(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184309
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】エレベーターの情報表示方法及びエレベーターの情報表示システム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20221206BHJP
B66B 1/14 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B66B3/00 K
B66B1/14 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092079
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井元 涼大郎
(72)【発明者】
【氏名】簗瀬 誠司
(72)【発明者】
【氏名】金 政和
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】西迫 竜一
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303DA08
3F303DB04
3F303DB11
3F303DB18
3F303DC03
3F303DC04
3F303DC24
3F303DC25
3F502HB10
3F502JA04
3F502JA09
3F502KA44
3F502KA50
3F502MA07
3F502MA12
3F502MA16
3F502MA43
3F502MA48
(57)【要約】
【課題】非接触で利用可能とする機能を備えたエレベーターにおいて、非接触での利用を促進して感染症の発生リスクを低減する。
【解決手段】本発明のエレベーターの情報表示方法は、ボタンへの押下による目的階入力機能と非接触での目的階入力機能とを備えるエレベーターの情報表示方法において、カウント制御部は、ボタンへの押下により目的階が入力された場合に、ボタンを含む操作ボタン群への接触回数をカウントし、記憶部は、カウントされた接触回数を格納し、表示部は、記憶部に格納された接触回数を表示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタンへの押下による目的階入力機能と非接触での目的階入力機能とを備えるエレベーターの情報表示方法において、
カウント制御部は、前記ボタンへの押下により目的階が入力された場合に、前記ボタンを含む操作ボタン群への接触回数をカウントし、
記憶部は、カウントされた前記接触回数を格納し、
表示部は、前記記憶部に格納された前記接触回数を表示する
ことを特徴とするエレベーターの情報表示方法。
【請求項2】
リセット受付部が前記接触回数のリセット要求を受け付けた場合、前記カウント制御部は、前記記憶部に格納された前記接触回数をリセットする
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの情報表示方法。
【請求項3】
前記非接触での目的階入力機能では、
利用者が保持する携帯端末から、前記エレベーターの乗車階及び目的階の情報を含む呼び情報を、制御サーバーに送信し、
前記制御サーバーが、受信した前記呼び情報に含まれる乗車階及び目的階の情報を、前記エレベーターの呼び出しを制御する呼び制御部に送信し、
前記呼び制御部が、受信した情報に基づいて、前記エレベーターを前記乗車階へ移動させ、前記目的階をセットする
ことを特徴とする請求項2に記載のエレベーターの情報表示方法。
【請求項4】
前記非接触での目的階入力機能では、
前記エレベーターの乗りかご内に設置された操作盤の目的階ボタンに対応して設けられた光学センサーが、人の手動きを検出し、
前記光学センサーが、人の手動きを検出した際に、当該光学センサーに対応する目的階ボタンの目的階をセットする
ことを特徴とする請求項2に記載のエレベーターの情報表示方法。
【請求項5】
ボタンへの押下による目的階入力機能と非接触での目的階入力機能とを備えるエレベーターの情報表示システムにおいて、
前記ボタンへの押下により目的階が入力された場合に、前記ボタンを含む操作ボタン群への接触回数をカウントするカウント制御部と、
前記カウント制御部でカウントされた前記接触回数を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記接触回数を表示する表示部と、を備える
ことを特徴とするエレベーターの情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターの情報表示方法及びエレベーターの情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、エレベーターシステムでは、エレベーターの利用者がエレベーターホール及びエレベーター内に設けられた押しボタンを押下することによりエレベーターの呼びが作成される。しかしながら、このようなシステムでは、エレベーターの押しボタン等の公共部に対して利用者の接触操作が行われるので、感染症の発生リスクが存在する。そこで、従来、エレベーターの感染症の発生リスクを低減するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、前面に複数のボタンが設けられた操作盤を有する操作ユニットと、操作ユニットに接続された制御部と、制御部の指令に基づいてボタンを清浄可能な清浄化手段と、を具備するエレベーターシステムが開示されている。清浄化手段は、操作盤の前面に沿って移動可能な保護フィルムと、制御部の指令に基づいて保護フィルムを移動させ、保護フィルムの清浄な部分を操作盤の前面に配置する。このような構成を設けることにより、エレベーターの押しボタンが良好な衛生状態に保たれ、感染症の発生リスクが低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来、エレベーター利用時に、感染症の発生リスクを低減する施策として、押しボタンの保護フィルムを移動させて保護フィルムの清潔な部分を露出させる技術が開示されている。また、従来、例えば、スマートフォン等の移動携帯端末による遠隔でのエレベーターの呼び出し技術や、目的階ボタンに対応して設けられた光学センサーに手をかざすことにより目的階を非接触(タッチレス)で設定する技術などが提案されている。そこで、近年、エレベーターの押しボタンへの接触(押下)による感染症の発生リスクを低減するため、これらの非接触でエレベーターを利用可能にする技術の利用の普及が期待されている。
【0006】
本発明は、上記状況を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、非接触で利用可能とする機能を備えたエレベーターにおいて、非接触での利用を促進して感染症の発生リスクを低減することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエレベーターの情報表示方法は、ボタンへの押下による目的階入力機能と非接触での目的階入力機能とを備えるエレベーターの情報表示方法である。カウント制御部は、ボタンへの押下により目的階が入力された場合に、ボタンを含む操作ボタン群への接触回数をカウントし、記憶部は、カウントされた接触回数を格納し、表示部は、記憶部に格納された接触回数を表示する。
【0008】
また、本発明のエレベーターの情報表示システムは、ボタンへの押下による目的階入力機能と非接触での目的階入力機能とを備える。ボタンへの押下により目的階が入力された場合に、ボタンを含む操作ボタン群への接触回数をカウントするカウント制御部と、カウント制御部でカウントされた接触回数を格納する記憶部と、記憶部に格納された接触回数を表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
上記構成の本発明によれば、非接触で利用可能とする機能を備えたエレベーターにおいて、非接触での利用を促進して感染症の発生リスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエレベーターシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るエレベーターシステムにおいて、利用者端末に表示されるエレベーターへの遠隔呼びの登録画面の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るエレベーターシステムにおいて、利用者端末に表示される遠隔呼びの受付完了画面の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るエレベーターシステムにおいて、エレベーターの表示部に表示される遠隔呼び利用の推奨情報及びボタン押下回数の報知画面の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る遠隔呼び利用の推奨情報及びボタン押下回数の情報表示方法の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る遠隔呼び利用の推奨情報及びボタン押下回数の情報表示方法で行われる押しボタンの押下回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るエレベーターの情報表示方法、及び、エレベーターの情報表示システムの構成について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0012】
[エレベーターシステムの構成]
本実施形態に係るエレベーターシステムは、利用者がスマートフォン等の移動携帯端末を使用(操作)してエレベーターの呼び出し(以下、「遠隔呼び」と称する)を実行することができるエレベーターシステムである。それゆえ、利用者が移動携帯端末を操作することにより、エレベーターシステムに対する遠隔呼びの情報が登録されると、エレベーターシステムは登録された遠隔呼びの情報に基づいて、利用者の乗車階にエレベーターを移動させる。
【0013】
図1は、本実施形態に係るエレベーターシステム1の構成を示すブロック図である。エレベーターシステム1は、
図1に示すように、利用者端末10と、清掃業者端末20と、制御サーバー30と、ビル内等に設置されたエレベーター53を含むエレベーター設備50とを備える。利用者端末10、清掃業者端末20及びエレベーター設備50はそれぞれ、公衆ネットワーク40を介して、制御サーバー30と通信可能である。
【0014】
なお、
図1に示す例では、エレベーターシステム1が、利用者端末10及び清掃業者端末20をそれぞれ1つのみ有する構成例を示すが、本発明はこれに限定されない。エレベーターシステム1が、利用者端末10及び清掃業者端末20を、それぞれ複数備えていてもよい。
【0015】
[利用者端末]
利用者端末10は、例えば、利用者が所有するスマートフォン、タブレット等の携帯可能であり、且つ、通信機能を備えた情報処理端末(携帯端末)で構成される。また、利用者端末10は、エレベーター53の遠隔呼び(非接触呼び)を登録することができるメッセージ交換型のSNSアプリ等(例えば、LINE(登録商標))を利用可能な装置である。すなわち、エレベーターシステム1には、利用者がエレベーター53に接触することなく、目的階をセットできる機能(非接触での目的階入力機能)が設けられている。利用者端末10は、
図1に示すように、通信部11と、操作表示部12と有する。
【0016】
通信部11は、公衆ネットワーク40を介して、制御サーバー30との間で情報データの送受信を行う。例えば、通信部11は、利用者端末10において登録された遠隔呼びの情報を制御サーバー30に送信する。また、通信部11は、遠隔呼びの情報を受け取った制御サーバー30から返信される遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数(接触回数)を含む情報(後述の第1情報)を受信する。なお、制御サーバー30から受信された情報は、操作表示部12に出力される。
【0017】
操作表示部12は、タッチパネル(操作部及び表示部が一体化された構造部材)で構成される。利用者は、操作表示部12に表示されるエレベーター53の遠隔呼びの登録画面に対して直接タッチ操作を行って遠隔呼びの情報を登録する。なお、操作表示部12は、タッチパネルではなく、例えば、利用者が操作可能な操作部と、各種情報を表示する表示部とを互いに別体として備える構成(例えば、ディスプレイと各種操作ボタンとの組合せ)であってもよい。
【0018】
図2は、利用者端末10の操作表示部12において表示されるエレベーター53への遠隔呼びの登録画面の一例を示す図である。
図2に示す遠隔呼びの登録画面では、上端部に遠隔呼び登録用アプリの名称(例えば「エレベーター呼び出しアプリ」)が表示される。遠隔呼び登録用のアプリの名称の下部には、遠隔呼びの情報を設定するエレベーター呼び出し設定画面A0が表示される。エレベーター呼び出し設定画面A0には、現在階情報入力部A1の画像、行先階情報入力部A2の画像、及び、「エレベーターを呼ぶ」という文言で表示された決定ボタンA3の画像が表示される。
【0019】
現在階情報入力部A1には、
図2に示すように、「現在階(必須)」という文言、及び、「現在階を選択ください」というメッセージが示された入力ブロック部の画像が表示される。「現在階を選択ください」というメッセージが示された入力ブロック部は、利用者が現在いる階(現在階:移動元となる乗車階)の情報を入力可能なユーザーインターフェース部である。入力ブロック部の「現在階を選択ください」の右横に表示された逆三角形印を利用者がタッチ操作することにより、現在階の選択リストが表示され、利用者は当該リストからタッチ操作により現在階を選択(セット)することができる。
【0020】
行先階情報入力部A2には、
図2に示すように、「行先階(必須)」という文言、及び、「行先階を選択ください」というメッセージが示された入力ブロック部の画像が表示される。「行先階を選択ください」というメッセージが示された入力ブロック部は、利用者の移動先となる目的階の情報を入力可能なユーザーインターフェース部である。当該入力ブロック部の「行先階を選択ください」の右横に表示された逆三角形印を利用者がタッチ操作することにより、行先階の選択リストが表示され、利用者は当該リストからタッチ操作により行先階を選択(セット)することができる。
【0021】
なお、
図2に示す例では、現在階情報入力部A1及び行先階情報入力部A2のそれぞれの入力ブロック部を選択リストで構成する例を示すが、本発明はこれに限定されない。現在階情報入力部A1及び行先階情報入力部A2のそれぞれの入力ブロック部は、例えば、数字や文字などのデータを利用者が直接入力できる任意のユーザーインターフェース部(例えば、テキストボックス等)で構成されてもよい。
【0022】
決定ボタンA3は、現在階情報入力部A1及び行先階情報入力部A2において、それぞれ現在階の情報及び行先階の情報が設定された後、登録情報を確定させるときに利用者がタッチ(押下)するユーザーインターフェース部である。すなわち、決定ボタンA3は、利用者が遠隔呼びの登録(設定)を終了するときにタッチ(押下)するユーザーインターフェース部である。それゆえ、利用者が、現在階の情報及び行先階の情報を登録した後、決定ボタンA3をタッチ(押下)すると、利用者端末10において設定(登録)された各種情報は、通信部11により、公衆ネットワーク40を介して制御サーバー30に送信される。なお、以下では、利用者端末10の操作表示部12において登録される現在階の情報及び行先階の情報を「遠隔呼びの情報」と称する。
【0023】
利用者端末10において登録された遠隔呼びの情報は、制御サーバー30を経由してエレベーター設備50に送信される。次いで、エレベーター設備50で遠隔呼びの情報が受け付けられ、遠隔呼びの情報に基づいてエレベーター53の運行が開始される。エレベーター53の運行が開始されると、制御サーバー30から遠隔呼び(非接触呼び)の利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報が利用者端末10に送信される。そして、利用者端末10は、遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報を受信すると、当該情報を操作表示部12に表示させる。
【0024】
図3は、利用者端末10の操作表示部12において表示されるエレベーター53の遠隔呼びの受付完了画面の一例を示す図である。
図3に示す遠隔呼びの受付完了画面では、上端部に遠隔呼び登録用アプリの名称(例えば「エレベーター呼び出しアプリ」)が表示される。遠隔呼び登録用のアプリの名称の下部には、制御サーバー30から受信した遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(
図3中のメッセージA4~A6)の画像が表示される。メッセージA4~A6の画像の下部には、「エレベーターを呼ぶ」という文言で表示された決定ボタンA7の画像が表示される。
【0025】
図3に示す例では、メッセージA4~A6のうち、メッセージA4に表示されている「はい!わかりました。」というメッセージは、登録された遠隔呼びの受付が完了したことを利用者に通知するメッセージである。メッセージA5に表示されている「ご利用ありがとうございます!タッチレスでの移動は感染症への感染リスク低減に有効です。引き続きご利用お願いします。」というメッセージは、遠隔呼びの利用を推奨するメッセージ(遠隔呼びの利用推奨メッセージ)である。また、メッセージA6に表示されている「[前回ボタン清掃時間] 2021/04/12 13:00 [清掃後のボタン押下回数] 45回」というメッセージは、エレベーター53の押しボタンの清掃情報及び利用状況(押下回数)を示すメッセージである。
【0026】
なお、
図3に示すメッセージA4~A6は、利用者端末10の操作表示部12に表示させる遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(後述の第1情報)の一例である。本発明はこれに限定されず、利用者端末10の操作表示部12に表示させる遠隔呼びの利用推奨メッセージに対応するメッセージA5は、遠隔呼びの利用を推奨するようなメッセージ及び情報であれば、任意のメッセージや情報を表示することができる。また、メッセージA4~A6で表示される文言の内容も適宜変更可能である。
【0027】
決定ボタンA7は、
図2に示す遠隔呼びの登録画面を呼び出すとき(表示画面を遠隔呼びの登録画面に戻すとき)に押下されるボタンである。すなわち、「エレベーターを呼ぶ」の決定ボタンA7が押下されると、
図3に示す遠隔呼びの受付完了画面が
図2に示す遠隔呼びの登録画面に切り替わる。
【0028】
[清掃業者端末]
清掃業者端末20は、例えば、清掃者や清掃者の業務を管理する管理者が所有するスマートフォン、タブレット等の携帯可能で且つ通信機能を備えた情報処理端末装置(移動携帯端末)で構成される。清掃業者端末20は、制御サーバー30との間で通知情報等の送受信を行い、受信した通知情報等を表示可能である。
【0029】
清掃業者端末20は、
図1に示すように、利用者端末10と同様の構成を有し、通信部21と、操作表示部22とを有する。
【0030】
通信部21は、公衆ネットワーク40を介して、制御サーバー30との間で情報データの送受信を行う。例えば、通信部21は、制御サーバー30から、エレベーター53の後述の押しボタン531の清掃依頼メールを受信する。
【0031】
操作表示部22は、タッチパネル(操作部及び表示部が一体化された構造部材)で構成される。操作表示部22には、制御サーバー30から受信した通知情報(清掃依頼メール)等が表示される。また、清掃者や管理者は、操作表示部22に表示された通知情報への返答情報(清掃依頼の了解メール等)を、操作表示部22に対するタッチ操作により制御サーバー30に送信することもできる。なお、操作表示部22は、タッチパネルではなく、例えば、清掃者や管理者が操作可能な操作部と、各種情報を表示する表示部とを互いに別体として備える構成(例えば、ディスプレイと各種操作ボタンとの組合せ)であってもよい。
【0032】
[制御サーバー]
次に、制御サーバー30の構成について説明する。制御サーバー30は、
図1に示すように、通信部31と、演算部32と、データ記憶部35とを有する。演算部32は、通信部31及びデータ記憶部35のそれぞれに接続される。通信部31は、外部の公衆ネットワーク40に接続される。
【0033】
通信部31は、公衆ネットワーク40を介して、利用者端末10、清掃業者端末20及びエレベーター設備50のそれぞれとの間で情報データの送受信を行う。具体的には、通信部31は、利用者端末10からの遠隔呼びの情報を受信する。また、通信部31は、エレベーター設備50からの後述の遠隔呼び受付通知、後述のエレベーター53の押しボタン531の押下回数、後述の清掃情報及び後述の押しボタン531の清掃要請を受信する。また、通信部31は、後述の遠隔呼びコマンドをエレベーター設備50に送信する。さらに、通信部31は、利用者端末10の操作表示部12に表示させる遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報を利用者端末10に送信する。なお、通信部31が受信した各種情報は、演算部32に出力される。
【0034】
演算部32は、エレベーター53の遠隔呼びに関する各種情報データの作成(演算)処理を行う。演算部32は、コマンド作成部33と、メッセージ作成部34とを有する。コマンド作成部33は、利用者端末10から通信部31を介して入力される遠隔呼びの情報に基づいて、エレベーター設備50のエレベーター53を移動させるための指令、すなわち、遠隔呼びコマンドを作成する。そして、作成された遠隔呼びコマンドは、通信部31及びデータ記憶部35に出力される。
【0035】
メッセージ作成部34は、エレベーター設備50から通信部31を介して入力される後述の遠隔呼び受付通知、並びに、後述の押しボタン531の押下回数及び清掃情報に基づいて、利用者端末10に送信する後述の第1情報を作成する。また、メッセージ作成部34は、エレベーター設備50から通信部31を介して入力される後述の押しボタン531の清掃要請に基づいて、清掃業者端末20に送信する後述の清掃依頼メール等を作成する。そして、作成された後述の第1情報(利用者端末10に送信する遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報)、清掃依頼メールは、通信部31及びデータ記憶部35に出力される。
【0036】
データ記憶部35は、利用者端末10から受信される遠隔呼びの情報、エレベーター設備50から受信された後述の遠隔呼び受付通知、並びに、後述の押しボタン531の押下回数及び清掃情報を格納する。また、データ記憶部35は、コマンド作成部33が作成した遠隔呼びコマンド、並びに、メッセージ作成部34が作成した遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報及び後述の清掃依頼メールを格納する。
【0037】
[エレベーター設備]
次に、エレベーター設備50の構成について説明する。エレベーター設備50は、
図1に示すように、通信部51と、呼び制御部52と、エレベーター53とを有する。呼び制御部52は、通信部51及びエレベーター53のそれぞれに接続される。通信部51は、外部の公衆ネットワーク40に接続される。なお、
図1には、エレベーター設備50にエレベーター53が1台のみ設置されている例を示すが、本発明はこれに限定されない。エレベーター設備50には、複数のエレベーター53が設置されていてもよい。
【0038】
(1)通信部
通信部51は、公衆ネットワーク40を介して、エレベーター設備50と制御サーバー30との間の情報データの送受信を行う。具体的には、通信部51は、制御サーバー30からの遠隔呼びコマンドを受信する。また、通信部51は、後述の遠隔呼び受付通知、後述の押しボタン531の押下回数、後述の清掃情報及び後述の押しボタン531の清掃要請を制御サーバー30に送信する。なお、通信部51により受信された遠隔呼びコマンドは、呼び制御部52に出力される。
【0039】
(2)呼び制御部
呼び制御部52は、エレベーター53の呼び出しに関する処理を制御する。呼び制御部52は、
図1に示すように、リセット受付部521と、制御部522と、カウント制御部523と、記憶部524とを有する。制御部522は、リセット受付部521、カウント制御部523及び記憶部524のそれぞれに接続される。カウント制御部523は、記憶部524に接続される。また、リセット受付部521は、エレベーター53の後述の制御部532に接続される。制御部522は、通信部51、及び、エレベーター53の後述の制御部532に接続される。
【0040】
リセット受付部521は、エレベーター53の後述の制御部532から、後述の押しボタン531の後述の清掃情報及び後述の押下回数のリセット要求を受け取り、受け取った後述の清掃情報及び後述の押下回数のリセット要求を制御部522に出力する。
【0041】
制御部522は、制御サーバー30から通信部51を介して入力される遠隔呼びコマンドを解析し、解析後の遠隔呼びコマンドをエレベーター53の後述の制御部532に出力する。また、制御部522は、エレベーター53の後述の制御部532から入力された後述の遠隔呼び受付通知及び後述の押下呼び受付通知に基づいて、エレベーター53に受け付けられた呼びが、遠隔呼びであるか後述の押下呼びであるかの判定処理を行う。
【0042】
制御部522は、エレベーター53に受け付けられた呼びが遠隔呼びであると判定した場合、記憶部524に保存される後述の押しボタン531の押下回数及び清掃情報を取得する。そして、制御部522は、取得した後述の押しボタン531の押下回数及び清掃情報、並びに、後述の遠隔呼び受付通知を通信部51に出力する。
【0043】
一方、制御部522は、エレベーター53に受け付けられた呼びが後述の押下呼びであると判定した場合、カウント制御部523を制御して、エレベーター53の後述の押しボタン531の押下回数及び清掃情報の更新処理(後述の押下回数更新処理)を行う。また、制御部522は、後述の押しボタン531の押下回数の更新処理の後、記憶部524に記憶された更新後の後述の押しボタン531の押下回数及び後述の清掃情報を取得する。そして、制御部522は、取得した後述の押しボタン531の押下回数及び後述の清掃情報に基づいて、エレベーター53の後述の表示部533に表示する遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(後述の第2情報)を作成する。なお、制御部522で作成された遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報は、エレベーター53の後述の制御部532に出力される。
【0044】
また、制御部522は、リセット受付部521から、エレベーター53の後述の押しボタン531の清掃情報及び押下回数のリセット要求が入力された場合、カウント制御部523を制御して、後述の押しボタン531の押下回数のクリア(リセット)処理を行う。
【0045】
カウント制御部523は、制御部522の制御に従い、エレベーター53の後述の押しボタン531の押下回数更新処理(後述の
図6参照)において、押しボタン531の押下回数(接触回数)のカウントアップ処理やクリア(リセット)処理などを行う。
【0046】
記憶部524は、カウント制御部523から入力される後述の押しボタン531の押下回数、及び、エレベーター53の後述の制御部532から入力される後述の清掃情報を保存する。
【0047】
(3)エレベーター
エレベーター53は、
図1に示すように、押しボタン531と、制御部532と、表示部533とを有する。制御部532は、押しボタン531及び表示部533のそれぞれに接続される。また、制御部532は、呼び制御部52のリセット受付部521及び制御部522のそれぞれに接続される。
【0048】
押しボタン531は、エレベーター53の乗りかごの内外に設置される利用者用の複数のボタンが含まれる。具体的には、当該複数のボタンには、例えば、乗りかご内の操作盤に設けられた行先階を示すボタン(目的階ボタン)及びドアの開閉ボタン、エレベーターホールに設けられたエレベーター53の上昇、下降の選択ボタン等が含まれる。利用者により押しボタン531に含まれる複数のボタン中の上昇又は下降の選択ボタン(呼びボタン)が利用者により押下されると、エレベーター53の呼び(以下、「押下呼び」と称する)が生成される。押下されたボタンの情報及び現在階(乗車階)の情報を含む押下呼びの情報が制御部532に出力される。また、利用者により乗りかご内の目的階ボタンが押下されると(ボタンへの押下による目的階入力機能が利用されると)、目的階がセットされる。
【0049】
制御部532は、エレベーター53の運行に関する制御を行う。制御部532は、制御部522から解析後の遠隔呼びコマンドを受け取った場合、当該解析後の遠隔呼びコマンドに対応してエレベーター53を運行させる(遠隔呼びを受け付ける)。一方、制御部532は、押しボタン531から押下呼びの情報を受け取った場合、押下呼びの情報に対応してエレベーター53を運行させる(押下呼びを受け付ける)。また、制御部532は、遠隔呼び又は押下呼びに対応してエレベーター53の運行を開始させた後、遠隔呼び又は押下呼びが受け付けられたことを示す、遠隔呼び受付通知又は押下呼び受付通知を呼び制御部52の制御部522に出力する。
【0050】
また、制御部532は、清掃者による押しボタン531の清掃後、清掃者の押しボタン531に対する所定の操作が行われたことを検知した場合、当該操作が行われた日時情報を含む清掃情報及びボタン押下回数のリセット要求を生成する。生成された清掃情報及び押下回数のリセット要求は、呼び制御部52のリセット受付部521に出力される。なお、押しボタン531の清掃後、押しボタン531に対して行われる清掃者の所定の操作は、清掃完了を通知するために予め設定された押しボタン531に対する操作である。押しボタン531に対して行われる清掃者の所定の操作は、例えば、全階床のボタン(全ての目的階ボタン)を押下する等の操作を採用することができる。
【0051】
さらに、制御部532は、呼び制御部52の制御部522から遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(後述の第2情報)が入力されると、当該情報を表示部533に表示させる制御を行う。
【0052】
表示部533は、例えば、液晶CPI(Colorless Polyimide)等で構成された表示装置であり、利用者に対して各種通知情報を表示する。例えば、表示部533は、押下呼びの情報に対応したエレベーター53の運行が開始されると、エレベーター53の呼び制御部52の制御部522から入力された遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回を含む情報(後述の第2情報)を表示する。
【0053】
なお、本発明に係るエレベーターの情報表示システムは、エレベーターの非接触での利用推奨メッセージやボタン押下回数(接触回数)を表示する機能に関する構成要素により構成される。それゆえ、エレベーターの情報表示システムは、少なくとも、例えば、上述した呼び制御部52内のカウント制御部523及び記憶部524、並びに、エレベーター53内に設けられた表示部533を含んで構成される。
【0054】
図4は、エレベーター53の表示部533で遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(後述の第2情報)が表示された場合における当該情報の表示画面の一例を示す図である。
図4(a)は、押下呼びの情報に対応したエレベーター53の運行中に表示部533に表示される、エレベーター53の押しボタン531の清掃情報及び利用状況(押下回数)の表示例を示す図である。
図4(b)は、押下呼びの情報に対応したエレベーター53の運行中に表示部533に表示される、遠隔呼びの利用推奨メッセージの表示例を示す図である。
【0055】
なお、表示部533では、押下呼びの情報に対応したエレベーター53の運行中、
図4(a)に示す表示画面及び
図4(b)に示す表示画面が所定の時間毎に繰り返し切り替えて表示される。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、
図4(a)に示す表示画面及び
図4(b)に示す表示画面を切り換え表示をせず、
図4(a)に示す表示画面及び
図4(b)に示す表示画面を一つの表示画面で表示してもよい。この場合には、
図4(a)に示す後述の通知情報B2aと
図4(b)に示す後述の通知情報B2bとを一つの通知情報にまとめて表示する。
【0056】
図4(a)及び4(b)に示す表示部533の表示画面の上部には、現在階(利用者の乗車階)又はエレベーター53の現在通過中の階床の情報、及び、次に停車する階床の情報を示す階床情報B1が表示される。階床情報B1の下部には、遠隔呼びの利用促進に関する各種通知情報B2(B2a及びB2b)が表示される。また、通知情報B2の下部には、現在の日時情報B3が表示される。
【0057】
図4(a)及び4(b)に示す階床情報B1の例では、エレベーター53の現在の移動方向が上昇方向であることを示す情報(図中の上向き矢印)と、現在通過中の階床が3階であることを示す数字「3」とが表示部533に表示される。また、
図4(a)及び(b)に示す階床情報B1の例では、次に停車する階床の情報として、「つぎは5階です」という文言が表示部533に表示される。
【0058】
図4(a)に示す通知情報B2a、及び、
図4(b)に示す通知情報B2bの例では、表示情報が通知情報であることを示すタイトル(図中の「INFORMATION」という文言)が表示される。
【0059】
図4(a)に示す通知情報B2aの例では、タイトルの下部に、押しボタン531の清掃情報として前回の清掃日時(清掃履歴に関する情報)が表示され、押しボタン531の利用状況として清掃後の押しボタン531の押下回数(接触回数)が表示される。
図4(a)に示す例では、前回の押しボタン531の清掃日時として、「2021/04/12 13:00」という情報が表示され、清掃後の押しボタン531の押下回数として、「清掃後ボタン押下回数」が「45回」であるという情報が表示される。
【0060】
図4(b)に示す通知情報B2bの例では、タイトルの下部に、遠隔呼びの利用推奨メッセージが表示される。
図4(b)に示す例では、「このエレベーターは、専用の遠隔呼び出しアプリで呼び出すことができますので、専用の遠隔呼び出しアプリのご利用を推奨します。」という、遠隔呼びの利用推奨メッセージが表示される。また、
図4(b)に示す例では、「かご内に表示されているQRコード(登録商標)から遠隔呼び出しアプリでのご利用を登録してください。」という、遠隔呼びの利用推奨メッセージが表示される。さらに、
図4(b)に示す例では、遠隔呼びの利用推奨メッセージの右側には、QRコードが表示される。
【0061】
なお、
図4(a)に示す通知情報B2a及び
図4(b)に示す通知情報B2bは、エレベーター53の表示部533に表示させる遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(後述の第2情報)の一例である。本発明はこれに限定されず、エレベーター53の表示部533に表示する遠隔呼びの利用推奨メッセージとしては、遠隔呼びの利用を推奨するようなメッセージ及び情報であれば、任意のメッセージや情報を表示することができる。
【0062】
また、
図4(a)及び4(b)に示す例では、日時情報B3として、現在の日付情報(図中の「4/13(金)」)、及び、現在の時間情報(図中の「11:28」)が表示される。
【0063】
[情報表示方法の処理手順]
次に、本実施形態のエレベーターシステム1における上述した遠隔呼び(非接触呼び)の利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報の表示処理の方法について説明する。
図5は、本実施形態のエレベーターシステム1における上述した遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(後述の第1情報又は第2情報)の表示処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する情報表示処理は、利用者が利用者端末10の操作表示部12に表示される遠隔呼びの登録画面(
図2参照)においてエレベーター53への遠隔呼びを登録すると、開始される。
【0064】
まず、利用者端末10の通信部11は、利用者により登録された遠隔呼びの情報を、公衆ネットワーク40を介して、制御サーバー30(通信部31)に送信する(ステップS1)。
【0065】
次いで、制御サーバー30の通信部31は、利用者端末10からの遠隔呼びの情報を受信する(ステップS2)。また、この処理では、通信部31は、利用者端末10から受信した遠隔呼びの情報を制御サーバー30の演算部32に出力する。
【0066】
次いで、制御サーバー30の演算部32のコマンド作成部33は、遠隔呼びの情報に基づいて、遠隔呼びコマンドを作成する(ステップS3)。また、この処理では、コマンド作成部33は、作成した遠隔呼びコマンドを通信部31に出力する。なお、遠隔呼びコマンドは、エレベーター53の移動(運行)を開始させるための指令である。
【0067】
次いで、制御サーバー30の通信部31は、コマンド作成部33から入力された遠隔呼びコマンドを、公衆ネットワーク40を介して、エレベーター設備50に送信する(ステップS4)。
【0068】
次いで、エレベーター設備50の通信部51は、制御サーバー30からの遠隔呼びコマンドを受信する(ステップS5)。また、この処理では、エレベーター設備50の通信部51は、受信した遠隔呼びコマンドを呼び制御部52の制御部522に出力する。さらに、この処理では、制御部522は、遠隔呼びコマンドを解析し、解析後の遠隔呼びコマンドをエレベーター53の制御部532に出力する。
【0069】
一方、エレベーターシステム1において、上述した利用者による遠隔呼びではなく、エレベーター53の押しボタン531に対する利用者の押下操作(押下呼び)が検出された場合、制御部532は、押しボタン531から押下呼びの情報を受け取る(ステップS6)。
【0070】
次いで、エレベーター設備50のエレベーター53の制御部532は、遠隔呼び又は押下呼びを受け付ける(ステップS7)。この処理では、制御部532は、制御サーバー30からの解析後の遠隔呼びコマンドが入力された場合、当該解析後の遠隔呼びコマンドに対応したエレベーター53の運行を開始させる(遠隔呼びを受け付ける)。一方、制御部532は、押しボタン531の押下呼びの情報を受け取った場合、押下呼びの情報に対応したエレベーター53の運行を開始させる(押下呼びを受け付ける)。また、この処理では、制御部532は、遠隔呼び又は押下呼びが受け付けられたことを示す、遠隔呼び受付通知又は押下呼び受付通知を呼び制御部52の制御部522に出力する。
【0071】
次いで、呼び制御部52の制御部522は、制御部532から入力された受付通知(遠隔呼び受付通知又は押下呼び受付通知)に基づいて、受け付けられた呼びが遠隔呼びであるか又は押下呼びであるかの判定処理を行う(ステップS8)。
【0072】
ステップS8の処理において、呼び制御部52の制御部522が、受け付けられた呼びが押下呼びであると判定した場合(No判定の場合)、制御部522は、後述のステップS16の処理を行う。
【0073】
一方、ステップS8の処理において、呼び制御部52の制御部522が、受け付けた呼びが遠隔呼びであると判定した場合(Yes判定の場合)、制御部522は、記憶部524に保存されている押しボタン531の押下回数及び清掃情報を取得する(ステップS9)。
【0074】
次いで、呼び制御部52の制御部522は、遠隔呼び受付通知、並びに、取得した押しボタン531の押下回数及び清掃情報を、通信部51から公衆ネットワーク40を介して、制御サーバー30に送信する(ステップS10)。
【0075】
次いで、制御サーバー30の通信部31は、エレベーター設備50(通信部51)から送信された遠隔呼び受付通知、並びに、押しボタン531の押下回数及び清掃情報を受信する(ステップS11)。また、この処理では、通信部31は、受信した遠隔呼び受付通知、並びに、押しボタン531の押下回数及び清掃情報をメッセージ作成部34に出力する。
【0076】
次いで、制御サーバー30のメッセージ作成部34は、通信部31から入力された遠隔呼び受付通知、並びに、押しボタン531の押下回数及び清掃情報に基づいて、第1情報を作成する(ステップS12)。なお、第1情報は、
図3で説明した、利用者端末10の表示画面に表示される遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報である。すなわち、この処理では、メッセージ作成部34は、遠隔呼びの受付が完了したことを通知するメッセージ、遠隔呼びの利用推奨メッセージ、並びに、押しボタン531の押下回数及び清掃情報を示すメッセージを含む第1情報を作成する。なお、作成された第1情報は通信部31に出力される。
【0077】
次いで、制御サーバー30の通信部31は、メッセージ作成部34から入力された第1情報を、公衆ネットワーク40に介して、利用者端末10に送信する(ステップS13)。
【0078】
次いで、利用者端末10の通信部11は、制御サーバー30から送信された第1情報を受信する(ステップS14)。また、この処理では、通信部11は、受信した第1情報を操作表示部12に出力する。
【0079】
次いで、利用者端末10の操作表示部12は、通信部11から入力された第1情報を表示する(ステップS15)。そして、ステップS15の処理後、エレベーターシステム1における遠隔呼び(非接触呼び)の利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報(第1情報)の表示処理は終了する。
【0080】
ここで、再度ステップS8の処理に戻って、ステップS8の処理がNo判定である場合(受け付けられた呼びが押下呼びであると判定された場合)、エレベーター設備50の呼び制御部52の制御部522は、押下回数更新処理を呼び出して行う(ステップS16)。なお、押下回数更新処理については、後述の
図6で詳述する。また、この処理では、押下回数更新処理において更新された押しボタン531の押下回数は、記憶部524に出力(保存)される。
【0081】
次いで、呼び制御部52の制御部522は、記憶部524に保存されている更新後の押しボタン531の押下回数及び清掃情報を取得する(ステップS17)。
【0082】
次いで、呼び制御部52の制御部522は、取得した更新後の押しボタン531の押下回数及び清掃情報に基づいて、第2情報を作成する(ステップS18)。なお、第2情報は、
図4で説明した、エレベーター53の乗りかご内の表示部533の表示画面に表示される遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報である。すなわち、この処理では、制御部522は、エレベーター53の押しボタン531の押下回数及び清掃情報、並びに、遠隔呼びの利用推奨メッセージを含む第2情報を作成する。なお、作成された第2情報はエレベーター53の制御部532に出力される。
【0083】
次いで、エレベーター53の表示部533は、制御部532の制御により第2情報を表示する(ステップS19)。そして、ステップS19の処理後、エレベーターシステム1における遠隔呼び(非接触呼び)の利用メッセージ及びボタン押下回数を含む第2情報の表示処理は終了する。
【0084】
[押しボタンの押下回数更新処理の手順]
次に、
図6を参照して、遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報の表示処理のフローチャート(
図5参照)中のステップS16で行われる押しボタンの押下回数更新処理について説明する。
図6は、エレベーターシステム1において、押下呼びが受け付けられ場合に行われるエレベーター53の押しボタン531の押下回数更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、この処理は、
図5に示す遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報の表示処理中のステップS16においてサブルーチン処理として呼び出されて開始される。
【0085】
まず、呼び制御部52のカウント制御部523は、押しボタン531の押下回数(接触回数)をカウントアップする(ステップS110)。この処理では、押しボタン531の押下回数に1が加算される。また、この処理では、カウントアップされた押しボタン531の押下回数は記憶部524に出力(更新)される。なお、押しボタン531の押下回数の初期値はゼロである。
【0086】
次いで、呼び制御部52のカウント制御部523は、更新後の押しボタン531の押下回数(接触回数)が、予め設定された規定回数を超えているか否かを判定する(ステップS111)。
【0087】
ステップS111の処理において、カウント制御部523が、更新後の押下回数(接触回数)が規定回数を超えていないと判定した場合(No判定の場合)、呼び制御部52は、押しボタン531の押下回数更新処理を終了する。その後、呼び制御部52は、処理を、
図5に示す遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報の表示処理中のステップS17に戻す。
【0088】
一方、ステップS111の処理において、カウント制御部523が、更新後の押下回数(接触回数)が規定回数を超えていると判定した場合(Yes判定の場合)、呼び制御部52は、制御サーバー30に清掃要請を通知する(ステップS112)。この処理では、まず、カウント制御部523は、押しボタン531の押下回数が規定回数を超えている旨を制御部522に通知する。そして、当該通知に基づいて、制御部522は、押しボタン531の清掃要請を、通信部51から公衆ネットワーク40を介して、制御サーバー30に送信(通知)する。なお、制御サーバー30において、エレベーター設備50からの押しボタン531の清掃要請が受信されると、メッセージ作成部34により清掃依頼メールが作成される。作成された清掃依頼メールは、通信部31から公衆ネットワーク40を介して、清掃業者端末20に送信される。
【0089】
ところで、清掃者又は清掃者の業務管理を行う管理者が、清掃業者端末20において、制御サーバー30からの清掃依頼メールを受信すると、押しボタン531の清掃スケジュールを決定する。その後、決定されたスケジュールに基づいて、清掃者による押しボタン531の清掃が行われる。そして、清掃者による押しボタン531の清掃が完了すると、清掃者は、押しボタン531に対して、清掃完了を示す所定の操作を行う。当該所定の操作は、エレベーター53の制御部532に予め登録(設定)されており、例えば、押しボタン531に含まれる全ての押しボタンを押下する操作等が所定の操作として設定されている。なお、予め登録(設定)される押しボタン531に対する所定の操作は、利用者がエレベーター53の利用時に押しボタン531に対して行い得る操作と区別できる操作が好ましく、そのような操作であれば、任意の操作を所定の操作として採用することができる。そして、清掃者により、押しボタン531に対して、清掃完了を示す所定の操作が行われると、清掃完了日時等の情報を含む清掃情報及び押下回数のリセット要求がエレベーター53(制御部532)から呼び制御部52に出力(通知)される。
【0090】
次いで、呼び制御部52は、エレベーター53の制御部532からの清掃情報及び押下回数のリセット要求を受け取る(ステップS113)。この処理では、呼び制御部52のリセット受付部521は、エレベーター53の制御部532からの清掃情報及び押下回数のリセット要求を受け取って、呼び制御部52の制御部522に出力する。呼び制御部52の制御部522は、リセット受付部521から押下回数のリセット要求が入力されると、カウント制御部523に対して、押下回数をクリアする指示を出す。なお、リセット受付部521から入力された清掃情報は、記憶部524に出力(保存)される。
【0091】
次いで、呼び制御部52のカウント制御部523は、押しボタン531の押下回数をクリア(リセット)する(ステップS114)。この処理では、カウント制御部523は、制御部522の指示に従い、押しボタン531の押下回数をゼロ(初期値)にセットする。なお、ゼロにクリアされた押しボタン531の押下回数は、記憶部524に出力(更新)される。そして、ステップS114の処理後、呼び制御部52は、押しボタン押下回数更新処理を終了する。その後、呼び制御部52は、処理を、
図5に示す遠隔呼びの利用推奨メッセージ及びボタン押下回数を含む情報の表示処理中のステップS17に戻す。
【0092】
[効果]
上述したエレベーターの情報表示方法では、利用者がエレベーター53に対して押下呼びを行った場合、遠隔呼びの利用推奨メッセージ、押しボタン531の押下回数及び清掃情報を含む情報がエレベーター53の表示部533に表示される。すなわち、上述した本実施形態のエレベーターの情報表示方法(情報表示システム)では、非接触での利用を推奨するメッセージとともに、ボタン押下回数(利用者の接触回数)を表示する。表示されたボタン押下回数が多ければ、利用者は、感覚的に、感染症の発生リスクが高くなっていることを認識することができるので、ボタン押下回数を表示することにより、非接触でのエレベーターの利用を促進させることが可能になる。その結果、上述した本実施形態のエレベーターの情報表示方法(情報表示システム)では、感染症の発生リスクを低減することができる。
【0093】
また、本実施形態のエレベーターの情報表示処理において行われる押しボタンの押下回数更新処理では、更新後の押下回数(接触回数)が予め設定された規定回数を超えた場合、清掃業者端末20に清掃依頼メールが送信される。それゆえ、本実施形態の押しボタン押下回数更新処理は、押しボタン531の利用状況(押下回数,接触回数)に応じて、エレベーターの押しボタンの清掃を促し、感染症の発生リスクを低減することができる。
【0094】
<各種変形例>
以上では、本発明の一実施形態に係るエレベーターの情報表示方法、及び、エレベーターの情報表示システムの構成について説明した。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他種々の変形例の態様を取ることができる。
【0095】
(1)変形例1
上記実施形態では、利用者がエレベーター53の呼びボタン(上昇又は下降の選択ボタン)を押下した場合、すなわち、押下呼びが実行された場合に、ボタン押下回数を更新して、ボタン押下回数を表示する(
図5中のステップS16~S19)例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、利用者が乗りかご内の操作盤に設けられた目的階ボタンを押下した場合(目的階をセットした場合)に、ボタン押下回数を更新して、ボタン押下回数を表示する(
図5中のステップS16~S19)ようにしてもよい。このような構成においても上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0096】
(2)変形例2
上記実施形態及び変形例1では、エレベーターの非接触利用の機能として、利用者端末10によりエレベーターの遠隔呼びを実行する機能を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、エレベーターの非接触利用の機能として、エレベーターの乗りかご内の操作盤に配置された目的階ボタンに対応して設けられた光学センサーが、手の動き(例えば、目的階ボタンに手をかざす動作)を検出して目的階をセットできる機能を適用してもよい。この場合、光学センサーによる非接触での目的階のセット機能を備えるエレベーターにも上述した本実施形態の情報表示方法を適用することができる。このような構成においても上記実施形態と同様の効果が得られる。また、エレベーターの非接触利用の機能として、利用者端末10によるエレベーターの遠隔呼び機能、及び、光学センサーによる非接触での目的階のセット機能の両方を適用してもよい。この場合、利用者端末10によるエレベーターの遠隔呼び機能、及び、光学センサーによる非接触での目的階のセット機能の両方を備えるエレベーター(エレベーターシステム)にも上述した本実施形態の情報表示方法を適用することができる。このような構成においても上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0097】
(3)変形例3
上記実施形態では、エレベーター53の押しボタン531の押下回数更新処理では、押しボタン531に含まれるボタンの種別に関係なく、いずれかのボタンが押下されれば、押下回数を更新(1加算)する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ボタン毎に押下回数を別個にカウントしてもよいし、ボタンの種別毎(エレベーターホールの上昇又は下降の選択ボタン、乗りかご内の行先階床を示すボタン(目的階ボタン)、エレベーター53のドアの開閉ボタン)に押下回数を別個にカウントしてもよい。また、例えば、複数のボタンの中から、予め設定された2以上の所定のボタンに対する押下回数をカウントしてもよいし、2以上の種別のボタンに対する押下回数をカウントしてもよい。なお、これらの押下回数のカウント手法を採用した場合には、清掃要求を行う押下回数の閾値(規定回数)も、採用した手法に応じて適宜設定される。例えば、ボタン毎に押下回数を別個にカウントする場合には、ボタン毎に押下回数の閾値を設けてもよい。
【0098】
(4)変形例4
上記実施形態では、押しボタン531の清掃情報及び押下回数のリセット要求を受け取るリセット受付部521が、エレベーター設備50の呼び制御部52の内部に設けられる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0099】
例えば、リセット受付部521は、呼び制御部52の外部で且つエレベーター設備50の内部に設けられてもよい。この場合、リセット受付部521は、呼び制御部52の制御部522及びエレベーター53の制御部532のそれぞれに接続されるようにする。
【0100】
また、例えば、リセット受付部521は、制御サーバー30の内部(エレベーター設備50の外部)に設けられてもよい。この場合、清掃者が清掃完了時に押しボタン531に対して上述した所定の操作を行う必要はなく、清掃者が清掃業者端末20を利用して清掃情報を含む清掃完了メールを制御サーバー30に送信する。そして、制御サーバー30の内部に設けられたリセット受付部521は、清掃業者端末20から送信された清掃情報を含む清掃完了メールを受け取り、押しボタン531の押下回数のリセット要求を生成する。リセット受付部は、受け取った清掃完了メールに含まれる清掃情報とともに、生成した押しボタン531の押下回数のリセット要求を、通信部31及び公衆ネットワーク40を介して、呼び制御部52の制御部522に送信する。
【0101】
(5)その他、各種変形例
上記実施形態では、利用者端末10及びエレベーター設備50は、公衆ネットワーク40を介して制御サーバー30と通信可能に接続される構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御サーバー30が、エレベーター設備50が設置されているビル内に設けられている場合、利用者端末10及びエレベーター設備50は、当該ビル内の無線通信方法などを介して制御サーバー30と通信可能に接続される構成にしてもよい。なお、ビル内の無線通信方法としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)や、Bluetooth(商標)などが挙げられる。
【0102】
上記実施形態では、利用者端末10にインストールされたメッセージ交換型のSNSアプリの画面上において、遠隔呼びの登録及び制御サーバー30からの各種メッセージ確認が行われる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、利用者端末10から公衆ネットワーク等を介して接続可能であり、遠隔呼びを登録可能な所定のウェブサイドにおいて、遠隔呼びの登録及び各種メッセージ確認を行うようにしてもよい。また、例えば、利用者端末10のメール機能を利用して、遠隔呼びの登録情報を制御サーバー30にメールで送信し、制御サーバー30からの返信メールを受信して、当該返信メールにより各種メッセージを確認するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…エレベーターシステム、10…利用者端末、11,21,31,51…通信部、12,22…操作表示部、20…清掃業者端末、30…制御サーバー、32…演算部、33…コマンド作成部、34…メッセージ作成部、35…データ記憶部、40…公衆ネットワーク、50…エレベーター設備、52…呼び制御部、521…リセット受付部、522,532…制御部、523…カウント制御部、524…記憶部、53…エレベーター、531…押しボタン、533…表示部