IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図1
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図2
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図3
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図4
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図5
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図6
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図7
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図8
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図9
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図10
  • 特開-光源ユニット及び表示装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184585
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】光源ユニット及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20221206BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221206BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20221206BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20221206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221206BHJP
【FI】
F21S9/02 120
F21S2/00 443
F21V29/503
F21V29/70
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092528
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 智成
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕也
(72)【発明者】
【氏名】片野田 寛治
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA06
3K244BA39
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA08
3K244EA12
3K244KA02
3K244KA03
3K244KA07
3K244KA18
3K244MA02
3K244MA12
3K244MA18
(57)【要約】
【課題】放熱性の向上を図る。
【解決手段】光源ユニットA1は、光を発する1つ以上の発光部30と、導光体5と、筐体4と、放熱部材31と、を有する。導光体5は、長尺に形成されて発光部30が発する光を導光する。筐体4は、導光体5の長手方向の一端又は両端に発光部30を配置した状態で導光体5及び発光部30を支持する。放熱部材31は、発光部30と熱的に結合される。放熱部材31は、導光体5の長手方向に沿って筐体4内に配置される放熱板310を有する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する1つ以上の発光部と、
長尺に形成されて前記発光部が発する前記光を導光する導光体と、
前記導光体の長手方向の一端又は両端に前記発光部を配置した状態で前記導光体及び前記発光部を支持する筐体と、
前記発光部と熱的に結合された放熱部材と、
を有し、
前記放熱部材は、前記導光体の長手方向に沿って前記筐体内に配置される放熱板を有する、
光源ユニット。
【請求項2】
前記発光部は、
1つ以上の固体光源と、
表面に前記固体光源を実装した基板と、
を有し、
前記放熱部材は、前記基板の裏面と熱的に結合する結合部を更に有する、
請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記放熱部材の前記結合部を、前記発光部の前記基板に固定する固定具を更に有する、
請求項2記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記筐体は、前記固定具で固定された前記発光部と前記放熱部材が取り付けられる取付部を備える、
請求項3記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記結合部は、前記放熱板の厚み方向に突出するように前記放熱板と一体に形成される、
請求項3又は4記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記筐体は、前記導光体を収容する収容部を更に備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記放熱板は、前記放熱板の厚み方向に突出する1つ以上の突部を有する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項8】
前記突部は、前記放熱板に対して変位可能に形成されている、
請求項7記載の光源ユニット。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかの光源ユニットと、
前記光源ユニットによって照らされる表示パネルと、
前記表示パネル及び前記光源ユニットを保持する本体と、
を備える、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源ユニット及び表示装置に関し、より詳細には、光源から放射される光を導光体で導光する光源ユニット、及び当該光源ユニットを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1記載の光源装置(表示装置)を例示する。特許文献1記載の光源装置(以下、従来例という)は、LEDからなる点光源と、点光源から入射面に入射する光を導光する線状導光体と、線状導光体の出射面から出射される光を導光する面状導光体と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-349030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来例において、点光源の点灯中の温度が高くなるほど、点光源の発光効率が低下する傾向があるので、放熱性の向上を図ることが望まれる。
【0005】
本開示の目的は、放熱性の向上を図ることができる光源ユニット及び表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光源ユニットは、光を発する1つ以上の発光部と、長尺に形成されて前記発光部が発する前記光を導光する導光体と、を有する。前記光源ユニットは、前記導光体の長手方向の一端又は両端に前記発光部を配置した状態で前記導光体及び前記発光部を支持する筐体と、前記発光部と熱的に結合された放熱部材と、を有する。前記放熱部材は、前記導光体の長手方向に沿って前記筐体内に配置される放熱板を有する。
【0007】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記光源ユニットと、前記光源ユニットによって照らされる表示パネルと、前記表示パネル及び前記光源ユニットを保持する本体と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の光源ユニット及び表示装置は、放熱性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図2図2は、同上の表示装置の分解斜視図である。
図3図3は、同上の表示装置の光源ユニットを外した状態の斜視図である。
図4図4は、同上の表示装置の要部の断面図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る光源ユニットの後方から見た斜視図である。
図6図6は、同上の光源ユニットの後方から見た分解斜視図である。
図7図7Aは、同上の光源ユニットにおける発光ブロックの正面図である。図7Bは、同上の発光ブロックの右側面図である。図7Cは、同上の発光ブロックの左側面図である。
図8図8Aは、同上の光源ユニットにおける導光体の正面図である。図8Bは、同上の導光体の平面図である。図8Cは、同上の導光体の右側面図である。
図9図9は、同上の光源ユニットの下面図である。
図10図10は、同上の光源ユニットの要部の下面図である。
図11図11は、同上の光源ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る光源ユニット、及び本開示の実施形態に係る表示装置について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)実施形態の概要
(1-1)実施形態に係る光源ユニットの概要
実施形態に係る光源ユニットA1は、光を発する1つ以上の発光部30と、導光体5と、筐体4と、放熱部材31と、を有する(図6参照)。導光体5は、長尺に形成されて発光部30が発する光を導光する。筐体4は、導光体5の長手方向の一端又は両端に発光部30を配置した状態で導光体5及び発光部30を支持する。放熱部材31は、発光部30と熱的に結合される。放熱部材31は、導光体5の長手方向に沿って筐体4内に配置される放熱板310を有する。
【0012】
発光部30は、例えば、LED(Light Emitting Diode)のような固体光源を有している。固体光源は、外部から供給される電力の一部を光に変換して発光し、電力の残りを熱として放出する。一般に、LEDのような固体光源は、発熱による温度上昇に伴って発光効率が低下する特性を有している。
【0013】
しかして、実施形態に係る光源ユニットA1は、発光部30と熱的に結合される放熱部材31により、発光部30(の固体光源)が発する熱を放熱して放熱性の向上を図ることができる。しかも、実施形態に係る光源ユニットA1は、放熱部材31が有する放熱板310を、導光体5の長手方向に沿って筐体4内に配置しているので(図5参照)、筐体4内のスペースを有効に利用して放熱性の向上を図ることができる。その結果、実施形態に係る光源ユニットA1は、温度上昇による発光部30の発光効率の低下の抑制を図ることができる。
【0014】
(1-2)実施形態に係る表示装置の概要
実施形態に係る表示装置B1は、実施形態に係る光源ユニットA1と、実施形態に係る光源ユニットA1によって照らされる表示パネル20と、表示パネル20及び実施形態に係る光源ユニットA1を保持する本体1と、を備える(図2参照)。
【0015】
実施形態に係る表示装置B1は、実施形態に係る光源ユニットA1が発光部30の発光効率の低下の抑制を図ることによって、表示パネル20を照らす光量の低下を抑制して視認性の向上を図ることができる。
【0016】
(2)実施形態の詳細
(2-1)実施形態に係る表示装置の構成
実施形態に係る表示装置B1(以下、表示装置B1と略す。)について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する表示装置B1は、事務所及び店舗などの建物の避難口又は避難口への通路に設置される誘導灯である。ただし、実施形態に係る表示装置は、誘導灯に限定されず、例えば、建物内の特定の場所(化粧室など)を表示する用途などに用いられても構わない。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図1に矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を、表示装置B1の上下、前後及び左右の各方向と定義する。
【0017】
表示装置B1は、実施形態に係る光源ユニットA1(以下、光源ユニットA1と略す。)、本体1、表示ブロック2などを備えている(図1図3参照)。
【0018】
本体1は、合成樹脂材料により、前面に開口部を有する四角形の箱状に形成されている(図2参照)。本体1は、光源ユニットA1を点灯させるための電源装置11、2次電池を有する電池ユニット13、端子台12、取付板10などを収容している。
【0019】
電源装置11は、常用電源(例えば、商用の電力系統)から供給される常用電力で光源ユニットA1を点灯させるとともに、電池ユニット13を充電する。また、電源装置11は、電力系統の停電時においては、電池ユニット13から供給される非常用電力で光源ユニットA1を点灯させる。
【0020】
取付板10は、金属材料によって板状に形成されている(図2参照)。取付板10は、本体1の内底面にねじ止めされる。電源装置11と端子台12は、取付板10にねじ止めされて本体1内に収容される。なお、電池ユニット13は、取付板10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0021】
表示ブロック2は、表示パネル20と、導光板21と、保持体22と、を有する(図2参照)。
【0022】
表示パネル20は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。ただし、表示パネル20は、石英ガラスなどの合成樹脂以外の透光性を有する材料で形成されても構わない。表示パネル20の前面(表示面200)には、避難誘導のためのピクトグラム201が表示されている(図1参照)。
【0023】
導光板21は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。導光板21は、その前面を表示パネル20の後面と対向させるように表示パネル20の後方に配置される(図2参照)。導光板21の上面(入射面210)に、光源ユニットA1から放射される光が入射される(図4参照)。入射面210から入射する光は、導光板21内を導光されて導光板21の前面(出射面211)から出射される。そして、導光板21の出射面211から出射する光によって表示パネル20が照らされる。
【0024】
保持体22は、透光性を有しない合成樹脂材料により、前面と上面が開放された四角形の箱状に形成されている。保持体22は、導光板21の前方に表示パネル20を配置するようにして表示パネル20と導光板21を保持している(図2及び図3参照)。
【0025】
表示ブロック2は、本体1の開口部のうち、光源ユニットA1が取り付けられる上部を除いた残りの部分を覆うように本体1に取り付けられる(図1及び図3参照)。光源ユニットA1が本体1に取り付けられた状態において、導光板21の入射面210と光源ユニットA1の導光体5の出射面51(後述する)が上下方向に対向する(図4参照)。したがって、導光体5の出射面51から出射する光のほぼ全部が、導光板21の入射面210から導光板21に入射する。導光板21に入射した光は、導光板21内を進行しながら保持体22の後面で全反射されて導光板21の出射面211から前方へ出射して表示パネル20を照らすことができる。
【0026】
(2-2)実施形態に係る光源ユニットの構成
光源ユニットA1は、発光ブロック3と、導光体5と、筐体4と、を有している(図5及び図6参照)。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図6に矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を、光源ユニットA1の上下、前後及び左右の各方向と定義する。
【0027】
(2-2-1)発光ブロック
発光ブロック3は、発光部30と、放熱部材31と、固定具32と、熱伝導部材33と、を有している(図6及び図7参照)。
【0028】
発光部30は、固体光源であるLED300と、LED300を実装した基板301と、を有している。LED300は、例えば、パッケージ型の照明用白色LEDである。基板301は、左右方向から見て略T字型に形成されたプリント配線板である(図6及び図7B参照)。基板301の幅広の部分の表面にLED300が実装されている。基板301の幅細の部分の表面に一対の電極302が形成されている。一対の電極302は、基板301のプリント配線を介してLED300のアノード及びカソードと1つずつ電気的に接続されている。
【0029】
放熱部材31は、放熱板310と、基板301の裏面と熱的に結合する結合部311と、2つの突部312と、を有している。放熱板310及び結合部311はそれぞれ、長方形の平板状に形成されている。ただし、放熱板310は、基板301よりも十分に大きく形成され、結合部311は、基板301よりも小さく形成されている。また、結合部311は、放熱板310の厚み方向(前後方向)に突出するように放熱板310と一体に形成されている。言い換えると、放熱部材31は、放熱板310と結合部311によって略L字形状に形成されている(図6参照)。
【0030】
2つの突部312はそれぞれ、放熱板310の一部が切り起こされることで放熱板310と一体に形成されている(図6及び図7A参照)。各突部312は、前後方向から見て、略台形状に形成されている。各突部312の一端(台形の下底に相当する部位)が放熱板310とつながっている。そして、各突部312は、放熱板310とつながった一端を支点として、前後方向に変位(撓み)可能に構成されている。
【0031】
また、放熱板310の短手方向(上下方向)における長手方向(左右方向)の中央に、四角形の穴313が1つずつ設けられている(図6及び図7A参照)。これら2つの穴313は、それぞれ放熱板310を厚み方向(前後方向)に貫通している。
【0032】
熱伝導部材33は、例えば、シート状のシリコーン樹脂で四角形状に形成されている(図6参照)。熱伝導部材33は、結合部311と基板301の間に介在し、結合部311と基板301を熱的に結合する。つまり、LED300に生じる熱は、基板301から熱伝導部材33を介して放熱部材31に伝導される。
【0033】
固定具32は、本体部320、第1突片321、第2突片322、一対の押さえ部323及び一対の爪324を有している(図6及び図7参照)。なお、本体部320、第1突片321、第2突片322、押さえ部323及び一対の爪324は、合成樹脂材料によって一体に形成されている。
【0034】
本体部320は、U字形に形成されている。一対の爪324はそれぞれ、角すい台状に形成されている。一対の爪324は、本体部320の両端における内側面に1つずつ設けられている。
【0035】
第1突片321は、四角形の平板状に形成されている。第1突片321は、本体部320の前端と対向している(図7C参照)。第2突片322は、平面視でC字形に形成されている(図6参照)。第2突片322は、本体部320の後端と対向している(図7C参照)。なお、第1突片321及び第2突片322はそれぞれ、本体部320の両端と同じ方向(図6における右方向)に突出している。
【0036】
一対の押さえ部323はそれぞれ、直方体状に形成されている(図6参照)。一対の押さえ部323は、本体部320の内側面(左側面)から突出している。
【0037】
しかして、固定具32は、第1突片321と第2突片322の間に結合部311を配置し、基板301の上端と下端に一対の爪324を1つずつ引っ掛けることよって、発光部30を放熱部材31に固定する(図7B参照)。なお、固定具32は、一対の押さえ部323によって結合部311を基板301に近付く向き(左向き)に押すことにより、結合部311及び基板301と熱伝導部材33との密着度を高めている。
【0038】
(2-2-2)導光体
導光体5は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって4角柱状に形成されている(図6及び図8参照)。ただし、導光体5の形状は4角柱状に限定されず、4角すい状又は4角すい台状などの形状でもよい。
【0039】
導光体5の長手方向(軸方向)に対向する2つの底面(左底面及び右底面)のうち、一方の底面(右底面)が入射面50となる。また、導光体5の4つの側面(前面、後面、上面、下面)のうちの1つの側面(下面)が出射面51となる。さらに、導光体5の出射面51と対向する側面(上面)には、多数の凹溝54が設けられている。これらの凹溝54は、入射面50からの距離が大きくなるにつれて、隣り合う凹溝54との間隔を狭くするように平行に並んでいる(図8B参照)。
【0040】
導光体5の4つの側面のうち、出射面51と隣り合う2つの側面52(前面及び後面)に、複数(図示例では4つ)の嵌合部53が設けられている。4つの嵌合部53は、2つの側面52に2つずつ設けられている(図8A及び図8C参照)。なお、各側面52に2つずつ設けられる嵌合部53のうち、入射面50に近い方の2つの嵌合部53を第1の嵌合部53Aと呼び、入射面50から遠い方の2つの嵌合部53を第2の嵌合部53Bと呼ぶ場合がある。
【0041】
2つの第1の嵌合部53Aは、底面が台形である4角柱状に形成されている。ただし、2つの第1の嵌合部53Aの上面は、2つの第1の嵌合部53Aの下面に比べて、側面52となす角が小さくなっている。
【0042】
2つの第2の嵌合部53Bは、底面が台形である4角柱状の突起530と、突起530の上端から真っすぐに上に延びている直方体状の突台531と、を有している(図6及び図8参照)。なお、突台531の上面は、下向きの傾斜面となっている。
【0043】
(2-2-3)筐体
筐体4は、前壁40、上壁41、一対の側壁42、収容部43、取付部44、複数の位置決め部45、一対の取付片46、及び一対の支持片47を有している(図6参照)。前壁40は、長方形の平板状に形成されている。上壁41は、長方形の平板状に形成され、前壁40の上端から後方に向かって突出している。一対の側壁42はそれぞれ、長方形の平板状に形成され、前壁40の左右両端から後方に向かって突出している。一対の側壁42の上端は、上壁41の長手方向の両端とつながっている。つまり、筐体4は、前壁40、上壁41、及び一対の側壁42により、後面と下面が開放された長尺の箱状に形成されている。
【0044】
収容部43は、前面と下面と右側面が開放された長尺の箱状に形成されている(図6及び図9参照)。収容部43は、入射面50を右側面から露出させ、出射面51を下面から露出させるようにして導光体5を収容する(図5参照)。
【0045】
収容部43は、後板430、上板431、前板432、及び側板433を有している(図6及び図11参照)。後板430は、筐体4の前壁40よりも僅かに短い長尺の長方形状に形成されて前壁40と前後方向に対向している(図6参照)。上板431は、長手方向の長さが後板430の長手方向の長さにほぼ等しい長尺の長方形状に形成されて後板430の上端から前方に突出している(図11参照)。側板433は、長方形の平板状に形成され、後板430及び上板431のそれぞれの左端面とつながっている(図6参照)。側板433の前端から右方向にリブ4330が突出している。なお、後板430とリブ4330の前後方向に沿った間隔は、導光体5の前後方向の厚みよりも僅かに大きい。
【0046】
ここで、後板430には2つの被嵌合部4300が設けられている(図6参照)。2つの被嵌合部4300は、それぞれ4角形の穴で構成されている。こられ2つの被嵌合部4300は、導光体5の後側の側面52に設けられた嵌合部(第1の嵌合部53A、第2の嵌合部53B)が1つずつ嵌合する。
【0047】
前板432は、長方形の平板状に形成されている。前板432は、上板431の右端から後板430と対向するように下向きに突出している(図6及び図11参照)。前板432の長手方向(左右方向)の長さは、放熱板310の長手方向の長さよりも短い(図6及び図10参照)。なお、後板430と前板432の前後方向に沿った間隔は、後板430とリブ4330の前後方向に沿った間隔に等しい(図10参照)。
【0048】
取付部44は、一対の突部440と、押さえ片441と、当接片442と、嵌合部443と、を有し、発光ブロック3を筐体4に取り付けるように構成されている(図6及び図10参照)。
【0049】
一対の突部440は、一対の側壁42のうちの右側の側壁42の内側面(左側面)に設けられている(図6参照)。一対の突部440は、上下方向を軸方向とする柱状に形成されている。一対の突部440は、前後方向に一定の間隔を空けて平行に並ぶように側壁42の内側面から突出している。なお、一対の突部440の前後方向の間隔は、固定具32の本体部320の幅寸法よりも僅かに大きくなっている(図10参照)。
【0050】
押さえ片441は、上下方向から見てL字形に形成されている。押さえ片441は、右側の側壁42の内側面における後端から、後方及び左方に突出するように側壁42と一体に形成されている(図6及び図10参照)。
【0051】
当接片442は、後板430の右端に設けられている(図6参照)。当接片442は、上下方向から見てL字形に形成され、後板430の右端から後方及び右方に突出するように後板430と一体に形成されている(図6及び図10参照)。
【0052】
嵌合部443は、前壁40の後面における右端の上部に設けられている(図10参照)。嵌合部443は、3角柱状に形成されている。嵌合部443は、軸方向を左右方向に一致させ、かつ、上壁41に近付くにつれて前壁40の後面からの突出量が大きくなるように形成されている(図11参照)。
【0053】
複数(本実施形態では2つ)の位置決め部45はそれぞれ、後板430の後面における左右両側に設けられている(図6及び図9参照)。各位置決め部45は、一対の直方体を有している。これら一対の直方体は、軸方向を上下方向に一致させ、かつ、一定の幅の隙間を設けて平行に並ぶように、後板430の後面から後方に突出している(図9参照)。なお、各位置決め部45における隙間の幅は、導光体5の嵌合部53の左右方向の幅よりも僅かに大きくされている。
【0054】
右側の位置決め部45の隙間に、導光体5の前側の側面52における右側の嵌合部53(第1の嵌合部53A)が嵌まり込む(図9及び図10参照)。また、左側の位置決め部45の隙間に、導光体5の前側の側面52における左側の嵌合部53(第2の嵌合部53B)が嵌まり込む(図9参照)。つまり、2つの位置決め部45は、収容部43に収容された導光体5を、筐体4に対して左右方向に位置決めする役割を担っている。
【0055】
一対の支持片47は、上壁41の左右の両端から1つずつ後方に突出している。また、一対の取付片46は、上壁41の左右の両端から1つずつ後方に突出している。ただし、各取付片46は、各支持片47よりも内側に位置している(図6参照)。
【0056】
(2-3)実施形態に係る光源ユニットの組立て手順
次に、光源ユニットA1の組立て手順を説明する。ただし、発光ブロック3の組立て手順の説明は省略する。また、以下に説明する組立て手順は一例であり、幾つかの手順の順番を入れ替えることも可能である。
【0057】
まず、組立て作業を行う作業者は、導光体5の前側の側面52における第1の嵌合部53Aと第2の嵌合部53Bを、2つの位置決め部45のそれぞれの隙間に差し込むようにして、収容部43の下面から導光体5を収容部43に挿入する。このとき、導光体5の後側の側面52における第1の嵌合部53A及び第2の嵌合部53Bの上端が収容部43の後板430の下端に当たると、後板430が後方に撓む。やがて、第1の嵌合部53A及び第2の嵌合部53Bがそれぞれ、後板430に設けられている2つの被嵌合部4300に1つずつ嵌合し、後板430が元の状態に戻る。
【0058】
このようにして、作業者は、導光体5を筐体4の収容部43に収容する。そして、収容部43に収容された導光体5は、2つの嵌合部53(第1の嵌合部53A、第2の嵌合部53B)が2つの被嵌合部4300に1つずつ嵌合することにより、収容部43からの脱落が阻止される。
【0059】
続いて、作業者は、筐体4の取付部44に発光ブロック3を取り付ける。すなわち、作業者は、右側の側壁42と後板430の右端の間に、発光部30、固定具32及び放熱部材31の結合部311を、筐体4の下から挿入する。このとき、作業者は、一対の突部440の間に固定具32の本体部320を差し込む。同時に、作業者は、前壁40と前板432の隙間に、放熱部材31の放熱板310を、筐体4の下から挿入する。
【0060】
そして、放熱板310の上端が嵌合部443を乗り越え、放熱板310の上側の穴313に嵌合部443が嵌まることにより、放熱部材31が筐体4に対して抜け止めされる(図11参照)。また、取付部44の一対の突部440、押さえ片441及び当接片442により、固定具32の前後方向及び左右方向の移動が規制される(図10参照)。このようにして、作業者は、発光ブロック3を取付部44に取り付けることができる。
【0061】
以上のようにして、光源ユニットA1の組立てが完了する。なお、組み立てられた光源ユニットA1において、発光部30の基板301の幅細の端部(電極302が設けられている部分)は、筐体4の押さえ片441よりも後方に突出している(図5参照)。
【0062】
(2-4)実施形態に係る表示装置の施工手順
次に、表示装置B1の施工手順を説明する。
【0063】
まず、施工作業を行う作業者は、本体1の底面に設けられている電源穴15(図2参照)から電源線を引き込んだ後、本体1を木ねじ又はねじくぎで壁面に取り付ける。
【0064】
続いて、作業者は、電源穴15から引き込んだ電源線を端子台12に電気的に接続する。それから、作業者は、表示ブロック2を本体1に取り付ける(図3参照)。
【0065】
最後に、作業者は、本体1のコネクタ14に基板301の幅細の部分を差し込み、一対の取付片46の先端に設けられた爪を、本体1の上面に設けられた穴の縁に引っ掛けることによって、光源ユニットA1を本体1に取り付ける(図1参照)。
【0066】
以上のようにして、表示装置B1の施工が完了する。
【0067】
(3)その他
光源ユニットA1は、2つの発光ブロック3を備えてもよい。2つの発光ブロック3は、導光体5の長手方向の両端に1つずつ配置される。この場合、筐体4の長手方向の両端に、取付部44が1つずつ設けられる。
【0068】
また、表示装置B1は、本体1の前面と後面に、発光ブロック3と表示ブロック2の組が1組ずつ取り付けられるように構成されても構わない。
【0069】
(4)実施形態に係る光源ユニットの利点
上述のように、光源ユニットA1は、発光部30と熱的に結合される放熱部材31を有している。放熱部材31は、導光体5の長手方向(左右方向)に沿って筐体4内に配置される放熱板310を有している。
【0070】
発光部30のLED300が発する熱は、基板301から熱伝導部材33を介して放熱部材31の結合部311に伝導され、更に結合部311から放熱板310に伝導される。
【0071】
しかして、光源ユニットA1は、発光部30と熱的に結合される放熱部材31により、発光部30(のLED300)が発する熱を放熱して放熱性の向上を図ることができる。しかも、光源ユニットA1は、放熱部材31が有する放熱板310を、導光体5の長手方向に沿って筐体4内に配置しているので(図5参照)、筐体4内のスペースを有効に利用して放熱性の向上を図ることができる。その結果、光源ユニットA1は、温度上昇による発光部30の発光効率の低下の抑制を図ることができる。また、光源ユニットA1は、発光効率の低下を抑制することにより、単一の発光部30であっても、表示パネル20を照明するために必要な光量を得ることができる。
【0072】
ここで、放熱板310が配置される、前壁40と前板432の間の隙間の幅は、放熱板310の厚みよりも大きい。したがって、光源ユニットA1は、放熱板310と前板432の間に空間を形成することによって(図10参照)、この空間に対流を生じさせて放熱板310の放熱性の更なる向上を図ることができる。
【0073】
さらに、光源ユニットA1は、放熱板310に設けた突部312によって、放熱板310の厚み方向(前後方向)における放熱部材31の移動を規制している。その結果、光源ユニットA1は、放熱部材31と結合されている発光部30と導光体5の入射面50の位置ずれ及び傾きを抑制することができる。なお、光源ユニットA1において、突部312の先端は常に前板432に当たってもよいし、前板432に当たらなくてもよい。
【0074】
また、突部312は、放熱板310の一部が切り起こされることによって、放熱板310に対して変位可能(撓み可能)に形成されている。しかして、光源ユニットA1は、放熱板310に対して突部を変位不能とする場合に比べて、突部312が前板432に当たったときの前板432の変形又は削れなどを生じ難くすることができる。
【0075】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係る光源ユニット(A1)は、光を発する1つ以上の発光部(30)と、導光体(5)と、筐体(4)と、放熱部材(31)と、を有する。導光体(5)は、長尺に形成されて発光部(30)が発する光を導光する。筐体(4)は、導光体(5)の長手方向の一端又は両端に発光部(30)を配置した状態で導光体(5)及び発光部(30)を支持する。放熱部材(31)は、発光部(30)と熱的に結合される。放熱部材(31)は、導光体(5)の長手方向に沿って筐体(4)内に配置される放熱板(310)を有する。
【0076】
第1の態様に係る光源ユニット(A1)は、発光部(30)と熱的に結合される放熱部材(31)により、発光部(30)が発する熱を放熱して放熱性の向上を図ることができる。しかも、第1の態様に係る光源ユニット(A1)は、放熱部材(31)が有する放熱板(310)を、導光体(5)の長手方向に沿って筐体(4)内に配置しているので、筐体(4)内のスペースを有効に利用して放熱性の向上を図ることができる。
【0077】
本開示の第2の態様に係る光源ユニット(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る光源ユニット(A1)において、発光部(30)は、1つ以上の固体光源(LED300)と、表面に固体光源を実装した基板(301)と、を有することが好ましい。放熱部材(31)は、基板(301)の裏面と熱的に結合する結合部(311)を更に有することが好ましい。
【0078】
第2の態様に係る光源ユニット(A1)は、放熱部材(31)の結合部(311)を発光部(30)の基板(301)と熱的に結合させることにより、固体光源の発する熱を効率的に放熱部材(31)に伝導させることができる。その結果、第2の態様に係る光源ユニット(A1)は、放熱性の更なる向上を図ることができる。
【0079】
本開示の第3の態様に係る光源ユニット(A1)は、第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る光源ユニット(A1)は、固定具(32)を更に有することが好ましい。固定具(32)は、放熱部材(31)の結合部(311)を、発光部(30)の基板(301)に固定する。
【0080】
第3の態様に係る光源ユニット(A1)は、固定具(32)によって結合部(311)と基板(301)の結合強度の向上を図ることができる。
【0081】
本開示の第4の態様に係る光源ユニット(A1)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る光源ユニット(A1)において、筐体(4)は、固定具(32)で固定された発光部(30)と放熱部材(31)が取り付けられる取付部(44)を備えることが好ましい。
【0082】
第4の態様に係る光源ユニット(A1)は、発光部(30)と放熱部材(31)を別々に筐体(4)に取り付ける場合に比べて、発光部(30)と放熱部材(31)を筐体(4)に取り付ける作業の作業性の向上を図ることができる。
【0083】
本開示の第5の態様に係る光源ユニット(A1)は、第3又は第4の態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る光源ユニット(A1)において、結合部(311)は、放熱板(310)の厚み方向に突出するように放熱板(310)と一体に形成されることが好ましい。
【0084】
第5の態様に係る光源ユニット(A1)は、結合部(311)を放熱板(310)と一体に形成することにより、結合部(311)から放熱板(310)への熱の伝導効率の向上を図ることができる。また、第5の態様に係る光源ユニット(A1)は、結合部(311)を放熱板(310)の厚み方向に突出させているので、放熱部材(31)の小型化を図ることができる。
【0085】
本開示の第6の態様に係る光源ユニット(A1)は、第1~第5のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る光源ユニット(A1)において、筐体(4)は、導光体(5)を収容する収容部(43)を更に備えることが好ましい。
【0086】
第6の態様に係る光源ユニット(A1)は、導光体(5)を収容する収容部(43)を筐体(4)に備えることにより、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0087】
本開示の第7の態様に係る光源ユニット(A1)は、第1~第6のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る光源ユニット(A1)において、放熱板(310)は、放熱板(310)の厚み方向に突出する1つ以上の突部(312)を有することが好ましい。
【0088】
第7の態様に係る光源ユニット(A1)は、突部(312)によって放熱板(310)の厚み方向の移動を規制することにより、放熱部材(31)と結合されている発光部(30)と導光体(5)の位置ずれ及び傾きを抑制することができる。
【0089】
本開示の第8の態様に係る光源ユニット(A1)は、第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る光源ユニット(A1)において、突部(312)は、放熱板(310)に対して変位可能に形成されていることが好ましい。
【0090】
第8の態様に係る光源ユニット(A1)は、放熱板(310)に対して突部を変位不能とする場合に比べて、突部(312)が筐体(4)に当たったときの筐体(4)の変形又は削れなどを生じ難くすることができる。
【0091】
本開示の第9の態様に係る表示装置(B1)は、第1~第8のいずれかの光源ユニット(A1)と、光源ユニット(A1)によって照らされる表示パネル(20)と、表示パネル(20)及び光源ユニット(A1)を保持する本体(1)と、を備える。
【0092】
第9の態様に係る表示装置(B1)は、光源ユニット(A1)における放熱性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0093】
A1 光源ユニット
B1 表示装置
1 本体
4 筐体
5 導光体
20 表示パネル
30 発光部
31 放熱部材
32 固定具
43 収容部
44 取付部
300 LED(固体光源)
301 基板
310 放熱板
311 結合部
312 突部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11