(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184323
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】管理機の表示機構及び歩行型管理機
(51)【国際特許分類】
A01B 59/042 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A01B59/042 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092098
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 恵一
【テーマコード(参考)】
2B041
【Fターム(参考)】
2B041AA20
2B041AB04
2B041AC03
2B041HA25
2B041HA27
(57)【要約】
【課題】歩行型管理機の運転の利便性を向上させることが可能な管理機の表示機構を提供する。
【解決手段】ロータリ18及びハンドル24を具備する歩行型管理機10の車体の傾斜角度αを検出する傾きセンサと、傾きセンサにより検出された車体の傾斜角度αに関する情報を表示するタッチパネルと、を具備した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ及びハンドルを具備する歩行型管理機の車体の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部と、
前記傾斜角度検出部により検出された前記車体の傾斜角度に関する情報を表示する表示部と、
を具備する管理機の表示機構。
【請求項2】
前記情報には、
前記車体の傾斜角度が含まれる、
請求項1に記載の管理機の表示機構。
【請求項3】
前記情報には、
前記車体の傾斜角度を、前記歩行型管理機に装着された作業機による作業深さに換算した値が含まれる、
請求項1又は請求項2に記載の管理機の表示機構。
【請求項4】
前記情報には、
前記車体の傾斜角度が所定の作業に適しているか否かを示す目安が含まれる、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の管理機の表示機構。
【請求項5】
前記情報には、
前記車体の傾斜角度が所定の作業に適した傾斜角度となるように、利用者に対して前記車体の傾斜角度の調整を促す報知が含まれる、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の管理機の表示機構。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の管理機の表示機構を具備する、
歩行型管理機。
【請求項7】
タイヤをさらに具備する、
請求項6に記載の歩行型管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理機の表示機構及び歩行型管理機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が運転可能な歩行型管理機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、操縦用のハンドルを備えた歩行型管理機が開示されている。
【0004】
上記特許文献1に記載された歩行型管理機は、利用者のハンドルを用いた操縦により運転を行うことができる。このような歩行型管理機は、機械の操作に慣れた農業就業者だけでなく、趣味で家庭菜園を行う主婦や高齢者等、年齢や性別を問わずに利用される機会が多い。このような機械の操作に不慣れな利用者のためにも、歩行型管理機の運転の利便性のさらなる向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることが可能な管理機の表示機構及び歩行型管理機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、歩行型管理機の車体の傾斜角度を検出する傾斜角度検出部と、前記傾斜角度検出部により検出された前記車体の傾斜角度に関する情報を表示する表示部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記情報には、前記車体の傾斜角度が含まれるものである。
【0010】
請求項3においては、前記情報には、前記車体の傾斜角度を、前記歩行型管理機に装着された作業機による作業深さに換算した値が含まれるものである。
【0011】
請求項4においては、前記情報には、前記車体の傾斜角度が所定の作業に適しているか否かを示す目安が含まれるものである。
【0012】
請求項5においては、前記情報には、前記車体の傾斜角度が所定の作業に適した傾斜角度となるように、利用者に対して前記車体の傾斜角度の調整を促す報知が含まれるものである。
【0013】
請求項6においては、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の管理機の表示機構を具備するものである。
【0014】
請求項7においては、タイヤをさらに具備するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0017】
請求項2においては、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0018】
請求項3においては、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0019】
請求項4においては、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0020】
請求項5においては、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0021】
請求項6においては、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0022】
請求項7においては、作業深さを制御し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る歩行型管理機を示した側面図。
【
図3】車体が前後方向に傾斜した状態を示した側面図。
【
図4】車体が左右方向に傾斜した状態におけるロータリを示した背面図。
【
図5】(a)端末を示した図。(b)端末の構成を概念的に示したブロック図。(c)端末に記憶されている作物の種類と耕深等の値の一例を示した図。
【
図7】(a)表示画面の第一変形例を示した図。(b)同じく、第二変形例を示した図。
【
図8】第二実施形態に係る歩行型管理機を示した拡大平面図。
【
図9】(a)表示機構を示した平面図。(b)同じく、一部側面断面図。
【
図10】(a)車体が前後方向に傾斜した状態における表示機構を示した平面図。(b)同じく、一部側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0025】
以下では、本発明の第一実施形態に係る歩行型管理機10について説明する。
【0026】
図1に示す歩行型管理機10は、機体フレーム11、タイヤ12、エンジン13、燃料タンク14、ボンネット15、カバー16、ミッションケース17、ロータリ18、抵抗棒19、作業板20、クラッチ機構21、ハンドルフレーム22、ハンドル連結部23、ハンドル24、クラッチレバー25及び表示機構26等を具備する。
【0027】
機体フレーム11は、板材を適宜折り曲げて形成される部材である。機体フレーム11は、左右一対のタイヤ12に支持される。エンジン13は、機体フレーム11に載置される。燃料タンク14は、エンジン13の後方に配置される。当該エンジン13及び燃料タンク14は、ボンネット15によって覆われる。エンジン13の左側方には、エンジン13の動力をミッションケース17に伝達するクラッチ機構21を覆うカバー16が設けられる。
【0028】
ミッションケース17は、エンジン13からの動力を、タイヤ12や回転軸17bに伝達する変速機構17aを収容するケースである。ロータリ18は、回転軸17bに固定される耕耘爪18aと、耕耘爪18aを上方から覆う耕耘カバー18bと、を具備する。耕耘カバー18bには、抵抗棒19及び作業板20が取り付けられる。
【0029】
クラッチ機構21は、エンジン13から変速機構17a(タイヤ12や耕耘爪18a)への動力の伝達の可否を切り替えるためのものである。本実施形態のクラッチ機構21としては、プーリに巻回されたベルトに張力(テンション)を付与することで動力を伝達可能とする、いわゆるベルトテンションクラッチを想定している。
【0030】
耕耘カバー18bの上方には、ハンドルフレーム22が配置される。ハンドルフレーム22は、ハンドル24を支持するためのフレームである。ハンドルフレーム22は、後上方へ延びるように形成される。ハンドルフレーム22の後上端部には、ハンドル連結部23を介してハンドル24が取り付けられる。
【0031】
ハンドル24は、利用者が歩行型管理機10を操縦するためのものである。ハンドル24は、ハンドル連結部23から後上方へ延びるように形成される。
図2に示すように、ハンドル24は、平面視で略三角形状の枠(フレーム)状に形成される。ハンドル24は、断面視で略円形状の部材を適宜折り曲げて形成される。ハンドル24は、側部24a、後部24b及び横架部24cを具備する。
【0032】
図2に示す側部24aは、ハンドル24の左右両側部を構成する部分である。側部24aは、ハンドル連結部23から、互いに左右方向に離間するように後方(後上方)へ延びる。
【0033】
後部24bは、ハンドル24の後部を構成する部分である。後部24bは、左右の側部24aの後端部同士を連結するように左右方向に延びる。後部24bは、利用者の手指により把持される。
【0034】
横架部24cは、左右の側部24aの前後方向途中部同士を連結する部分である。横架部24cは、ハンドル24の前後方向中央部よりも後方に位置するように設けられる。横架部24cを設けたことで、ハンドル24を補強することができる。
【0035】
図1及び
図2に示すクラッチレバー25は、クラッチ機構21の作動の操作が可能なレバーである。クラッチレバー25は、ケーブル(不図示)を介してクラッチ機構21と接続される。クラッチレバー25は、左右の側部24aの前後方向途中部(横架部24cの後方)の間に設けられる。
図1に示すように利用者がクラッチレバー25を握るように操作すると、クラッチレバー25は左右の側部24aに対して左側面視時計回りに回動する。また、利用者がクラッチレバー25から手を離すと、クラッチレバー25は自動的に操作前の位置に戻る。
【0036】
表示機構26は、所定の情報(歩行型管理機10の傾斜角度に関する情報等)を表示するためのものである。表示機構26の構成については後述する。
【0037】
上述の如く構成される歩行型管理機10は、クラッチレバー25が操作されることで、前記ベルトに張力が付与されてクラッチ機構21が作動される。これにより、エンジン13からの動力が変速機構17aを介してタイヤ12や回転軸17bへと伝達される。これによって歩行型管理機10は、
図3に示すように走行しながら耕耘爪18aを回転させて圃場Aを耕耘することができる。また、耕耘時に抵抗棒19を圃場Aに挿して抵抗を生じさせ、歩行型管理機10の前進速度や耕耘深さを調整することができる。こうして歩行型管理機10は、耕耘作業を行うことができる。
【0038】
また、歩行型管理機10は、クラッチレバー25の操作が解除されると、当該クラッチレバー25が自動的に操作前の位置に戻り、前記ベルトへの張力の付与が停止され、クラッチ機構21の作動が停止される。これにより、タイヤ12や耕耘爪18aの回転が停止され、耕耘作業を終了することができる。このように本実施形態では、クラッチ機構21として、利用者がクラッチレバー25を握っている間に作動し、手を離してクラッチレバー25の操作が解除されれば作動が停止する、いわゆるデッドマン式クラッチを採用した例を示している。
【0039】
なお、本実施形態ではロータリ18を用いて耕耘作業を行う例を説明したが、歩行型管理機10はその他種々の作業機を装着して各種作業(例えば、うね立て作業、マルチ作業、整地作業等)を行うことが可能である。
【0040】
ここで、歩行型管理機10を用いて作業を行う場合、作業に応じて歩行型管理機10が傾斜することが想定される。例えば本実施形態の歩行型管理機10のようにロータリ18を用いた耕耘作業を行う場合には、耕耘爪18aが地中に入り込むため、歩行型管理機10の後部が下方へと下がるように傾斜する。特に本実施形態の歩行型管理機10は圃場Aを走行するタイヤ12を備えているため、タイヤ12と圃場Aとの接点を中心として、左側面視(
図3参照)において時計回り方向へ回動するように傾斜する。耕耘爪18aで圃場Aを耕耘する深さ(耕深D)は、歩行型管理機10の前後方向に対する傾斜角度αが大きくなるにつれて深くなる。利用者は、ハンドル24を上下に動かして歩行型管理機10の傾斜角度αを調整することで、所望の耕深D(例えば、圃場Aで栽培する作物に適した耕深D)で圃場Aを耕耘することができる。
【0041】
しかし、機械の操作に不慣れな利用者が耕耘作業を行う場合、上述した耕深D(傾斜角度α)の調整を適切に行うことができないことが懸念される。さらに、機械の操作に不慣れな利用者が耕耘作業を行う場合、耕深Dの調整だけでなく、歩行型管理機10の車体を左右水平に保つことも困難であることが予想される。そこで、本実施形態に係る歩行型管理機10は、表示機構26を設けることで、機械の操作に不慣れな利用者等でも耕深D(傾斜角度α)の調整や、歩行型管理機10の左右方向に対する傾斜角度β(
図4参照)の調整を行い易くしている。以下、表示機構26について説明する。
【0042】
表示機構26は、傾斜角度α・βに関する情報(以下、「角度情報」と称する)を表示するためのものである。角度情報には、傾斜角度α・βに関する種々の情報が含まれる。例えば角度情報には、傾斜角度α・βの値そのものだけでなく、傾斜角度α・βから算出される耕深D、傾斜角度α・βが所定の作業に適しているか否かの目安、傾斜角度α・βの調整を促す報知など、各種情報が含まれる。
【0043】
図1、
図2及び
図5に示すように、表示機構26は、端末27及び取付部28を具備する。
【0044】
端末27は、各種の情報を入出力可能なものである。端末27は、携帯可能な小型のものを採用可能である。端末27としては、例えばスマートフォン(携帯電話)を採用可能である。また、端末27としては、スマートフォンに限られず、例えばタブレット端末等の種々の端末を採用可能である。端末27は、後述する取付部28を介して、ハンドル24に設けられる。
図5(b)に示すように、端末27は、スピーカ27a、傾きセンサ27b、タッチパネル27c及び制御手段27dを具備する。
【0045】
スピーカ27aは、音声を出力するためのものである。
【0046】
傾きセンサ27bは、端末27の傾きを検出するためのものである。傾きセンサ27bとしては、適宜のジャイロセンサ等を採用可能である。傾きセンサ27bは、端末27の任意の方向に対する傾斜角度(例えば、前後方向に対する傾斜角度、左右方向に対する傾斜角度等)を検出することができる。
【0047】
図5に示すタッチパネル27cは、情報の入出力を行うためのものである。タッチパネル27cは、所定の情報を表示することができる。また、タッチパネル27cには、利用者のタッチ操作により各種情報を入力することができる。
【0048】
制御手段27dは、端末27を制御するためのものである。制御手段27dは、主としてCPU等の演算処理装置や、演算処理装置で処理を実行可能なプログラム等が記憶された記憶装置等により構成される。制御手段27dは、スピーカ27a、傾きセンサ27b及びタッチパネル27cと電気的に接続される。
【0049】
制御手段27dは、スピーカ27aに信号を送信することで、スピーカ27aから所定の音声を出力させることができる。また、制御手段27dは、傾きセンサ27bから信号を受信することで、端末27の傾斜角度を取得することができる。後述するように、制御手段27dは、取得した端末27の傾斜角度に基づいて車体の傾斜角度α・βを算出(検出)することができる。制御手段27dは、タッチパネル27cに信号を送信することで、タッチパネル27cに所望の情報を表示させることができる。また、制御手段27dは、タッチパネル27cから信号を受信することで、タッチパネル27cの操作結果を取得することができる。
【0050】
図1及び
図2に示す取付部28は、端末27を取り付け可能なものである。取付部28は、ハンドル24に設けられる。本実施形態では、取付部28を、横架部24cの左右方向中央部に設けた例を示している。取付部28は、端末27を着脱可能に取り付けることができる。取付部28による端末27の取付態様としては、例えば、適宜のアームで端末27の側部を挟むようにして端末27を取り付ける態様を採用可能である。また、例えば、磁石を用いて端末27を取り付ける態様や、適宜のベルト(バンド)等で端末27を取り付ける態様も採用可能である。
【0051】
取付部28は、タッチパネル27cが後方(後上方)を向いた姿勢で、端末27を取り付けることができる。これにより、取付部28に取り付けられた端末27のタッチパネル27cを、歩行型管理機10を運転する利用者の方(利用者から視認可能な方向)へ向けることができる。
【0052】
上述のように車体に取り付けられた端末27を用いて、歩行型管理機10の傾斜角度α・βを検出することができる。具体的には、例えば歩行型管理機10を水平な地面に置いた状態(水平な地面にタイヤ12及び耕耘爪18aを接地させた状態)を基準として、歩行型管理機10の傾きを傾きセンサ27bで検出することで、傾斜角度α・βを検出することができる。さらに端末27は、検出された傾斜角度α及び歩行型管理機10の緒元(例えば、タイヤ12やロータリ18の寸法や位置関係等)に基づいて、歩行型管理機10の耕深Dを算出(推定)することができる。
【0053】
上述の如く構成される表示機構26では、端末27のタッチパネル27cに
図6に示すような表示画面30を表示させることで、傾斜角度α・βに関する情報(角度情報)を表示することができる。以下では、表示画面30について説明する。
【0054】
表示画面30は、角度情報を表示するための画面である。例えば利用者がタッチパネル27cを用いて適宜の操作を行った場合に、制御手段27dが表示画面30を生成し、タッチパネル27cに表示させる。表示画面30には、選択部31、目標表示部32、第一傾斜角度表示部33及び第二傾斜角度表示部34が含まれる。
【0055】
選択部31は、圃場Aで栽培する作物の種類を選択する部分である。選択部31は、タップ操作可能に構成される。選択部31がタップ操作されると、利用者が選択可能な複数の作物の種類が表示画面30に表示される。
【0056】
ここで、端末27には、予め作物の種類と、その作物に適した耕深Dの値と、その耕深Dで耕耘作業を行う場合の歩行型管理機10の傾斜角度αと、が関連付けて記憶されている。
図5(c)には、端末27に記憶されている耕深D等の値の一例を示している。
図5(c)に示した例では、作物(特に、野菜)の種類を「根菜類」、「葉茎菜類」、「果菜類」の区分に分類し、それぞれに適した耕深D等を示している。なお、図中の数値は説明のために一例として記載したものであり、実際には実験等に基づいて、各作物に適した値が決定される。
【0057】
図6に示す選択部31がタップ操作されると、
図5(c)に示した複数の作物の種類が表示され、利用者が任意の作物を選択可能な状態となる。利用者が所望の作物(圃場Aで栽培する作物)をタップ操作で選択すると、選択された作物が選択部31に表示される。
【0058】
目標表示部32は、選択部31に表示された作物を栽培するのに適した耕深Dで耕耘作業を行うことができる傾斜角度αを表示する部分である。目標表示部32の表示は、制御手段27dにより、選択部31での作物の種類の選択に応じて適宜更新される。具体的には、制御手段27dは、選択部31で作物が選択されると、選択部31で選択された作物と関連付けて記憶された傾斜角度(
図5(c)参照)を取得する。制御手段27dは、こうして取得した傾斜角度αを目標表示部32に表示させることで、選択部31での選択に応じた傾斜角度αの目標値を表示させることができる。
【0059】
第一傾斜角度表示部33は、傾きセンサ27bにより検出された車体の前後方向に対する傾斜角度αを表示する部分である。第一傾斜角度表示部33には、イラスト33a、目盛り33b、補助線33c及びライン33dが表示される。
【0060】
イラスト33aは、歩行型管理機10を側面から見た様子を模式的に示した画像である。この画像を適宜傾斜させて表示させることで、歩行型管理機10が前後方向に対して傾斜している様子を利用者に直感的に把握させることができる。
【0061】
目盛り33bは、傾斜角度αの値を示すものである。目盛り33bは、イラスト33aの左方及び右方にそれぞれ表示される。
図6における目盛り33bは、歩行型管理機10が水平な地面に置かれた状態における車体の傾斜角度αを0としている。また、目盛り33bは、耕深Dが深くなる方向(
図6における時計回り方向)を「+」、耕深Dが浅くなる方向(
図6における反時計回り方向)を「-」として、傾斜角度αの値を示している。
【0062】
補助線33cは、傾斜角度αが0である場合におけるライン33dの向きを示すものである。
【0063】
ライン33dは、傾きセンサ27bにより検出された車体の傾斜角度αを示すものである。ライン33dは、イラスト33aを横切って、左右の目盛り33bを指し示すように表示される。ライン33dは、検出された傾斜角度αに応じた角度で傾斜するように表示される。
【0064】
上述の如く構成される第一傾斜角度表示部33のイラスト33a及びライン33dの表示は、制御手段27dにより更新される。具体的には、制御手段27dは、所定の微小時間(例えば0.1秒~1秒)ごとに車体の傾斜角度αを取得(検出)し、取得した傾斜角度αを指し示すように、ライン33dの向きを変更する。また、制御手段27dは、ライン33dの傾斜に合わせてイラスト33aを傾斜させて表示する。こうして制御手段27dは、車体の傾斜角度αをリアルタイムに表示させることができる。
【0065】
第二傾斜角度表示部34は、傾きセンサ27bにより検出された車体の左右方向に対する傾斜角度βを表示する部分である。第二傾斜角度表示部34には、イラスト34a、目盛り34b、補助線34c及びライン34dが表示される。
【0066】
イラスト34aは、ロータリ18を背面から見た様子を模式的に示した画像である。この画像を適宜傾斜させて表示させることで、歩行型管理機10が左右方向に対して傾斜している様子を利用者に直感的に把握させることができる。
【0067】
目盛り34bは、傾斜角度βの値を示すものである。目盛り34bは、イラスト34aの左方及び右方にそれぞれ表示される。
図6における目盛り34bは、歩行型管理機10が水平な地面に置かれた状態における車体の傾斜角度βを0としている。また、目盛り34bは、右下がりに傾斜する方向を「+」、左下がりに傾斜する方向を「-」として、傾斜角度βの値を示している。
【0068】
補助線34cは、傾斜角度βが0である場合におけるライン34dの向きを示すものである。
【0069】
ライン34dは、傾きセンサ27bにより検出された車体の傾斜角度βを示すものである。ライン34dは、イラスト34aを横切って、左右の目盛り34bを指し示すように表示される。ライン34dは、検出された傾斜角度βに応じた角度で傾斜するように表示される。
【0070】
上述の如く構成される第二傾斜角度表示部34のイラスト34a及びライン34dの表示は、第一傾斜角度表示部33の場合と同様に、制御手段27dによってリアルタイムに更新される。
【0071】
利用者は、上述のような表示画面30を視認することで、車体の傾斜角度α・βを容易に把握することができる。例えば、耕耘作業を行う際に車体が前後方向に対して傾斜した場合には、傾きセンサ27bによって検出された傾斜角度αが第一傾斜角度表示部33に反映されることになる。したがって利用者は、第一傾斜角度表示部33(ライン33dが指し示す目盛り33bの値)を視認することで、車体の傾斜角度αを容易に把握することができる。これにより利用者は、傾斜角度αを容易に調整することができ、ひいては耕深Dを容易に調整することができる。このように表示機構26によって、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。
【0072】
さらに表示画面30の目標表示部32には、作物を栽培するのに適した耕深Dとなるような傾斜角度αが表示されている。利用者は、第一傾斜角度表示部33に表示された傾斜角度αが、目標表示部32に表示された値となるようにハンドル24を上下させて車体の傾斜角度αを調整することで、作物に応じた適切な耕深Dで圃場Aを耕耘することができる。
【0073】
また、利用者は、第二傾斜角度表示部34を視認することで、車体の左右方向における傾斜角度βを容易に把握することができる。また、第二傾斜角度表示部34に表示された角度が所望の角度(例えば、0°)となるように歩行型管理機10の姿勢を調整すれば、安定した姿勢で耕耘作業を行うことができる。
【0074】
また、利用者は、選択部31をタッチ操作することで、複数の作物から任意の作物を選択することができる。これにより利用者は、作物ごとに適切な耕耘作業を行うことができる。
【0075】
以上の如く、本実施形態に係る歩行型管理機10(管理機)の表示機構26は、ロータリ18及びハンドル24を具備する歩行型管理機10の車体の傾斜角度α・βを検出する傾きセンサ27b(傾斜角度検出部)と、前記傾きセンサ27bにより検出された前記車体の傾斜角度α・βに関する情報(角度情報)を表示するタッチパネル27c(表示部)と、を具備するものである。
【0076】
このように構成することにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。すなわち、利用者は、タッチパネル27cに表示された歩行型管理機10の傾斜角度α・βに関する情報を確認することで、歩行型管理機10の姿勢(傾斜角度α・β)を容易に把握することができ、歩行型管理機10の運転(特に、耕深Dの調整)を容易に行うことができる。
【0077】
また、前記情報には、前記車体の傾斜角度α・βが含まれるものである。
【0078】
このように構成することにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。すなわち、傾斜角度α・βの具体的な値を把握することで、より歩行型管理機10の精密な運転が可能となる。
【0079】
また、前記情報には、前記車体の傾斜角度αが所定の作業に適しているか否かを示す目安(目標表示部32に表示された傾斜角度)が含まれるものである。
【0080】
このように構成することにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。すなわち、利用者は表示された目安(目標表示部32)を参考にして、歩行型管理機10の傾斜角度αを容易に調整できる。
【0081】
また、本実施形態に係る歩行型管理機10は、前記表示機構26を具備するものである。
【0082】
このように構成することにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。
【0083】
また、歩行型管理機10は、タイヤ12をさらに具備するものである。
【0084】
このように構成することにより、タイヤ12と圃場Aとの接点を起点として傾斜角度α(耕深D)を規定し易くなる。こうして規定した傾斜角度αを目安に車体の姿勢を調整することで、耕深Dを制御し易くすることができる。
【0085】
なお、本実施形態に係る傾きセンサ27bは、本発明に係る傾斜角度検出部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るタッチパネル27cは、本発明に係る表示部の実施の一形態である。
【0086】
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0087】
例えば、本実施形態では、取付部28をハンドル24の横架部24cに設けた例を示したが、このような態様に限定されない。例えば取付部28を側部24a上に設けてもよいし、燃料タンク14、ボンネット15等に設けてもよい。つまり、利用者がタッチパネル27cを視認できる位置であれば、取付部28を設ける位置は任意に変更することができる。
【0088】
また端末27を用いて、利用者に対して運転(特に、傾斜角度α・βの調整)に関する報知を行う構成とすることも可能である。例えば、制御手段27dによって、検出された傾斜角度αと目標表示部32に表示された傾斜角度との差分を算出し、当該差分が所定の閾値を超えた場合に、傾斜角度αの調整を促すような報知を行う構成とすることができる。この場合の報知の方法としては、例えば所定のメッセージ(「車体を少し前に起こしてください」等)をタッチパネル27cに表示させたり、当該メッセージをスピーカ27aから音声により出力したりする方法がある。また、警告音や通知音などの音や音色の変化によって報知する方法もある。利用者はこの報知に従って傾斜角度αを調整することで、耕深Dの調整を容易に行うことができる。
【0089】
このように、前記情報には、前記車体の傾斜角度αが所定の作業に適した傾斜角度となるように、利用者に対して前記車体の傾斜角度αの調整を促す報知が含まれるものである。
【0090】
このように構成することにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。すなわち、利用者は、報知に従って歩行型管理機10の傾斜角度αを調整することで、歩行型管理機10の傾斜角度αを所定の作業に適した傾斜角度になるように容易に調整することができる。
【0091】
また、
図6には、タッチパネル27cに傾斜角度α・βを表示する例を示したが、タッチパネル27cに表示する角度情報は傾斜角度α・βに限るものではない。
【0092】
例えば
図7(a)に示す第一変形例では、傾斜角度αに替えて耕深Dを表示した画面を示している。具体的には、第一変形例の目標表示部42には、選択部31に表示された作物を栽培するのに適した耕深D(
図5(c)参照)が表示される。また、目盛り43bには、耕深Dの値が表示される。制御手段27dは、検出された傾斜角度αから歩行型管理機10の耕深Dを算出し、この耕深Dに応じてライン33dの向きを変更する。利用者はライン33dが指し示す目盛り43bを視認することで、耕深Dを把握することができる。
【0093】
このように、前記情報には、前記車体の傾斜角度αを、前記歩行型管理機10に装着された作業機による作業深さ(耕深D)に換算した値が含まれるものである。
【0094】
このように構成することにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。すなわち、利用者は、ロータリ18による耕深Dを容易に把握することができ、歩行型管理機10の運転(特に、耕深Dの調整)を容易に行うことができる。
【0095】
また例えば
図7(b)に示す第二変形例では、傾斜角度αに替えて作物の種類を表示した画面を示している。具体的には、第二変形例では、作物の名称が、その作物に適した耕深D(傾斜角度α)を示す目盛り53bに適宜表示される。制御手段27dは、検出された傾斜角度αに応じてライン33dの向きを変更する。利用者は、ライン33dが、所望の作物が示された目盛り53bを指し示すように歩行型管理機10の傾斜角度αを調整することで、直感的に耕深Dの調整を行うことができる。
【0096】
また、
図6及び
図7に示した表示画面30は一例であり、傾斜角度α・βや耕深D等の表示方法はこれに限定するものではない。例えば、
図6等に示したようなイラストは一例であり、任意に変更することが可能である。また、イラストを用いるのではなく、傾斜角度α・βや耕深D等の具体的な数値のみを表示させることも可能である。
【0097】
また制御手段27dは、ジャイロセンサ(傾きセンサ27b)を用いて傾斜角度α・βを検出するものとしたが、他の方式のセンサ(例えば、加速度センサ)を用いて傾斜角度α・βを検出してもよい。
【0098】
また、制御手段27dは、傾きセンサ27bによる傾斜角度α・βの検出の基準となる値を任意に調整(ゼロ点調整)できる構成とすることも可能である。例えば本実施形態では、歩行型管理機10を水平な地面に置いた状態を基準として傾斜角度α・βを検出する構成としたが、圃場A自体が全体的に傾斜しているような場合には、圃場Aの傾斜を基準として傾斜角度α・βを検出することも可能である。これによって、傾斜角度α・βに基づいて耕深Dを精度良く算出することができる。また適宜ゼロ点調整を行うことで、傾きセンサ27bによる傾斜角度α・βの検出精度の悪化を抑制することができる。
【0099】
また本実施形態では、車体の傾斜角度α・βを検出する傾きセンサ27bと、傾斜角度α・βに関する情報を表示するタッチパネル27cとが一体になった端末27を用いた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、傾きセンサ27bとタッチパネル27c(表示部)をそれぞれ別に設けることも可能である。
【0100】
また本実施形態では、作物の名称として、野菜の区分(「根菜類」、「葉茎菜類」、「果菜類」)を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の名称を用いることが可能である。例えば、上記区分に限らず、任意の基準で分類された区分を用いることや、より具体的な野菜の品種名等を用いることも可能である。また、野菜に限らず、その他各種作物の名称を用いることも可能である。さらには、作物の名称ではなく、作業の名称(整地作業、マルチ作業等)を用いることも可能である。
【0101】
次に、
図8から
図10を用いて、第二実施形態に係る歩行型管理機10について説明する。
【0102】
第二実施形態に係る歩行型管理機10は、表示機構126の構成が第一実施形態に係る表示機構26と相違する。
【0103】
表示機構126は、車体の前後方向に対する傾斜角度αを表示するためのものである。
図8及び
図9に示すように、表示機構126は、水準器127及び取付部128を具備する。
【0104】
水準器127は、傾斜角度αを表示するためのものである。水準器127は、後述する取付部128を介してハンドル24に設けられる。水準器127は、ケース127a、気泡管127b及びラベル127cを具備する。
【0105】
ケース127aは、水準器127の外形を成すものである。ケース127aは、気泡管127bを収容可能な略直方体状に形成される。
【0106】
気泡管127bは、気泡を残して液体が封入された透明な容器である。気泡管127bは、ケース127aに収容され、上方から気泡を視認可能に設けられる。気泡管127bには、傾き(傾斜角度α)の大きさを示すための標線L127が記される。
【0107】
ラベル127cは、作物ごとに適した傾斜角度αを示すためのものである。ラベル127cには、作物を識別する情報(作物の種類の名称)が記載される。ラベル127cは複数設けられ、作物ごとに適した傾斜角度αを示す標線L127を指し示すように適宜貼り付けられる。
【0108】
取付部128は、水準器127を取り付け可能なものである。取付部128は、横架部124cに嵌合可能な前後一対の板材によって構成され、横架部24cに着脱可能に取り付けることができる。本実施形態では、取付部128を、ハンドル24の横架部24cの左右方向中央部に取り付けた例を示している。
【0109】
上述の如く構成される表示機構126の水準器127は、歩行型管理機10を水平な地面に置いた状態(水平な地面にタイヤ12及び耕耘爪18aを接地させた状態)において、前後方向に対して平行(水平)となるように設けられる。この際、水準器127の気泡は、前後内側の2本の標線L127の間に位置する(
図9(a)参照)。
【0110】
歩行型管理機10で耕耘作業を行う場合、耕耘爪18aが圃場Aに入り込み、歩行型管理機10の車体は前後方向に対して傾斜する。車体が前後方向に対して傾斜すると、傾斜角度αに応じて水準器127の向きが変わり、
図10に示すように、気泡管127b内の気泡が移動する。
【0111】
したがって利用者は、水準器127を視認すれば、車体の傾斜角度αを容易に把握することができる。これにより、利用者は、傾斜角度αを調整することができ、ひいては耕深Dを容易に調整することができる。こうして表示機構126によって、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。このように、第二実施形態では、水準器127が、車体の傾斜角度αを検出する傾斜角度検出部と、傾斜角度に関する情報を表示する表示部と、を兼ねている。
【0112】
また、上述の如くラベル127cは、作物を栽培するのに適した傾斜角度α(耕深D)を示している。したがって利用者は、気泡管127b及びラベル127cを視認することで、作物に適した傾斜角度α(耕深D)で耕耘作業を行えているのかを容易に把握することができる。また、ラベル127cが示す位置と気泡の位置とが一致するように車体の傾斜角度αを調整すれば、作物に適した耕深Dで圃場Aを耕耘することができる。
【0113】
以上、本発明の第二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0114】
例えば水準器127は、車体の前後方向における傾斜角度αを表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、左右方向における傾斜角度β(
図4参照)を表示してもよい。この場合、気泡管127bが左右方向を向くように水準器127を設置することで、前記傾斜角度βを表示することができる。また、前後方向及び左右方向の傾斜をそれぞれ表示可能な2つの水準器127を設けることにより、車体の前後方向及び左右方向における傾斜角度α・βをそれぞれ表示してもよい。
【0115】
また、水準器127としては第二実施形態に例示したものに限らず、種々の方式のものを採用することができる。例えばデジタル方式の水準器や、前後及び左右方向に限らず360度の傾斜を検出できる水準器(丸形水準器)等を用いることが可能である。
【0116】
また、水準器127に作物の名称が記載されたラベル127cを設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、傾斜角度や耕深の数値を記載したラベル127cを水準器127に設けることで、利用者は車体の傾斜角度αや耕深Dの具体的な値を把握することができる。
【0117】
また、上記各実施形態では、タイヤ12を具備する歩行型管理機10を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、タイヤ12を具備しない歩行型管理機10に適用することも可能である。また、タイヤ12の具備の有無に関わらず、抵抗棒19と圃場Aとの接点を中心として、利用者は、ハンドル24を上下に動かして歩行型管理機10の傾斜角度αを調整することで、所望の耕深D(例えば、圃場Aで栽培する作物に適した耕深D)で圃場Aを耕耘することができる。但し、タイヤ12を具備する歩行型管理機10であれば、圃場Aの表面(地面)に接地するタイヤ12を中心として、耕深Dに応じて歩行型管理機10が傾斜することになるため、傾斜角度αと耕深Dとの相関性が高くなり、ひいては傾斜角度αから耕深Dを把握し易くなる。このため、本発明はタイヤ12を具備する歩行型管理機10に適用するのが好ましい。
【0118】
また、上記各実施形態では、ロータリ18を具備する歩行型管理機10を例に挙げて説明したが、ロータリ18に限らず、その他種々の作業機を具備する歩行型管理機10に表示機構26・126を適用することも可能である。例えば、うね立て機や整地板を備えた歩行型管理機10に表示機構26を適用することで、歩行型管理機10の車体の傾斜角度α・βが適切か、また一定であるか等を、利用者が容易に把握することができ、運転の利便性を向上させることができる。
【0119】
また、上記各実施形態では、表示機構26・126を用いて歩行型管理機10の傾斜角度αや耕深Dを表示する例を示したが、傾斜角度α等を表示する方法はこれに限るものではない。例えば、ロータリ18の側面や抵抗棒19に、傾斜角度αや耕深Dの目安となる表示(目盛りや数字、記号等)を記載して、当該表示と地面との位置関係等を確認することで、傾斜角度α等を把握することも可能である。また、歩行型管理機10(車体)に振り子を吊り下げて、当該振り子と車体との傾きから傾斜角度α等を表示することも可能である。
【符号の説明】
【0120】
10 歩行型管理機
12 タイヤ
18 ロータリ
24 ハンドル
27 端末
27b 傾きセンサ
27c タッチパネル
27d 制御手段