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特開2022-184158情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184158
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091845
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】大塚 富士夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 瞬
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
(57)【要約】
【課題】シェアマイクロモビリティの利用の確実性を向上させることができる。
【解決手段】実施形態による情報処理システムは、少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示する経路提示手段と、シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する取り置き可能時間取得手段と、取り置き可能時間に基づいてシェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する予約判断手段と、判断の結果に基づいてシェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行する予約関連処理手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示する経路提示手段と、
前記シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する取り置き可能時間取得手段と、
前記取り置き可能時間に基づいて前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する予約判断手段と、
前記判断の結果に基づいて前記シェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行する予約関連処理手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記予約判断手段は、さらに、前記経路に相関する時間、前記経路上の前記シェアマイクロモビリティの取り置き場所の利用情報、天候情報および前記経路にしたがったユーザの移動状況の少なくとも1つに基づいて、前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記時間は、前記シェアマイクロモビリティの利用開始予定時刻を含み、
前記予約判断手段は、前記利用開始予定時刻よりも前記取り置き可能時間だけ前の時刻になったことを条件として前記シェアマイクロモビリティを予約可能と判断する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記利用開始予定時刻は、前記シェアマイクロモビリティの取り置き場所への到着予定時刻である請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記予約判断手段は、前記ユーザの移動状況に応じて前記到着予定時刻を変化させる請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記時間は、前記シェアマイクロモビリティの取り置き場所への所要時間を含み、
前記予約判断手段は、前記所要時間が前記取り置き可能時間以下となったことを条件として前記シェアマイクロモビリティを予約可能と判断する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記予約関連処理手段は、前記シェアマイクロモビリティを予約した後の前記ユーザの移動状況によって前記取り置き可能時間内の利用開始に間に合わないと判断された場合は、追加料金を払って前記取り置き可能時間を延長する処理または前記シェアマイクロモビリティを利用開始とする処理を実行する請求項2~6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記シェアマイクロモビリティの取り置き場所の利用情報は、前記取り置き場所における前記シェアマイクロモビリティの貸出可能台数を含む請求項2~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記予約判断手段は、前記シェアマイクロモビリティの貸出可能台数が閾値以下となったことを条件として前記シェアマイクロモビリティを予約可能すると判断する請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記予約判断手段は、前記シェアマイクロモビリティの貸出可能台数が0台または所望する台数に満たない場合は、前記シェアマイクロモビリティを予約不可能と判断する請求項8または9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記予約関連処理手段は、前記シェアマイクロモビリティを予約不可能と判断された場合に、前記シェアマイクロモビリティに代替する移動手段の利用を案内する請求項8~10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記予約関連処理手段は、前記シェアマイクロモビリティを予約不可能と判断された場合に、前記経路上のシェアマイクロモビリティの取り置き場所と異なる取り置き場所での前記シェアマイクロモビリティの利用を案内する請求項8~10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記予約判断手段は、前記シェアマイクロモビリティの取り置き場所の空き予測情報に基づいて、前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する請求項1~12のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記予約に関する処理は、前記シェアマイクロモビリティの自動予約を含む請求項1~13のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項15】
少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示する経路提示手段と、
前記シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する取り置き可能時間取得手段と、
前記取り置き可能時間に基づいて前記シェアマイクロモビリティの予約に関する通知処理を実行する予約関連処理手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項16】
コンピュータを、
少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示する経路提示手段、
前記シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する取り置き可能時間取得手段、
前記取り置き可能時間に基づいて前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する予約判断手段、および
前記判断の結果に基づいて前記シェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行する予約関連処理手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【請求項17】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示する経路提示手段と、
前記シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する取り置き可能時間取得手段と、
前記取り置き可能時間に基づいて前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する予約判断手段と、
前記判断の結果に基づいて前記シェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行する予約関連処理手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1乃至15のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1乃至15のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1乃至15のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項20】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示する経路提示手段と、
前記シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する取り置き可能時間取得手段と、
前記取り置き可能時間に基づいて前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する予約判断手段と、
前記判断の結果に基づいて前記シェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行する予約関連処理手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項21】
経路提示手段が、少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示するステップと、
取り置き可能時間取得手段が、前記シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得するステップと、
予約判断手段が、前記取り置き可能時間に基づいて前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断するステップと、
予約関連処理手段が、前記判断の結果に基づいて前記シェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行するステップと、
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シェアサイクルやシェア型の電動キックボードなどのマイクロモビリティ(超小型ビリティやパーソナルモビリティとも言う)を対象としたシェアマイクロモビリティを予約する仕組みは、カーシェアといった比較的大型のシェアモビリティを予約する仕組みと異なる。具体的には、シェアマイクロモビリティにおいては、予約したときの現在時刻から所定の取り置き可能時間だけ予約したモビリティの取り置きを確保することができ、取り置き可能時間内に利用がなければキャンセル扱いとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-211960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、シェアマイクロモビリティの利用の確実性を向上させることができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理システムは、
少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む経路を提示する経路提示手段と、
前記シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する取り置き可能時間取得手段と、
前記取り置き可能時間に基づいて前記シェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する予約判断手段と、
前記判断の結果に基づいて前記シェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行する予約関連処理手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シェアマイクロモビリティの利用の確実性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作例として、画面遷移の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る情報処理システムの動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。
図7】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作例として、画面遷移の一例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。
図10】第2の実施形態に係る情報処理システムの動作例として、画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0009】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。第1の実施形態に係る情報処理システム1は、モバイル端末(携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末等)などの電子機器の使用者(以下、単に「ユーザ」ともいう)に対して、シェアマイクロモビリティの予約に関するサービスを提供するシステムである。シェアマイクロモビリティは、個人が所有するのではなく共有を原則とする移動手段である。シェアマイクロモビリティは、自転車、電動キックボード、電動車いす等のマイクロモビリティを含む。
【0010】
図1に示すように、情報処理システム1は、前述の電子機器に相当する端末装置2と、サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
ネットワークは、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。
【0012】
端末装置2は、シェアマイクロモビリティの予約に関するサービスの提供を受けるためにユーザが使用するものであり、例えば、モバイル端末などの情報処理端末である。端末装置2は、単体の機器で構成されていてもよく、または、複数の機器で構成されていてもよい。
【0013】
端末装置2は、図1に示すように、通信部21と、制御部22と、入力部23と、出力部24とを有する。
【0014】
通信部21は、ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0015】
入力部23は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン、タッチパッドもしくはダイヤルボタンまたはジェスチャーであってもよい。
【0016】
出力部24は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。一例として、出力部24は、入力部23を通じたユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。出力部24は、各種情報を音声出力するスピーカやイヤホンを有していてもよい。
【0017】
なお、出力部24は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、出力部24は、端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部に接続される印刷装置にデータを出力するものであってもよいし、端末装置2内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0018】
制御部22は、図1に示すように、情報提示部221を有する。情報提示部221は、サーバ3から送信されたシェアマイクロモビリティの予約に関する情報を、出力部24を介して出力することで、ユーザにシェアマイクロモビリティの予約に関する情報を提示する。制御部22は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0019】
次に、サーバ3について説明する。サーバ3は、単体のサーバであってもよく、または、ネットワークを介して通信可能な複数のサーバで構成されていてもよい。サーバ3が複数のサーバで構成される場合、複数のサーバは、異なる使用者(例えば、シェアマイクロモビリティサービスの提供者と、シェアマイクロモビリティサービスの一部の代行者)で使用されてもよい。代行者には、シェアマイクロモビリティの予約に関する情報の提供者やシェアマイクロモビリティの予約に関するアプリケーションインターフェースの提供者が含まれていてもよい。サーバ3の少なくとも一部は、使用者が所有していてもよく、またはレンタルサーバやクラウドであってもよい。
【0020】
図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に、通信部31および記憶部33について説明する。
【0021】
通信部31は、ネットワークを介して端末装置2と、サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0022】
記憶部33は、例えばハードディスク等のデータストレージであり、各種データベースを格納する。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワークを介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0023】
記憶部33は、経路ネットワーク情報データベース331を有する。経路ネットワーク情報データベース331は、経路探索用のデータベースであり、経路ネットワーク情報として、例えば、交通ネットワーク情報を含む。交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の情報としては、公共交通機関の路線情報、時刻表情報、料金情報等を含む。また、交通網の情報は、例えば駅等の路線網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の線路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。また、道路網の情報は、例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。
【0024】
また、図示しないが、記憶部33は、地図の表示や地点の検索等に用いる地図情報データベースを有していてもよい。地図情報は、全国または各地方の道路地図などの地図データを含み、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(注記情報、記号情報等)を含んでいてもよい。さらに、記憶部33には、施設の検索や目的地の設定に用いるPOI(Point of Interest)情報データベースを含んでいてもよい。POI情報は、施設やイベントの情報である。POI情報は、施設やイベントの名称情報や位置情報を含んでいる。POI情報には、シェアサイクルのポートなどのシェアマイクロモビリティの取り置き場所の情報(例えば、位置、住所、取り置き可能時間など)が含まれていてもよい。
【0025】
次に、サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は、図1に示すように、経路提示手段の一例である経路提示部321と、取り置き可能時間取得手段の一例である取り置き可能時間取得部322と、予約判断手段の一例である予約判断部323と、予約関連処理手段の一例である予約関連処理部324とを有する。制御部32は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0026】
経路提示部321は、少なくともシェアマイクロモビリティの利用区間を含む目的地までの移動経路(以下、シェアマイクロモビリティ利用経路とも呼ぶ)を提示する。例えば、経路提示部321は、通信部31を介して端末装置2からシェアマイクロモビリティの利用を含む経路探索条件を受信すると、当該経路探索条件にしたがって、シェアマイクロモビリティ利用経路を探索する。シェアマイクロモビリティの利用を含む経路探索条件は、例えば、利用する移動手段の条件としてシェアマイクロモビリティを指定した経路探索条件である。また、利用する移動手段を探索条件として指定していなくとも、最適経路として結果的にシェアマイクロモビリティを利用する経路が探索されてもよい。さらに、シェアマイクロモビリティの利用条件を満たしているユーザ情報(例えば、最寄りの公共交通機関の降車位置から所定距離以上離れた目的地であって当該降車位置の周辺にシェアマイクロモビリティの取り置きが存在する目的地の指定)を含む経路探索条件、過去のシェアマイクロモビリティ利用経路の探索履歴に対応付けられた経路探索条件などであってもよい。シェアマイクロモビリティ利用経路の探索には、経路ネットワーク情報が用いられる。経路提示部321は、探索によって取得されたシェアマイクロモビリティ利用経路を示す経路情報を端末装置2に送信することで、端末装置2を介してユーザにシェアマイクロモビリティ利用経路を提示する。なお、経路探索条件は、必ずしもシェアマイクロモビリティの利用を含むことに限定されない。すなわち、経路提示部321は、シェアマイクロモビリティ利用経路以外の移動経路を提示することもできる。
【0027】
取り置き可能時間取得部322は、シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得する。取り置き可能時間は、予約したシェアマイクロモビリティを他者に利用されることなく取り置き場所に留めておくことができる時間、言い換えれば、シェアマイクロモビリティの予約時刻から利用開始までの猶予時間、あるいは、予約状態の有効期間である。取り置き可能時間取得部322は、通信によって他のサーバ(例えば、シェアマイクロモビリティサービスの提供者のサーバ)から取り置き可能時間を受信して取得してもよく、または、自身のサーバの記憶部33から取り置き可能時間を読み出して取得してもよい。さらに、ユーザの会員種別などの利用情報から、シェアマイクロモビリティの取り置き可能時間を取得してもよい。一例として、月額課金を利用しているユーザであれば、月額課金に対応した取り置き可能時間(例えば60分)を取得してもよい。シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティが返却される取り置き場所は、シェアマイクロモビリティが貸し出される取り置き場所と同じであってもよいし、または、異なっていてもよい。シェアマイクロモビリティの返却時刻は、例えば、予め利用料金が決められている場合には、利用開始時刻から一定の時間内に制限されていてもよいし、または、利用時間に応じて利用料金が増加する場合には、制限されていなくてもよい。また、利用中のシェアマイクロモビリティを取り置き場所に返却するためには、取り置き場所が空いている(すなわち、他のシェアマイクロモビリティで埋まっていない)ことが必要となる。そこで、利用中のシェアマイクロモビリティの取り置き場所への返却を予約可能か否かを判断するため、取り置き可能時間取得部322は、例えば、シェアマイクロモビリティの返却の予約を開始する入力操作が行われたときに、返却場所を取り置く(確保する)ことができる時間である返却場所の取り置き可能時間を取得してもよい。返却場所の取り置き可能時間は、主に、取り置き場所の空き状況および他のシェアマイクロモビリティの返却の予約状況に影響される。取り置き可能時間取得部322は、シェアマイクロモビリティサービスの提供者のサーバとの通信によって、返却場所の取り置き可能時間を取得してもよい。あるいは、取り置き可能時間取得部322は、取り置き場所の利用頻度および天候情報等を考慮して返却場所の取り置き可能時間を予想してもよい。
【0028】
予約判断部323は、取り置き可能時間に基づいてシェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断する。より詳しくは、予約判断部323は、予め決められた判断基準にしたがって、シェアマイクロモビリティの予約の可否を判断する。
【0029】
例えば、予約判断部323は、後述するシェアマイクロモビリティ利用経路に相関する各種の時間、シェアマイクロモビリティの取り置き場所の利用情報、天候情報および経路にしたがったユーザの移動状況の少なくとも1つを判断基準として、シェアマイクロモビリティの予約の可否を判断する。
【0030】
シェアマイクロモビリティ利用経路に相関する時間を判断基準とする場合、当該時間は、シェアマイクロモビリティの利用開始予定時刻を含んでいてもよい。この場合、予約判断部323は、利用開始予定時刻よりも取り置き可能時間だけ前の時刻になったことを条件の1つとしてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断してもよい。シェアマイクロモビリティの利用開始予定時刻は、シェアマイクロモビリティの取り置き場所への到着予定時刻基準であってもよい。この場合、予約判断部323は、ユーザの移動状況を更なる判断基準として考慮し、ユーザの移動状況に応じて到着予定時刻を変化させてもよい。具体的には、一例として、ユーザが経路にしたがって移動を開始した後にユーザの移動に遅延が生じた場合、予約判断部323は、端末装置2の位置情報やシェアマイクロモビリティ利用経路上の移動手段(例えば、電車等)の遅延情報などに基づいて到着予定時刻を遅くしてもよい。言い換えれば、予約判断部323は、到着予定時刻に合わせてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断するタイミングを遅らせてもよい。さらに言い換えれば、予約関連処理部324は、到着予定時刻に合わせてシェアマイクロモビリティの予約の実行を遅らせてもよい。あるいは、予約判断部323は、到着予定時刻の少しの遅れでシェアマイクロモビリティの予約がキャンセルされることを回避するため、到着予定時刻の遅れを当初から考慮して、到着予定時刻よりも取り置き可能時間-所定時刻(例えば、5分)だけ前の時刻になったことを条件の1つとしてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断してもよい。この場合、所定時刻の設定には、シェアマイクロモビリティの取り置き場所までの交通量の履歴や公共交通機関の遅延情報の履歴などの統計的な情報を考慮してもよい。
【0031】
また、シェアマイクロモビリティ利用経路に相関する時間を判断基準とする場合、当該時間は、シェアマイクロモビリティの取り置き場所への所要時間を含んでいてもよい。この場合、予約判断部323は、取り置き場所への所要時間が取り置き可能時間以下となったことを条件の1つとしてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断してもよい。
【0032】
シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの取り置き場所の利用情報を判断基準とする場合、当該利用情報は、取り置き場所におけるシェアマイクロモビリティの貸出可能台数を含んでいてもよい。この場合、予約判断部323は、例えばシェアマイクロモビリティサービスの提供者のサーバとの通信またはシェアマイクロモビリティやシェアマイクロモビリティのポートに設置される装置との通信によって取得されたシェアマイクロモビリティの貸出可能台数(すなわち残台数)が閾値以下となったことを条件の1つとして、シェアマイクロモビリティを予約可能と判断してもよい。貸出可能台数の閾値は、例えば、端末装置2の入力部23を用いたユーザ操作によって事前に設定可能であってもよく、または、サーバ3が事前に設定可能であってもよい。サーバ3が閾値を設定する場合は、取り置き場所の最大貸出可能台数を考慮した閾値を設定してもよく、または、貸出時間帯の貸出可能台数の統計値を考慮した閾値を設定してもよい。また、貸出可能台数は、バッテリー残量が所定量以上であると判断されたシェアマイクロモビリティの台数であってもよい。
【0033】
また、予約判断部323は、シェアマイクロモビリティの貸出可能台数が0台、またはユーザが設定した閾値に達していない場合は、たとえ時間による判断基準が満たされていてもシェアマイクロモビリティを予約不可と判断してもよい。貸出可能台数が閾値に達していない場合、予約判断部323は、ユーザの移動状況などを考慮して確実に取り置き場所に到着すると判断した際にシェアマイクロモビリティを予約可能と判断してもよい。予約関連処理部324は、予約不可と判断した旨をユーザに通知してもよい。
【0034】
また、天候情報を判断基準とする場合、予約判断部323は、晴天または曇天であることを条件の1つとしてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断してもよい。一方、予約判断部323は、雨天の場合は、たとえ時間による判断基準および貸出可能台数による判断基準が満たされていても、シェアマイクロモビリティを予約不可と判断してもよい。
【0035】
予約関連処理部324は、予約判断部323の判断の結果に基づいてシェアマイクロモビリティの予約に関する処理を実行する。
【0036】
シェアマイクロモビリティの予約に関する処理は、シェアマイクロモビリティの自動予約の実行を含んでいてもよい。この場合、予約関連処理部324は、予約判断部323によってシェアマイクロモビリティを予約可能と判断されたときにシェアマイクロモビリティの自動予約を実行してもよい。この場合、予約関連処理部324は、予約判断部323によってシェアマイクロモビリティを予約不可と判断されているときは、シェアマイクロモビリティの自動予約を実行しない。シェアマイクロモビリティの予約に関する処理は、シェアマイクロモビリティの手動予約の実行を含んでいてもよい。
【0037】
シェアマイクロモビリティの予約に関する処理は、決済を含んでもよい。この場合、予約関連処理部324は、予約判断部323によってシェアマイクロモビリティを予約可能と判断された場合に、ユーザの了承(ユーザ操作)を得たうえで決済を実行してもよい。
【0038】
シェアマイクロモビリティの予約に関する処理は、料金を払って取り置き可能時間を延長する処理またはシェアマイクロモビリティを利用開始とする処理を含んでいてもよい。この場合、予約関連処理部324は、シェアマイクロモビリティを自動予約した後のユーザの移動状況によって取り置き可能時間内の利用開始に間に合わないと判断された場合に、料金を払って取り置き可能時間を延長する処理またはシェアマイクロモビリティを利用開始とする処理を実行してもよい。料金を払う場合、予約関連処理部324は、利用開始時刻までの所要時間(すなわち、遅延時間)に応じた料金を決定してもよい。料金には、保険が適用されてもよい。ここで、保険とは、シェアマイクロモビリティなどの経路探索結果によって利用予定となった移動体による利用が叶わなかった場合に、代替手段を講じて目的地までの移動を可能とする保険である。当該保険に加入していることをユーザ情報として記憶しておくことで、不測の事態が発生した場合に保険の適用を受けられる。保険を適用させる条件として、移動経路を事前に登録し、当該移動経路中の位置情報を定期的にシステムへ記録してもよい。また、代替手段の一例として、予約関連処理部324は、シェアマイクロモビリティの利用可能台数が減少傾向で、かつ、取り置き可能時刻に達していないためにシェアマイクロモビリティの予約が困難であると判断した場合、取り置き可能時刻に達していなくとも、料金を支払わずとも優先的にシェアマイクロモビリティの取り置き(すなわち、予約)を実行してもよい。
【0039】
また、シェアマイクロモビリティの予約に関する処理は、シェアマイクロモビリティに代替する移動手段の利用を案内する処理を含んでいてもよい。この場合、予約関連処理部324は、予約判断部323によってシェアマイクロモビリティを予約不可と判断された場合に、シェアマイクロモビリティに代替する代替移動手段の利用を案内してもよい。この場合、予約関連処理部324は、シェアマイクロモビリティを利用できないことを通知してもよい。代替移動手段は、例えば、タクシーなどのシェアマイクロモビリティと比較して費用、快適性、目的地への予定時間内の到着の確実性が高い移動手段であってもよい。予約関連処理部324は、ユーザの承認を得たうえで、案内した代替移動手段を予約してもよい。代替移動手段の利用の案内は、代替移動手段を利用する新たな移動経路の案内をともなってもよい。さらに、代替移動手段を利用し当初予定していた到着時刻に目的地へ到着できる移動経路の案内をともなってもよい。
【0040】
代替移動手段の費用には、シェアマイクロモビリティを含む移動手段の利用にともなって発生した損害を補償する保険が適用されてもよい。保険の加入の態様は特に限定されず、ユーザが積極的に保険会社に加入手続をする他、予約関連処理部324がユーザに加入を案内してもよい。例えば、予約関連処理部324は、シェアマイクロモビリティ利用経路の経路情報を提示する際またはシェアマイクロモビリティの自動予約の際に保険の加入をユーザに案内してもよい。この場合、予約関連処理部324は、ユーザ操作に応じて保険の加入手続を実行してもよい。予約関連処理部324は、保険の種類(例えば、保険料、課金方式、加入期間、補償範囲等)に応じて、案内する代替移動手段を異ならせてもよい。例えば、予約関連処理部324は、保険料が高いコース、シェアマイクロモビリティ乗り放題の定額課金コース(サブスクリプション)、少なくとも1種類のシェアマイクロモビリティの乗り放題と電車乗り放題等とをセットにした定額課金のパス保険コースなどの場合には、案内する代替移動手段の種類および費用を多くしてもよい。なお、代替移動手段は、シェアマイクロモビリティと費用的に同レベルの移動手段であってもよい。例えば、予約関連処理部324は、シェアサイクルの代替移動手段として、シェアキックボードまたは電動車いすの利用を案内してもよい。代替移動手段は、費用的にシェアマイクロモビリティ以上のレベルの移動手段であってもよい。例えば、予約関連処理部324は、シェアサイクルの代替移動手段として、オンデマンドバスまたはタクシーの利用を案内してもよい。
【0041】
シェアマイクロモビリティの予約に関する処理は、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの取り置き場所と異なる取り置き場所でのシェアマイクロモビリティの利用を案内する処理を含んでいてもよい。この場合、予約関連処理部324は、予約判断部323によってシェアマイクロモビリティを予約不可と判断された場合に、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの取り置き場所と異なる取り置き場所でのシェアマイクロモビリティの利用を案内してもよい。この場合、経路提示部321は、異なる取り置き場所からシェアマイクロモビリティを利用する新たなシェアマイクロモビリティ利用経路を探索(再探索)し、探索された新たなシェアマイクロモビリティ利用経路を提示してもよい。経路提示部321は、複数の新たなシェアマイクロモビリティ利用経路の候補を選択肢として比較可能な状態で提示してもよい。予約関連処理部324は、ユーザの承認を得たうえで、新たなシェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所でのシェアマイクロモビリティの利用を予約してもよい。
【0042】
上記のシェアマイクロモビリティの予約に関する処理の他にも、予約関連処理部324は、利用時間帯のシェアマイクロモビリティの使用頻度もしくは空車率から、移動経路に示されるシェアマイクロモビリティの利用時間での貸し出しが困難であると予測される場合は、1日利用、半日利用などのシェアマイクロモビリティのパスの購入をユーザにレコメンドしてもよい。
【0043】
また、既述したように、取り置き可能時間取得部322が返却場所の取り置き可能時間を取得する場合、予約判断部323は、取得された返却場所の取り置き可能時間に基づいて、シェアマイクロモビリティの返却を予約可能か否かを判断する。例えば、予約判断部323は、取り置き場所への到着予定時刻が返却場所の取り置き可能時間内である場合には、シェアマイクロモビリティの返却を予約可能であると判断してもよい。シェアマイクロモビリティの返却を予約可能であると判断された場合、予約関連処理部324は、予約可能と判断された取り置き場所へのシェアマイクロモビリティの返却の予約を実行する。返却の予約を受け付けたシェアマイクロモビリティサービスの提供者のサーバは、例えば、予約された取り置き場所への返却の予約を登録し、予約された取り置き場所への他のシェアマイクロモビリティの返却および返却予約を禁止する。
【0044】
(動作例)
次に、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作例について説明する。図2は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作例を示すフローチャートである。
【0045】
図2に示すように、先ず、端末装置2の制御部22は、入力部23を用いたユーザ操作に応じてシェアマイクロモビリティの利用を含む経路探索条件を設定し、設定された経路探索条件を通信部21からサーバ3に送信する(ステップS21)。
【0046】
次いで、サーバ3の経路提示部321は、端末装置2から送信された経路探索条件を通信部31から受信し、受信された経路探索条件にしたがった経路探索を行うことで、シェアマイクロモビリティ利用経路を示す経路情報を取得する。経路提示部321は、取得されたシェアマイクロモビリティ利用経路を示す経路情報を通信部31から端末装置2に送信することで、端末装置2を介してユーザにシェアマイクロモビリティ利用経路を提示する(ステップS31)。
【0047】
具体的には、端末装置2の情報提示部221は、サーバ3から送信されたシェアマイクロモビリティ利用経路を示す経路情報を通信部21から受信し、受信された経路情報を出力部24に出力させることで、シェアマイクロモビリティ利用経路をユーザに提示する。図3は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作例として、画面遷移の一例を示す図である。図3に示される例において、経路提示部321は、シェアサイクルの利用区間を含むシェアマイクロモビリティ利用経路の表示画面SC1を出力部24に表示させることで、シェアマイクロモビリティ利用経路を提示する。表示画面SC1のうち、シェアサイクルの利用区間には、自動予約のリクエストボタンB1および予約の確認、変更または追加のリクエストボタンB2が表示されている。端末装置2の制御部22は、ユーザによるリクエストボタンB1の操作に応じて、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの自動予約のリクエストをサーバ3に送信する(ステップS22)。
【0048】
次いで、サーバ3の取り置き可能時間取得部322は、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の取り置き可能時間を取得する(ステップS32)。
【0049】
次いで、サーバ3の予約判断部323は、既述した判断基準(時間や貸出可能台数など)に基づいてシェアマイクロモビリティの予約の可否を判断する(ステップS33)。
【0050】
次いで、サーバ3の予約関連処理部324は、予約判断部323によってシェアマイクロモビリティを予約可能と判断されたときに、シェアマイクロモビリティの自動予約を実行し、実行後に自動予約の完了通知を行う(ステップS34)。一方、予約関連処理部324は、予約判断部323によってシェアマイクロモビリティを予約不可と判断されたときは、シェアマイクロモビリティの自動予約を実行しない。例えば、図3では、取り置き可能時間が20分である前提において、予約判断部323は、取り置き場所への到着予定時刻が経路探索実行時から20分以上後の時刻である場合には、到着予定時刻の20分前(利用開始20分前)に、シェアマイクロモビリティを利用すると判断する。なお、予約判断部323は、5分のバッファを持たせて、到着予定時刻の15分前にシェアマイクロモビリティを利用すると判断してもよい。これにより、予約関連処理部324は、利用開始20分前にシェアサイクルの自動予約を実行して自動予約の完了を通知する通知画面SC2を端末装置2に表示させる。また、予約関連処理部324は、予約内容を通知する予約内容画面SC3を端末装置2に表示させる。予約内容画面SC3は、例えば、予約した自転車の識別番号や解錠パスコードなどの情報を含んでいてもよい。一方、取り置き場所への到着予定時刻が経路探索実行時から20分未満の時刻である場合には、予約関連処理部324は、経路画面上の利用予約ボタンB1が押されると、通常の手動による予約画面を表示し、予約画面に対するユーザ操作に応じた予約を実行する。なお、取り置き場所への到着予定時刻が経路探索実行時から20分未満の時刻である場合、予約関連処理部324は、直ちに自動予約を実行してもよい。
【0051】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。図4に示される例において、予約判断部323は、利用開始20分前であっても、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の貸出可能台数が0台であるため、シェアマイクロモビリティを利用不可と判断する。これにより、予約関連処理部324は、代替移動手段の利用案内を通知する通知画面SC4を端末装置2に表示させる。通知画面SC4は、ユーザ操作によって選択可能な表示態様で表示される。通知画面SC4が選択(すなわち、代替移動手段が承認)されると、予約関連処理部324は、シェアサイクル区間の代替移動手段(例えば、タクシー)を予約し、代替移動手段の利用区間を含む新たな移動経路の表示画面SC5を端末装置2に表示させる。
【0052】
図5は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。図5に示される例において、予約判断部323は、利用開始20分前であっても、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の貸出可能台数が0台であるため、シェアマイクロモビリティを利用不可と判断する。これにより、予約関連処理部324は、代替経路の利用案内を通知する通知画面SC6を端末装置2に表示させる。通知画面SC6は、ユーザ操作によって選択可能な表示態様で表示される。通知画面SC6が選択(すなわち、代替経路が承認)されると、経路提示部321は、シェアマイクロモビリティ利用経路に代替する代替経路を探索し、探索された代替経路の表示画面SC7を端末装置2に表示させる。代替経路の移動手段は、例えば、電車やタクシーなどのシェアマイクロモビリティ以外の移動手段である。代替経路の移動手段は、当初のシェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティと異なる種類のシェアマイクロモビリティを含んでいてもよい。
【0053】
図6は、第1の実施形態に係る情報処理システム1の動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。図6に示される例において、予約判断部323は、利用開始20分前であっても、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の貸出可能台数が0台であるため、シェアマイクロモビリティを予約不可と判断する。これにより、予約関連処理部324は、シェアマイクロモビリティ利用経路上のポートの周辺のポートでのシェアサイクルの利用案内を通知する通知画面SC8を端末装置2に表示させる。通知画面SC8は、ユーザ操作によって選択可能な表示態様で表示される。通知画面SC8が選択されると、経路提示部321は、シェアマイクロモビリティ利用経路上のポートの周辺ポートを検索し、検索された周辺のポートの表示画面SC9を端末装置2に表示させる。なお、表示画面SC9上の「×」印は、予約不可と判断されたポートである。経路提示部321は、表示画面SC9上の周辺ポートPがユーザ操作によって選択された場合に、選択された周辺ポートPでシェアサイクルを利用する新たなシェアマイクロモビリティ利用経路を探索する。経路提示部321は、探索された新たなシェアマイクロモビリティ利用経路を端末装置2に表示させる。
【0054】
以上述べたように、第1の実施形態によれば、経路提示部321で提示されたシェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の取り置き可能時間を、取り置き可能時間取得部322で取得し、取得された取り置き可能時間にシェアマイクロモビリティを予約可能か否かを予約判断部323で判断し、判断の結果に基づいてシェアマイクロモビリティの自動予約を予約関連処理部324で実行することで、シェアマイクロモビリティの利用の確実性を向上させることができる。言い換えれば、シェアマイクロモビリティを少なくとも含む経路による移動の確実性、すなわち、ユーザに提示した移動経路での移動確実性を向上させることができる。また、予約関連処理部324が決済を実行することで、シェアマイクロモビリティの利用の利便性を向上させることができる。
【0055】
また、第1の実施形態によれば、予約判断部323が、時間、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの取り置き場所の利用情報、天候情報およびシェアマイクロモビリティ利用経路にしたがったユーザの移動状況の少なくとも1つに基づいてシェアマイクロモビリティを予約可能か否かを判断することで、シェアマイクロモビリティの利用の可否を適切に判断することができる。
【0056】
また、第1の実施形態によれば、予約判断部323が、シェアマイクロモビリティの利用開始予定時刻よりも取り置き可能時間だけ前の時刻になったことを条件としてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断することで、シェアマイクロモビリティの利用の確実性を効果的に高めることができる。
【0057】
また、第1の実施形態によれば、予約判断部323が、シェアマイクロモビリティの取り置き場所への到着予定時刻よりも取り置き可能時間だけ前の時刻になったことを条件としてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断することで、シェアマイクロモビリティの利用の確実性をより効果的に高めることができる。この場合、予約判断部323は、ユーザの移動状況に応じて到着予定時刻を変化させることでシェアマイクロモビリティの利用の確実性をより効果的に高めることができる。
【0058】
また、第1の実施形態によれば、予約判断部323が、シェアマイクロモビリティの取り置き場所への移動所要時間が取り置き可能時間以下となったことを条件としてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断することで、シェアマイクロモビリティの利用の確実性を効果的に高めることができる。
【0059】
また、第1の実施形態によれば、予約関連処理部324が、シェアマイクロモビリティを予約した後のユーザの移動状況によって取り置き可能時間内の利用開始に間に合わないと判断された場合に、料金を払って取り置き可能時間を延長する処理またはシェアマイクロモビリティを利用開始とする処理を実行することで、シェアマイクロモビリティの利用の確実性をより効果的に高めることができる。
【0060】
また、第1の実施形態によれば、予約判断部323が、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所におけるシェアマイクロモビリティの貸出可能台数が閾値以下となったことを条件としてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断することで、シェアマイクロモビリティの利用の確実性をより効果的に高めることができる。
【0061】
また、第1の実施形態によれば、予約判断部323が、シェアマイクロモビリティの貸出可能台数が0台または所望する台数に満たない場合にシェアマイクロモビリティを予約不可と判断することで、無駄なシェアマイクロモビリティの自動予約を回避することができる。
【0062】
また、第1の実施形態によれば、予約関連処理部324が、シェアマイクロモビリティを予約不可と判断された場合に代替移動手段の利用を案内することで、ユーザの利便性を向上させることができる。すなわち、シェアマイクロモビリティを少なくとも含む経路での移動が困難となる場合に、当初の経路に相当する、もしくはそれ以上の代替経路によるユーザビリティを向上させることができる。
【0063】
また、第1の実施形態によれば、予約関連処理部324が、シェアマイクロモビリティを予約不可と判断された場合に、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの取り置き場所と異なる取り置き場所でのシェアマイクロモビリティの利用を案内することで、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0064】
(第2の実施形態)
次に、シェアマイクロモビリティの予約に関する通知処理を実行する第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、予約関連処理部324が、シェアマイクロモビリティの予約に関する処理としてシェアマイクロモビリティの自動予約を実行する例について説明した。これに対して、第2の実施形態では、予約関連処理部324が、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の取り置き可能時間に基づいて、シェアマイクロモビリティの予約に関する通知処理を実行してユーザの予約を促す。以下、このような予約関連処理部324の動作を含む第2の実施形態による情報処理システム1の動作例について説明する。
【0065】
図7は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作例を示すフローチャートである。図7に示すように、先ず、端末装置2の制御部22は、入力部23を用いたユーザ操作に応じてシェアマイクロモビリティの利用を含む経路探索条件を設定し、設定された経路探索条件をサーバ3に送信する(ステップS21)。
【0066】
次いで、サーバ3の経路提示部321は、端末装置2から送信された経路探索条件を受信し、受信された経路探索条件にしたがった経路探索を行うことで、シェアマイクロモビリティ利用経路を示す経路情報を取得する。経路提示部321は、取得されたシェアマイクロモビリティ利用経路を示す経路情報を端末装置2に送信することで、端末装置2を介してユーザにシェアマイクロモビリティ利用経路を提示する(ステップS31)。
【0067】
具体的には、端末装置2の情報提示部221は、サーバ3から送信されたシェアマイクロモビリティ利用経路を示す経路情報を受信し、受信された経路情報を出力部24に出力させることで、シェアマイクロモビリティ利用経路を提示する。図8は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作例として、画面遷移の一例を示す図である。図8に示される例において、経路提示部321は、シェアサイクルの利用区間を含むシェアマイクロモビリティ利用経路の表示画面SC11を表示する。表示画面SC11のうち、シェアサイクルの利用区間には、通知処理の一例である予約案内通知のリクエストボタンB3、予約のリクエストボタンB4および予約の確認、変更または追加のリクエストボタンB2が表示されている。端末装置2の制御部22は、ユーザによるリクエストボタンB3の操作に応じて、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの予約案内通知のリクエストをサーバ3に送信する(ステップS24)。
【0068】
次いで、サーバ3の取り置き可能時間取得部322は、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の取り置き可能時間を取得する(ステップS32)。
【0069】
次いで、予約関連処理部324は、予約案内通知の条件が満たされたときに、シェアマイクロモビリティの予約案内通知を実行する(ステップS35)。予約関連処理部324は、第1の実施形態で説明した各種の判断基準(時間や貸出可能台数など)に基づいてシェアマイクロモビリティを予約可能と判断された場合に、予約案内通知を実行してもよい。図8に示される例において、予約関連処理部324は、取り置き場所への到着予定時刻よりも取り置き可能時間だけ前の時刻の一例である利用開始20分前に、予約案内を通知する通知画面SC11を端末装置2に表示させる。図8に示される例において、通知画面SC11は、シェアサイクル確保可能時間になったことを通知している。
【0070】
端末装置2の制御部22は、ユーザによる予約のリクエストボタンB4の操作に応じて、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの予約リクエストをサーバ3に送信する(ステップS25)。
【0071】
予約関連処理部324は、端末装置2から送信された予約リクエストに応じて、シェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの予約を実行する(ステップS36)。図8に示される例において、予約関連処理部324は、シェアマイクロモビリティの選択操作および選択されたシェアマイクロモビリティの決定操作が可能とされた予約画面SC12を端末装置2に表示させる。予約関連処理部324は、予約画面SC12に対する選択操作および決定操作が行われたシェアマイクロモビリティの予約を実行する。
【0072】
図9は、第2の実施形態に係る情報処理システム1の動作例として、画面遷移の他の一例を示す図である。図9に示される例において、予約関連処理部324は、利用開始20分前であっても、シェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の貸出可能台数が減ってきた(例えば、閾値以下となった)ため、予約案内を通知する通知画面SC13を端末装置2に表示させる。図9に示される例において、通知画面SC13は、利用予定のポートのシェアマイクロモビリティが減っているため予約可能か否かを通知している。
【0073】
その他にも、例えば、図10に示すように、予約関連処理部324は、端末装置2にシェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの空き予測情報Iを表示させてもよい。空き予測情報Iは、利用時間帯のシェアマイクロモビリティの使用頻度もしくは空車率に基づいて生成してもよい。ユーザは、空き予測情報Iに基づいてシェアマイクロモビリティ利用経路上のシェアマイクロモビリティの予約の可否を判断してもよい。
【0074】
第2の実施形態によれば、経路提示部321で提示されたシェアマイクロモビリティ利用経路上の取り置き場所の取り置き可能時間を、取り置き可能時間取得部322で取得し、取得された取り置き可能時間に基づいてシェアマイクロモビリティの予約に関する通知処理(予約案内通知)を予約関連処理部324で実行することで、シェアマイクロモビリティの利用の確実性を向上させることができる。
【0075】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。情報処理システムをソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0076】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0077】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0078】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実施するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0079】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
2 端末装置
3 サーバ
321 経路提示部
322 取り置き可能時間取得部
323 予約判断部
324 予約関連処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10