(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184224
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】画像判定システム及び画像判定方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221206BHJP
G06Q 40/08 20120101ALI20221206BHJP
A01K 11/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H04N5/232 290
G06Q40/08
A01K11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091941
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】514235307
【氏名又は名称】アニコム ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】辻内 真理
(72)【発明者】
【氏名】堺 百合
(72)【発明者】
【氏名】小谷野 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】塚本 知夏
(72)【発明者】
【氏名】尾形 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】カオ ティン
【テーマコード(参考)】
5C122
5L055
【Fターム(参考)】
5C122EA37
5C122EA41
5C122FH11
5C122FH13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB09
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】簡易な方法で、動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無について判定する画像判定システム等を提供することを目的とする。
【解決手段】動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無について判定する判定手段と、を備える画像判定システムであって、前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする画像判定システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する判定手段と、を備える画像判定システムであって、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする画像判定システム。
【請求項2】
動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する判定手段と、を備える画像判定システムであって、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定とする学習済みモデルであることを特徴とする画像判定システム。
【請求項3】
前記受付手段により受け付けられる動物の画像が、動物の顔を正面から撮影した画像である請求項1又は2記載の画像判定システム。
【請求項4】
前記受付手段により受け付けられる動物の顔画像が、動物の目と鼻と耳を含む画像である請求項3記載の画像判定システム。
【請求項5】
前記受付手段により受け付けられる動物の顔画像が、個体識別用の顔画像である請求項4記載の画像判定システム。
【請求項6】
動物保険加入システムであって、
動物保険加入申込み者が提出する動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段に入力された動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を、学習済みモデルを用いて判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする動物保険加入システム。
【請求項7】
動物保険加入システムであって、
動物保険加入申込み者が提出する動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段に入力された動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を、学習済みモデルを用いて判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無判定とする学習済みモデルであることを特徴とする動物保険加入システム。
【請求項8】
前記判定手段による判定結果が、動物の画像にブレ及び/又はピンボケが含まれるものであった場合、出力手段において、判定結果の出力とともに、動物の別の画像を提出するように促すメッセージを出力する請求項6又は7記載の動物保険加入システム。
【請求項9】
前記判定手段が、前記保険証画像受付手段に入力された動物の画像が、動物の顔全体にピントがあっていないと、ピンボケが含まれると判定する請求項6~8のいずれか一項記載の動物保険加入システム。
【請求項10】
動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する学習済みモデルの生成方法であって、教師データとして、動物の画像と、その動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルをコンピュータに入力し、人工知能に学習させることを特徴とする学習済みモデルの生成方法。
【請求項11】
動物の画像を用意するステップと、
前記画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を出力するステップと、を有する画像判定方法であって、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする画像判定方法。
【請求項12】
動物の画像を用意するステップと、
前記画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を出力するステップと、を有する画像判定方法であって、
前記学習済みモデルが、動物の画像とその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定とする学習済みモデルであることを特徴とする画像判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像判定システム及び画像判定方法に関し、詳しくは、動物の画像から、動物の画像のブレ及び/又はピンボケに関する判定結果を提供する画像判定システム及び画像判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫、ウサギを始めとする愛玩動物、牛や豚を始めとする家畜は、人間にとってかけがえのない存在である。スマートフォンやデジタルカメラの普及により、動物の写真を撮影する機会も増えている。
【0003】
動物は、ヒトと異なり、全身が体毛に覆われており、また、顔の形や体形もヒトとは異なる。そのため、動物の写真を撮る場合、ピントを合わせることに困難が伴うことがある。また、動物は、余程訓練された個体でない限り、写真の撮影中にも動くため、被写体ブレが発生しやすい。このようなブレやピンボケは、容易に判別できないことも多く、撮影から時間が経った後で、画像を拡大した際に発見されることもある。
【0004】
一方、愛玩動物の医療費をカバーするペット保険が普及しつつある。ペット保険を提供する場合、保険がかけられているペットとそうではないペットとを識別する必要がある。そのため、加入申請時に、申請者に対して、対象となるペットの画像を提出するように求めることがある。提出されたペットの画像は、ペット保険の加入可否の審査に用いられたり、ペット保険の保険証に用いられる。例えば、ペット保険の保険証を契約者に提供し、契約者が当該保険証を動物病院の窓口で提示することで保険金の支払いを受けられるようにするために、保険証をペットの写真付きとし、保険証に記載されているペットの個体が、実際に診療を受けたペットの個体と同一であることを確認できるようにすることが行われている。このような場合、ペットの写真にブレやピンボケがあると、ペット保険の加入審査や、保険証での同一性判断に支障を来すおそれがある。
【0005】
特許文献1には、セルフィーの品質を改善するためのシステムであって、オクルージョン、ぼやけ、カメラまでの距離、顔の表情、照明、及びこれらの組み合わせから選択される品質メトリックについて、正規化されたセルフィーを解析させる、セルフィー品質指数(SQI)モジュールであって、前記システムが、前記解析された画像品質メトリックを使用して、SQIスコアを生成する、セルフィー品質指数(SQI)モジュール等を含むシステム、特に、前記SQIモジュールがぼやけ係数及びAlexnet CNNの最後の層から抽出された特徴のうちの少なくとも1つから形成されたぼやけ特徴ベクトルによって訓練されたCNNの形態のぼやけ検出モジュールを含む、セルフィーの品質を改善するためのシステムが開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているセルフィーの品質を改善するためのシステムは、人が自分の写真を撮影するいわゆるセルフィーの撮影に際して、その画像品質を改善するためのシステムであって、動物の画像を対象としたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、簡易な方法で、動物の画像から、動物の画像のブレ及び/又はピンボケに関する判定結果を提供する画像判定システム及び画像判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケとの関係を学習した学習済みモデルによって上記課題が解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の[1]~[13]である。
[1]動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する判定手段と、を備える画像判定システムであって、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする画像判定システム。
[2]動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する判定手段と、を備える画像判定システムであって、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定とする学習済みモデルであることを特徴とする画像判定システム。
[3]前記受付手段により受け付けられる動物の画像が、動物の顔を正面から撮影した画像である[1]又は[2]の画像判定システム。
[4]前記受付手段により受け付けられる動物の顔画像が、動物の目と鼻と耳を含む画像である[3]の画像判定システム。
[5]前記受付手段により受け付けられる動物の顔画像が、個体識別用の顔画像である[4]の画像判定システム。
[6]動物保険加入システムであって、
動物保険加入申込み者が提出する動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段に入力された動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を、学習済みモデルを用いて判定する判定手段と
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする動物保険加入システム。
[7]動物保険加入システムであって、
動物保険加入申込み者が提出する動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段に入力された動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を、学習済みモデルを用いて判定する判定手段と
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無判定とする学習済みモデルであることを特徴とする動物保険加入システム。
[8]前記判定手段による判定結果が、動物の画像にブレ及び/又はピンボケが含まれるものであった場合、出力手段において、判定結果の出力とともに、動物の別の画像を提出するように促すメッセージを出力する[6]又は[7]の動物保険加入システム。
[9]前記判定手段が、前記保険証画像受付手段に入力された動物の画像が、動物の顔全体にピントがあっていないと、ピンボケが含まれると判定する[6]~[8]のいずれかの動物保険加入システム。
[10]動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する学習済みモデルの生成方法であって、教師データとして、動物の画像と、その動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルをコンピュータに入力し、人工知能に学習させることを特徴とする学習済みモデルの生成方法。
[11]動物の画像を用意するステップと、
前記画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を出力するステップと、を有する画像判定方法であって、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする画像判定方法。
[12]動物の画像を用意するステップと、
前記画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を出力するステップと、を有する画像判定方法であって、
前記学習済みモデルが、動物の画像とその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定とする学習済みモデルであることを特徴とする画像判定方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、簡易な方法で、動物の画像から、動物の画像のブレ及び/又はピンボケに関する判定結果を提供する画像判定システム及び画像判定方法を提供することが可能となる。また、簡易な方法で動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定できることを利用した動物の画像を用いた動物保険加入システムを提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図5】本発明の画像判定システムの一実施態様を表す構成概略図である。
【
図6】本発明の画像判定システムによる画像判定の流れの一例を表すフローチャート図である。
【
図7】本発明の動物保険加入システムによる画像判定の流れの一例を表すフローチャート図である。
【
図8】本発明の動物保険加入システムによる画像判定の流れの一例を表すフローチャート図である。
【
図12】(A)ラインが取れている例の画像、(B)ラインが取れていない例の画像である。
【
図13】(A)カット面が揃っている例の画像、(B)カット面が揃っていない例の画像である。
【
図14】(A)左右のバランスが取れている例の画像、(B)バランスが取れていない例の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<画像判定システム>
本実施形態の画像判定システムは、動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する判定手段と、を備える画像判定システムであって、前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とする。
【0014】
[受付手段]
受付手段は、動物の画像の入力を受け付ける手段である。動物としては、犬、猫、ウサギ等の哺乳類、鳥類、爬虫類が挙げられ、犬及び猫が好ましい。画像の受付方法は、スキャン、画像データの入力、送信、その場で撮影しての画像取り込みなどいずれの方法であってもよい。画像のフォーマットは特に限定されない。画像に写っている動物の部位は特に限定されないが、動物の画像は、動物の顔が写っている画像が好ましく、
図1のように動物の顔を正面から撮影した写真であることがより好ましく、動物の顔が大きく写っている写真がさらに好ましい。また、
図11(B)の丸枠のようにマズル付近のみになるようにトリミングしたり、
図11(C)の四角の枠のように目の付近のみになるようにトリミングした画像よりも、
図11(A)のように、動物の耳まで写っている顔の画像が特に好ましい。そのような写真として、ヒトの運転免許証の写真のような写真が挙げられる。
図2のように、動物の健康保険証に用いられるような画像も好ましい。画像は、白黒、グレースケール、カラーのいずれであってもよい。動物の顔全体が写っていない画像、画像編集ソフトウェアで形状が編集された画像、複数の動物が写っている画像、目や耳が判別出来ないほど顔が小さく写っている画像あるいは不鮮明な画像は好ましくない。画像については、ノーマライゼーションが施されたものや、解像度が統一されたものが好ましい。
【0015】
[判定手段]
判定手段は、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する手段である。本実施形態において、学習済みモデルは、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルである。
【0016】
上記のような学習済みモデルは、例えば、教師あり学習や教師なし学習によって生成することができる。教師あり学習の場合の教師データとしては、例えば、動物の画像とその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するデータが挙げられる。動物の画像に、その動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に応じたタグを付けて教師データとしてもよい。
【0017】
画像のブレ及び/又はピンボケとは、手ブレ、被写体ブレなどのブレと、ピントが被写体からずれている、ピントが合っていないなどのピンボケの両方又はいずれか一方を指す。画像にブレやピンボケが含まれることで、画像に写っている動物の個体識別が難しくなるおそれがある。
また、動物の顔のうち、鼻にピントがあっているものの、被写界深度が浅く、目や耳などの他の部位にピントがあっていない場合も、ピンボケに含めるように設定することもできる。動物、特に犬は、鼻が突出しており、鼻とそれ以外の顔の部位とが離れていることがあり、被写界深度を浅くして撮影すると、顔のうち特定の部位にピントがあっているがそれ以外の部位にはピントがあっていないということが起き得る。このような場合、個体識別には適していない写真となるので、ピンボケを含む画像としてタグ付けをすることができる。他方、目にピントがあっているものの、鼻にはピントがあっていない場合には、個体識別上、問題が小さいとして、ピンボケを含まない(ピンボケではない)と設定、タグ付けしてもよい。
【0018】
教師データとして用いる動物の画像のフォーマットは特に限定されない。例えば、動物の健康保険の個体識別や加入申し込みに用いる画像は、顔をメインに写っている画像を用いる場合もあれば、全身が映っている画像を用いる場合もある。そのため、画像に写っている動物の部位は特に限定されないが、動物の画像は、動物の顔が写っている画像が好ましく、動物の顔を正面から撮影した写真であることがより好ましく、
図1のように、動物の顔が大きく写っている写真がさらに好ましい。また、
図11(B)の丸枠のようにマズル付近のみになるようにトリミングしたり、
図11(C)の四角の枠のように目の付近のみになるようにトリミングした画像よりも、
図11(A)のように、動物の耳まで写っている顔の画像が特に好ましい。そのような写真として、ヒトの運転免許証の写真のような写真が挙げられる。
図2のように、動物の健康保険証に用いられるような画像でもよい。画像は、白黒、グレースケール、カラーのいずれであってもよい。動物の顔全体が写っていない画像、画像編集ソフトウェアで形状が編集された画像、複数の動物が写っている画像、目や耳が判別出来ないほど顔が小さく写っている画像あるいは不鮮明な画像は好ましくない。画像については、ノーマライゼーションが施されたものや、解像度が統一されたものが好ましい。教師データで用いた画像と、受付手段により受け付ける画像の解像度が統一されていることがより好ましい。
【0019】
学習済みモデルとしては、人工知能(AI)が好ましい。人工知能(AI)とは、人間の脳が行っている知的な作業をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステムであり、具体的には、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことをいう。人工知能としては、汎用型、特化型のいずれであってもよく、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク等のいずれであってもよく、公開されているソフトウェアを使用することができる。
【0020】
学習済みモデルを生成するために、人工知能を学習させる。学習としては、機械学習とディープラーニング(深層学習)のいずれであってもよいが、ディープラーニングが好ましい。ディープラーニングは、機械学習を発展させたものであり、特徴量を自動的に見つけ出す点に特徴がある。
【0021】
学習済みモデルを生成するための学習方法としては、特に制限されず、公開されているソフトウェアを用いることができる。例えば、NVIDIAが公開しているDIGITS (the Deep Learning GPU Training System)を用いることができる。その他、例えば、「サポートベクターマシン入門」(共立出版)等において公開されている公知のサポートベクターマシン法(Support Vector Machine法)等によって学習させてもよい。
【0022】
本発明の画像判定システムや画像判定方法は、画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を行う判定手段に加えて、当該画像に写っている動物のトリミングの良否判定やスコア判定を行うトリミング結果判定手段を備えていてもよい。トリミング結果判定手段は、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物のトリミングの良否を判定する判定手段であって、前記学習済みモデルが、トリミングを受けた動物の画像と、該動物のトリミングの良否との関係を学習した学習済みモデルである。具体的には、前記学習済みモデルが、トリミングを受けた動物の画像と、該動物のトリミングの良否に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物のトリミングの良否判定とする学習済みモデルであることが好ましい。トリミング判定は、好ましくは、画像判定(ブレやピンボケの有無についての判定)の後に行われ、出力としては画像判定とともに、そのトリミングの良否判定や採点結果を出力する。トリミング結果判定手段は、例えば、後述する実施形態の判定手段(学習済みモデル)11と同様に構成される。
トリミングの良否とは、例えば、トリミングが上手く行っている、上手く行っていないという判定結果であり、具体的な判定基準の例として、左右対称のトリミングとなっているか/いないか、アウトラインが取れているか/取れていないか、部位ごとにメリハリがあるか/ないか、カット面が揃っているか/揃っていないか、といった基準が挙げられる。ここで挙げた例はいずれも前者が良い例であり、後者が悪い例である。その他、立体的なトリミングとなっているか/なっていないか、バランス良く配置されたカットになっているか/いないか、平面部と平面部のつながりが滑らかに揃っているか/いないか、といった基準も挙げられる。また、トリミングの判定基準として、例えば、一般社団法人全日本動物専門教育協会のトリミング競技規定などの判定基準を用いることもできる。
図12に、(A)ラインが取れている例の画像/(B)ラインが取れていない例の画像を例示する。また、
図13に、(A)カット面が揃っている例の画像/(B)カット面が揃っていない例の画像を例示する。また、
図14に、(A)左右のバランスが取れている例の画像/(B)バランスが取れていない例の画像を例示する。
【0023】
動物の画像に対して、個々の判定基準ごとにスコアをつけてもよいし、これらの判定基準を総合してスコアを付けたり、「良」か「不良」の判定をつけてもよい。すなわち、教師データとして用いる各々の画像に対して、上記判定基準に応じたスコアをタグ付けしたり、良否に応じたタグ付けをして、教師データとすることができる。トリミングの良否判断は、例えば、トリミングについての熟練者や、トリミング競技会等での採点法について知見のある者が行うことができる。
【0024】
[出力]
判定手段は、入力情報として、動物の画像を受け付けると、上記学習済みモデルによって、当該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を行う。
出力の形式は特に限定されず、例えば、パソコンの画面上において、「大変良い」、「良くない」のように、ブレやピンボケの有無に応じて画像の良否を表示する方法や、「この画像はブレています」、「この画像はピントが合っていません」というように、ブレやピンボケの存在を提示したり、ブレやピンボケの有無とともに、確率や自信度も併せて表示する、といった表示をすることで判定を出力することができる。
本発明の画像判定システムは、判定手段から判定結果を受信し、判定結果を出力する出力手段を別途有していてもよい。
【0025】
また、動物の画像にブレ及び/又はピンボケが含まれるものであった場合、判定結果の出力とともに、動物の別の画像を提出するように促すメッセージを出力する構成としてもよい。そのようなメッセージとしては、例えば、「この画像はブレていますので、撮り直してください」、「この画像はピントが合っていませんので、別の画像をアップロードしてください」といったものが挙げられる。
【0026】
また、動物の画像にブレ及び/又はピンボケが含まれるものであった場合、判定結果の出力とともに、撮影方法のアドバイスに関するメッセージを出力する構成としてもよい。そのようなメッセージとしては、例えば、「この画像はブレています。明るいところで撮影してください」、「この画像はブレています。ワンちゃんを落ち着かせましょう」、「カメラ設定を変更してシャッタースピードを上げてください」、「カメラを固定しましょう」、「この画像はピントがあっていません。カメラ設定を変更して被写界深度を深くしてください」といったものが挙げられる。
【0027】
以下、本発明の画像判定システムの一実施態様を
図5を参照しながら説明する。
【0028】
図5中、端末40は、利用者が利用する端末である。利用者としては、例えば、自分が飼育しているペットの写真を撮ってSNSにアップロードしようとする飼育者、顧客のペットのカット後の写真を撮影し、事例としてウェブサイトにアップロードしようとするカットサロン業者、動物の健康保険に申し込みをしようとする者である。端末40は、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末などが挙げられる。端末40は、CPUなどの処理部、ハードディスク、ROMあるいはRAMなどの記憶部、液晶パネルなどの表示部、マウス、キーボード、タッチパネルなどの入力部、ネットワークアダプタなどの通信部などを含んで構成される。
【0029】
利用者は、端末40から、サーバにアクセスし、動物の画像(写真)を入力、送信する。必要であれば、当該動物の種類、品種、性別、体重などの情報を併せて入力するようにしてもよい。また、利用者が、本画像判定システム利用時に、その場でスマートフォンのカメラを使って対象となる動物の写真を撮影し、それを入力、送信するという態様であってもよい。例えば、利用者は、端末40の画面上に表示される指示に従って対象となる動物の写真を撮影し、それをサーバに送信する。このとき、サーバ内にある判定手段が当該写真画像中のブレやピンボケの有無を判定し、出力する。サーバが、別途、画像判定プログラムからなる写真撮影補助手段を備え、写真撮影補助手段が、撮影目的に応じて、動物の顔全体や体全体が撮像されていること、動物の顔の正面からの写真であるといった、好適な写真であるかどうかを判定し、ブレやピンボケの有無にかかる判定結果とともに、インターフェースや端末を通じて利用者に伝達するという構成を備えていてもよい。
また、利用者は、端末40がサーバにアクセスすることによって、ブレやピンボケの有無についての判定の結果を受信することができる。
【0030】
本実施形態においては、サーバはコンピュータによって構成されるが、本発明にかかる機能を有する限りにおいて、どのような装置であってもよい。サーバは、クラウド上にあるサーバであってもよい。
【0031】
記憶部10は、例えばROM、RAMあるいはハードディスクなどから構成される。記憶部10には、サーバの各部を動作させるための情報処理プログラムが記憶され、特に、判定手段(学習済みモデル)11が記憶される。
【0032】
判定手段(学習済みモデル)11は、利用者が入力した対象となる動物の画像を入力とし、当該画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を出力するものである。本実施形態における判定手段(学習済みモデル)11は、例えばディープニューラルネットワーク又は畳み込みニューラルネットワークを含んで構成される。
【0033】
処理演算部20は、記憶部に記憶された判定手段(学習済みモデル)11を用いて、画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を実行する。
【0034】
インターフェース部(通信部)30は、受付手段31と出力手段32を備え、利用者の端末から、動物の画像やその他の情報を受け付け、利用者の端末に対して、画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定の結果を出力する。
【0035】
本実施形態の画像判定システムにより、利用者は、ペットの写真や動画などをサーバにアップロードすることで、簡便にペットの画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を得ることができる。
【0036】
本実施形態では、判定手段や受付手段がサーバに格納され、利用者の端末とインターネットやLAN等の接続手段で接続される態様を説明したが、本発明はこれに限定されず、判定手段、受付手段、インターフェース部が一つのサーバや装置内に格納される態様や、利用者が利用する端末を別途必要としない態様等であってもよい。
【0037】
また、本発明の画像判定システムは、アプリやソフトウェアとして、受付手段及び学習済みモデルを含む判定手段をコードしたソフトウェアが利用者の端末にダウンロードされ、利用者の端末内において、画像の受付、判定、判定結果の出力を一貫して行う構成としてもよい。
【0038】
本発明の画像判定システムの一実施態様に基づく画像判定のフローチャートを
図6に示す。利用者が、受付手段に、対象となる動物の画像をアップロードする(ステップS1)。サーバの処理演算部は、判定手段(学習済みモデル)を用いて、アップロードされた画像から、その動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する(ステップS2)。出力手段は、導き出された判定結果を画面に表示するなどして出力し、利用者に提示する(ステップS3)。
【0039】
<他の実施態様>
本発明の他の実施態様として、動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、学習済みモデルを用いて、前記受付手段に入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する判定手段と、を備える画像判定システムであって、前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定とする学習済みモデルであることを特徴とする画像判定システムが挙げられる。
この実施態様は、学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレやピンボケに関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定とする学習済みモデルであることを特徴とするものである。その他の点は上記と同様である。
【0040】
<画像判定方法>
本発明の画像判定方法は、動物の画像を用意するステップと、前記画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を出力するステップと、を有する画像判定方法であって、前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とするものである。
【0041】
また、本発明の別の態様の画像判定方法は、動物の画像を用意するステップと、前記画像を学習済みモデルに入力し、コンピュータが前記学習済みモデルを用いて、前記入力された動物の画像からその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定を出力するステップと、を有する画像判定方法であって、前記学習済みモデルが、動物の画像とその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無についての判定とする学習済みモデルであることを特徴とするものである。
【0042】
動物の画像、学習済みモデルについては、上記本発明の画像判定システムと同様である。
【0043】
<保険加入システム>
本発明の動物保険加入システムは、動物保険加入申込み者が提出する動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段に入力された動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を、学習済みモデルを用いて判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無との関係を学習した学習済みモデルであることを特徴とするものである。
また、本発明の別の態様の動物保険加入システムは、動物保険加入申込み者が提出する動物の画像の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段に入力された動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を、学習済みモデルを用いて判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備え、
前記学習済みモデルが、動物の画像と、該動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無に関するラベルとを教師データとして用いて学習を行い、入力を動物の画像とし、出力をその動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無判定とする学習済みモデルであることを特徴とする
【0044】
対象となる動物保険としては、ペットの健康保険が好ましい。
【0045】
受付手段、判定手段、出力手段については、上記本発明の画像判定システムと同様である。なお、受付手段は、保険の対象となる動物の画像とともに、その動物の名前、年齢、病歴、種類、品種、性別、加入を希望する保険の種類、申込者の氏名、住所、クレジットカード情報などの、保険の加入申し込みに必要な情報も併せて受け付ける機能を有していてもよい。
【0046】
本発明の動物保険加入システムは、前記判定手段による判定結果が、動物の画像にブレ及び/又はピンボケが含まれるものであった場合、出力手段において、判定結果の出力とともに、動物の別の画像を提出するように促すメッセージを出力することが好ましい。
【0047】
本発明の動物保険加入システムは、前記判定手段が、前記保険証画像受付手段に入力された動物の画像が、動物の顔全体にピントがあっていないと、ピンボケが含まれると判定することが好ましい。
【0048】
本発明の動物保険加入システムの一実施態様に基づく保険加入申請のフローチャートを
図7及び
図8に示す。
図7のフローチャートは、入力される画像にブレやピンボケが無い場合のフローチャートである。動物保険に加入しようとする利用者が、動物保険運営会社が用意するウェブサイトの入力フォームに、保険加入の対象となる動物の名前、種類、品種、体重、性別、生年月日、他の保険契約の有無、保険プランの選択、支払方法など必要事項を入力するとともに、当該動物の画像を、ウェブサイト上においてアップロードするか、別途メールで送信することにより、当該動物の画像が受付手段により受け付けられる(ステップS1)。サーバの処理演算部は、判定手段(学習済みモデル)を用いて、アップロードされた画像から、その動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する(ステップS2)。判定結果がブレやピンボケのない良好な画像との結果であった場合、その旨を出力し(ステップS3)、ウェブサイト上で「画像を受け付けました。次の手順にお進みください。」といった表示をして、利用者が、保険加入の申し込み手続を進めるように促す(ステップS4)。
【0049】
図8のフローチャートは、入力される画像にブレやピンボケがある場合のフローチャートである。動物保険に加入しようとする利用者が、動物保険運営会社が用意するウェブサイトの入力フォームに、保険加入の対象となる動物の名前、種類、品種、体重、性別、生年月日、他の保険契約の有無、保険プランの選択、支払方法など必要事項を入力するとともに、当該動物の画像を、ウェブサイト上においてアップロードするか、別途メールで送信することにより、当該動物の画像が受付手段により受け付けられる(ステップS1)。サーバの処理演算部は、判定手段(学習済みモデル)を用いて、アップロードされた画像から、その動物の画像のブレ及び/又はピンボケの有無を判定する(ステップS2)。ステップS2における判定結果が、ブレやピンボケを含む画像との結果であった場合、その旨を出力し(ステップS3)、ウェブサイト上で「アップロードして頂いた画像は、ブレています。恐れ入りますが、他の画像をアップロードしてください。」というように、別の画像を送信するように促す表示をする(ステップS4)。この場合、利用者が、当該動物の別の画像をウェブサイト上においてアップロードするか、別途メールで送信することにより、当該動物の画像が受付手段により受け付けられる(ステップS1)。ステップS1以降は、上記と同様である。ブレやピンボケを含まない画像が入力されないと、ステップS1~S4を繰り返すことになる。
【実施例0050】
[実施例1]
ブレやピンボケを含まない犬の写真(被写界深度が浅く、目にピントがあっており、鼻にはピントが合っていない写真はピンボケではないとした。一方、犬にピントがあっておらず、背景にピントが合っている写真はピンボケを含むとした。例を
図3(A)~(D)に示す。)を632枚、並びに、ブレ(手ぶれ及び被写体ブレのいずれか)又はピンボケを含む犬の写真(例を
図4(A)~(D)に示す。)を632枚用意した。これらの犬の写真は、顔写真や全身が映っている写真であった。
これらの顔写真を用いて、ディープラーニングを行い、学習済みモデルを生成した。
各写真に、ブレやピンボケを含まない写真(以下「良い」とも表記する。)であれば「1」、ブレ又はピンボケを含む写真(以下「悪い」とも表記する。)であれば「0」のタグをつけて学習に用いた。
学習方法は、人工知能(ニューラルネットワーク)としてResnetを使用した転移学習であり、機械学習ライブラリ(Deep Learningライブラリ)として、Pytorchを用いた。
また、学習途中での評価を行うためのデータとして、良い写真及び悪い写真それぞれにつき50枚の写真を用いた。学習途中での評価結果を表1に示す。
【0051】
【0052】
次に、得られた学習済みモデルを用いて、上記教師データや検証データに用いた写真とは別の写真を良い写真106枚、悪い写真94枚を用意して検証を行った。正答率は90.0%であった。
結果を表2に示す。
【0053】
【0054】
[実施例2]
上記実施例1において教師データとして用いた良い写真、悪い写真それぞれについて、犬の目及び鼻を含み、耳を含まないようにトリミングを行った(良い写真の例を
図9(A)~(D)、悪い写真の例を
図10(A)~(D)に示す。)。
これらの顔写真を用いて、ディープラーニングを行い、学習済みモデルを生成した。
各画像に、良い写真であれば「1」、悪い写真であれば「0」のタグをつけて学習に用いた。
学習方法は、人工知能(ニューラルネットワーク)としてResnetを使用した転移学習であり、機械学習ライブラリ(Deep Learningライブラリ)として、Pytorchを用いた。
また、学習途中での評価を行うためのデータとして、良い写真、悪い写真それぞれにつき50枚の写真を用いた。学習途中での評価結果を表3に示す。
【0055】
【0056】
次に、得られた学習済みモデルを用いて、上記教師データや検証データに用いた写真とは別の写真を良い写真106枚、悪い写真94枚を用意して検証を行った。正答率は85.1%であった。
結果を表4に示す。
【0057】