(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184206
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】経口組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/235 20060101AFI20221206BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20221206BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20221206BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221206BHJP
A61P 15/10 20060101ALI20221206BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20221206BHJP
A61K 36/22 20060101ALI20221206BHJP
A61K 36/355 20060101ALI20221206BHJP
A61K 35/02 20150101ALI20221206BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20221206BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20221206BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20221206BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20221206BHJP
【FI】
A61K31/235
A61P3/06
A61P25/28
A61P25/24
A61P43/00 107
A61P15/10
A61K36/185
A61K36/22
A61K36/355
A61K35/02
A61K9/20
A61K9/48
A23L33/10
A23L33/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091916
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 千絵
(72)【発明者】
【氏名】本岡 香奈
(72)【発明者】
【氏名】中山 克大
(72)【発明者】
【氏名】高野 晃
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C087
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LE02
4B018LE03
4B018MD05
4B018MD09
4B018MD19
4B018MD23
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4B018MD36
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4B018ME04
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(57)【要約】
【課題】SREBF1の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の発現を促進することで、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善に寄与しうる経口組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、没食子酸を含み、更に、
ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーから選ばれる少なくとも1種を含む、経口組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
没食子酸を含み、更に、
ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーから選ばれる少なくとも1種を含む、経口組成物。
【請求項2】
没食子酸の含有量が固形分中、0.1質量%以上である、請求項1に記載の経口組成物。
【請求項3】
ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーの含有量が合計で固形分中、5質量%以上40質量%以下である、請求項1又は2に記載の経口組成物。
【請求項4】
コレステロール上昇抑制及び/又は低減用である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口組成物。
【請求項5】
中性脂肪上昇抑制及び/又は低減用である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口組成物。
【請求項6】
脳機能改善用である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口組成物。
【請求項7】
ストレスによる抑うつ状態の軽減及び/又は緩和用、或いはストレス耐性向上用である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口組成物。
【請求項8】
血流改善用、身体疲労軽減用又は勃起障害改善用である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天然素材成分による身体状態・機能の改善を求める声はますます高まっている。
例えば、肝臓等における中性脂肪及びコレステロールの生合成を亢進する蛋白質として、Sterol Regulatory Element Binding Transcription Factor 1(以下、「SREBF1」という。)が知られている(非特許文献1)。また血中等におけるコレステロールや中性脂肪の減少を促進する蛋白質として、Peroxisome Proliferator-Activated Receptor α(以下、「PPARα」ともいう。)が知られている(非特許文献1及び非特許文献2の2.2の項)。従って、SREBF1の発現を抑制したり、PPARαの発現を亢進する組成物が存在すれば、血中等におけるコレステロール及び中性脂肪の上昇抑制又は低下の促進に役立つと考えられる。
【0003】
また脳機能低下の原因としては、酸化ストレスやミトコンドリア障害が一因と考えられており(非特許文献3)、種々のストレスによって、ミトコンドリア障害が引き起こされ、神経細胞障害が誘導されることがうつ(鬱)病の一因であると考えられていること、うつ病下では酸化ストレスが蓄積することが知られている(非特許文献4)。Heme Oxygenase 1(以下、「HO-1」ともいう。)は酸化ストレス下でミトコンドリア保護作用を有することが知られている(非特許文献5)。このことから、HO-1の遺伝子発現を亢進させる組成物は、脳機能改善や種々のストレスへの耐性向上に役立つと考えられる。
【0004】
更に、Nitric Oxide Synthase 3(以下、「NOS3」ともいう。)は、血流を改善することが知られており(非特許文献6)、血流改善により、筋肉への栄養分供給を促進し、身体疲労を軽減することが知られている。更に、NOS3の活性低下がED(勃起障害)と関係することも知られている(非特許文献7)。
【0005】
一方、没食子酸は3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸(3,4,5-Trihydroxybenzoic Acid)ともいい、抗酸化作用を有することが知られている。没食子酸の効果として、従来、例えば、α-グルコシダーゼ阻害作用が知られている(特許文献1)。
【0006】
一方、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーについても、種々の効果が知られている(特許文献2~7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-068671号公報
【特許文献2】再表2019/146669号公報
【特許文献3】特開2020-073552号公報
【特許文献4】特開2018-008903号公報
【特許文献5】特開2002-238496号公報
【特許文献6】特開2019-055924号公報
【特許文献7】特開2019-001725号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】化学と生物、Vol.42、No.5、2004、p300-308
【非特許文献2】Atherosclerosis、205、(2005)p1-8
【非特許文献3】Biomed.Pharmacother.,74(2015),p101-110
【非特許文献4】Curr.Neuropharmacol.2016,14(6),p610-618
【非特許文献5】Mol.Pharmacol.2015,Sep.,88(3),p437-449
【非特許文献6】第120回日本医学会シンポジウム記録集、p68-73、http://jams.med.or.jp/symposium/full/120068.pdf、2021年3月31日検索
【非特許文献7】Int.J.Impot.Res.,2007,19(2),p129-138
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の通りSREBF1の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の発現を促進することで、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善に寄与しうる経口組成物が望まれている。しかしながら、従来の経口組成物はそれらの課題の解決の点で十分なものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は以下の構成を提供するものである。
<1>没食子酸を含み、更に、
ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーから選ばれる少なくとも1種を含む、経口組成物。
【0011】
<2>没食子酸の含有量が固形分中、0.1質量%以上である、<1>に記載の経口組成物。
【0012】
<3>ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーの含有量が合計で固形分中、5質量%以上40質量%以下である、<1>又は<2>に記載の経口組成物。
【0013】
<4>コレステロール上昇抑制及び/又は低減用である、<1>~<3>の何れか1項に経口組成物。
【0014】
<5>中性脂肪上昇抑制及び/又は低減用である、<1>~<3>の何れか1項に経口組成物。
【0015】
<6>脳機能改善用である、<1>~<3>の何れか1項に経口組成物。
【0016】
<7>ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和用、或いはストレス耐性向上用である、<1>~<3>の何れか1項に経口組成物。
【0017】
<8>血流改善用、身体疲労軽減用又は勃起障害改善用である、<1>~<3>の何れか1項に経口組成物。
【発明の効果】
【0018】
本発明によればSREBF1の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の発現を促進することで、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善に寄与しうる経口組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、好ましい実施形態を挙げて本発明の経口組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
本発明の経口組成物は、没食子酸を含み、更に、
ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーから選ばれる少なくとも1種を含む。
【0021】
(没食子酸)
没食子酸は、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸とも呼ばれ、下記化学式で表される。
【0022】
【0023】
本発明は、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーのいずれにも由来しない没食子酸を含有することが好ましい。本発明で使用できる没食子酸としては、例えば、植物由来の没食子酸や、これを抽出、生成し得られるもの、合成により得られるものを使用することができる。植物由来の没食子酸を使用する場合、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴー以外の植物を由来とするものが好ましい。また、本発明で用いる没食子酸は無水物であってもよく、一水和物等の水和物であってもよい。
【0024】
本発明者は、上記の没食子酸に、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーから選ばれる少なくとも1種を組み合わせることで、驚くべきことに、脂質代謝に係るSREBF1の発現を抑制できるとともに、PPARαの発現を促進でき、更に、HO-1の発現を促進して脳機能の改善やストレス耐性向上等を図り得ること、更にNOS3の発現を促進して、血流促進や疲労改善、勃起障害改善等を図ることも可能であることを見出した。
【0025】
(ザクロ)
ザクロは、ミソハギ科ザクロ属の植物であり、学名は、Punica granatumであり、石榴、柘榴、若榴とも称される。本発明においては、花、葉、果実、果皮、種子等の各種部位を用いることができるが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点から果皮を用いることが好ましい。
【0026】
本発明においては、収穫したザクロを加工して用いることができ、ザクロ加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられるザクロは、製剤性を考慮すると、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、コレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。ザクロ加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。
【0027】
ザクロの抽出物としては、溶媒を用いて抽出された抽出物、二酸化炭素等による超臨界抽出法を用いて抽出された抽出物等が挙げられる。本明細書中で「抽出物」という場合、抽出液、その希釈液や濃縮液、又はそれらの乾燥物やその粉末などを挙げることができる。ザクロの抽出物は、液体状であってもよいが、粉末状であることが固形剤としたときの使用容易性の点や中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましい。
【0028】
ザクロの抽出物が溶媒抽出物である場合、用いる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどエステル類;エチレングリコール;プロピレングリコールなどのグリコール類;グリセリン;テトラヒドロフラン;アセトニトリル;酢酸、プロピオン酸等の有機酸;アセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。本発明においては水、低級アルコール、エステル類、グリコール類、有機酸類や、有機溶媒と水との混合溶媒を好適に使用することができ、混合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトンと、水との混合溶媒を用いることができる。コレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましくはアセトン/水(2/8~8/2、体積比)混合物、エタノール、エタノール/水(2/9~9/2、体積比)混合物などが挙げられ、エタノールが特に好ましい。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温~沸点以下で適宜設定することができる。なお、本明細書で低級アルコールとは、炭素原子数5以下のアルコールを指す。
【0029】
(シラジット)
シラジット(shilajit)は、一般名をミネラルピッチといい、学名は、Asphaltum、Asphaltum puniabiunum又はAsphaltum Punjabinumである。
【0030】
シラジット原石は、ヒマラヤ山脈の高度1000~5000mの高地で採取される天然の腐植土と植物性有機物の混合物であり、その成分として、フルボ酸、フミン質などのほか、40種超のミネラルを含む。本発明に用いるシラジットは、原石である場合も、抽出物である場合も、好ましくはフルボ酸を5質量%以上含み、より好ましくは10質量%以上含み、特に好ましくは20質量%以上含む。本発明においては、市販品を用いることができる。形状としては、特に制限されるものではないが、粉末状が好ましい。シラジット中のフルボ酸は例えば、重量法で測定される。
【0031】
本発明ではシラジットとして、シラジットの原石、そのチップ状物、その粉砕物やそれらの抽出物のいずれをも用いることができるが、抽出物を用いることが中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましい。抽出物としては、溶媒を用いて抽出された抽出物、二酸化炭素等による超臨界抽出法を用いて抽出された抽出物等が挙げられる。溶媒を用いた抽出の場合、抽出溶媒としては、ザクロについて述べたものと同様の物が挙げられるが、水、低級アルコール又はその混合物が安全性や簡便性の点で好ましく、水であることが安全性、簡便性に加えて中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましい。
【0032】
(ハイビスカス)
ハイビスカスは、アオイ科フヨウ属の植物であり、学名は、Hibiscus sabdariffaであり、ローゼルとも称される。本発明においては、花、葉、樹皮、根、種子等の各種部位を用いることができるが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点から、花を用いることが好ましい。花としては、花弁の他、萼等を含んでいてもよい。
【0033】
本発明においては、収穫したハイビスカスを加工して用いることができ、ハイビスカス加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられるハイビスカスは、製剤性を考慮すると、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、コレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。ハイビスカス加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。なお、抽出方法等は、ザクロと同様であり、溶媒を使用する場合、使用する溶媒としては、水、低級アルコール又はその混合物が安全性や中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、水及び低級アルコールの混合物であることが特に好ましく、低級アルコールの濃度が10~90質量%、とりわけ20~80質量%である水及び低級アルコールの混合物が最も好ましい。
【0034】
(マスティック)
マスティック(マスティハ)は、ウルシ科カイノキ属コショウボク(現地名:Schinos。学名 Pistacia Lentiscus)に属し、その中でもギリシャ・ヒオス(キオス)島でのみ自生し、且つ栽培される。マスティックは、主にその樹液、樹液の乾燥物(「マスティック樹脂」と呼ばれることもある)、該樹液若しくは樹脂を植物油や多価アルコール脂肪酸エステル等で希釈したマスティックオイル、該樹液若しくは該樹脂を水蒸気蒸留で得たマスティック精油、並びに該精油を製造する際の蒸留工程にて生成する水溶成分(マスティックウォーター)などに分離される。マスティックとしては、樹液又はその乾燥物を用いることが中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、樹液の乾燥物を用いることがより好ましい。
【0035】
(キンギンカ)
キンギンカ(Lonicera japonica Thunberg.,別名:スイカズラ)は、スイカズラ科スイカズラ属に属する常緑つる性木本であり、日本全国、東アジア一帯等に自生しており、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得る部位としては、例えば、葉部、茎部、花部、つぼみ(蕾)部、果実部、果皮部、果核部、地上部、全草またはこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部、茎部、花部またはつぼみ(蕾)部である。
【0036】
本発明においては、収穫したキンギンカを加工して用いることができ、キンギンカ加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられるキンギンカは、製剤性を考慮すると、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。キンギンカ加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。なお、抽出方法等は、ザクロと同様であり、溶媒を使用する場合、使用する溶媒としては、水、低級アルコール又はその混合物が安全性や中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、水であることが特に好ましい。
【0037】
(マンゴー)
マンゴーは、ウルシ科マンゴー属の植物であり、学名は、Mangifera indicaである。マンゴーは花、葉、樹皮、根、種子等の各種部位が経口用として知られているが、本発明では、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点から、葉を用いることが好ましい。
【0038】
本発明においては、収穫したマンゴーを加工して用いることができ、マンゴー加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられるマンゴーは、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。マンゴー加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。なお、抽出方法等は、ザクロと同様であり、溶媒を使用する場合、使用する溶媒としては、水、低級アルコール又はその混合物が安全性や中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、水及び低級アルコールの混合物であることが特に好ましい。
【0039】
本発明の組成物は、固形分中、没食子酸の含有量が0.001質量%以上であることが、SREBF1の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の発現を促進する効果に優れ、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることが特に好ましい。また、本発明の組成物における没食子酸の含有量としては、固形分中、40質量%以下であることが、SREBF1の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の発現を促進する効果に優れ、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、没食子酸が水和物の場合、本明細書でいう没食子酸の量は無水物換算とする。
また本明細書中、固形分とは、組成物が固形状である場合は、組成物中の含有量を指し、組成物が液状又は流動状である場合には、組成物中の水分を除いた全成分の合計量を指す。
【0040】
本発明の組成物は、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーの合計量の割合が、固形分中、0.01質量%以上であることが、SREBF1の遺伝子の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の遺伝子発現を促進しやすく中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることが最も好ましい。一方、SREBF1の遺伝子の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の遺伝子発現を促進しやすく中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で、上限としては、本発明の組成物は、固形分中、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーの合計量の割合が60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。
【0041】
本発明の組成物は、ザクロを含有する場合、組成物中のザクロの割合としても、固形分中、0.01質量%以上60質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上40質量%以下が特に好ましく、5質量%以上40質量%以下が最も好ましい。
本発明の組成物は、シラジットを含有する場合、組成物中のシラジットの割合としても固形分中、0.01質量%以上60質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上40質量%以下が特に好ましく、5質量%以上40質量%以下が最も好ましい。
本発明の組成物は、ハイビスカスを含有する場合、組成物中のハイビスカスの割合としても固形分中、0.01質量%以上60質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上40質量%以下が特に好ましく、5質量%以上40質量%以下が最も好ましい。
本発明の組成物は、マスティックを含有する場合、組成物中のマスティックの割合としても固形分中、0.01質量%以上60質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上40質量%以下が特に好ましく、5質量%以上40質量%以下が最も好ましい。
本発明の組成物は、キンギンカを含有する場合、組成物中のキンギンカの割合としても固形分中、0.01質量%以上60質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上40質量%以下が特に好ましく、5質量%以上40質量%以下が最も好ましい。
本発明の組成物は、マンゴーを含有する場合、組成物中のマンゴーの割合としても固形分中、0.01質量%以上60質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上40質量%以下が特に好ましく、5質量%以上40質量%以下が最も好ましい。
【0042】
本発明の組成物における、没食子酸と、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーの合計量の割合は、前者:後者の乾燥質量の比が100:0.1以上70000以下であることが、SREBF1の遺伝子の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の遺伝子発現を促進しやすく中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、1以上50000以下であることがより好ましく、10以上40000以下であることが特に好ましい。
【0043】
本発明の組成物は、ザクロを含有する場合、没食子酸と、ザクロの割合としても、前者:後者の乾燥質量の比が100:0.1以上70000以下であることが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、1以上50000以下であることがより好ましく、10以上40000以下であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、シラジットを含有する場合、没食子酸と、シラジットの割合としても、前者:後者の乾燥質量の比が100:0.1以上70000以下であることが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、1以上50000以下であることがより好ましく、10以上40000以下であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、ハイビスカスを含有する場合、没食子酸と、ハイビスカスの割合としても、前者:後者の乾燥質量の比が100:0.1以上70000以下であることが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、1以上50000以下であることがより好ましく、10以上40000以下であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、マスティックを含有する場合、没食子酸と、マスティックの割合としても、前者:後者の乾燥質量の比が100:0.1以上70000以下であることが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、1以上50000以下であることがより好ましく、10以上40000以下であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、キンギンカを含有する場合、没食子酸と、キンギンカの割合としても、前者:後者の乾燥質量の比が100:0.1以上70000以下であることが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、1以上50000以下であることがより好ましく、10以上40000以下であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、マンゴーを含有する場合、没食子酸とマンゴーの割合としても、前者:後者の乾燥質量の比が100:0.1以上70000以下であることが、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善の点で好ましく、1以上50000以下であることがより好ましく、10以上40000以下であることが特に好ましい。
【0044】
本発明の経口組成物は、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品等として用いることができる。
【0045】
本発明の経口組成物は、後述する実施例に示す通り、SREBF1の発現を効果的に抑制でき、またPPARα、HO-1、NOS3の発現を効果的に促進できる。
【0046】
SREBF1は、非特許文献1に記載のように、肝臓等での細胞内のコレステロールの生合成と取り込みを調節する転写因子の一つである。肝臓でのSREBF1の発現が亢進することでATPクエン酸リアーゼの発現が増加する。ATPクエン酸リアーゼは、クエン酸からアセチルCoAを合成する酵素であり、アセチルCoAから複数の酵素の働きによってコレステロールが形成されることにより肝臓のコレステロールが増加する。また、SREBF1は脂肪酸合成関連遺伝子であり、脂肪酸合成、トリグリセリド合成の諸酵素(リボジェニック酵素と呼ばれる)の発現を亢進し、摂食により獲得したエネルギーを脂肪酸、トリグリセリドの形に変換して積極的に貯蔵する役割を果たす。従って、肝臓細胞でのSREBF1の発現を抑制することにより、血中や肝臓におけるコレステロールや中性脂肪の増加抑制や低減促進を図ることができる。
【0047】
PPARαは、非特許文献1に記載のように、肝臓において脂肪酸のβ酸化に関与する遺伝子群の発現を亢進させ、脂肪酸分解を制御する。脂肪細胞由来で血液中から取り込んだ脂肪酸は、肝臓細胞内でβ酸化を受けてエネルギー産生に用いられるが、このβ酸化を担う諸酵素の遺伝子発現はPPARαによって調節され、PPARαの発現亢進により脂肪酸のβ酸化が進行することが知られている。また、非特許文献2に記載の通り、肝臓におけるPPARαの発現が亢進すると、肝臓におけるapoリポ蛋白の発現を制御することを介して、血管内でのHDLの増加を促進させることが知られている。HDLは血中に過剰に存在するコレステロールを回収し、肝臓に運んで処理する役割を有すると言われている。従って、肝臓細胞でのPPARαの発現を促進することにより、血中や肝臓におけるコレステロールや中性脂肪の上昇抑制や低減促進を図ることができる。
【0048】
更に、Heme Oxygenase 1(HO-1、「HMOX1」と呼ばれることもある)は、ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、ヘム(heme)を、ビリベルジン(biriverdin)と、一酸化炭素(CO)と、遊離鉄(Fe)に分解する酵素である。 HOは、ヘムのポルフィリン環を開裂し、酸素分子を添加する(酸素添加酵素)。HO-1の発現増加は酸化ストレスから細胞を保護する主要なメカニズムの一つと考えられている。また、非特許文献3に記載の通り、脳機能低下の原因として、活性酸素等の酸化ストレスやミトコンドリア障害が一因と考えられている。非特許文献4のように、個体に与えられる物理的、心理的、生理的な種々のストレスによって、神経細胞のミトコンドリア障害が引き起こされ、神経細胞障害が誘導されることがうつ病の一因であること、うつ病下では脳における酸化ストレスが進むことが知られている(非特許文献4)。酸化ストレスは、神経細胞や神経様細胞においてミトコンドリアDNAに損傷を引き起こし、ATP産生に重要な働きを持つタンパク質の発現が低下するため、脳機能に重要なATPの産生が低下する。非特許文献5に記載のように、神経様細胞において、HO-1は酸化ストレス下でミトコンドリア保護作用を有することが知られている。これらのことから、神経細胞や神経様細胞等において、HO-1の発現を促進することにより、脳などの神経細胞や神経様細胞におけるミトコンドリア障害を防止でき、脳機能の改善を図ることができるほか、物理的、心理的(社会心理的)、生理的な各種ストレスに対する抑うつ状態の軽減や緩和といった、ストレス耐性向上を図ることができる。
【0049】
本明細書において、脳機能改善としては、脳の神経細胞又は神経様細胞を酸化ストレスから保護することによる神経障害やうつ病などの抑うつ状態、神経障害痛、眼傷害、認知機能の低下、記憶力の低下、判断能力の低下等の緩和や軽減が挙げられる。
また、本明細書においてストレスに対する耐性を向上するとは、物理的、生理的、社会心理的ストレスによる上記の抑うつ状態の抑制や緩和のほか、神経細胞又は神経様細胞の保護による神経障害や、神経障害痛、眼傷害、認知機能の低下、記憶力の低下、判断能力の低下の予防を図ることを含む。
【0050】
またNitric Oxide Synthase 3(NOS3)は内皮型一酸化窒素合成酵素(endothelial nitric oxide synthase、略称: eNOS)とも呼ばれ、主に血管内皮でのNOの産生を担う。血管内皮は血管の内側表面に並んだ単層の扁平細胞からなり、内腔を循環する血液と血管壁の残りの部分との境界面となる。血管内皮でNOS3によって産生されるNOは、血管緊張、細胞増殖、白血球の接着、血小板の凝集の調節に重要な役割を果たす。NOS3を活性化することで毛細血管が拡張し、血流を改善することが知られており(非特許文献6)、血流改善により、筋肉への栄養分供給を促進し、身体疲労を軽減することが知られている。従ってNOS3の発現を亢進することで血流を改善し、身体疲労が改善すると考えられる。更に、NOS3の活性低下は、平滑筋の弛緩を阻害してED(勃起障害)の原因となる蓋然性が指摘されており(非特許文献7)、NOS3の発現を亢進することで、勃起障害が改善すると考えられる。本明細書において、身体疲労としては、血行不良による、だるさ、倦怠感、疲労感、肉体疲労、身体機能低下が挙げられる。また勃起障害とは、勃起不全とも言われ、勃起機能の低下を含む。
【0051】
没食子酸を含み、更に、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーから選ばれる少なくとも1種を含有し、コレステロールの増加若しくは上昇の抑制、コレステロールの産生抑制、コレステロールの低下若しくは減少促進、中性脂肪の増加若しくは上昇の抑制、中性脂肪の低下若しくは減少促進、脳機能改善、脳機能低下抑制、ストレス耐性向上、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減や緩和、血流改善、身体疲労の軽減、勃起障害の改善に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、これらの機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の経口組成物は、製品の包装等に、本発明の植物素材が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。
【0052】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「コレステロールの増加抑制」、「コレステロールの上昇の抑制」、「コレステロールの産生抑制」、「コレステロールの低下促進」「コレステロールの減少促進」、「コレステロールが気になる方に」、「コレステロールの吸収を抑える」、「コレステロールが高めの方に」、「中性脂肪の増加抑制」「中性脂肪の上昇抑制」、「中性脂肪の低下促進」、「中性脂肪の減少促進」、「中性脂肪が気になる方に」、「脂肪の吸収を抑える」、「中性脂肪が高めの方に」、「脳機能改善」、「脳機能低下抑制」、「記憶力の低下が気になる方に」、「記憶機能の衰え防止に」、「ストレス耐性向上」、「精神疲労を軽減させる」、「不安を取り除く」、「続く疲れに」、「毎日の疲れに」、「肉体的、精神的な高いパフォーマンスをサポート」、「疲れの改善」、「疲れやすい方に」、「血流改善」、「身体的疲労の軽減」、「身体的疲労の防止」、「勃起障害の改善」、「男性性機能改善」、「男性性機能の衰えを抑制」、「男性性機能の維持をサポート」、「男性性機能の低下が気になる方へ」、「男性のQOL改善」等を表示したものを例示することができる。
【0053】
本発明の経口組成物の形態としては、例えば、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、粒状、棒状、板状、ブロック状、丸状、カプレット状、チュアブル錠状、スティック状、その他の固形状、ペースト状、クリーム状、ゲル状、液状等を挙げることができる。これらの中でも、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、丸状、チュアブル錠状の形態が好ましく、錠状、カプセル状、丸状、チュアブル錠状がより好ましい。
【0054】
本発明の経口組成物を錠状、丸状、チュアブル錠状とする場合、賦形剤、滑沢剤、流動化剤のいずれか1種以上を添加することにより、成型性を高めるとともに得られた錠剤、丸剤又はチュアブル錠剤の保存安定性を向上するため、好ましい。特に、賦形剤及び滑沢剤を使用することで保存安定性をより高めることができる。
【0055】
賦形剤とは、組成物の取扱いあるいは成形の向上や服用を便利にするために加えるものである。本発明に使用できる賦形剤としては特に制限はなく、例えば、デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、デキストリン、その他のデンプン分解物等のデンプン又はその誘導体、結晶セルロース、糖アルコール、乳糖、ビール酵母、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0056】
滑沢剤とは、錠剤用の粉末を圧縮する際に打錠機杵臼と錠剤間の摩擦を緩和し、スティッキングなどの打錠障害を防ぐために使用するものである。本発明に使用できる滑沢剤としては、上記目的を達成することが可能な成分であれば特に制限はなく、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸又はその塩、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、ポリエチレングリコール、植物油脂、硬化油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0057】
流動化剤とは、混合末や顆粒の流動性を改善するために使用するものである。本発明に使用できる流動化剤としては特に制限はなく、例えば二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明において、賦形剤、滑沢剤、流動化剤はいずれも市販品を使用することができる。
【0058】
本発明の経口組成物の摂取量としては特に制限はないが、その作用を一層高める点から、成人の1日当たり、本発明の没食子酸、ザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーの摂取量が、乾燥質量にて、1mg以上となるように摂取することが好ましく、10mg以上となるように摂取することがより好ましく、50mg以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は、例えば、10000mgであり、好ましくは7000mgであり、より好ましくは5000mgである。
【0059】
本発明の経口組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように適宜設計すればよく、1回で摂取してもよいし、複数回に分けて摂取してもよい。例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤又はチュアブル錠剤の場合は1日あたり1~4回の摂取回数とし、合計量として前記摂取量が摂取できればよく、飲料の場合、1日の摂取量に前記摂取量が配合されていればよい。本発明の経口組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0060】
本発明の経口組成物等は、必要に応じて、本発明の植物素材以外の他の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。他の成分としては、例えば、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B12、B13、B15、B17、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABA、ビタミンC、ビタミンP)、油溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)等のビタミン類;マグネシウム、リン、亜鉛、鉄等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【実施例0061】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲はかかる実施例に限定されない。以下、特に断らない場合「%」は質量%、「部」は質量部を表す。実施例では没食子酸としてザクロ、シラジット、ハイビスカス、マスティック、キンギンカ及びマンゴーのいずれにも由来しない没食子酸を用いた。
【0062】
下記の各実施例、各比較例及び各製造例において、下記の各表に記載の成分としては下記を用いた。
・没食子酸としては、没食子酸の試薬(無水物、粉状、純度約100質量%)を用いた。
・ザクロとしては、ザクロの果皮のエタノール抽出物を乾燥させた粉末状の抽出物(ザクロ果皮抽出物)を用いた。
【0063】
・シラジットとしては、シラジットの原石の水抽出物の乾燥粉末を用いた。具体的には、シラジットの原石を水で抽出した抽出液をろ過した後、乾燥させた粉末状の抽出物(シラジット抽出物)を用いた。抽出物中のフルボ酸の量は20質量%であった。
【0064】
・ハイビスカスとしては、ハイビスカス(学名:Hibiscus sabdariffa L.)の花の含水エタノール抽出物(乾燥粉末)を用いた。具体的には、ハイビスカスの花を50質量%含水エタノールで抽出し、得られた抽出液を濃縮した後に乾燥させた粉末(ハイビスカス花抽出物)を用いた。
【0065】
・マスティックとしては、ウルシ科の低木マスティック(学名:Pistacia lentiscus L.)の樹液を乾燥させ、研削して粉末状にしたもの(マスティック末)を用いた。
【0066】
・キンギンカとしては、スイカズラ科スイカズラ属のキンギンカ(学名:Lonicera japonica Thunberg)のつぼみの水抽出物の乾燥粉末(キンギンカ蕾抽出物)を用いた。
【0067】
・マンゴーとして、マンゴー(学名:Mangifera indica)の葉の含水エタノール抽出物の乾燥粉末(マンゴー葉抽出物)を用いた。
【0068】
・デキストリンは、市販品を用いた。
【0069】
〔実施例1-1~1-12、比較例1-1~1-7〕
表1に記載の組成で、表1に記載の成分を混合した。
【0070】
(試験1:中性脂肪、コレステロール)
ヒト肝癌由来細胞(HepG2、理化学研究所)を10容量%FBS-DMEMで培養し、コラーゲンコートされた96ウェルプレートに、前記の細胞を2×104cells/wellとなるように100μL/well播種し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、24時間前培養した。
各wellより培地を除去後、被験物質及び脂肪酸負荷としてオレイン酸Na(ナカライテスク製)1.5mMを含有する培地を100μL/well添加した。培地は0.5容量%DMSO2容量%BSA-DMEMを用いた。被験物質中の各成分の配合割合(質量%)を表1及び表2に示す。被験物質の培地中の濃度は25μg/mLである。37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、24時間本培養した。
各wellより培地を除去後、PBSで1回洗浄し、RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(R)qPCR RT Master Mix(TOYOBO製)を用いてcDNAを合成した。
得られたcDNAを鋳型として、PPARαのプライマー(QIAGEN製、商品名::Hs_PPARA_1_SG QuantiTect Primer Assay(QT00017451))及びSREBF1のプライマー(QIAGEN製、商品名:Hs_SREBF1_1_SG QuantiTect Primer Assay (QT00036897))を用いて、Rotor-Gene SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、PPARαおよびSREBF1の遺伝子発現量を測定した。内在性コントロールとして、ACTBのプライマー(QIAGEN製、商品名:Hs_ACTB_1_SG QuantiTect primer assay(QT00095431))を用いて、ACTBの遺伝子発現量を測定した。PPARαの遺伝子発現量/ACTBの遺伝子発現量の値、及び、SREBF1の遺伝子発現量/ACTBの遺伝子発現量の値のそれぞれについて、比較例1-1を1とした相対値を算出した。結果を表1及び表2に示す。
【0071】
【0072】
【0073】
HepG2は肝臓のモデル細胞として一般的に使用される細胞である。表1及び表2に示すように、本発明の組成物は、没食子酸を含み、更に、ザクロ果皮抽出物、シラジット抽出物、ハイビスカス花抽出物、マスティック末、キンギンカ蕾抽出物及びマンゴー葉抽出物から選ばれる少なくとも1種を含むことにより、効果的にSREBF1の発現を抑制、及びPPARαの発現を促進でき、コレステロール上昇抑制及び/又は低減用、及び、中性脂肪上昇抑制及び/又は低減用に効果を奏し得る。
【0074】
〔実施例2-1~2-12、比較例2-1~2-7〕
(試験2:脳機能)
ラット副腎褐色細胞腫細胞(PC12、JCRB細胞バンク)を10容量%FBS-RPMI 1640培地で培養し、コラーゲンコートされた96ウェルプレートに4×104cells/wellとなるように100μL/well播種し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で24時間前培養した。
前記で前培養した後、既にウェルに入っている培地の上から被験物質含有培地を100μL/well添加し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で24時間培養した。培地は0.5容量%DMSO-10容量%FBS-RPMI 1640培地を用いた。被験物質中の各成分の配合割合(質量%)を表3及び表4に示す。被験物質の培地中の濃度は1.25μg/mLである。
24時間培養後、過酸化水素を10容量%FBS-RPMI 1640で2.2mMに希釈し、既にウェルに入っている培地の上から20μL/well添加した(終濃度200μM)。37℃、5容量%CO2インキュベーター内で2時間培養した。
各wellより培地を除去後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(R)qPCR RT Master Mix(TOYOBO製)を用いてcDNAを合成した。
得られたcDNAを鋳型として、HO-1遺伝子(Hmox1)のプライマー(QIAGEN製、商品名:Rn_Hmox1_1_SG QuantiTectPrimerAssay(QT00175994)を用いて、Rotor-Gene SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、HO-1遺伝子(Hmox1)の発現量を測定した。内在性コントロールとして、GAPDHのプライマー(QIAGEN製、商品名:Rn_Gapd_1_SG QuantiTect Primer Assay(QT00199633))を用いて、GAPDHの遺伝子発現量を測定した。比較例2-1を1とした相対値を算出した。
【0075】
【0076】
【0077】
表3及び表4に示すように、本発明の組成物は、没食子酸を含み、更に、ザクロ果皮抽出物、シラジット抽出物、ハイビスカス花抽出物、マスティック末、キンギンカ蕾抽出物及びマンゴー葉抽出物から選ばれる少なくとも1種を含むことにより、効果的に神経様細胞にて、HO-1(HMOX1)の発現を促進でき、脳機能の改善用、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和用、ストレス耐性向上用に効果を奏し得る。
【0078】
〔実施例3-1~3-12、比較例3-1~3-7〕
(3)血流
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC、Lonza製)をEGM-2培地(Lonza製)で培養した。コラーゲンコートされた96ウェルプレートに前記の細胞を1×104cells/wellとなるように100μL/wellで播種し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、24時間前培養した。
各wellより培地を除去後、被験物質含有培地を100μL/well添加した。培地は0.5容量%DMSO-EGM-2培地を用いた。被験物質中の各成分の配合割合(質量%)を表5及び表6に示す。被験物質の培地中の濃度は6.25μg/mLである。
各wellより培地を除去後、PBSで1回洗浄し、RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(R)qPCR RT Master Mix(TOYOBO製)を用いてcDNAを合成した。
得られたcDNAを鋳型として、NOS3(eNOS)のプライマー(Takara製、商品名:sense (5‘-CCAGCTAGCCAAAGTCACCAT-3’)(JP33538048)、anti-sense (5‘-GTCTCGGAGCCATACAGGATT-3’)(JP33538049))を用いて、Rotor-Gene SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、NOS3(eNOS)の遺伝子発現量を測定した。内在性コントロールとして、ACTBのプライマー(QIAGEN製、商品名:Hs_ACTB_1_SG QuantiTect primer assay(QT00095431))を用いて、ACTBの遺伝子発現量を測定した。比較例3-1を1とした相対値を算出した。結果を下記表5及び表6に示す。
【0079】
【0080】
【0081】
表5及び表6に示すように、本発明の組成物は、没食子酸を含み、更に、ザクロ果皮抽出物、シラジット抽出物、ハイビスカス花抽出物、マスティック末、キンギンカ蕾抽出物及びマンゴー葉抽出物から選ばれる少なくとも1種を含むことにより、効果的に血管内皮細胞にて、NOS3の発現を促進でき、血流改善用、身体疲労軽減用又は勃起障害改善用に効果を奏し得る。
【0082】
下記成分からなる顆粒剤を製造した(製造例1~6)。得られた顆粒剤を1日1~3回、1回あたり3gを必要に応じて水に懸濁して摂取することで、優れた中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善が得られる。なお、下記表における成分量は質量%である。
【0083】
【0084】
下記成分からなる錠剤(1粒あたり200mg)を製造した(製造例7~12)。得られた錠剤を1日1~3回、1回あたり1~3粒を摂取することで、優れた中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善が得られる。なお、下記表における成分量は質量%である。
【0085】
【0086】
下記成分からなる顆粒を製造し、ハードカプセルに封入し、カプセル剤を製造した(製造例13~18)。カプセル剤中の顆粒は200mgである。得られたカプセル剤を1日1~3回、1回あたり1~3粒を摂取することで、優れた中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善が得られる。なお、下記表における成分量は質量%である。
【0087】
本発明は、SREBF1の発現を抑制する、或いは、PPARα、HO-1又はNOS3の発現を促進することで、中性脂肪若しくはコレステロールの上昇抑制若しくは低下促進、脳機能改善、ストレスによる気分の落ち込みなどの抑うつ状態の軽減及び/又は緩和、ストレス耐性向上、血流改善、身体疲労改善又は勃起障害改善に寄与しうる経口組成物を提供する。