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特開2022-184591制御装置、災害支援システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184591
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】制御装置、災害支援システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221206BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20221206BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20221206BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20221206BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20221206BHJP
   B60W 20/00 20160101ALI20221206BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20221206BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20221206BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H02J7/00 P
H02J7/34 G
H02J3/38 110
H02J13/00 301A
B60L58/12
B60W20/00 ZHV
G16Y10/40
G16Y20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092534
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伯耆 雄介
(72)【発明者】
【氏名】杉山 宏石
(72)【発明者】
【氏名】勝又 久美子
(72)【発明者】
【氏名】良邊 理恵
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】山中 富夫
【テーマコード(参考)】
3D202
5G064
5G066
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3D202BB69
3D202CC00
3D202DD00
3D202DD16
3D202DD44
3D202DD45
3D202EE25
3D202EE27
5G064AA04
5G064AC09
5G064BA07
5G064CB08
5G064DA11
5G066AE09
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503CA08
5G503DA04
5G503DA05
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC24
5H125CC07
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE64
(57)【要約】
【課題】車両に搭載された蓄電池による給電情報を把握することができる制御装置、災害支援システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】制御装置は、二次電池106の充電率を取得し、充電率に基づいて、車内コンセント112による給電に関する給電情報を生成し、給電情報を出力するように構成されたECU122を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部へ給電可能な二次電池と、該二次電池と電気的に接続され、電気機器に電力を給電可能なコンセントと、を有する車両から、前記二次電池の充電率を取得し、
前記充電率に基づいて、前記コンセントによる給電に関する給電情報を生成し、
前記給電情報を出力するように構成されたプロセッサを備える、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記給電情報は、
少なくとも、定格出力電力と、充電率、給電可能時間と、を含む、
制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記車両の車種に関する車種情報を取得し、
前記車種情報に基づいて、前記車両が所定の燃料を用いて前記二次電池に給電可能な発電機能を有するか否かを判定し、
前記車両が前記発電機能を有する場合、前記所定の燃料の残量を取得し、
前記残量および前記充電率に基づいて、前記給電情報を生成する、
制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記車両の周囲の環境に関する環境情報を取得し、
前記環境情報、前記残量および前記充電率に基づいて、前記二次電池が給電可能な給電電力量を算出し、
前記給電電力量に基づいて、前記給電情報を生成する、
制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記給電電力量に基づいて、予め設定された複数の電気機器の各々の使用回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出し、
前記複数の電気機器の各々の使用回数および使用可能時間の少なくとも一方を出力する、
制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一つに記載の制御装置であって、
前記コンセントに接続された前記電気機器の消費電力を取得し、
前記消費電力および前記給電情報に基づいて、前記電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出し、
前記使用可能回数および前記使用可能時間の少なくとも一方を出力する、
制御装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一つに記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記車両に対応付けられた通信機器に、前記給電情報を出力する、
制御装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一つに記載の制御装置であって、
当該制御装置は、
前記車両に実装される、
制御装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一つに記載の制御装置であって、
当該制御装置は、
ネットワークを介して前記車両と通信可能なサーバに実装される、
制御装置。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一つに記載の制御装置であって、
当該制御装置は、
前記車両と通信可能な通信機器に実装される、
制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
撮像装置が撮像した撮像データを取得し、
前記撮像データに対応する撮像画像に含まれる電気機器を検出し、
前記給電情報に基づいて、前記電気機器の使用可能回数および使用可能時間の一方を算出し、
前記撮像画像に前記使用可能回数および前記使用可能時間の少なくとも一方を重畳して出力する、
制御装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一つに記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
外部から災害情報および防災情報の少なくとも一方を受信した場合、前記給電情報を出力する、
制御装置。
【請求項13】
外部へ給電可能な二次電池と、該二次電池と電気的に接続され、電気機器に電力を給電可能なコンセントと、を有する車両と、
前記車両から、前記二次電池の充電率を取得し、前記充電率に基づいて、前記コンセントによる給電に関する給電情報を生成し、前記給電情報を出力するように構成されたプロセッサを備える制御装置と、
を備える災害支援システム。
【請求項14】
外部へ給電可能な二次電池と、該二次電池と電気的に接続され、電気機器に電力を給電可能なコンセントと、を有する車両から、前記二次電池の充電率を取得し、
前記充電率に基づいて、前記コンセントによる給電に関する給電情報を生成し、
前記給電情報を出力する、
ことを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、災害支援システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給電対象機器へ給電した電力使用量および、この電力使用量から算出される課金額の少なくとも一方をユーザ端末へ送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-45304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、二次電池等の蓄電池を搭載する車両では、車内コンセントを設け、この車内コンセントに接続された電気機器に蓄電池から電力の給電を行っている。
【0005】
しかしながら、特許文献1では、電力使用量および課金額の少なくとも一方を送信しているに過ぎないため、現在の蓄電池のSOC(State of Charge)に基づく電気機器の具体的な使用可能回数または使用可能時間等の給電に関する給電情報を把握することができなかった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、車両に搭載された蓄電池による給電に関する給電情報を把握することができる制御装置、災害支援システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る制御装置は、外部へ給電可能な二次電池と、該二次電池と電気的に接続され、電気機器に電力を給電可能なコンセントと、を有する車両から、前記二次電池の充電率を取得し、前記充電率に基づいて、前記コンセントによる給電に関する給電情報を生成し、前記給電情報を出力するように構成されたプロセッサを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車両に搭載された蓄電池による給電情報を把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る車両の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る車両が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図4図4は、給電情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態1に係る車両の出力制御部が出力する使用可能時間に関する使用可能時間情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態2に係る通信機器の機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態2に係る通信機器が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図8図8は、実施の形態2に係る通信機器の検出部の検出処理の一例を模式的に説明する図である。
図9図9は、実施の形態2に係る通信機器の出力制御部が出力する使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方の一例を示す図である。
図10図10は、実施の形態3に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。
図11図11は、実施の形態3に係る支援サーバの機能構成を示すブロック図である。
図12図12は、実施の形態3に係る支援サーバが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態に係る制御装置、災害支援システムおよびプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0011】
(実施の形態1)
〔災害支援システムの概略構成〕
図1は、実施の形態1に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。図1に示す災害支援システム1は、車両100と、所定の通信規格に従って車両100と通信可能な通信機器200と、を備える。ここで、所定の通信規格とは、Bluetooth(登録商標)およびWi-Fi(登録商標)の少なくとも一方である。車両100は、EV(Electric Vehicle)、EHV(Hybrid Electric Vehicle)、HV(Hybrid Vehicle)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、およびFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)のいずれかである。また、通信機器200は、例えば携帯電話およびタブレット型の通信端末等である。なお、以下においては、車両100をPHVとして説明する。
【0012】
〔車両の機能構成〕
まず、車両100の詳細な機能構成について説明する。図2は、車両100の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両100は、エンジン101と、発電機102と、第1のインバータ103と、モータ104と、駆動輪105と、二次電池106と、コンバータ107と、切替部108と、第2のインバータ109と、インレット部110と、第1の検出部111と、車内コンセント112と、第2の検出部113と、燃料タンク114と、第3の検出部115と、第4の検出部116と、ドアロック機構117と、通信部118と、外部通信部119と、カーナビゲーションシステム120と、記録部121と、ECU(Electronic Control Unit)122と、を備える。
【0013】
エンジン101は、周知の内燃機関によって構成され、燃料タンク114内に貯留されている燃料を用いて動力を出力する。エンジン101は、ECU122の制御のもと、駆動する。エンジン101から出力された動力は、発電機102を駆動する。
【0014】
発電機102は、第1のインバータ103を介してモータ104と電気的に接続される。発電機102は、ECU122の制御のもと、発電した交流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。発電機102は、発電機能に加えてモータ機能を有する発電用モータジェネレータを用いて構成される。
【0015】
第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をモータ104へ供給する。また、第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、車両100の回生制動時において、モータ104で発電される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。第1のインバータ103は、例えば三相分のスイッチング素子を含むブリッジ回路を含む三相インバータ回路等を用いて構成される。
【0016】
モータ104は、ECU122の制御のもと、車両100の加速時に、第1のインバータ103から供給される交流電力によって駆動する。モータ104から出力された動力は、駆動輪105を駆動させる。また、モータ104は、ECU122の制御のもと、車両100の制動時に、駆動輪105から伝達される外力によって発電する発電機として機能し、この発電した電力を、第1のインバータ103から切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。モータ104は、モータ機能に加えて発電機能を有する駆動用モータジェネレータを用いて構成される。
【0017】
二次電池106は、例えばニッケル水素電池若しくはリチウムイオン電池等の充放電可能な蓄電池または電気二重層キャパシタ等の蓄電素子等を用いて構成される。二次電池106は、コンバータ107によって充放電可能であり、高電圧の直流電力を蓄える。
【0018】
コンバータ107は、一端が二次電池106と電気的に接続され、他端が切替部108を介して第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続される。コンバータ107は、ECU122の制御のもと、二次電池106の充放電を行う。具体的には、コンバータ107は、二次電池106を充電する場合、第2のインバータ109、インレット部110および切替部108を介して外部から供給された直流電力を所定の電圧に降圧し、この降圧した充電電流を二次電池106に供給する。これに対して、コンバータ107は、二次電池106を放電させる場合、二次電池106からの直流電力の電圧を昇圧し、この昇圧した放電電流を、切替部108を介して第1のインバータ103へ供給する。
【0019】
切替部108は、一端がコンバータ107に電気的に接続され、他端が第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続され。切替部108は、ECU122の制御のもと、コンバータ107と、第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方とを電気的に接続する。切替部108は、機械式リレーまたは半導体スイッチ等を用いて構成される。
【0020】
第2のインバータ109は、一端が切替部108に電気的に接続され、他端がインレット部110または車内コンセント112に電気的に接続される。第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をインレット部110へ供給する。具体的には、第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、インレット部110および充放電ケーブル(図示せず)を介して外部へ交流電力を供給する。第2のインバータ109は、外部で使用される電力の形態に対応するように単相インバータ回路等を用いて構成される。
【0021】
インレット部110は、一端が第2のインバータ109と電気的に接続される。インレット部110は、充放電ケーブル(図示せず)が着脱自在に接続される。インレット部110は、充放電ケーブルを介して、外部から供給された交流電力を第2のインバータ109へ供給し、かつ、外部から入力された制御信号等を含む各種情報を通信部118へ出力する。また、インレット部110は、充放電ケーブルを介して第2のインバータ109から供給された交流電力を外部へ供給し、かつ、通信部118を介して入力されたECU122からの制御信号等を含む各種情報を外部へ出力する。
【0022】
第1の検出部111は、二次電池106のSOC(充電率)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第1の検出部111は、電流計、電圧計および温度センサ等を用いて構成される。
【0023】
車内コンセント112は、第2のインバータ109と電気的に接続される。車内コンセント112は、一般の電化製品の電源プラグを接続可能であり、電源プラグが接続された電化製品に対して第2のインバータ109から供給された交流電力を供給する。
【0024】
第2の検出部113は、車内コンセント112と第2のインバータ109との間に設けられ、車内コンセント112に接続された電気機器の消費電力および電流値の少なくとも一方を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第2の検出部113は、電力計、電流計および電圧計等を用いて構成される。
【0025】
燃料タンク114は、エンジン101へ供給される燃料を貯留する。ここで、燃料としては、ガソリン等の化石燃料である。なお、車両100がFCEVの場合、水素燃料を貯留する。
【0026】
第3の検出部115は、燃料タンク114内に貯留された燃料の残量を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第3の検出部115は、燃料計等を用いて構成される。
【0027】
第4の検出部116は、車両100の周辺の環境情報を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。ここで、環境情報とは、温度、湿度、時間および日時等である。第4の検出部116は、温度計、湿度計および時計等を用いて構成される。
【0028】
ドアロック機構117は、ECU122の制御のもと、車両100に設けられた扉の開閉動作を行う。
【0029】
通信部118は、インレット部110を介して外部から入力された各種情報を含む制御信号を受信し、受信した制御信号をECU122へ出力する。また、通信部118は、ECU122から入力されたCANデータ等を含む制御信号をインレット部110へ出力する。通信部118は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0030】
外部通信部119は、ECU122の制御のもと、所定の通信規格に従って、ECU122から入力される各種情報を通信機器200へ送信する。また、外部通信部119は、通信機器200から受信した各種情報をECU122へ出力する。ここで、所定の通信規格とは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)の少なくとも一方である。外部通信部119は、無線通信モジュール等を用いて構成される。
【0031】
カーナビゲーションシステム120は、GPS(Global Positioning System)センサ120aと、地図データベース120bと、報知装置120cと、操作部120dと、を有する。
【0032】
GPSセンサ120aは、複数のGPS衛星または送信アンテナからの信号を受信し、受信した信号に基づいて、車両100の位置(経度および緯度)に関する位置情報を算出する。GPSセンサ120aは、GPS受信センサ等を用いて構成される。なお、実施の形態1では、GPSセンサ120aを複数個搭載することによって車両100の向き精度向上を図ってもよい。
【0033】
地図データベース120bは、各種の地図データを記憶する。地図データベース120bは、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を用いて構成される。
【0034】
報知装置120cは、画像、地図、映像および文字情報を表示する表示部120eと、音声や警報音等の音を発生する音声出力部120fと、を有する。表示部120eは、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイを用いて構成される。音声出力部120fは、スピーカ等を用いて構成される。
【0035】
操作部120dは、ユーザの操作の入力を受け付け、受け付けた各種の操作内容に応じた信号をECU122へ出力する。操作部120dは、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびジョグダイヤル等を用いて実現される。
【0036】
このように構成されたカーナビゲーションシステム120は、GPSセンサ120aによって取得した現在の車両100の位置に関する位置情報を、地図データベース120bが記憶する地図データに対応する地図上に重ねることによって、車両100の現在走行している道路および目的値までの走行経路等を含む情報を、表示部120eと音声出力部120fとによってユーザに対して報知する。
【0037】
記録部121は、車両100に関する各種情報を記録する。記録部121は、ECU122から入力された車両100のCANデータおよびECU122が実行する各種の処理中のデータ等を記録する。記録部121は、車両100に関する車種情報記録部121aと、予め登録された複数の電気機器と消費電力とを対応付けた電気機器情報記録部121bと、車両100が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部121cと、を有する。ここで、車種情報とは、車両100の車種、車両100を識別する識別情報、車両100の年式、発電の有無、EV、HV、PHVおよびFCEVのいずれかを示す情報等が含まれる。記録部121は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD等を用いて構成される。
【0038】
ECU122は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU122は、車両100を構成する各部の動作を制御する。ECU122は、取得部122aと、判定部122bと、生成部122cと、算出部122dと、出力制御部122eと、を有する。なお、実施の形態1では、ECU122が制御装置として機能する。
【0039】
取得部122aは、第1の検出部111から二次電池106のSOC(State of Charge)(充電率)を取得する。また、取得部122aは、記録部121の車種情報記録部121aから車両100の車種情報を取得する。さらに、第1の検出部111から二次電池106のSOC、および、第3の検出部115から燃料タンク114内の燃料の残量および第4の検出部116が検出した環境情報を取得する。
【0040】
判定部122bは、外部通信部119または操作部120dを介して所定の情報が入力されたか否かを判定する。ここで、所定の情報とは、災害を知らせる災害情報、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぐための防災情報および操作手順情報のいずれか一つである。また、災害とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、津波および噴火等である。また、操作手順情報とは、車内コンセント112の使用方法を確認するための操作手順を呼び出す際に、ユーザが操作部120dを操作することによって操作部120dから入力される操作情報である。また、判定部122bは、取得部122aによって取得された車種情報に基づいて、車両100が所定の燃料を用いて二次電池106に給電可能な発電機能を有するか否かを判定する。
【0041】
生成部122cは、取得部122aが取得した二次電池106のSOCに基づいて、車内コンセント112による給電に関する給電情報を生成する。ここで、給電情報には、少なくとも、定格出力電力と、充電率、給電可能時間と、を含む、具体的には。生成部122cは、後述する算出部122dが算出した給電電力量、二次電池106のSOC、燃料タンク114内の燃料の残量および第4の検出部116が検出した環境情報に基づいて、給電情報を生成する。
【0042】
算出部122dは、取得部122aが取得した二次電池106のSOCに基づいて、車両100の二次電池106が外部に給電可能な給電電力量を算出する。具体的には、算出部122dは、車両100に発電機能を有する場合、二次電池106のSOC、燃料タンク114の残量を用いた発電による発電量、および環境情報に含まれる温度に基づいて、外部に給電可能な給電電力量を算出する。
【0043】
出力制御部122eは、生成部122cが生成した給電情報を出力する。具体的には、出力制御部122eは、車両100に通信機器200が通信可能に接続されている場合、外部通信部119を介して生成部122cが生成した給電情報を通信機器200へ出力する。また、出力制御部122eは、車両100に通信機器200が通信可能に接続されていない場合、表示部120eに生成部122cが生成した給電情報を出力する。
【0044】
〔車両が実行する処理〕
次に、車両100が実行する処理について説明する。図3は、車両100が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0045】
図3に示すように、まず、判定部122bは、外部通信部119または操作部120dを介して所定の情報が入力されたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、所定の情報とは、災害を知らせる災害情報、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぐための防災情報および操作手順情報のいずれか一つである。判定部122bによって外部通信部119または操作部120dを介して所定の情報が入力されたと判定された場合(ステップS101:Yes)、車両100は、後述するステップS102へ移行する。これに対して、判定部122bによって外部通信部119または操作部120dを介して所定の情報が入力されていないと判定された場合(ステップS101:No)、車両100は、本処理を終了する。
【0046】
ステップS102において、取得部122aは、記録部121の車種情報記録部121aから車両100の車種情報を取得する。
【0047】
続いて、判定部122bは、車両100の車種情報に基づいて、車両100が発電機能を有するか否かを判定する(ステップS103)。判定部122bによって車両100が発電機能を有すると判定された場合(ステップS103:Yes)、車両100は、後述するステップS104へ移行する。これに対して、判定部122bによって車両100が発電機能を有しないと判定された場合(ステップS103:No)、車両100は、後述するステップS105へ移行する。
【0048】
ステップS104において、取得部122aは、第1の検出部111から二次電池106のSOC、第3の検出部115から燃料タンク114内の燃料の残量および第4の検出部116が検出した環境情報を取得する。ステップS104の後、車両100は、後述するステップS106へ移行する。
【0049】
ステップS105において、取得部122aは、第1の検出部111から二次電池106のSOC、第3の検出部115から燃料タンク114内の燃料の残量および第4の検出部116が検出した環境情報を取得する。ステップS104の後、車両100は、後述するステップS106へ移行する。
【0050】
ステップS106において、算出部122dは、取得部122aがステップS104またはステップS105で取得した取得結果に基づいて、車両100が外部に給電可能な給電電力量を算出する。具体的には、算出部122dは、車両100に発電機能を有する場合、二次電池106のSOCと、燃料タンク114の残量を用いた発電による発電量と、環境情報に含まれる温度と、に基づいて、外部に給電可能な給電電力量を算出する。
【0051】
続いて、生成部122cは、算出部122dが算出した給電電力量に基づいて、車両100の車内コンセント112からの給電に関する給電情報を生成する(ステップS107)。
【0052】
続いて、判定部122bは、外部通信部119を介して車両100が通信機器200と通信可能に接続されているか否かを判定する(ステップS108)。例えば、判定部122bは、外部通信部119を介して車両100と通信機器200とのペアリングが完了しているか否かを判定し、ペアリングが完了している場合、通信可能に接続されている判定する。判定部122bによって外部通信部119を介して車両100が通信機器200と通信可能に接続されていると判定された場合(ステップS108:Yes)、車両100は、後述するステップS109へ移行する。これに対して、判定部122bによって外部通信部119を介して車両100が通信機器200と通信可能に接続されていないと判定された場合(ステップS108:No)、車両100は、後述するステップS110へ移行する。
【0053】
ステップS109において、出力制御部122eは、外部通信部119を介して生成部122cが生成した給電情報を通信機器200へ出力する。この場合、通信機器200は、車両100から出力された給電情報を表示する。図4は、給電情報の一例を示す図である。図4に示すように、出力制御部122eは、外部通信部119を介して通信機器200に生成部122cが生成した給電情報M1を出力する。図4に示すように、給電情報M1には、少なくとも、定格出力電力が「1500W」、SOC(充電率)が「80%」、および、給電可能時間が「100時間」と表示されている。さらに、図4に示すように、給電情報M1には、各電気機器を使用した場合の一例が表示されている。例えば、図4に示すように、給電情報M1には、電灯使用可能時間(200W使用時)が「200時間」、通信機器200の充電可能回数が「86回充電可能」、炊飯器が「50回使用可能」、ヒータ(1200W使用時)が「35時間」と表示されている。なお、給電情報M1には、給電可能時間が時間によって表示されているが、電力量、例えば1200Whと表示するようにしてもよい。これにより、車両100のユーザは、通信機器200を介して車両100の給電可能であることを把握することができる。ステップS109の後、車両100は、後述するステップS111へ移行する。
【0054】
ステップS110において、出力制御部122eは、表示部120eに生成部122cによって生成された給電情報(例えば図4を参照)を出力する。これにより、車両100のユーザは、通信機器200を介して車両100の給電可能であることを把握することができる。ステップS110の後、車両100は、後述するステップS111へ移行する。
【0055】
ステップS111において、判定部122bは、第2の検出部113の検出結果に基づいて、車内コンセント112に電気機器が接続されたか否かを判定する。具体的には、判定部122bは、第2の検出部113が電力の消費を検出した場合、車内コンセント112に電気機器が接続されていると判定する一方、第2の検出部113が電力の消費を検出していない場合、車内コンセント112に電気機器が接続されていないと判定する。判定部122bによって車内コンセント112に電気機器が接続されていると判定された場合(ステップS111:Yes)、車両100は、後述するステップS112へ移行する。これに対して、判定部122bによって車内コンセント112に電気機器が接続されていないと判定された場合(ステップS111:No)、車両100は、本処理を終了する。
【0056】
ステップS112において、取得部122aは、第2の検出部113から車内コンセント112に接続された電気機器(以下、単に「使用電気機器」という)の消費電力を取得する。この場合、取得部122aは、第2の検出部113が検出する消費電力以外にも、第2の検出部113が検出する電流値を取得してもよい。
【0057】
続いて、算出部122dは、取得部122aが取得した使用電気機器の消費電力と、ステップS106において算出した給電電力量と、に基づいて、使用電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出する(ステップS113)。
【0058】
その後、出力制御部122eは、算出部122dが算出した使用電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なきとも一方を通信機器200および表示部120eの少なきとも一方に出力する(ステップS114)。図5は、出力制御部122eが出力する使用可能時間に関する使用可能時間情報の一例を示す図である。図5に示すように、出力制御部122eは、算出部122dが算出した使用電気機器の使用可能時間に関する使用可能時間情報M2を出力する。これにより、ユーザは、使用電気機器の消費電力を把握することができない場合であっても、現在使用している使用電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を直感的に把握することができる。ステップS114の後、車両100は、本処理を終了する。
【0059】
以上説明した実施の形態1によれば、出力制御部122eが生成部122cによって生成された給電情報を通信機器200または表示部120eへ出力するため、車両100に搭載された二次電池106による給電に関する給電情報を把握することができる。
【0060】
また、実施の形態1によれば、給電情報に、少なくとも、定格出力電力と、SOC、給電可能時間と、が含まれるため、ユーザは、車内コンセント112による給電において使用可能な電気機器および給電時間を把握することができる。
【0061】
また、実施の形態1によれば、判定部122bが取得部122aによって取得された車種情報に基づいて、車両100が所定の燃料を用いて二次電池106に給電可能な発電機能を有するか否かを判定し、車両100が発電機能を有する場合、第3の検出部115から燃料の残量を取得する。そして、生成部122cが燃料の残量および二次電池106のSOCに基づいて、給電情報を生成する。これにより、ユーザは、車両100による発電を加算した給電情報を把握することができる。
【0062】
また、実施の形態1によれば、算出部122dが取得部122aによって第4の検出部116から取得された環境情報と、第3の検出部115から取得した燃料の残量および第1の検出部111から取得した二次電池106のSOCと、に基づいて、二次電池106が給電可能な給電電力量を算出する。その後、生成部122cは、算出部122dが算出した給電電力量に基づいて、給電情報を生成する。この結果、ユーザは、温度等の条件を考慮された正確な給電情報を把握することができる。
【0063】
また、実施の形態1によれば、生成部122cが算出部122dによって算出された給電電力量に基づいて、予め設定された複数の電気機器の各々の使用回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出し、出力制御部122eが複数の電気機器の各々の使用回数および使用可能時間の少なくとも一方を出力する。これにより、ユーザは、電気機器の具体的な使用回数または使用可能時間を把握することができる。
【0064】
また、実施の形態1によれば、算出部122dが取得部122aによって第2の検出部113から取得された記電気機器の消費電力および給電情報に基づいて、使用電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出し、出力制御部122eが使用電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を出力する。これにより、ユーザは、車内コンセント112を介して使用している使用電気機器の具体的な使用可能回数および使用可能時間を把握することができる。
【0065】
また、実施の形態1によれば、出力制御部122eが車両100に対応付けられた通信機器200に、生成部122cによって生成された給電情報を出力する。これにより、ユーザは、通信機器200を介して車両100に設けられた給電機能を知ることができる。
【0066】
また、実施の形態1によれば、車両100が外部から災害情報および防災情報の少なくとも一方を受信した場合、出力制御部122eが生成部122cによって生成された給電情報を出力する。これにより、ユーザは、災害時または防災時に、車両100に設けられた給電機能を知ることができる。
【0067】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、車両100が給電情報を生成して出力していたが、実施の形態2では、通信機器200が給電情報を生成して出力する。具体的には、実施の形態2に係る災害支援システムは、実施の形態1に係る通信機器200に代えて、別の通信機器を備える。以下においては、実施の形態2に係る通信機器の機能構成について説明する。なお、実施の形態1に係る災害支援システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
〔通信機器の機能構成〕
図6は、実施の形態2に係る通信機器の機能構成を示すブロック図である。図6に示す通信機器200Aは、外部通信部201と、撮像装置202と、GPSセンサ203と、表示部204と、操作部205と、記録部206と、機器制御部207と、を備える。
【0069】
外部通信部201は、機器制御部207の制御のもと、所定の通信規格に従って、機器制御部207から入力される各種情報を車両100または外部へ送信する。また、外部通信部201は、車両100または外部から受信する各種情報を機器制御部207へ出力する。ここで、所定の通信規格とは、携帯電話回線を用いた規格、例えば4G(4th Generation Mobile Communication System)、5G(5th Generation Mobile Communication System)、Wi-Fi、Bluetoothの少なくとも一つである。外部通信部201は、無線通信モジュール等を用いて構成される。
【0070】
撮像装置202は、機器制御部207の制御のもと、所定の画角で撮像することによって撮像データを生成し、この撮像データを機器制御部207へ出力する。撮像装置202は、1または複数のレンズ、絞り、および、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を用いて構成される。
【0071】
GPSセンサ203は、複数のGPS衛星または送信アンテナからの信号を受信し、受信した信号に基づいて、通信機器200Aの位置(経度および緯度)に関する位置情報を算出し、この算出結果を機器制御部207へ出力する。GPSセンサ203は、GPS受信センサ等を用いて構成される。
【0072】
表示部204は、機器制御部207の制御のもと、通信機器200Aに関する情報および車両100から送信された各種情報を表示する。表示部204は、液晶または有機EL等の表示ディスプレイ等を用いて構成される。
【0073】
操作部205は、ユーザの各種操作の入力を受け付け、受け付けた各種操作に応じた操作信号を機器制御部207へ出力する。操作部205は、タッチパネル、ボタン、スイッチ等を用いて構成される。
【0074】
記録部206は、通信機器200Aに関する各種情報を記録する。記録部206は、通信機器200Aが実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部206aと、予め設定された複数の電気機器の消費電力を記録した電気機器情報記録部206bと、撮像データに対応する撮像画像に対して、周知のテンプレートマッチング等を行うためのテンプレート情報を記録するテンプレート情報記録部206cと、を有する。記録部206は、ROM、RAM、SSDおよびフラッシュメモリ等を用いて構成される。
【0075】
機器制御部207は、通信機器200Aを構成する各部を制御する。機器制御部207は、メモリと、CPU、FPGAまたはDSP等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。機器制御部207は、取得部207aと、判定部207bと、生成部207cと、算出部207dと、出力制御部207eと、検出部207fと、を有する。なお、実施の形態2では、機器制御部207が制御装置として機能する。
【0076】
取得部207aは、外部通信部201を介して車両100の第1の検出部111から二次電池106のSOCを取得する。また、取得部207aは、外部通信部201を介して車両100の記録部121の車種情報記録部121aから車両100の車種情報を取得する。さらに、取得部207aは、外部通信部201を介して車両100の第1の検出部111から二次電池106のSOC、および、第3の検出部115から燃料タンク114内の燃料の残量および第4の検出部116が検出した環境情報を取得する。
【0077】
判定部207bは、取得部207aによって取得された車種情報に基づいて、車両100が所定の燃料を用いて二次電池106に給電可能な発電機能を有するか否かを判定する。また、判定部207bは、外部通信部201または操作部120dを介して所定の情報が入力されたか否かを判定する。
【0078】
生成部207cは、取得部207aが取得した車両100の二次電池106のSOCに基づいて、車内コンセント112による給電に関する給電情報を生成する。
【0079】
算出部207dは、取得部207aが取得した車両100の二次電池106が外部に給電可能な給電電力量を算出する。
【0080】
出力制御部207eは、生成部207cが生成した給電情報を、表示部204および車両100の表示部120eの少なくとも一方に出力する。また、出力制御部207eは、算出部207dが算出した電気機器の使用可能回数および使用可能時間を撮像画像に写る電気機器の近傍に表示されるように表示部204に出力する。
【0081】
検出部207fは、検出部207fは、取得部207aが取得した撮像データと、テンプレート情報記録部206cが記録するテンプレート情報と、に基づいて、撮像データに対応する撮像画像に対して、周知のテンプレートマッチング等を行うことによって電気機器を検出する検出処理を行う。
【0082】
〔通信機器の処理〕
次に、通信機器200Aが実行する処理について説明する。図7は、通信機器200Aが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0083】
図7に示すように、まず、判定部207bは、通信機器200Aが車両100に接続されているか否かを判定する(ステップS201)。判定部207bによって通信機器200Aが車両100に接続されていると判定された場合(ステップS201:Yes)、通信機器200Aは、後述するステップS202へ移行する。これに対して、判定部207bによって通信機器200Aが車両100に接続されていないと判定された場合(ステップS201:No)、通信機器200Aは、本処理を終了する。
【0084】
ステップS202~ステップS208は、図3のステップS101~ステップS107の各々に対応する。さらに、ステップS209は、図3のステップS110に対応する。ステップS209の後、通信機器200Aは、ステップS210へ移行する。
【0085】
ステップS210において、判定部207bは、撮像装置202が撮像を行ったか否かを判定する。判定部207bによって撮像装置202が撮像を行ったと判定された場合(ステップS210:Yes)、通信機器200Aは、後述するステップS211へ移行する。これに対して、判定部207bによって撮像装置202が撮像を行っていないと判定された場合(ステップS210:No)、通信機器200Aは、本処理を終了する。
【0086】
ステップS211において、取得部207aは、撮像装置202が生成した撮像データを取得する。
【0087】
続いて、検出部207fは、取得部207aが取得した撮像データと、テンプレート情報記録部206cが記録するテンプレート情報と、に基づいて、撮像データに対応する撮像画像に対して、周知のテンプレートマッチング等を行うことによって電気機器を検出する検出処理を行う(ステップS212)。図8は、検出部207fの検出処理の一例を模式的に説明する図である。図8に示すように、検出部207fは、テンプレート情報記録部206cが記録するテンプレート情報を用いて、撮像画像P1に対してテンプレートマッチング等を行うことによって、撮像画像P2に写る複数の電気機器、電気機器の名称および表示領域を検出する。この場合、図8に示すように、検出部207fは、撮像画像P2から電気機器として電灯O1、炊飯器O2およびヒータO3を検出する。なお、検出部207fは、周知のテンプレートマッチング等を用いて撮像画像P1から電気機器を検出しているが、例えばDNN(Deep Neural Network)等の機械学習を用いた方法によって撮像画像P1から電気機器を検出してもよい。この場合、検出部207fは、予め電気機器が写る複数の撮像データを用いて学習した学習器を用いて、入力データとして撮像データを入力し、出力データとして電気機器、電気機器の名称および表示領域を出力することによって、撮像画像P1に写る複数の電気機器、電気機器の名称および表示領域を検出するようにしてもよい。
【0088】
その後、判定部207bは、検出部207fが撮像画像P1から電気機器を検出できたか否かを判定する(ステップS213)。判定部207bによって検出部207fが撮像画像P1から電気機器を検出できたと判定された場合(ステップS213:Yes)、通信機器200Aは、後述するステップS214へ移行する。これに対して、判定部207bによって検出部207fが撮像画像P1から電気機器を検出できなかったと判定された場合(ステップS213:No)、通信機器200Aは、本処理を終了する。
【0089】
ステップS214において、算出部207dは、検出部207fが検出した電気機器と、電気機器情報記録部206bが記録する電気機器情報と、に基づいて、検出部207fが検出した電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出する。
【0090】
続いて、出力制御部207eは、算出部207dが算出した電気機器の使用可能回数および使用可能時間を撮像画像に写る電気機器の近傍に表示されるように表示部204に出力する(ステップS215)。図9は、出力制御部207eが出力する使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方の一例を示す図である。図9に示すように、出力制御部207eは、表示部204が表示する撮像画像P2に写る複数の電気機器の各々の近傍に、使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を重畳して出力する。例えば、図9に示すように、出力制御部207eは、電灯O1(消費電力が60W)の場合、使用可能時間として200時間使用可能のメッセージM10を出力する。さらに、出力制御部207eは、炊飯器O2(消費電力150W)の場合、使用可能回数として50回使用可能のメッセージM12を出力する。さらにまた、出力制御部207eは、ヒータO3(消費電力1200W)の場合、使用可能時間として35時間使用可能のメッセージM13を出力する。これにより、ユーザは、車両100の車内コンセント112を介して電気機器を使用する場合の使用可能回数または使用可能時間を直感的に把握することができる。なお、図9では、各電気機器を単独で使用した場合の出力について説明したが、これに限定されることなく、例えばユーザが操作部205を介して複数の電気機器の中から複数を選択した場合、算出部207dが選択された複数の電気機器の合計の消費電力に基づく、使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出し、出力制御部207eがユーザによって選択された電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を表示部204に出力するようにしてもよい。ステップS215の後、通信機器200Aは、本処理を終了する。
【0091】
以上説明した実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果、即ち、車両100に搭載された二次電池106による給電に関する給電情報を把握することができる。
【0092】
また、実施の形態2によれば、算出部207dは、検出部207fが検出した電気機器と、電気機器情報記録部206bが記録する電気機器情報と、に基づいて、検出部207fが検出した電気機器の使用可能回数および使用可能時間の少なくとも一方を算出する。その後、出力制御部207eは、算出部207dが算出した電気機器の使用可能回数および使用可能時間を撮像画像に写る電気機器の近傍に表示されるように表示部204に出力する。これにより、ユーザは、車両100の車内コンセント112を介して電気機器を使用する場合の使用可能回数または使用可能時間をリアルタイムで直感的に把握することができる。
【0093】
なお、実施の形態2では、出力制御部207eが1つの撮像画像に、算出部207dが算出した電気機器の使用可能回数および使用可能時間を撮像画像に写る電気機器の近傍に表示されるように重畳して表示部204に出力していたが、例えば動画に算出部207dが算出した電気機器の使用可能回数および使用可能時間を撮像画像に写る電気機器の近傍に表示されるように重畳して表示部204に出力してもよい。
【0094】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態1,2では、車両100または通信機器200Aが給電情報を生成して出力していたが、実施の形態3では、サーバが給電情報を生成して出力する。以下においては、実施の形態3に係る災害支援システムについて説明する。なお、実施の形態1に係る災害支援システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0095】
(災害支援システム)
図10は、実施の形態3に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。図10に示す災害支援システム1Bは、実施の形態1に係る災害支援システム1の構成に加えて、ネットワークNWを介して車両100および通信機器200と通信可能であり、各種情報を出力する支援サーバ300をさらに備える。このネットワークNWは、このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。
【0096】
(支援サーバの機能構成)
次に、支援サーバ300について説明する。図11は、支援サーバ300の機能構成を示すブロック図である。図11に示す支援サーバ300は、通信部301と、記録部302と、サーバ制御部303と、を備える。
【0097】
通信部301は、サーバ制御部303のもと、ネットワークNWを介して車両100または通信機器200から各種情報を受信するとともに、車両100または通信機器200へ各種情報を送信する。通信部301は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0098】
記録部302は、支援サーバ300に関する各種情報を記録する。記録部302は、支援サーバ300が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部302aと、車種情報を記録する車種情報記録部302bと、電気機器情報を記録する電気機器情報記録部302cと、テンプレート情報をテンプレート情報記録302dと、を有する。記録部302は、DRAM、ROM、lashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。
【0099】
サーバ制御部303は、支援サーバ300を構成する各部を制御する。サーバ制御部303は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。サーバ制御部303は、通信機器200の機器制御部207と同様の機能を有し、取得部207aと、判定部207bと、生成部207cと、算出部207dと、出力制御部207eと、検出部207fと、を有する。なお、実施の形態3では、サーバ制御部303が制御装置として機能する。
【0100】
〔支援サーバの処理〕
次に、支援サーバ300が実行する処理について説明する。図12は、支援サーバ300が実行する処理の概要を示すフローチャートである。図12において、ステップS301~ステップS314は、図7のステップS202~ステップS215の各々に対応する。
【0101】
以上説明した実施の形態3によれば、実施の形態1,2と同様に、車両100に搭載された二次電池106による給電に関する給電情報を把握することができる。
【0102】
(その他の実施の形態)
また、実施の形態1~3では、上記してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
【0103】
また、実施の形態1~3に係る災害支援システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0104】
また、実施の形態1~3に係る災害支援システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0105】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0106】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1,1B 災害支援システム
100 車両
101 エンジン
102 発電機
103 第1のインバータ
104 モータ
105 駆動輪
106 二次電池
107 コンバータ
108 切替部
109 第2のインバータ
110 インレット部
111 第1の検出部
112 車内コンセント
113 第2の検出部
114 燃料タンク
115 第3の検出部
116 第4の検出部
117 ドアロック機構
118,301 通信部
119,201 外部通信部
120 カーナビゲーションシステム
120a,203 GPSセンサ
120b 地図データベース
120c 報知装置
120d,205 操作部
120e,204 表示部
120f 音声出力部
121,206,302 記録部
121a,302b 車種情報記録部
121b,206b,302c 電気機器情報記録部
121c,206a,302a プログラム記録部
122 ECU
122a,207a 取得部
122b,207b 判定部
122c,207c 生成部
122d,207d 算出部
122e,207e 出力制御部
200,200A 通信機器
202 撮像装置
206c テンプレート情報記録部
207 機器制御部
207f 検出部
300 支援サーバ
303 サーバ制御部
M1 給電情報
NW ネットワーク
P1,P2 撮像画像
図1
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