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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184527
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20221206BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B65D5/54 301D
B65D5/52 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092437
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】橋本 章
(72)【発明者】
【氏名】石川 淳生
(72)【発明者】
【氏名】大谷 昌義
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB03
3E060BC02
3E060CB16
3E060CB24
3E060CE04
3E060CE14
3E060CE15
3E060CE22
3E060CF05
(57)【要約】
【課題】開封操作部の操作による包装箱の開封性を向上する。
【解決手段】包装箱1は、第1方向X及び第2方向Yに延びる天板11と、天板11に対して第3方向Zに間隔をあけて設けられた底板12と、天板11及び底板12の第1方向Xの端に連なる側板13A,13Bと、側板13A,13Bの第2方向Yの端に連なる内フラップ21と、天板11及び底板12の第2方向Yの端に連なる外フラップ22と、天板11に連なる外フラップ22に設けられた開封操作部30と、内フラップ21に設けられた第1破断線36と、側板13A,13Bに設けられた第2破断線37と、側板13A,13Bに設けられ、第2破断線37から天板11に向けて延びる第3破断線38と、一対の第3破断線38間に位置するように天板11に設けられた折線部39とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、及び前記第1方向に対して交差する第2方向に延びる天板と、
前記天板に対して前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に間隔をあけて設けられた底板と、
前記天板及び前記底板それぞれの前記第1方向の端に連なり、前記第2方向及び前記第3方向に延びる一対の側板と、
前記一対の側板それぞれの前記第2方向の端にそれぞれ連なる内フラップと、
前記天板及び前記底板それぞれの前記第2方向の端にそれぞれ連なり、前記内フラップの外側に配置された外フラップと、
前記天板に連なる前記外フラップにそれぞれ設けられた開封操作部と、
前記内フラップにそれぞれ設けられ、前記第1方向に延びる第1破断線と、
前記第1破断線に隣接するように前記一対の側板にそれぞれ一対設けられ、前記第2方向に延びる第2破断線と、
前記一対の側板の前記第2方向の中央領域にそれぞれ設けられ、前記第2破断線から前記天板に向けて前記第3方向に延びる第3破断線と、
一対の前記第3破断線のうち、一方の上端に隣接する第1端と他方の上端に隣接する第2端とを有し、前記天板に設けられた折線部と
を備える、包装箱。
【請求項2】
前記第2破断線は、前記側板の前記第2方向の外側から前記第3破断線に向けて前記天板側へ傾斜している、請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記一方の第3破断線と前記他方の第3破断線とは、前記第2方向に間隔をあけて設けられており、
前記折線部は、前記第1方向に延びる基準線に対して傾斜している、
請求項1又は2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記第1方向における前記開封操作部の形成位置は、前記一対の第3破断線のうちの遠い方に片寄っている、請求項3に記載の包装箱。
【請求項5】
前記折線部は、前記第1端を有する第1折曲線と、前記第2端を有し、前記第1折曲線に対して前記第1方向へ間隔をあけて設けられた第2折曲線とを有し、
前記天板のうち前記第1折曲線と前記第2折曲線の間には、無端状の破断線によって画定された押さえ部が設けられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の側板にそれぞれ設けられた第1破断線と一対の第2破断線、4枚の内フラップにそれぞれ設けられた第3破断線、及び天板に設けられた折線部を備えるラップアラウンド形式の包装箱が開示されている。第1破断線は、側板の長さ方向中央から天板に向けて延び、一対の第2破断線は、第1破断線の下端から側板の長さ方向外側へ延びている。第3破断線は、第2破断線と隣接する位置に設けられ、内フラップの幅方向に延びている。折線部は天板に設けられており、その両端は一対の側板それぞれの第1破断線の上端に隣接している。また、側板には、一対の第2破断線における長さ方向の中央部分に、それぞれ開封操作部が設けられている。
【0003】
包装箱を開封する場合、長さ方向の一方側に位置する2個の開封操作部にそれぞれ手を差し込み、天板側へ持ち上げるように操作する。これにより、第2破断線に沿って側板を破断した後、引き続いて第1破断線に沿って側板を破断するとともに、第3破断線に沿って内フラップを破断する。また、折線部に沿って天板を谷折りすることで、包装箱の長さ方向の一方側を開封できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6736592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の包装箱では、内部に収容された物品が軽量の場合、前述のように長さ方向の一方側に位置する2個の開封操作部を操作しても、包装箱全体が持ち上がるだけで、破断線に沿って側板及び内フラップを破断できない。よって、特許文献1の包装箱には、開封操作部の操作による包装箱の開封性について、改良の余地がある。
【0006】
本発明は、開封操作部の操作による包装箱の開封性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1方向、及び前記第1方向に対して交差する第2方向に延びる天板と、前記天板に対して前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に間隔をあけて設けられた底板と、前記天板及び前記底板それぞれの前記第1方向の端に連なり、前記第2方向及び前記第3方向に延びる一対の側板と、前記一対の側板それぞれの前記第2方向の端にそれぞれ連なる内フラップと、前記天板及び前記底板それぞれの前記第2方向の端にそれぞれ連なり、前記内フラップの外側に配置された外フラップと、前記天板に連なる前記外フラップにそれぞれ設けられた開封操作部と、前記内フラップにそれぞれ設けられ、前記第1方向に延びる第1破断線と、前記第1破断線に隣接するように前記一対の側板にそれぞれ一対設けられ、前記第2方向に延びる第2破断線と、前記一対の側板の前記第2方向の中央領域にそれぞれ設けられ、前記第2破断線から前記天板に向けて前記第3方向に延びる第3破断線と、一対の前記第3破断線のうち、一方の上端に隣接する第1端と他方の上端に隣接する第2端とを有し、前記天板に設けられた折線部とを備える、包装箱を提供する。
【0008】
開封操作部が天板に連なる外フラップに設けられているため、一方の手で開封操作部を操作する際、天板のうち操作する開封操作部とは反対側の領域を他方の手で押さえることができる。よって、内部に収容された物品が軽量であっても、開封操作部の操作によって包装箱が持ち上がることはなく、第1破断線に沿って内フラップを破断できる。また、内フラップの破断後には、引き続いて第2破断線に沿って側板を破断した後、更に引き続いて第3破断線に沿って側板を破断できる。そして、側板の破断後には、折線部に沿って天板を谷折りした半開封状態とすることができる。その後、開封した方を元の位置に戻し、反対側を同様に操作することで、包装箱を開封できる。このように、内部に収容された物品の重量に拘わらず、内フラップ及び側板を容易に破断できるため、開封操作部の操作による包装箱の開封性を向上できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、開封操作部の操作による包装箱の開封性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱の斜視図。
図2】全ての折曲線を表したブランクの平面図。
図3図1の包装箱の平面図。
図4図1の包装箱の底面図。
図5図1の包装箱の正面図。
図6図1の包装箱の背面図。
図7図1の包装箱の左側面図。
図8図5のA-A線断面図。
図9図1の包装箱の開封過程を示す斜視図。
図10】開封した包装箱の下側部分を示す斜視図。
図11】開封した包装箱の上側部分を示す斜視図。
図12】包装箱のブランクを示す平面図。
図13】第2実施形態に係る包装箱の斜視図。
図14】全ての折曲線を表したブランクの平面図。
図15図13の包装箱の平面図。
図16図13の包装箱の底面図。
図17図13の包装箱の正面図。
図18図13の包装箱の背面図。
図19図13の包装箱の左側面図。
図20図17のB-B線断面図。
図21図13の包装箱の開封過程を示す斜視図。
図22】開封した包装箱の下側部分を示す斜視図。
図23】開封した包装箱の上側部分を示す斜視図。
図24】包装箱のブランクを示す平面図。
図25】第3実施形態に係る包装箱の斜視図。
図26】全ての折曲線を表したブランクの平面図。
図27図25の包装箱の平面図。
図28図25の包装箱の底面図。
図29図25の包装箱の正面図。
図30図25の包装箱の背面図。
図31図25の包装箱の左側面図。
図32図29のC-C線断面図。
図33図25の包装箱の開封過程を示す斜視図。
図34】開封した包装箱の下側部分を示す斜視図。
図35】開封した包装箱の上側部分を示す斜視図。
図36】包装箱のブランクを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る包装箱1を示す。この包装箱1は、四角筒状の外周壁10と、外周壁10の両端開口をそれぞれ塞ぐ一対の蓋部20とを備えるラップアラウンドケースである。本実施形態の包装箱1は、3種の破断線36~38に沿って外周壁10と蓋部20を破断することで、下側部分2(図10参照)と上側部分3(図11参照)に分離した状態で開封できる。
【0013】
以下の説明で参照する個々の図面に記載したX方向は包装箱1の幅方向であり、Y方向は包装箱1の長さ方向であり、Z方向は包装箱1の高さ方向である。幅方向Xが本発明における第1方向であり、長さ方向Yが本発明における第2方向であり、高さ方向Zが本発明における第3方向である。
【0014】
図1を参照すると、包装箱1は、長さ方向Yの寸法が幅方向Xの寸法よりも長く、幅方向Xの寸法が高さ方向Zの寸法よりも長い直方体状である。但し、包装箱1の幅方向Xの寸法、長さ方向Yの寸法、及び高さ方向Zの寸法は、内部に収容する物品に応じて変更される。
【0015】
具体的には、長さ方向Yの寸法は250mm以上に設定され、高さ方向Zの寸法は200mm以下に設定され、幅方向Xの寸法は高さ方向Zの寸法以上に設定される。つまり、長さ方向Yの寸法を基準とすると、高さ方向Zの寸法は長さ方向Yの寸法の80%以下に設定され、幅方向Xの寸法は長さ方向Yの寸法の80%以上に設定される。
【0016】
より具体的には、本実施形態の包装箱1では、長さ方向Yの寸法が487mmに設定され、幅方向Xの寸法が387mmに設定され、高さ方向Zの寸法が110mmに設定されている。このように、高さが低くて側面が長細い直方体状の包装箱1を下側部分2と上側部分3に分離する場合、破断線37,38に沿って長側面を破断し難く、破断線37,38の延び方向とは異なる向きに破断が進む(脱線する)ことがある。また、内部に軽量の物品が収容されることが多く、この場合、開封操作によって包装箱1全体が持ち上がるため、開封性が悪くなる。本実施形態では、このような包装箱1の開封性向上を図る。
【0017】
以下、包装箱1の構成を具体的に説明する。
【0018】
(包装箱の概要)
図1に示す包装箱1は、図2に示す一枚のブランクを、所定部位で折り曲げて所定部位を固着することで形成されている。ブランクは、周知の紙器打抜装置によって、紙製段ボールシートを打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、表ライナ(包装箱1の外面)と裏ライナ(包装箱1の内面)の間に波状の中しんを配設した構成である。
【0019】
図2に一点鎖線で示す部分は、肉厚を圧縮するように裏ライナの方から罫を入れて形成した汎用罫線である。図2に二点鎖線で示す部分は、肉厚を圧縮するように表ライナの方から罫を入れて形成した汎用罫線である。図2に実線で示す部分は、裏ライナから表ライナにかけて刃を入れて形成した切断線、及び打ち抜きによる形状線(辺)である。
【0020】
図3は包装箱1の平面図、図4は包装箱1の底面図、図5は包装箱1の正面図、図6は包装箱1の背面図、図7は包装箱1の左側面図である。右側面図は、図7の左側面図と対称に表れる。図8図5のA-A線断面図、図9は包装箱1の開封過程を示す斜視図、図10は開封した包装箱1の下側部分2を示す斜視図、図11は開封した包装箱1の上側部分3を示す斜視図である。図9及び図10には内部に収容する物品の一例(カップ麺)を二点鎖線で図示している。
【0021】
図12は包装箱1のブランクを示す平面図である。図2では全ての罫線を図示しているが、図12では平面視で実際に現れる罫線のみを図示している。具体的には、汎用罫線は、裏ライナ側に設けられるため、図12には現れない。逆罫線は、表ライナ側に設けられるため、図12に細線で示すように現れる。切断線は、裏ライナから表ライナまで貫通しているため、図12に太線で示すように現れる。図5から図7には、実際に現れない罫線を図2と同様に図示している。
【0022】
図1を参照すると、外周壁10は、高さ方向Zに間隔をあけて位置する天板11と底板12、及び幅方向Xに間隔をあけて位置する側板13A,13Bを備える。そのうち、側板13Bは、側板本体14と付代部15を備え、これらを例えば熱溶融樹脂(ホットメルト)等の接着剤によって貼着(固着)した構成である。
【0023】
天板11と底板12は、概ね同一の四角形状に形成され、XY平面に沿って延びている。一対の側板13A,13Bは、概ね同一の四角形状に形成され、YZ平面に沿って延びている。側板13A,13Bは、天板11の幅方向Xの両端に、長さ方向Yに延びる折曲部16を介してそれぞれ連続している。また、側板13A,13Bは、底板12の幅方向Xの両端に、長さ方向Yに延びる折曲部17を介してそれぞれ連続している。
【0024】
図2を参照すると、側板本体14、天板11、側板13A、底板12、及び付代部15は、この順で上側から下側へ連設されている。天板11の上下には、折曲部16を構成する折曲線16aを介して、側板本体14と側板13Aがそれぞれ連設されている。底板12の上下には、折曲部17を構成する折曲線17aを介して、側板13Aと付代部15がそれぞれ連設されている。折曲線16aは汎用罫線からなり、折曲線17aはリード罫からなる。リード罫とは、折曲性を汎用罫線よりも向上するために、汎用罫線上に間隔をあけて複数の切断線を設けた構成である。付代部15は、突出寸法が短くてブランクの端に位置するため、底板12と付代部15の間のリード罫(折曲線17a)の切断線数は、底板12と側板15Aの間のリード罫(折曲線17a)の切断線数よりも多い。
【0025】
天板11に対して側板本体14を折り曲げた後、側板13Aに対して底板12を折り曲げ、側板本体14の外面側に付代部15を貼着する(外グルア)。これにより、側板本体14と付代部15が側板13Bとして一体化され、連続した無端状の外周壁10が形成される。
【0026】
なお、付代部15を天板11に連設し、側板本体14を底板12に連設してもよい。また、図2に破線で示すように、付代部15は、側板13Bに連設され、底板本体に貼着されてもよいし、側板13Aに連設され、天板本体に貼着されてもよい。また、付代部15は、貼着対象の外面側に貼着される構成(外グルア)に限られず、貼着対象の内面側に貼着されてもよい(内グルア)。
【0027】
図1を参照すると、一対の蓋部20は、長さ方向Yに間隔をあけて設けられ、XZ平面に沿って延びている。個々の蓋部20は、四角形状であり、天板11、底板12及び一対の側板13A,13Bそれぞれに連なっている。具体的には、蓋部20は、幅方向Xに間隔をあけて位置する一対の内フラップ21と、高さ方向Zに間隔をあけて位置する一対の外フラップ22とを備える。一対の内フラップ21の外面に一対の外フラップ22が配置され、これらの重畳部分が側板13Bと同様に、熱溶融樹脂等の接着剤によって貼着されることで蓋部20が形成されている。
【0028】
一対の内フラップ21は、図2に示すブランクの状態で、先端が外フラップ22の先端と直線上に位置する寸法の四角形状である。一対の外フラップ22は、図1に示す封緘状態で、互いの先端が突き合う寸法の四角形状である。図1を参照すると、合計で4枚(二対)の内フラップ21は、側板13A,13Bそれぞれの長さ方向Yの端に、高さ方向Zに延びる折曲部23を介してそれぞれ連続している。合計で4枚(二対)の外フラップ22は、天板11及び底板12それぞれの長さ方向Yの端に、幅方向Xに延びる折曲部24を介してそれぞれ連続している。
【0029】
図2を参照すると、4枚の内フラップ21のうち、2枚は側板13Aの両側に折曲部23を構成する折曲線23aを介して連設され、残りの2枚は側板本体14の両側に折曲線23aを介して連設されている。4枚の外フラップ22のうち、2枚は天板11の両側に折曲部24を構成する折曲線24aを介して連設され、残りの2枚は底板12の両側に折曲線24aを介して連設されている。折曲線23a,24aはいずれも汎用罫線からなり、概ね直線上に配置されている。
【0030】
(開封用破断線構造)
図1及び図2を参照すると、包装箱1をトレイ状に開封するために、天板11に連なる外フラップ22には、それぞれ1個の開封操作部(以下「操作部」と略す)30が設けられている。また、内フラップ21にはそれぞれ第1破断線36が設けられ、側板13A,13Bにはそれぞれ一対の第2破断線37と1本の第3破断線38とが設けられている。また、天板11には、1本の折線部39が設けられている。これらによって、包装箱1を2回の操作で開封可能としている。
【0031】
図2図7及び図8を参照すると、操作部30は、開封操作の起点であり、天板11側への操作によって、第1破断線36に沿って内フラップ21を破断するとともに、破断線37,38に沿って側板13A,13Bを破断するために設けられている。本実施形態の操作部30は、それぞれ外フラップ22の幅方向の中央に設けられている。
【0032】
操作部30は、外フラップ22のうち天板11から最も離れた先端部分に設けられている。操作部30は、一対の外側切断線31と、折曲線33とで画定された切起構造部である。本実施形態では、一対の外側切断線31間に中央切断線32が更に設けられ、折曲線33が2本設けられている。
【0033】
一対の外側切断線31は、幅方向Xに間隔をあけて設けられ、それぞれ外フラップ22の先端から天板11に向けて高さ方向Zに延びている。一対の外側切断線31間の間隔は、作業者の手(3本の指)を挿入可能な範囲で可能な限り小さく設定されている。
【0034】
中央切断線32は、一対の外側切断線31間に設けられ、外フラップ22の先端から天板11に向けて高さ方向Zに延びている。中央切断線32の高さ方向Zの全長は、外側切断線31の高さ方向Zの全長よりも長い。そのため、中央切断線32の天板11側の上端は、外側切断線31の天板11側の上端よりも、天板11側に位置している。本実施形態の中央切断線32は、破断可能な間隔をあけえて設けた2本の切断線によって構成されている。ここで、破断可能な間隔とは、外力を加えることによって、隣り合う切断線が繋がるように、切断線間の非切断部(連続部)を破断できる距離を意味する。
【0035】
折曲線33は、汎用罫線からなり、外側切断線31の上端と中央切断線32の上端との間に設けられている。2本の折曲線33のうちの一方は、一対の外側切断線31のうちの一方の上端から中央切断線32の上端にかけて延び、2本の折曲線33のうちの他方は、一対の外側切断線31のうちの他方の上端から中央切断線32の上端にかけて延びている。個々の折曲線33は、外フラップ22の幅方向Xの外側から中央側に向けて、天板11側(上向き)に傾斜している。
【0036】
中央切断線32の上端には、折曲線33に沿って延びる破止め部34が設けられている。破止め部34は、切断線からなり、一対の外側切断線31と一対の折曲線33とで囲まれた操作部30の操作によって、中央切断線32の上端から天板11側へ更に破断することを防ぐ。
【0037】
操作部30は、上記構成に限られず、種々の変更が可能である。例えば、中央切断線32の全長は、一対の外側切断線31の全長と同一であってもよい。また、中央切断線32を設けることなく、一対の外側切断線31間に1本の折曲線33を設けてもよい。また、操作部30は、打ち抜きによって形成された開口部(又は切欠部)であってもよい。
【0038】
図2及び図8を参照すると、内フラップ21のうち、連続した側板13A,13Bから最も離れた先端部分には、幅方向Xの外向きに切り欠いた切欠部35が設けられている。操作部30の操作によって外フラップ22に加えられた力は、図示しない貼着部を介して内フラップ21に伝わり、切欠部35の幅方向Xの外端に集中する。
【0039】
図1図2及び図8を参照すると、第1破断線36は、折曲部24に対して平行に位置するように、幅方向Xに延びている。但し、第1破断線36は、折曲部24に対して平行に延びる構成に限られず、折曲部24に対して傾斜していてもよいし、湾曲していてもよく、全体として幅方向Xに沿って延びる構成であればよい。
【0040】
本実施形態の第1破断線36は、幅方向Xに間隔をあけて設けられた複数の第1切断線36aと、第1切断線36aの端に連なる第2切断線36bとを備える片ジッパーからなる。
【0041】
複数の第1切断線36aのうち、内フラップ21の先端側に位置する第1切断線36aの内端は、切欠部35に連なっている。複数の第1切断線36aのうち、側板13A,13Bに最も近い第1切断線36aの外端は、折曲部23(折曲線23a)に対して間隔をあけて位置されている。但し、幅方向Xにおいて、内端に位置する第1切断線36aの内端は、切欠部35に対して破断可能な間隔をあけて設けられてもよいし、外端に位置する第1切断線36aの外端は、折曲部23上に配置されてもよい。
【0042】
第2切断線36bは、幅方向Xの内端に位置する第1切断線36a以外に設けられている。第2切断線36bは、第1切断線36aのうち切欠部35側の内端に連なり、切欠部35に近づくに従って天板11に近づく向きへ傾斜している。これは、操作部30が天板11側へ操作されるためである。第2切断線36bのうち、第1切断線36aに連ならない方の端は、隣に位置する第1切断線36aに対して破断可能な間隔をあけて位置している。
【0043】
第1破断線36は、一対の外フラップ22間、つまり内フラップ21の全高の中央(センター位置)を基準とし、高さ方向Zの定められた範囲R内に設けられている。この範囲Rは、センター位置から底板12側(下側)へ15mmの位置以上、かつ、センター位置から天板11側(上側)へ15mmの位置以下であることが好ましい。
【0044】
上記範囲R外には内フラップ21と外フラップ22の貼着領域が含まれるため、上記範囲R外に第1破断線36を設けた場合、内フラップ21が変形可能な変位量が少なくなり、第1破断線36に沿った内フラップ21の破断が困難になる。一方、第1破断線36に沿った内フラップ21の破断性は、内フラップ21のセンター位置(外フラップ22の先端間)に近づくに従って向上する。よって、第1破断線36は、上記定められた範囲R内に設けることが好ましく、本実施形態ではセンター位置に設けられている。また、切欠部35は、第1破断線36の形成位置に応じた位置に設けられている。
【0045】
図1及び図2を参照すると、第2破断線37は、第1破断線36に隣接するように側板13A,13Bそれぞれの長さ方向Yの両側にそれぞれ設けられ、長さ方向Yに延びている。図5及び図6を参照すると、本実施形態の第2破断線37は、側板13A,13Bの長さ方向Yの外側から第3破断線38に向けて天板11側へ直線状に傾斜している。つまり、本明細書において、長さ方向Yに延びる第2破断線37とは、長さ方向Yに延びる折曲部16,17に対して平行に位置する幾何学的に厳密な意味での構成に限られず、折曲部16,17に対して交差する方向に延びる構成が含まれている。また、第2破断線37は、湾曲した曲線状であってもよいし、凹凸を繰り返す波状であってもよく、全体として長さ方向Yに延びる構成であればよい。
【0046】
引き続いて図5及び図6を参照すると、第2破断線37は、内フラップ21側に位置する外端37aと、側板13A,13Bの長さ方向Yの中央領域に位置する内端37bとを有する。側板13A,13Bの長さ方向Yの中央領域とは、側板13A,13Bを長さ方向Yに3等分したときの真ん中の領域である。
【0047】
第2破断線37の外端37aと内端37bは、いずれも側板13A,13Bの高さ方向Zの中央領域に位置する。側板13A,13Bの高さ方向Zの中央領域とは、側板13A,13Bを高さ方向Zに3等分したときの真ん中の領域である。なお、側板13Bの第2破断線37は、側板本体14のうち付代部15が重なり合わない部分に設けられている。
【0048】
第2破断線37の外端37aは、第1破断線36の形成位置に基づいて、いずれも高さ方向Zの同じ高さに配置されている。具体的には、外端37aは、第1破断線36の幅方向Xの外端に対して破断可能な間隔をあけて配置されている。本実施形態の外端37aは、折曲部23上に配置されているが、第1破断線36に対して破断可能な間隔であれば、折曲部23に対して間隔をあけて配置されてもよい。
【0049】
第2破断線37の内端37bは、第3破断線38の下端に向けて延びており、いずれも高さ方向Zにおいて同一高さに配置されている。個々の側板13A,13Bに設けられた一対の第2破断線37それぞれの内端37bは、中央領域において同一点上に配置されている。但し、一対の第2破断線37それぞれの内端37bは、互いに間隔をあけて配置されてもよい。
【0050】
より具体的には、第2破断線37は、長さ方向Yに間隔をあけて設けられた複数の第1切断線37cと、第1切断線37cの端に連なる第2切断線37dとを備える片ジッパーからなる。第2切断線37dは、長さ方向Yの外端に位置する第1切断線37c以外に設けられている。第2切断線37dは、第1切断線37cのうち内フラップ21側の外端に連なり、内フラップ21に近づくに従って天板11に近づく向きへ傾斜している。これは、操作部30が天板11側へ操作されるためである。第2切断線37dのうち、第1切断線37cに連ならない方の端は、隣に位置する第1切断線37cに対して破断可能な間隔をあけて位置する。
【0051】
図1及び図2を参照すると、第3破断線38は、側板13A,13Bの長さ方向Yの中央領域にそれぞれ設けられ、一対の第2破断線37の交点から天板11に向けて高さ方向Zに延びている。図5及び図6を参照すると、第3破断線38は、側板13A,13Bの長さ方向Yの中央に設けられ、折曲部23(高さ方向Z)に沿って平行に延びている。但し、第3破断線38は、折曲部23に対して傾斜していてもよい。
【0052】
より具体的には、第3破断線38は、高さ方向Zに破断可能な間隔をあけて設けられた複数(本実施形態では2本)の切断線からなる。最も第2破断線37に近い切断線の下端は、第2破断線37に対して間隔をあけて位置している。最も天板11に近い切断線の上端は、折曲部16に対して間隔をあけて位置している。但し、第2破断線37の下端は、第2破断線37の内端37b上に配置されてもよいし、第2破断線37の上端は、折曲部16上に配置されてもよい。
【0053】
図1図2及び図3を参照すると、折線部39は、操作部30の操作によって天板11の谷折れを許容するために設けられている(図9参照)。折線部39は、一対の側板13A,13Bそれぞれの第3破断線38間に設けられ、幅方向Xに延びている。
【0054】
より具体的には、折線部39は、側板13Aに形成された第3破断線38の上端に隣接する第1端39aと、側板13Bに形成された第3破断線38の上端に隣接する第2端39bとを備える。第1端39aと第2端39bはいずれも、折曲部16に対して間隔をあけて位置している。本実施形態では、側板13Aの第3破断線38と側板13Bの第3破断線38とが長さ方向Yの同じ位置に設けられているため、折線部39は、折曲部24と平行に位置するように直線状に延びている。
【0055】
本実施形態の折線部39は、天板11の折曲性を向上するために、逆罫線39cと、逆罫線39c上に間隔をあけて設けられた複数の切断線39dとを備えるリード罫によって構成されている。隣り合う切断線39dは、破断線とは異なり、外力が加わることによって、互いに繋がり難い間隔(例えば10mm以上)をあけて設けられている。
【0056】
図1図5及び図6を参照すると、一対の側板13A,13Bそれぞれの長さ方向Yの両側には、第2破断線37に沿った側板13A,13Bの破断を促進するための補助折曲線40が設けられている。補助折曲線40は、汎用罫線からなり、側板13A,13Bのうち第2破断線37よりも天板11側に設けられている。
【0057】
補助折曲線40は、第2破断線37側から天板11側に向かうに従って蓋部20側に傾斜している。より具体的には、補助折曲線40は、最も近くに位置する折曲部16の端に交差する方向へ延びている。補助折曲線40の上端は、折曲部16に対して間隔をあけて位置し、補助折曲線40の下端は、第2破断線37に対して間隔をあけて位置している。但し、補助折曲線40の上端は、折曲部16上に配置されてもよいし、補助折曲線40の下端は、第2破断線37上に配置されてもよい。
【0058】
次に、このように構成された包装箱1の開封方法の一例を説明する。
【0059】
包装箱1を開封する場合、図1において右側に位置する操作部30を長さ方向Yの外側から内側へ押し、操作部30を開口させる。続いて、外フラップ22のうち操作部30の上側を一方の手で持ち、天板11のうち操作する操作部30とは反対側の領域を他方の手で押さえる。この状態で、操作部30を、長さ方向Yの外側かつ高さ方向Zの上方へ広げるように操作する。これにより、包装箱1内に収容された物品が軽量であっても、操作部30の操作によって包装箱1が持ち上がることはない。その結果、貼着部によって外フラップ22に貼着された内フラップ21に操作力が伝わり、第1破断線36に沿って内フラップ21が破断される。
【0060】
内フラップ21の破断後には、引き続いて第2破断線37に沿って側板13A,13Bが破断される。第2破断線37に沿った側板13A,13Bの破断が進むと、破断箇所が操作部30から離れるため操作力の伝達性が低減する。しかし、本実施形態では、側板13A,13Bに補助折曲線40が設けられているため、操作部30の操作による第2破断線37に沿った破断時に、補助折曲線40に沿って側板13A,13Bが山折れする。よって、第2破断線37に沿った側板13A,13Bの破断を促進できる。
【0061】
第2破断線37に沿った側板13A,13Bの破断後には、更に引き続いて第3破断線38に沿って側板13A,13Bが破断される。この際、折線部39に沿って天板11が谷折れするため、第3破断線38に沿った側板13A,13Bの破断が促進される。そして、側板13A,13Bの破断後には、図9に示すように、折線部39に沿って天板11を谷折りした半開封状態とすることができる。
【0062】
次に、図9において開封した右側を開封前の元の位置に戻し、図9において左側に位置する方を右側と同様に操作する。つまり、図9において図示しない左側の操作部30を一方の手で持ち、天板11のうち折線部39よりも右側を他方の手で押さえ、操作部30を操作する。これにより、図10及び図11に示すように、包装箱1を下側部分2と上側部分3に分離した開封状態にすることができる。
【0063】
このように構成した包装箱1は、以下の特徴を有する。
【0064】
操作部30が天板11に連なる外フラップ22に設けられているため、一方の手で操作部30を操作する際、天板11のうち操作する方とは反対側の領域を他方の手で押さえることができる。よって、内部に収容された物品が軽量であっても、操作部30の操作によって包装箱1が持ち上がることはなく、第1破断線36に沿って内フラップ21を破断できる。
【0065】
内フラップ21の破断後には、引き続いて第2破断線37に沿って側板13A,13Bを破断した後、更に引き続いて第3破断線38に沿って側板13A,13Bを破断できる。そして、側板13A,13Bの破断後には、折線部39に沿って天板11を谷折りした半開封状態とすることができる。その後、開封した方を元の位置に戻し、反対側を同様に操作することで、包装箱1を開封できる。
【0066】
このように、内部に収容された物品の重量に拘わらず、内フラップ21及び側板13A,13Bを容易に破断できるため、操作部30の操作による包装箱1の開封性を向上できる。また、本実施形態のように、高さが低くて側板13A,13Bが長細い直方体状の包装箱1であっても、破断線37,38の延び方向とは異なる向きに破断が進むことなく、破断線37,38に沿って側板13A,13Bを確実に破断できる。
【0067】
第2破断線37が側板13A,13Bの長さ方向Yの外側から第3破断線38に向けて天板11側へ傾斜している。そのため、第2破断線37が底板12側へ傾斜している場合、及び第2破断線37が天板11と底板12に対して平行に延びている場合と比較して、操作部30の操作による力の伝達性を向上できる。
【0068】
よって、第2破断線37による側板13A,13Bの破断性を向上できるため、包装箱1の開封性を向上できる。
【0069】
以下、本発明の他の実施形態並びに種々の変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
【0070】
(第2実施形態)
図13は第2実施形態の包装箱1を示し、図14は第2実施形態の包装箱1のブランクを示す。第2実施形態の包装箱1は、側板13Aに形成する第3破断線38と、側板13B(側板本体14)に形成する第3破断線38とを、長さ方向Yに間隔をあけて設け、天板11に形成する折線部39を傾斜させた点で、第1実施形態の包装箱1と相違する。
【0071】
なお、図15は包装箱1の平面図、図16は包装箱1の底面図、図17は包装箱1の正面図、図18は包装箱1の背面図、図19は包装箱1の左側面図である。右側面図は、図19の左側面図と対称に表れる。図20図17のB-B線断面図、図21は包装箱1の開封過程を示す斜視図、図22は開封した包装箱1の下側部分2を示す斜視図、図23は開封した包装箱1の上側部分3を示す斜視図である。図21及び図22には内部に収容する物品の一例(カップ麺)を二点鎖線で図示している。
【0072】
図24は包装箱1のブランクを示す平面図である。図14では全ての罫線を図2と同様に図示しているが、図24では平面視で実際に現れる罫線のみを図示している。図17から図19には、実際に現れない罫線を図14と同様に図示している。
【0073】
図14図17及び図18を参照すると、第3破断線38は、第1実施形態と同様に側板13A,13Bの長さ方向Yの中央領域にそれぞれ設けられている。但し、第3破断線38は、側板13A,13Bをそれぞれ正対視したときに、中央領域の一方側(本実施形態では左側)の片寄った位置に設けられている。
【0074】
図17及び図18を参照すると、第2破断線37は、側板13A,13Bそれぞれの長さ方向Yの両側にそれぞれ設けられている。個々の第2破断線37の外端37aは、第1実施形態と同様に、第1破断線36の形成位置に基づき、いずれも高さ方向Zにおいて同一高さに配置されている。個々の第2破断線37の内端37bは、第3破断線38の下端に向けて延びており、いずれも高さ方向Zにおいて同一高さに配置されている。そのため、第2実施形態では、個々の側板13A,13Bに形成される一対の第2破断線37のうち、一方の傾斜角度と他方の傾斜角度は異なっている。
【0075】
図13図14及び図15を参照すると、折線部39は、一対の側板13A,13Bそれぞれの第3破断線38間に設けられ、幅方向Xに延びている。但し、一対の第3破断線38が長さ方向Yの異なる位置に形成されているため、折線部39は、天板11の中心を通り、幅方向Xに延びる基準線Lに対して傾斜している。なお、基準線Lは、天板11と側板13A,13Bの間の折曲部16に対して直交方向に延び、天板11と蓋部20の間の折曲部24に対して平行に延びている。
【0076】
図13図20及び図21を参照すると、操作部30は、外フラップ22に対して幅方向Xの片寄った位置に設けられている。幅方向Xにおける操作部30の形成位置は、一対の側板13A,13Bそれぞれに形成された第3破断線38のうち、遠い方に片寄って設けられている。
【0077】
具体的には、図13及び図17を参照すると、側板13Aの第3破断線38は左側の片寄った位置に設けられている。そのため、図13において、側板13Aの第3破断線38から右側の蓋部20までの距離は、側板13Aの第3破断線38から左側の蓋部20までの距離よりも遠い。よって、図13において右側に位置する蓋部20(外フラップ22)に形成する操作部30は、図20に示すように、幅方向Xの中央よりも側板13A側に形成されている。
【0078】
図13及び図18を参照すると、側板13Bの第3破断線38は、図13において右側の片寄った位置に設けられている。そのため、図13において、側板13Bの第3破断線38(図18参照)から左側の蓋部20までの距離は、側板13Bの第3破断線38から右側の蓋部20までの距離よりも遠い。よって、図13において左側に位置する蓋部20(外フラップ22)に形成する操作部30は、図21に示すように、幅方向Xの中央よりも側板13B側に形成されている。
【0079】
図13及び図20を参照すると、操作部30は、同一の蓋部20を構成する一対の内フラップ21間に設けられている。つまり、操作部30は、外フラップ22のうち内フラップ21と重なり合わない領域に設けられている。これにより、操作部30を開口させる操作の作業性低下を防止している。
【0080】
この第2実施形態の包装箱1は、第1実施形態と同様に開封操作される。つまり、一方の手で操作部30を把持し、他方の手で天板11のうち操作する操作部30とは反対側の領域を押さえた状態で行われる。但し、第2実施形態では、一対の第3破断線38のうちの一方と他方が長さ方向Yに間隔をあけて設けられ、操作部30の形成位置は一対の第3破断線38のうちの遠い方に片寄っている。そのため、操作部30を操作すると、操作部30の近くに位置する内フラップ21と、その内フラップ21に連なる側板(図21では側板13A)が破断された後、遠くに位置する方の内フラップ21と、その内フラップ21に連なる側板(図21では側板13B)が破断される。
【0081】
このように、一対の第3破断線38を長さ方向Yに間隔をあけて設け、操作部30の形成位置を幅方向Xの片寄った位置に設けているため、一対の側板13A,13Bのうち一方と他方を順番に破断できる。よって、開封操作に必要な力を低減できるため、包装箱1の開封性をより向上できる。また、操作部30は、一対の第3破断線38のうちの遠い方に片寄って設けられているため、両方の側板13A,13Bを第2破断線37に沿って確実に破断できる。
【0082】
(第3実施形態)
図25は第3実施形態の包装箱1を示し、図26は第3実施形態の包装箱1のブランクを示す。第3実施形態の包装箱1は、天板11に形成する折線部39を一対の折曲線39e,39gによって構成し、これら折曲線39e,39gの間に専用の押さえ部45を設けた点で、第1実施形態の包装箱1と相違する。
【0083】
なお、図27は包装箱1の平面図、図28は包装箱1の底面図、図29は包装箱1の正面図、図30は包装箱1の背面図、図31は包装箱1の左側面図である。右側面図は、図31の左側面図と対称に表れる。図32図29のB-B線断面図、図33は包装箱1の開封過程を示す斜視図、図34は開封した包装箱1の下側部分2を示す斜視図、図35は開封した包装箱1の上側部分3を示す斜視図である。図33及び図34には内部に収容する物品の一例(カップ麺)を二点鎖線で図示している。
【0084】
図36は包装箱1のブランクを示す平面図である。図26では全ての罫線を図2と同様に図示しているが、図36では平面視で実際に現れる罫線のみを図示している。図29から図31には、実際に現れない罫線を図26と同様に図示している。
【0085】
図25から図27を参照すると、折線部39は、側板13Aの第3破断線38の上端に隣接する第1端39aを有する第1折曲線39eと、側板13Bの第3破断線38の上端に隣接する第2端39bを有する第2折曲線39gとを備える。第1折曲線39eの内端39fと第2折曲線39gの内端39hとは、幅方向Xに間隔をあけて位置している。折曲線39e,39gは、いずれも逆罫線のみで構成され、同一直線上に配置されている。
【0086】
引き続いて図25から図27を参照すると、押さえ部45は、天板11のうち折曲線39e,39gの間に設けられている。押さえ部45は、無端状の破断線46によって画定されている。破断線46内に折線部39は設けられていない。本実施形態の押さえ部45は概ね円形状であるが、その形状は、無端状であれば楕円形状や多角形状であってもよく、種々の変形が可能である。
【0087】
破断線46は、破断可能な間隔をあけて設けられた複数の切断線からなる。破断線46は、幅方向Xの頂部に、折曲線39e,39gに向けて凸になる一対の円弧部46aを備える。円弧部46aを構成する切断線以外の切断線は、全て同一曲率の円弧状である。一対の円弧部46aのうち、一方の頂部は第1折曲線39eの内端39f上に配置され、他方の頂部は第2折曲線39gの内端39h上に配置されている。但し、円弧部46aの頂部と折曲線39e,39gの内端39f,39hとは、破断可能な間隔をあけて配置されてもよい。
【0088】
この第2実施形態の包装箱1を開封操作する場合、操作部30を一方の手で把持し、天板11のうち操作する操作部30とは反対側に位置する押さえ部45を他方の手で押さえる。そして、操作部30を長さ方向Yの外側かつ高さ方向Zの上方へ広げるように操作することで、第1破断線36に沿って内フラップ21を破断した後、引き続いて第2破断線37に側板13A,13Bを破断し、更に引き続いて第3破断線38に沿って側板13A,13Bを破断する。その後、折線部39に沿って天板11を谷折りするとともに、破断線46に沿って天板11を破断することで、図33に示す半開封状態とすることができる。また、同様にして包装箱1の反対側を操作することで、図34及び図35に示すように開封状態とすることができる。
【0089】
このように、第3実施形態では、折線部39が一対の折曲線39e,39gからなり、一対の折曲線39e,39g間に破断線46によって画定された押さえ部45が設けられている。そのため、包装箱1の長さ方向Yの一方側と他方側のいずれを操作する場合でも、一方の手で開封操作部30を操作し、他方の手で押さえ部45を押さえることができる。よって、包装箱1の開封性をより向上できる。
【0090】
なお、図13から及び図24に示す第2実施形態の包装箱1においても、折線部39を一対の39e,39gによって構成し、折曲線39e,39g間に破断線46によって画定された押さえ部45を設けた構成としてもよい。
【0091】
本発明の包装箱1は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0092】
例えば、破断線36,37は、ミシン目状をなすように直線状に延びる複数の切断線によって構成されてもよいし、破断線38は、片ジッパー又はYジッパーによって構成されてもよく、破断線36~38の種類は、対応する内フラップ21及び側板13A,13Bを破断可能であれば、いずれでも適用可能である。勿論、破断線46の種類も必要に応じて変更可能である。
【0093】
折線部39は、汎用罫線と切断線とからなるリード罫であってもよいし、汎用罫線のみによって構成されてもよいし、天板11を折曲可能な構成であれば必要に応じて変更可能である。
【0094】
包装箱1は、紙製段ボールシートに限らず、単層の厚紙によって形成されてもよい。
【0095】
包装箱1の外周壁10は、四角筒状に限られず、八角筒状であってもよい。つまり、側板13A,13Bは、面取り板を介して天板11と底板12にそれぞれ連なっていてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…包装箱
2…下側部分
3…上側部分
10…外周壁
11…天板
12…底板
13A,13B…側板
14…側板本体
15…付代部
16…折曲部
16a…折曲線
17…折曲部
17a…折曲線
20…蓋部
21…内フラップ
22…外フラップ
23…折曲部
23a…折曲線
24…折曲部
24a…折曲線
30…操作部
31…外側切断線
32…中央切断線
33…折曲線
34…破止め部
35…切欠部
36…第1破断線
36a…第1切断線
36b…第2切断線
37…第2破断線
37a…外端
37b…内端
37c…第1切断線
37d…第2切断線
38…第3破断線
39…折線部
39a…第1端
39b…第2端
39c…逆罫線
39d…切断線
39e…第1折曲線
39f…内端
39g…第2折曲線
39h…内端
40…補助折曲線
45…押さえ部
46…破断線
46a…円弧部
L…基準線
X…幅方向(第1方向)
Y…長さ方向(第2方向)
Z…高さ方向(第3方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36