(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184215
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】センサ
(51)【国際特許分類】
H01H 13/00 20060101AFI20221206BHJP
H02N 2/18 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01H13/00 C
H02N2/18
H01H13/00 E
H01H13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091928
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 優作
(72)【発明者】
【氏名】野田 雅明
(72)【発明者】
【氏名】亀山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 清仁
(72)【発明者】
【氏名】長田 悠佑
(72)【発明者】
【氏名】橘田 康平
【テーマコード(参考)】
5G206
5H681
【Fターム(参考)】
5G206AS14K
5G206KS08
5G206KS10
5H681AA12
5H681BB08
5H681DD23
5H681DD53
5H681GG02
5H681GG18
5H681GG32
5H681GG34
(57)【要約】
【課題】損傷の可能性を低減可能なセンサを提供する。
【解決手段】第1発電部21及び第2発電部22は、それぞれ、可動部材13の移動に応じて撓むことで発電する。可動部材13が第1位置PT1から第2位置PT2へと移動することにより、第1発電部21が第1電圧を発生する。第2位置PT2まで移動した可動部材13が復帰ばね14の復帰力を受けて中間位置PT3まで移動した後で、可動部材13が中間位置PT3から第2位置PT2に移動することにより、第2発電部22が第2電圧を発生する。第1電圧は、送信ユニット33が起動するのに必要な起動電圧以上の電圧であり、第2電圧は、起動電圧未満の電圧である。送信ユニット33は、発電ユニット20が第1電圧を発生した場合は、発電ユニット20から電力供給を受けて第1信号を送信し、発電ユニット20が第2電圧を発生した場合は、電池30から電力供給を受けて第2信号を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置と前記第1位置の下方に位置する第2位置との間で移動可能な可動部材と、
前記可動部材に上向きの復帰力を加える復帰ばねと、
前記可動部材が移動することによって発電する発電ユニットと、
電池と、
無線信号を送信する送信ユニットと、を備え、
前記発電ユニットは、第1発電部及び第2発電部を含み、
前記第1発電部及び前記第2発電部は、それぞれ、前記可動部材の移動に応じて撓むことで発電し、
前記可動部材が前記第1位置から前記第2位置へと移動することにより、前記第1発電部が第1電圧を発生し、
前記第2位置まで移動した前記可動部材が前記復帰ばねの復帰力を受けて前記第2位置と前記第1位置との間の中間位置まで移動した後で、前記可動部材が前記中間位置から前記第2位置に移動することにより、前記第2発電部が第2電圧を発生し、
前記第1電圧は、前記送信ユニットが起動するのに必要な起動電圧以上の電圧であり、
前記第2電圧は、前記起動電圧未満の電圧であり、
前記送信ユニットは、
前記発電ユニットが前記第1電圧を発生した場合は、前記発電ユニットから電力供給を受けて第1信号を送信し、
前記発電ユニットが前記第2電圧を発生した場合は、前記電池から電力供給を受けて第2信号を送信する、
センサ。
【請求項2】
前記電池は、前記発電ユニットが発生した電気エネルギを蓄える蓄電素子を含む、
請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記発電ユニットは、第3発電部を更に含み、
前記第3発電部は、
前記可動部材の移動に応じて移動する永久磁石と、
前記永久磁石の移動による磁束の変化で発電するコイルと、を有する、
請求項1又は2記載のセンサ。
【請求項4】
前記第2発電部は、前記可動部材の移動によって撓む圧電素子を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記第1信号と前記第2信号とが同じ信号である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記可動部材と前記復帰ばねと前記発電ユニットと前記電池と前記送信ユニットとを収容する筐体と、
前記筐体を保持するストッパ部材と、を更に備え、
前記可動部材は、往復動作を行う動作部材を有するシリンダの前記動作部材によって下向きに押され、
前記可動部材は、前記ストッパ部材が前記動作部材と接触しているときに、前記第2位置に位置し、
前記ストッパ部材は、前記可動部材が前記第2位置よりも下方に移動しないように、前記動作部材の下方への移動を制限する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記動作部材と接触する前記ストッパ部材の接触部位を前記シリンダに対して上下に移動させる位置調整機構を更に備える、
請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記可動部材は、前記動作部材によって下向きに押される円柱状の操作部を有し、
前記ストッパ部材の前記接触部位には、前記操作部が挿入される貫通孔が設けられており、
前記位置調整機構は、前記操作部の前記円柱状の中心軸に沿って配置される、
請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記ストッパ部材を前記シリンダに取り付けるための取付部材を更に備え、
前記取付部材は、電磁波を透過する第1透過部を含み、
前記ストッパ部材は、電磁波を透過する第2透過部を含み、
前記第1透過部と前記第2透過部とは、少なくとも一部が重なるように配置されている、
請求項6~8のいずれか1項に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサに関する。より詳細には、本開示は、可動部材の移動に応じて発生した電力で動作するセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シリンダ本体と、シリンダ本体に進退自在に装備されたピストン部材と、ピストン部材の位置を検出可能な位置検出機構と、ピストン部材と連動して進退する連動ロッドと、を備えた流体圧シリンダを開示する。位置検出機構は、連動ロッドに設けられた被検出部が前進側設定位置に移動したことを検出する前進位置検出スイッチと、被検出部が後退限位置に移動したことを検出する後退位置検出スイッチと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の流体圧シリンダが備える前進位置検出スイッチ及び後退位置検出スイッチはそれぞれリミットスイッチで構成されており、位置検出機構には、リミットスイッチへの電線が接続されている。流体圧シリンダが、例えばロボットのマニピュレータに用いられる場合、マニピュレータの動きによって位置検出機構に接続された電線がマニピュレータ等の部品と擦れて損傷する可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、損傷の可能性を低減可能なセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のセンサは、可動部材と、復帰ばねと、発電ユニットと、電池と、送信ユニットと、を備える。前記可動部材は、第1位置と前記第1位置の下方に位置する第2位置との間で移動可能である。前記復帰ばねは、前記可動部材に上向きの復帰力を加える。前記発電ユニットは、前記可動部材が移動することによって発電する。前記送信ユニットは無線信号を送信する。前記発電ユニットは、第1発電部及び第2発電部を含む。前記第1発電部及び前記第2発電部は、それぞれ、前記可動部材の移動に応じて撓むことで発電する。前記可動部材が前記第1位置から前記第2位置へと移動することにより、前記第1発電部が第1電圧を発生する。前記第2位置まで移動した前記可動部材が前記復帰ばねの復帰力を受けて前記第2位置と前記第1位置との間の中間位置まで移動した後で、前記可動部材が前記中間位置から前記第2位置に移動することにより、前記第2発電部が第2電圧を発生する。前記第1電圧は、前記送信ユニットが起動するのに必要な起動電圧以上の電圧であり、前記第2電圧は、前記起動電圧未満の電圧である。前記送信ユニットは、前記発電ユニットが前記第1電圧を発生した場合は、前記発電ユニットから電力供給を受けて第1信号を送信し、前記発電ユニットが前記第2電圧を発生した場合は、前記電池から電力供給を受けて第2信号を送信する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、損傷の可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態のセンサがオン状態から僅かに復帰したときの断面図である。
【
図2】
図2は、同上のセンサの概略的なブロック図である。
【
図4】
図4は、同上のセンサのオフ状態での断面図である。
【
図5】
図5は、同上のセンサのオフ状態からオン状態に切り替わる直前の断面図である。
【
図6】
図6は、同上のセンサのオン状態の断面図である。
【
図7】
図7は、同上のセンサにおいて可動部材が限界位置まで押されたときの断面図である。
【
図8】
図8は、同上のセンサがストッパ部材に保持された状態の外観斜視図である。
【
図9】
図9は、同上のセンサとストッパ部材とを分離した状態の斜視図である。
【
図10】
図10は、同上のセンサがスライドテーブルを駆動するシリンダに取り付けられた状態の斜視図である。
【
図11】
図11は、同上のセンサがシリンダに取り付けられた状態の平面図である。
【
図12】
図12は、同上のシリンダの第1復帰状態の平面図である。
【
図13】
図13は、同上のシリンダの第2復帰状態の平面図である。
【
図14】
図14は、同上のシリンダの要部を拡大した平面図である。
【
図15】
図15は、適用例1のシリンダを右後方から見た斜視図である。
【
図16】
図16は、適用例1のシリンダを左後方から見た斜視図である。
【
図17】
図17は、適用例1のシリンダの閉状態の正面図である。
【
図18】
図18は、適用例1のシリンダの開状態の正面図である。
【
図19】
図19は、適用例1のシリンダの第1復帰状態の正面図である。
【
図20】
図20は、適用例1のシリンダの第2復帰状態の正面図である。
【
図22】
図22は、適用例2のシリンダのリム板が外された状態の斜視図である。
【
図23】
図23は、適用例2のシリンダのリンク機構を示す閉状態の正面図である。
【
図24】
図24は、適用例2のシリンダのリンク機構を示す閉状態の斜視図である。
【
図25】
図25は、適用例2のシリンダのリンク機構を示す開状態の正面図である。
【
図26】
図26は、適用例2のシリンダのリンク機構を示す開状態の斜視図である。
【
図27】
図27は、適用例2のシリンダのリンク機構を示す中間状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係るセンサについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(1)本開示の実施形態に係るセンサの概要
本開示の実施形態に係るセンサA1は、
図1に示すように、可動部材13と、復帰ばね14と、発電ユニット20と、電池30と、送信ユニット33(
図2参照)と、を備える。
【0011】
可動部材13は、第1位置PT1(
図4に示すオフ状態での位置)と、第1位置PT1の下方に位置する第2位置PT2(
図6に示すオン状態での位置)との間で移動可能である。
【0012】
復帰ばね14は、可動部材13に上向きの復帰力を加える。
【0013】
発電ユニット20は、可動部材13が移動することによって発電する。
【0014】
送信ユニット33は、無線信号を送信する。
【0015】
発電ユニット20は、第1発電部21及び第2発電部22を含む。
【0016】
第1発電部21及び第2発電部22は、それぞれ、可動部材13の移動に応じて撓むことで発電する。
【0017】
可動部材13が第1位置PT1から第2位置PT2へと移動することにより、第1発電部21が第1電圧を発生する。
【0018】
第2位置PT2まで移動した可動部材13が復帰ばね14の復帰力を受けて第2位置PT2と第1位置PT1との間の中間位置PT3(
図1に示す位置)まで移動した後で、可動部材13が中間位置PT3から第2位置PT2に移動することにより、第2発電部22が第2電圧を発生する。
【0019】
第1電圧は、送信ユニット33が起動するのに必要な起動電圧以上の電圧であり、第2電圧は、起動電圧未満の電圧である。
【0020】
送信ユニット33は、発電ユニット20が第1電圧を発生した場合は、発電ユニット20から電力供給を受けて第1信号を送信する。送信ユニット33は、発電ユニット20が第2電圧を発生した場合は、電池30から電力供給を受けて第2信号を送信する。
【0021】
ここで、起動電圧とは、送信ユニット33が無線信号を送信する送信動作を実行可能な電圧範囲の下限値である。例えば、送信ユニット33が無線通信用のICを含む場合、起動電圧は、無線通信用のICの動作電圧範囲の下限値となる。
【0022】
センサA1の送信ユニット33は、可動部材13が第1位置PT1から第2位置PT2へと下向きに移動するときには第1発電部21から第1電圧を供給されて起動し、第1信号を送信することができる。また、可動部材13が復帰ばね14の復帰力によって第2位置PT2から中間位置PT3に移動した後に中間位置PT3から第2位置PT2まで移動する場合、第2発電部22が発生する第2電圧は起動電圧未満であるため、送信ユニット33は起動できない。この場合、送信ユニット33は、発電ユニット20が第2電圧を発生したことをトリガとして電池30から電力供給を受けて第2信号を送信するので、第2電圧が送信ユニット33の起動電圧未満であっても、送信ユニット33が第2信号を送信することができる。よって、センサA1では外部から電力供給を受けることなく、送信ユニット33が第1信号及び第2信号を送信できるので、電力供給及び信号送信のための電線が不要になる。センサA1に電力供給及び信号送信のための電線が接続されている場合は電線の断線等が発生する可能性があるが、本実施形態のセンサA1は電力供給及び信号送信のための電線が不要であるから、損傷の可能性を低減することができる。また、本実施形態のセンサA1は電力供給及び信号送信のための電線が不要であるから、センサA1の設置位置の自由度が向上するという利点もある。
【0023】
(2)実施形態に係るセンサの詳細
実施形態に係るセンサA1は、いわゆる環境発電(エナジーハーベスティング)を行う発電ユニット20を有している。可動部材13に下向きの力が加えられていない場合、可動部材13は、
図4に示すように、復帰ばね14の復帰力等を受けて第1位置PT1に移動している。ここで、可動部材13に下向きの力が加えられて可動部材13が第1位置PT1から第2位置PT2に移動すると、発電ユニット20(具体的には第1発電部21)が発生した第1電圧により送信ユニット33が起動して第1信号を送信する。
【0024】
本実施形態では、センサA1は、例えば、スライドテーブル905を往復動作させるシリンダSY1(
図10~
図14参照)に適用され、スライドテーブル905の位置を検出するために使用される。スライドテーブル905には、スライドテーブル905と一緒に移動する動作部材906が固定されている。シリンダSY1には、動作部材906の移動範囲の両端(第1端及び第2端)に1つずつセンサA1が取り付けられている。シリンダSY1に取り付けられた2つのセンサA1は、動作部材906が第1端に移動したことを検知する第1センサA11と、動作部材906が第2端に移動したことを検知する第2センサA12と、を含む。第1センサA11の可動部材13が、第1端に移動してきた動作部材906によって押されると、発電ユニット20が発電し、発電ユニット20から電力供給を受けて送信ユニット33が無線信号を送信する。また、第2センサA12の可動部材13が、第2端に移動してきた動作部材906によって押されると、発電ユニット20が発電し、発電ユニット20から電力供給を受けて送信ユニット33が無線信号を送信する。なお、シリンダSY1については、「(2.3)シリンダ及び取付部材」において、より詳細に説明する。
【0025】
(2.1)センサの構成
センサA1は、可動部材13、復帰ばね14、発電ユニット20、電池30、及び送信ユニット33等を収容する筐体10を有している。なお、センサA1の説明においては、特に断りのない限り、復帰ばね14が可動部材13を押す方向を上向きとして、
図1及び
図8に矢印で示す上下及び左右の各方向をセンサA1の上下及び左右の各方向と規定し、
図8に矢印で示す前後の各方向をセンサA1の前後の各方向と規定する。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上規定した方向であり、センサA1が実際に使用される際の方向を規定するものではない。
【0026】
筐体10は、金属材料又は合成樹脂によって形成されたベース11と、合成樹脂等によって形成されたカバー12とを含む。
【0027】
ベース11は、底面の長辺及び短辺の寸法に比べて、高さの寸法が小さい直方体状に形成されている。
【0028】
カバー12は、下面の全体に開口部を有する箱型に形成されている。カバー12には、下面の開口部を塞ぐようにベース11が取り付けられている。
【0029】
筐体10の内部には、
図1、
図2、
図4~
図7に示すように、可動部材13、復帰ばね14、発電ユニット20、回路基板25、及び可動ブロック40等の部品が収容されている。回路基板25には、電池30及び送信ユニット33等の部品が実装されている。
【0030】
可動部材13は、動作部材906によって下向きに押される円柱状の操作部131を有している。操作部131は、カバー12の上面に設けられた貫通孔121(
図1参照)に下側から挿入され、貫通孔121を通して筐体10の外部に露出する。可動部材13には、ベース11から上向きに突出するポール111が挿入される貫通孔132が設けられている。ポール111には、例えばコイルばねのような復帰ばね14が挿入されている。可動部材13は、貫通孔132にポール111が挿入された状態でベース11に取り付けられており、可動部材13とベース11との間に復帰ばね14が配置されている。可動部材13は、ポール111にガイドされることによって、第1位置PT1と第2位置PT2との間で上向き又は下向きに移動可能となっている。以下では、可動部材13が移動する向き(上向き又は下向き)に沿った軸を第1軸AX1という。つまり、可動部材13は、第1位置PT1と第2位置PT2との間で第1軸AX1に沿って上向き又は下向きに移動可能である。可動部材13は復帰ばね14によって上向きに押されており、操作部131に下向きの力が加わっていない状態では、可動部材13は移動範囲の上端、つまり第1位置PT1に位置している。
【0031】
また、可動部材13において貫通孔121から露出する部位(つまり操作部131)には、例えば弾性を有する合成樹脂で形成された保護カバー16が取り付けられている。これにより、操作部131と貫通孔121との間の隙間から筐体10の内部に水又は塵埃等が入り込む可能性を低減している。
【0032】
発電ユニット20は、第1発電部21と、第2発電部22と、を含む。また、発電ユニット20は、第3発電部23を更に含んでいる。
【0033】
第1発電部21及び第2発電部22は共通の構成を有している。第1発電部21及び第2発電部22の各々は、振動体241と、圧電素子242と、おもり243とを有している。
【0034】
第1発電部21及び第2発電部22は、ベース11の上面に固定された基台15に保持されている。
【0035】
基台15は、ベース11の上面に沿って配置される板状のストッパ片151と、ストッパ片151の左側の端部から上向きに突出する連結片152と、ストッパ片151と平行に配置されて、左側の端部が連結片152に連結されるストッパ片153と、を備える。一対のストッパ片151,153と連結片152とはそれぞれ軟磁性材料により形成されており、基台15の側面視の形状は全体としてC型に形成されている。
【0036】
第1発電部21は、連結片152と上側のストッパ片153との間に保持され、第2発電部22は、連結片152と下側のストッパ片151との間に保持される。
【0037】
振動体241は、弾性を有する軟磁性体の板材、例えば、ステンレス鋼板によって矩形板状に形成されている。振動体241の左端は基台15に固定されており、振動体241は基台15から右方向に向かって突出している。
【0038】
振動体241の右端にはおもり243が取り付けられている。おもり243は、例えば軟磁性材料によって板状に形成されている。第1発電部21では振動体241の下面におもり243が取り付けられており、第2発電部22では振動体241の上面におもり243が取り付けられている。
【0039】
圧電素子242は、振動体241の上面及び下面に1つずつ設けられている。圧電素子242は、振動体241の右端が上向き又は下向きに撓むことによって振動体241と共に撓み、撓み量に応じた電圧を発生する。つまり、第2発電部22は、可動部材13の移動によって撓む圧電素子242を含んでいる。圧電素子242の材料は、圧電セラミックス、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr・Ti)O3)が好適である。ただし、圧電素子242を形成する材料は、チタン酸鉛(PbTiO3)、メタニオブ酸鉛(PbNb2O6)、チタン酸ビスマス(Bi4Ti3O12)などの圧電セラミックスであっても構わない。第2発電部22は圧電素子242を用いて発電を行うので、スポット溶接が行われる現場等、電磁ノイズが存在する環境下でも、センサA1の誤動作が発生する可能性を低減できる。
【0040】
なお、第1発電部21及び第2発電部22がそれぞれ備えるおもり243の右端部分は、ストッパ片151,153にそれぞれ設けられた貫通孔154に挿入されており、おもり243の右端部分が貫通孔154の孔縁に当たることで振動体241の撓み量が制限されている。
【0041】
第3発電部23は、コア(鉄心)231、コイル232、及び可動ブロック40を有する。
【0042】
コア231は、純鉄又は磁性ステンレス鋼などの軟磁性材料によって円柱状に形成されており、連結片152の右側面にねじ等を用いて固定されている。コア231は連結片152の右側面から右向きに突出している。
【0043】
コア231には、コイル232が取り付けられている。コイル232は、コイルボビンに巻線(エナメル線)が巻回されて円筒状に形成されており、コイルボビンの孔にコア231が挿入されている。なお、コイル232は、自己融着性を有する絶縁体で導体を被覆した電線が、螺旋状に巻回されたボビンレスのコイルであっても構わない。
【0044】
可動ブロック40は、
図1及び
図3に示すように、永久磁石41と、一対のヨーク42と、ホルダ43とを有している。
【0045】
永久磁石41は、例えば、直方体状のネオジム磁石である。ただし、永久磁石41は、ネオジム磁石以外の磁石、例えば、サマリウムコバルト磁石などであっても構わない。永久磁石41は上下方向に着磁されており、例えば、上部がN極となり、下部がS極となっている。
【0046】
一対のヨーク42は、それぞれ軟磁性材料によって平板状に形成されている。一対のヨーク42は永久磁石41の上面及び下面に一つずつ配置されている。一対のヨーク42の各々は、第1ヨーク片421と、第2ヨーク片422と、を有している。第1ヨーク片421は、四角形の平板状に形成されている。第1ヨーク片421は永久磁石41の上面又は下面に沿って配置される。第2ヨーク片422は、矩形の平板状に形成されている。第2ヨーク片422は、第1ヨーク片421の左端から第1ヨーク片421の厚み方向(上下方向)に突出している。
【0047】
ホルダ43は、非磁性材料、例えば、アルミニウム又は合成樹脂によって形成されている。ホルダ43は、永久磁石41と、一対のヨーク42と、を保持する。ホルダ43は、一対のヨーク42の第1ヨーク片421で永久磁石41を上下から挟むようにして、永久磁石41と一対のヨーク42を保持する。永久磁石41と一対のヨーク42とがホルダ43に保持された状態では、一対のヨーク42の第2ヨーク片422は、永久磁石41の左側に配置され、互いに離間した状態で対向している。
【0048】
ここで、ホルダ43に保持された永久磁石41及び一対のヨーク42は、第1発電部21の振動体241と、第2発電部22の振動体241との間に配置される。
【0049】
ホルダ43の前側の側面には溝44が設けられており、この溝44に線ばね45の中間部位が挿入される。線ばね45は線細工ばねである。具体的には、線ばね45は、線状の材料により、下から見た形状が略G形に形成されている。線ばね45は、可動ブロック40及び基台15の周りを囲むように配置され、線ばね45の第1端は前側から可動部材13の孔133に挿入され、線ばね45の第2端はホルダ43の後側の側面に設けられた孔に挿入されている。線ばね45の中間部位は、ホルダ43の溝44と、連結片152の左側面の溝155とに通されている。
【0050】
ここで、操作部131に下向きの力が加えられて、可動部材13が第1位置PT1から下向きに移動すると、可動部材13に第1端が保持された線ばね45によってホルダ43が下向きに押され、ホルダ43が下向きに移動する。
図6に示すように、可動部材13が第2位置PT2まで移動すると、ホルダ43に保持された下側のヨーク42が第2発電部22のおもり243に接触し、上側のヨーク42の第2ヨーク片422がコア231の先端に接触する。このとき、永久磁石41、上側のヨーク42、コア231、連結片152、第2発電部22、下側のヨーク42、及び永久磁石41の経路で磁路が形成される。
【0051】
その後、操作部131を下向きに押す力がなくなると、可動部材13が復帰ばね14の復帰力等を受けて上向きに移動する。可動部材13が上向きに移動すると、可動部材13に第1端が保持された線ばね45によってホルダ43が上向きに押されて、ホルダ43が上向きに移動する。
図4に示すように、可動部材13が第1位置PT1まで移動すると、ホルダ43に保持された上側のヨーク42が第1発電部21のおもり243に接触し、下側のヨーク42の第2ヨーク片422がコア231の先端に接触する。このとき、永久磁石41、上側のヨーク42、第1発電部21、連結片152、コア231、下側のヨーク42、及び永久磁石41の経路で磁路が形成される。
【0052】
第3発電部23は、ホルダ43の下側又は上側への移動に応じてコイル232を鎖交する磁束が変化することによって発電する。上述のように、第3発電部23は、可動部材13の移動に応じて移動する永久磁石41と、永久磁石14の移動による磁束の変化で発電するコイル232と、を有しており、電磁誘導による発電も行うことができる。
【0053】
回路基板25には、電池30、電源回路31(
図2参照)、送信ユニット33とそのアンテナ、制御回路34(
図2参照)、及びスイッチ32(
図2参照)等の部品が実装されている。回路基板25は、例えば、ストッパ片153の上に配置されている。
【0054】
スイッチ32は、例えばノーマリオフ型のMOSFETであり、電池30と送信ユニット33との間に接続されている。スイッチ32は制御回路34によってオン/オフが切り替えられる。
【0055】
電源回路31は、発電ユニット20に電気的に接続される。電源回路31は、発電ユニット20で発電される電力(交流電力)を直流電力に変換するように構成される。例えば、電源回路31は、整流回路、平滑コンデンサ及び電圧レギュレータなどを有する。電源回路31で変換された直流電力が送信ユニット33に供給される。
【0056】
電池30は例えば一次電池である。なお、電池30は、一次電池に限定されず、充電が可能な二次電池、キャパシタ等の蓄電素子でもよい。電池30は、発電ユニット20が発生した電気エネルギを蓄える蓄電素子でもよく、電池30が一次電池である場合に比べて電池30の交換が不要になるという利点がある。
【0057】
送信ユニット33は、電源回路31又は電池30から直流電力が供給されることで無線信号により第1信号又は第2信号を送信する。無線信号は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に準拠した無線信号であり、特に、Bluetooth(登録商標) Low Energyの規格に準拠した無線信号であることが好ましい。
【0058】
制御回路34には、発電ユニット20(第1発電部21、第2発電部22、及び第3発電部23)の出力電圧が入力されている。制御回路34は、例えば低電圧動作のマイクロコンピュータを含み、発電ユニット20の発電出力が送信ユニット33の起動電圧以上の第1電圧であれば、スイッチ32をオフに制御する。スイッチ32がオフの場合、送信ユニット33は発電ユニット20から電力供給を受けて無線信号により第1信号を送信する。また、制御回路34は、発電ユニット20の発電出力が送信ユニット33の起動電圧未満の第2電圧であれば、スイッチ32をオンに制御する。スイッチ32がオンの場合、送信ユニット33は電池30から電力供給を受けて無線信号により第2信号を送信する。
【0059】
なお、制御回路34は、第1発電部21及び第2発電部22の出力電圧と、第3発電部23の出力電圧とに基づいて、発電ユニット20の出力電圧が起動電圧以上であるか否かを判断し、スイッチ32のオン/オフを制御してもよい。具体的には、制御回路34は、第1発電部21及び第2発電部22が発電している状態で、第3発電部23の出力電圧が所定の閾値電圧未満であれば、発電ユニット20の出力電圧が送信ユニット33の起動電圧未満であると判断して、スイッチ32をオンにする。これにより、第1発電部21及び第2発電部22が発電している状態で、第3発電部23の発電出力も閾値電圧以上であれば、スイッチ32はオフになる。つまり、発電ユニット20の発電出力が起動電圧以上であれば、スイッチ32はオフになるので、電池30から送信ユニット33に電力供給が行われることはなく、電池30の消耗が抑制される。
【0060】
(2.2)ストッパ部材
2つのセンサA1には、動作部材906の動作範囲を規制することにより可動部材13の下側への移動量を規制する2つのストッパ部材50が取り付けられる。ストッパ部材50は、センサA1の筐体10の一部(例えばベース11の下面及び右側面)と接触した状態で、筐体10を保持している。なお、2つのストッパ部材50は、第1センサA11に取り付けられる第1ストッパ部材50Aと、第2センサA12に取り付けられる第2ストッパ部材50Bと、を含む。
【0061】
ストッパ部材50は、センサA1のベース11が載せられる板状の取付台51と、取付台51の右端から上向きに突出する支柱52と、支柱52の上端から左向きに突出する保持部53と、を有している。ストッパ部材50は、例えば金属材料により形成されている。
【0062】
取付台51の上面の右側には円形の凹部55が設けられている。凹部55の底面には、取付台51を上面から下面まで貫通する貫通孔56が設けられている。貫通孔56には調整ボルト61のねじ部63が上側から挿入され、凹部55に調整ボルト61の頭部62が配置される(
図4参照)。
【0063】
また、取付台51の上面の左側には、取付台51を上面から下面まで貫通する2つの貫通孔57が設けられている(
図9参照)。
【0064】
調整ボルト61のねじ部63が貫通孔56に挿入され、凹部55に頭部62が配置された状態で、貫通孔57に下面から通した固定ねじをベース11のねじ穴にネジ込むことで、ストッパ部材50がベース11に固定される。凹部55の深さ寸法は、頭部62の厚み寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されており、調整ボルト61は回転可能な状態でベース11とストッパ部材50との間に保持される。
【0065】
調整ボルト61は、センサA1及びストッパ部材50をシリンダSY1に取り付けるための取付部材70(
図10及び
図11参照)に設けられたボルト孔76にネジ込まれる。調整ボルト61のねじ込み量を調整することで、X軸においてシリンダSY1に対するセンサA1及びストッパ部材50の位置が調整することができる。つまり、調整ボルト61等で、動作部材906と接触するストッパ部材50の接触部位58をシリンダSY1に対して上下に移動させる位置調整機構60が実現される。なお、本実施形態では2つのセンサA1及び2つのストッパ部材50が2つの取付部材70を用いてシリンダSY1に取り付けられる。2つの取付部材70は、第1センサA11及び第1ストッパ部材50AをシリンダSY1に取り付けるための第1取付部材70Aと、第2センサA12及び第2ストッパ部材50BをシリンダSY1に取り付けるための第2取付部材70Bと、を含む。
【0066】
保持部53には、可動部材13の上部が挿入される貫通孔54が設けられている。ストッパ部材50の接触部位58には、操作部131が挿入される貫通孔54が設けられている。操作部131が貫通孔54に挿入されることによって、環状の保持部53で可動部材13の周りが囲まれているので、センサA1がシリンダSY1に取り付けられた場合に、シリンダSY1に設けられた計器類のケーブル等が、シリンダSY1の動作部材906とセンサA1との間に挟まれにくくなり、センサA1の破損等が発生しにくくなる。なお、保持部53が「環状」であるとは、可動部材13の全周を囲んでいるものに限定されず、一部が途切れていてもよく、保持部53の上面視の形状はC型であってもよい。
【0067】
ここで、保持部53の上面が、シリンダSY1が有する動作部材906と接触する接触部位58となる。センサA1の可動部材13は、シリンダSY1の動作部材906によって下向きに押されるのであるが、可動部材13が下向きに移動する場合の限界の位置が限界位置PT4(
図1及び
図7参照)である。ストッパ部材50は、動作部材906が下向きに移動したときに動作部材906と接触することによって第2位置PT2を決定する。言い換えれば、可動部材13は、ストッパ部材50が動作部材906と接触しているときに、第2位置PT2に位置している。ストッパ部材50は、可動部材13が第2位置PT2よりも下方に移動しないように、動作部材906の下方への移動を制限している。ここで、ストッパ部材50において、動作部材906と接触する接触部位58は、限界位置PT4に存在する可動部材13の上端よりも上側にあるので、可動部材13が限界位置PT4まで押されることがなく、センサA1が破損しにくくなる。
【0068】
本実施形態では、センサA1を保持したストッパ部材50が取付部材70を用いてシリンダSY1に取り付けられる。したがって、位置調整機構60を用いてシリンダSY1に対してストッパ部材50の位置を調整すれば、シリンダSY1に対するセンサA1の位置も同時に調整できる。よって、シリンダSY1に対するストッパ部材50の位置調整と、シリンダSY1に対するセンサA1の位置調整を別々に行う必要がなく、位置調整の手間を削減できる。また、位置調整機構60は操作部131の円柱状の部位の中心軸AX3に沿って配置されているので(
図11参照)、動作部材906が可動部材13の操作部131に接触した場合に、センサA1及びストッパ部材50を介して位置調整機構60に曲げモーメントが発生する可能性を低減できる。なお、位置調整機構60が操作部131の円柱状の部位の中心軸AX3に沿って配置されるとは、位置調整機構60の調整ボルト61の中心軸と中心軸AX3とが平行な状態で、調整ボルト61の中心軸と中心軸AX3とが重なっていることに限定されない。位置調整機構60の調整ボルト61の中心軸と中心軸AX3との交差角が45度以下であればよい。また調整ボルト61の中心軸と直交する面において、調整ボルト61の中心軸と中心軸AX3との間の距離が、製造誤差等に起因する許容寸法以下に収まっていればよい。また、本実施形態において、2つの物体が沿っているとは、両者が完全に平行であることに限定されず、数度程度の角度で交差している状態を含み得る。また、2つの物体が直交しているとは、両者が厳密に90度の角度で交差していることに限定されず、両者の交差角が90度から数度程度ずれている状態を含み得る。
【0069】
また、ストッパ部材50はセンサA1の一部(例えばベース11の下面及び右側面)と接触しているので、ストッパ部材50の接触部位58にシリンダSY1の動作部材906が当たったときの衝撃がストッパ部材50を介してセンサA1に伝わりやすくなる。よって、接触部位58に動作部材906が当たったときの衝撃で、おもり243がヨーク42に接触していない第1発電部21の振動体241が振動しやすくなり、第1発電部21の発電出力が大きくなるという利点もある。
【0070】
また、ストッパ部材50には、センサA1の筐体10の前側、左側、及び後側の側面と、上面の左半分とを露出させる開口が設けられており、この開口が電磁波を透過する第2透過部E2となっている(
図8参照)。なお、第2透過部E2は、電磁波に対して透過性を有する合成樹脂製の部材で実現されていてもよい。
【0071】
(2.3)シリンダ及び取付部材
次に、センサA1が取り付けられるシリンダSY1について
図10~
図14を参照して説明する。なお、シリンダSY1についての説明では、
図10~
図14においてX軸に沿う方向を上下、Y軸に沿う方向を左右、Z軸に沿う方向を前後と規定する。ただし、これらの方向は一例であり、シリンダSY1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0072】
シリンダSY1は、流体圧(例えば空気圧)を受けて、スライドテーブル905をX軸に沿って往復動作させるために用いられる。スライドテーブル905は、X軸上の第1停止位置と第2停止位置との間で往復動作を行う。第1停止位置は、スライドテーブル905が往復動作を行う移動範囲の下端の位置(
図11に実線で示す位置)であり、第2停止位置は、スライドテーブル905が移動範囲の上端の位置(
図11に点線で示す位置)である。
【0073】
スライドテーブル905は、シリンダSY1の本体900の前面に、X軸に沿って移動可能な状態で取り付けられている。
【0074】
シリンダSY1の本体900には、ピストンを収容するシリンダ室が設けられている。シリンダ室は、ピストンを挟んでロッド側の第1空気室とヘッド側の第2空気室とに分けられ、第1空気室及び第2空気室のそれぞれにエア配管902,903が繋がっている。ピストンの下面からは2本のロッド901が下向きに突出している。2本のロッド901は、本体900の下部に設けられた2つの貫通孔にそれぞれ通され、本体900の外部に露出している。2本のロッド901の下端はスライドテーブル905に連結されており、スライドテーブル905はピストンと連動して上向き又は下向きに移動する。
【0075】
シリンダSY1には、スライドテーブル905の移動範囲を制限する2つのストッパ部材50(第1ストッパ部材50A及び第2ストッパ部材50B)が取り付けられている。スライドテーブル905の移動範囲の下端は、第1ストッパ部材50Aによって第1停止位置に制限されている。また、スライドテーブル905の移動範囲の上端は、第2ストッパ部材50Bによって第2停止位置に制限されている。
【0076】
また、シリンダSY1には、スライドテーブル905が第1停止位置に移動したことを検知する第1センサA11と、スライドテーブル905が第2停止位置に移動したことを検知する第2センサA12と、が取り付けられている。
【0077】
ここで、第1センサA11及び第1ストッパ部材50Aは第1取付部材70Aを用いてシリンダSY1に取り付けられ、第2センサA12及び第2ストッパ部材50Bは第2取付部材70Bを用いてシリンダSY1に取り付けられている。第1取付部材70Aと第2取付部材70Bとは、シリンダSY1への取付部分を除いて、X軸と直交する平面に対してほぼ対称な形状に形成されている。以下では、第1停止位置において第1ストッパ部材50A及び第1センサA11をシリンダSY1に取り付ける第1取付部材70Aについて説明し、第2取付部材70Bについては説明を省略する。
【0078】
第1取付部材70Aは、例えば金属材料により形成されている。第1取付部材70Aは、
図10に示すように、第1センサA11の下面と対向する矩形板状の底板部71と、底板部71の後側の端部から上向きに突出する第1縦片72と、底板部71の右側の端部から上向きに突出する第2縦片73と、を備えている。
【0079】
底板部71には、X軸に沿って底板部71を貫通するボルト孔76が、ストッパ部材50の貫通孔56に対応する位置に設けられている。ボルト孔76の内周面にはねじ部が形成されており、ストッパ部材50の貫通孔56に挿入された調整ボルト61がボルト孔76にネジ込まれる。調整ボルト61のねじ込み量を調整することで、ストッパ部材50及びストッパ部材50に保持されたセンサA1がX軸に沿って移動する。調整ボルト61のねじ込み量を調整した後に、調整ボルト61のねじ部63にナット64を締め付けることで、調整ボルト61の位置が固定される。これにより、第1センサA11を保持したストッパ部材50は、スライドテーブル905が第1停止位置に移動した状態で、動作部材906が接触部位58に接触する位置に配置される。
【0080】
第1取付部材70Aには、センサA1の筐体10の前側及び左側の側面と、上面の左半分とを露出させる開口が設けられており、この開口が電磁波を透過する第1透過部E1となっている(
図10参照)。第1透過部E1は、電磁波に対して透過性を有する合成樹脂製のカバーで実現されていてもよい。第2透過部E2と第1透過部E1とは少なくとも一部が重なるように配置されているので、センサA1の送信ユニット33から送信される無線信号(電波信号)の減衰を抑制できる。
【0081】
第1取付部材70A及び第2取付部材70BのシリンダSY1への取付部分について説明する。第1取付部材70Aでは、第2縦片73の上端から上向きに突出する固定片74(
図12参照)が設けられている。固定片74には、Y軸に沿って固定片74を貫通する貫通孔が設けられている。第1取付部材70Aは、シリンダSY1の本体900の左側面に固定片74を重ね、貫通孔に通したボルトを本体900に設けられたボルト穴にネジ込むことによって、本体900に固定される。
【0082】
また、第2取付部材70Bでは、第2縦片73の右側の側面から右向きに突出する固定片75が設けられている。固定片75には、X軸に沿って固定片75を貫通する貫通孔が設けられている。第2取付部材70Bは、シリンダSY1の本体900の上面に固定片75を重ね、貫通孔に通したボルトを本体900に設けられたボルト穴にネジ込むことによって、本体900に固定される。
【0083】
なお、第2取付部材70Bを用いた第2センサA12及び第2ストッパ部材50Bの取付方法は、第1取付部材70Aを用いた取付方法と同様であるので、その説明は省略する。
【0084】
なお、シリンダSY1には、スライドテーブル905が第1停止位置及び第2停止位置に移動したことをそれぞれ検知するために、2つのセンサA1(第1センサA11及び第2センサA12)が取り付けられているが、シリンダSY1に2つのセンサA1が取り付けられることは必須ではない。シリンダSY1には、スライドテーブル905が第1停止位置に移動したことを検知する第1センサA11のみが取り付けられていてもよいし、スライドテーブル905が第2停止位置に移動したことを検知する第2センサA12のみが取り付けられていてもよい。
【0085】
(2.4)動作
次に、本実施形態のセンサA1及びシリンダSY1の動作を
図1、
図4~
図7、
図10~
図14に基づいて説明する。なお、シリンダSY1には2つの第1センサA11及び第2センサA12が取り付けられているが、2つの第1センサA11及び第2センサA12は同様の構成を有しているので、第1停止位置への移動を検出する第1センサA11の動作のみを説明する。
【0086】
(2.4.1)第2停止位置から第1停止位置へ移動するときの動作
スライドテーブル905が第2停止位置で停止している状態では、第1センサA11の可動部材13は、
図4に示すように、復帰ばね14のばね力を受けて第1位置PT1に移動している。この状態では、第1発電部21の圧電素子242、及び、第2発電部22の圧電素子242に撓みが発生しておらず、第1発電部21及び第2発電部22の発電出力はゼロである。可動部材13が第1位置PT1に移動した状態では、可動ブロック40が可動部材13の移動に連動して上向きに移動しており、コア231が下側のヨーク42に接触している。また、第1発電部21のおもり243に上側のヨーク42が接触しており、上側のヨーク42、第1発電部21のおもり243及び振動体241、基台15、コア231及び下側のヨーク42を通る磁路が形成される。その結果、永久磁石41の磁気吸引力によって第1発電部21の端部(おもり243)が可動ブロック40に吸着されている。この状態では、コイル232に鎖交する磁束が変化しないため、第3発電部23の発電出力もゼロである。つまり、スライドテーブル905が第2停止位置で停止している状態では、発電ユニット20の発電出力はゼロであり、送信ユニット33は無線信号の送信を行っていない。
【0087】
スライドテーブル905が第2停止位置で停止している状態で、エア配管903を介して第1空気室にエアが導入され、第2空気室のエアがエア配管902を介して外に流れると、ピストンは第1空気室と第2空気室との圧力差によって下向きに移動する。動作部材906は、ピストンの下向きへの移動に連動して下向きに移動する。
図10及び
図11に示すように、スライドテーブル905が第1停止位置まで移動すると、動作部材906が第1ストッパ部材50Aの接触部位58と接触し、下向きへの移動が第1ストッパ部材50Aによって規制される。これにより、スライドテーブル905は第1停止位置で停止する。また、動作部材906が第1センサA11の操作部131を下向きに押し込むことによって、発電ユニット20が第1電圧を発生し、送信ユニット33が第1信号を送信する。
【0088】
ここで、第1センサA11の発電動作を
図5及び
図6に基づいて説明する。動作部材906によって操作部131が下向きに押されると、可動部材13が下向きに移動し、可動部材13の移動に応じて可動ブロック40が下向きに移動する。このとき、可動ブロック40に吸着された第1発電部21の振動体241及び圧電素子242が下向きに撓み、圧電素子242は撓み量に応じた電圧を発生する。そして、第1発電部21のおもり243の右端部分が、ストッパ片153の貫通孔154の下側縁に当たった時点で、振動体241の撓みが規制され、可動ブロック40が更に下向きに移動すると、おもり243が上側のヨーク42から開放される。このとき、第1発電部21の振動体241が振動を開始し、振動体241の振動に応じて圧電素子242が電圧を発生する。
【0089】
また、第1発電部21のおもり243が上側のヨーク42から離れると、コイル232に鎖交する磁束が急激に減少し、第3発電部23が電圧を発生する。また、可動部材13が第1位置PT1に移動すると、
図6に示すように、コア231が上側のヨーク42に接触し、下側のヨーク42が第2発電部22のおもり243に接触する。これにより、上側のヨーク42、コア231、連結片152、第2発電部22の振動体241及びおもり243、上側のヨーク42を通る磁路が形成される。その結果、永久磁石41の磁気吸引力によって第2発電部22のおもり243が可動ブロック40に吸着される。このように、可動部材13が第1位置PT1から第2位置PT2まで移動すると、その間にコイル232に鎖交する磁束が変化するので、第3発電部23が、磁束の変化に応じた発電出力を発生する。
【0090】
したがって、可動部材13が第1位置PT1から第2位置PT2に移動するまでの間に、第2発電部22及び第3発電部23が、起動電圧を超える第1電圧を出力し、送信ユニット33は、発電ユニット20から供給される電力で第1信号を送信する。送信ユニット33から送信される第1信号は外部の上位システムR1(
図2参照)によって受信される。上位システムR1は、送信ユニット33からの無線通信を受信する通信機能を有している。上位システムR1は、第1センサA11から受信した第1信号に基づいて、スライドテーブル905が第1停止位置に移動したことを検知できる。
【0091】
可動部材13が第2位置PT2に移動した状態では、第1発電部21の圧電素子242の撓み量、及び、第2発電部22の圧電素子242の撓み量がそれぞれゼロになり、第1発電部21及び第2発電部22の発電出力はゼロになる。また、可動部材13が第2位置PT2で停止した状態では可動ブロック40も停止しているので、コイル232を鎖交する磁束は変化せず、第3発電部23の発電出力はゼロになる。これにより、送信ユニット33からの無線信号の送信も停止する。
【0092】
(2.4.2)第1停止位置から第2停止位置へ移動するときの動作
スライドテーブル905が第1停止位置で停止している状態で、エア配管902を介して第2空気室にエアが導入され、第1空気室のエアがエア配管903を介して外に流れると、ピストンは第1空気室と第2空気室との圧力差によって上向きに移動する。動作部材906は、ピストンの上向きへの移動に連動して上向きに移動する。
【0093】
動作部材906が上向きに移動すると、動作部材906が操作部131を下向きに押す力がなくなり、可動部材13が復帰ばね14の復帰力等を受けて上向きに移動する。このとき、
図1に示すように、可動ブロック40に吸着された第2発電部22の振動体241及び圧電素子242が上向きに撓み、圧電素子242は撓み量に応じた電圧を発生する。そして、第2発電部22のおもり243の右端部分が、ストッパ片153の貫通孔154の上側縁に当たった時点で、振動体241の撓みが規制され、可動ブロック40が更に上向きに移動すると、おもり243が下側のヨーク42から開放される。このとき、第2発電部22の振動体241が振動を開始し、振動体241の振動に応じて圧電素子242が電圧を発生する。
【0094】
また、第2発電部22のおもり243が下側のヨーク42から離れると、コイル232に鎖交する磁束が急激に減少し、第3発電部23が電圧を発生する。また、可動部材13が第2位置PT2に移動すると、
図4に示すように、コア231が下側のヨーク42に接触し、上側のヨーク42が第1発電部21のおもり243に接触する。これにより、上側のヨーク42、第1発電部21のおもり243及び振動体241、連結片152、コア231、及び下側のヨーク42を通る磁路が形成される。その結果、永久磁石41の磁気吸引力によって第1発電部21のおもり243が可動ブロック40に吸着される。このように、可動部材13が第2位置PT2から第1位置PT1まで移動すると、その間にコイル232に鎖交する磁束が変化するので、第3発電部23が、磁束の変化に応じた発電出力を発生する。
【0095】
したがって、可動部材13が第2位置PT2から第1位置PT1に移動するまでの間に、第1発電部21及び第3発電部23が、起動電圧を超える第1電圧を出力し、第1センサA11の送信ユニット33は、発電ユニット20から供給される電力で第1信号を送信する。このとき、上位システムR1は、第1センサA11の送信ユニット33から送信される第1信号を受信することによって、スライドテーブル905が第1停止位置から第2停止位置に向かって移動したことを検知できる。
【0096】
また、スライドテーブル905が第2停止位置まで移動すると、動作部材906が第2ストッパ部材50Bの接触部位58と接触し、上向きへの移動が第2ストッパ部材50Bによって規制される。これにより、スライドテーブル905は第2停止位置で停止する。また、動作部材906が第2センサA12の操作部131を上向きに押し込むことによって、発電ユニット20が第1電圧を発生し、送信ユニット33が第1信号を送信する。このときの第2センサA12の発電動作は、「(2.4.1)第2停止位置から第1停止位置へ移動するときの動作」で説明した第1センサA11の発電動作と同様である。外部の上位システムR1は、第2センサA12の送信ユニット33から送信される第1信号を受信することによって、スライドテーブル905が第2停止位置に位置していることを検知する。
【0097】
(2.4.3)第1停止位置でシリンダの圧力源が停止した後に再起動したときの動作
図10及び
図11に示すように、スライドテーブル905が第1停止位置で停止している状態(以下、初期停止状態と言う。)で、休日等による操業停止でシリンダSY1の圧力源(例えば空圧ポンプ等)が長時間停止すると、配管等でのエアのリークによって第1空気室及び第2空気室の圧力が低下する可能性がある。第1空気室及び第2空気室の圧力が低下すると、可動部材13が復帰ばね14の復帰力等を受けて上向きに移動する。その後、操業が再開してシリンダSY1の圧力源が再起動すると、圧力源からエアが供給されてシリンダSY1が、操業停止前の位置である第1停止位置に復帰する。
【0098】
ここで、圧力源が再起動してからスライドテーブル905が第1停止位置に復帰するまでに可動部材13が移動する移動量が所定の発電必要距離以上であれば、発電ユニット20の発電出力は起動電圧以上の第1電圧となる。発電必要距離は、例えば、発電ユニット20の発電出力が、送信ユニット33の起動電圧となるときの可動部材13の移動量である。具体的には、発電必要距離は、第2発電部22の圧電素子242が発生する発電出力が、第1電圧以上となるような撓み量が発生するときの移動量である。なお、発電必要距離は、例えば、コア231が上側のヨーク42から離れる位置まで可動ブロック40が上向きに移動しているときの可動部材13の位置から第2位置PT2まで可動部材13が移動する距離であってもよい。コア231が上側のヨーク42から離れる位置まで可動ブロック40が上向きに移動していれば、圧力源が再起動してからスライドテーブル905が第1停止位置に復帰するまでに、コイル232を通過する磁束が変化して第3発電部23が発電するので、第2発電部22及び第3発電部23によって起動電圧を超える第1電圧を発生することができる。
【0099】
図12は、圧力源の停止中に可動部材13が上向きに移動した移動量が発電必要距離以上であるときの状態(以下、第1復帰状態と言う。)を示している。なお、
図12の例では、動作部材906が操作部131から離れているので、可動部材13は第1位置まで移動している。スライドテーブル905が第1復帰状態から初期停止状態に移動するまでに可動部材13が移動する移動量は発電必要距離以上になるので、発電ユニット20の発電出力が起動電圧以上の第1電圧となり、制御回路34はスイッチ32のオフを維持する。このとき、電源回路31が発電ユニット20の発電出力を、起動電圧以上の電圧値の直流電圧に変換して送信ユニット33に供給する。すなわち、発電ユニット20の発電出力は送信ユニット33の起動電圧以上であるので、送信ユニット33は、発電ユニット20から電力供給を受けて起動し、第1信号を送信する。上位システムR1は、第1センサA11からの第1信号を受信することによって、スライドテーブル905が第1停止位置に位置していることを検知する。
【0100】
一方、
図13は、圧力源の停止中に可動部材13が上向きに移動した移動量が発電必要距離未満であるときの状態(以下、第2復帰状態と言う。)を示している。スライドテーブル905が第2復帰状態から初期停止状態に移動するまでに可動部材13が移動する移動量は発電必要距離未満であるので、発電ユニット20の発電出力は起動電圧未満の第2電圧となる。
【0101】
図1は、第2復帰状態における第1センサA11(センサA1)の状態を示している。この状態では、コア231は上側のヨーク42に接触しているので、スライドテーブル905が第2復帰状態から初期停止状態に復帰するまでの間に、可動部材13の移動に応じて可動ブロック40が下向きに移動しても、コイル232を通過する磁束は変化せず、第3発電部23の発電出力はゼロとなる。一方、第2発電部22の圧電素子242は僅かに撓んでいるため、スライドテーブル905が第2復帰状態から初期停止状態に復帰するまでの間に第2発電部22が起動電圧未満の第2電圧を発生する。このとき、制御回路34は、発電ユニット20が第2電圧を発生したことをトリガとして、スイッチ32をオンに制御するので、送信ユニット33は電池30から供給される電力で起動し、第2信号を送信する。上位システムR1は、第1センサA11の送信ユニット33から送信される第2信号を受信することによって、スライドテーブル905が第1停止位置に位置していることを検知する。
【0102】
なお、スライドテーブル905が第2復帰状態から初期停止状態に復帰するまでの間に、第2発電部22は、可動部材13が下向きに移動することによって第2軸AX2(
図1参照)に沿って撓んでおり、第1軸AX1は第2軸AX2に沿っているので、可動部材13の移動に応じて第2発電部22が発生する発電出力を大きくできる。ここで、第1軸AX1が第2軸AX2に沿っているとは、好ましくは第1軸AX1と第2軸AX2とが平行であるが、第1軸AX1と第2軸AX2とが平行であることに限定されず、第1軸AX1と第2軸AX2との交差角が45度以下であればよい。
【0103】
ここにおいて、第1信号と第2信号とは同じ信号でもあることが好ましく、上位システムR1は、第2信号を受信することでスライドテーブル905が第1停止位置に位置していることを検知できる。なお、第2信号が第1信号と同じ信号であることは必須ではなく、第2信号は、第1信号と異なる情報を含む信号でもよい。例えば、第2信号は、発電ユニット20が第2電圧を発生したとの情報を含んでもよく、上位システムR1は、第2信号を受信したことから、圧力源が再起動後にスライドテーブル905が第1停止位置に移動したことを検知できる。
【0104】
なお、スライドテーブル905が第2停止位置で停止している状態でシリンダSY1の圧力源が長時間停止すると、上述と同様に、復帰ばね14の復帰力等を受けてスライドテーブル905の位置がずれる可能性がある。ここで、スライドテーブル905が復帰ばね14の復帰力等を受けて第1復帰状態に移動した場合、圧力源が再起動してスライドテーブル905が停止前の第2停止位置に移動すると、第2センサA12の発電ユニット20が第1電圧を発生する。したがって、第2センサA12の送信ユニット33は発電ユニット20から電力供給を受けて第1信号を送信できる。また、スライドテーブル905が復帰ばね14の復帰力等を受けて第2復帰状態に移動した場合、圧力源が再起動してスライドテーブル905が停止前の第2停止位置に移動すると、第2センサA12の発電ユニット20は第2電圧を発生するため、送信ユニット33は発電ユニット20の発電出力では起動できない。この場合、第2センサA12の制御回路34は、発電ユニット20の発電出力が第2電圧であることから、スイッチ32をオンに制御するので、送信ユニット33は電池30から供給される電力で起動し、第2信号を送信することができる。
【0105】
(3)センサが適用されるシリンダのバリエーション
上記のシリンダSY1は、スライドテーブル905を駆動するためのシリンダであるが、センサA1は、スライドテーブル905を駆動するシリンダSY1以外のシリンダにも適用可能である。以下、センサA1が適用されるシリンダのバリエーションを説明する。
【0106】
上記のセンサA1は、平行ハンドを駆動するシリンダに適用されてもよい。平行ハンドを駆動するシリンダにセンサA1を取り付ける取付方式としては、
図15~
図20に示すような外付け方式と、
図21~
図27に示すような内蔵方式とがある。以下では、平行ハンドを駆動するシリンダにセンサA1を外付けした適用例1と、平行ハンドを駆動するシリンダにセンサA1を内蔵した適用例2と、についてそれぞれ説明する。
【0107】
(3.1)適用例1
平行ハンドを駆動するシリンダSY2にセンサA1を外付けした適用例1について
図15~
図20を参照して説明する。なお、適用例1のシリンダSY2の説明では、
図15において、X軸に沿う方向を上下、Y軸に沿う方向を左右、Z軸に沿う方向を前後と規定する。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上規定した方向であり、センサA1及びシリンダSY2が実際に使用される際の方向を規定するものではない。
【0108】
(3.1.1)適用例1の構成
シリンダSY2は、直方体状の本体910を有している。本体910の上面には一対の爪911が配置されている。一対の爪911はY軸に沿って移動可能に設けられている。本体910の内部には、ピストンが往復運動可能な状態で配置されたシリンダ室が設けられている。シリンダ室は、ピストンを挟んでロッド側の第1空気室とヘッド側の第2空気室とに分けられ、第1空気室及び第2空気室のそれぞれにエア配管912,913が繋がっている。ピストンにはロッドが連結されており、ピストンと共にロッドが往復運動を行うと、ロッドの往復動作がリンク機構を介して一対の爪911に伝達される。これにより、一対の爪911は、両者の間隔が最小となる閉位置(
図15~
図17に示す位置)、又は、両者の間隔が最大となる開位置(
図18に示す位置)に移動する。
【0109】
シリンダSY2には、2つのセンサA1と2つのストッパ部材50とが、2つの取付部材80を用いて取り付けられている。
【0110】
2つのセンサA1は、一対の爪911が閉位置に移動したことを検知する第1センサA21と、一対の爪911が開位置に移動したことを検知する第2センサA22と、を含む。2つのストッパ部材50は、第1センサA21に取り付けられて、一対の爪911の閉方向への移動範囲を規制する第1ストッパ部材50Aと、第2センサA22に取り付けられて、一対の爪911の開方向への移動範囲を規制する第2ストッパ部材50Bと、を含む。2つの取付部材80は、第1センサA21及び第1ストッパ部材50Aを本体910の右側面に取り付けるための第1取付部材80Aと、第2センサA22及び第2ストッパ部材50Bを本体910の左側面に取り付けるための第2取付部材80Bと、を含む。なお、第1センサA21及び第2センサA22は、上述したセンサA1と同様の構成を有しているので、第1センサA21及び第2センサA22の構成についての説明は省略する。また、第1ストッパ部材50A及び第2ストッパ部材50Bは、上述したストッパ部材50と同様の構成を有しているので、第1ストッパ部材50A及び第2ストッパ部材50Bの構成についての説明は省略する。
【0111】
第1取付部材80Aは、本体910の右側の側面に例えば固定ねじを用いて取り付けられる固定片81Aと、固定片81Aの下端部から右向きに突出する突出片82Aと、固定片81Aの上部の前端から右向きに突出するリンク支持片83Aと、を備える。突出片82Aには調整ボルト61がねじ込まれるボルト孔が設けられている。第1ストッパ部材50Aに保持された第1センサA21は、調整ボルト61を突出片82Aのボルト孔にねじ込み、ねじ込み量を調整した状態で調整ボルト61にナット64を締め付けることによって、第1取付部材80Aに固定される(
図17参照)。なお、第1取付部材80Aは、第1センサA21のカバー12の側面を露出させる開口を有しており、この開口が電磁波を透過する第1透過部E5となっている。第1取付部材80Aの第1透過部E5は、第1ストッパ部材50Aに設けられた第2透過部E2(
図8参照)と一部が重なっているので、第1センサA21から送信される電波信号の減衰が抑制される。なお、第1透過部E5は合成樹脂製の部材で実現されていてもよい。
【0112】
第2取付部材80Bは、本体910の左側の側面に例えば固定ねじを用いて取り付けられる固定片81Bと、固定片81Bの下端部から左向きに突出する突出片82Bと、固定片81Bの上部の後端から左向きに突出するリンク支持片83Bと、を備える。突出片82Bには調整ボルト61のねじ部63がネジ込まれるボルト孔が設けられている。第2ストッパ部材50Bに保持された第2センサA22は、調整ボルト61を突出片82Bのボルト孔にねじ込み、ねじ込み量を調整した状態で調整ボルト61にナット64を締め付けることによって、第2取付部材80Bに固定される(
図17参照)。また、第2取付部材80Bは、第2センサA22のカバー12の側面を露出させる開口を有しており、この開口が電磁波を透過する第1透過部E5となっている。第2取付部材80Bの第1透過部E5は、第2ストッパ部材50Bに設けられた第2透過部E2(
図8参照)と一部が重なっているので、第2センサA22から送信される電波信号の減衰が抑制される。なお、第1透過部E5は合成樹脂製の部材で実現されていてもよい。
【0113】
また、シリンダSY2は、右側の爪911の左右の動きを上下の動きに変換して第1センサA21に伝える第1リンク機構810と、左側の爪911の左右の動きを上下の動きに変換して第2センサA22に伝える第2リンク機構820と、を備えている。
【0114】
第1リンク機構810は、連結部811と、駆動リンク812と、中間リンク813と、動作部材である従動リンク814と、を備えている。
【0115】
連結部811は、右側の爪911の基部にねじ等で固定されている。
【0116】
駆動リンク812及び中間リンク813は、それぞれ、矩形板状に形成されている。駆動リンク812には、長辺に沿って3つの孔が設けられている。中間リンク813には長辺に沿って2つの孔が設けられている。駆動リンク812の第1端の孔には連結部811に設けられたピンP11が挿入されており、駆動リンク812はピンP11を中心に回転可能である。駆動リンク812の中央の孔にはピンP12の第1端が挿入されている。中間リンク813の第1端の孔にはピンP12の第2端が挿入されており、駆動リンク812及び中間リンク813はピンP12を中心に回転可能である。駆動リンク812の第2端の孔には、従動リンク814の上部に固定されたピンP13が挿入されており、駆動リンク812はピンP12を中心に回転可能である。また、中間リンク813の第2端の孔には、リンク支持片83Aに固定されたピンP14が挿入されており、中間リンク813はピンP14を中心に回転可能である。ピンP14は、従動リンク814において、ピンP13が挿入される孔よりも下側に、従動リンク814を前後に貫通するように設けられた長孔816に挿入されている。長孔816は左右の寸法に比べて上下の寸法が長い形状に形成されており、ピンP14にガイドされた状態で従動リンク814がX軸に沿って移動可能となっている。また、従動リンク814の下部には、可動部材13の操作部131を押すための矩形状の押操作部815が設けられている。
【0117】
第2リンク機構820は、連結部821と、駆動リンク822と、中間リンク823と、動作部材である従動リンク824と、を備えている。
【0118】
連結部821は、左側の爪911の基部にねじ等で固定されている。
【0119】
駆動リンク822及び中間リンク823は、それぞれ、矩形板状に形成されている。駆動リンク822には、長辺に沿って3つの孔が設けられている。中間リンク823には長辺に沿って2つの孔が設けられている。駆動リンク822の第1端の孔には連結部821に設けられたピンP21が挿入されており、駆動リンク822はピンP21を中心に回転可能である。駆動リンク822の中央の孔にはピンP22の第1端が挿入されている。中間リンク823の第1端の孔にはピンP22の第2端が挿入されており、駆動リンク822及び中間リンク823はピンP22を中心に回転可能である。駆動リンク822の第2端の孔には、従動リンク824の下部に固定されたピンP23が挿入されており、駆動リンク822はピンP23を中心に回転可能である。また、中間リンク823の第2端の孔には、リンク支持片83Bに固定されたピンP24が挿入されており、中間リンク823はピンP24を中心に回転可能である。ピンP24は、従動リンク824に設けられた長孔826に挿入されている。長孔826は、ピンP23よりも上側に、従動リンク824を前後に貫通するように設けられている。長孔826は左右の寸法に比べて上下の寸法が長い形状に形成されており、ピンP24にガイドされた状態で従動リンク824がX軸に沿って移動可能となっている。また、従動リンク824の下部には、可動部材13の操作部131を押すための矩形状の押操作部825が設けられている。
【0120】
(3.1.2)適用例1の動作
以下に、適用例1のシリンダSY2の動作を説明する。
【0121】
図15~
図17は一対の爪911が閉位置に移動している状態を示している。第1空気室にエアが供給されると、ピストンと共にロッドが下向きに移動することで、一対の爪911が閉位置に移動する。一対の爪911が閉位置に移動すると、第1リンク機構810の駆動リンク812がピンP11を中心に右回りに回転するとともに、中間リンク813がピンP12を中心に左回りに回転しながら、従動リンク814が下向きに移動する。これにより、押操作部815が可動部材13の操作部131を下向きに押した状態となる。また、一対の爪911が閉位置に移動すると、第2リンク機構820の駆動リンク822がピンP21を中心に右回りに回転するとともに、中間リンク823がピンP22を中心に左回りに回転しながら、従動リンク824が上向きに移動する。これにより、押操作部825が可動部材13の操作部131から離れた状態となる。このとき、第1センサA21の発電ユニット20が第1電圧を発生し、送信ユニット33が発電ユニット20から電圧供給を受けて第1信号を送信するので、上位システムR1は第1センサA21から送信された第1信号に基づいて、一対の爪911が閉位置に移動したことを検知できる。
【0122】
また、第2空気室にエアが供給されると、ピストンと共にロッドが上向きに移動することで、一対の爪911が閉位置から開位置に移動する(
図18参照)。一対の爪911が開位置に移動すると、第1リンク機構810の駆動リンク812がピンP11を中心に左回りに回転するとともに、中間リンク813がピンP12を中心に右回りに回転しながら、従動リンク814が上向きに移動する。これにより、押操作部815が可動部材13の操作部131から離れた状態となる。また、一対の爪911が開位置に移動すると、第2リンク機構820の駆動リンク822がピンP21を中心に左回りに回転するとともに、中間リンク823がピンP22を中心に右回りに回転しながら、従動リンク824が下向きに移動する。これにより、押操作部825によって可動部材13の操作部131が下向きに押された状態となる。このとき、第2センサA22の発電ユニット20が第1電圧を発生し、送信ユニット33が発電ユニット20から電圧供給を受けて第1信号を送信するので、上位システムR1は第2センサA22から送信された第1信号に基づいて、一対の爪911が閉位置に移動したことを検知できる。
【0123】
図18に示すように、シリンダSY2の一対の爪911が開位置で停止している状態(以下、初期停止状態と言う。)で、休日等による操業停止でシリンダSY2の圧力源(例えば空圧ポンプ等)が長時間停止すると、配管等でのエアのリークによって第1空気室及び第2空気室の圧力が低下する可能性がある。第1空気室及び第2空気室の圧力が低下すると、第2センサA22の可動部材13が復帰ばね14の復帰力等を受けて上向きに移動する。その後、操業が再開してシリンダSY2の圧力源が再起動すると、圧力源からエアが供給されてシリンダSY2が、操業停止前の位置である開状態の位置に復帰する。
【0124】
ここで、圧力源が再起動してから一対の爪911が開状態の位置に復帰するまでに第2センサA22の可動部材13が移動する移動量が所定の発電必要距離以上であれば、発電ユニット20の発電出力は起動電圧以上の第1電圧となる。
【0125】
図19は、圧力源の停止中に第2センサA22の可動部材13が上向きに移動した移動量が発電必要距離以上であるときの状態(以下、第1復帰状態と言う。)を示している。一対の爪911が第1復帰状態から初期停止状態に移動するまでに可動部材13が移動する移動量は発電必要距離以上になるので、発電ユニット20の発電出力が起動電圧以上の第1電圧となり、制御回路34はスイッチ32のオフを維持する。このとき、電源回路31が発電ユニット20の発電出力を、起動電圧以上の電圧値の直流電圧に変換して送信ユニット33に供給する。すなわち、第2センサA22の発電ユニット20の発電出力は送信ユニット33の起動電圧以上であるので、送信ユニット33は、発電ユニット20から電力の供給を受けて起動し、第1信号を送信する。上位システムR1は、第2センサA22の送信ユニット33から送信される第1信号を受信することによって、一対の爪911が開位置に位置していることを検知する。
【0126】
一方、
図20は、圧力源の停止中に第2センサA22の可動部材13が上向きに移動した移動量が発電必要距離未満であるときの状態(以下、第2復帰状態と言う。)を示している。一対の爪911が第2復帰状態から初期停止状態に移動するまでに可動部材13が移動する移動量は発電必要距離未満であるので、発電ユニット20の発電出力は起動電圧未満の第2電圧となり、発電ユニット20の発電出力では送信ユニット33が起動できない。このとき、第2センサA22の制御回路34は、発電ユニット20の発電出力が第2電圧であることから、スイッチ32をオンに制御するので、送信ユニット33は電池30から供給される電力で起動し、第2信号を送信する。上位システムR1は、第2センサA22の送信ユニット33から送信される第2信号を受信することによって、一対の爪911が開位置に位置していることを検知する。
【0127】
なお、シリンダSY2の一対の爪911が閉位置で停止している状態でシリンダSY2の圧力源が長時間停止すると、上述と同様に、復帰ばね14の復帰力等を受けて一対の爪911の位置がずれる可能性がある。
【0128】
ここで、一対の爪911が復帰ばね14の復帰力等を受けて第1復帰状態の位置に移動した場合、圧力源が再起動して一対の爪911が停止前の閉位置に移動すると、第1センサA21の発電ユニット20が第1電圧を発生する。したがって、第1センサA21の送信ユニット33は発電ユニット20から電力供給を受けて第1信号を送信できる。
【0129】
また、一対の爪911が復帰ばね14の復帰力等を受けて第2復帰状態の位置に移動した場合、圧力源が再起動して一対の爪911が停止前の閉位置に移動すると、第1センサA21の発電ユニット20は第2電圧を発生するため、送信ユニット33は発電ユニット20の発電出力では起動できない。この場合、第1センサA21の制御回路34は、発電ユニット20の発電出力が第2電圧であることから、スイッチ32をオンに制御するので、送信ユニット33は電池30から供給される電力で起動し、第2信号を送信することができる。
【0130】
なお、適用例1で説明したシリンダSY2には、一対の爪911が閉位置及び開位置に移動したことをそれぞれ検知するために、2つのセンサA1(第1センサA21及び第2センサA22)が取り付けられているが、シリンダSY2に2つのセンサA1が取り付けられることは必須ではない。シリンダSY2には、一対の爪911が閉位置に移動したことを検知する第1センサA21のみが取り付けられていてもよいし、一対の爪911が開位置に移動したことを検知する第2センサA22のみが取り付けられていてもよい。
【0131】
(3.2)適用例2
平行ハンドを駆動するシリンダSY3にセンサA1を内蔵した適用例2について、
図21~
図27を参照して説明する。なお、適用例2のシリンダSY3の説明では、
図21において、X軸に沿う方向を上下、Y軸に沿う方向を左右、Z軸に沿う方向を前後と規定する。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上規定した方向であり、センサA1及びシリンダSY3が実際に使用される際の方向を規定するものではない。
【0132】
(3.2.1)適用例2の構成
シリンダSY3は、直方体状の本体920を有している。本体920の上部には、一対の爪922を保持するレール部材921が取り付けられている。レール部材921の上面には、一対の爪922の基部が挿入されるレール溝923が設けられている。レール溝923はY軸に沿って伸びている。一対の爪922は、Y軸に沿って平行移動可能な状態でレール部材921に保持されている。
【0133】
本体920の内部には、ピストン950(
図23参照)がX軸に沿って移動可能な状態で配置されたシリンダ室が設けられている。ピストン950には上向きに突出するロッド951が設けられている。シリンダ室は、ピストン950を挟んでロッド951側の第1空気室とヘッド側の第2空気室とに分けられ、第1空気室及び第2空気室のそれぞれにエア配管が繋がっている。圧力源からエア配管を介して第2空気室にエアが供給されると、ピストン950及びロッド951が上向きに移動する。また、圧力源からエア配管を介して第1空気室にエアが供給されると、ピストン950及びロッド951が下向きに移動する。ロッド951の往復動作は第1リンク機構830及び第2リンク機構840を介して一対の爪922にそれぞれ伝達される。これにより、一対の爪922は、両者の間隔が最小となる閉位置(
図23及び
図24に示す位置)、又は、両者の間隔が最大となる開位置(
図25及び
図26に示す位置)に移動する。
【0134】
シリンダSY3には、2つのセンサA1が2つの取付部材を用いて取り付けられている。ここで、2つのセンサA1は、一対の爪922が閉位置に移動したことを検知する第1センサA21と、一対の爪922が開位置に移動したことを検知する第2センサA22と、を含む。また、2つの取付部材は、第1センサA21をシリンダSY3に取り付けるための第1取付部材930と、第2センサA22をシリンダSY3に取り付けるための第2取付部材940と、を含んでいる。ここで、第1取付部材930は、第1センサA21が有する可動部材13の押し込み量を制限するストッパ部材の機能を有している。同様に、第2取付部材940は、第2センサA22が有する可動部材13の押し込み量を制限するストッパ部材の機能を有している。なお、第1センサA21及び第2センサA22は、上述したセンサA1と同様の構成を有しているので、第1センサA21及び第2センサA22の構成についての説明は省略する。
【0135】
第1取付部材930は、下面に第1センサA21の上面が接した状態で配置されるベース部931と、ベース部931の下面の左側から下向きに突出する角柱状の柱状部932と、を有している。
【0136】
第1センサA21は、筐体10の上面がベース部931の下面に接触し、筐体10の左側の側面が柱状部932の右側の側面に接触した状態で第1取付部材930に配置される。第1センサA21は、ベース11を固定ボルト934で柱状部932に締結することによって、第1取付部材930に固定される。第1取付部材930は、本体920の下面との間にシム板933を挟んだ状態で、柱状部932をX軸に沿って貫通する貫通孔に固定ボルト935を通し、固定ボルト935を本体920にネジ込むことによって、本体920に取り付けられる。これにより、第1センサA21が第1取付部材930を介してシリンダSY3の本体920に取り付けられる。ここで、所望の高さ寸法のシム板933を本体920と第1取付部材930との間に配置することで、第1センサA21の可動部材13の位置及びストッパ部材として機能する第1取付部材930の位置をX軸に沿って調整することができる。なお、適用例2では、シム板933により位置調整機構が実現されているが、第1センサA21及び第1取付部材930をX軸に沿って移動させる送りねじ等で位置調整機構が実現されてもよい。
【0137】
また、第1取付部材930の上面には、第1センサA21が備える可動部材13の操作部131と対向する部位に角孔状の貫通孔937(
図24及び
図26参照)が設けられている。第1リンク機構830は、可動部材13の操作部131を駆動する動作部材であるプランジャ835を有しており、プランジャ835の下端は貫通孔937を通して第1取付部材930の内部に挿入され、第1センサA21の可動部材13の操作部131と対向している。
【0138】
第1取付部材930に第1センサA21が取り付けられた状態では、第1センサA21のカバー12の側面が露出している。つまり、第1取付部材930には、電磁波を透過する第1透過部E3(
図21参照)が設けられているので、第1センサA21の送信ユニット33から送信される無線信号の減衰を抑制できる。なお、第1透過部E3は、カバー12の側面を露出させる開口で実現されているが、電磁波に対して透過性を有する合成樹脂製の部材等で実現されてもよい。
【0139】
第2取付部材940は、下面に第2センサA22の上面が接した状態で配置されるベース部941と、ベース部941の下面の右側から下向きに突出する角柱状の柱状部942と、を有している。
【0140】
第2センサA22は、筐体10の上面がベース部941の下面に接触し、筐体10の右側の側面が柱状部942の左側の側面に接触した状態で第2取付部材940に配置される。なお、第2センサA22と第1センサA21とはZ軸に沿って並ぶように配置されている(
図21参照)。第2センサA22は、ベース11を固定ボルト944で柱状部942に締結することによって、第2取付部材940に固定される。第2取付部材940は、本体920の下面との間にシム板943を挟んだ状態で、柱状部942をX軸に沿って貫通する貫通孔に固定ボルト945を通し、固定ボルト945を本体920にネジ込むことによって、本体920に取り付けられる。これにより、第2センサA22が第2取付部材940を介してシリンダSY3の本体920に取り付けられる。ここで、所望の高さ寸法のシム板943を本体920と第2取付部材940との間に配置することで、第2センサA22の可動部材13の位置及びストッパ部材として機能する第2取付部材940の位置をX軸に沿って調整することができる。なお、適用例2では、シム板943により位置調整機構が実現されているが、第2センサA22及び第2取付部材940をX軸に沿って移動させる送りねじ等で位置調整機構が実現されてもよい。
【0141】
また、第2取付部材940の上面には、第2センサA22が備える可動部材13の操作部131と対向する部位に角孔状の貫通孔947(
図24及び
図26参照)が設けられている。第2リンク機構840は、可動部材13の操作部131を駆動する動作部材であるプランジャ845を有しており、プランジャ845の下端は貫通孔947を通して第2取付部材940の内部に挿入され、第2センサA22の可動部材13の操作部131と対向している。
【0142】
第2取付部材940に第2センサA22が取り付けられた状態では、第2センサA22のカバー12の側面が露出している。つまり、第2取付部材940には、電磁波を透過する第1透過部E4(
図21参照)が設けられているので、第2センサA22の送信ユニット33から送信される無線信号の減衰を抑制できる。なお、第1透過部E4は、カバー12の側面を露出させる開口で実現されているが、電磁波に対して透過性を有する合成樹脂製の部材等で実現されてもよい。
【0143】
また、シリンダSY3は、第1リンク機構830と、第2リンク機構840と、を備えている。
【0144】
第1リンク機構830は、右側の爪922の左右の動きを上下の動きに変換して第1センサA21に伝える。第1リンク機構830は、リンクアーム831と、中間リンク834と、プランジャ835とを備える。
【0145】
リンクアーム831は、Y軸に沿って配置される横片831Bと、横片831Bの右端から下向きに突出する縦片831Aと、を一体に備え、略L形に形成されている。横片831Bには左右の幅の中央付近に孔が設けられ、この孔に本体920に固定されたピンP31が挿入されている。横片831Bは、ピンP31を中心に回転可能な状態で本体920に支持されている。横片831Bの左側の端部には溝833が設けられている。ロッド951の上端にはスリット952が設けられ、スリット952の内部にはピン953が設けられている。横片831Bの左側の端部はロッド951のスリット952に挿入され、溝833にピン953が挿入されている。また、横片831Bの左右の幅の中央付近からは駆動片832が上向きに突出しており、この駆動片832は右側の爪922の下部に設けられた溝内に挿入されている。また、縦片831Aの下部に設けられた孔にはピンP32の第1端が挿入されている。
【0146】
中間リンク834の第1端に設けられた孔にはピンP32の第2端が挿入されており、縦片831Aと中間リンク834とはピンP32を中心に回転可能な状態で連結されている。また、中間リンク834の第2端に設けられた孔にはピンP33の第1端が挿入され、プランジャ835の上端部に設けられた孔にはピンP33の第2端が挿入されている。プランジャ835は、本体920の内部に設けられたガイド部によってX軸(上下)に沿って移動可能な状態で本体920に配置されている。プランジャ835の下端には、第1センサA21が備える可動部材13の操作部131を押すための押操作部836が設けられている。プランジャ835の中間部には、プランジャ835が下向きに移動したときに、第1取付部材930及び第2取付部材940からそれぞれ上向きに突出するストッパ片936,946と接触する段差部837が設けられている。ここにおいて、ストッパ片936,946が、動作部材であるプランジャ835の段差部837と接触することで、可動部材13が第2位置よりも下方に移動しないように、プランジャ835の下方への移動を制限する。なお、ストッパ片936,946の上端が、動作部材であるプランジャ835の段差部837と接触する接触部位となる。
【0147】
第2リンク機構840は、左側の爪922の左右の動きを上下の動きに変換して第2センサA22に伝える。第2リンク機構840は、リンクアーム841と、中間リンク844と、動作部材であるプランジャ845とを備える。
【0148】
リンクアーム841は矩形板状に形成されている。リンクアーム841には左右の幅の中央付近に孔が設けられ、この孔に本体920に固定されたピンP41が挿入されており、リンクアーム841はピンP41を中心に回転可能な状態で本体920に支持されている。リンクアーム841の右側の端部には溝843が設けられている。リンクアーム841の右側の端部はロッド951のスリット952に挿入され、溝843にピン953が挿入されている。また、リンクアーム841の左右の幅の中央付近からは駆動片842が上向きに突出しており、この駆動片842は左側の爪922の下部に設けられた溝内に挿入されている。また、リンクアーム841の左側の端部に設けられた孔にはピンP42の第1端が挿入されている。
【0149】
中間リンク844の第1端に設けられた孔にはピンP42の第2端が挿入されており、リンクアーム841と中間リンク844とはピンP42を中心に回転可能な状態で連結されている。また、中間リンク844の第2端に設けられた孔にはピンP43の第1端が挿入され、プランジャ845の上端部に設けられた孔にはピンP43の第2端が挿入されている。プランジャ845は、本体920の内部に設けられたガイド部によってX軸(上下)に沿って移動可能な状態で本体920に配置されている。プランジャ845の下端には、第2センサA22が備える可動部材13の操作部131を押すための押操作部846が設けられている。プランジャ845の中間部には、プランジャ845が下向きに移動したときに、第1取付部材930及び第2取付部材940からそれぞれ上向きに突出するストッパ片936,946と接触する段差部847が設けられている。
【0150】
(3.2.2)適用例2の動作
以下に、適用例2のシリンダSY3の動作を説明する。
【0151】
図23及び
図24は一対の爪922が閉位置に移動している状態を示している。第1空気室にエアが供給されると、ピストン950と共にロッド951が下向きに移動し、リンクアーム831がピンP31を中心に左回りに回転するとともに、リンクアーム841がピンP41を中心に右回りに回転し、駆動片832,842によって一対の爪922が閉位置に移動させられる。また、リンクアーム831がピンP31を中心に左回りに回転すると、中間リンク834を介してプランジャ835が下向きに押され、プランジャ835の押操作部836によって第1センサA21の操作部131が下向きに押された状態となる。プランジャ835の段差部837がストッパ片936,946と接触することによって、プランジャ835の下方への移動が制限され、このときの爪922の位置が閉位置となる。このとき、第1センサA21の発電ユニット20が第1電圧を発生し、送信ユニット33が発電ユニット20から電圧供給を受けて第1信号を送信するので、上位システムR1は第1センサA21からの第1信号に基づいて、一対の爪922が閉位置に移動したことを検知できる。また、リンクアーム841がピンP41を中心に右回りに回転すると、中間リンク844によってプランジャ845が上向きに引き上げられ、プランジャ845の押操作部846が第2センサA22の可動部材13の操作部131から離れた状態となる。
【0152】
また、第2空気室にエアが供給されると、ピストン950と共にロッド951が上向きに移動し、リンクアーム831がピンP31を中心に右回りに回転するとともに、リンクアーム841がピンP41を中心に左回りに回転し、駆動片832,842によって一対の爪922が開位置(
図25及び
図26参照)に移動させられる。また、リンクアーム831がピンP31を中心に右回りに回転すると、中間リンク834によってプランジャ835が上向きに引き上げられ、プランジャ835の押操作部836が第1センサA21の操作部131から離れた状態となる。また、リンクアーム841がピンP41を中心に左回りに回転すると、中間リンク844を介してプランジャ845が下向きに押され、プランジャ845の押操作部846によって第2センサA22の操作部131が下向きに押された状態となる。プランジャ845の段差部847がストッパ片936,946と接触することによって、プランジャ845の下方への移動が制限され、このときの爪922の位置が開位置となる。このとき、第2センサA22の発電ユニット20が第1電圧を発生し、送信ユニット33が発電ユニット20から電圧供給を受けて第1信号を送信するので、上位システムR1は第2センサA22からの第1信号に基づいて、一対の爪922が開位置に移動したことを検知できる。
【0153】
図25及び
図26に示すように、シリンダSY3の一対の爪922が開位置で停止している状態(以下、初期停止状態と言う。)で、休日等による操業停止でシリンダSY3の圧力源(例えば空圧ポンプ等)が長時間停止すると、配管等でのエアのリークによって第1空気室及び第2空気室の圧力が低下する可能性がある。第1空気室及び第2空気室の圧力が低下すると、第2センサA22の可動部材13が復帰ばね14の復帰力等を受けて上向きに移動する。その後、操業が再開してシリンダSY3の圧力源が再起動すると、圧力源からエアが供給されてシリンダSY3が、操業停止前の位置である開位置に移動する。
【0154】
ここで、圧力源が再起動してから一対の爪922が開状態の位置に復帰するまでに可動部材13が移動する移動量が所定の発電必要距離以上であれば、発電ユニット20の発電出力は起動電圧以上の第1電圧となる。
【0155】
圧力源の停止中に可動部材13が上向きに移動した移動量が発電必要距離以上である場合(以下、第1復帰状態と言う。)、一対の爪922が第1復帰状態から初期停止状態に移動するまでに第2センサA22の可動部材13が移動する移動量は発電必要距離以上になる。この場合、第2センサA22の発電ユニット20の発電出力が起動電圧以上の第1電圧となり、制御回路34はスイッチ32のオフを維持する。このとき、電源回路31が発電ユニット20の発電出力を、起動電圧以上の電圧値の直流電圧に変換して送信ユニット33に供給する。発電ユニット20の発電出力は送信ユニット33の起動電圧以上であるので、送信ユニット33は、発電ユニット20から電力の供給を受けて起動し、第1信号を送信する。上位システムR1は、第2センサA22の送信ユニット33から送信される第1信号を受信することによって、一対の爪922が開位置に位置していることを検知する。
【0156】
一方、
図27は、圧力源の停止中に可動部材13が上向きに移動した移動量が発電必要距離未満であるときの状態(以下、第2復帰状態と言う。)を示している。一対の爪922が第2復帰状態から初期停止状態に復帰するまでに可動部材13が移動する移動量は発電必要距離未満であるので、発電ユニット20の発電出力は起動電圧未満の第2電圧となり、発電ユニット20の発電出力では送信ユニット33が起動できない。このとき、制御回路34は、発電ユニット20が第2電圧を発生したことをトリガとして、スイッチ32をオンに制御し、送信ユニット33は電池30から供給される電力で起動し、第2信号を送信する。上位システムR1は、第2センサA22の送信ユニット33から送信される第2信号を受信することによって、一対の爪922が開位置に位置していることを検知する。
【0157】
なお、シリンダSY3の一対の爪922が閉位置で停止している状態でシリンダSY3の圧力源が長時間停止すると、上述と同様に、復帰ばね14の復帰力等を受けて一対の爪922の位置がずれる可能性がある。
【0158】
ここで、一対の爪922が復帰ばね14の復帰力等を受けて第1復帰状態の位置に移動した場合、圧力源が再起動して一対の爪922が停止前の閉位置に移動すると、第2センサA22の発電ユニット20が第1電圧を発生する。したがって、第2センサA22の送信ユニット33は発電ユニット20から電力供給を受けて第1信号を送信できる。
【0159】
また、一対の爪922が復帰ばね14の復帰力等を受けて第2復帰状態の位置に移動した場合、圧力源が再起動して一対の爪922が停止前の閉位置に移動すると、第2センサA22の発電ユニット20は第2電圧を発生するため、送信ユニット33は発電ユニット20の発電出力では起動できない。この場合、第2センサA22の制御回路34は、発電ユニット20が第2電圧を発生したことをトリガとして、スイッチ32をオンに制御するので、送信ユニット33は電池30から供給される電力で起動し、第2信号を送信することができる。
【0160】
なお、適用例2で説明したシリンダSY3には、一対の爪922が閉位置及び開位置に移動したことをそれぞれ検知するために、2つのセンサA1(第1センサA21及び第2センサA22)が取り付けられているが、シリンダSY3に2つのセンサA1が取り付けられることは必須ではない。シリンダSY3には、一対の爪922が閉位置に移動したことを検知する第1センサA21のみが取り付けられていてもよいし、一対の爪922が開位置に移動したことを検知する第2センサA22のみが取り付けられていてもよい。
【0161】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0162】
上記の実施形態では、発電ユニット20が第1発電部21と第2発電部22と第3発電部23とを備えているが、発電ユニット20が第3発電部23を含むことは必須ではなく、第3発電部23は適宜省略可能である。
【0163】
上記の実施形態では、センサA1が、空圧で動作するシリンダSY1~SY3に適用されているが、油圧で動作するシリンダ、又は電動で動作するシリンダに適用されてもよい。
【0164】
上記の実施形態において、発電ユニット20の発電出力と起動電圧との比較等の2値の比較において、「以上」としているところは「より大きい」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」としているところは「以下」であってもよい。
【0165】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様のセンサ(A1)は、可動部材(13)と、復帰ばね(14)と、発電ユニット(20)と、電池(30)と、送信ユニット(33)と、を備える。可動部材(13)は、第1位置(PT1)と、第1位置(PT1)の下方に位置する第2位置(PT2)との間で移動可能である。復帰ばね(14)は、可動部材(13)に上向きの復帰力を加える。発電ユニット(20)は、可動部材(13)が移動することによって発電する。送信ユニット(33)は無線信号を送信する。発電ユニット(20)は、第1発電部(21)及び第2発電部(22)を含む。第1発電部(21)及び第2発電部(22)は、それぞれ、可動部材(13)の移動に応じて撓むことで発電する。可動部材(13)が第1位置(PT1)から第2位置(PT2)へと移動することにより、第1発電部(21)が第1電圧を発生する。第2位置(PT2)まで移動した可動部材(13)が復帰ばね(14)の復帰力を受けて第2位置(PT2)と第1位置(PT1)との間の中間位置(PT3)まで移動した後で、可動部材(13)が中間位置(PT3)から第2位置(PT2)に移動することにより、第2発電部(22)が第2電圧を発生する。第1電圧は、送信ユニット(33)が起動するのに必要な起動電圧以上の電圧であり、第2電圧は、起動電圧未満の電圧である。送信ユニット(33)は、発電ユニット(20)が第1電圧を発生した場合は、発電ユニット(20)から電力供給を受けて第1信号を送信し、発電ユニット(20)が第2電圧を発生した場合は、電池(30)から電力供給を受けて第2信号を送信する。
【0166】
この態様によれば、外部から電力供給を受けることなく、送信ユニット(33)が第1信号及び第2信号を送信できるので、電力供給及び信号送信のための電線が不要になる。センサ(A1)に電力供給及び信号送信のための電線が接続されている場合は電線の断線等が発生する可能性があるが、センサ(A1)は電力供給及び信号送信のための電線が不要であるから、損傷の可能性を低減することができる。
【0167】
第2の態様のセンサ(A1)では、第1の態様において、電池(30)は、発電ユニット(20)が発生した電気エネルギを蓄える蓄電素子を含む。
【0168】
この態様によれば、電池(30)が一次電池で実現される場合に比べて、電池(30)の交換が不要になるという利点がある。
【0169】
第3の態様のセンサ(A1)では、第1又は第2の態様において、発電ユニット(20)は、第3発電部(23)を更に含む。第3発電部(23)は、可動部材(13)の移動に応じて移動する永久磁石(41)と、永久磁石(41)の移動による磁束の変化で発電するコイル(232)と、を有する。
【0170】
この態様によれば、第3発電部(23)を更に備えることで、動作部材(906,814,824,835,845)が可動部材(13)に接触した際の発電出力を大きくできる。
【0171】
第4の態様のセンサ(A1)では、第1~第3のいずれかの態様において、第2発電部(22)は、可動部材(13)の移動によって撓む圧電素子(242)を含む。
【0172】
この態様によれば、外部に電磁ノイズの発生源が存在する場合でも、電磁ノイズによる誤動作を低減できる。
【0173】
第5の態様のセンサ(A1)では、第1~第4のいずれかの態様において、第1信号と第2信号とが同じ信号である。
【0174】
この態様によれば、送信ユニット(33)は発電ユニット(20)から電力供給を受ける場合も電池(30)から電力供給を受ける場合も同じ信号を送信することができる。
【0175】
第6の態様のセンサ(A1)は、第1~第5のいずれかの態様において、筐体(10)と、筐体(10)を保持するストッパ部材(50)と、を更に備える。筐体(10)は、可動部材(13)と復帰ばね(14)と発電ユニット(20)と電池(30)と送信ユニット(33)とを収容する。可動部材(13)は、往復動作を行う動作部材(906,814,824,835,845)を有するシリンダ(SY1~SY3)の動作部材(906,814,824,835,845)によって下向きに押される。可動部材(13)は、ストッパ部材(50)が動作部材(906,814,824,835,845)と接触しているときに第2位置(PT2)に位置する。ストッパ部材(50)は、可動部材(13)が第2位置(PT2)よりも下方に移動しないように、動作部材(906,814,824,835,845)の下方への移動を制限する。
【0176】
この態様によれば、可動部材(13)が第2位置(PT2)よりも下方に移動する可能性を低減できる。
【0177】
第7の態様のセンサ(A1)は、第6の態様において、動作部材(906,814,824,835,845)と接触するストッパ部材(50,936,946)の接触部位(58)を、シリンダ(SY1~SY3)に対して上下に移動させる位置調整機構(60)を更に備える。
【0178】
この態様によれば、シリンダ(SY1~SY3)に対するストッパ部材(50)及びセンサ(A1)の位置を位置調整機構(60)を用いて一度に調整することができる。
【0179】
第8の態様のセンサ(A1)では、第7の態様において、可動部材(13)は、動作部材(906,814,824,835,845)によって下向きに押される円柱状の操作部(131)を有する。ストッパ部材(50)の接触部位(58)には、操作部(131)が挿入される貫通孔(54)が設けられている。位置調整機構(60)は、操作部(131)の円柱状の中心軸(AX3)に沿って配置される。
【0180】
この態様によれば、操作部(131)がストッパ部材(50)の貫通孔(54)に挿入されているので、可動部材(13)と動作部材(906,814,824,835,845)との間にケーブル等が入りにくくなり、ケーブル等の挟み込みによってセンサ(A1)が破損する可能性を低減できる。また、位置調整機構(60)は、操作部(131)の円柱状の中心軸(AX3)に沿って配置されるので、動作部材(906,814,824,835,845)が可動部材(13)に接触した場合に、センサ(A1)及びストッパ部材(50)を介して位置調整機構(60)に曲げモーメントが発生する可能性を低減できる。
【0181】
第9の態様のセンサ(A1)は、第6~第8のいずれかの態様において、ストッパ部材(50)をシリンダ(SY1~SY3)に取り付けるための取付部材(70)を更に備える。取付部材(70)は、電磁波を透過する第1透過部(E1)を含み、ストッパ部材(50)は、電磁波を透過する第2透過部(E2)を含む。第1透過部(E1)と第2透過部(E2)とは、少なくとも一部が重なるように配置されている。
【0182】
この態様によれば、送信ユニット(33)が電波信号により送信信号を送信する場合に、送信信号の減衰を抑制することができる。
【0183】
第2~第10の態様に係る構成については、センサ(A1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0184】
1 センサ
10 筐体
13 可動部材
20 発電ユニット
21 第1発電部
22 第2発電部
23 第3発電部
30 電池
33 送信ユニット
41 永久磁石
50 ストッパ部材
53 保持部
58 接触部位
60 位置調整機構
70 取付部材
232 コイル
242 圧電素子
814,824 従動リンク(動作部材)
835,845 プランジャ(動作部材)
906 動作部材
A1 センサ
AX1 第1軸
AX2 第2軸
AX3 中心軸
E1 第1透過部
E2 第2透過部
PT1 第1位置
PT2 第2位置
PT3 中間位置
PT4 限界位置
SY1~SY3 シリンダ