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  • 特開-タイヤ加硫装置 図1
  • 特開-タイヤ加硫装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184537
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】タイヤ加硫装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20221206BHJP
   B29C 35/02 20060101ALI20221206BHJP
   B29L 30/00 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
B29C33/02
B29C35/02
B29L30:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092457
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】大谷 公二
(72)【発明者】
【氏名】渡部 安弘
【テーマコード(参考)】
4F202
4F203
【Fターム(参考)】
4F202AA45
4F202AH20
4F202AP01
4F202AP02
4F202AQ03
4F202CA21
4F202CB01
4F202CX00
4F202CX10
4F203AA45
4F203AH20
4F203AP01
4F203AP02
4F203AQ03
4F203DA11
4F203DB01
4F203DC01
4F203DL10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タイヤの成形不良等を抑制することができるタイヤ加硫装置を提供する
【解決手段】タイヤ加硫装置1は、生タイヤを加硫するための上型2U及び下型2Lを含む加硫金型2と、上型2U及び下型2Lを上下方向で締め付けるための締付装置3と、締付装置3を操作するための操作盤4とを含んでいる。操作盤4には、上型2Uと下型2Lとの間の上下方向の締付け力を表示するための表示部4aが設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ加硫装置であって、
生タイヤを加硫するための上型及び下型を含む加硫金型と、
前記上型及び前記下型を上下方向で締め付けるための締付装置と、
前記締付装置を操作するための操作盤とを含み、
前記操作盤には、前記上型と前記下型との間の上下方向の締付け力を表示するための表示部が設けられている、
タイヤ加硫装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記締付け力を数字で表示するものである、請求項1に記載のタイヤ加硫装置。
【請求項3】
前記締付け力が予め定められた閾値を外れた場合に、警報を発する警報具をさらに含む、請求項1又は2に記載のタイヤ加硫装置。
【請求項4】
前記締付装置には、前記締付け力を測定するためのひずみゲージが設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ加硫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、生タイヤを加硫するためのタイヤ加硫機が記載されている。前記タイヤ加硫機は、下の金型部と、上の金型部と、前記上、下の金型部を締め付ける金型締め付け手段とを具えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-220603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タイヤ加硫中における上、下の金型部の締め付け力が適正でないと、タイヤの成形不良や金型部の耐久性の低下等の問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤの成形不良等を抑制することができるタイヤ加硫装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、タイヤ加硫装置であって、生タイヤを加硫するための上型及び下型を含む加硫金型と、前記上型及び前記下型を上下方向で締め付けるための締付装置と、前記締付装置を操作するための操作盤とを含み、前記操作盤には、前記上型と前記下型との間の上下方向の締付け力を表示するための表示部が設けられている。
【0007】
本発明に係るタイヤ加硫装置は、前記表示部が、前記締付け力を数字で表示するものである、のが望ましい。
【0008】
本発明に係るタイヤ加硫装置は、前記締付け力が予め定められた閾値を外れた場合に、警報を発する警報具をさらに含む、のが望ましい。
【0009】
本発明に係るタイヤ加硫装置は、前記締付装置には、前記締付け力を測定するためのひずみゲージが設けられている、のが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のタイヤ加硫装置は、上記の構成を採用することで、タイヤの成形不良等を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のタイヤ加硫機の一実施例を示す斜視図である。
図2】(A)は、開状態を概念的に示す加硫金型の断面図、(B)は、閉状態を概念的に示す加硫金型の断面図である。
図3】上テーブルの下降位置と上昇位置とを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤ加硫装置(以下、「装置」という場合がある)1の斜視図である。図1に示されるように、本実施形態の装置1は、生タイヤT(図2に示す)を加硫するための加硫金型2と、加硫金型2を締め付けるための締付装置3と、締付装置3を操作するための操作盤4とを含んでいる。装置1は、例えば、2本の生タイヤTを同時に形成することができる。
【0013】
図2(A)は、開状態を概念的に示す加硫金型2の断面図、図2(B)は閉状態を概念的に示す加硫金型2の断面図である。図2(A)及び図2(B)に示されるように、本実施形態の加硫金型2では、生タイヤTは、その軸心方向が上下方向(鉛直)となる横置きに加硫金型2内に配される。これにより、加硫金型2内に配された生タイヤTは、水平方向となるトレッド部Taと、トレッド部Taの上方に位置する上のサイドウォール部Tbと、トレッド部Taの下方に位置する下のサイドウォール部Tcとに区分される。
【0014】
加硫金型2は、本実施形態では、周知構造のものとして形成される。本実施形態の加硫金型2は、上型2Uと、上型2Uよりも下方に配される下型2Lと、上型2Uが取り付けられる上テーブル2Tと、下型2Lが取り付けられる下テーブル2Sと、ブラダー中心機構2Kとを含んでいる。
【0015】
本実施形態の下型2Lは、生タイヤTの下方のサイドウォール部Tcに対応する下サイドモールド6、及び下サイドモールド6を支持するプラテン板7を含んでいる。
【0016】
上型2Uは、例えば、上サイドモールド10、トレッドモールド11、上サイドモールド10とトレッドモールド11とを支持するプラテン板12、及び、円筒状に構成されたコンテナ13を含む。上サイドモールド10は、上のサイドウォール部Tbに対応する。トレッドモールド11は、トレッド部Taに対応する。コンテナ13は、本実施形態では、上テーブル2Tに生タイヤTの半径方向に移動可能に保持されている。コンテナ13は、例えば、トレッドモールド11を拡縮径可能に保持している。プラテン板12は、例えば、上テーブル2Tに取り付けられた移動具14によって、上テーブル2Tとは上下に相対移動可能に取り付けられる。移動具14は、例えば、プラテン板12に対して相対回転可能に取り付けられた金型調整ネジ14aと、金型調整ネジ14aを回転させるためのロッド14bとを含んでいる。金型調整ネジ14aとロッド14bとは、例えば、プラテン板12の内部で、図示しないギヤー機構によって噛み合っている。これにより、ロッド14bが図示しないモータによって回転されると、前記ギヤー機構を介して、金型調整ネジ14aが回転する。このように上型2Uでは、移動具14の駆動によってプラテン板12が上下に相対移動されて、両プラテン板7、12間の距離が調整されるとともに、この相対移動に伴ってトレッドモールド11が拡縮径されうる。
【0017】
ブラダー中心機構2Kは、加硫時に生タイヤTを内側から加熱膨張させる機能を有している。本実施形態のブラダー中心機構2Kは、昇降自在なセンタポストKaに、ブラダーKbが取り付けられた所謂BOMタイプである。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態の加硫金型2は、さらに、両側に側板15Aを立ち上げたフレーム15を有している。フレーム15は、例えば、下テーブル2Sが取り付けられる支持台16を保持している。本実施形態の支持台16は、前後方向に移動可能な走行台として構成される。支持台16は、例えば、下テーブル2Sを、下型2Lに生タイヤTを投入する投入位置と、投入された生タイヤTを加硫する加硫位置と、加硫されたタイヤ(図示省略)を取り出す取出位置との間で移動させることができる。なお、支持台16は、フレーム15に固定されていてもよい。
【0019】
締付装置3は、上型2U及び下型2Lを上下方向で締め付けて、上下方向の締付け力Fを加硫金型2に生じさせる。本実施形態の締付装置3は、上テーブル2Tを昇降自在に支持して、上型2U及び下型2Lを閉じて、締付け力Faを生じさせる。
【0020】
図3は、装置1の拡大正面図である。図3には、上テーブル2Tの下降位置P1と上昇位置P2とが示される。図1及び図3に示されるように、締付装置3は、例えば、上テーブル2Tの両側に配された一対のクランク機構17を具えている。各クランク機構17は、上型2Uと下型2Lとが互いに接して加硫金型2を閉じる下降位置P1と、上型2Uと下型2Lとが離隔して生タイヤTが脱着可能な上昇位置P2、との間で上テーブル2Tを移動し得る。クランク機構17は、例えば、クランク部18と、クランク部18を駆動するための駆動手段25とを具えている。
【0021】
本実施形態のクランク部18は、軸心i回りで回動可能なクランク20、上テーブル2Tを案内する案内ガイド21、案内ガイド21に案内されるスライダー22、及びクランク20とスライダー22とを連結するリンク23を含んでいる。
【0022】
本実施形態のクランク20は、外周に歯部を形成したクランクギヤー20aからなる。クランクギヤー20aは、例えば、側板15Aに回転可能に取り付けられる。
【0023】
案内ガイド21は、側板15Aに形成される。案内ガイド21は、例えば、上下方向にのびる上下ガイド部21aと、上下ガイド部21aの上端に連設されて水平方向にのびる横ガイド部21bとを含んでいる。上下ガイド部21aは、軸心iの上方向に形成される上端開口の溝状体である。横ガイド部21bは、例えば、側板15Aの上端縁によって形成され、上下ガイド部21aに円弧部を介して滑らかに連なる。
【0024】
スライダー22は、本実施形態では、支軸部22aと、この支軸部22aに回転自在に支持されるローラ部22bとから形成される。ローラ部22bは、案内ガイド21に沿って移動する。支軸部22aの一端部は、上テーブル2T側に固定される。
【0025】
リンク23は、例えば、第1の枢着点Q1でクランク20と回転可能に保持されるとともに、第2の枢着点Q2でスライダー22と回転可能に保持される。第1の枢着点Q1は、本実施形態では、軸心iとは異なる位置である。第2の枢着点Q2は、本実施形態では、支軸部22aの軸心である。
【0026】
駆動手段25は、例えば、クランクギヤー20aに噛み合う駆動ギヤー25Aと、駆動ギヤー25Aを回転可能に支持する支持軸(図示省略)とを含んでいる。駆動ギヤー25Aは、例えば、モータによるモータ駆動可能に前記支持軸に支持されている。
【0027】
このような締付装置3は、クランク20の軸心i回りの回動運動が上下運動に変換されて、上型2Uを、案内ガイド21に沿って、下降位置P1から上昇位置P2までの間で移動させる。本実施形態の場合、下降位置P1において、締付け力Faが生じる。また、第1締付具3Aは、例えば、前記モータのブレーキにて、締付け力Faを維持する。
【0028】
操作盤4には、本実施形態では、締付け力Fを表示するための表示部4aが設けられている。これにより、作業者は、タイヤ加硫装置1の操作盤4上で締付け力Fを確認できることから、その値を適正に保つことが可能になり、ひいては、タイヤの成形不良等を抑制することができる。例えば、第2締付具3Bにより上型2Uと下型2Lとを締め付けたときに、締付け力Fが予め定められた閾値から外れている場合、上型2U及び下型2Lの状態を確認するとともに、第1締付具3Aの締付け力Faを調整する。また、加硫中に、締付け力Fが予め定められた閾値から外れている場合、加硫後に、上型2U及び下型2Lの状態を確認するとともに、第1締付具3Aの締付け力Faを調整する。
【0029】
本実施形態の操作盤4は、加硫金型2及び締付装置3から離隔した位置に設けられる。操作盤4には、加硫を制御・監視するための制御具も設けられている。これにより、作業者は、操作盤4にて、装置1を操作できるので、作業効率が向上する。
【0030】
表示部4aは、例えば、加硫金型2内に配されたひずみゲージ45から出力される電気信号に基づいて締付け力Fを表示する。ひずみゲージ45としては、周知の構造のものが採用される。
【0031】
表示部4aは、例えば、締付け力Fを数字で表示するものであるのが望ましい。このような表示部4aは、例えば、締付け力Fが予め定められた閾値を外れたことを、作業者に正確に知らしめる。表示部4aは、本実施形態では、締付け力Faを数字で表示する。このような表示部4aとしては、締付け力Faをデジタル表示するものが望ましい。
【0032】
装置1は、締付け力Fが予め定められた閾値を外れた場合に、警報を発する警報具4bをさらに含むのが望ましい。警報具4bは、本実施形態では、周知の構造のものが採用され、操作盤4に設けられている。これにより、作業者に締付け力Fの異常が早急に連絡されて、タイヤの成形不良等が一層抑制される。
【0033】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【符号の説明】
【0034】
1 タイヤ加硫装置
2 加硫金型
2U 上型
2L 下型
3 締付装置
4 操作盤
4a 表示部
図1
図2
図3