(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184473
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】測定装置、測定システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 17/87 20200101AFI20221206BHJP
G06T 17/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G01S17/87
G06T17/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092349
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】石森 彰
【テーマコード(参考)】
5B080
5J084
【Fターム(参考)】
5B080AA00
5B080AA19
5B080BA01
5B080DA06
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA13
5J084AB01
5J084AC02
5J084AC07
5J084AD01
5J084BA48
5J084CA65
5J084EA40
(57)【要約】
【課題】複数の測定装置により点群データを取得する場合において、位置情報取得サービスを用いなくても各測定装置の位置関係を特定する。
【解決手段】測定装置1は、空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置1を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサ2と、空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置1が備える前記センサ2が取得した点群データに基づいて特定する位置特定部3と、特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置1の前記センサ2が取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理部4とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置であって、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサと、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定部と、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理部と
を有する測定装置。
【請求項2】
前記他装置には、所定の形状のマーカが取り付けられており、
前記測定装置は、
前記測定装置の前記センサが取得した点群データにより表される物体の形状と前記マーカの前記所定の形状とを比較することにより、前記他装置の前記マーカについての点群データを抽出する他装置データ抽出部を
さらに有し、
前記位置特定部は、抽出された点群データに基づいて前記他装置の位置を特定する
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記測定装置には、前記マーカが取り付けられており、
前記測定装置は、
複数の前記他装置についての点群データが抽出された場合に、抽出された点群データから得られるマーカ距離情報と、前記他装置の前記センサが取得した点群データから得られるマーカ距離情報とを比較することにより、抽出された点群データと前記他装置とを対応付ける他装置識別部を
さらに有する請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記他装置には、2つの前記マーカが取り付けられており、
前記測定装置は、
前記測定装置の前記センサが取得した点群データから特定される2つの前記マーカの座標に基づいて、当該他装置の姿勢を特定する姿勢特定部を
さらに有し、
前記合成処理部は、特定された姿勢にも基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する
請求項2又は3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定装置は、
前記他装置から、当該他装置に設けられたジャイロセンサの出力データを取得するジャイロデータ取得部を
さらに有し、
前記姿勢特定部は、さらに前記ジャイロセンサの出力データを用いて、前記他装置の姿勢を特定する
請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記測定装置は、
前記他装置データ抽出部により点群データが抽出された前記他装置の数が、前記他装置の総数に満たない場合、前記他装置データ抽出部により点群データが抽出された前記他装置から、前記他装置データ抽出部により点群データが抽出されなかった前記他装置の位置情報を取得する不足情報取得部を
さらに有する請求項2乃至4のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記センサは、LiDAR(Light Detection and Ranging)装置である
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項8】
一つのマスター測定装置と、
一つ以上のスレーブ測定装置と
を備え、
前記スレーブ測定装置は、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記スレーブ測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを
有し、
前記マスター測定装置は、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記マスター測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサと、
前記スレーブ測定装置の位置を、前記マスター測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定部と、
特定された前記スレーブ測定装置の位置に基づいて、前記マスター測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記スレーブ測定装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理部と
を有する
測定システム。
【請求項9】
測定装置の制御方法であって、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを前記測定装置が備えるセンサにより取得し、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定し、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する
制御方法。
【請求項10】
測定装置のコンピュータが用いるプログラムであって、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを前記測定装置が備えるセンサにより取得するステップと、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定ステップと、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理ステップと
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定装置、測定システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LiDAR(Light Detection and Ranging)に関する技術の開発及び研究が盛んに行われている。例えば、特許文献1はLiDARによってターゲットオブジェクトを検出し、かつ、自律的にトラッキングする技術について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のLiDAR装置で取得した点群データを合成する際、各LiDAR装置間の相対位置情報に基づいて点群データの座標変換が行われる。このため、各LiDAR装置の相対距離は事前に計測しておく必要がある。室内等のようにGPS(Global Positioning System)などの位置情報取得サービスが使用できない環境では、各LiDAR装置の位置関係の特定が手作業による測定によって行われる場合がある。この場合、位置関係の精度及び位置関係を得るまでに要する時間が作業者に依存してしまう。
【0005】
そこで、本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、複数の測定装置により点群データを取得する場合において、位置情報取得サービスを用いなくても各測定装置の位置関係を特定することができる測定装置、測定システム、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様にかかる測定装置は、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサと、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定部と、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理部と
を有する。
【0007】
第2の態様にかかる測定システムは、
一つのマスター測定装置と、
一つ以上のスレーブ測定装置と
を備え、
前記スレーブ測定装置は、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記スレーブ測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを
有し、
前記マスター測定装置は、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記マスター測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサと、
前記スレーブ測定装置の位置を、前記マスター測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定部と、
特定された前記スレーブ測定装置の位置に基づいて、前記マスター測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記スレーブ測定装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理部と
を有する。
【0008】
第3の態様にかかる測定装置の制御方法では、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを前記測定装置が備えるセンサにより取得し、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定し、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する。
【0009】
第4の態様にかかるプログラムは、
測定装置のコンピュータが用いるプログラムであって、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを前記測定装置が備えるセンサにより取得するステップと、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定ステップと、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理ステップと
を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上述の態様によれば、複数の測定装置により点群データを取得する場合において、位置情報取得サービスを用いなくても各測定装置の位置関係を特定することができる測定装置、測定システム、制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態の概要にかかる測定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる測定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】マスター測定装置及びスレーブ測定装置の正面の外観を示す模式図である。
【
図4】マーカの設置位置について説明する模式図である。
【
図5】実施の形態1にかかるマスター測定装置の制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態1にかかるスレーブ測定装置の制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】マスター測定装置の制御装置及びスレーブ測定装置の制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態1にかかる測定システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図9】マスター測定装置のLiDAR装置による測定を模式的に示した図である。
【
図10】実施の形態2にかかるスレーブ測定装置の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】実施の形態2にかかる測定システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態の概要>
実施の形態の詳細な説明に先立って、実施の形態の概要を説明する。
図1は、実施の形態の概要にかかる測定装置1の構成の一例を示すブロック図である。測定装置1は、点群データを取得する他の測定装置(他装置)とともに用いられる。すなわち、測定装置1は、同一空間における点群データを取得する複数の測定装置のうちの一つである。なお、測定装置1及び他装置は、空間内に存在する物体を異なる方向からスキャンするために、分散して配置される。
図1に示すように、測定装置1は、センサ2と、位置特定部3と、合成処理部4とを有する。
【0013】
センサ2は、空間に存在する物体の表面の複数箇所についての座標を表す点群データを取得するセンサである。なお、センサ2が取得する点群データにより表される座標は、測定装置1を基準とした3次元座標系における座標である。
【0014】
位置特定部3は、空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた当該他装置の位置を、測定装置1が備えるセンサ2が取得した点群データに基づいて特定する。なお、測定装置1のセンサ2及び他装置のセンサは、具体的には例えばLiDAR装置である。位置特定部3は、具体的には、測定装置1の測定原点(測定装置1が用いる座標系の原点)からの他装置の測定原点(他装置が用いる座標系の原点)の相対位置を特定する。
【0015】
合成処理部4は、位置特定部3により特定された他装置の位置に基づいて、測定装置1のセンサ2が取得した点群データと、他装置のセンサが取得した点群データとを合成する。具体的には、合成処理部4は、他装置の位置に基づいて定まる座標変換処理を行うことにより、測定装置1及び他装置の点群データを合成する。これにより、空間内に存在する物体を様々な方向からスキャンした点群データの集合が得られる。
【0016】
測定装置1によれば、測定のために元々備えているセンサ2の出力を用いて、測定装置間の位置関係の特定が行われる。このため、測定装置1によれば、複数の測定装置により点群データを取得する場合において、位置情報取得サービスを用いなくても各測定装置の位置関係を特定することができる。
【0017】
<実施の形態1>
図2は、実施の形態1にかかる測定システム10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示した測定システム10は、一例として、マスター測定装置100と、スレーブ測定装置200_1、200_2及び200_3とを有する。なお、
図2に示した例では、測定システム10は、3台のスレーブ測定装置を備えているが、スレーブ測定装置の台数は1以上であればよい。マスター測定装置100、スレーブ測定装置200_1、200_2及び200_3は、無線により通信可能に接続されている。
図2に示すように、マスター測定装置100、スレーブ測定装置200_1、200_2及び200_3は、空間内に存在する物体を異なる方向からスキャンするために、分散して配置される。なお、測定装置間の距離は、後述する1対のマーカ153A、153Bの離間距離に比べて十分に大きい。以下の説明では、スレーブ測定装置200_1、200_2及び200_3について、特に区別して言及しない場合には、スレーブ測定装置200と称すこととする。マスター測定装置100は、実施の形態の概要の説明で言及した測定装置1に対応している。また、スレーブ測定装置200は、実施の形態の概要の説明で言及した他装置に対応している。
【0018】
図3は、マスター測定装置100及びスレーブ測定装置200の正面の外観を示す模式図である。
図2及び
図3に示すように、マスター測定装置100及びスレーブ測定装置200は、台座150の上にLiDAR装置151と、ジャイロセンサ152を備える。LiDAR装置151は、3次元空間に存在する物体までの距離を測定するセンサであり、実施の形態の概要の説明で言及したセンサに相当する。LiDAR装置151は、ビームを射出し、物体により反射したビームがLiDAR装置151に届くまでの時間により物体までの距離を測定する。ビームは、様々な方向に射出される。ビームの角度(水平角度及び垂直角度)と、測定された距離とによって、測定された点の座標が定まることとなる。すなわち、LiDAR装置151によって、空間に存在する物体の表面の複数箇所についての測定装置(より詳細にはLiDAR装置151の測定原点)を基準とした3次元座標系における座標、つまり点群データが得られる。ジャイロセンサ152は、ジャイロセンサ152が搭載された測定装置についてロール角、ピッチ角、及びヨー角を検出する。
【0019】
また、マスター測定装置100及びスレーブ測定装置200には、所定の形状の2つのマーカ153A及びマーカ153Bが取り付けられている。
図3に示した構成例では、マーカ153Aは、台座150上に立てられたポール154Aの上部に設けられている。同様に、マーカ153Bは、台座150上に立てられたポール154Bの上部に設けられている。マーカ153A及びマーカ153Bは、それぞれ異なる所定の位置に設けられている。本実施の形態では、
図4に示すように、マーカ153Aとマーカ153Bとを結ぶ線分の中点にLiDAR装置151の測定原点Oが来るように、マーカ153A及びマーカ153Bが設けられている。このようにすることで、マーカ153A及びマーカ153Bの位置から、測定原点の位置を容易に算出することが可能となる。ただし、マーカ153A及びマーカ153Bのこのような設置位置は例に過ぎず、他の位置に設けられてもよい。すなわち、測定原点とマーカ153Aとマーカ153Bの相対的な位置関係が特定可能であればよく、マーカ153A及びマーカ153Bの設置位置は
図4に示したような位置に限られない。なお、マスター測定装置100及び各スレーブ測定装置200において、マーカ153Aの設置位置は同じである。同様に、マスター測定装置100及び各スレーブ測定装置200において、マーカ153Bの設置位置は同じである。
【0020】
マーカ153Aは、第1の形状を有する物体であり、マーカ153Bは、第2の形状を有する物体である。本実施の形態では、点群データにより示される形状からマーカ153A及びマーカ153Bの位置が特定されるため、マーカ153A及びマーカ153Bの形状は特徴的な形状であることが好ましい。なお、図に示した例では、マーカ153Aの形状は球であり、マーカ153Bの形状は四角柱である。なお、図に示したように、マーカ153Aとマーカ153Bを形状により区別が可能になるように、マーカ153Aの形状とマーカ153Bの形状は異なることが好ましい。
【0021】
マスター測定装置100は、さらに、制御装置110を備える。同様に、スレーブ測定装置200は、更に、制御装置210を備える。まず、マスター測定装置100の制御装置110について説明する。
図5は、マスター測定装置100の制御装置110の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、制御装置110は、通信部111、LiDAR制御部112、他装置データ抽出部113、他装置識別部114、座標変換決定部115、及び合成処理部118を有する。
【0022】
通信部111は、他の測定装置から情報を受信する処理、及び、他の測定装置へ情報を送信する処理を行う。通信部111は、他の測定装置から情報を受信する場合、送信元の測定装置の識別情報とともに情報を受信する。また、通信部111は、他の測定装置へ情報を送信する場合、送信元の測定装置の識別情報(つまりマスター測定装置100の識別情報)とともに、情報を送信する。
【0023】
特に、本実施の形態では、通信部111は、スレーブ測定装置200から、当該スレーブ測定装置200が検出した全ての測定装置についてのマーカ距離情報を受信する。ここで、マーカ距離情報は、マーカ153A又はマーカ153Bの距離に対応する距離を表す情報であればよく、次のような情報であってもよい。すなわち、マーカ距離情報は、マーカ153A又はマーカ153Bの距離を示す情報であってもよいし、マーカ153Aの距離及びマーカ153Bの距離から算出される距離(例えばマーカ153A及びマーカ153Bの中点の距離)であってもよい。また、通信部111は、スレーブ測定装置200から、当該スレーブ測定装置200に設けられたジャイロセンサ152の出力データ(ジャイロデータ)、当該スレーブ測定装置200のLiDAR装置151によって取得した点群データなどを受信する。なお、通信部111は、ジャイロデータ取得部と称されてもよい。
【0024】
LiDAR制御部112は、マスター測定装置100に搭載されたLiDAR装置151の測定の実行を制御し、測定によって得られた点群データをLiDAR装置151から取得する。
【0025】
他装置データ抽出部113は、LiDAR制御部112が取得した点群データの中から、他の測定装置(すなわち、スレーブ測定装置200)のマーカ153A、153Bについての点群データを抽出する。他装置データ抽出部113は、マスター測定装置100のLiDAR装置151が取得した点群データにより表される物体の形状とマーカ153A、153Bの所定の形状とを比較する。これにより、他装置データ抽出部113は、他の測定装置(すなわち、スレーブ測定装置200)のマーカ153A、153Bについての点群データを抽出する。なお、1つの測定装置に設けられたマーカ153Aとマーカ153Bの離間距離は、測定装置間の距離よりも十分に小さい。このため、マーカ153Aとマーカ153Bの距離が所定の距離(1つの測定装置の大きさに相当する長さ)以下であれば、これらが同一の測定装置に設けられたマーカであることが判定可能である。
【0026】
他装置識別部114は、他装置データ抽出部113が抽出した点群データがいずれの測定装置についての点群データであるかを識別する。具体的には、他装置識別部114は、複数の測定装置についての点群データが他装置データ抽出部113によって抽出された場合に、次のように識別処理を行う。他装置識別部114は、抽出された点群データから得られるマーカ距離情報と、スレーブ測定装置200のLiDAR装置151が取得した点群データから得られるマーカ距離情報とを比較する。これにより、他装置識別部114は、抽出された点群データとスレーブ測定装置200とを対応付ける。
【0027】
これについて具体的に説明する。マスター測定装置100の他装置データ抽出部113は、例えば、3つの測定装置についての点群データを抽出する。これらの点群データは、スレーブ測定装置200_1についての点群データと、スレーブ測定装置200_2についての点群データと、スレーブ測定装置200_3についての点群データであるが、どの点群データがどの測定装置に対応しているかが不明である。そこで、他装置識別部114はマーカ距離情報を使って、どの点群データがどのスレーブ測定装置200に対応しているかを特定する。ここで、説明のため、3つの測定装置についての点群データから得られる3つのマーカ距離情報が示す距離をそれぞれDM_1、DM_2、DM_3とする。また、スレーブ測定装置200_1のLiDAR装置151が取得した点群データから得られるマーカ距離情報が示す距離をそれぞれDS1_1、DS1_2、DS1_3とする。DM_1、DM_2、DM_3は、それぞれ、マスター測定装置100からスレーブ測定装置200_1への距離、マスター測定装置100からスレーブ測定装置200_2への距離、マスター測定装置100からスレーブ測定装置200_3への距離のいずれかである。同様に、DS1_1、DS1_2、DS1_3は、それぞれ、スレーブ測定装置200_1からマスター測定装置100への距離、スレーブ測定装置200_1からスレーブ測定装置200_2への距離、スレーブ測定装置200_1からスレーブ測定装置200_3への距離のいずれかである。なお、スレーブ測定装置200_1のLiDAR装置151が取得した点群データから得られるマーカ距離情報は、予めスレーブ測定装置200_1からスレーブ測定装置200_1の識別情報とともにマスター測定装置100に送信されている。同様に、スレーブ測定装置200_2のLiDAR装置151が取得した点群データから得られるマーカ距離情報、及び、スレーブ測定装置200_3のLiDAR装置151が取得した点群データから得られるマーカ距離情報も、予めスレーブ測定装置200_2及び200_3から送信元の装置の識別情報とともにマスター測定装置100に送信されている。
【0028】
他装置識別部114は、マスター測定装置100の測定によって得られた距離(DM_1、DM_2、DM_3)と、スレーブ測定装置200_1の測定によって得られた距離(DS1_1、DS1_2、DS1_3)とを比較し、等しい距離の関係にあるペアを特定する。なお、等しい距離とは、完全に等しい距離でなくてもよい。すなわち、他装置識別部114は、互いの差が所定値以下である関係を有するペアを特定する。例えば、DM_2とDS1_3が等しいとする。このことは、DM_2が、マスター測定装置100からスレーブ測定装置200_1への距離であり、DS1_3が、スレーブ測定装置200_1からマスター測定装置100への距離であることを意味する。したがって、この場合、他装置識別部114は、示す距離がDM_2であるマーカ距離情報に対応する点群データが、スレーブ測定装置200_1についての点群データであると特定する。他装置識別部114は、示す距離がDM_1であるマーカ距離情報に対応する点群データ、及び、示す距離がDM_3であるマーカ距離情報に対応する点群データについても、同様に、スレーブ測定装置200_2又はスレーブ測定装置200_3と対応付ける。
【0029】
このように、本実施の形態では、他装置識別部114によって、マスター測定装置100は、複数のスレーブ測定装置200が存在する場合であっても、それらの点群データを識別することができる。なお、測定システム10が備えるスレーブ測定装置200が1台である場合には、マスター測定装置100は、他装置識別部114を備えていなくてもよい。
【0030】
座標変換決定部115は、マスター測定装置100とスレーブ測定装置200により得られた点群データとを合成する際に行われる座標変換を決定する。具体的には、座標変換決定部115は、スレーブ測定装置200により得られた点群データに対して行われる座標変換を決定する。座標変換は、マスター測定装置100の測定原点(座標系)を基準としたスレーブ測定装置200の位置と、スレーブ測定装置200の姿勢とに基づいて定まる。ここで、測定装置の姿勢とは、測定装置の水平方向の向き及び測定装置の水平面に対する傾きを言う。したがって、座標変換決定部115は、スレーブ測定装置200の位置と、スレーブ測定装置200の姿勢とを特定することにより、座標変換を決定する。このため、座標変換決定部115は、スレーブ測定装置200の位置と、スレーブ測定装置200の姿勢を特定する。このため、座標変換決定部115は、スレーブ測定装置200の位置を特定する位置特定部116と、スレーブ測定装置200の姿勢を特定する姿勢特定部117とを有する。
【0031】
なお、マスター測定装置100が水平に配置されるとは限らない場合には、座標変換決定部115は、マスター測定装置100のジャイロセンサ152により検出されるマスター測定装置100の姿勢も用いて、座標変換を決定する。また、マスター測定装置100に対する相対的なスレーブ測定装置200の水平方向の向きが既知である場合(例えばスレーブ測定装置200の向きが予め定められている場合など)には、スレーブ測定装置200の水平方向の向きを特定する処理が省略可能である。スレーブ測定装置200の向きが予め定められている場合とは、例えば、スレーブ測定装置200がマスター測定装置100と完全に向き合うように配置されることが定められている場合などをいう。同様に、スレーブ測定装置200の水平面に対する傾きが既知である場合(例えば、スレーブ測定装置200の水平面に対する傾きが予め定められている場合など)には、スレーブ測定装置200の水平面に対する傾きを特定する処理が省略可能である。スレーブ測定装置200の水平面に対する傾きが予め定められている場合とは、例えば、スレーブ測定装置200が水平に配置されることが定められている場合などをいう。つまり、姿勢特定部117の処理は省略されうる。
【0032】
位置特定部116は、
図1の位置特定部3に相当する。位置特定部116は、スレーブ測定装置200の位置を、マスター測定装置100のLiDAR装置151が取得した点群データに基づいて特定する。具体的には、位置特定部116は、他装置データ抽出部113によって抽出された点群データ(すなわち、スレーブ測定装置200のマーカ153A、153Bについての点群データ)に基づいてスレーブ測定装置200の位置を特定する。より詳細には、位置特定部116は、マスター測定装置100の測定原点(座標系)を基準とした相対的なスレーブ測定装置200の位置を特定する。位置特定部116は、マーカ153A及びマーカ153Bの座標から、スレーブ測定装置200の測定原点の位置を特定する。例えば、位置特定部116は、マーカ153Aとマーカ153Bとを結ぶ線分の中点の座標を算出することで、スレーブ測定装置200の測定原点の座標を特定する。上述した通り、他装置識別部114によって、他装置データ抽出部113が抽出した点群データがいずれのスレーブ測定装置200についての点群データであるかは識別されている。このため、位置特定部116は、どのスレーブ測定装置200がどの位置に存在するかを特定する。
【0033】
姿勢特定部117は、マスター測定装置100のLiDAR装置151が取得した点群データから特定される、スレーブ測定装置200の2つのマーカ153A、153Bの座標に基づいて、当該スレーブ測定装置200の姿勢を特定する。一般的に、3次元空間におけるスレーブ測定装置200の姿勢は、スレーブ測定装置200における3点の座標が定まれば一意に定まる。そして、スレーブ測定装置200の水平面に対する傾きが既知である場合には、3次元空間におけるスレーブ測定装置200の姿勢は、スレーブ測定装置200における2点の座標が定まれば一意に定まる。なお、スレーブ測定装置200の水平面に対する傾きが既知である場合とは、例えば、スレーブ測定装置200が水平に配置されることが定められている場合などである。姿勢特定部117は、スレーブ測定装置200のマーカ153A及びマーカ153Bの座標を、スレーブ測定装置200の2点の座標として用いることで、スレーブ測定装置200の姿勢を特定する。なお、スレーブ測定装置200の水平面に対する傾きが予め定められていない場合には、マーカ153A及びマーカ153Bの座標だけでは、スレーブ測定装置200の姿勢が一意に定まらない。この場合、姿勢特定部117は、スレーブ測定装置200のマーカ153A及びマーカ153Bの座標に加え、当該スレーブ測定装置200のジャイロセンサ152の出力データを用いて、当該スレーブ測定装置200の姿勢を特定する。なお、マスター測定装置100に対する相対的なスレーブ測定装置200の水平方向の向きが既知である場合などには、姿勢特定部117は、ジャイロセンサ152の出力データだけで、姿勢を特定してもよい。このように、姿勢特定部117によりスレーブ測定装置200の姿勢が特定されるため、スレーブ測定装置200の姿勢が既知でない場合であっても、点群データの合成のための座標変換を決定することができる。
【0034】
合成処理部118は、
図1の合成処理部4に相当する。合成処理部118は、位置特定部116によって特定されたスレーブ測定装置200の位置と姿勢特定部117によって特定されたスレーブ測定装置200の姿勢に基づいて、点群データを合成する。具体的には、合成処理部118は、スレーブ測定装置200の位置及び姿勢に基づいて、マスター測定装置100のLiDAR装置151が取得した点群データと、スレーブ測定装置200のLiDAR装置151が取得した点群データとを合成する。すなわち、合成処理部118は、マスター測定装置100の測定によって得られた、3次元空間に存在する任意の物体についての点群データと、当該物体についてのスレーブ測定装置200の測定によって得られた点群データとを合成する。合成処理部118は、座標変換決定部115により決定された座標変換を用いて、これらの点群データを合成する。具体的には、合成処理部118は、スレーブ測定装置200のLiDAR装置151が取得した点群データに対して座標変換を行うことにより、この点群データをマスター測定装置100が用いる座標系にマッピングする。
【0035】
次に、スレーブ測定装置200の制御装置210について説明する。
図6は、スレーブ測定装置200の制御装置210の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、制御装置210は、通信部211、LiDAR制御部212、及び他装置データ抽出部213を有する。
【0036】
通信部211は、他の測定装置から情報を受信する処理、及び、他の測定装置へ情報を送信する処理を行う。通信部211は、他の測定装置から情報を受信する場合、送信元の測定装置の識別情報とともに情報を受信する。また、通信部211は、他の測定装置へ情報を送信する場合、送信元の測定装置の識別情報(つまりスレーブ測定装置200の識別情報)とともに、情報を送信する。
【0037】
特に、本実施の形態では、通信部211は、スレーブ測定装置200が検出した全ての測定装置についてのマーカ距離情報をマスター測定装置100へ送信する。通信部211は、他装置データ抽出部213によって抽出された点群データによって特定されるマーカ距離情報をマスター測定装置100へ送信する。また、通信部211は、スレーブ測定装置200に設けられたジャイロセンサ152の出力データ(ジャイロデータ)、スレーブ測定装置200のLiDAR装置151によって取得した点群データなどをマスター測定装置100へ送信する。
【0038】
LiDAR制御部212は、スレーブ測定装置200に搭載されたLiDAR装置151の測定の実行を制御し、測定によって得られた点群データをLiDAR装置151から取得する。
【0039】
他装置データ抽出部213は、LiDAR制御部212が取得した点群データの中から、他の測定装置(すなわち、マスター測定装置100及び他のスレーブ測定装置200)のマーカ153A、153Bについての点群データを抽出する。他装置データ抽出部213は、マスター測定装置100の他装置データ抽出部113と同様の処理を行って、他の測定装置のマーカ153A、153Bについての点群データを抽出する。
【0040】
次に、マスター測定装置100の制御装置110とスレーブ測定装置200の制御装置210の制御装置210のハードウェア構成について説明する。
図7は、マスター測定装置100の制御装置110及びスレーブ測定装置200の制御装置210のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。制御装置110、210は、それぞれ、例えば、
図7に示すように、ネットワークインタフェース160、メモリ161、及びプロセッサ162を有する。
【0041】
ネットワークインタフェース160は、他の測定装置などの任意の装置と通信するために使用される。ネットワークインタフェース160は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0042】
メモリ161は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ161は、プロセッサ162により実行されるプログラム、及び測定装置の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。
【0043】
プロセッサ162は、メモリ161からプログラムを読み出して実行することで、
図5又は
図6に示した各構成要素の処理を行う。プロセッサ162は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ162は、複数のプロセッサを含んでもよい。このように、制御装置110及び制御装置210は、コンピュータとしての機能を備えている。
【0044】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0045】
次に、実施の形態1にかかる測定システム10の動作の流れについて説明する。
図8は、測定システム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。以下、
図8に沿って、測定システム10の動作の流れについて説明する。なお、ステップS100からステップS106までの動作が、測定システム10におけるキャリブレーション動作である。すなわち、ステップS100からステップS106までの動作が、点群データの合成のための座標変換を決定するための動作である。そして、ステップS106よりも後の動作が、3次元空間における任意の物体について測定システム10により測定し、合成された点群データを得るための動作である。
【0046】
ステップS100において、マスター測定装置100のLiDAR制御部112は、マスター測定装置100に搭載されたLiDAR装置151による測定によって得られた点群データを取得する。同様に、スレーブ測定装置200のLiDAR制御部212は、スレーブ測定装置200に搭載されたLiDAR装置151による測定によって得られた点群データを取得する。
図9は、マスター測定装置100のLiDAR装置151による測定を模式的に示した図である。
図9では、マスター測定装置100のLiDAR装置151による測定を示しているが、各スレーブ測定装置200のLiDAR装置151も同様に測定を行う。
【0047】
次に、ステップS101において、マスター測定装置100の他装置データ抽出部113は、ステップS100でLiDAR制御部112が取得した点群データの中から、他の測定装置のマーカ153A、153Bについての点群データを抽出する。同様に、スレーブ測定装置200の他装置データ抽出部213は、ステップS100でLiDAR制御部212が取得した点群データの中から、他の測定装置のマーカ153A、153Bについての点群データを抽出する。
【0048】
次に、ステップS102において、スレーブ測定装置200の通信部211は、ステップS101で他装置データ抽出部213によって抽出された点群データによって特定されるマーカ距離情報をマスター測定装置100へ送信する。例えば、他装置データ抽出部213によって、3つの測定装置についての点群データが抽出された場合、通信部211は、これらの3つの測定装置についてのマーカ距離情報をマスター測定装置100へ送信する。
【0049】
次に、ステップS103において、マスター測定装置100の他装置識別部114は、ステップS101で他装置データ抽出部113が抽出した点群データから得られるマーカ距離情報と、ステップS102でスレーブ測定装置200から受信したマーカ距離情報とを比較する。これにより、他装置識別部114は、ステップS101で他装置データ抽出部113が抽出した点群データとスレーブ測定装置200とを対応付ける。
【0050】
次に、ステップS104において、マスター測定装置100の位置特定部116は、スレーブ測定装置200の位置を、ステップS101で抽出された点群データに基づいて特定する。そして、ステップS105において、マスター測定装置100の姿勢特定部117は、スレーブ測定装置200の2つのマーカ153A、153Bの座標に基づいて、当該スレーブ測定装置200の姿勢を特定する。なお、上述の通り、位置特定部116は、必要に応じて、スレーブ測定装置200からジャイロデータを取得し、ジャイロデータを参照してスレーブ測定装置200の姿勢を特定する。そして、ステップS106で、座標変換決定部115はステップS104、S105における特定結果を用いて、マスター測定装置100により得られた点群データとスレーブ測定装置200により得られた点群データとを合成する際に行われる座標変換を決定する。
以上により、測定システム10におけるキャリブレーション動作が終了する。その後、測定システム10による物体の測定の動作として、ステップS107以降の処理が行われる。
【0051】
ステップS107において、マスター測定装置100のLiDAR制御部112は、マスター測定装置100に搭載されたLiDAR装置151による測定によって得られた点群データを取得する。同様に、スレーブ測定装置200のLiDAR制御部212は、スレーブ測定装置200に搭載されたLiDAR装置151による測定によって得られた点群データを取得する。
【0052】
次に、ステップS108において、スレーブ測定装置200の通信部211は、ステップS107で取得した点群データをマスター測定装置100へ送信する。
【0053】
次に、ステップS109において、マスター測定装置100の合成処理部118は、ステップS106において決定された座標変換に従った処理を行って、ステップS107でマスター測定装置100及びスレーブ測定装置200が取得した点群データを合成する。
【0054】
以上、実施の形態1について説明した。本実施の形態1によれば、測定のために元々備えているLiDAR装置151の出力を用いて、測定装置間の位置関係の特定が行われる。このため、測定システム10によれば、位置情報取得サービスを用いなくても各測定装置の位置関係を特定するとともに、各測定装置が取得した点群データを合成することができる。また、このように位置関係の特定が容易に可能となるため、測定装置の配置変更が行われる場合であっても、短時間で任意の物体の測定を開始することができる。また、LiDARによる測定により測定装置間の位置関係の特定が行われるため、精度よく、位置関係の特定を行うことができる。
【0055】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、全てのスレーブ測定装置200をマスター測定装置100のLiDAR装置151が測定できない場合であっても、全てのスレーブ測定装置200に対する座標変換を決定することができる構成について示す。
図10は、実施の形態2にかかるスレーブ測定装置200の制御装置210aの構成の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態2にかかるマスター測定装置100の制御装置110の構成例は、実施の形態1と同様であるため、図示を省略する。以下、実施の形態1と異なる点について具体的に説明する。なお、マスター測定装置100のLiDAR装置151により測定できないスレーブ測定装置200をマスター死角装置と称すこととする。マスター死角装置は、マスター測定装置100の他装置データ抽出部113により点群データが抽出されなかったスレーブ測定装置200に相当する。また、マスター測定装置100のLiDAR装置151により測定できるスレーブ測定装置200をマスター可視装置と称すこととする。マスター可視装置は、マスター測定装置100の他装置データ抽出部113により点群データが抽出されたスレーブ測定装置200に相当する。
【0056】
図11は、測定装置の配置例を示す模式図である。
図11に示した例では、障害物90が存在するため、全てのスレーブ測定装置200をマスター測定装置100のLiDAR装置151が測定できない。
図11に示した例では、スレーブ測定装置200_1がマスター死角装置であり、スレーブ測定装置200_2及び200_3がマスター可視装置である。また、
図11に示した例では、マスター可視装置であるスレーブ測定装置200_2のLiDAR装置151によって、マスター死角装置であるスレーブ測定装置200_1の測定が可能である。本実施の形態では、マスター測定装置100は、スレーブ測定装置200_2による測定結果を利用することで、マスター死角装置であるスレーブ測定装置200_1の位置及び姿勢を特定する。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
【0057】
本実施の形態では、マスター測定装置100により行われるスレーブ測定装置200の位置及び姿勢の決定と同様な処理を、マスター可視装置が実施する。このため、
図10に示すように、各スレーブ測定装置200の制御装置210aは、
図6に示した制御装置210の構成に加え、さらに、他装置識別部214及び特定部215を有する。なお、他装置識別部214及び特定部215も、例えば、プロセッサ162がメモリ161からプログラムを読み出して実行すること実現される。
【0058】
他装置識別部214は、マスター測定装置100の他装置識別部114と同様の処理を行う。すなわち、他装置識別部214は、他装置データ抽出部213が抽出した点群データがいずれの測定装置についての点群データであるかを識別する。特に、他装置識別部214は、他装置データ抽出部213によって抽出された点群データから得られるマーカ距離情報と、マスター死角装置のLiDAR装置151が取得した点群データから得られるマーカ距離情報とを比較する。これにより、他装置識別部214は、他装置データ抽出部213によって抽出された点群データとマスター死角装置とを対応付ける。なお、本実施の形態では、スレーブ測定装置200は、マスター死角装置のLiDAR装置151が取得した点群データから得られるマーカ距離情報を、マスター測定装置100を介して取得するが、マスター死角装置から直接受信してもよい。
【0059】
特定部215は、位置特定部216と姿勢特定部217とを含む。位置特定部216は、マスター測定装置100の位置特定部116と同様の処理を行う。すなわち、位置特定部216は、他の測定装置の位置を、LiDAR制御部112が取得した点群データに基づいて特定する。特に、位置特定部216は、マスター死角装置の位置を特定する。姿勢特定部217は、マスター測定装置100の姿勢特定部117と同様の処理を行う。すなわち、姿勢特定部217は、LiDAR制御部212が取得した点群データから特定される、測定装置の2つのマーカ153A、153Bの座標に基づいて、当該測定装置の姿勢を特定する。特に、姿勢特定部217は、マスター死角装置の姿勢を特定する。スレーブ測定装置200の通信部211は、特定部215がマスター死角装置の位置及び姿勢を特定した場合、特定した位置及び姿勢をマスター測定装置100に送信する。
【0060】
本実施の形態では、マスター測定装置100の通信部111は、マスター死角装置が存在する場合、マスター可視装置が特定したマスター死角装置の位置情報及び姿勢情報を取得する。つまり、通信部111は、他装置データ抽出部113により点群データが抽出されたスレーブ測定装置200の数が、測定システム10が含むスレーブ測定装置200の総数に満たない場合、マスター可視装置からマスター死角装置の位置及び姿勢情報を取得する。なお、マスター死角装置の姿勢が既知である場合には、マスター死角装置の通信部111は、マスター死角装置の位置情報だけをマスター可視装置から取得してもよい。測定システム10が含むスレーブ測定装置200の総数は、予め定められていてもよいし、マスター測定装置100と通信を行ったスレーブ測定装置200の数から、マスター測定装置100(通信部111)が特定してもよい。本実施の形態の通信部111は、不足情報取得部と称されてもよい。
【0061】
本実施の形態では、マスター測定装置100の通信部111は、マスター死角装置の位置情報及び姿勢情報を取得するために、スレーブ測定装置200の他装置識別部214の処理のための情報を各スレーブ測定装置200に送信する。具体的には、マスター測定装置100が各スレーブ測定装置200から収集したマーカ距離情報を各スレーブ測定装置200に送信する。なお、各スレーブ測定装置200は、他のそれぞれのスレーブ測定装置200からマーカ距離情報を収集してもよい。その場合には、マスター測定装置100の通信部111は、マスター測定装置100が収集したマーカ距離情報を各スレーブ測定装置200に配信しなくてもよい。また、マスター測定装置100の通信部111は、マスター測定装置100の他装置識別部114が識別したスレーブ測定装置200(すなわちマスター可視装置)の識別情報を各スレーブ測定装置200へ送信する。これに代えて、マスター測定装置100の通信部111は、マスター測定装置100の他装置識別部114が識別できなかったスレーブ測定装置200(すなわちマスター死角装置)の識別情報を各スレーブ測定装置200へ送信してもよい。これにより、スレーブ測定装置200の他装置識別部214は、このスレーブ測定装置200自身が特定したマーカ距離情報と、マスター死角装置が特定したマーカ距離情報との比較処理以外の比較処理を省略することができる。つまり、スレーブ測定装置200の他装置識別部214は、マスター死角装置と点群データとの対応付けに必要な処理だけを実施することができる。
【0062】
マスター可視装置から取得したマスター死角装置の位置情報及び姿勢情報は、マスター可視装置の座標系を基準としたものである。このため、本実施の形態では、マスター測定装置100の合成処理部118は、マスター死角装置のLiDAR装置151が取得した点群データについて、次のような座標変換を行う。すなわち、合成処理部118は、マスター可視装置から取得した位置情報及び姿勢情報と、座標変換決定部115が特定した当該マスター可視装置についての位置及び姿勢とに基づいて、マスター死角装置の点群データの座標変換を行う。つまり、合成処理部118は、マスター死角装置の点群データをマスター可視装置の座標系にマッピングし、マッピングされた点群データを、さらにマスター測定装置100の座標系にマッピングする処理を行う。
【0063】
次に、実施の形態2にかかる測定システム10の動作の流れについて説明する。
図12は、測定システム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。以下、
図12に沿って、測定システム10の動作の流れについて説明する。
【0064】
図12に示したシーケンスチャートは、ステップS200からステップS204の処理がステップS105とステップS106の間に追加されている点で、
図8に示したシーケンスチャートと異なっている。ステップS200からステップS204の処理は、マスター死角装置が存在する場合に行われる処理である。つまり、これらの処理は、マスター測定装置100の他装置データ抽出部113により点群データが抽出されたスレーブ測定装置200の数が、測定システム10が含むスレーブ測定装置200の総数に満たない場合に行われる。
【0065】
以下、
図8に示したシーケンスチャートと異なる点について説明する。マスター測定装置100の他装置データ抽出部113により点群データが抽出されたスレーブ測定装置200の数が、測定システム10が含むスレーブ測定装置200の総数に満たない場合、ステップS105の後、ステップS200の処理が行われる。
【0066】
ステップS200において、マスター測定装置100の通信部111は、マスター死角装置の位置情報及び姿勢情報を取得するために、スレーブ測定装置200の他装置識別部214の処理のための情報を各スレーブ測定装置200に送信する。具体的には、マスター測定装置100の通信部111は、マスター可視装置の識別情報又はマスター死角装置の識別情報を各スレーブ測定装置200へ送信する。また、マスター測定装置100の通信部111は、ステップS102においてマスター測定装置100が各スレーブ測定装置200から収集したマーカ距離情報を各スレーブ測定装置200に送信する。
【0067】
次に、ステップS201において、スレーブ測定装置200の他装置識別部214は、ステップS101で他装置データ抽出部213が抽出した点群データから得られるマーカ距離情報とステップS200で受信したマスター死角装置のマーカ距離情報とを比較する。これにより、マスター死角装置の測定が可能であるスレーブ測定装置200の他装置識別部214は、ステップS101で他装置データ抽出部213が抽出した点群データとマスター死角装置とを対応付ける。
【0068】
次に、ステップS202において、マスター死角装置の測定が可能であるスレーブ測定装置200の位置特定部216は、マスター死角装置の位置を、ステップS101で抽出された点群データに基づいて特定する。そして、ステップS203において、マスター死角装置の測定が可能であるスレーブ測定装置200の姿勢特定部217は、マスター死角装置の姿勢を特定する。
【0069】
そして、ステップS204において、マスター死角装置の測定が可能であるスレーブ測定装置200の通信部211は、マスター死角装置について特定した位置及び姿勢をマスター測定装置100に送信する。ステップS204の後、処理はステップS106へ移行する。ステップS106では、座標変換決定部115は、座標変換を決定する。具体的には、座標変換決定部115は、ステップS104及びステップS105における特定結果を用いて、マスター測定装置100により得られた点群データとマスター可視装置により得られた点群データとを合成する際に行われる座標変換を決定する。また、座標変換決定部115は、ステップS204で受信した情報を用いて、マスター測定装置100により得られた点群データとマスター死角装置により得られた点群データとを合成する際に行われる座標変換を決定する。
【0070】
以上、実施の形態2について説明した。本実施の形態によれば、マスター測定装置100は、マスター死角装置が存在する場合、マスター可視装置からマスター死角装置の位置及び姿勢を取得する。このため、全てのスレーブ測定装置200をマスター測定装置100のLiDAR装置151が測定できない場合であっても、全てのスレーブ測定装置200に対する座標変換を決定することができる。
【0071】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0072】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
測定装置であって、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサと、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定部と、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理部と
を有する測定装置。
(付記2)
前記他装置には、所定の形状のマーカが取り付けられており、
前記測定装置は、
前記測定装置の前記センサが取得した点群データにより表される物体の形状と前記マーカの前記所定の形状とを比較することにより、前記他装置の前記マーカについての点群データを抽出する他装置データ抽出部を
さらに有し、
前記位置特定部は、抽出された点群データに基づいて前記他装置の位置を特定する
付記1に記載の測定装置。
(付記3)
前記測定装置には、前記マーカが取り付けられており、
前記測定装置は、
複数の前記他装置についての点群データが抽出された場合に、抽出された点群データから得られるマーカ距離情報と、前記他装置の前記センサが取得した点群データから得られるマーカ距離情報とを比較することにより、抽出された点群データと前記他装置とを対応付ける他装置識別部を
さらに有する付記2に記載の測定装置。
(付記4)
前記他装置には、2つの前記マーカが取り付けられており、
前記測定装置は、
前記測定装置の前記センサが取得した点群データから特定される2つの前記マーカの座標に基づいて、当該他装置の姿勢を特定する姿勢特定部を
さらに有し、
前記合成処理部は、特定された姿勢にも基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する
付記2又は3に記載の測定装置。
(付記5)
前記測定装置は、
前記他装置から、当該他装置に設けられたジャイロセンサの出力データを取得するジャイロデータ取得部を
さらに有し、
前記姿勢特定部は、さらに前記ジャイロセンサの出力データを用いて、前記他装置の姿勢を特定する
付記4に記載の測定装置。
(付記6)
前記測定装置は、
前記他装置データ抽出部により点群データが抽出された前記他装置の数が、前記他装置の総数に満たない場合、前記他装置データ抽出部により点群データが抽出された前記他装置から、前記他装置データ抽出部により点群データが抽出されなかった前記他装置の位置情報を取得する不足情報取得部を
さらに有する付記2乃至4のいずれか一項に記載の測定装置。
(付記7)
前記センサは、LiDAR(Light Detection and Ranging)装置である
付記1乃至6のいずれか一項に記載の測定装置。
(付記8)
一つのマスター測定装置と、
一つ以上のスレーブ測定装置と
を備え、
前記スレーブ測定装置は、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記スレーブ測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを
有し、
前記マスター測定装置は、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記マスター測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサと、
前記スレーブ測定装置の位置を、前記マスター測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定部と、
特定された前記スレーブ測定装置の位置に基づいて、前記マスター測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記スレーブ測定装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理部と
を有する
測定システム。
(付記9)
前記スレーブ測定装置には、所定の形状のマーカが取り付けられており、
前記マスター測定装置は、
前記マスター測定装置の前記センサが取得した点群データにより表される物体の形状と前記マーカの前記所定の形状とを比較することにより、前記スレーブ測定装置の前記マーカについての点群データを抽出する他装置データ抽出部を
さらに有し、
前記位置特定部は、抽出された点群データに基づいて前記スレーブ測定装置の位置を特定する
付記8に記載の測定システム。
(付記10)
測定装置の制御方法であって、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを前記測定装置が備えるセンサにより取得し、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定し、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する
制御方法。
(付記11)
測定装置のコンピュータが用いるプログラムであって、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての前記測定装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを前記測定装置が備えるセンサにより取得するステップと、
空間に存在する物体の表面の複数箇所についての他装置を基準とした3次元座標系における座標を表わす点群データを取得するセンサを備えた前記他装置の位置を、前記測定装置が備える前記センサが取得した点群データに基づいて特定する位置特定ステップと、
特定された前記他装置の位置に基づいて、前記測定装置の前記センサが取得した点群データと、前記他装置の前記センサが取得した点群データとを合成する合成処理ステップと
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0073】
1 測定装置
2 センサ
3 位置特定部
4 合成処理部
10 測定システム
90 障害物
100 マスター測定装置
110 制御装置
111 通信部
112 LiDAR制御部
113 他装置データ抽出部
114 他装置識別部
115 座標変換決定部
116 位置特定部
117 姿勢特定部
118 合成処理部
150 台座
151 LiDAR装置
152 ジャイロセンサ
153A マーカ
153B マーカ
154A ポール
154B ポール
160 ネットワークインタフェース
161 メモリ
162 プロセッサ
200 スレーブ測定装置
210 制御装置
210a 制御装置
211 通信部
212 LiDAR制御部
213 他装置データ抽出部
214 他装置識別部
215 特定部
216 位置特定部
217 姿勢特定部