(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184210
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】錠剤容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/04 20060101AFI20221206BHJP
B65D 47/22 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B65D83/04 A
B65D47/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091920
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100113169
【弁理士】
【氏名又は名称】今岡 憲
(72)【発明者】
【氏名】先曽 洋一
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 博
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AB10
3E084BA02
3E084DB12
3E084EA02
3E084EB02
3E084EB10
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA20
3E084LA17
3E084LB02
3E084LC02
3E084LD01
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】錠剤を遠方へ射出することが可能な錠剤容器を提供する。
【解決手段】胴部4から口筒部6を起立する錠剤収納用容器体2と、前記口筒部6から延出された錠剤吐出管20とを具備する。前記錠剤吐出管20は錠剤を1個ずつ吐出するように設計された内径Dを有する。この錠剤吐出管20の先部26に錠剤Tを保持できるように、錠剤吐出管20の開口端部28に錠剤の係止手段30が付設されている。前記錠剤吐出管20は、前記先部26より口筒部6寄りの押圧部位24を圧搾することにより、前記先部26内にある錠剤Tが前記開口端部28を越えて外方へ押し出されるように、弾性材料で形成された。前記係止手段30は、管軸方向Aから見て、前記開口端部28より内側へ突設された複数の係止爪32で形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部(4)から口筒部(6)を起立する錠剤収納用容器体(2)と、
前記口筒部(6)から延出された錠剤吐出管(20)と
を具備しており、
前記錠剤吐出管(20)は錠剤を1個ずつ吐出するように設計された内径(D)を有し、
錠剤吐出管(20)の先部(26)に錠剤(T)を保持できるように、錠剤吐出管(20)の開口端部(28)に錠剤の係止手段(30)が付設されており、
前記錠剤吐出管(20)は、前記先部(26)より口筒部(6)寄りの押圧部位(24)を圧搾することにより、前記先部(26)内にある錠剤(T)が前記開口端部(28)を越えて外方へ押し出されるように、弾性材料で形成したことを特徴とする、錠剤容器。
【請求項2】
前記係止手段(30)は、管軸方向(A)から見て、前記開口端部(28)より内側へ突設された複数の係止爪(32)からなり、これらの係止爪(32)は周方向に等角的に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の錠剤容器。
【請求項3】
前記係止爪(32)は、管径方向(B)から見て、前記開口端部(28)より、錠剤吐出管(20)の先方寄りに斜めに突設されていることを特徴とする、請求項2に記載の錠剤容器。
【請求項4】
前記錠剤吐出管(20)は、薄肉の管壁(W)を有し、当該管壁(W)に管軸方向へ延びる複数の補強リブ(R)を周方向に間隔を存して配設してなることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠剤容器。
【請求項5】
前記口筒部(6)へ嵌着された装着筒(14)から内向きのフランジ状壁部(15)を介して前記錠剤吐出管(20)を立設してなる射出部材(10)を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の錠剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の錠剤容器として、容器体の口部に装着されたキャップ筒の前半部より、上方から見て半円形で後方に開口部を有する半円筒状の錠剤供給壁部を立設するとともに、この錠剤供給壁部の先端に、錠剤の流出を止める係止板を兼ねた頂壁部を付設したものが知られている(特許文献1)。
錠剤を取り出す時には、前記錠剤供給壁部の開口部を上向きとして容器体を傾け、容器体の内部から錠剤供給壁部を通って頂壁部で停止した錠剤を一つずつ取り出せば良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
錠剤の用途によっては、例えば錠剤型の除草剤を取り出すときには、地面に撒くために利用者の居る場所より遠方へ錠剤を届かせることを求められる場合があった。
特許文献1の錠剤容器には、錠剤を遠方へ飛ばすような機能が存在しない。従って、錠剤を遠方へ撒くためには、錠剤供給壁部の開口部から所要個数の錠剤を摘み取り、手に持った錠剤を投じる必要があり、面倒であった。
【0005】
本発明の第1の目的は、錠剤を遠方へ射出(投出)することが可能な錠剤容器を提供することである。
本発明の第2の目的は、簡単な操作で錠剤を遠方へ射出することができ、使い勝手が良い錠剤容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、胴部4から口筒部6を起立する錠剤収納用容器体2と、
前記口筒部6から延出された錠剤吐出管20と
を具備しており、
前記錠剤吐出管20は錠剤を1個ずつ吐出するように設計された内径Dを有し、
錠剤吐出管20の先部26に錠剤Tを保持できるように、錠剤吐出管20の開口端部28に錠剤の係止手段30が付設されており、
前記錠剤吐出管20は、前記先部26より口筒部6寄りの押圧部位24を圧搾することにより、前記先部26内にある錠剤Tが前記開口端部28を越えて外方へ押し出されるように、弾性材料で形成した。
【0007】
本手段では、
図1に示すように、容器体2の口筒部6から、錠剤を1個ずつ吐出するように設計された内径Dを有する錠剤吐出管20が延出されている。
また錠剤吐出管20の先部26に錠剤Tを保持できるように、錠剤吐出管20の開口端部28に錠剤の係止手段30が付設されている。
前記錠剤吐出管20は、前記先部26よりも口筒部6寄りの押圧部位24を圧搾することにより、前記先部26内にある錠剤Tが前記開口端部28を越えて外方へ押し出されるように弾性材料で形成した。
この構造では、押圧部位24への圧搾力の一部を開口端部28からの錠剤の射出力に変換することができる。そして錠剤Tが射出されるためには、当該射出力が係止手段30の係止力より大きくなるまで押圧部位24を圧搾する必要がある。これにより、錠剤の射出に至るまでに力を溜めて、錠剤を遠くまで飛ばすことができる。
また錠剤吐出管20を圧搾する簡単な操作で錠剤を射出できる。
【0008】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ前記係止手段30は、管軸方向Aから見て、前記開口端部28より内側へ突設された複数の係止爪32からなり、これらの係止爪32は周方向に等角的に配置されている。
【0009】
本手段では、前記係止手段30は、
図4に示す如く、管軸方向Aから見て、前記開口端部28より内側へ突設された複数の係止爪32からなり、これらの係止爪32は周方向に等角的に配置されている。
この構造では、錠剤Tに対する係止力が周方向に等角的に作用するから、錠剤の射出方向が管軸方向からブレることがなく、遠方の目的場所まで錠剤を到達させることができる。
故に大きな射出距離が得られる。
【0010】
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ前記係止爪32は、管径方向Bから見て、前記開口端部28より、錠剤吐出管20の先方寄りに斜めに突設されている。
【0011】
本手段では、
図2に示す如く、前記係止爪32は、管径方向Bから見て、前記開口端部28より、錠剤吐出管20の先方寄りに斜めに突設されている。
この構造では、錠剤への係止力を適切に調節することができる。これにより、例えば係止力が過剰であるために押圧部位を押しても錠剤が飛ばないという不都合を回避できるので、使い勝手が良い。
【0012】
第4の手段は、第1の手段から第3の手段のいずれかを有し、かつ前記錠剤吐出管20は、薄肉の管壁Wを有し、当該管壁Wに管軸方向へ延びる複数の補強リブRを周方向に間隔を存して配設してなる。
【0013】
本手段では、
図4に示す如く、前記錠剤吐出管20は、薄肉の管壁Wを有し、当該管壁Wに管軸方向へ延びる複数の補強リブRを周方向に間隔を存して配設した。
この構造では、押圧部位24を押圧したときに、錠剤吐出管20の形状の安定性を向上させることができる。
【0014】
第5の手段は、第1の手段から第4の手段のいずれかを有し、かつ前記口筒部6へ嵌着された装着筒14から内向きのフランジ状壁部15を介して前記錠剤吐出管20を立設してなる射出部材10を具備する。
【0015】
本手段では、
図2に示す如く、前記口筒部6へ嵌着された装着筒14から内向きのフランジ状壁部15を介して前記錠剤吐出管20を立設してなる射出部材10を具備する。
この構造では、容器体2の口筒部6から錠剤吐出管20への錠剤の流れがスムーズとなり、錠剤吐出管20の基部22への入り口で錠剤がつかえることがないので、使い勝手が良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、錠剤容器の錠剤吐出管から錠剤を遠方へ射出することが可能となる。
また本発明によれば、簡単な操作で錠剤を遠方へ射出することができ、使い勝手も良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る錠剤容器の半断面図である。
【
図2】
図1の錠剤容器の主要部の拡大断面図である。
【
図4】
図1の錠剤容器の要部(錠剤吐出管)の作用説明図であり、同図(A)は錠剤吐出管の圧搾前の状態を、同図(B)は錠剤吐出管を圧搾した状態をそれぞれ示している。
【
図5】
図1の錠剤容器の機能を模式的に示す概念図であり、同図(A)は錠剤が錠剤吐出管の先端部に係止した段階を、同図(B)は、錠剤吐出管を圧搾した状態を、同図(C)は、錠剤が錠剤吐出管から吐出された状態をそれぞれ示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1から
図5は、本発明の実施形態に係る錠剤容器を示している。この錠剤容器は、容器体2と、射出部材10と、オーバーキャップ40とで形成している。
【0019】
容器体2は、胴部4から肩部を介して口筒部6を起立している。
前記口筒部6の外面には、オネジ部7が形成されている。
前記口筒部6の上端面の内周からは、口筒部6より小外径で環状の係合突部8を突出している。
【0020】
射出部材10は、口筒部6から供給される錠剤を射出するための部材である。
本実施形態では、射出部材10は、全体として円筒状のインジェクション部品として形成されており、かつ、中栓部材として口筒部6側に嵌着(固嵌め)されている。
前記射出部材10は、前記口筒部6へ装着された装着部12から錠剤吐出管20を立設している。
【0021】
前記装着部12は、
図1に示す如く、前記口筒部6へ嵌着された装着筒14の上端から内向きのフランジ状壁部15を突設している。
【0022】
前記装着筒14は、図示例では、外筒部14a及び内筒部14bの上端をリング状連結板cで連結してなり、それら外筒部14aと内筒部14bとの間に前記係合突部8を挟持させている。
また前記外筒部14aの内面下部には、
図2に示す如く、前記口筒部6に係止させるための抜止め用突部pが周設している。
こうすることにより、前記口筒部6からオーバーキャップ40を後述の如く螺脱させる際に、前記装着筒14が口筒部6から外れないように形成している。
【0023】
前記フランジ状壁部15は、錠剤を一つずつ錠剤吐出管20へ導入するための絞り手段としての役目を有する。前記フランジ状壁部15は、図示例において、前記内筒部14bの上端から上内方へ突設しており、その下面は上端小径のテーパ状面16に形成されている。
このような形状とすることにより、
図3に示すように、容器体2を傾けたときに、口筒部6から前記テーパ状面16を介して錠剤吐出管20内へ錠剤Tが入るように形成している。
また前記フランジ状壁部15の上面には、オーバーキャップ40に嵌合させるための断面三角形状の環状段部18が周設されている。
もっともこれらの形状は適宜変更することができる。
【0024】
前記錠剤吐出管20は、錠剤Tを勢いよく吐出(射出)するための手段であり、本実施形態においては、前記フランジ状壁部15の内周端から真上に突設している。もっとも、この構造は適宜変更することができる。
前記錠剤吐出管20は錠剤を1個ずつ吐出するように設計された内径Dを有する。
前記錠剤吐出管20は、弾性材料(弾性を有する軟材質)で形成されており、長手方向の一部に設定した押圧部位24を指で両側から圧搾することにより、押圧部位24より先端側に内包する錠剤に対して射出力を付与できるように設けている。
本実施形態では、錠剤吐出管20の基部22及び先部26の間の部分(中間部)を押圧部位24としている。
本実施形態では、前記錠剤吐出管20は、
図2に示す如く、薄肉の管壁Wを有し、当該管壁Wに管軸方向へ延びる複数の厚肉の補強リブRを周方向に間隔を存して配設している。
図示例では、
図3(A)に示す如く、薄肉の管壁Wから管径方向Bの外側に補強リブRを突設させており、錠剤吐出管20の表面は、規則正しい凹凸面になっている。こうすることで薄肉の管壁部分が等間隔で配置され、錠剤吐出管20が安定して曲がり易くなり、かつ原形状に戻り易い。
【0025】
錠剤吐出管20の開口端部28には、錠剤の係止手段30が付設されている。
係止手段30の役割は、錠剤吐出管20の先部26内に錠剤を保持すること、及び、錠剤吐出管20から錠剤Tを吐出する際に力(射出力)を溜めることである。
本実施形態において、前記係止手段30は、管軸方向Aから見て、前記開口端部28より内側へ突設された複数(図示例では3個)の係止爪32からなる。係止爪32の個数は、適宜変更することができ、例えば4個以上でも良く、また2個でも構わない。
これら係止爪32は、
図4(A)に示す如く、開口端部28の周方向に等角的に配置させることが好適である。錠剤Tの周囲に係止力が均等に作用することになり、錠剤Tの射出方向が管軸方向Aからズレることを防止できる。
同様の理由から、これらの係止爪32の形状(係止爪32の長さ・幅・厚みを含む)、強度、及び突設方向(開口端部28からの突設方向)を同じにして、各係止爪32が錠剤Tに加える係止力が等しくなるようにすることが望ましい。
係止爪32の形状は、本実施形態では、
図4(A)に示す如く、ほぼ棒状(図示例では細い帯板状)であるが、これも適宜変更することができる。例えば係止爪32の個数が2個の場合には、各係止爪32の係止力が大きくなるように、開口端部28の縁に沿って幅広の帯板状に形成しても良い。
係止爪32の強度(剛性)は、前記押圧部位24を圧搾したときに、各係止爪32が錠剤Tに対する射出力に降伏する程度に設定すると良い。その結果、各係止爪32は、錠剤Tが開口端部28を通過する際に多少撓み(後述の
図5(B)参照)、管軸方向A外側へ弾性的に拡開変形する。
そうすることにより、手指の力の弱い利用者にとっても確実に錠剤Tを射出することができ、操作性が良いものとなる。
係止爪32の突設方向は、本実施形態では、管径方向B(
図2において紙面に直交する方向)から見て、前記開口端部28より、錠剤吐出管20の先方(
図2の図示例では上方)寄りに斜めに設定している。すなわち、管壁Wと係止爪32との間に張る角度θを90°より大としている。
そうすることにより、錠剤Tの不意の抜け出しを防止できる程度の錠剤保持力を確保しつつ、前述の拡開変形を容易とし、使い勝手がよくなる。
【0026】
図5は、本発明の錠剤吐出管20の機能を模式的に表すための説明図である。なお、簡単のために、係止爪32の個数を2個としているが、考え方は3個以上の場合でも同じである。
図5(A)は、錠剤Tが複数の前記係止爪32に突き当たり、前記錠剤吐出管20の先部26内に保持されている段階を表している。
この段階において、先部26内の錠剤Tは係止爪32によって係止されているので、錠剤吐出管20の開口端部28を下向きにしても、錠剤Tが開口端部28から不意に脱落することはない。
図5(B)は、前記錠剤吐出管20の中間部24を管径方向Bの両側から圧搾する段階を表している。
この圧搾段階において、錠剤吐出管20は前記中間部24から基部22及び先部26に亘って全体として内側へ凸の弧状に撓む。これにより、先部26内の錠剤Tは中間部24側から管軸方向A外側へ押し出される。
中間部24を圧搾する段階の初期において、各係止爪32は錠剤Tの押し出しに抵抗するが、さらに中間部24を押し込むことにより、押出し力が増大すると、錠剤Tは、先部26を拡径させるとともに係止爪32を外側へ拡開させながら、開口端部28を押し通る。
係止爪32を設けない構造では押圧部位24から錠剤Tに十分に力が伝わる前に開口端部28から力なく抜け落ちる(すっぽ抜ける)場合があるのに対して、本実施形態の構造では、より押し出し力が増大した時点で、錠剤を射出することができる。故に後者の構造においては、より遠方まで錠剤を飛ばすことができる。除草剤を飛ばす用途に使用する場合、2~3mは飛ばせるように設計することが望ましい。
図5(C)は、錠剤吐出管20の開口端部28から射出された段階を表している。
前述の通り、係止爪32が開口端部28の周囲に等角的に配置されているため、錠剤Tは、錠剤吐出管20の管軸Оに沿った方向へ投出される。
これにより、錠剤Tが開口端部28から直ちに下方へ落ちたり、管軸Оに対して左右又は上側にブレて飛び出すことを防止できる。
【0027】
オーバーキャップ40は、天板42の周端から垂設した外周壁44を、容器体2の口筒部6に嵌合させている。
また前記天板42の中央部には、凹み部43を設けている。
図示例では、前記外周壁44は、上半部44aから段差部sを介して厚肉の下半部44bを延設している。そして下半部44bの内面に前記オネジ部7とかみ合うメネジ部46を形成し、当該下半部44bを前記口筒部6に螺合させている。
また前記天板42の下面から、前記外周壁44より短い内周壁48を垂設し、この内周壁48の下端部を前記環状段部18の外周面に嵌合している。
なお、これらの構造は、適宜変更することができ、またオーバーキャップ40は省略しても構わない。
【0028】
前記構成において、
図1の状態から、オーバーキャップ40を外し、
図3に示すように、錠剤吐出管20が下になるまで容器体2を傾けると、容器体2内の錠剤が口筒部6からフランジ状壁部15のテーパ状面16に沿って摺動し、一個ずつ錠剤吐出管20内に入る。
錠剤吐出管20に一列に進入した複数個の錠剤Tは、その先頭の一個が係止爪32により係止されるため、錠剤吐出管20の内部から不意に脱落することはない。
そして、錠剤の中間部24を両側から指で軽く押さえ、この状態で容器体2を正立状態に戻すと、先部26に保持された一個の錠剤T以外の錠剤Tは、容器体2側へ落下する。
次に、
図4(A)に示すように、錠剤吐出管20が目的場所に向くように容器体2の姿勢を調整する。
さらに
図4(B)に示すように、錠剤吐出管20の押圧部位24の両側を指で挟み、そのまま圧搾すると、錠剤が
図5(B)及び
図5(C)に示すように、錠剤Tが係止爪32を押しのけて管軸方向Aへ射出される。この手順により、錠剤Tを、所望の場所に投出することができる。
【0029】
次に本発明の実施形態による効果を説明する。
全ての態様に共通する事柄として、容器体2の口筒部6から延出された錠剤吐出管20とを具備しており、錠剤吐出管20の先部26に錠剤Tを保持できるように、錠剤吐出管20の開口端部28に錠剤の係止手段30が付設されており、前記錠剤吐出管20は、前記先部26より口筒部6寄りの押圧部位24を圧搾することにより、前記先部26内にある錠剤Tが前記開口端部28を越えて外方へ押し出されるように弾性材料で形成したことで、簡単な操作で錠剤を遠くまで飛ばすことができる。
次に前記係止手段30は、管軸方向Aから見て、前記開口端部28より内側へ突設された複数の係止爪32からなり、これらの係止爪32は周方向に等角的に配置された態様では、錠剤に対する係止力が周方向に等角的に作用するから、安定して大きな射出距離を得ることができる。
また前記係止爪32は、管径方向Bから見て、前記開口端部28より、錠剤吐出管20の先方寄りに斜めに突設されている態様では、錠剤への係止力を適切に調節することができ、使い勝手が良い。
また前記錠剤吐出管20は、薄肉の管壁Wを有し、当該管壁Wに管軸方向へ延びる複数の補強リブRを周方向に間隔を存して配設した態様では、錠剤吐出管20の形状の安定性を向上させることができ、安定して射出性能を向上できる。
また前記口筒部6へ嵌着された装着筒14から内向きのフランジ状壁部15を介して前記錠剤吐出管20を立設してなる射出部材10を具備する態様では、容器体2の口筒部6から錠剤吐出管20への錠剤の流れがスムーズとなり、使い勝手が良い。
【符号の説明】
【0030】
2…容器体 4…胴部 6…口筒部 7…オネジ部 8…係合突部
10…射出部材 12…装着部 14…装着筒 14a…外筒部 14b…内筒部
15…フランジ状壁部 16…テーパ状面 18…環状段部
20…錠剤吐出管 22…基部 24…中間部(押圧部位)
26…先部 28…開口端部
30…係止手段 32…係止爪
40…オーバーキャップ 42…天板 43…凹み部
44…外周壁 44a…上半部 44b…下半部 46…メネジ部 48…内周壁
A…管軸方向 B…管径方向 c…リング状連結板 D…内径 О…管軸
R…補強リブ p…抜止め用突部 s…段差部 T…錠剤 W…管壁