていないと判定(No)すると、ステップS43にて、修正信号が入力されていない時間が予め設定された所定時間、ここでは、不良紙排出時間Tajを超えているか否かを判定する。なお、所定時間は、不良紙排出時間Tajに限らず、別途設定してもよい。
【0069】
良紙判定装置16は、修正信号が入力されていない時間が所定時間(不良紙排出時間Taj)を超えていないと判定(No)すると、ステップS42に戻る。一方、修正信号が入力されていない時間が所定時間を超えたと判定(Yes)すると、ステップS47にて、良紙判定装置16は、印刷物が良紙であると判定し、ステップS48に移行する。
【0070】
ステップS42にて、良紙判定装置16は、修正信号が入力されたと判定(Yes)すると、ステップS44にて、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下であるか否かを判定する。良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS45にて、排出部数Naをリセットして0とした後、ステップS42に戻る。
【0071】
一方、良紙判定装置16は、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下であると判定(Yes)すると、ステップS46にて、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下になってから排出された印刷物の排出部数Naを計測するためのカウンタをスタートさせる。そして、排出部数Naが不良紙排出部数Njを超えているか否かを判定する。良紙判定装置16は、排出部数Nが不良紙排出部数Njを超えていないと判定(No)すると、ステップS42に戻り、ステップS42からステップS46の処理を繰り返す。このとき、ステップS44にて、良紙判定装置16が、修正時間Tnが修正判定時間Tj以下ではないと判定(No)すると、ステップS45にて、ステップS46でスタートさせたカウンタを停止すると共に、計測していた排出部数Naをリセットして0とする。
【0072】
良紙判定装置16は、排出部数Naが不良紙排出部数Njを超えていると判定(Yes)すると、ステップS47にて、良紙判定装置16は、印刷物が良紙であると判定する。そして、ステップS48にて、良紙判定装置16は、搬送切替装置19に発送開始信号を出力することで搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。
【0073】
図9は、良紙判定方法の第4変形例を表すフローチャート、図10は、良紙判定方法の第4形例を表すタイムチャートである。
【0074】
図9に示すように、ステップS51にて、新聞用オフセット輪転印刷機Pが起動した後、低速での印刷中に、印刷品質値としての見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度などの調整作業が開始される。
【0075】
ステップS52にて、良紙判定装置16は、印刷品質値(見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度)Qと印刷品質目標値Qtとの偏差量Qdが予め設定された判定量Qdj以下であるか否かを判定する。つまり、修正信号として入力された偏差量Qdが予め設定された判定量Qdj以下であるか否かを判定する。偏差量Qdとは、修正度合としての修正量であり、判定量Qdjとは、判定値である。良紙判定装置16は、偏差量Qdが判定量Qdj以下はないと判定(No)すると、ステップS52に戻る。
【0076】
一方、良紙判定装置16は、偏差量Qdが判定量Qdj以下であると判定(Yes)すると、ステップS53にて、印刷物を良紙として判定する。そして、ステップS54にて、良紙判定装置16は、搬送切替装置19に発送開始信号を出力することで搬送切替装置19を作動し、良紙である印刷物をキャリア装置22に供給する。このとき、各調整装置12,13,14,15から搬送切替装置19までの不良紙の印刷物が裁荷装置21で排出されるまで待って搬送切替装置19を作動することが好ましい。
【0077】
ここで、良紙判定装置16による良紙判定処理の具体的な事例を説明する。図10に示すように、印刷品質値Qと印刷品質目標値Qtとの偏差量Qdに基づいて修正量Qrを設定し、印刷品質値Qを印刷品質目標値Qtに近づけていく。そして、印刷品質値Qの頂点が判定量Qdj以下になった時間T21にて、印刷物を良紙と判定する。この場合、印刷品質値Qの頂点が判定量Qdj以下になり、且つ、印刷品質値Qの微分値や変化率(単位時間当たりの変化量)が所定値よりも小さいとき(例えば、0に近いとき)に印刷物を良紙と判定する。また、印刷品質値Qの頂点が判定量Qdj以下になった時点(時間T21)から、判定量Qdj以下になった状態が予め設定した時間(所定時間)を継続すると、印刷物を良紙と判定してもよい。
【0078】
なお、良紙判定装置16は、印刷物の良紙判定を実行していた間、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15から入力されたデータを表示装置17に表示する。例えば、表示装置17は、図4図7図10に表すグラフを表示する。
【0079】
また、良紙判定装置16は、各種判定値が記憶部18に格納されているが、過去の良紙判定結果に基づいて判定値を自動的に学習して補正してもよい。
【0080】
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る良紙判定装置は、印刷物の印刷品質に応じて良紙判定を行う良紙判定装置16であって、印刷中である印刷物の印刷品質値と予め設定された目標値との偏差に応じた修正度合が入力され、修正度合が予め設定された判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する。
【0081】
第1の態様に係る良紙判定装置によれば、印刷中である印刷物の印刷品質値と予め設定された目標値との偏差に応じた修正度合が判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定することで、印刷物の良紙判定を自動で行うことができる。そのため、印刷物の良紙判定のばらつきを減少させることができ、不良紙の発生を低減することができると共に、安定した良紙判定を可能とすることができる。また、新聞用オフセット輪転印刷機Pの起動時に、オペレータによる作業を減少させることができ、省人化を可能とすることができる。
【0082】
第2の態様に係る良紙判定装置は、印刷物が良紙として判定されると、印刷物を発送設備20へ搬送するための発送開始信号を出力する。これにより、印刷物が良紙として判定されると、良紙である印刷物を発送設備20へ適切に搬送することができる。
【0083】
第3の態様に係る良紙判定装置は、印刷物が良紙として判定され、且つ、修正度合が判定値よりも小さくなった状態が予め設定された所定時間以上継続すると、発送開始信号を出力する。これにより、印刷物が良紙として判定されて安定した印刷状態が所定時間継続されると、良紙である印刷物を発送設備20へ搬送することとなり、不良紙である印刷物の発送を抑制することができる。
【0084】
第4の態様に係る良紙判定装置は、修正度合が判定値よりも小さくなった状態が予め設定された所定時間以上継続すると、印刷物を良紙として判定する。これにより、印刷物の良紙判定精度を向上することができる。
【0085】
第5の態様に係る良紙判定装置は、修正度合が判定値よりも小さくなった状態が予め設定された所定時間以上継続すると、印刷物を良紙として判定し、印刷物を発送設備20へ搬送するための発送開始信号を出力する。これにより、安定した印刷状態が所定時間継続されると、印刷物を良紙として判定し、良紙である印刷物を発送設備20へ搬送することとなり、不良紙である印刷物の発送を抑制することができる。
【0086】
第6の態様に係る良紙判定装置は、印刷物の搬送先を発送ライン21aと不良紙排出ライン21bとの間で切り替える搬送切替装置19が設けられ、発送開始信号は、搬送切替装置19により印刷物の搬送先を発送ラインに切り替えるための信号である。これにより、印刷物が良紙として判定されると、良紙である印刷物を発送ラインにより発送設備20へ適切に搬送することができる。
【0087】
第7の態様に係る良紙判定装置は、修正度合は、印刷品質値を目標値に近づけるための修正時間であり、修正時間が判定値としての修正判定時間よりも短くなると、印刷物を良紙として判定し、修正時間が修正判定時間よりも短くなってから予め設定された所定時間を超えると、発送開始信号を出力する。これにより、印刷物を良紙として判定してから所定時間を超えると発送開始信号を出力することで、印刷機に残っている印刷物を不良として処理タイミングを時間により判定することで、制御の簡素化を可能とすることができる。
【0088】
第8の態様に係る良紙判定装置は、修正度合は、印刷品質値を目標値に近づけるための修正時間であり、修正時間が判定値としての修正判定時間よりも短くなると、印刷物を良紙として判定し、且つ、修正時間が修正判定時間よりも短くなってから予め設定された印刷部数の印刷物が発送設備20への発送ラインから排出されると、発送開始信号を出力する。これにより、印刷物を良紙として判定してから経過部数を超えると発送開始信号を出力することで、印刷機に残っている印刷物を不良紙として処理タイミングを印刷部数により判定することで、制御の高精度化を可能とすることができる。
【0089】
第9の態様に係る良紙判定装置は、修正度合は、印刷品質値と目標値との偏差量であり、偏差量が判定値としての修正判定量よりも小さくなると、印刷物を良紙として判定する。これにより、良紙判定の高精度化を図ることができる。
【0090】
第10の態様に係る良紙判定装置は、印刷品質を目標値に近づけるための修正度合の変化を表示する表示装置17が設けられる。これにより、オペレータは、良紙判定状況を随時把握することができる。そのため、良紙判定の支援装置として適用することができる。また、経験が浅いオペレータに対して教育用のツールとして使用することができる。
【0091】
第11の態様に係る良紙判定装置は、過去の良紙判定結果および過去の良紙判定時の印刷条件を含めた判定状況に基づいて判定値を補正する。これにより、良紙判定の高精度化を図ることができる。判定状況は、良紙判定結果だけではなく、良紙判定時の印刷条件が含まれる。各種の印刷条件に応じて判定値を緩めたり、厳しくしたりした判定履歴や、判定値の修正履歴などである。つまり、良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15の制御状態に加えて、印刷条件・資材情報などを加味し、過去の良紙判定実績から自動的に良紙判定基準を学習する。
【0092】
第12の態様に係る良紙判定装置は、印刷品質は、印刷物の見当位置、断裁位置、幅方向位置、印刷濃度の少なくともいずれか一つである。これにより、良紙判定に必要な印刷品質を特定して良紙判定を行うことができる。
【0093】
第13の態様に係る良紙判定装置は、見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度から印刷条件に応じて印刷品質が選択され、選択された印刷品質における全ての修正度合が判定値よりも小さくなると印刷物を良紙として判定する。これにより、良紙の判定精度を向上することができる。
【0094】
第14の態様に係る良紙判定装置は、印刷物を印刷する印刷条件としての印刷立上げ状態に応じて見当位置と断裁位置と幅方向位置と印刷濃度から印刷品質が選択され、判定値が設定される。これにより、印刷物の良紙判定を適切に行うことができる。
【0095】
第15の態様に係る印刷機は、ウェブ(印刷媒体)Wを供給する給紙装置Rと、ウェブWに印刷を行う印刷装置Uと、印刷済のウェブWを縦裁断して重ねると共に搬送経路および経路長を変更するウェブパス装置Dと、縦裁断して重ねられたウェブWを縦折りした後に横断裁して折帖を形成する折機Fと、良紙判定装置16とを備える。これにより、印刷物の良紙判定のばらつきを減少させることができ、不良紙の発生を低減することができると共に、安定した良紙判定を可能とすることができる。また、新聞用オフセット輪転印刷機Pの起動時に、オペレータによる作業を減少させることができ、省人化を可能とすることができる。
【0096】
なお、上述した実施形態では、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15を自動式としたが、手動式であってもよい。すなわち、本実施形態の良紙判定装置16は、見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15が自動で調整する修正信号が入力する。この場合、オペレータが見当調整装置12と断裁位置調整装置13と幅方向位置調整装置14と印刷濃度調整装置15を用いて手動で調整し、その後、ボタン操作などにより修正信号を良紙判定装置16に出力してもよい。
【0097】
また、上述した実施形態では、良紙判定装置を新聞用オフセット輪転印刷機に適用して説明したが、別の印刷機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 良紙判定システム
11 操作装置
12 見当調整装置
13 断裁位置調整装置
14 幅方向位置調整装置
15 印刷濃度調整装置
16 良紙判定装置
17 表示装置
18 記憶部
19 搬送切替装置
20 発送設備
21 裁荷装置
22 キャリア装置
23 カウンタスタッカ
24 配送コンベア
31 排紙コンベア
32 計数センサ
33 発送トラック
P 新聞用オフセット輪転印刷機(印刷機)
PC 印刷制御装置
R 給紙装置
R1~R5 給紙ユニット
I インフィード装置
I1~I5 インフィードユニット
U 印刷装置
U1~U5,U11~U52 印刷ユニット
D ウェブパス装置
D1 ウェブパスユニット
F 折機
F1 折ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11