(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184384
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】保持部材
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20221206BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092194
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】公門 保明
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA02
5F131CA03
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB54
5F131EB78
5F131EB84
(57)【要約】
【課題】対象物からの熱引き能力を向上できる保持部材を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、保持面11と、Z軸方向にて保持面11とは反対側に設けられる下面12とを備える板状部材であって、保持面11上に半導体ウエハWを保持する静電チャック1において、保持面11に形成され不活性ガスを吐出するガス孔16と、ガス孔16に連通するガストンネル41と、ガストンネル41に不活性ガスを導入するガス導入口42と、を有し、Z軸方向から見たときに、複数のガス孔16が円周形状CIに並んで配置されており、ガス導入口42が円周形状CIの中心CIaと重なる位置に配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、第1の方向にて前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える板状部材であって、前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持部材において、
前記第1の面に形成されガスを吐出する開口部と、
前記開口部に連通する連通路と、
前記連通路に前記ガスを導入するガス導入口と、
を有し、
前記第1の方向から見たときに、
複数の前記開口部が円周の形状に並んで配置されており、
前記ガス導入口が前記円周の形状の中心と重なる位置に配置されていること、
を特徴とする保持部材。
【請求項2】
請求項1の保持部材において、
前記板状部材の内部にて、前記連通路が前記第1の面の面方向に複数延びるように形成される連通路部を有し、
前記ガス導入口は、前記連通路部の位置に設けられていること、
を特徴とする保持部材。
【請求項3】
第1の面と、第1の方向にて前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える板状部材であって、前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持部材において、
前記第1の面に形成されガスを吐出する開口部と、
前記開口部に連通する連通路と、
前記連通路に前記ガスを導入するガス導入口と、
を有し、
前記第1の方向から見たときに、
複数の前記開口部が円周の形状に並んで配置されており、
前記ガス導入口が前記円周の形状と重なる位置に配置され、
単位面積あたりに前記開口部が占める割合が、前記ガス導入口に最も近い前記開口部が形成される位置よりも、前記ガス導入口から最も遠い前記開口部が形成される位置の方が大きいこと、
を特徴とする保持部材。
【請求項4】
請求項3の保持部材において、
前記第1の方向から見たときに、
前記割合は、前記ガス導入口に最も近い前記開口部が形成される位置から、前記円周の形状に沿って、前記ガス導入口から最も遠い前記開口部が形成される位置へ向かうに連れて、大きくなること、
を特徴とする保持部材。
【請求項5】
請求項3または4の保持部材において、
前記割合は、前記開口部の面積により調整されること、
を特徴とする保持部材。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1つの保持部材において、
前記割合は、隣り合う前記開口部の間隔により調整されること、
を特徴とする保持部材。
【請求項7】
請求項3または4の保持部材において、
前記開口部は複数の穴で構成されており、
前記割合は、前記穴の密度により調整されること、
を特徴とする保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物を保持する保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
保持部材に関する文献として、特許文献1には、対象物であるウェハを保持する保持装置が開示されている。そして、この特許文献1に開示される保持装置は、吸着面に開口するガス噴出流路を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される保持装置では、1つの縦流路から複数のガス噴出流路へ不活性ガスが供給されるが、複数のガス噴出流路において、縦流路に近いガス噴出流路ほど不活性ガスの供給量が多くなる一方で、縦流路から遠いガス噴出流路ほど不活性ガスの供給量が少なくなる。そのため、複数のガス噴出流路において、不活性ガスの噴出量にばらつきが生じてしまい、ウェハをセラミックス部材の吸着面で安定して吸着できないおそれがある。すると、ウェハからの熱引き能力(すなわち、高温のウェハをセラミックス部材側から冷却する能力)が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は上記した課題を解決するためになされたものであり、対象物からの熱引き能力を向上できる保持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、第1の面と、第1の方向にて前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える板状部材であって、前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持部材において、前記第1の面に形成されガスを吐出する開口部と、前記開口部に連通する連通路と、前記連通路に前記ガスを導入するガス導入口と、を有し、前記第1の方向から見たときに、複数の前記開口部が円周の形状に並んで配置されており、前記ガス導入口が前記円周の形状の中心と重なる位置に配置されていること、を特徴とする。
【0007】
この態様によれば、ガス導入口から各々の開口部までの連通路の長さを等しくできる。そのため、各々の開口部からのガスの吐出力を等しくできる。したがって、安定して対象物が板状部材の第1面上に保持されるので、第1面上でのガスの充填圧を高めて、対象物からの熱引き能力(すなわち、高温の対象物を板状部材側から冷却する能力)を向上できる。なお、板状部材(保持部材)は、例えば、セラミックス部材と金属部材とから構成されるもの、または、セラミックス部材とセラミックス部材とから構成されるものである。
【0008】
上記の態様においては、前記板状部材の内部にて、前記連通路が前記第1の面の面方向に複数延びるように形成される連通路部を有し、前記ガス導入口は、前記連通路部の位置に設けられていること、が好ましい。
【0009】
この態様によれば、板状部材の第2面側から供給されるガスを、板状部材の内部で取り回しながら、連通路部に形成されるガス導入口に供給できる。そのため、板状部材の内部に設けられる他部品(電極など)を避けて、ガス導入口にガスを供給できる。したがって、板状部材の内部の構造に関わらず、確実にガス導入口から連通路を介して開口部に不活性ガスを導入できる。なお、連通路部は、例えば、板状部材を構成するセラミックス部材の内部、または、板状部材を構成する金属部材の内部に形成されている。
【0010】
上記課題を解決するためになされた本開示の他の形態は、第1の面と、第1の方向にて前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面とを備える板状部材であって、前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持部材において、前記第1の面に形成されガスを吐出する開口部と、前記開口部に連通する連通路と、前記連通路に前記ガスを導入するガス導入口と、を有し、前記第1の方向から見たときに、複数の前記開口部が円周の形状に並んで配置されており、前記ガス導入口が前記円周の形状と重なる位置に配置され、単位面積あたりに前記開口部が占める割合が、前記ガス導入口に最も近い前記開口部が形成される位置よりも、前記ガス導入口から最も遠い前記開口部が形成される位置の方が大きいこと、が好ましい。
【0011】
この態様によれば、ガス導入口から最も遠い開口部が形成される位置でもガスの吐出力を確保できる。そのため、ガス導入口に最も近い開口部が形成される位置とガス導入口から最も遠い開口部が形成される位置におけるガスの吐出力の差を抑制できる。したがって、安定して対象物が板状部材の第1面上に保持されるので、第1面上でのガスの充填圧を高めて、対象物からの熱引き能力を向上できる。なお、板状部材(保持部材)は、例えば、セラミックス部材と金属部材とから構成されるもの、または、セラミックス部材とセラミックス部材とから構成されるものである。
【0012】
上記の態様においては、前記第1の方向から見たときに、前記割合は、前記ガス導入口に最も近い前記開口部が形成される位置から、前記円周の形状に沿って、前記ガス導入口から最も遠い前記開口部が形成される位置へ向かうに連れて、大きくなること、が好ましい。
【0013】
この態様によれば、ガス導入口からの距離に関わらず、各々の開口部からのガスの吐出力を確保できる。そのため、各々の開口部からのガスの吐出力の差を抑制できる。したがって、より効果的に、安定して対象物が板状部材の第1面上に保持されるので、第1面上でのガスの充填圧を高めて、対象物からの熱引き能力を向上できる。
【0014】
上記の態様においては、前記割合は、前記開口部の面積により調整されること、が好ましい。
【0015】
この態様によれば、開口部の面積を調整して、開口部からの不活性ガスの吐出力を調整することにより、複数の開口部におけるガスの吐出力の差を抑制できる。
【0016】
上記の態様においては、前記割合は、隣り合う前記開口部の間隔により調整されること、が好ましい。
【0017】
この態様によれば、隣り合う開口部の間隔を調整して、開口部からのガスの吐出力を調整することにより、複数の開口部におけるガスの吐出力の差を抑制できる。
【0018】
上記の態様においては、前記開口部は複数の穴で構成されており、前記割合は、前記穴の密度により調整されること、が好ましい。
【0019】
この態様によれば、穴の密度を調整して、開口部からのガスの吐出力を調整することにより、複数の開口部におけるガスの吐出力の差を抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の保持部材によれば、対象物からの熱引き能力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1,2実施形態の静電チャックの概略斜視図である。
【
図2】第1,2実施形態の静電チャックのXZ側面(一部、断面)の概略構成図である。
【
図3】第1,2実施形態の静電チャックのXY平面の概略構成図である。
【
図4】第1実施形態において、セラミックス部材の保持面のガス孔と、セラミックス部材の内部のガストンネルやガス導入口を、模式的に示した図である。
【
図5】第1実施形態のセラミックス部材の断面図である。
【
図6】第2実施形態の第1実施例において、セラミックス部材の保持面のガス孔と、セラミックス部材の内部のガストンネルやガス導入口を、模式的に示した図である。
【
図7】第2実施形態の第2実施例において、セラミックス部材の保持面のガス孔と、セラミックス部材の内部のガストンネルやガス導入口を、模式的に示した図である。
【
図8】第2実施形態の第3実施例において、セラミックス部材の保持面のガス孔と、セラミックス部材の内部のガストンネルやガス導入口を、模式的に示した図である。
【
図9】従来技術において、セラミックス部材の保持面のガス孔と、セラミックス部材の内部のガストンネルやガス導入口を、模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の保持部材の実施形態について説明する。以下の実施形態においては、本開示の保持部材を、半導体ウエハWを保持する静電チャック1に適用した場合について説明する。
【0023】
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態について説明する。
【0024】
<静電チャックの全体構成>
本実施形態の静電チャック1は、板状部材であって、半導体ウエハW(対象物)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば、半導体製造装置の真空チャンバ内で半導体ウエハWを固定するために使用される。
図1に示すように、静電チャック1は、セラミックス部材10と、ベース部材20と、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する接合層30とを有する。なお、静電チャック1は、本開示の「保持部材」や「板状部材」の一例である。
【0025】
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、
図1に示すようにXYZ軸を定義する。ここで、Z軸は、静電チャック1の軸線方向(
図1において上下方向)の軸であり、X軸とY軸は、静電チャック1の径方向の軸である。
【0026】
セラミックス部材10は、
図1に示すように、円盤状の部材であり、セラミックスにより形成されている。セラミックスとしては、様々なセラミックスが用いられるが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al
2O
3)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合の最も多い成分(例えば、体積含有率が90vol%以上の成分)を意味する。
【0027】
また、セラミックス部材10の直径は、例えば150~300mm程度である。セラミックス部材10の厚さは、例えば2~6mm程度である。なお、セラミックス部材10の熱伝導率は、10~50W/mK(より好ましくは、18~30W/mK)の範囲内が望ましい。
【0028】
図1と
図2に示すように、セラミックス部材10は、半導体ウエハWを保持する保持面11と、セラミックス部材10の厚み方向(Z軸方向、上下方向)について保持面11とは反対側に設けられる下面12とを備えている。なお、Z軸方向は、本開示の「第1の方向」の一例である。また、保持面11は、本開示の「第1の面」の一例である。
【0029】
セラミックス部材10の保持面11は、凹凸形状をなしている。具体的には、保持面11には、
図2と
図3に示すように、その外縁付近に環状の環状凸部13が形成され、環状凸部13の内側に複数の独立した柱状の凸部14が形成されている。このようにして、保持面11には、複数の凸部14のすべてを囲むように配置された環状凸部13が形成されている。なお、環状凸部13は、シールバンドとも呼ばれる。環状凸部13の断面(XZ断面)の形状は、
図2に示すように、略矩形である。環状凸部13の高さ(Z軸方向の寸法)は、例えば、10μm~20μm程度である。また、環状凸部13の幅(X軸方向の寸法)は、例えば、0.5mm~5.0mm程度である。
【0030】
各々の凸部14は、
図3に示すように、Z軸方向視(平面視)で略円形をなしており、略均等間隔で配置されている。また、各々の凸部14の断面(XZ断面)の形状は、
図2に示すように、略矩形である。凸部14の高さは、環状凸部13の高さと略同一であり、例えば、10~20μm程度である。また、凸部14の幅(Z軸方向視での凸部14の最大径)は、例えば、0.5~1.5mm程度である。なお、セラミックス部材10の保持面11における環状凸部13より内側において、凸部14が形成されていない部分は、凹部15となっている。
【0031】
そして、半導体ウエハWは、セラミックス部材10の保持面11における環状凸部13と、複数の凸部14に支持されて、静電チャック1に保持される。半導体ウエハWが静電チャック1に保持された状態では、半導体ウエハWの表面(下面)と、セラミックス部材10の保持面11(詳細には、保持面11の凹部15)との間に、空間Sが存在することとなる(
図2参照)。この空間Sには、
図3に示すガス孔16を介して不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)が供給されるようになっている。なお、ガス孔16は、保持面11に形成される開口部である。
【0032】
また、
図3に示すように、ガス孔16は複数(
図3に示す例では8個)設けられている。そして、各々のガス孔16は、
図3に示すように1つの穴により構成される場合以外にも、複数の穴(例えば、後述する
図8に示す複数の小孔51)から成るガス穴群により構成される場合もある。
【0033】
ベース部材20は、
図1に示すように円柱状に形成されている。このベース部材20は、金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている金属部材であることが好ましいが、金属以外により形成されていてもよい。
【0034】
そして、ベース部材20は、
図1~
図3に示すように、上面21と、ベース部材20の厚み方向(すなわち、Z軸方向)にて上面21とは反対側に設けられる下面22と、を備えている。そして、ベース部材20の上面21は、セラミックス部材10の下面12と、接合層30を介して、熱的に接続されている。なお、下面22は、本開示の「第2の面」の一例である。
【0035】
ベース部材20の直径は、例えば180mm~350mm程度である。また、ベース部材20の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば20mm~50mm程度である。なお、ベース部材20(アルミニウムを想定)の熱伝導率は、セラミックス部材10よりも大きく、180~250W/mK(好ましくは、230W/mK程度)の範囲内が望ましい。
【0036】
接合層30は、セラミックス部材10の下面12とベース部材20との間に配置され、セラミックス部材10とベース部材20とを接合している。この接合層30を介して、セラミックス部材10の下面12とベース部材20とが熱的に接続されている。接合層30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。なお、接合層30の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば0.1~1.0mm程度である。また、接合層30の熱伝導率は、例えば1.0W/mKである。なお、接合層30(シリコーン系樹脂を想定)の熱伝導率は、0.1~2.0W/mK(好ましくは、0.5~1.5W/mK)の範囲内が望ましい。
【0037】
<半導体ウエハからの熱引き能力を向上させるための手段について>
従来技術において、
図9に示すように、複数のガス孔16は円周の形状に並んで周方向に均等な間隔を空けて配置されており、複数のガス孔16の面積(開口面積、孔径)は全て同じにされていた。そして、ガス孔16に連通するガストンネル41に不活性ガスを導入するガス導入口42は、任意のガス孔16の下に設けられていた。そのため、ガス導入口42に近いガス孔16への不活性ガスの供給量が多くなり、そこを起点に静電チャック1の吸着力が低下する状態(すなわち、半導体ウエハWがセラミックス部材10の保持面11に吸着され難くなる状態(デチャック状態))が発生し易かった。
【0038】
そうすると、半導体ウエハWとセラミックス部材10の保持面11との間の密着性が低下して、半導体ウエハWとセラミックス部材10の保持面11との間に存在する空間Sにおける不活性ガスの充填圧を高めることができないおそれがあった。したがって、半導体ウエハWの熱を空間Sに充填される不活性ガスを介してセラミックス部材10の保持面11側から十分に引くことができず、半導体ウエハWの熱引き能力(すなわち、高温の半導体ウエハWをセラミックス部材10側から冷却する能力)が低下するおそれがあった。
【0039】
そこで、本実施形態では、ガス孔16やガストンネル41やガス導入口42を工夫して、静電チャック1の吸着力を向上させる。そして、それにより空間Sにおける不活性ガスの充填圧を高めて、半導体ウエハWからの熱引き能力を向上させる。なお、ガストンネル41は、本開示の「連通路」の一例である。
【0040】
具体的には、
図4に示すように、静電チャック1のセラミックス部材10をZ軸方向の保持面11側から見たとき(以下、単に「静電チャック1を上面視したとき」という。)に、複数のガス孔16が円周の形状に並んで配置されており、ガス導入口42が前記の円周の形状の中心と重なる位置に配置されている。なお、
図4に示すように、複数のガス孔16は周方向に均等な間隔を空けて配置されており、各々のガス孔16の面積(開口面積、孔径)は同じである。
【0041】
ガス孔16の孔径は0.1mm~2.0mmであり、ガス導入口42の孔径は1.0mm~5.0mmである。一例として、ガス孔16の孔径は例えば0.5mmであり、ガス導入口42の孔径は例えば3.0mmである。ガス孔16の数は、
図3や
図4に示す例では8個であるが、特に限定されず、複数であればよく、例えば、12個や24個としてもよい。
【0042】
さらに詳しくは、
図4に示す例では、静電チャック1を上面視したときに、各々の円形のガス孔16の中心16aが、仮想の円周形状CI(
図4にて一点鎖線で示す形状)の上に配置されている。そして、円形の外周形状を有するガス導入口42の中心42aが、仮想の円周形状CIの中心CIaと重なるようにして配置されている。
【0043】
なお、
図4に示す例はあくまでも一例を示しており、各々のガス孔16の中心16aは、
図4に示すように仮想の円周形状CIの上に配置されていなくても、各々のガス孔16のいずれかの部分が仮想の円周形状CIの上に配置されていればよい。また、ガス導入口42の中心42aは、
図4に示すように仮想の円周形状CIの中心CIaと重なるように配置されていなくても、ガス導入口42のいずれかの部分が仮想の円周形状CIの中心CIaと重なるように配置されていればよい。
【0044】
そして、本実施形態では、このようにして複数のガス孔16とガス導入口42を配置したうえで、各々のガス孔16とガス導入口42を接続するように複数のガストンネル41が形成されている。
【0045】
これにより、ガス導入口42から各々のガス孔16までのガストンネル41の長さを等しくできる。そのため、各々のガス孔16からの不活性ガスの吐出力を等しくできる。したがって、安定して半導体ウエハWがセラミックス部材10の保持面11上に保持されるので、保持面11上での不活性ガスの充填圧を高めて、半導体ウエハWからの熱引き能力を向上できる。
【0046】
また、本実施形態では、
図4と
図5に示すように、セラミックス部材10は、当該セラミックス部材10の内部にて、ガストンネル41が保持面11の面方向(
図5の左右方向)に複数延びるように形成されるガストンネル部43を有する。そして、ガス導入口42は、セラミックス部材10の下面12の位置ではなく、ガストンネル部43の位置に設けられている。なお、ガストンネル部43は、本開示の「連通路部」の一例である。また、
図5に示すように、ガス導入口42には、当該ガス導入口42とセラミックス部材10の下面12とに接続するガス導入路44から不活性ガスが供給される。
【0047】
これにより、セラミックス部材10の下面12側から供給される不活性ガスを、例えば、
図5にて破線で示すように形成されるガス導入路44を介して、セラミックス部材10の内部で取り回しながら、ガストンネル部43に形成されるガス導入口42に供給することもできる。そのため、セラミックス部材10の内部に設けられる他部品(電極など)を避けて、ガス導入口42に不活性ガスを供給できる。したがって、セラミックス部材10の内部の構造に関わらず、確実にガス導入口42からガストンネル41を介してガス孔16に不活性ガスを導入できる。
【0048】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と異なる点を説明し、第1実施形態と共通する点の説明を省略する。
【0049】
(第1実施例)
まず、第2実施形態の第1実施例について説明する。本実施例では、
図6に示すように、静電チャック1を上面視したときに、複数のガス孔16が円周の形状に並んで配置されている。
図6に示す例では、各々のガス孔16の中心16aが、円周の形状に並んで(すなわち、仮想の円周形状CIの上に並んで)、周方向に均等な間隔を空けて配置されるようにして、複数のガス孔16が配置されている。
【0050】
そして、
図6に示す例では、複数のガス孔16として、第1ガス孔16-1と第2ガス孔16-2と第3ガス孔16-3と第4ガス孔16-4と第5ガス孔16-5と第6ガス孔16-6と第7ガス孔16-7と第8ガス孔16-8からなる8個のガス孔16が配置されている。ただし、各々のガス孔16の面積は異なっている。例えば、第1ガス孔16-1の孔径は0.2mm、第2ガス孔16-2の孔径は0.5mm、第3ガス孔16-3の孔径は0.7mm、第4ガス孔16-4の孔径は0.8mm、第5ガス孔16-5の孔径は0.9mm、第6ガス孔16-6の孔径は0.8mm、第7ガス孔16-7の孔径は0.7mm、第8ガス孔16-8の孔径は0.5mmとする。
【0051】
また、
図6に示すように、静電チャック1を上面視したときに、ガス導入口42は、前記の円周の形状(すなわち、仮想の円周形状CI)と重なる位置に配置されている。
図6に示す例では、ガス導入口42は、第1ガス孔16-1と重なる位置に配置されている。
【0052】
そして、本実施例では、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1の面積よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5の面積の方が大きくなっている。例えば、第5ガス孔16-5の面積は、第1ガス孔16-1の面積の2倍または3倍の大きさになっている。
【0053】
そして、各々のガス孔16の面積は、第1ガス孔16-1から、円周の形状に沿って、第5ガス孔16-5へ向かうに連れて大きくなっている。すなわち、第1ガス孔16-1から第2ガス孔16-2と第3ガス孔16-3と第4ガス孔16-4と第5ガス孔16-5へと向かうに連れて、各々のガス孔16の面積が大きくなっている。また、第1ガス孔16-1から第8ガス孔16-8と第7ガス孔16-7と第6ガス孔16-6と第5ガス孔16-5へと向かうに連れて、各々のガス孔16の面積が大きくなっている。なお、ガス孔16の面積が大きくなると、ガス孔16につながる穴部(すなわち、ガス孔16とガストンネル41との接続部分の穴部)の体積も大きくなる。
【0054】
このようにして、本実施形態では、静電チャック1を上面視したときに、単位面積あたりにガス孔16が占める割合(すなわち、外周が円形の保持面11をその周方向について複数等分した単位面積あたりにガス孔16が占める割合)は、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置の方が大きくなっている。
【0055】
すなわち、
図6に示すように、まず、例えば、保持面11をその周方向について8等分した単位面積として、第1単位面積11-1と、第2単位面積11-2と、第3単位面積11-3と、第4単位面積11-4と、第5単位面積11-5と、第6単位面積11-6と、第7単位面積11-7と、第8単位面積11-8を想定する。
【0056】
このとき、第1ガス孔16-1の面積よりも第5ガス孔16-5の面積が大きくなっていることから、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置における第1単位面積11-1にてガス孔16(すなわち、第1ガス孔16-1)が占める割合よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置における第5単位面積11-5にてガス孔16(すなわち、第5ガス孔16-5)が占める割合の方が大きくなっている。
【0057】
そして、静電チャック1を上面視したときに、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置から、円周の形状に沿って、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置に向かうに連れて、大きくなっている。
【0058】
すなわち、
図6に示すように、第1ガス孔16-1から第2ガス孔16-2と第3ガス孔16-3と第4ガス孔16-4と第5ガス孔16-5に向かうに連れて、ガス孔16の面積が大きくなっていることから、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、第1単位面積11-1から第2単位面積11-2と第3単位面積11-3と第4単位面積11-4と第5単位面積11-5に向かうに連れて、大きくなっている。また、第1ガス孔16-1から第8ガス孔16-8と第7ガス孔16-7と第6ガス孔16-6と第5ガス孔16-5に向かうに連れて、ガス孔16の面積が大きくなっていることから、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、第1単位面積11-1から第8単位面積11-8と第7単位面積11-7と第6単位面積11-6と第5単位面積11-5に向かうに連れて、大きくなっている。
【0059】
このようにして、本実施例では、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、ガス孔16の面積により調整されている。
【0060】
(第2実施例)
次に、第2実施形態の第2実施例について説明する。本実施例では、
図7に示すように、静電チャック1を上面視したときに、周方向に隣り合うガス孔16同士の間隔δが、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1の位置よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5の位置の方が狭くなっている。なお、
図7に示す例では、各々のガス孔16の中心16aが、円周の形状に並ぶ(すなわち、仮想の円周形状CIの上に並ぶ)ようにして、複数のガス孔16が配置されている。
【0061】
そして、周方向に隣り合うガス孔16同士の間隔δは、第1ガス孔16-1から、円周の形状に沿って、第5ガス孔16-5へ向かうに連れて狭くなっている(δ1>δ2>δ3>δ4)。例えば、間隔δ1は90mm、間隔δ2は80mm、間隔δ3は75mm、間隔δ4は55mmとする。
【0062】
このようにして、本実施例においても、静電チャック1を上面視したときに、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置の方が大きくなっている。
【0063】
すなわち、
図7に示すように、まず、例えば、保持面11をその周方向について4等分した単位面積として、第1単位面積11-1と、第2単位面積11-2と、第3単位面積11-3と、第4単位面積11-4を想定する。
【0064】
このとき、間隔δ1よりも間隔δ3や間隔δ4が狭いことから、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置における第1単位面積11-1にてガス孔16(すなわち、第1ガス孔16-1)が占める割合よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置における第3単位面積11-3にてガス孔16(すなわち、第4ガス孔16-4と第5ガス孔16-5と第6ガス孔16-6)が占める割合の方が大きくなっている。
【0065】
そして、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、第1ガス孔16-1が形成される位置から、円周の形状に沿って、第5ガス孔16-5が形成される位置に向かうに連れて大きくなっている。
【0066】
すなわち、
図7に示すように、間隔δが第1ガス孔16-1から円周の形状に沿って第5ガス孔16-5へ向かうに連れて狭くなっており、ガス孔16が設けられる数は、第1単位面積11-1が1個、第2単位面積11-2が2個、第3単位面積11-3が3個である。そして、これにより、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、第1単位面積11-1から第2単位面積11-2と第3単位面積11-3に向かうに連れて、大きくなっている。
【0067】
また、間隔δが第1ガス孔16-1から円周の形状に沿って第5ガス孔16-5へ向かうに連れて狭くなっており、ガス孔16が設けられる数は、第1単位面積11-1が1個、第4単位面積11-4が2個、第3単位面積11-3が3個である。そして、これにより、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、第1単位面積11-1から第4単位面積11-4と第3単位面積11-3に向かうに連れて、大きくなっている。
【0068】
このようにして、本実施例では、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、隣り合うガス孔16の間隔δにより調整されている。なお、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、隣り合うガス孔16の間隔δと、第1実施例のようなガス孔16の面積との両方により、調整されるとしてもよい。
【0069】
(第3実施例)
次に、第2実施形態の第3実施例について説明する。本実施例では、
図8に示すように、静電チャック1を上面視したときに、ガス孔16は複数の小孔51で構成されている。なお、小孔51は、本開示の「穴」の一例である。そして、1つのガス孔16を構成する小孔51の数が、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5の方が多くなっている。すなわち、1つのガス孔16を構成する複数の小孔51の密度が、第1ガス孔16-1よりも、第5ガス孔16-5の方が高くなっている。小孔51の径は0.1mm~2.0mmであり、1つのガス孔16を構成する小孔51の数は1個~50個である。一例として、小孔51の径は例えば0.3mmであり、1つのガス孔16を構成する小孔51の数は例えば3個~7個である。
【0070】
そして、1つのガス孔16を構成する小孔51の数は、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1から、円周の形状に沿って、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5へ向かうに連れて多くなっている。すなわち、1つのガス孔16を構成する複数の小孔51の密度が、第1ガス孔16-1から、円周の形状に沿って、第5ガス孔16-5へ向かうに連れて高くなっている。
【0071】
このようにして、本実施例においても、静電チャック1を上面視したときに、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置の方が大きくなっている。
【0072】
すなわち、
図8に示すように、1つのガス孔16を構成する複数の小孔51の密度が第1ガス孔16-1よりも第5ガス孔16-5の方が高くなっていることから、第1ガス孔16-1が形成される位置における第1単位面積11-1にて第1ガス孔16-1(詳しくは、第1ガス孔16-1を構成する小孔51)が占める割合よりも、第5ガス孔16-5が形成される位置における第5単位面積11-5にて第5ガス孔16-5(詳しくは、第5ガス孔16-5を構成する小孔51)が占める割合の方が大きくなっている。
【0073】
そして、単位面積あたりにガス孔16(詳しくは、ガス孔16を構成する小孔51)が占める割合が、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置から、円周の形状に沿って、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置に向かうに連れて大きくなっている。
【0074】
すなわち、
図8に示すように、1つのガス孔16を構成する複数の小孔51の密度が第1ガス孔16-1から円周の形状に沿って第5ガス孔16-5に向かうに連れて高くなっており、小孔51が設けられる数は、第1単位面積11-1が3個、第2単位面積11-2が4個、第3単位面積11-3が5個、第4単位面積11-4が6個、第5単位面積11-5が7個である。そして、これにより、単位面積あたりにガス孔16(詳しくは、ガス孔16を構成する小孔51)が占める割合が、第1単位面積11-1から第2単位面積11-2と第3単位面積11-3と第4単位面積11-4と第5単位面積11-5に向かうに連れて、大きくなっている。
【0075】
また、1つのガス孔16を構成する複数の小孔51の密度が第1ガス孔16-1から円周の形状に沿って第5ガス孔16-5に向かうに連れて高くなっており、小孔51が設けられる数は、第1単位面積11-1が3個、第8単位面積11-8が4個、第7単位面積11-7が5個、第6単位面積11-6が6個、第5単位面積11-5が7個である。そして、これにより、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、第1単位面積11-1から第8単位面積11-8と第7単位面積11-7と第6単位面積11-6と第5単位面積11-5に向かうに連れて、大きくなっている。
【0076】
このようにして、本実施例では、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、小孔51の密度により調整されている。
【0077】
(第2実施形態の効果)
以上のように第2実施形態では、静電チャック1を上面視したときに、単位面積あたりにガス孔16が占める割合が、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置よりも、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置の方が大きい。
【0078】
これにより、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置でも不活性ガスの吐出力を確保できる。そのため、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置とガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置における不活性ガスの吐出力の差を抑制できる。したがって、安定して半導体ウエハWがセラミックス部材10の保持面11上に保持されるので、保持面11上での不活性ガスの充填圧を高めて、半導体ウエハWからの熱引き能力を向上できる。
【0079】
そして、静電チャック1を上面視したときに、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、ガス導入口42に最も近い第1ガス孔16-1が形成される位置から、円周の形状に沿って、ガス導入口42から最も遠い第5ガス孔16-5が形成される位置へ向かうに連れて、大きくなる。
【0080】
これにより、ガス導入口42からの距離に関わらず、各々のガス孔16からの不活性ガスの吐出力を確保できる。そのため、各々のガス孔16からの不活性ガスの吐出力の差を抑制できる。したがって、より効果的に、安定して半導体ウエハWがセラミックス部材10の保持面11上に保持されるので、保持面11上での不活性ガスの充填圧を高めて、半導体ウエハWからの熱引き能力を向上できる。
【0081】
そして、第1実施例では、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、ガス孔16の面積により調整される。
【0082】
このようにして、ガス孔16の面積を調整して、ガス孔16からの不活性ガスの吐出力を調整することにより、複数のガス孔16における不活性ガスの吐出力の差を抑制できる。
【0083】
また、第2実施例では、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、隣り合うガス孔16の間隔δにより調整される。
【0084】
このようにして、隣り合うガス孔16の間隔δを調整して、ガス孔16からの不活性ガスの吐出力を調整することにより、複数のガス孔16における不活性ガスの吐出力の差を抑制できる。
【0085】
また、第3実施例では、ガス孔16は複数の小孔51で構成されており、単位面積あたりにガス孔16が占める割合は、小孔51の密度により調整される。
【0086】
このようにして、小孔51の密度を調整して、ガス孔16からの不活性ガスの吐出力を調整することにより、複数のガス孔16における不活性ガスの吐出力の差を抑制できる。
【0087】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【0088】
例えば、ガス孔16は、
図3等では1重の円周の形状に並んで配置されているが、これに限定されず、2重や3重の円周の形状に並んで配置されていてもよい。
【0089】
また、静電チャック1は、セラミックス部材10とベース部材20と接合層30から構成されるものであることに限定されず、セラミックス部材とセラミックス部材と接合層から構成されるものであってもよい。
【0090】
また、ガストンネル部43は、ベース部材20の内部に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 静電チャック
10 セラミックス部材
11 保持面
11-1 第1単位面積
11-2 第2単位面積
11-3 第3単位面積
11-4 第4単位面積
11-5 第5単位面積
11-6 第6単位面積
11-7 第7単位面積
11-8 第8単位面積
12 下面
13 環状凸部
14 凸部
15 凹部
16 ガス孔
16a 中心
16-1 第1ガス孔
16-2 第2ガス孔
16-3 第3ガス孔
16-4 第4ガス孔
16-5 第5ガス孔
16-6 第6ガス孔
16-7 第7ガス孔
16-8 第8ガス孔
20 ベース部材
21 上面
22 下面
30 接合層
41 ガストンネル
42 ガス導入口
42a 中心
43 ガストンネル部
44 ガス導入路
51 小孔
W 半導体ウエハ
S 空間
CI 仮想の円周形状
CIa 中心
δ,δ1,δ2,δ3,δ4 間隔