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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184499
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】音響デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
H04R17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092395
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】江澤 敦
(72)【発明者】
【氏名】永井 慧大
【テーマコード(参考)】
5D004
【Fターム(参考)】
5D004AA02
5D004BB01
5D004CD02
5D004DD01
5D004FF09
(57)【要約】
【課題】幅広い周波数帯域で音圧特性を向上する音響デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】基材Bに配置される音響デバイス1であって、振動ユニット2と、複数の支持部材4a,4bとを備えている。振動ユニット2は、圧電素子10と、圧電素子10が接合されている振動板30とを有しており、圧電素子10の伸縮によって振動する。複数の支持部材4a,4bは、振動ユニット2を基材Bに支持し、振動ユニット2の振動によって振動する。振動板30は、圧電素子10が接合されている第一領域31と、第一領域31の両側に位置している一対の第二領域32,33とを含む。支持部材4aは、一対の第二領域32,33のうち対応する第二領域32に配置されている。複数の支持部材4bは、一対の第二領域32,33のうち対応する第二領域33に配置されている。振動ユニット2の共振周波数は、複数の支持部材4a,4bの共振周波数と異なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に配置される音響デバイスであって、
圧電素子と、前記圧電素子が接合されている振動板とを有しており、前記圧電素子の伸縮によって振動する振動ユニットと、
前記振動ユニットを前記基材に支持し、前記振動ユニットの振動によって振動する複数の支持部材と、を備え、
前記振動板は、前記圧電素子が接合されている第一領域と、前記第一領域の両側に位置している一対の第二領域とを含み、
前記複数の支持部材は、前記一対の第二領域のうち対応する第二領域にそれぞれ配置されており、
前記振動ユニットの共振周波数は、前記複数の支持部材の共振周波数と異なる、音響デバイス。
【請求項2】
各前記支持部材は、
前記振動板に連結されている第一部分と、
前記基材に連結される第二部分と、
前記第一部分と前記第二部分との間に位置していると共に断面積が部分的に小さい第三部分と、
を有している、請求項1に記載の音響デバイス。
【請求項3】
各前記支持部材は、前記第一部分と前記第二部分との間に位置していると共に断面積が部分的に小さい第四部分を有している、請求項2に記載の音響デバイス。
【請求項4】
前記振動板は、各前記支持部材が連結されている主面を含んでおり、
各前記支持部材は、前記主面を含む仮想平面と交差する方向に延在している、請求項1~3何れか一項に記載の音響デバイス。
【請求項5】
前記振動板は、各前記支持部材が連結されている主面を含んでおり、
各前記支持部材は、前記主面を含む仮想平面と平行な方向に延在している、請求項1~3何れか一項に記載の音響デバイス。
【請求項6】
前記振動板及び各前記支持部材は、金属からなる、請求項1~5何れか一項に記載の音響デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
知られている音響デバイスは、圧電素子と、圧電素子が接合されている振動板と、を備えている。(たとえば、特許文献1参照)。音響デバイスは、たとえば、基材に配置される。振動板は、圧電素子の伸縮によって振動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-70100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの態様は、幅広い周波数帯域で音圧特性を向上する音響デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様に係る音響デバイスは、基材に配置される音響デバイスであって、振動ユニットと、複数の支持部材とを備えている。振動ユニットは、圧電素子と、圧電素子が接合されている振動板とを有しており、圧電素子の伸縮によって振動する。複数の支持部材は、振動ユニットを基材に支持し、振動ユニットの振動によって振動する。振動板は、圧電素子が接合されている第一領域と、第一領域の両側に位置している一対の第二領域とを含む。複数の支持部材は、一対の第二領域のうち対応する第二領域にそれぞれ配置されている。振動ユニットの共振周波数は、複数の支持部材の共振周波数と異なる。
【0006】
上記一つの態様では、振動ユニットの共振周波数と、複数の支持部材の共振周波数とが、異なっている。したがって、振動ユニットの共振周波数と、複数の支持部材の共振周波数とにおいて、音圧が増大する。この結果、上記一つの態様は、幅広い周波数帯域で、音圧特性を向上する。
【0007】
上記一つの態様では、各支持部材は、振動板に連結されている第一部分と、基材に連結される第二部分と、第一部分と第二部分との間に位置している第三部分とを有していてもよい。第三部分では、断面積が部分的に小さくてもよい。
各支持部材が、断面積が部分的に小さい第三部分を有している構成では、各支持部材の共振周波数は、第三部分の形状、すなわち断面積に応じて変化する。したがって、本構成では、各支持部材の共振周波数が所望の周波数に容易かつ確実に調整され得る。
【0008】
上記一つの態様では、各支持部材は、第四部分を有していてもよい。第四部分は、第一部分と第二部分との間に位置していると共に断面積が部分的に小さくてもよい。
各支持部材が、断面積が部分的に小さい第四部分を有している構成では、各支持部材の共振周波数は、第三部分の形状のほか、第四部分の形状、すなわち断面積に応じても変化する。したがって、本構成では、各支持部材の共振周波数が所望の周波数により一層容易かつ確実に調整され得る。
【0009】
上記一つの態様では、振動板は、各支持部材が連結されている主面を含んでいてもよい。各支持部材は、主面を含む仮想平面と交差する方向に延在していてもよい。
各支持部材が主面を含む仮想平面と交差する方向に延在している構成は、主面と直交する方向から見たときの音響デバイスのサイズを低減し得る。
【0010】
上記一つの態様では、振動板は、各支持部材が連結されている主面を含んでいてもよい。各支持部材は、主面を含む仮想平面と平行な方向に延在していてもよい。
各支持部材が主面を含む仮想平面と平行な方向に延在している構成は、主面と直交する方向での、音響デバイスのサイズを低減し得る。
【0011】
上記一つの態様では、振動板及び各支持部材は、金属からなってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一つの態様は、幅広い周波数帯域で音圧特性を向上する音響デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第一実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る圧電素子の断面構成を示す図である。
図3図3は、第一実施形態に係る音響デバイスの周波数特性を示す図である。
図4図4は、第二実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図5図5は、第二実施形態に係る音響デバイスの周波数特性を示す図である。
図6図6は、第三実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図7図7は、第四実施形態に係る音響デバイスの断面構成を示す図である。
図8図8は、変形例に係る各支持部材を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら本発明に係る実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0015】
(第一実施形態)
図1図3を参照して、第一実施形態に係る音響デバイス1の構成を説明する。図1は、第一実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る圧電素子10の断面構成を示す図である。図3は、第一実施形態に係る音響デバイス1の周波数特性を示す図である。音響デバイス1の周波数特性とは、音響デバイス1における、周波数と振幅の関係を意味する。
【0016】
音響デバイス1は、図1に示されるように、基材Bに配置される。音響デバイス1は、基材Bに対して振動することで、音圧を出力する。音響デバイス1は、たとえば、スピーカ又はブザーに用いられる。音響デバイス1は、振動ユニット2と、振動ユニット2を基材Bに支持する複数の支持部材4a,4bと、を備えている。本実施形態では、音響デバイス1は、一対の支持部材4a,4bを備えている。
【0017】
振動ユニット2は、圧電素子10と、圧電素子10が接合されている振動板30と、を有している。圧電素子10は、たとえば、バイモルフ型の圧電素子である。圧電素子10は、図2に示されるように、圧電素体11と、複数の外部電極13,14,15と、を有している。本実施形態では、圧電素子10は、三つの外部電極13,14,15を有している。
【0018】
圧電素体11は、直方体形状を呈している。直方体形状には、たとえば、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。圧電素体11は、互いに対向している一対の主面11a,11bと、一対の主面11a,11bを互いに接続している四つの側面11cと、を有している。
【0019】
各主面11a,11bは、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈している。主面11aの長辺方向での圧電素体11の長さは、たとえば、10mm以上70mm以下である。主面11aの短辺方向での圧電素体11の長さは、たとえば、10mm以上50mm以下である。一対の主面11a,11bの対向方向での圧電素体11の長さは、たとえば、0.2mm以上1.0mm以下である。
【0020】
圧電素体11は、積層された複数の圧電体層12a,12b,12c,12dを含んでいる。複数の圧電体層12a,12b,12c,12dは、この順に積層されている。複数の圧電体層12a,12b,12c,12dの積層方向は、一対の主面11a,11bの対向方向と一致している。以下では、複数の圧電体層12a,12b,12c,12dの積層方向を、積層方向と称する。圧電体層12aは、主面11aを有している。圧電体層12dは、主面11bを有している。圧電体層12b,12cは、圧電体層12aと圧電体層12dとの間に位置している。本実施形態では、各圧電体層12a,12b,12c,12dの厚みは同等である。同等には、製造誤差の範囲が含まれている。
【0021】
各圧電体層12a,12b,12c,12dは、圧電材料からなる。本実施形態では、各圧電体層12a,12b,12c,12dは、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料には、たとえば、PZT[Pb(Zr、Ti)O]、PT(PbTiO)、PLZT[(Pb,La)(Zr、Ti)O]、又はチタン酸バリウム(BaTiO)が用いられる。各圧電体層12a,12b,12c,12dは、たとえば、上述した圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の圧電素体11では、各圧電体層12a,12b,12c,12dは、各圧電体層12a,12b,12c,12dの間の境界が認識できない程度に一体化されている。
【0022】
圧電素子10において、各外部電極13,14,15は、主面11a上に配置されている。外部電極13,14,15は、主面11aの一方の短辺側において、外部電極13、外部電極14、外部電極15の順で当該一方の短辺に沿って並んでいる。外部電極13と外部電極14とは、主面11aの短辺方向で隣り合っている。外部電極14と外部電極15とは、主面11aの短辺方向で隣り合っている。主面11aの短辺方向において、外部電極14と外部電極15との間の距離は、外部電極13と外部電極14との間の距離よりも長い。各外部電極13,14,15は、積層方向から見て、主面11aの全ての縁から離間している。
【0023】
各外部電極13,14は、積層方向から見て、長方形状を呈している。本実施形態では、長方形状の各角が丸められている。外部電極15は、積層方向から見て、正方形状を呈している。正方形状には、たとえば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状が含まれる。本実施形態では、正方形状の各角が丸められている。各外部電極13,14,15は、導電性材料からなる。導電性材料には、たとえば、Ag、Pd、Pt、又はAg-Pd合金が用いられる。各外部電極13,14,15は、たとえば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。
【0024】
圧電素子10は、圧電素体11内に配置されている複数の内部電極16,17,18を備えている。各内部電極16,17,18は、導電性材料からなる。導電性材料には、たとえば、Ag、Pd、Pt、又はAg-Pd合金が用いられる。各内部電極16,17,18は、たとえば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。本実施形態では、各内部電極16,17,18の外形形状は、長方形状を呈している。
【0025】
各内部電極16,17,18は、この順に積層されている。すなわち、各内部電極16,17,18は、積層方向において、異なる層に配置されている。内部電極16,17,18は、互いに積層方向に間隔を有して対向している。各内部電極16,17,18は、圧電素体11の表面には露出していない。すなわち、各内部電極16,17,18は、各側面11cには露出していない。各内部電極16,17,18は、積層方向から見て、主面11a,11bの全ての縁から離間している。
【0026】
内部電極16は、圧電体層12aと圧電体層12bとの間に位置している。内部電極17は、圧電体層12bと圧電体層12cとの間に位置している。内部電極18は、圧電体層12cと圧電体層12dとの間に位置している。
【0027】
外部電極13は、内部電極16と複数の接続導体21とに複数のビア導体24を通して電気的に接続されている。複数の接続導体21は、それぞれ、内部電極17,18と同じ層に位置している。具体的には、各接続導体21は、各内部電極17,18に形成された開口内に位置している。各開口は、積層方向から見て、外部電極13に対応する位置に形成されている。すなわち、各接続導体21は、積層方向から見て、各内部電極17,18に囲まれている。各接続導体21は、各内部電極17,18から離間している。
【0028】
各接続導体21は、積層方向において外部電極13と対向しており、積層方向から見て外部電極13と重なる位置に配置されている。各接続導体21は、積層方向において内部電極16と対向しており、積層方向から見て内部電極16と重なる位置に配置されている。複数のビア導体24は、それぞれ、外部電極13と内部電極16と複数の接続導体21との間に位置しており、積層方向から見て外部電極13と重なる位置に配置されている。複数のビア導体24は、それぞれ、積層方向において、対応する圧電体層12a,12b,12cを貫通している。
【0029】
外部電極14は、内部電極18と複数の接続導体22とに複数のビア導体25を通して電気的に接続されている。複数の接続導体22は、それぞれ、内部電極16,17と同じ層に位置している。具体的には、各接続導体22は、各内部電極16,17に形成された開口内に位置している。各開口は、積層方向から見て、外部電極14に対応する位置に形成されている。すなわち、各接続導体22は、積層方向から見て、各内部電極16,17に囲まれている。各接続導体22は、各内部電極16,17から離間している。内部電極17と同じ層に位置している接続導体21と接続導体22は、同じ開口内に隣り合って配置され、互いに離間している。
【0030】
各接続導体22は、積層方向において外部電極14と対向しており、積層方向から見て外部電極14と重なる位置に配置されている。各接続導体22は、積層方向において内部電極18と対向しており、積層方向から見て内部電極18と重なる位置に配置されている。複数のビア導体25は、それぞれ、外部電極14と内部電極18と複数の接続導体22との間に位置しており、積層方向から見て外部電極14と重なる位置に配置されている。複数のビア導体25は、それぞれ、積層方向において、対応する圧電体層12a,12b,12cを貫通している。
【0031】
外部電極15は、内部電極17と複数の接続導体23とに複数のビア導体26を通して電気的に接続されている。複数の接続導体23は、それぞれ、内部電極16,18と同じ層に位置している。具体的には、各接続導体23は、各内部電極16,18に形成された開口内に位置している。各開口は、積層方向から見て、外部電極15に対応する位置に形成されている。すなわち、各接続導体23の全縁は、積層方向から見て、各内部電極16,18に囲まれている。各開口は、積層方向から見て、外部電極15に対応する位置に形成されている。
【0032】
各接続導体23は、積層方向において外部電極15と対向しており、積層方向から見て外部電極15と重なる位置に配置されている。各接続導体23は、積層方向において内部電極17と対向しており、積層方向から見て内部電極17と重なる位置に配置されている。複数のビア導体26は、それぞれ、外部電極15と内部電極17と複数の接続導体23との間に位置しており、積層方向から見て外部電極15と重なる位置に配置されている。複数のビア導体26は、それぞれ、積層方向において、対応する圧電体層12a,12b,12cを貫通している。
【0033】
各接続導体21,22は、積層方向から見て、長方形状を呈している。本実施形態では、長方形状の各角が丸められている。各接続導体23は、積層方向から見て、正方形状を呈している。本実施形態では、正方形状の各角が丸められている。
【0034】
接続導体21,22,23及びビア導体24,25,26は、導電性材料からなる。導電性材料には、たとえば、Ag、Pd、Pt、又はAg-Pd合金が用いられる。接続導体21,22,23及びビア導体24,25,26は、たとえば、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。ビア導体24,25,26は、対応する圧電体層12a,12b,12cを形成するためのセラミックグリーンシートに形成された貫通孔に充填された導電性ペーストが焼結することにより形成される。
【0035】
圧電素体11の主面11bには、内部電極16,17,18と電気的に接続されている導体は、配置されていない。本実施形態では、主面11bを積層方向から見たとき、主面11bの全体が露出している。主面11a,11bは、自然面である。自然面とは、焼成により成長した結晶粒の表面により構成される面である。
【0036】
圧電素体11の各側面11cにも、内部電極16,17,18と電気的に接続されている導体は、配置されていない。本実施形態では、各側面11cを積層方向に交差する方向から見たとき、各側面11cの全体が露出している。本実施形態では、各側面11cも、自然面である。
【0037】
圧電体層12bにおいて、外部電極13に接続されている内部電極16と外部電極15に接続されている内部電極17とに挟まれている領域は、圧電的に活性な第一活性領域19を構成する。圧電体層12cにおいて、外部電極14に接続されている内部電極18と外部電極15に接続されている内部電極17とに挟まれている領域は、圧電的に活性な第二活性領域20を構成する。
【0038】
第一活性領域19及び第二活性領域20は、たとえば、外部電極15をグラウンドに接続した状態で、外部電極13及び外部電極14に互いに極性が異なる電圧を印加することにより、互いに同じ向きに分極されている。第一活性領域19は、たとえば内部電極16から内部電極17に向かう方向に分極され、第二活性領域20は、たとえば内部電極17から内部電極18に向かう方向に分極されている。
【0039】
圧電素子10の駆動時には、たとえば、外部電極13,14には互いに極性が同じ電圧が印加され、外部電極15には外部電極13,14とは互いに極性が異なる電圧が印加される。これにより、第一活性領域19及び第二活性領域20のうちの一方には、分極方向と同じ向きの電圧が印加されて、積層方向と交差する方向に伸長し、他方には分極方向と逆向きの電圧が印加されて、積層方向と交差する方向に収縮する。圧電素子10は、第一活性領域19及び第二活性領域20のうちの一方の伸長と、他方の収縮と、によって、積層方向にたわみ振動する。外部電極13,14と、外部電極15とに交流電圧が印加されると、外部電極13,14に印加される電圧の極性と、外部電極15に印加される電圧の極性とが交互に反転するため、圧電素子10は、積層方向にたわみ振動する。
【0040】
本実施形態では、振動板30は、板形状を呈している。振動板30は、図1に示されるように、互いに対向している一対の主面30a,30bと、一対の主面30a,30bを連結している一対の側面30cとを含んでいる。本実施形態では、主面11bが主面30bに対向するように、圧電素子10が振動板30に接合されている。たとえば、圧電素子10は、接着層を挟んで振動板30に対向していてもよい。接着層は、圧電素子10と振動板30とを互いに接合している。振動板30は、金属又は樹脂からなる。振動板30は、たとえば、アルミニウムからなる。振動板30は、たとえば、ステンレス鋼(一例として、SUS304)、又は、Ni-Fe合金(一例として、42アロイ)からなってもよい。振動板30は、たとえば、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂)、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、又は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂からなってもよい。
【0041】
振動ユニット2は、圧電素子10のたわみ振動に応じて振動する。振動板30は、圧電素子10のたわみ振動によって、主面30bと直交する方向にたわみ振動する。振動ユニット2は、圧電素子10のたわみ振動によって、主面30bと直交する方向にたわみ振動する。以下では、主面30bと直交している方向を第一方向D1と称する。本実施形態では、第一方向D1は、積層方向と一致している。
【0042】
一対の支持部材4a,4bは、振動ユニット2を基材Bに支持している。一対の支持部材4a,4bは、互いに離間している。各支持部材4a,4bが振動ユニット2を基材Bに支持している状態では、主面30bが基材Bと対向している。以下では、一対の支持部材4a,4bが離間している方向を、第二方向D2と称する。各支持部材4a,4bは、たとえば、金属又は樹脂からなる。各支持部材4a,4bは、たとえば、アルミニウムからなる。各支持部材4a,4bは、たとえば、ステンレス鋼(一例として、SUS304)、又は、Ni-Fe合金(一例として、42アロイ)からなってもよい。各支持部材4a,4bは、たとえば、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂)、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、又は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂からなってもよい。
【0043】
第一方向D1における主面30aと主面30bとの間の距離は、たとえば、0.1mm以上2mm以下である。当該距離は、振動板30の厚みである。第二方向D2における、一対の側面30cの間の距離は、たとえば、30mm以上200mm以下である。第一方向D1から見て、第二方向D2と直交する方向における、一対の主面30a,30bの一方の縁と一対の主面30a,30bの他方の縁との間の距離は、たとえば、10mm以上100mm以下である。以下では、第一方向D1から見て、第二方向D2と直交する方向を、第三方向D3と称する。
【0044】
振動板30は、圧電素子10が接合されている第一領域31と、第一領域の両側に位置している一対の第二領域32,33と、を含んでいる。第二領域32は、たとえば、振動板30の、第二方向D2での一方の端を含んでいる。第二領域33は、たとえば、振動板30の、第二方向D2での他方の端を含んでいる。支持部材4aは、一対の第二領域32,33のうち対応する第二領域32に配置されている。支持部材4bは、一対の第二領域32,33のうち対応する第二領域33に配置されている。
【0045】
各支持部材4a,4bは、振動板30に連結されている第一部分41と、基材Bに連結されている第二部分42と、第一部分41と第二部分42との間に位置している第三部分43と、を有している。第一部分41は、第三部分43を挟んで第二部分42と互いに対向している。
【0046】
本実施形態では、主面30bに各支持部材4a,4bが連結されている。各支持部材4a,4bは、主面30bを含む仮想平面P1と交差する方向に延在している。たとえば、各支持部材4a,4bは、板状を呈しており、第一方向D1に延在している。各支持部材4a,4bは、第二方向D2で互いに対向している一対の主面40aと、第一方向D1で互いに対向している一対の側面40bとを含んでいる。
【0047】
第一部分41は、一方の側面40bにおいて振動板30に連結されている。第二部分42は、他方の側面40bにおいて基材Bに連結されている。第二方向D2における一方の主面40aと他方の主面40aとの間の距離は、たとえば、5mm以上30mm以下である。当該距離は、各支持部材4a,4bの第一部分41及び第二部分42での厚みである。第一方向D1における、一方の側面40bと他方の側面40bとの間の距離は、たとえば、5mm以上100mm以下である。第三方向D3における、主面40aの一方の縁と主面40aの他方の縁との間の距離は、たとえば、10mm以上100mm以下である。
【0048】
本実施形態では、各支持部材4a,4bは、それぞれ振動板30の第二方向D2での端に位置している。各側面30c、及び、各主面40aは、それぞれ同一の仮想平面(不図示)に含まれている。
【0049】
本実施形態では、振動板30の第三方向D3の長さと、各支持部材4a,4bの第三方向D3の長さとは、等しい。振動板30は、第三方向D3において互いに対向している一対の側面(不図示)を含んでいる。各支持部材4a,4bは、第三方向D3において互いに対向している一対の側面(不図示)を含んでいる。振動板30の各当該側面、及び、各支持部材4a,4bの各当該側面は、それぞれ同一の仮想平面(不図示)に含まれている。
【0050】
第三部分43は、第三方向D3での各支持部材4a,4bの両端を含む一対の溝43aを有している。各主面40aは、溝43aを構成している面を含んでいる。溝43aは、各支持部材4a,4bの第三方向D3において互いに対向している一対の側面の一方から他方まで延在している。一対の溝43aは、一方の主面40a及び他方の主面40aから等距離に位置している仮想平面P2に対して、それぞれ面対称に位置している。支持部材4aにおいて、一対の溝43aは、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向でのそれぞれの位置が一致するように形成されている。支持部材4bにおいても、一対の溝43aは、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向でのそれぞれの位置が一致するように形成されている。
【0051】
本実施形態では、一対の溝43aを画成している面は、仮想平面P2に対して、それぞれ面対称に位置している。各溝43aは、各支持部材4a,4bの厚さ方向に形成されている。各主面40aは、各溝43aを画成する湾曲面43bを含んでいる。湾曲面43bは、たとえば、第三方向D3から見て、半円状の円弧を呈している。
【0052】
第三部分43は、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向と直交する断面の断面積が部分的に小さい。以下では、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向と直交する断面を、断面と称する。当該断面の断面積を、断面積と称する。本実施形態では、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向は、第一方向D1と一致している。第三部分43は、一対の溝43aの位置において、部分的に断面積が小さい。第三部分43の断面積は、溝43aの形状に応じて変化する。第三部分43の断面積は、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向における断面の位置に応じて変化する。具体的には、第三部分43の断面積は、第二方向D2において、一方の湾曲面43bと他方の湾曲面43bとの間の距離に応じて変化する。当該距離は、第三部分43の厚みである。第三部分43の厚みの最小値は、たとえば、0.1mm以上3mm以下である。第二方向D2における、第三部分43の厚みが最小になる位置は、たとえば、主面30bを基準に、10mm以上50mm以下、離間している。各支持部材4a,4bは、第三部分43においてたわみ変形する。
【0053】
一対の支持部材4a,4bは、振動ユニット2の振動によって振動する。本実施形態では、振動ユニット2のたわみ振動によって、一対の支持部材4a,4bは、第二方向D2でたわみ振動する。振動ユニット2が第一方向D1においてたわみ変形するとき、一対の支持部材4a,4bが、第二方向D2において互いに内側に向かってたわみ変形するように、音響デバイス1は、たわみ振動する。
【0054】
図3を参照して、第一実施形態に係る音響デバイス1の周波数特性について説明する。図3の横軸は振動の周波数(Hz)を示し、縦軸は振動の振幅(μm)を示している。図3は、音響デバイス1の周波数特性と、音響デバイス1を構成している振動ユニット2及び一対の支持部材4a,4bのそれぞれの周波数特性と、を示している。
【0055】
振動ユニット2の共振周波数は、一対の支持部材4a,4bの共振周波数と異なる。振動ユニット2の共振周波数と、一対の支持部材4a,4bの共振周波数とは、それぞれの最低共振周波数によって比較される。振動ユニット2の最低共振周波数は、たとえば、1kHzである。W1は、振動ユニット2の最低共振周波数を中心とする周波数帯域における振幅のピークを示している。W1の周波数帯域において、振動ユニット2の音圧特性が向上する。一対の支持部材4a,4bの最低共振周波数は、たとえば、1.5kHzである。W2は、一対の支持部材4a,4bの最低共振周波数を中心とする周波数帯域における振幅のピークを示している。W2の周波数帯域において、一対の支持部材4a,4bの音圧特性が向上する。
【0056】
図3に示されるように、音響デバイス1の周波数特性は、振動ユニット2の周波数特性と、一対の支持部材4a,4bの周波数特性とが合成されたものである。したがって、音響デバイス1では、振動ユニット2の最低共振周波数を中心とする周波数帯域と、一対の支持部材4a,4bの最低共振周波数を中心とする周波数帯域とにおいて音圧特性が向上する。
【0057】
本実施形態に係る音響デバイス1は、振動ユニット2の共振周波数と、一対の支持部材4a,4bの共振周波数とが、異なっている。したがって、振動ユニット2の共振周波数と、一対の支持部材4a,4bの共振周波数とにおいて、音圧が増大する。この結果、音響デバイス1は、幅広い周波数帯域で、音圧特性を向上する。
【0058】
本実施形態に係る音響デバイス1では、各支持部材4a,4bは、振動板30に連結されている第一部分41と、基材に連結される第二部分42と、第一部分41と第二部分42との間に位置している第三部分43とを有している。第三部分43では、断面積が部分的に小さい。
各支持部材4a,4bが、断面積が部分的に小さい第三部分43を有している構成では、各支持部材4a,4bの共振周波数は、第三部分43の形状、すなわち断面積に応じて変化する。したがって、音響デバイス1では、各支持部材4a,4bの共振周波数が所望の周波数に容易かつ確実に調整され得る。
【0059】
本実施形態に係る音響デバイス1では、振動板30は、各支持部材4a,4bが連結されている主面30bを含んでいる。各支持部材4a,4bは、主面30bを含む仮想平面P1と交差する方向に延在している。
各支持部材4a,4bが主面30bを含む仮想平面P1と交差する方向に延在している構成は、第一方向D1から見たときの、音響デバイス1のサイズを低減し得る。
【0060】
本実施形態に係る音響デバイス1では、各溝43aは、湾曲面43bによって画成されている。
各溝43aが湾曲面43bによって画成されているため、各支持部材4a,4bが第三部分43においてたわみ変形するとき、第三部分43に発生する応力が分散される。よって、音響デバイス1では、第三部分43は、塑性変形し難い。
【0061】
(第二実施形態)
図4及び図5を参照して、第二実施形態に係る音響デバイス1の構成を説明する。図4は、第二実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。図5は、第二実施形態に係る音響デバイス1の周波数特性を示す図である。第二実施形態は、概ね、第一実施形態と類似又は同じである。第二実施形態は、各支持部材4a,4bが第四部分44を有している点において、第一実施形態と相違する。
【0062】
本実施形態では、各支持部材4a,4bは、第一部分41と第二部分42との間に位置していると共に断面積が部分的に小さい第三部分43と、第一部分41と第二部分42との間に位置している第四部分44と、を有している。
【0063】
第四部分44は、第三方向D3での各支持部材4a,4bの両端を含む一対の溝44aを有している。各主面40aは、溝44aを構成している面を含んでいる。溝44aは、各支持部材4a,4bの第三方向D3において互いに対向している一対の側面の一方から他方まで延在している。一対の溝44aは、仮想平面P2に対してそれぞれ面対称に位置している。支持部材4aにおいて、一対の溝44aは、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向でのそれぞれの位置が一致するように形成されている。支持部材4bにおいても、一対の溝44aは、第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向でのそれぞれの位置が一致するように形成されている。
【0064】
本実施形態では、一対の溝44aを画成する面は、仮想平面P2に対して、それぞれ面対称に位置している。各溝44aは、各支持部材4a,4bの厚さ方向に形成されている。各主面40aは、各溝44aを画成する湾曲面44bを含んでいる。湾曲面44bは、たとえば、第三方向D3から見て、半円状の円弧を呈している。
【0065】
第四部分44は、一対の溝44aの位置において、部分的に断面積が小さい。本実施形態では、第四部分44の断面積は、第三部分43の断面積とは異なる。第四部分44の断面積は、第三部分43の断面積より大きい。第四部分44の断面積は、溝44aの形状に応じて変化する。第四部分44の断面積は、断面の位置に応じて変化する。具体的には、第四部分44の断面積は、第二方向D2において、一方の湾曲面43bと他方の湾曲面43bとの間の距離に応じて変化する。当該距離は、第四部分44の厚みである。第四部分44の厚みの最小値は、たとえば、0.1mm以上3mm以下である。第二方向D2における、第四部分44の厚みが最小になる位置は、たとえば、第三部分43の厚みが最小になる位置を基準に、5mm以上40mm以下、離間している。各支持部材4a,4bは、第三部分43と、第四部分44とにおいて、たわみ変形する。
【0066】
図5を参照して、第二実施形態に係る音響デバイス1の周波数特性について説明する。図5は、第二実施形態に係る音響デバイス1における、周波数と振幅の関係を示している。一対の支持部材4a,4bは、複数の部分においてたわみ変形するため、複数の振幅のピークを示す。W3は、一対の支持部材4a,4bの最低共振周波数とは異なる共振周波数を中心とする周波数帯域における振幅のピークを示している。一対の支持部材4a,4bの最低共振周波数とは異なる共振周波数は、たとえば、1kHzである。W3の周波数帯域において、一対の支持部材4a,4bの周波数特性が向上する。
【0067】
図5に示されるように、音響デバイス1の周波数特性は、振動ユニット2の周波数特性と、一対の支持部材4a,4bの周波数特性とが合成されたものである。したがって、音響デバイス1では、振動ユニット2の最低共振周波数を中心とする周波数帯域と、一対の支持部材4a,4bの最低共振周波数を中心とする周波数帯域と、一対の支持部材4a,4bの最低共振周波数とは異なる共振周波数を中心とする周波数帯域とにおいて音圧特性が向上する。
【0068】
本実施形態に係る音響デバイス1は、各支持部材4a,4bは、第四部分44を有している。第四部分44は、第一部分41と第二部分42との間に位置していると共に断面積が部分的に小さい。
各支持部材4a,4bが、断面積が部分的に小さい第四部分44を有している構成では、各支持部材4a,4bの共振周波数は、第三部分43の形状のほか、第四部分44の形状、すなわち断面積に応じても変化する。したがって、音響デバイス1では、各支持部材4a,4bの共振周波数が所望の周波数により一層容易かつ確実に調整され得る。
【0069】
(第三実施形態)
図6を参照して、第三実施形態に係る音響デバイス1の構成を説明する。図6は、第三実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。第三実施形態は、概ね、第一実施形態と類似又は同じである。第三実施形態は、各支持部材4a,4bが主面30bを含む仮想平面P1と平行な方向に延在している点において、第一実施形態と相違する。
【0070】
本実施形態では、振動板30は、各支持部材4a,4bが連結されている主面30bを含んでおり、各支持部材4a,4bは、主面30bを含む仮想平面P1と平行な方向に延在している。たとえば、各支持部材4a,4bは、板状を呈しており、第二方向D2に延在している。各支持部材4a,4bは、第一方向D1で互いに対向している一対の主面40aと、第二方向D2で互いに対向している一対の側面40bとを含んでいる。第一部分41は、一方の主面40aにおいて振動板30に連結されている。一方の側面40bは、第二部分42において基材Bに連結されている。
【0071】
一対の支持部材4a,4bは、振動ユニット2の振動によって振動する。本実施形態では、振動ユニット2のたわみ振動によって、一対の支持部材4a,4bは、第一方向D1でたわみ振動する。本実施形態では、振動ユニット2のたわみ振動によって、一対の支持部材4a,4bは、第一方向D1でたわみ振動する。振動ユニット2が第一方向D1の一方に向かってたわみ変形するとき、一対の支持部材4a,4bが、第一方向D1の一方に向かってたわみ変形するように、音響デバイス1は、たわみ振動する。
【0072】
本実施形態に係る音響デバイス1では、振動板30は、各支持部材4a,4bが連結されている主面30bを含んでいる。各支持部材4a,4bは、主面30bを含む仮想平面P1と平行な方向に延在している。
各支持部材4a,4bが主面30bを含む仮想平面P1と平行な方向に延在している構成は、第一方向D1での、音響デバイス1のサイズを低減し得る。
【0073】
(第四実施形態)
図7は、第四実施形態に係る音響デバイス1の断面構成を示す図である。第四実施形態は、概ね、第二実施形態及び第三実施形態と類似又は同じである。第四実施形態は、各支持部材4a,4bが主面30bを含む仮想平面P1と平行な方向に延在している点において、第二実施形態と相違する。第四実施形態は、各支持部材4a,4bが第四部分44を有している点において、第三実施形態と相違する。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0075】
(変形例)
図8は、変形例に係る各支持部材4a,4bの断面構成を示す拡大図である。図8は、第三部分43の拡大図である。
第三部分43は、一対の溝43aを有さなくてもよい。図8の(a)に示される変形例では、第三部分43は、第三方向D3での両端を含む一つの溝43aを有している。図示は省略するが、第四部分44も、第三部分43と同様に、第三方向D3での両端を含む一つの溝44aを有していてもよい。
各主面40aは、第三部分43において、各溝43aを構成する湾曲面43bを含まなくてもよい。図8の(b)に示される変形例では、各主面40aは、第三部分43において、第三方向D3から見て、各溝43aを開口している一対の側面43cと、各溝43aの第二方向D2における底面を構成している底面43dと、一対の側面43cと底面43dとを互いに連結している一対の湾曲面43eと、を含んでいる。図示は省略するが、各主面40aは、第四部分44において、第三方向D3から見て、各溝44aを開口している一対の側面44cと、各溝44aの第二方向D2における底面を構成している底面44dと、一対の側面44cと底面44dとを互いに連結している一対の湾曲面44eと、を含んでいてもよい。
各主面40aは、第三部分43において、一対の側面43cと底面43dとを互いに連結している湾曲面43eを含まなくてもよい。図8の(c)に示される変形例では、各主面40aは、第三部分43において、一対の側面43cと底面43dとを互いに連結している側面43fを含んでいる。図示は省略するが、各主面40aは、第四部分44において、一対の側面44cと底面44dとを互いに連結している側面44fを含んでいてもよい。
一対の溝43aは、第三部分43の第三方向D3での端に達していなくてもよい。一対の溝44aは、第三部分43の第三方向D3での端に達していなくてもよい。
第一部分41と第二部分42とが互いに対向している方向における、一対の溝43aの幅は、互いに異なっていてもよい。各支持部材4a,4bの厚さ方向における、一対の溝43aの深さは、互いに異なっていてもよい。
【0076】
圧電素子10は、複数の内部電極16,17,18を備えない単板の圧電素子であってもよい。複数の内部電極16,17,18を備えない圧電素子10では、一対の主面11a,11bに外部電極が電気的に接続されてもよい。すなわち、振動ユニット2は、ユニモルフ構造の振動子を構成してもよい。振動ユニット2は、当該圧電素子10の伸縮によって、第一方向D1にたわみ振動してもよい。
【0077】
第四部分44の断面積は、第三部分43の断面積より小さくてもよい。第四部分44は、断面積が部分的に小さければよい。
第四部分44の断面積は、第三部分43の断面積と等しくてもよい。第四部分44は、断面積が部分的に小さければよい。
【0078】
各支持部材4a,4bは、第三部分43及び第四部分44以外に、さらに、断面積が部分的に小さい部分を有していてもよい。すなわち、各支持部材4a,4bは、三つ以上の断面積が部分的に小さい部分を有していてもよい。
各支持部材4a,4bが、三つ以上の断面積が部分的に小さい部分を有している構成では、各支持部材4a,4bの共振周波数は、三つ以上の断面積が部分的に小さい部分の形状、すなわち断面積に応じても変化する。したがって、本構成では、各支持部材4a,4bの共振周波数が所望の周波数により一層容易かつ確実に調整され得る。
【0079】
各支持部材4a,4bは、第三方向D3で、複数の部分に分割されていてもよい。たとえば、各支持部材4a,4bは、第三方向D3で互いに離間している複数の柱形状の部分に分割されていてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…音響デバイス、2…振動ユニット、4a,4b…支持部材、10…圧電素子、30a,30b…主面、30…振動板、31…第一領域、32,33…第二領域、41…第一部分、42…第二部分、43…第三部分、44…第四部分、B…基材、P1,P2…仮想平面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8