(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184217
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】販売制限装置、販売制限方法、及び販売制限プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221206BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/06 306
G16Y10/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091931
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 海
(72)【発明者】
【氏名】清水 昭宏
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】商品の受注入力時に得意先毎に、当該商品の製造元であるメーカー又は当該商品のグループに応じて、販売制限を行うこと。
【解決手段】本実施の形態に係る販売制限装置は、商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタと、商品と当該商品のグループを示す商品グループとを関連づけて登録した商品グループマスタと、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーとを関連づけて登録した販売制限マスタと、表示部に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備えた販売制限装置であって、
前記記憶部には、
商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタと、
商品と当該商品のグループを示す商品グループとを関連づけて登録した商品グループマスタと、
得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーを関連づけて登録した販売制限マスタと、
が格納されており、
前記制御部は、
表示部に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限手段を備えたことを特徴とする販売制限装置。
【請求項2】
前記販売制限マスタには、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーに加えて、販売を制限する場合の処理内容を規定する許可設定が登録されており、
前記入力制限手段は、前記許可設定に従って、受注入力を制限することを特徴とする請求項1に記載の販売制限装置。
【請求項3】
前記許可設定は、警告を含み、前記入力制限手段は、前記許可設定が警告の場合は、前記受注入力画面に警告のメッセージを表示することを特徴とする請求項2に記載の販売制限装置。
【請求項4】
前記許可設定は、エラーを含み、前記入力制限手段は、前記許可設定がエラーの場合は、前記受注入力画面にエラーのメッセージを表示して、受注入力を不可とすることを特徴とする請求項2に記載の販売制限装置。
【請求項5】
前記許可設定は、許可を含み、前記入力制限手段は、前記許可設定が許可の場合は一時的に受注入力を許可することを特徴とする請求項2に記載の販売制限装置。
【請求項6】
記憶部及び制御部を備えた情報処理装置で実行される販売制限方法であって、
前記記憶部には、
商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタと、
商品と当該商品のグループを示す商品グループとを関連づけて登録した商品グループマスタと、
得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーを関連づけて登録した販売制限マスタと、
が格納されており、
前記制御部において実行される、
表示部に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限工程を含むことを特徴とする販売制限方法。
【請求項7】
記憶部及び制御部を備えた情報処理装置に実行させるための販売制限プログラムであって、
前記記憶部には、
商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタと、
商品と当該商品のグループを示す商品グループとを関連づけて登録した商品グループマスタと、
得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーを関連づけて登録した販売制限マスタと、
が格納されており、
前記制御部において実行される、
表示部に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限工程をコンピュータに実行させるための販売制限プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売制限装置、販売制限方法、及び販売制限プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、多種多様な商品を扱う卸売業界では、メーカーとの契約の有無によって販売してよい得意先が限られるような商習慣がある。従来、販売を制限するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、販売する得意先を制限することができていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、商品の受注入力時に得意先毎に、当該商品の製造元であるメーカー又は当該商品のグループに応じて、販売制限を行うことが可能な販売制限装置、販売制限方法、及び販売制限プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた販売制限装置であって、前記記憶部には、商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタと、商品(商品コード及び/又は商品名)と当該商品のグループを示す商品グループ(商品グループコード及び/又は商品グループ名)とを関連づけて登録した商品グループマスタと、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカー(メーカーコード及び/又はメーカー名)とを関連づけて登録した販売制限マスタと、が格納されており、前記制御部は、表示部に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記販売制限マスタには、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーに加えて、販売を制限する場合の処理内容を規定する許可設定が登録されており、前記入力制限手段は、前記許可設定に従って、受注入力を制限することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記許可設定は、警告を含み、前記入力制限手段は、前記許可設定が警告の場合は、前記受注入力画面に警告のメッセージを表示することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記許可設定は、エラーを含み、前記入力制限手段は、前記許可設定がエラーの場合は、前記受注入力画面にエラーのメッセージを表示して、受注入力を不可とすることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記許可設定は、許可を含み、前記入力制限手段は、前記許可設定が許可の場合は一時的に受注入力を許可することにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた情報処理装置に実行させるための販売制限方法であって、前記記憶部には、商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタと、商品と当該商品のグループを示す商品グループとを関連づけて登録した商品グループマスタと、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーとを関連づけて登録した販売制限マスタと、が格納されており、前記制御部において実行される、表示部に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限工程を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための販売制限プログラムであって、前記記憶部には、商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタと、商品と当該商品のグループを示す商品グループとを関連づけて登録した商品グループマスタと、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーとを関連づけて登録した販売制限マスタと、が格納されており、前記制御部において実行される、表示部に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限工程をコンピュータに実行させるための販売制限プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、商品の受注入力時に得意先毎に、当該商品の製造元であるメーカー又は当該商品のグループに応じて、販売制限を行うことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る販売制限装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、商品マスタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、商品グループマスタの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、メーカーマスタの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、販売制限マスタの構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、入力制限処理の順序及び該当パターンを説明するための図である。
【
図8】
図8は、入力制限部により実行される入力制限処理を説明するためのフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、多種多様な商品を扱う卸売業界では、メーカーとの契約の有無によって販売してよい得意先が限られるような商習慣がある。ここで、卸売業界は、例えば、理容美容品卸、食品卸、建材卸、小売卸、化学製品卸、医薬品卸、機械器具卸等の各種卸売業界である。
【0017】
しかしながら、従来のシステムでは、販売する得意先を制限することができていなかった。
【0018】
そこで、本実施の形態では、商品の受注入力時(受注伝票計上時)に得意先毎に、当該商品の製造元であるメーカー又は当該商品のグループに応じて、販売制限(入力制限)を行う。
【0019】
本実施の形態は、理容美容品卸、食品卸、建材卸、小売卸、化学製品卸、医薬品卸、機械器具卸等の各種卸売業界に適用可能である。
【0020】
[2.構成]
図1を参照して、本実施の形態に係る販売制限装置の一例について説明する。
図1は、本実施の形態に係る販売制限装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
販売制限装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、販売制限装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
図1において、販売制限装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。販売制限装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、販売制限装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、販売制限装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。
【0025】
記憶部106は、商品マスタ106aと、商品グループマスタ106bと、メーカーマスタ106cと、販売制限マスタ106dと、データファイル106e、を備えている。
図2は、商品マスタ106aの構成例を示す図である。
図3は、商品グループマスタ106bの構成例を示す図である。
図4は、メーカーマスタ106cの構成例を示す図である。
図5は、販売制限マスタ106dの構成例を示す図である。
【0026】
商品マスタ106aは、
図2に示すように、商品コードとメーカーコードを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0027】
商品グループマスタ106bは、
図3に示すように、商品グループコードと商品コードを関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。
【0028】
メーカーマスタ106cは、
図4に示すように、メーカーコードを登録したテーブル等で構成することができる。
【0029】
販売制限マスタ106dは、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーを設定するためのマスタである。販売制限マスタ106dは、
図5に示すように、得意先コード、商品グループコード、メーカーコード、販売を許可するか否かの許可設定を関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。許可設定は、「0:警告」、「1:エラー」、「2:許可」、「設定なし」となっている。販売制限マスタ106dの「許可設定」の設定値に応じて、受注入力画面において、警告又はエラーのメッセージを表示する。
【0030】
例えば、「0:警告」の場合は、「販売不許可の制限が掛かっています。登録を実行してもよろしいですか?」という警告メッセージを表示する。「1:エラー」の場合は、「販売不許可の制限が掛かっているので、登録できません」というエラーメッセージを表示する。「2:許可」、「設定なし」の場合は、警告又はエラーが表示されず、通常の受注入力が可能となっている。
【0031】
データファイル106eは、受注データ等の各種データを格納するためのファイルである。受注データは、受注番号、得意先、商品、受注数量、受注金額等のデータを含んでいてもよい。
【0032】
図1に戻り、制御部102は、販売制限装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、受注入力部102bと、入力制限部102cと、画面表示制御部102dと、を備えている。
【0033】
マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、商品マスタ106a、商品グループマスタ106b、メーカーマスタ106c、及び販売制限マスタ106dに対するデータの入力・追加・変更等の設定を行う。
【0034】
受注入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の受注入力画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、受注データの入力を行って、データファイル106eに登録する。
【0035】
入力制限部102cは、受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして販売制限マスタ106dから商品グループ又はメーカーを取得し、商品グループマスタ106bを参照して取得した商品グループに入力された商品が紐付く場合、又は、商品マスタ106aを参照して取得したメーカーに入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する。
【0036】
入力制限部102cは、販売制限マスタ106dの許可設定に従って、受注入力を制限することにしてもよい。
【0037】
入力制限部102cは、販売制限マスタ106dの許可設定が警告の場合は、受注入力画面に警告のメッセージを表示することにしてもよい。
【0038】
入力制限部102cは、販売制限マスタ106dの許可設定がエラーの場合は、受注入力画面にエラーのメッセージを表示して、受注入力を不可とすることにしてもよい。
【0039】
入力制限部102cは、販売制限マスタ106dの許可設定が許可の場合は一時的に受注入力を許可することにしてもよい。
【0040】
画面表示制御部102dは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、受注入力画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0041】
[3.具体例]
本実施の形態に係る販売制限装置100の制御部102の処理の具体例について、
図1~
図8を参照して説明する。
【0042】
(3-1.マスタメンテ処理)
図6は、商品マスタ106a、商品グループマスタ106b、メーカーマスタ106c、販売制限マスタ106dの設定例を示す図である。マスタメンテ部102aは、マスタメンテ処理を実行し、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータによる入力装置112の操作に応じて、商品マスタ106a、商品グループマスタ106b、メーカーマスタ106c、及び販売制限マスタ106dに対してデータを設定する。
【0043】
図6において、商品マスタ106aの例では、1行目は、商品コード「101-0011」、メーカーコード「M100」、2行目は、商品コード「101-0012」、メーカーコード「M100」、3行目は、商品コード「101-0013」、メーカーコード「M100」、4行目は、商品コード「101-0014」、メーカーコード「M100」、5行目は、商品コード「101-0015」、メーカーコード「M200」が設定されている。
【0044】
商品グループマスタ106bの例では、1行目は、商品グループコード「A100」、商品コード「101-0012」、2行目は、商品グループコード「B100」、商品コード「101-0013」が設定されている。
【0045】
メーカーマスタ106cの例では、1行目は「M100」、2行目は「M200」が設定されている。
【0046】
販売制限マスタ106dの例では、1行目は、得意先コード「10011」、商品グループコード「B100」、メーカーコード「(設定なし)」、許可設定「0:警告」、2行目は、得意先コード「20011」、商品グループコード「(設定なし)」、メーカーコード「M200」、許可設定「1:エラー」となっている。
【0047】
(3-2:入力制限処理)
図7は、入力制限処理の順序及び該当パターンを説明するための図である。
図8は、入力制限処理の処理フローの一例を示す図である。以下の説明では、
図6のマスタ設定の例を使用して説明する。入力制限部102cは、入力制限処理を実行して、受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして販売制限マスタ106dから商品グループ又はメーカーを取得し、商品グループマスタ106bを参照して取得した商品グループに入力された商品が紐付く場合、又は、商品マスタ106aを参照して取得したメーカーに入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する。
【0048】
図7において、STEP1では、販売制限マスタ106dの商品グループコードの所属有りの場合は、許可設定「0:警告」となっており、不許可チェック対象となっている。
例えば、「0:警告」の場合は、「販売不許可の制限が掛かっています。登録を実行してもよろしいですか?」という警告メッセージを受注入力画面で表示する。
【0049】
STEP2では、販売制限マスタ106dのメーカーコードの所属有りの場合は、許可設定「1:エラー」となっており、不許可チェック対象となっている。「1:エラー」の場合は、「販売不許可の制限が掛かっているので、登録できません」というエラーメッセージを表示する。「1:エラー」の場合は、受注データの登録不可であるので、オペレータの判断で受注データの登録が可能な「0:警告」よりも厳しい内容となっている。
【0050】
STEP1,2に該当しない場合について説明する。許可設定「2:許可」の場合や商品グループコード及びメーカーコードで設定無しの場合は、受注入力画面でチェック無しで登録が可能となっている。許可設定「2:許可」については、一時的に許可する場合のためのもので、タイミングによってチェック対象から除外したい際に利用できるようにするためのものである。例えば、ある商品について、一時的(季節的)に許可する場合は、「2:許可」を設定し、それ以外の時期では「0:警告」、「1:エラー」を設定することで、「設定なし」とするよりも、季節的に販売制限(許可)する商品であることが容易に理解でき、オペレータの設定が容易となる。
【0051】
図8は、入力制限部102cにより実行される入力制限処理の処理フローを示す図である。
図8において、受注入力画面で得意先コード、商品コードが入力されると(S1)、販売制限マスタ106dで入力された得意先コードに紐付く商品グループコードが有るか否かを判断する(S2)。得意先コードに紐付く商品グループコードが無い場合には(S2「No」)、S4に移行する。
【0052】
他方、得意先コードに紐付く商品グループコードが有る場合には(S2「Yes」)、入力された商品コードが商品グループマスタ106bで当該商品グループコードに紐付いているか否かを判断する(S3)。入力された商品コードが商品グループマスタ106bで当該商品グループコードに紐付いていない場合には(S3の「No」)、S4に移行する。他方、入力された商品コードが商品グループマスタ106bで当該商品グループコードに紐付いている場合には(S3の「Yes」)、販売制限マスタ106dの対応する許可設定の入力制限を行う(S6)。
【0053】
S4では、販売制限マスタ106dで入力された得意先コードに紐付くメーカーコードが有るか否かを判断する。入力された得意先コードに紐付くメーカーコードがない場合には(S4の「No」)、S7に移行する。入力された得意先コードに紐付くメーカーコードがある場合には(S4の「Yes」)、入力された商品コードが商品マスタ106aで当該メーカーコードに紐付いているか否かを判断する(S5)。
【0054】
入力された商品コードが商品マスタ106aで当該メーカーコードに紐付いていない場合は(S5「No」)、S7に移行する。他方、入力された商品コードが商品マスタ106aで当該メーカーコードに紐付いている場合は(S5「Yes」)、販売制限マスタ106dの対応する許可設定の入力制限を行う(ステップS6)。
【0055】
S7では、入力制限を実行しないので、受注入力(登録)が可能である。
【0056】
例えば、得意先コード「10011」、商品コード「101-0013」を入力した場合は、
図6において、販売制限マスタ106dで得意先コード「10011」に紐付く商品グループコード「B100」があり(S2の「Yes」)、入力された商品コード「101-0013」が商品グループマスタ106bで当該商品グループコード「B100」に紐付いているので(S3の「Yes」)、販売制限マスタ106dの対応する許可設定「0:警告」の入力制限を行い(S6)、受注入力画面で「販売不許可の制限が掛かっています。登録を実行してもよろしいですか?」のメッセージを表示する。
【0057】
また、得意先コード「20011」、商品コード「101-0015」を入力した場合は、
図6において、販売制限マスタ106dで入力された得意先コード「20011」に紐付くメーカーコード「M200」があり(S3の「Yes」)、入力された商品コード「101-0013」が商品マスタ106aで当該メーカーコード「M200」に紐付いているので(S4の「Yes」)、販売制限マスタ106dの対応する許可設定「0:エラー」の入力制限を行い(S6)、受注入力画面で「メーカーで販売不許可の制限が掛かっています。」のメッセージを表示して、受注入力(登録)を不可とする。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、商品と当該商品の製造元であるメーカーとを関連づけて登録した商品マスタ106aと、商品と当該商品のグループを示す商品グループとを関連づけて登録した商品グループマスタ106bと、得意先毎に、販売を制限する商品グループ又はメーカーとを関連づけて登録した販売制限マスタ106dと、モニタ114に表示される受注入力画面において、得意先及び商品が入力された場合には、入力された得意先をキーとして前記販売制限マスタから商品グループ又はメーカーを取得し、前記商品グループマスタを参照して取得した商品グループに前記入力された商品が紐付く場合、又は、前記商品マスタを参照して取得したメーカーに前記入力された商品が紐付く場合に、受注入力を制限する入力制限部102cと、を備えているので、商品の受注入力時に得意先毎に、当該商品の製造元であるメーカー又は当該商品のグループに応じて、販売制限を行うことが可能になるという効果を奏する。
【0059】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0062】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0063】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0064】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0065】
また、販売制限装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0066】
例えば、販売制限装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて販売制限装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0067】
また、このコンピュータプログラムは、販売制限装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0068】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0069】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0070】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0071】
また、販売制限装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、販売制限装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0072】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0073】
100 販売制限装置
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b 受注入力部
102c 入力制限部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品マスタ
106b 商品グループマスタ
106c メーカーマスタ
106d 販売制限マスタ
106e データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク