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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018419
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】テールゲート用スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20220120BHJP
   E05B 83/18 20140101ALI20220120BHJP
【FI】
B60J5/10 Z
E05B83/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121516
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】高見 晃彦
(72)【発明者】
【氏名】島田 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 尭大
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雄高
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250HH01
2E250JJ47
2E250KK02
2E250LL05
2E250MM05
2E250SS09
(57)【要約】
【課題】オープンスイッチとロックスイッチの誤操作を防止する上で有利なテールゲート用スイッチ装置を提供すること。
【解決手段】オープンスイッチ26の配置領域A1に対向する底壁部36の第1領域B1と、ロックスイッチ28の配置領域A2に対向する底壁部36の第2領域B2とは、縦壁部36の下端から開口部38までの長さL1、L2が異なっている。利用者がオープンスイッチ26を押圧操作しようとする場合と、利用者がロックスイッチ28を押圧操作しようとする場合とで、底壁部36の下方に挿入した指の第1指節の腹の部分に当たる開口部38の位置(オープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aとロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aとの位置)が異なっていることを利用者が確実に把握することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後部空間を開閉するテールゲートと、
前記テールゲートに設けられ、押圧操作によりラッチ解除信号を出力して前記テールゲートを開放可能とするオープンスイッチと、
車幅方向において前記オープンスイッチと隣接して前記テールゲートに設けられ、押圧操作によりロック信号を出力して前記テールゲートを施錠するロックスイッチと、
前記テールゲートに設けられ、前記オープンスイッチと前記ロックスイッチとを車両後方から覆うガーニッシュと、
を備えたテールゲート用スイッチ装置であって、
前記ガーニッシュは、前記オープンスイッチおよび前記ロックスイッチの車両後方を覆う縦壁部と、前記オープンスイッチおよび前記ロックスイッチを押圧操作するための開口部が形成され、前記縦壁部の下端から車両前方に延在する底壁部と、を有し、
前記オープンスイッチの配置領域に対向する前記底壁部の第1領域と、前記ロックスイッチの配置領域に対向する前記底壁部の第2領域とは、前記縦壁部の下端から前記開口部までの長さが異なることを特徴とするテールゲート用スイッチ装置。
【請求項2】
前記第2領域は、前記第1領域よりも前記縦壁部の下端から前記開口部までの長さが長いことを特徴とする請求項1に記載のテールゲート用スイッチ装置。
【請求項3】
前記オープンスイッチは、前記ガーニッシュの車幅方向中央に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のテールゲート用スイッチ装置。
【請求項4】
前記オープンスイッチの配置領域には、前記オープンスイッチを押圧操作するためのオープンスイッチ押圧部が設けられたオープンスイッチ台座部が配置され、
前記ロックスイッチの配置領域には、前記ロックスイッチを押圧操作するためのロックスイッチ押圧部が設けられたロックスイッチ台座部が配置され、
前記ロックスイッチ台座部は前記オープンスイッチ台座部よりも突出していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のテールゲート用スイッチ装置。
【請求項5】
前記オープンスイッチは、前記ロックスイッチよりも各スイッチを押圧操作するための押圧領域が大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のテールゲート用スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテールゲート用スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の後部空間を開閉するテールゲートに、テールゲートのロック状態を解除するオープンスイッチと、テールゲートおよび全ドアをロックするロックスイッチとが設けられたテールゲート用スイッチ装置が提供されている。
このテールゲート用スイッチ装置によれば、荷室から荷物を出し入れした後、キーをポケットやバックから取り出すことなくロックスイッチの操作でテールゲートおよび全ドアをロックできることから、車両のロック操作の利便性を向上する上で有利となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-189462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のテールゲートでは、オープンスイッチとロックスイッチとが近接して車幅方向に並べられていることから、オープンスイッチとロックスイッチとを誤操作し易い。
すなわち、テールゲートを開こうとして、誤ってロックスイッチを押圧すると、テールゲートおよび全ドアがロックされてしまい、テールゲートを開くことができなくなるのみではなく全ドアを開くことができなくなる。
特に、エンジン動作時に誤ってロックスイッチを押圧すると、アラーム音が鳴り響く。
また、オープンスイッチよりもロックスイッチが僅かに下方に位置している場合が多く、オープンスイッチを手探りしたとき、突出しているロックスイッチを誤操作し易い。
本発明は前記事情に鑑み案出されたもので、本発明の目的は、オープンスイッチとロックスイッチの誤操作を防止する上で有利なテールゲート用スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、車両の後部空間を開閉するテールゲートと、前記テールゲートに設けられ、押圧操作によりラッチ解除信号を出力して前記テールゲートを開放可能とするオープンスイッチと、車幅方向において前記オープンスイッチと隣接して前記テールゲートに設けられ、押圧操作によりロック信号を出力して前記テールゲートを施錠するロックスイッチと、前記テールゲートに設けられ、前記オープンスイッチと前記ロックスイッチとを車両後方から覆うガーニッシュと、を備えたテールゲート用スイッチ装置であって、前記ガーニッシュは、前記オープンスイッチおよび前記ロックスイッチの車両後方を覆う縦壁部と、前記オープンスイッチおよび前記ロックスイッチを押圧操作するための開口部が形成され、前記縦壁部の下端から車両前方に延在する底壁部と、を有し、前記オープンスイッチの配置領域に対向する前記底壁部の第1領域と、前記ロックスイッチの配置領域に対向する前記底壁部の第2領域とは、前記縦壁部の下端から前記開口までの長さが異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、利用者がオープンスイッチを押圧操作しようとする場合と、利用者がロックスイッチを押圧操作しようとする場合とで、底壁部の下方に挿入した指に当たる開口部の位置が異なっていることを利用者が確実に把握することができる。
したがって、オープンスイッチとロックスイッチとをより確実に判別することができ、オープンスイッチとロックスイッチとを取り違えて誤操作することを防止する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態のテールゲート用スイッチ装置が適用された車両後部の斜視図である。
図2】オープンスイッチ部分の車両の断面側面図である。
図3】ロックスイッチ部分の車両の断面側面図である。
図4図2のC矢視図である。
図5図2のD-D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
以下の図面において符号UPは車両上方を示し、符号FRは車両前方を示し、符号HLは車幅方向を示す。
図1に示すように、車両10の後部に後部空間12が形成され、後部空間12に対して荷物の出し入れを行なうための後部開口部1002が形成され、後部開口部1002は跳ね上げ式のテールゲート14により開閉される。
テールゲート14は、荷室側に位置するインナーパネル(不図示)と、インナーパネルの外側に取り付けられたアウターパネル16とを備え、テールゲート14の上半部にはリアウインドウガラス1402が設けられている。
テールゲート14の車幅方向中央の下部のアウターパネル16の箇所に、ライセンスプレート18を取り付けるための取り付け部1602が車両前方に窪んで設けられている。
【0009】
図2図5に示すように、取り付け部1602の上方のアウターパネル16の箇所にはテールゲート用スイッチ装置20が設けられている。
テールゲートスイッチ装置20は、後述するオープンスイッチ26およびロックスイッチ28を備えるスイッチ本体21と、スイッチ本体21を車両後方から覆うガーニッシュ22とを含んで構成されている。
スイッチ本体21は、取り付け部1602の上方のアウターパネル16の箇所に取り付けられたブラケット24を介してテールゲート14に設けられている。
ブラケット24は、車幅方向に細長状を呈し、ベース部24Aと、突出部24Bとを含んで構成されている。
図2に示すように、ベース部24Aは、クリップ2402を介してアウターパネル16の裏面に取着されている。
突出部24Bは、ベース部24Aからアウターパネル16の欠部1604を通って車両後方に突出している。
突出部24Bは、図2図5に示すように、上壁部2412と、下壁部2414と、車幅方向両側の一対の側壁部2416とを含んで構成されている。
下壁部2414に開口2418が設けられ、この開口2418を介してスイッチ本体21を収納する下方に開放状の収納部2420が設けられている。すなわち収納部2420は上壁部2412と、下壁部2414と、車幅方向両側の一対の側壁部2416とで構成され、言い換えると、収納部2420は突出部24Bに設けられている。
【0010】
スイッチ本体21は、基板部2002と、オープンスイッチ26と、ロックスイッチ28と、カバー部材30とを含んで構成されている。
基板部2002は、ねじN1などを介して下壁部2414に取り付けられ、基板部2002の下方に向いた面が実装面となっている。
オープンスイッチ26は、テールゲート14に設けられ、基板部2002に実装されるオープンスイッチ本体2602と、オープンスイッチ本体2602から突設され押圧操作されるオープンスイッチ押圧片2604と、後述するカバー部材30の部分で構成されたオープンスイッチ押圧部3002とを含んで構成されている。
ロックスイッチ28は、車幅方向においてオープンスイッチ26と隣接して設けられている。
ロックスイッチ28は、基板部2002に実装されるロックスイッチ本体2802と、ロックスイッチ本体2802から突設され押圧操作されるロックスイッチ押圧片2804と、後述するカバー部材30の部分で構成されたロックスイッチ押圧部3004とを含んで構成されている。
【0011】
カバー部材30は、可撓性を有する材料により構成されている。
カバー部材30は、基板部2002を実装面側から覆うことでオープンスイッチ本体2602とオープンスイッチ押圧片2604とを保護し、また、後述するロックスイッチ本体2802とロックスイッチ押圧片2804とを保護するものである。
カバー部材30は、実装面の全域を下方から覆う下面部30Aと、下壁部2414の全周に取り付けられる周面部30Bとを備えている。
下面部30Aには、オープンスイッチ配置領域A1とロックスイッチ配置領域A2とが車幅方向に並べられて設けられている。
オープンスイッチ配置領域A1には、オープンスイッチ26を押圧操作するためのオープンスイッチ押圧部3002が設けられたオープンスイッチ台座部3020が配置されている。
オープンスイッチ押圧部3002は、オープンスイッチ押圧片2604に対向する下面部30Aの箇所に設けられ、下方に向けられている。
オープンスイッチ押圧部3002は、車幅方向に細長の長円形を呈している。
オープンスイッチ押圧部3002を押圧すると、オープンスイッチ押圧部3002が変位してオープンスイッチ押圧片2604を押圧し、これによりオープンスイッチ本体2602が作動してラッチ解除信号が出力される。
オープンスイッチ押圧部3002の長手方向の中心とオープンスイッチ押圧片2604とは車幅方向の中心に位置している。言い換えると、オープンスイッチ30はガーニッシュ22の車幅方向中央に配置されている。
【0012】
ロックスイッチ配置領域A2には、ロックスイッチ28を押圧操作するためのロックスイッチ押圧部2802が設けられたロックスイッチ台座部3022が配置されている。
図5に示すように、ロックスイッチ押圧部3004とその周辺のカバー部材30の周辺部3006は、オープンスイッチ押圧部3002よりも僅かに下方に変位した箇所に設けられている。
言い換えると、ロックスイッチ台座部3022は、オープンスイッチ台座部3020よりも突出している。そのため、ロックスイッチ台座部3022とオープンスイッチ台座部3020との境の箇所には車両前後方向に延在する段差部3008が位置している。
ロックスイッチ本体2802は基板部2002上でオープンスイッチ本体2602と車幅方向に並べられて設けられ、また、ロックスイッチ押圧部3004は下面部30A上でオープンスイッチ本体2602と車幅方向に並べられて設けられている。
ロックスイッチ押圧部3004は、ロックスイッチ押圧片2804に対向する下面部30Aの箇所に位置し、ロックスイッチ押圧部3004は下方に向いている。
ロックスイッチ押圧部3004は、オープンスイッチ押圧部3002よりも小さい輪郭で下方に突出する半球状の凸部で形成されている。
すなわち、オープンスイッチ26を押圧操作するための押圧領域C1は、ロックスイッチ28を押圧操作するための押圧領域C2よりも大きい。
ロックスイッチ押圧部3004を押圧すると、ロックスイッチ押圧部3004が変位してロックスイッチ押圧片2804を押圧し、これによりロックスイッチ本体2802が作動してロック信号が出力される。
【0013】
したがって、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とカバー部材30は、ブラケット24の収納部2420に収納され、オープンスイッチ押圧部3002とロックスイッチ押圧部3004は車幅方向に間隔をおいて並べられ、テールゲート14に下方に向けて設けられている。
このようにテールゲート14に収納部2420を有するブラケット24を設けると、スイッチ本体21を簡単に配置する上で有利となる。
なお、ねじN1に対向するカバー部材30の箇所に、ねじN1を回転操作するための開口が設けられ、この開口にはキャップ3010が着脱可能に装着されている。
【0014】
オープンスイッチ26は、基板部2002および不図示のケーブルを介して後部開口部1002とテールゲート14との間に設けられる電動式のドアラッチ装置(不図示)と電気的に接続されている。
ドアラッチ装置は、オープンスイッチ26が押圧操作されていない状態では、テールゲート14を閉鎖状態(ラッチ状態)に保持するようになっている。
オープンスイッチ26は、押圧操作されることによりラッチ解除信号を出力し、このラッチ解除信号を受け付けたドアラッチ装置は閉鎖状態を解除してテールゲート14を開放可能にする。
【0015】
ロックスイッチ28は、基板部2002と不図示のケーブルを介して後部開口部1002とテールゲート14との間に設けられる電動式のドアロック装置(不図示)と電気的に接続されている。
ロックスイッチ28は、押圧操作されることによりロック信号を出力し、このロック信号を受け付けたドアロック装置はテールゲート14の施錠(ロック)を行う。なお、ドアロック装置によるテールゲート14の解錠(アンロック)は、ドアラッチ装置によるテールゲート14の開放と共に行われる。
【0016】
ガーニッシュ22は、取り付け部1602の上方のアウターパネル16の箇所に取り付けられた加飾部品であり、言い換えると、テールゲート14に設けられた加飾部品であり、合成樹脂製または金属製で、車幅方向に沿って細長状を呈している。
ガーニッシュ22は、オープンスイッチ26とロックスイッチ28を含む取り付け部1602の上方箇所を車両後方から覆う遮蔽部32を含んで構成されている。
遮蔽部32は、オープンスイッチ26とロックスイッチ28を含む取り付け部1602の上方箇所の車両後方を覆う、すなわち、オープンスイッチ26とロックスイッチ28を車両後方から覆う縦壁部34と、縦壁部34の下端から車両前方に突出しオープンスイッチ26とロックスイッチ28を含む取り付け部1602の上方箇所の下方を覆う底壁部36とを有している。
より詳細には、縦壁部34は収納部2420を含む取り付け部1602の上方箇所の車両後方を覆っており、底壁部36は収納部2420を含む取り付け部1602の上方箇所の下方を覆っている。
このように後部空間12を開閉する荷室開閉板がテールゲート14の場合、遮蔽部32をガーニッシュ22を用いて簡単に構成する上で有利となる。
【0017】
オープンスイッチ26とロックスイッチ28の下方に位置する底壁部36の箇所に、オープンスイッチ26とロックスイッチ28との上方への押圧操作を可能とする開口部38が設けられている。
詳細には、底壁部36は、縦壁部34の下端からオープンスイッチ26の下方に向かって車両前方に延在するオープンスイッチ用底壁部3602と、縦壁部34の下端からロックスイッチ28の下方に向かって車両前方に延在するロックスイッチ用底壁部3604とを含んで構成されている。
そして、開口部38は、オープンスイッチ用底壁部3602の車両前端に位置し車幅方向に直線状に延在する前縁3602Aの車両前方と、ロックスイッチ用底壁部3604の車両前端に位置し車幅方向に直線状に延在する前縁3604Aの車両前方とにわたり設けられている。
【0018】
本実施の形態では、スイッチ本体21のメンテナンスを考慮し、開口部38はオープンスイッチ26の車幅方向側方のキャップ3010の下方まで車幅方向に延長して設けられている。
開口部38は、キャップ3010の下方に位置する底壁部36の前縁3606Aと、オープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aと、ロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aと、オープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aと反対に位置する底壁部36の前縁3606Aの端部から車両前方に延在する側縁3608と、オープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aと反対に位置するロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aの端部から車両前方に延在する側縁3610と、オープンスイッチ用底壁部3602とロックスイッチ用底壁部3604との境の箇所で車両前後方向に延在しオープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aとロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aとを接続する中間縁3612とで構成され、段差部3008が位置している。
なお、図4において符号3614Aは、開口部38が設けられていない箇所の底壁部36の前縁を示している。
【0019】
ここで、オープンスイッチ配置領域A1に対向する底壁部36の領域を第1領域B1とし、ロックスイッチ配置領域A2に対向する底壁部36の領域を第2領域B2とする。
また、第1領域B1における縦壁部34の下端から開口部38までの長さ、言い換えると、縦壁部34の下端からオープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aまでの長さをL1とし、第2領域B2における縦壁部34の下端から開口部38までの長さ、言い換えると、縦壁部34の下端からロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aまでの長さをL2とする。
このとき、第1領域B1と第2領域B2とでは、縦壁部34の下端から開口部38までの長さL1、L2とが異なっており、本実施の形態では、長さL1よりも長さL2が長い。
【0020】
また、図4に示すように、本実施の形態では、遮蔽部32およびオープンスイッチ押圧部3002を車両10下方から見た状態で、遮蔽部32の車幅方向(延在方向)の中心を通り車両前後方向に延在する中心線CL上にオープンスイッチ押圧部3002の車幅方向の中心が位置している。本実施の形態では、この中心線CLはガーニッシュ22の車幅方向の中心を通っている。言い換えると、オープンスイッチ26はガーニッシュ22の車幅方向中央に配置されている。
したがって、利用者がテールゲート14を開放しようとする場合に、利用者は遮蔽部32の車幅方向の中心付近、すなわちガーニッシュ22の車幅方向中央を目安にしてガーニッシュ22の下方に手を挿入することで指はオープンスイッチ押圧部3002に到達し、したがって手探りすることなくオープンスイッチ押圧部3002の押圧操作を簡単に行なえ、テールゲート14の開放操作の操作性の向上を図る上で有利となっている。
【0021】
次に作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、図4に示すように、オープンスイッチ26の配置領域A1に対向する底壁部36の第1領域B1と、ロックスイッチ28の配置領域A2に対向する底壁部36の第2領域B2とは、縦壁部36の下端から開口部38までの長さL1、L2が異なっている。
そのため、図2に示すように、利用者がオープンスイッチ26を押圧操作しようとする場合と、図3に示すように、利用者がロックスイッチ28を押圧操作しようとする場合とで、底壁部36の下方に挿入した指の第1指節の腹の部分に当たる開口部38の位置(オープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aとロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aとの位置)が異なっていることを利用者が確実に把握することができる。
したがって、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とをより確実に判別することができ、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とを取り違えて誤操作することを防止する上で有利となる。
【0022】
また、本実施の形態では、ロックスイッチ28の配置領域A2に対向する底壁部36の第2領域B2は、オープンスイッチ26の配置領域A1に対向する底壁部36の第1領域B1よりも縦壁部36の下端から開口部38までの長さが長い(L1<L1)。
したがって、利用者がオープンスイッチ26を押圧操作しようとする場合は、ガーニッシュ22の下方に挿入した手の指先がより簡単にオープンスイッチ26の配置領域A1に到達し、指先でオープンスイッチ26(オープンスイッチ押圧部3002)を確実に押圧操作することができる。
すなわち、底壁部36の下方に挿入した指の第1指節の腹の部分にオープンスイッチ用底壁部3602の前縁3602Aが当たらず、指先がスムーズにオープンスイッチ押圧部3002に到達し、オープンスイッチ押圧部3002を簡単に確実に押圧操作することができる。
【0023】
これに対して、利用者がロックスイッチ28を押圧操作しようとする場合は、ガーニッシュ22の下方に挿入した手の指先がロックスイッチ28の配置領域A2に到達しにくく、指先を意識的に伸ばさないと、ロックスイッチ28(ロックスイッチ押圧部3004)を確実に押圧操作することができない。
すなわち、ガーニッシュ22の下方に挿入した手の指の第1指節の腹の部分にロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aが当たり、あるいは、第1指節の腹と第2指節の腹との境の箇所にロックスイッチ用底壁部3604の前縁3604Aが当たり、オープンスイッチ押圧部3002の場合とは異なった違和感を感じつつロックスイッチ押圧部3004を押圧操作することになる。
【0024】
したがって、ロックスイッチ28を押圧操作する場合に比べてオープンスイッチ26を押圧操作する場合の方がより押圧操作が容易となるため、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とをより一層確実に判別することができ、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とを取り違えて誤操作することを防止する上でより有利となる。
【0025】
また、本実施の形態では、オープンスイッチ26は、ガーニッシュ22の車幅方向中央に配置されているので、利用者がテールゲート14を開放しようとする場合に、ガーニッシュ22の車幅方向中央を目安にしてガーニッシュ22の下方に手を挿入することでオープンスイッチ26の押圧操作を簡単に行なえるので、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とを取り違えて誤操作することを防止する上でより有利となる。
【0026】
また、本実施の形態では、オープンスイッチ押圧部3002が設けられたオープンスイッチ台座部3020は、ロックスイッチ押圧部3004が設けられたロックスイッチ台座部3022よりも突出している。
したがって、オープンスイッチ押圧部3002の押圧操作を、ロックスイッチ押圧部3004の押圧操作よりもより容易に行なうことができるため、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とを取り違えて誤操作することを防止する上でより有利となる。
【0027】
また、本実施の形態によれば、オープンスイッチ26を押圧操作するための押圧領域C1は、ロックスイッチ28を押圧操作するための押圧領域C2よりも大きいので、オープンスイッチ26の押圧操作を、ロックスイッチ28の押圧操作よりもより容易に行なうことができるため、オープンスイッチ26とロックスイッチ28とを取り違えて誤操作することを防止する上でより有利となる。
【0028】
なお、本実施の形態では、遮蔽部32としてガーニッシュ22を用いた場合について説明したが、テールゲート14の形状を適宜変更することなどでガーニッシュ22を省略してもよい。
また、本実施の形態では、荷室開閉板がテールゲート14である場合について説明したが、本発明は荷室開閉板がトラックリッドである場合にも無論適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
10 車両
1002 後部開口部
12 後部空間
14 テールゲート
16 アウターパネル
1602 取り付け部
20 テールゲート用スイッチ装置
21 スイッチ本体
22 ガーニッシュ
24 ブラケット
24A ベース部
24B 突出部
2420 収納部
26 オープンスイッチ
2602 オープンスイッチ本体
2604 オープンスイッチ押圧片
28 ロックスイッチ
2802 ロックスイッチ本体
2804 ロックスイッチ押圧片
30 カバー部材
3002 オープンスイッチ押圧部
3004 ロックスイッチ押圧部
3006 周辺部
3008 段差部
3020 オープンスイッチ台座部
3022 ロックスイッチ台座部
32 遮蔽部
34 縦壁部
36 底壁部
3602 オープンスイッチ用底壁部
3602A 前縁
3604 ロックスイッチ用底壁部
3604A 前縁
3612 中間縁
38 開口部
A1 オープンスイッチの配置領域
A2 ロックスイッチの配置領域
B1 第1領域
B2 第2領域
C1 オープンスイッチの押圧領域
C2 ロックスイッチの押圧領域
図1
図2
図3
図4
図5