IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特開-表示装置 図1
  • 特開-表示装置 図2
  • 特開-表示装置 図3
  • 特開-表示装置 図4
  • 特開-表示装置 図5
  • 特開-表示装置 図6
  • 特開-表示装置 図7
  • 特開-表示装置 図8
  • 特開-表示装置 図9
  • 特開-表示装置 図10
  • 特開-表示装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018426
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220120BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20220120BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220120BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220120BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 348A
G09F9/30 336
G02F1/1368
G02F1/1345
G06F3/041 412
G06F3/041 430
G06F3/041 495
G06F3/044 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121526
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 謙太朗
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 啓太
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆幸
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA43
2H092GA50
2H092GA55
2H092GA60
2H092GA62
2H092JA26
2H092JA46
2H092JB32
2H092JB52
2H092JB58
2H092KA04
2H092KA05
2H092KA08
2H092KA12
2H092KA18
2H092KB04
2H092KB14
2H092NA25
2H092QA09
2H192AA24
2H192BB13
2H192CB05
2H192CB13
2H192CC55
2H192EA22
2H192EA43
2H192FA65
2H192FA73
2H192FB22
2H192GB33
2H192GB34
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094BA43
5C094BA52
5C094BA75
5C094CA19
5C094DA15
5C094DB03
5C094EA04
5C094EA05
5C094EA07
5C094EA10
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB12
5C094FB15
(57)【要約】
【課題】信頼性の低下を抑制する表示装置を提供する。
【解決手段】表示部と、第1端子と、前記表示部と前記第1端子との間に位置する第2端子と、絶縁膜と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子の各々は、金属電極、及び、第1透明電極の積層体であり、前記第1端子において、前記第1透明電極は、前記金属電極の上面及び側面に接しており、前記第2端子において、前記絶縁膜は、前記金属電極の側面に接しており、前記絶縁膜で囲まれた内側において、前記第1透明電極は、前記金属電極の上面に接している、表示装置。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、第1端子と、前記表示部と前記第1端子との間に位置する第2端子と、絶縁膜と、を備え、
前記第1端子及び前記第2端子の各々は、金属電極、及び、第1透明電極の積層体であり、
前記第1端子において、前記第1透明電極は、前記金属電極の上面及び側面に接しており、
前記第2端子において、前記絶縁膜は、前記金属電極の側面に接しており、
前記絶縁膜で囲まれた内側において、前記第1透明電極は、前記金属電極の上面に接している、表示装置。
【請求項2】
前記金属電極は、第1層、前記第1層とは異なる材料によって形成された第2層、及び、前記第1層と同一材料によって形成された第3層の積層体であり、
前記絶縁膜は、前記金属電極の側面において、前記第1層、前記第2層、及び、前記第3層に接している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記絶縁膜は、有機絶縁膜である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1端子及び前記第2端子の各々の金属電極は、第1金属電極、第2金属電極、第3金属電極の積層体である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3金属電極は、第1層、前記第1層とは異なる材料によって形成された第2層、及び、前記第1層と同一材料によって形成された第3層の積層体であり、
前記絶縁膜は、前記第3金属電極の側面において、前記第1層、前記第2層、及び、前記第3層に接している、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、
前記第1金属電極と同一材料によって形成された走査線と、
前記第2金属電極と同一材料によって形成された信号線と、
前記第3金属電極と同一材料によって形成され、前記信号線の直上に位置する金属配線と、
前記第1透明電極と同一材料によって形成され、前記金属配線と電気的に接続された共通電極と、
を備える、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
さらに、前記第2端子の前記第1金属電極と一体的な出力配線と前記金属配線とを電気的に接続する層変換部と、無機絶縁膜と、有機絶縁膜と、を備え、
前記層変換部は、
前記出力配線まで貫通したコンタクトホールを有する前記無機絶縁膜の上に配置され、前記第2金属電極と同一材料によって形成され、前記コンタクトホールにおいて前記出力配線に接する接続電極を備え、
前記金属配線は、前記接続電極を囲む前記有機絶縁膜の上に配置され、前記有機絶縁膜の開口において前記接続電極に接し、前記有機絶縁膜と前記接続電極との間において前記無機絶縁膜に接している、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記絶縁膜は、前記有機絶縁膜及び前記金属配線を直接覆っている、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
表示部と、第1端子と、前記表示部と前記第1端子との間に位置する第2端子と、前記表示部と前記第2端子との間に位置する中継部と、を備え、
前記表示部は、走査線と、信号線と、前記信号線の直上に位置する金属配線と、前記金属配線と電気的に接続された共通電極と、前記共通電極の直上に位置する画素電極と、を備え、
前記中継部は、
前記信号線と同一材料によって形成された第1中継電極と、
前記第2端子と電気的に接続され、前記金属配線と同一材料によって形成され、前記金属配線から離間し、前記第1中継電極に接する第2中継電極と、
前記共通電極と同一材料によって形成され、前記金属配線に接する第3中継電極と、
前記画素電極と同一材料によって形成され、前記第1中継電極及び前記第3中継電極に接する第4中継電極と、を備える、表示装置。
【請求項10】
前記第2端子は、第1金属電極、前記第1中継電極と同一材料によって形成された第2金属電極、前記第2中継電極と同一材料によって形成された第3金属電極、前記第3中継電極と同一材料によって形成された第1透明電極、及び、前記第4中継電極と同一材料によって形成された第2透明電極の積層体である、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
さらに、前記第2端子の前記第1金属電極と一体的な出力配線と前記第2中継電極とを電気的に接続する層変換部と、無機絶縁膜と、前記第1中継電極と前記第2中継電極との間に位置する第1有機絶縁膜と、を備え、
前記層変換部は、
前記出力配線まで貫通したコンタクトホールを有する前記無機絶縁膜の上に配置され、前記第2金属電極と同一材料によって形成され、前記コンタクトホールにおいて前記出力配線に接する接続電極を備え、
前記第2中継電極は、前記接続電極を囲む前記第1有機絶縁膜の上に配置され、前記第1有機絶縁膜の開口において前記接続電極に接し、前記第1有機絶縁膜と前記接続電極との間において前記無機絶縁膜に接している、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
さらに、前記金属配線と前記第3中継電極との間に位置する第2有機絶縁膜を備え、
前記第2有機絶縁膜は、前記第2中継電極を直接覆っている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
走査線と、前記走査線と交差する方向に延在する信号線と、前記信号線の直上に位置する金属配線と、前記金属配線と電気的に接続された共通電極と、前記共通電極と重畳する画素電極と、を有する表示部と、
外部回路と接続する第1端子及び第2端子を有する実装部と、を備え、
前記第1端子及び前記第2端子の各々は、第1金属電極、前記第1金属電極を覆う第2金属電極、前記第2金属電極を覆う第3金属電極の積層体であり、
前記第1金属電極は、前記走査線と同一材料によって形成され、
前記第2金属電極は、前記信号線と同一材料によって形成され、
前記第3金属電極は、前記金属配線と同一材料によって形成され、
前記第1端子及び前記第2端子のいずれかにおいて、前記第3金属電極の端部は、前記信号線と前記共通電極との間に形成された絶縁膜によって覆われている、表示装置。
【請求項14】
前記第3金属電極は、第1層、前記第1層とは異なる材料によって形成された第2層、及び、前記第1層と同一材料によって形成された第3層の積層体であり、
前記絶縁膜は、前記第3金属電極の端部において、前記第1層、前記第2層、及び、前記第3層に接している、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記絶縁膜は、有機絶縁膜である、請求項13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの各種表示装置は、基板上の一端に、端子部を備えている。端子部は、画素を駆動するのに必要な信号を供給するための端子を含んでいる。また、近年、種々提案されているタッチ検出機能を備えた表示装置においては、端子部は、タッチ検出に必要な信号を送受信するための端子を含んでいる。
【0003】
一例では、ソース電極等と同一材料によって形成された端子電極を含み、ICのバンプと端子電極とを電気的に接続した表示装置が開示されている。また、他の例では、複数の導電層を積層して構成された端子部を含み、フレキシブルプリント回路基板の端子と端子部とを電気的に接続した表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-200377号公報
【特許文献2】特開2019-191460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、信頼性の低下を抑制する表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の表示装置は、
表示部と、第1端子と、前記表示部と前記第1端子との間に位置する第2端子と、絶縁膜と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子の各々は、金属電極、及び、第1透明電極の積層体であり、前記第1端子において、前記第1透明電極は、前記金属電極の上面及び側面に接しており、前記第2端子において、前記絶縁膜は、前記金属電極の側面に接しており、前記絶縁膜で囲まれた内側において、前記第1透明電極は、前記金属電極の上面に接している。
【0007】
本実施形態の表示装置は、
表示部と、第1端子と、前記表示部と前記第1端子との間に位置する第2端子と、前記表示部と前記第2端子との間に位置する中継部と、を備え、前記表示部は、走査線と、信号線と、前記信号線の直上に位置する金属配線と、前記金属配線と電気的に接続された共通電極と、前記共通電極の直上に位置する画素電極と、を備え、前記中継部は、前記信号線と同一材料によって形成された第1中継電極と、前記第2端子と電気的に接続され、前記金属配線と同一材料によって形成され、前記金属配線から離間し、前記第1中継電極に接する第2中継電極と、前記共通電極と同一材料によって形成され、前記金属配線に接する第3中継電極と、前記画素電極と同一材料によって形成され、前記第1中継電極及び前記第3中継電極に接する第4中継電極と、を備えている。
また、本実施形態の表示装置は、
走査線と、前記走査線と交差する方向に延在する信号線と、前記信号線の直上に位置する金属配線と、前記金属配線と電気的に接続された共通電極と、前記共通電極と重畳する画素電極と、を有する表示部と、外部回路と接続する第1端子及び第2端子を有する実装部と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子の各々は、第1金属電極、前記第1金属電極を覆う第2金属電極、前記第2金属電極を覆う第3金属電極の積層体であり、前記第1金属電極は、前記走査線と同一材料によって形成され、前記第2金属電極は、前記信号線と同一材料によって形成され、前記第3金属電極は、前記金属配線と同一材料によって形成され、前記第1端子及び前記第2端子のいずれかにおいて、前記第3金属電極の端部は、前記信号線と前記共通電極との間に形成された絶縁膜によって覆われている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
図2図2は、図1に示した表示部DAの基本構成及び等価回路を示す図である。
図3図3は、第1基板SUB1における画素レイアウトの一構成例を示す平面図である。
図4図4は、図3に示したA-B線に沿った表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。
図5図5は、図1に示した第1基板SUB1の実装部MTの一構成例を示す拡大平面図である。
図6図6は、図5に示したC-D線に沿った入力端子IT1の一構成例を示す断面図である。
図7図7は、図5に示したE-F線に沿った出力端子OT2の一構成例を示す断面図である。
図8図8は、図5に示した層変換部30の一構成例を示す平面図である。
図9図9は、図8に示したG-H線に沿った層変換部30の一構成例を示す断面図である。
図10図10は、図5に示した中継部40の一構成例を示す平面図である。
図11図11は、図10に示したI-J線に沿った中継部40の一構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、液晶表示装置について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子やμLED等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置などにも適用可能である。また、本実施形態に開示する主要な構成は、表示装置に限らず、センサ装置などの電子機器にも適用可能である。
【0011】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。
【0012】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、ICチップ1及び2と、一点鎖線で示すフレキシブルプリント回路基板3と、タッチセンサTSと、を備えている。ここでは便宜上、表示パネルPNLの長辺LSが延出する方向を第1方向Xとし、表示パネルPNLの短辺SSが延出する方向を第2方向Yとする。なお、長辺LSが延出する方向を第2方向Yとし、短辺SSが延出する方向を第1方向Xとしてもよい。
【0013】
表示パネルPNLは、液晶パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、後述する液晶層LCと、を備えている。表示パネルPNLは、点線で示すように、画像を表示する表示部DAを備えている。表示部DAの詳細については、後述する。第1基板SUB1は、第1方向Xに延出する基板端部E1を有している。第2基板SUB2は、表示部DAと基板端部E1との間に位置する基板端部E2を有している。第1基板SUB1は、平面視で、基板端部E1と基板端部E2との間に実装部MTを有している。
ICチップ1及び2、及び、フレキシブルプリント回路基板3は、実装部MTに実装されている。
【0014】
タッチセンサTSは、例えば自己容量方式のセンサであるが、相互容量方式のセンサであってもよい。タッチセンサTSは、複数のセンサ電極Rx(Rx1、Rx2、Rx3…)と、複数のセンサ配線L(L1、L2、L3…)と、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示部DAに位置し、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。複数のセンサ配線Lは、表示部DAにおいて、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに並んでいる。センサ配線Lの各々は、例えば後述する信号線Sと重畳する位置に配置されている。また、センサ配線Lの各々は、ICチップ1及び2のいずれかに電気的に接続されている。
【0015】
図2は、図1に示した表示部DAの基本構成及び等価回路を示す図である。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。複数本の走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。複数本の信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。共通電極CEは、図1に示したセンサ電極Rxを構成している。1つの共通電極CEあるいは1つのセンサ電極Rxは、複数の画素PXに亘って配置されている。共通電極CEは、電圧供給部CDに接続されている。
【0016】
画像を表示する画像表示モードにおいては、電圧供給部CDは、共通電極CEにコモン電圧(Vcom)を供給する。表示部DAへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードにおいては、電圧供給部CDは、コモン電圧とは異なるタッチ駆動電圧を共通電極CEに供給する。
【0017】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0018】
図3は、第1基板SUB1における画素レイアウトの一構成例を示す平面図である。ここでは、説明に必要な構成のみを図示している。走査線G1乃至G3は、それぞれ第1方向Xに沿って直線的に延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S1乃至S3は、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。金属配線ML1乃至ML3は、平面視で、信号線S1乃至S3にそれぞれ重畳している。金属配線ML1乃至ML3の延出方向は、信号線S1乃至S3の延出方向とほぼ平行である。図2に示したスイッチング素子の半導体層SCは、点線で示している。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。共通電極CEは、例えば、コンタクトホールCH1において金属配線ML3と電気的に接続されている。
【0019】
複数の画素電極PE1は、走査線G1及びG2の間に位置し、第1方向Xに並んでいる。画素電極PE1は、基部BS1と、帯電極Pa1と、を有している。基部BS1は、共通電極CEの開口部OPに位置している。帯電極Pa1は、共通電極CEに重畳している。帯電極Pa1は、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向D1に延出している。このような画素電極PE1は、基部BS1において半導体層SCと電気的に接続されている。
【0020】
詳述しないが、画素電極PE2は、走査線G2及びG3の間に位置している。画素電極PE2は、共通電極CEに重畳する帯電極Pa2を有している。帯電極Pa2は、方向D1とは異なる方向D2に延出している。図3に示した例では、帯電極Pa1及びPa2は、2本であるが、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0021】
図4は、図3に示したA-B線に沿った表示装置DSPの一構成例を示す断面図である。図4に示した表示装置DSPは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に沿った電界を利用する表示モードが適用された例に相当する。
【0022】
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至16、信号線S2及びS3、金属配線ML2及びML3、共通電極CE、画素電極PE1、配向膜AL1などを備えている。図3に示した半導体層SCは、絶縁膜11と絶縁膜12との間に配置されている。図2等に示した走査線Gは、絶縁膜12及び13の間に配置されている。
【0023】
信号線S2及びS3は、絶縁膜13の上に配置され、絶縁膜14によって覆われている。信号線S2及びS3は、例えば、複数の金属層を積層した積層体として構成されている。
【0024】
金属配線ML2及びML3は、絶縁膜14の上に配置され、絶縁膜15によって覆われている。金属配線ML2は信号線S2の直上に位置し、金属配線ML3は信号線S3の直上に位置している。金属配線ML2及びML3は、例えば、複数の金属層を積層した積層体として構成されている。これらの金属配線ML2及びML3は、図1を参照して説明したタッチセンサTSのセンサ配線Lを形成することができる。
【0025】
共通電極CEは、絶縁膜15の上に配置され、絶縁膜16によって覆われている。また、共通電極CEは、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH1において金属配線ML3に接している。画素電極PE1は、共通電極CEの直上に位置し、絶縁膜16の上に配置され、配向膜AL1によって覆われている。共通電極CE及び画素電極PE1は、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0026】
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜16は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14は、例えば、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜(第1有機絶縁膜)である。絶縁膜15は、例えば、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜(第2有機絶縁膜)であるが、透明な無機絶縁膜であってもよい。
【0027】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの透明基板である。カラーフィルタ層CFは、赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、及び、青色のカラーフィルタCFBを含んでいる。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFを覆っている。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及びAL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。
【0028】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。
【0029】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。なお、光学素子OD1及びOD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。照明装置ILは、第3方向Zにおいて光学素子OD1を介して第1基板SUB1に対向している。
【0030】
図5は、図1に示した第1基板SUB1の実装部MTの一構成例を示す拡大平面図である。なお、外部回路としてのICチップ1は、一点鎖線で示している。ICチップ1が重畳する重畳領域A1において、第1基板SUB1は、入力端子ITと、出力端子OTと、を備えている。入力端子ITは、第2方向Yにおいて、出力端子OTと基板端部E1との間に位置している。出力端子OTは、第2方向Yにおいて、表示部DA(または第2基板SUB2)と入力端子ITとの間に位置している。入力端子IT及び出力端子OTは、例えば、第2方向Yに延びた長方形状に形成されている。入力端子ITは、ICチップ1の入力側端子と接続される。出力端子OTは、ICチップ1の出力側端子と接続される。
【0031】
また、第1基板SUB1は、層変換部30と、中継部40と、を備えている。層変換部30及び中継部40は、第2方向Yにおいて、表示部DA(または第2基板SUB2)と出力端子OTとの間に位置している。また、中継部40は、第2方向Yにおいて、表示部DA(または第2基板SUB2)と層変換部30との間に位置している。層変換部30及び中継部40の詳細については後述する。なお、中継部40は、省略される場合がある。
【0032】
出力端子OTの各々と電気的に接続された出力配線OLは、例えば、図3に示した走査線G1などと同一層の配線である。出力配線OLの各々は、表示部DAに向かって延び、中継部30において、金属配線MLと電気的に接続されている。なお、出力端子OTの各々から入力端子ITの側に向かって延びる配線は、図示しない回路や他の配線等に接続されている。入力端子ITの各々は、金属配線MLとは電気的に接続されていない。
【0033】
このような実装部MTにおいて、出力端子OTを含む領域A2においては、図4に示した絶縁膜14は配置されず、絶縁膜15は各出力端子OTの中央部を除いて配置されている。つまり、絶縁膜15は、各出力端子OTの周縁部、及び、隣接する出力端子OTの間に配置され、出力端子OTの間の出力配線OLに重畳している。また、重畳領域A1においては、領域A2を除いて、図4に示した絶縁膜14及び15のいずれも配置されていない。
【0034】
複数の入力端子ITを代表して、入力端子IT1の断面構造について図6を参照しながら説明する。また、複数の出力端子OTを代表して、出力端子OT2の断面構造について図7を参照しながら説明する。
【0035】
図6は、図5に示したC-D線に沿った入力端子IT1の一構成例を示す断面図である。入力端子IT1は、複数の電極の積層体であり、例えば、第3方向Zにおいて、金属電極T11、金属電極T12、金属電極T13、透明電極T14、及び、透明電極T15が順に積層された積層体として構成されている。
【0036】
金属電極T11は、絶縁膜12と絶縁膜13との間に配置されている。金属電極T11は、図3の走査線G1と同一層に位置し、走査線G1と同一材料によって形成されている。例えば、金属電極T11は、モリブデン-タングステン合金によって形成されている。絶縁膜13は、金属電極T11まで貫通したコンタクトホールCH11を有している。
【0037】
金属電極T12は、絶縁膜13の上に配置され、コンタクトホールCH11において、露出した金属電極T11の上面T11Aに接している。金属電極T12は、図3の信号線S1と同一層に位置し、信号線S1と同一材料によって形成されている。金属電極T12は、例えば、金属層L121乃至L123の積層体として構成されている。
【0038】
金属層L121及びL123は、同一材料によって形成され、金属層L122は、金属層L121とは異なる材料によって形成されている。一例では、金属層L121及びL123はチタン系材料によって形成されたチタン層であり、金属層L122はアルミニウム系材料によって形成されたアルミニウム層である。
【0039】
金属電極T13は、金属電極T12を覆っている。つまり、金属電極T13は、金属電極T12の上面T12A及び側面T12Sに接している。金属電極T13は、図3の金属配線ML1と同一層に位置し、金属配線ML1と同一材料によって形成されている。金属電極T13は、例えば、金属層L131乃至L133の積層体として構成されている。金属層L131は、側面T12Sにおいて金属層L121乃至L123に接している。
【0040】
金属層L131及びL133は、同一材料によって形成され、金属層L132は、金属層L131とは異なる材料によって形成されている。一例では、金属層L131及びL133はモリブデン系材料によって形成されたモリブデン層であり、金属層L132はアルミニウム系材料によって形成されたアルミニウム層である。なお、金属層L131及びL133はチタン層であってもよいし、金属層L121及びL123はモリブデン層であってもよい。
【0041】
透明電極T14は、金属電極T13を覆っている。つまり、透明電極T14は、金属電極T13の上面T13A及び側面T13Sに接している。透明電極T14は、図3の共通電極CEと同一層に位置し、共通電極CEと同一材料によって形成されている。透明電極T14は、側面T13Sにおいて金属層L131乃至L133に接している。
【0042】
絶縁膜16は、絶縁膜13を直接覆っている。つまり、絶縁膜16は、絶縁膜13の上面13Aに接している。図4の絶縁膜14及び15は、絶縁膜13と絶縁膜16との間に配置されていない。絶縁膜16は、透明電極T14まで貫通したコンタクトホールCH12を有している。
【0043】
透明電極T15は、絶縁膜16の上に配置され、コンタクトホールCH12において、露出した透明電極T14の上面T14Aに接している。透明電極T15は、図3の画素電極PE1と同一層に位置し、画素電極PE1と同一材料によって形成されている。このような透明電極T15は、導電材料を介して、図1に示したICチップ1の入力側端子と電気的に接続される。
【0044】
図7は、図5に示したE-F線に沿った出力端子OT2の一構成例を示す断面図である。出力端子OT2は、複数の電極の積層体であり、例えば、第3方向Zにおいて、金属電極T21、金属電極T22、金属電極T23、透明電極T24、及び、透明電極T25が順に積層された積層体として構成されている。
【0045】
金属電極T21は、絶縁膜12と絶縁膜13との間に配置されている。金属電極T21は、図3の走査線G1及び図6の金属電極T11と同一材料によって形成されている。絶縁膜13は、金属電極T21まで貫通したコンタクトホールCH21を有している。
【0046】
金属電極T22は、絶縁膜13の上に配置され、コンタクトホールCH21において、露出した金属電極T21の上面T21Aに接している。金属電極T22は、図3の信号線S1及び図6の金属電極T12と同一材料によって形成されている。金属電極T22は、例えば、金属層L221乃至L223の積層体として構成されている。
金属層L221及びL223は、同一材料によって形成され、例えばチタン層である。金属層L222は、金属層L221とは異なる材料によって形成され、例えばアルミニウム層である。
【0047】
金属電極T23は、金属電極T22を覆っている。つまり、金属電極T23は、金属電極T22の上面T22A及び側面T22Sに接している。金属電極T23は、図3の金属配線ML1及び図6の金属電極T13と同一材料によって形成されている。金属電極T23は、例えば、金属層L231乃至L233の積層体として構成されている。金属層L231は、側面T22Sにおいて金属層L221乃至L223に接している。
金属層L231及びL233は、同一材料によって形成され、例えばモリブデン層である。金属層L232は、金属層L231とは異なる材料によって形成され、例えばアルミニウム層である。なお、金属層L231及びL233はチタン層であってもよいし、金属層L221及びL223はモリブデン層であってもよい。
【0048】
絶縁膜15は、絶縁膜13を直接覆っている。つまり、絶縁膜15は、絶縁膜13の上面13Aに接している。図4の絶縁膜14は、出力端子OT2の周囲に配置されていない。また、絶縁膜15は、金属電極T23の上面T23Aのうちの周縁部T23B、及び、側面T23Sに接している。換言すると、絶縁膜15は、金属電極T23の上面T23Aまで貫通した開口AP1を有している。つまり、絶縁膜15は、金属電極T23の中央部を除いて配置されている。絶縁膜15は、側面T23Sにおいて金属層L231乃至L233に接している。また、絶縁膜15は、出力端子OT2とは異なる出力端子に接続された出力配線OLに重畳している。
【0049】
透明電極T24は、絶縁膜15の上に配置され、絶縁膜15で囲まれた内側(つまり開口AP1)において、露出した金属電極T23の上面T23Aに接している。透明電極T24は、図3の共通電極CE及び図6の透明電極T14と同一材料によって形成されている。絶縁膜16は、絶縁膜15を直接覆っている。絶縁膜16は、透明電極T24まで貫通したコンタクトホールCH22を有している。
【0050】
透明電極T25は、絶縁膜16の上に配置され、コンタクトホールCH22において、露出した透明電極T24の上面T24Aに接している。透明電極T25は、図3の画素電極PE1及び図6の透明電極T15と同一材料によって形成されている。このような透明電極T15は、導電材料を介して、図1に示したICチップ1の出力側端子と電気的に接続される。
【0051】
本明細書において、例えば、入力端子ITは第1端子に相当し、出力端子OTは第2端子に相当し、金属電極T11及びT21は第1金属電極に相当し、金属電極T12及びT22は第2金属電極に相当し、金属電極T13及びT23は第3金属電極に相当し、透明電極T14及びT24は第1透明電極に相当し、透明電極T15及びT25は第2透明電極に相当する。また、金属層L231は第1層に相当し、金属層L232は第2層に相当し、金属層L233は第3層に相当する。
【0052】
次に、層変換部30について説明する。
【0053】
図8は、図5に示した層変換部30の一構成例を示す平面図である。層変換部30は、走査線と同一層に位置する出力配線OLと、走査線とは異なる層に位置する金属配線MLとを電気的に接続する部分に相当する。出力配線OLは、図7に示した出力端子OT2の金属電極T21と一体的に形成されている。
【0054】
層変換部30は、出力配線OLと金属配線MLとの間に介在する接続電極CNを備えている。一点鎖線で示す接続電極CNは、後述するが、信号線と同一層に位置している。接続電極CNは、出力配線OLのうち、点線で示す端部OLEに重畳している。端部OLEは、出力配線OLのうち、平面視において、金属配線MLに重畳する部分に相当する。接続電極CNは、絶縁膜13のコンタクトホールCH13において、出力配線OLと電気的に接続されている。絶縁膜14は、接続電極CNを囲むように形成され、接続電極CNに重畳していない。絶縁膜14の開口AP2は、接続電極CNに重畳する領域に形成されている。
【0055】
金属配線MLの端部MLEは、開口AP2に位置し、接続電極CNに重畳している。開口AP2においては、接続電極CNと端部MLEとの間に介在する絶縁膜が存在しないため、端部MLEが接続電極CNに接し、金属配線MLと接続電極CNとが互いに電気的に接続される。つまり、接続電極CNを介して、金属配線MLと出力配線OLとが互いに電気的に接続される。
【0056】
図9は、図8に示したG-H線に沿った層変換部30の一構成例を示す断面図である。層変換部30は、第3方向Zにおいて、出力配線OLの端部OLE、接続電極CN、及び、金属配線MLの端部MLEが順に積層された積層体を有している。
【0057】
すなわち、端部OLEを含む出力配線OLは、絶縁膜12と絶縁膜13との間に配置されている。出力配線OLは、金属電極T11及びT21と同一材料によって形成されている。絶縁膜13は、端部OLEまで貫通したコンタクトホールCH13を有している。
【0058】
接続電極CNは、絶縁膜13の上に配置され、コンタクトホールCH13において、露出した端部OLEの上面OLAに接している。接続電極CNは、金属電極T12及びT22と同一材料によって形成されている。接続電極CNは、図7に示した金属電極T22と同様に、チタン層の間にアルミニウム層を備えた積層体として構成されているが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0059】
絶縁膜14は、接続電極CN及び絶縁膜13まで貫通した開口AP2を有している。金属配線MLは、接続電極CNを囲む絶縁膜14の上に配置され、開口AP2に延出している。金属配線MLの端部MLEは、開口AP2において接続電極CNを覆っている。つまり、端部MLEは、接続電極CNの上面CNA及び側面CNSに接している。また、金属配線MLは、絶縁膜14と接続電極CNとの間において、絶縁膜13に接している。金属配線MLは、金属電極T13及びT23と同一材料によって形成されている。金属配線MLは、図7に示した金属電極T23と同様に、モリブデン層の間にアルミニウム層を備えた積層体として構成されているが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0060】
絶縁膜15は、端部MLEを含む金属配線ML、及び、絶縁膜14を直接覆っている。また、絶縁膜15は、端部MLEと絶縁膜14との間において、絶縁膜13に接している。絶縁膜16は、絶縁膜15を直接覆っている。
【0061】
ところで、表示装置DSPの製造過程で発生した電子の移動に伴い、表示部DAの絶縁膜に形成されたコンタクトホールにおいて、絶縁膜の過剰現像、あるいは、コンタクトホールから露出した金属電極の過剰溶解が生じる場合がある。このような現象は、絶縁膜の縁部が金属電極から浮き上がる不具合の原因となる。
【0062】
上記の本実施形態によれば、表示部DAの配線(例えば金属配線ML)と電気的に接続された出力端子OTは、金属電極T22の側面T22Sが金属電極T23によって覆われ、しかも、金属電極T23の側面T23Sが絶縁膜15によって覆われている。このため、金属電極T22及びT23の各々が異種金属の積層体として構成されている場合に、側面T22S及びT23Sにおいて、絶縁膜15を形成する際に適用されるアルカリ性水溶液が異種金属に接することがなく、電子の発生が抑制される。これにより、表示部DAのコンタクトホールにおいては、電子の発生に伴う絶縁膜の過剰現像や金属電極の過剰溶解が抑制される。
【0063】
例えば、図4に示した絶縁膜15にコンタクトホールCH1が形成される際、金属配線ML3と電気的に接続された出力端子での電子の発生が抑制され、また、金属配線ML3への電子の移動も抑制される。このため、コンタクトホールCH1での絶縁膜15の過剰現像や金属配線ML3の過剰溶解が抑制され、コンタクトホールCH1に沿った絶縁膜15の縁部の浮き上がりが抑制される。これにより、コンタクトホールCH1における共通電極CEと金属配線MLとの接続不良が抑制される。
【0064】
また、出力端子OTと金属配線MLとの間の層変換部30では、絶縁膜14は、接続電極CNから離間している。このため、たとえ接続電極CNに電子が発生したとしても、接続電極CNと絶縁膜14との接触面が存在せず、絶縁膜14の過剰現像が抑制される。また、開口AP2に沿った絶縁膜14の縁部の浮き上がりが抑制される。これにより、層変換部30における金属配線MLと接続電極CNとの接続不良が抑制される。
【0065】
したがって、信頼性の低下が抑制される。
【0066】
次に、中継部40について説明する。
【0067】
図10は、図5に示した中継部40の一構成例を示す平面図である。中継部40は、信号線と同一層に位置する第1中継電極41と、金属配線MLと同一層に位置する第2中継電極42と、共通電極CEと同一層に位置する第3中継電極43と、画素電極PE1と同一層に位置する第4中継電極44と、を備えている。
【0068】
第2中継電極42は、金属配線MLから離間している。第2中継電極42の端部42Eは、第1中継電極41に重畳している。第2中継電極42は、絶縁膜14のコンタクトホールCH41において、第1中継電極41と電気的に接続されている。ここに示す第2中継電極42は、図9に示した金属配線MLと置換され、接続電極CNに接し、出力配線OLと電気的に接続されている。
【0069】
一点鎖線で示す第3中継電極43は、金属配線MLの端部MLEに重畳している。第3中継電極43は、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH42において、金属配線MLと電気的に接続されている。
【0070】
第4中継電極44は、第1中継電極41及び第3中継電極43に重畳している。第4中継電極44は、絶縁膜14乃至16を貫通するコンタクトホールCH43において、第1中継電極41と電気的に接続されている。また、第4中継電極44は、絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCH44において、第3中継電極43と電気的に接続されている。つまり、図9に示した出力配線OLと電気的に接続された第2中継電極42は、第1中継電極41、第4中継電極44、及び、第3中継電極43を介して、金属配線MLと電気的に接続される。
【0071】
図11は、図10に示したI-J線に沿った中継部40の一構成例を示す断面図である。
第1中継電極41は、絶縁膜13と絶縁膜14との間に配置されている。第1中継電極41は、信号線Sや、金属電極T12及びT22と同一材料によって形成されている。絶縁膜14は、第1中継電極41まで貫通したコンタクトホールCH41を有している。
【0072】
端部42Eを含む第2中継電極42は、金属配線MLと同様に、絶縁膜14と絶縁膜15との間に配置されている。端部42Eは、コンタクトホールCH41において、露出した第1中継電極41の上面41Aに接している。第2中継電極42は、金属配線MLや、金属電極T13及びT23と同一材料によって形成されている。絶縁膜15は、第2中継電極42を直接覆っている。また、絶縁膜15は、金属配線MLの端部MLEまで貫通したコンタクトホールCH42を有している。
【0073】
第3中継電極43は、絶縁膜15と絶縁膜16との間に配置されている。第3中継電極43は、コンタクトホールCH42において、露出した端部MLEの上面MLAに接している。第3中継電極43は、共通電極CEや、透明電極T14及びT24と同一材料によって形成されている。
【0074】
絶縁膜14乃至16は、第1中継電極41まで貫通したコンタクトホールCH43を有している。また、絶縁膜16は、第3中継電極43まで貫通したコンタクトホールCH44を有している。
【0075】
第4中継電極44は、絶縁膜16の上に配置されている。第4中継電極44は、コンタクトホールCH43において、露出した第1中継電極41の上面41Aに接している。また、第4中継電極44は、コンタクトホールCH44において、露出した第3中継電極43の上面43Aに接している。第4中継電極44は、画素電極PE1や、透明電極T15及びT25と同一材料によって形成されている。
【0076】
このような本実施形態によれば、絶縁膜14及び15が形成される製造段階では、中継部40の第4中継電極44が存在せず、出力端子OTと金属配線MLとが電気的に接続されていない。このため、絶縁膜14及び15が形成される製造段階で、たとえ出力端子OTで電子が発生したとしても、中継部40において、金属配線MLへの電子の移動が抑制される。表示部DAのコンタクトホールにおいては、電子の発生に伴う絶縁膜の過剰現像や金属電極の過剰溶解が抑制される。したがって、上記したのと同様に、信頼性の低下が抑制される。
【0077】
ここで説明した中継部40は、図8及び図9を参照して説明した層変換部30と組み合わせることができる。
【0078】
なお、中継部40が適用される場合、出力端子OTは、図6を参照して説明した入力端子IT1と同様の構造を適用することができる。つまり、出力端子OTを構成する金属電極T23の側面T23Sは、絶縁膜15によって覆われていなくてもよい。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制する表示装置を提供することができる。
【0080】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0081】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型に限らず、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
【0082】
また、本実施形態では、基板主面に沿った横電界を利用する表示モードに対応した表示パネルPNLについて説明したが、これに限らず、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの表示パネルであってもよい。ここでの基板主面とは、X-Y平面と平行な面である。
【符号の説明】
【0083】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル DA…表示部 MT…実装部
G…走査線 S…信号線 PE…画素電極 CE…共通電極 ML…金属配線
IT…入力端子 OT…出力端子
T11、T22…第1金属電極 T12、T22…第2金属電極 T13、T23…第3金属電極 T14、T24…第1透明電極 T15、T25…第2透明電極
30…層変換部 CN…接続電極
40…中継部 41…第1中継電極 42…第2中継電極 43…第3中継電極 44…第4中継電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11