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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184391
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ドライバ異常判定装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/08 20120101AFI20221206BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20221206BHJP
   B60W 50/12 20120101ALI20221206BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B60W40/08
B60W40/06
B60W50/12
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092205
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 仁希
(72)【発明者】
【氏名】増田 敦
(72)【発明者】
【氏名】巻幡 智明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友哉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光伸
(72)【発明者】
【氏名】及川 和紀
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA70
3D241DC35Z
3D241DD01A
3D241DD02A
3D241DD04A
5H181AA01
5H181BB15
5H181CC04
5H181CC24
5H181FF27
5H181LL09
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】車両の走行状況によってドライバの異常を仮判定する。
【解決手段】ドライバ異常判定装置1は、車両2が走行している車線の区画線Lを検知する区画線検知装置3と、車両2が区画線Lよりも車線中央側に位置する車線維持判定用仮想線を越えていない場合に車線維持と判定し、車両2が車線維持判定用仮想線を越えている場合に車線逸脱と判定する車線逸脱判定部6と、車線逸脱判定部6の判定結果に基づいて車両2のドライバの異常を仮判定するドライバ異常判定部11と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行している車線の区画線を検知する区画線検知装置と、
前記車両が前記区画線よりも車線中央側に位置する車線維持判定用仮想線を越えていない場合に車線維持と判定し、前記車両が前記車線維持判定用仮想線を越えている場合に車線逸脱と判定し、前記区画線検知装置が前記区画線を検知できない場合に未検知と判定する車線逸脱判定部と、
前記車線逸脱判定部の判定結果に基づいて前記車両のドライバの異常を仮判定するドライバ異常判定部と、を備える、
ドライバ異常判定装置。
【請求項2】
前記ドライバ異常判定部は、
前記車線逸脱判定部により前記車線逸脱と判定された場合に、前記ドライバが異常であると仮判定し、
前記車線逸脱判定部による前記車線逸脱の判定に基づいて前記ドライバが異常であると仮判定した後に前記車線逸脱判定部により前記区画線が前記未検知と判定された場合は、前記ドライバが異常であるとの仮判定を継続する、
請求項1に記載のドライバ異常判定装置。
【請求項3】
前記ドライバ異常判定部は、
前記車線逸脱判定部による前記車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えた場合に、前記ドライバが異常であると仮判定し、
前記車線逸脱判定部による前記車線逸脱の判定が前記第一閾値時間を超える前に前記車線逸脱判定部により前記未検知と判定されたとしても、前記車線逸脱判定部による前記未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、前記ドライバが異常であると仮判定する、
請求項2に記載のドライバ異常判定装置。
【請求項4】
前記ドライバ異常判定部は、前記車線逸脱判定部による前記車線逸脱の判定に基づいて前記ドライバが異常であると仮判定した場合は、前記車線逸脱判定部により前記車線維持と判定されるまで、前記ドライバが異常であるとの仮判定を継続する、
請求項1~3の何れか一項に記載のドライバ異常判定装置。
【請求項5】
前記ドライバ異常判定部は、前記車線逸脱判定部による前記車線逸脱の判定に基づいて前記ドライバが異常であると仮判定した後に前記車線逸脱判定部により前記車線維持と判定された場合は、前記ドライバが正常であると判定する、
請求項1~4の何れか一項に記載のドライバ異常判定装置。
【請求項6】
前記車両のウインカーの操作を検知するウインカー操作検知装置を更に備え、
前記ドライバ異常判定部は、前記車線逸脱判定部により前記車線逸脱又は前記未検知と判定されても、前記ウインカー操作検知装置により前記ウインカーの操作が検知された場合は、前記ドライバは正常であると判定する、
請求項1~5の何れか一項に記載のドライバ異常判定装置。
【請求項7】
前記ドライバの状態を検出するドライバ状態検出装置を更に備え、
前記ドライバ異常判定部は、前記車線逸脱判定部により前記車線逸脱又は前記未検知と判定されても、前記ドライバ状態検出装置により検出された前記ドライバの状態が異常条件を満たさない場合は、前記ドライバは正常であると判定する、
請求項1~6の何れか一項2に記載のドライバ異常判定装置。
【請求項8】
前記ドライバ異常判定部により前記ドライバが異常であると仮判定された場合に、前記車両の自動運転制御を行う自動運転制御部を更に備える、
請求項1~7の何れか一項に記載のドライバ異常判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバの異常を仮判定するドライバ異常判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドライバの異常が検知されたときから運転困難状態と判定されるまでの間に、車両の車線逸脱の防止機能を含む運転支援制御を開始する走行制御装置が記載されている。また、特許文献1には、ドライバが正面を向いていない状態及びドライバの目が閉じた状態等を検知すると、ドライバが異常であると仮判定し、このような状態が所定時間継続されると、ドライバが異常であると正式判定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-206339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ドライバの異常は、必ずしもドライバの向きや目の開閉状態のみで表されるものではなく、車両の走行状況によっても表されることもある。
【0005】
そこで、本発明は、車両の走行状況によってドライバの異常を仮判定することができるドライバ異常判定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るドライバ異常判定装置は、車両が走行している車線の区画線を検知する区画線検知装置と、車両が区画線よりも車線中央側に位置する車線維持判定用仮想線を越えていない場合に車線維持と判定し、車両が車線維持判定用仮想線を越えている場合に車線逸脱と判定し、区画線検知装置が区画線を検知できない場合に未検知と判定する車線逸脱判定部と、車線逸脱判定部の判定結果に基づいて車両のドライバの異常を仮判定するドライバ異常判定部と、を備える。
【0007】
ドライバが異常である場合、ドライバは適切に車両を操舵できないため、車両が車線を逸脱する可能性がある。そこで、このドライバ異常判定装置では、車線逸脱を判定する車線逸脱判定部の判定結果に基づいてドライバの異常を仮判定するため、車両の走行状況によってドライバの異常を仮判定することができる。
【0008】
ドライバ異常判定部は、車線逸脱判定部により車線逸脱と判定された場合に、ドライバが異常であると仮判定し、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に車線逸脱判定部により区画線が未検知と判定された場合は、ドライバが異常であるとの仮判定を継続してもよい。このドライバ異常判定装置では、車線逸脱判定部により車線逸脱と判定された場合にドライバが異常であると仮判定することで、車両の走行状況に基づいてドライバの異常を仮判定することができる。一方、車線逸脱判定部は、区画線を検知できた場合にしか車線逸脱を判定することができない。そこで、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に区画線が未検知と判定された場合は、ドライバが異常であるとの仮判定を継続することで、車両が区画線を跨ぎ切る等して区画線を検知できなくなった場合でも、ドライバの異常を仮判定することができる。
【0009】
ドライバ異常判定部は、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えた場合に、ドライバが異常であると仮判定し、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超える前に車線逸脱判定部により未検知と判定されたとしても、車線逸脱判定部による未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、ドライバが異常であると仮判定してもよい。このドライバ異常判定装置では、車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えた場合にドライバが異常であると仮判定することで、区画線検知装置の誤検知による誤仮判定を抑制することができる。また、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超える前に車線逸脱判定部により未検知と判定されたとしても、車線逸脱判定部による未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、ドライバが異常であると仮判定することで、区画線検知装置の誤検知よる誤仮判定を抑制することができる。
【0010】
ドライバ異常判定部は、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した場合は、車線逸脱判定部により車線維持と判定されるまで、ドライバが異常であるとの仮判定を継続してもよい。このドライバ異常判定装置では、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した場合は、車線逸脱判定部により車線維持と判定されるまでドライバが異常であるとの仮判定を継続することで、その後に車線逸脱判定部により未検知と判定されても、ドライバの異常が仮判定されなくなるのを抑制することができる。
【0011】
ドライバ異常判定部は、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に車線逸脱判定部により車線維持と判定された場合は、ドライバが正常であると判定してもよい。このドライバ異常判定装置では、車線逸脱判定部による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に車線逸脱判定部により車線維持と判定された場合は、ドライバが正常であると判定することで、ドライバが異常であるとの仮判定が無用に継続されるのを抑制することができる。
【0012】
車両のウインカーの操作を検知するウインカー操作検知装置を更に備え、ドライバ異常判定部は、車線逸脱判定部により車線逸脱又は未検知と判定されても、ウインカー操作検知装置によりウインカーの操作が検知された場合は、ドライバは正常であると判定してもよい。ウインカーが操作されると、ドライバの意志により車線変更を行うものと考えられる。そこで、このドライバ異常判定装置では、車線逸脱判定部により車線逸脱又は未検知と判定されても、ウインカー操作検知装置によりウインカーの操作が検知された場合は、ドライバは正常であると判定することで、不要なドライバの異常仮判定を抑制することができる。
【0013】
ドライバの状態を検出するドライバ状態検出装置を更に備え、ドライバ異常判定部は、車線逸脱判定部により車線逸脱又は未検知と判定されても、ドライバ状態検出装置により検出されたドライバの状態が異常条件を満たさない場合は、ドライバは正常であると判定してもよい。ドライバの状態が正常である場合は、車両が車線を逸脱しても、それはドライバが意識的に行ったものと考えられる。そこで、このドライバ異常判定装置では、車線逸脱判定部により車線逸脱又は未検知と判定されても、ドライバ状態検出装置により検出されたドライバの状態が異常条件を満たさない場合は、ドライバは正常であると判定することで、不要なドライバの異常仮判定を抑制することができる。
【0014】
ドライバ異常判定部によりドライバが異常であると仮判定された場合に、車両の自動運転制御を行う自動運転制御部を更に備えてもよい。このドライバ異常判定装置では、ドライバ異常判定部によりドライバが異常であると仮判定された場合に、自動運転制御部が車両の自動運転制御を行うことで、ドライバ異常時に適切に車両を走行させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両の走行状況によってドライバの異常を仮判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係るドライバ異常判定装置を示すブロック構成図である。
図2】車両と区画線との位置関係を説明するための図である。
図3】車両の走行状況の一例を示す模式図。
図4】車両の走行状況の一例を示す模式図。
図5】車両の走行状況の一例を示す模式図。
図6】車線逸脱判定部の処理動作を示すフローチャートである。
図7】ドライバ異常判定部の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、実施形態に係るドライバ異常判定装置を示すブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るドライバ異常判定装置1は、車両2に搭載されて、ドライバの異常の正式判定に先立つ、ドライバの異常を仮判定する装置である。ドライバ異常判定装置1は、ドライバの異常を仮判定した後に、ドライバの異常を正式判定してもよい。ドライバ異常判定装置1は、区画線検知装置3と、ウインカー操作検知装置4と、ドライバ状態検出装置5と、車線逸脱判定部6と、ドライバ異常時処理部7と、制動装置8と、警報装置9と、を備える。
【0019】
図2は、車両と区画線との位置関係を説明するための図である。図1及び図2に示すように、区画線検知装置3は、車両2が走行している車線を区画する区画線Lを検知する。区画線検知装置3が検知する区画線Lとして、車両2の右方に位置する区画線Lと、車両2の左方に位置する区画線Lとがある。区画線検知装置3は、車両2の右方に位置する区画線L及び車両2の左方に位置する区画線Lの双方を検知するものであるが、車両2の右方に位置する区画線L又は車両2の左方に位置する区画線Lの何れか一方を検知するものであってもよい。区画線検知装置3による区画線Lの検知は、例えば、車両2の前方を撮像するカメラの計測結果を解析することにより行うことができる。
【0020】
ウインカー操作検知装置4は、車両2のウインカー(不図示)の操作を検知する。ウインカー操作検知装置4によるウインカーの操作は、例えば、ウインカーレバーに取り付けられてウインカーレバーの動きを検出するセンサの検出結果を解析することにより行うことができる。
【0021】
ドライバ状態検出装置5は、車両2のドライバの状態を検出する。ドライバ状態検出装置5は、ドライバが異常であるか否かを判定するための、ドライバの状態を検出する。このようなドライバの状態としては、例えば、ドライバの頭部の位置、ドライバの顔の向き、ドライバの姿勢、ドライバの眼の開閉状態等が挙げられる。ドライバ状態検出装置5は、例えば、ドライバを撮像するカメラを有する。ドライバ状態検出装置は、カメラの撮像画像を解析することにより、ドライバの頭部の位置、ドライバの顔の向き、ドライバの姿勢、ドライバの眼の開閉状態等のドライバの状態を取得する。そして、ドライバ状態検出装置5は、検出したドライバの状態をドライバ異常時処理部7に出力する。
【0022】
車線逸脱判定部6は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニット(ECU)である。車線逸脱判定部6では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。車線逸脱判定部6は、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
【0023】
車線逸脱判定部6は、区画線検知装置3による区画線Lの検知結果等に基づいて、車両2の車線逸脱を判定する。つまり、車線逸脱判定部6は、区画線検知装置3による区画線Lの検知結果に基づいて、車両2が車線から逸脱していない車線維持、車両2が車線から逸脱している車線逸脱、区画線検知装置3が区画線Lを検知できない未検知、の何れであるかを判定する。そして、車線逸脱判定部6は、これらの判定結果をドライバ異常時処理部7に出力する。なお、車線逸脱判定部6は、所定の車速以上の場合に車線逸脱を判定してもよいが、全車速域において車線逸脱を判定することが好ましい。
【0024】
まず、車線逸脱判定部6は、区画線検知装置3による区画線Lの検知結果に基づいて、車両2と車線維持判定用仮想線VLとの位置関係を求める。車線維持判定用仮想線VLは、車両2の車線逸脱を判定するための仮想線であり、区画線Lよりも車線中央側に位置する仮想線である。区画線Lと車線維持判定用仮想線VLとの離間距離は、適宜設定され、例えば、車線維持判定用仮想線VLに到達した車両2がこのまま走行し続けると短時間で区画線Lに到達すると予想される距離である。車線逸脱判定部6は、車両2の右方に位置する車線維持判定用仮想線VLとの位置関係と、車両2の左方に位置する車線維持判定用仮想線VLとの位置関係と、を求める。車両2と車線維持判定用仮想線VLとの位置関係としては、例えば、車両2の区画線Lに最も近い前輪の外側と、車線維持判定用仮想線VLと、の位置関係を求める。
【0025】
そして、車線逸脱判定部6は、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていない場合に車線維持と判定する。つまり、車線逸脱判定部6は、車両2が、車両2の右方に位置する車線維持判定用仮想線VL及び車両2の左方に位置する車線維持判定用仮想線VLの双方を越えていない場合に、車線維持と判定する。車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていない場合とは、例えば、車両2の区画線Lに最も近い前輪の外側が、車線維持判定用仮想線VLを越えていない場合を言う。
【0026】
一方、車線逸脱判定部6は、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えた場合に車線逸脱と判定する。つまり、車線逸脱判定部6は、車両2が、車両2の右方に位置する車線維持判定用仮想線VL又は車両2の左方に位置する車線維持判定用仮想線VLを越えた場合に、車線逸脱と判定する。車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えた場合とは、例えば、車両2の区画線Lに最も近い前輪の外側が、車線維持判定用仮想線VLを越えた場合を言う。なお、車線逸脱判定部6は、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えても、ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知された場合は、未検知と判定してもよい。
【0027】
区画線検知装置3が区画線を検知できない場合は、車線逸脱判定部6は、車線維持か車線逸脱かを判定することができない。そこで、車線逸脱判定部6は、区画線検知装置3が区画線Lを検知できない場合に未検知と判定する。
【0028】
ドライバ異常時処理部7は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニット(ECU)である。ドライバ異常時処理部7では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。ドライバ異常時処理部7は、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。ドライバ異常時処理部7は、ドライバ異常判定部11と、自動運転制御部12と、を備える。なお、ドライバ異常判定部11及び自動運転制御部12は、同じ電子制御ユニットにより構成されていてもよく、異なる電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
【0029】
ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6の判定結果、ウインカー操作検知装置4によるウインカーの操作の検知結果、ドライバ状態検出装置5によるドライバの異常の判定結果等に基づいて車両2のドライバの異常を仮判定する。ドライバの異常とは、車両2の運転に支障が生じるようなドライバの異常をいう。
【0030】
ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバの異常を仮判定する。ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線維持と判定された場合に、ドライバが正常であると判定する。一方、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線逸脱と判定された場合に、ドライバが異常であると仮判定する。そして、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に車線逸脱判定部6により未検知と判定された場合は、ドライバが異常であるとの仮判定を継続する。更に、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した場合は、車両2が車線に戻って車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えなくなり、車線逸脱判定部6により車線維持と判定されるまで、ドライバが異常であるとの仮判定を継続する。そして、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に車線逸脱判定部6により車線維持と判定された場合は、ドライバが正常であると判定する。
【0031】
車両2が車線に戻って車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えなくなったか否かは、例えば、車線逸脱判定部6による判定が車線維持→車線逸脱→未検知→車線維持の順に遷移したか否かにより判定することができる。つまり、車線逸脱判定部6による判定がこの順に遷移した場合は、車両2が車線に戻って車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えなくなったと判定することができる。この場合、未検知から車線位置への遷移の間に車線逸脱の判定が入った場合も、車両2が車線に戻って車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えなくなったと判定してもよい。
【0032】
より具体的に説明すると、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えた場合に、ドライバが異常であると仮判定する。第一閾値時間は、適宜設定され、例えば2秒以上5秒以下の時間である。また、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超える前に車線逸脱判定部6により未検知と判定されたとしても、車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、ドライバが異常であると仮判定する。つまり、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線逸脱と判定されたが、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超える前に車線逸脱判定部6により未検知と判定され、車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、ドライバが異常であると仮判定する。第二閾値時間は、適宜設定され、例えば、1秒以上4秒以下の時間である。そして、ドライバ異常判定部11は、ドライバが異常であると仮判定すると、車線逸脱判定部6により車線維持と判定されるまでドライバが異常であるとの仮判定を継続し、車線逸脱判定部6により車線維持と判定されると、ドライバが正常であると判定する。
【0033】
また、また、ドライバ異常判定部11は、ドライバの異常を仮判定した後に、所定の正式判定条件が成立すると、ドライバの異常を正式判定する。正式判定条件は、ドライバの異常を正式判定するための条件である。正式判定条件としては、例えば、ドライバの異常の仮判定が所定時間以上継続し、かつ、ドライバ状態検出装置5により検出されたドライバの状態が所定の異常条件を満たす時間が所定時間以上継続する、等である。異常条件は、ドライバが異常であるか否かを判定するための条件である。異常条件としては、例えば、ドライバの頭部の位置が所定範囲内に無いこと、ドライバの顔の向きが所定範囲内に無いこと、ドライバの姿勢が所定範囲内に無いこと、ドライバの眼が所定時間以上閉ざされていること、等が挙げられる。
【0034】
ここで、図3図5を参照して、車両の走行状況に応じたドライバの異常仮判定の例について説明する。図3図5は、車両の走行状況の一例を示す模式図である。
【0035】
図3の例では、(a)は、車両2が車線中央を走行している走行状況、(b)は、(a)の後に車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えて区画線Lを跨いでいる走行状況、(c)は、(b)の後に車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えない位置に戻ってきている走行状況、をそれぞれ示している。この例では、(a)及び(c)においては、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていないため、車線逸脱判定部6は車線維持と判定し、ドライバ異常判定部11はドライバが正常であると判定する。(b)においては、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えているため、車線逸脱判定部6は車線逸脱と判定し、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えると、ドライバ異常判定部11はドライバが異常であると仮判定する。
【0036】
図4の例では、(d)は、車両2が車線中央を走行している走行状況、(e)は、(d)の後に車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えた位置を車両2が走行している走行状況、(f)は、(e)の後に車両2が区画線Lを跨いでいる走行状況、(g)は、(f)の後に車両2が区画線Lを跨ぎ切って区画線検知装置3が区画線Lを検知できない走行状況、をそれぞれ示している。この例では、(d)においては、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていないため、車線逸脱判定部6は車線維持と判定し、ドライバ異常判定部11はドライバが正常であると判定する。(e)及び(f)においては、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えているため、車線逸脱判定部6は車線逸脱と判定し、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えると、ドライバ異常判定部11はドライバが異常であると仮判定する。(g)においては、区画線検知装置3が区画線Lを検知できないため、車線逸脱判定部6は未検知と判定する。このとき、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超える前に(e)及び(f)から(g)に遷移し、車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、ドライバが異常であると仮判定する。また、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に(e)及び(f)から(g)に遷移し、車線逸脱判定部6により未検知と判定された場合は、ドライバが異常であるとの仮判定を継続する。
【0037】
図5の例では、(h)は、車両2が車線中央を走行している走行状況、(i)は、(h)の後に車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えて区画線Lを跨いでいる走行状況、(j)は、(i)の後に車両2が区画線Lを跨ぎ切って区画線検知装置3が区画線Lを検知できない走行状況、(k)は、(j)の後に車両2が車線中央に戻ってきている走行状況、をそれぞれ示している。(h)においては、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていないため、車線逸脱判定部6は車線維持と判定し、ドライバ異常判定部11はドライバが正常であると判定する。(i)においては、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えているため、車線逸脱判定部6は車線逸脱と判定し、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えると、ドライバ異常判定部11はドライバが異常であると仮判定する。(j)においては、区画線検知装置3が区画線Lを検知できないため、車線逸脱判定部6は未検知と判定する。このとき、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超える前に(i)から(j)に遷移し、車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、ドライバが異常であると仮判定する。また、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に(i)から(j)に遷移し、車線逸脱判定部6により未検知と判定された場合は、ドライバが異常であるとの仮判定を継続する。(k)においては、車両2が車線に戻ってきて車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていないため、車線逸脱判定部6は車線維持と判定し、ドライバ異常判定部11はドライバが正常であると判定する。
【0038】
ところで、車両2が車線を逸脱する場合として、ドライバが車線変更を行う場合が考えられる。このとき、ドライバは、ウインカーを操作して車線変更を行う。そこで、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線逸脱又は未検知と判定されても、ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知された場合は、ドライバは正常であると判定する。
【0039】
また、車両2が車線を逸脱する場合として、ドライバが障害物等を避けるために車線を跨ぐ場合が考えられる。このとき、ドライバは、車両2の運転に支障が生じるような異常な状態ではなく、正常な状態であると考えられる。そこで、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線逸脱又は未検知と判定されても、ドライバ状態検出装置5により検出されたドライバの状態が異常条件を満たさない場合は、ドライバが正常であると判定する。
【0040】
自動運転制御部12は、ドライバ異常判定部11によりドライバが異常であると仮判定された場合に、車両2の自動運転制御を行う。自動運転制御部12による車両2の自動運転制御は、例えば、車両2を減速して停車させる非常停車制御等である。また、自動運転制御部12は、ドライバ異常判定部11によりドライバが異常であると正式判定された場合も、車両2の自動運転制御を行う。なお、自動運転制御部12は、ドライバ異常判定部11によりドライバが異常であると仮判定されても、車両2の自動運転制御を行わず、ドライバ異常判定部11によりドライバが異常であると正式判定されて初めて、車両2の自動運転制御を行ってもよい。
【0041】
制動装置8は、自動運転制御部12の指示に基づいて、車両2のブレーキを作動させる。制動装置8は、例えば、ブレーキを作動させるブレーキアクチュエータである。
【0042】
警報装置9は、自動運転制御部12の指示に基づいて車両2の灯火器/表示器/警笛の制御を行う。例えば、ブレーキランプの作動、ハザードランプの作動、メーター表示、ホーン吹鳴等である。
【0043】
次に、図6及び図7を参照して、ドライバ異常判定装置1の処理動作の一例について説明する。図6は、車線逸脱判定部6の処理動作を示すフローチャートである。図7は、ドライバ異常判定部11の処理動作を示すフローチャートである。図6及び図7に示す処理は、車両2がスターターキーONされてからスターターキーOFFされるまで繰り返し行われる。
【0044】
図6に示すように、車線逸脱判定部6は、区画線検知装置3が区画線Lを検知したか否かを判定する(ステップS1)。区画線検知装置3が区画線Lを検知していないと判定した場合(ステップS1:NO)、車線逸脱判定部6は、未検知と判定し(ステップS2)、一旦処理を終了する。
【0045】
区画線検知装置3が区画線Lを検知したと判定した場合(ステップS1:YES)、車線逸脱判定部6は、ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知されたか否かを判定する(ステップS3)。ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知されたと判定した場合(ステップS3:YES)、車線逸脱判定部6は、未検知と判定し(ステップS2)、一旦処理を終了する。
【0046】
ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知されていないと判定した場合(ステップS3:NO)、車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えているか否かを判定する(ステップS4)。車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていないと判定した場合(ステップS4:NO)、車線逸脱判定部6は、車線維持と判定し(ステップS5)、一旦処理を終了する。
【0047】
車両2が車線維持判定用仮想線VLを越えていると判定した場合(ステップS4:YES)、車線逸脱判定部6は、車線逸脱と判定し(ステップS6)、一旦処理を終了する。
【0048】
図7に示すように、ドライバ異常判定部11は、ドライバ状態検出装置5が検出したドライバの状態が所定の異常条件を満たすか否かを判定する(ステップS11)。ドライバの状態が所定の異常条件を満たさないと判定した場合(ステップS11:NO)、ドライバ異常判定部11は、ドライバが正常と判定し(ステップS12)、一旦処理を終了する。
【0049】
ドライバの状態が所定の異常条件を満たすと判定した場合(ステップS11:YES)、ドライバ異常判定部11は、ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知されたか否かを判定する(ステップS13)。ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知されたと判定した場合(ステップS13:YES)、ドライバ異常判定部11は、ドライバが正常と判定し(ステップS12)、一旦処理を終了する。
【0050】
ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知されていないと判定した場合(ステップS13:NO)、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線維持と判定されたか否かを判定する(ステップS14)。車線逸脱判定部6により車線維持と判定されたと判定した場合(ステップS14:YES)、ドライバ異常判定部11は、ドライバが正常と判定し(ステップS12)、一旦処理を終了する。
【0051】
車線逸脱判定部6により車線維持と判定されていないと判定した場合(ステップS14:NO)、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えているか否かを判定する(ステップS15)。車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えていると判定した場合(ステップS15:YES)、ドライバ異常判定部11は、ドライバが異常であると仮判定する(ステップS16)。
【0052】
車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えていないと判定した場合(ステップS15:NO)、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線逸脱と判定された後、車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えているか否かを判定する(ステップS17)。車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えていないと判定した場合(ステップS17:NO)、ドライバ異常判定部11は、ドライバが正常と判定し(ステップS12)、一旦処理を終了する。
【0053】
車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えていると判定した場合(ステップS17:YES)、ドライバ異常判定部11は、ドライバが異常であると仮判定する(ステップS16)。
【0054】
なお、自動運転制御部12は、ドライバが異常であると仮判定された場合(ステップS16)に自動運転制御を実行してもよい。また、自動運転制御部12は、ドライバが異常であると仮判定された場合(ステップS16)に自動運転制御を実行せずに、その後にドライバが異常であると正式判定された場合に自動運転制御を実行してもよい。
【0055】
ドライバが異常であると仮判定すると(ステップS16)、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線維持と判定されたか否かを判定する(ステップS18)。そして、ドライバ異常判定部11は、車線逸脱判定部6により車線維持と判定されるまで、ドライバが異常であるとの仮判定を維持する(ステップS18:NO)。
【0056】
車線逸脱判定部6により車線維持と判定されたと判定すると(ステップS18:YES)、ドライバ異常判定部11は、ドライバが正常であると判定し(ステップS12)、一旦処理を終了する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係るドライバ異常判定装置1では、車線逸脱を判定する車線逸脱判定部6の判定結果に基づいてドライバの異常を仮判定するため、車両2の走行状況によってドライバの異常を仮判定することができる。
【0058】
また、車線逸脱判定部6により車線逸脱と判定された場合にドライバが異常であると仮判定することで、車両2の走行状況に基づいてドライバの異常を仮判定することができる。一方、車線逸脱判定部6は、区画線を検知できた場合にしか車線逸脱を判定することができない。そこで、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に区画線Lが未検知と判定された場合は、ドライバが異常であるとの仮判定を継続することで、車両2が区画線Lを跨ぎ切る等して区画線Lを検知できなくなった場合でも、ドライバの異常を仮判定することができる。
【0059】
また、車線逸脱の判定が第一閾値時間を超えた場合にドライバが異常であると仮判定することで、区画線検知装置3の誤検知による誤仮判定を抑制することができる。また、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定が第一閾値時間を超える前に車線逸脱判定部6により未検知と判定されたとしても、車線逸脱判定部6による未検知の判定が第二閾値時間を超えた場合は、ドライバが異常であると仮判定することで、区画線検知装置3の誤検知よる誤仮判定を抑制することができる。
【0060】
また、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した場合は、車線逸脱判定部6により車線維持と判定されるまでドライバが異常であるとの仮判定を継続することで、その後に車線逸脱判定部6により未検知と判定されても、ドライバの異常が仮判定されなくなるのを抑制することができる。
【0061】
また、車線逸脱判定部6による車線逸脱の判定に基づいてドライバが異常であると仮判定した後に車線逸脱判定部6により車線維持と判定された場合は、ドライバが正常であると判定することで、ドライバが異常であるとの仮判定が無用に継続されるのを抑制することができる。
【0062】
また、車線逸脱判定部6により車線逸脱又は未検知と判定されても、ウインカー操作検知装置4によりウインカーの操作が検知された場合は、ドライバは正常であると判定することで、不要なドライバの異常仮判定を抑制することができる。
【0063】
また、車線逸脱判定部6により車線逸脱又は未検知と判定されても、ドライバ状態検出装置5により検出されたドライバの状態が異常条件を満たさない場合は、ドライバは正常であると判定することで、不要なドライバの異常仮判定を抑制することができる。
【0064】
また、ドライバ異常判定部11によりドライバが異常であると仮判定された場合に、自動運転制御部12が車両2の自動運転制御を行うことで、ドライバ異常時に適切に車両2を走行させることができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…ドライバ異常判定装置、2…車両、3…区画線検知装置、4…ウインカー操作検知装置、5…ドライバ状態検出装置、6…車線逸脱判定部、7…ドライバ異常時処理部、8…制動装置、9…警報装置、11…ドライバ異常判定部、12…自動運転制御部、L…区画線、VL…車線維持判定用仮想線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7