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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184611
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】駐車装置および駐車装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
E04H6/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092557
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】栗山 茂幸
(57)【要約】
【課題】電磁接触器の異常を判定する駐車装置を提供すること。
【解決手段】駐車装置は、対象物を作動するモータと、動力供給ラインと、第1の主接点および第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、第1の主接点においてモータおよび動力供給ラインと接続し、動力供給ラインからモータへの動力の供給を制御する電磁接触器と、電磁接触器と接続し、第1の主接点を閉じるように電磁接触器を制御する第1の制御信号を送信する第1の制御部と、第1の補助接点に接続し、第1の補助接点の開閉状態を検出する第1の検出部と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を作動するモータと、
動力供給ラインと、
第1の主接点および前記第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、前記第1の主接点において前記モータおよび前記動力供給ラインと接続し、前記動力供給ラインから前記モータへの動力の供給を制御する電磁接触器と、
前記電磁接触器と接続し、前記第1の主接点を閉じるように前記電磁接触器を制御する第1の制御信号を送信する第1の制御部と、
前記第1の補助接点に接続し、前記第1の補助接点の開閉状態を検出する第1の検出部と、を含む、駐車装置。
【請求項2】
前記第1の補助接点が閉じられているときに、前記第1の制御信号が送信される、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記電磁接触器にサーマルリレーが設けられている、請求項1または請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
各々が対象物を作動する第1乃至第nのモータ(nは自然数)と、
動力供給ラインと、
各々が第1の主接点および前記第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、前記動力供給ラインから前記第1乃至第nのモータのそれぞれへの動力の供給を制御する第1乃至第nの電磁接触器と、
前記第1乃至第nの電磁接触器と接続し、前記第1の主接点を閉じるように前記第1乃至第nの電磁接触器を制御する第1の制御信号を送信する第1の制御部と、
前記第1乃至第nの電磁接触器の前記第1の補助接点が直列に接続された補助接点回路部に接続し、前記補助接点回路部の開閉状態を検出する第1の検出部と、を含む、駐車装置。
【請求項5】
前記補助接点回路部が閉じられているときに、前記第1の制御信号が送信される、請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
各々が対象物を作動する第1乃至第nのモータ(nは自然数)と、
動力供給ラインと、
各々が第1の主接点および前記第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、前記動力供給ラインから前記第1乃至第nのモータのそれぞれへの動力の供給を制御する第1乃至第nの電磁接触器と、
前記第1乃至第nの電磁接触器と接続し、前記第1の主接点を閉じるように前記第1乃至第nの電磁接触器を制御する第1の制御信号を送信する第1の制御部と、
m個(mは自然数)の駐車領域ごとに前記第1の補助接点が直列に接続されたm個の補助接点回路部に接続し、前記m個の補助接点回路部の開閉状態を検出する第1の検出部と、を含む、駐車装置。
【請求項7】
前記m個の補助接点回路部が閉じられているときに、前記第1の制御信号が送信される、請求項6に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記第1乃至第nの電磁接触器の少なくとも1つにサーマルリレーが設けられている、請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の駐車装置。
【請求項9】
さらに、
動力電源と、
第2の主接点および前記第2の主接点と連動する第2の補助接点を含み、前記第2の主接点において前記動力電源および前記動力供給ラインと接続し、前記動力電源から前記動力供給ラインへの動力の供給を制御する動力電源用電磁接触器と、
前記動力電源用電磁接触器と接続し、前記第2の主接点を閉じるように前記動力電源用電磁接触器を制御する第2の制御信号を送信する第2の制御部と、
前記第2の補助接点に接続し、前記第2の補助接点の開閉状態を検出する第2の検出部と、を含む、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の駐車装置。
【請求項10】
前記動力電源用電磁接触器にサーマルリレーが設けられている、請求項9に記載の駐車装置。
【請求項11】
さらに、
動力電源と、
第2の主接点および前記第2の主接点と連動する第2の補助接点を含み、前記第2の主接点において前記動力電源および前記動力供給ラインと接続し、前記動力電源から前記動力供給ラインへの動力の供給を制御するインバータと、
前記インバータと接続し、前記第2の主接点を閉じるように前記インバータを制御する第2の制御信号を送信する第2の制御部と、
前記第2の補助接点と接続し、前記第2の補助接点の開閉状態を検出する第2の検出部と、を含む、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の駐車装置。
【請求項12】
前記第2の補助接点が閉じられているときに、前記第2の制御信号が送信される、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の駐車装置。
【請求項13】
前記対象物は、車両を載置するパレットである、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の駐車装置。
【請求項14】
前記対象物は、入出庫口に設けられるゲートである、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の駐車装置。
【請求項15】
第1の主接点および前記第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、前記第1の主接点において対象物を移動させるモータおよび動力供給ラインと接続する電磁接触器の前記第1の補助接点の開閉状態を検出し、
前記第1の補助接点が閉じられているとき、前記動力供給ラインから前記モータへ動力を供給するように前記第1の主接点を閉じる第1の制御信号を送信する、駐車装置の制御方法。
【請求項16】
さらに、
第2の主接点および前記第2の主接点と連動する第2の補助接点を含み、前記第2の主接点において動力電源および前記動力供給ラインと接続する動力電源用電磁接触器の前記第2の補助接点の開閉状態を検出し、
前記第2の補助接点が閉じられているとき、前記動力電源から前記動力供給ラインへ動力を供給するように前記第2の主接点を閉じる第2の制御信号を送信する、請求項15に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項17】
前記第1の制御信号が送信された後に、前記第2の制御信号が送信される、請求項16に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項18】
前記第1の制御信号が送信される前に、前記第2の補助接点の開閉状態が検出される、請求項16または請求項17に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項19】
前記電磁接触器および前記動力電源用電磁接触器の少なくとも一方にサーマルリレーが設けられている、請求項16乃至請求項18のいずれか一項に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項20】
前記対象物は、車両を載置するパレットである、請求項15乃至請求項19のいずれか一項に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項21】
前記対象物は、入出庫口に設けられるゲートである、請求項15乃至請求項19のいずれか一項に記載の駐車装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、自動車などの車両を駐車するための駐車装置に関する。また、本発明の一実施形態は、自動車などの車両を駐車するための駐車装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の駐車装置として、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させる、多段式駐車装置が知られている。多段式駐車装置では、パレットを上下方向または横方向に移動させ、入出庫口まで移動したパレットに載置されている車両を出し入れすることができる。
【0003】
パレットの移動は、パレットに備えられた搬送装置のモータの駆動によって行われるが、モータには動力の供給を制御する電磁接触器が接続されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、多段式駐車装置の利用者が、操作盤において車両の入出庫の操作を行うと、電磁接触器が制御され、モータに動力が供給されて所定のパレットが入出庫口まで移動する。これにより、利用者は、所定のパレットを利用して車両の入出庫させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-049175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電磁接触器の故障の一つとして、接点の溶着がある。接点の溶着が起きると、接点が閉じたまま(繋がったまま)となり、モータへの動力の供給が可能な状態となる。この場合、移動する必要のないパレットに動力が供給されることになるため、場合によっては、パレットが移動し、車両同士が接触する事故が発生する。したがって、このような事故を未然に防ぐためにも、パレットが移動するときに、電磁接触器または電磁開閉器が故障しているか否かを判定する必要があった。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、電磁接触器の異常を判定する駐車装置を提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、電磁接触器の異常を判定する駐車装置の制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態の駐車装置は、対象物を作動するモータと、動力供給ラインと、第1の主接点および第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、第1の主接点においてモータおよび動力供給ラインと接続し、動力供給ラインからモータへの動力の供給を制御する電磁接触器と、電磁接触器と接続し、第1の主接点を閉じるように電磁接触器を制御する第1の制御信号を送信する第1の制御部と、第1の補助接点に接続し、第1の補助接点の開閉状態を検出する第1の検出部と、を含む。
【0008】
第1の補助接点が閉じられているときに、第1の制御信号が送信されてもよい。
【0009】
電磁接触器にサーマルリレーが設けられていてもよい。
【0010】
また、本発明の一実施形態の駐車装置は、各々が対象物を作動する第1乃至第nのモータ(nは自然数)と、動力供給ラインと、各々が第1の主接点および第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、動力供給ラインから第1乃至第nのモータのそれぞれへの動力の供給を制御する第1乃至第nの電磁接触器と、第1乃至第nの電磁接触器と接続し、第1の主接点を閉じるように第1乃至第nの電磁接触器を制御する第1の制御信号を送信する第1の制御部と、第1乃至第nの電磁接触器の第1の補助接点が直列に接続された補助接点回路部に接続し、補助接点回路部の開閉状態を検出する第1の検出部と、を含む。
【0011】
補助接点回路部が閉じられているときに、第1の制御信号が送信されてもよい。
【0012】
また、本発明の一実施形態の駐車装置は、各々が対象物を移動させる第1乃至第nのモータ(nは自然数)と、動力供給ラインと、各々が第1の主接点および第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、動力供給ラインから第1乃至第nのモータのそれぞれへの動力の供給を制御する第1乃至第nの電磁接触器と、第1乃至第nの電磁接触器と接続し、第1の主接点を閉じるように第1乃至第nの電磁接触器を制御する第1の制御信号を送信する第1の制御部と、m個(mは自然数)の駐車領域ごとに第1の補助接点が直列に接続されたm個の補助接点回路部のそれぞれに接続し、m個の補助接点回路部の開閉状態を検出する第1の検出部と、を含む。
【0013】
m個の補助接点回路部が閉じられているときに、第1の制御信号が送信されてもよい。
【0014】
第1乃至第nの電磁接触器の少なくとも1つにサーマルリレーが設けられていてもよい。
【0015】
駐車装置は、さらに、動力電源と、第2の主接点および第2の主接点と連動する第2の補助接点を含み、第2の主接点において動力電源および動力供給ラインと接続し、動力電源から動力供給ラインへの動力の供給を制御する動力電源用電磁接触器と、動力電源用電磁接触器と接続し、第2の主接点を閉じるように動力電源用電磁接触器を制御する第2の制御信号を送信する第2の制御部と、第2の補助接点に接続し、第2の補助接点の開閉状態を検出する第2の検出部と、を含んでいてもよい。
【0016】
動力電源用電磁接触器にサーマルリレーが設けられていてもよい。
【0017】
駐車装置は、さらに、動力電源と、第2の主接点および第2の主接点と連動する第2の補助接点を含み、第2の主接点において動力電源および動力供給ラインと接続し、動力電源から動力供給ラインへの動力の供給を制御するインバータと、インバータと接続し、第2の主接点を閉じるようにインバータを制御する第2の制御信号を送信する第2の制御部と、第2の補助接点と接続し、第2の補助接点の開閉状態を検出する第2の検出部と、を含んでいてもよい。
【0018】
第2の補助接点が閉じられているときに、第2の制御信号が送信されてもよい。
【0019】
また、本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法は、第1の主接点および第1の主接点と連動する第1の補助接点を含み、第1の主接点において対象物を移動させるモータおよび動力供給ラインと接続する電磁接触器の第1の補助接点の開閉状態を検出し、第1の補助接点が閉じられているとき、動力供給ラインからモータへ動力を供給するように第1の主接点を閉じる第1の制御信号を送信する。
【0020】
駐車装置の制御方法は、さらに、第2の主接点および第2の主接点と連動する第2の補助接点を含み、第2の主接点において動力電源および動力供給ラインと接続する動力電源用電磁接触器の第2の補助接点の開閉状態を検出し、第2の補助接点が閉じられているとき、動力電源から動力供給ラインへ動力を供給するように第2の主接点を閉じる第2の制御信号を送信してもよい。
【0021】
第1の制御信号が送信された後に、第2の制御信号が送信されてもよい。
【0022】
第1の制御信号が送信される前に、第2の補助接点の開閉状態が検出されてもよい。
【0023】
対象物は、車両を載置するパレットであってもよい。
【0024】
対象物は、入出庫口に設けられるゲートであってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態によれば、パレットを移動させるときに、モータに接続された電磁接触器の異常状態(例えば、接点の溶着など)を判定し、電磁接触器が異常状態にある場合には、駐車装置を停止する。この場合、モータには動力が供給されないため、予期しないパレットの移動を防止し、車両の接触事故などを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る駐車装置の操作盤の構成を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御盤の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を示すフローチャート図である。
図6】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0028】
実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(例えば、数字の後に「A」または「B」などのアルファベットの大文字を付した符号)を付す。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。なお、本明細書等における「第1」、「第2」、または「第3」などの序数は、説明を簡潔にするためだけに用いられており、限定的に解釈されるべきではない。
【0029】
<第1実施形態>
図1図5を参照して、本発明の一実施形態に係る駐車装置100について説明する。
【0030】
[1.駐車装置100の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の構成を示す模式図である。具体的には、図1は、駐車装置100を側面(入出庫口109がある面を正面とする場合)から見た模式図である。
【0031】
駐車装置100は、支柱102によって構造体が構成され、構造体の中に車両101を載置するパレット104が配置されている。パレット104は、搬送装置106により支柱102に沿って昇降することができる。パレット104は、構造体の中で複数の車両101を上下方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって所定の位置に設けられている。これにより、支柱102によって形成される構造体は、上下方向に複数段に積み重なった駐車領域P1、P2、P3、およびP4を形成している。但し、駐車領域の数は4個に限られず、m個(mは自然数)であってもよい。すなわち、構造体には、m個の駐車領域P1~Pmが形成されていてもよい。
【0032】
なお、図示しないが、駐車領域P1、P2、P3、およびP4は上下方向のみならず、横方向(図1の紙面奥行方向)に複数並んで形成されるものであってもよい。これにより、パレット104は、上下方向だけでなく、横方向にも移動させることができる。
【0033】
駐車装置100は、操作盤105によって操作される。操作盤105は、駐車装置100の外側に設けられている。例えば、駐車装置100の入出庫口109の近くの支柱102に操作盤105が配置されている。利用者は、駐車装置100の外側から操作盤105を操作して、目的のパレット104を入出庫口109まで移動させたり、ゲート108を開閉したりする。
【0034】
駐車装置100の入出庫口109に設けられるゲート108は、操作盤105により開閉を行うことができる。ゲート108は、車両101を入出庫するために開けた場合以外は閉じた状態となっている。したがって、パレット104が移動するときもゲート108は閉じた状態となっている。ゲート108が閉じていることにより、パレット104の移動中には駐車装置100内に人が入れないようになっている。図1では、制御盤110が、駐車装置100の側面に配置されているが、制御盤110は、車両101の入庫方向に設けられていてもよい。操作盤105から出力される信号は、制御盤110に送信され、制御盤110は、パレット104の移動を行う搬送装置106、またはゲート108の開閉を行う駆動装置(モータを含む。)などに制御信号を出力する。
【0035】
上下方向に複数段に積み重なった駐車領域を形成し、立体的に車両101を収納して駐車させる駐車装置100では、パレット104が昇降することで、目的とするパレット104を入出庫口109へ移動させて車両101の出し入れを行う。目的とするパレット104の入出庫口109まで移動させる動作にはいくつかの方式がある。例えば、上段のパレット104に駐車された車両101を出庫するために下段のパレット104を地下ピットに沈みこませる方式、下段または上段のパレット104を車体方向(図1の紙面奥行方向)にスライドさせて上段のパレット104を下段のパレット104が存在しない領域に降下させる方式、またはこれらを組み合わせた方式などが採用されている。本実施形態に係る駐車装置100には、いずれの方式も適用することができる。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、駐車装置100は、第1の電磁開閉器130-1、第2の電磁開閉器130-2、第1の電磁接触器132-1、第2の電磁接触器132-2、・・・、第nの電磁接触器132-n(nは自然数)、第1のモータ134-1、第2のモータ134-2、・・・、第nのモータ134-n、制御回路基板140、動力電源142、動力供給ライン150、制御信号ライン152、および検出信号ライン154を含む。なお、以下では、便宜上、第1の電磁接触器132-1、第2の電磁接触器132-2、・・・、第nの電磁接触器132-nを、第1乃至第nの電磁接触器132-1~n、または、それらを特に区別しないときには電磁接触器132として説明する場合がある。同様に、第1のモータ134-1、第2のモータ134-2、・・・、第nのモータ134-nを、第1乃至第nのモータ134-1~n、またはそれらを特に区別しないときにはモータ134として説明する場合がある。
【0038】
動力電源142は、第1の電磁開閉器130-1または第2の電磁開閉器130-2を介して、動力供給ライン150に接続されている。第1の電磁開閉器130-1および第2の電磁開閉器130-2は、動力電源142から動力供給ライン150への動力の供給を制御する。第1の電磁開閉器130-1および第2の電磁開閉器130-2は、それぞれ、モータ134に動力が供給されたときに、モータ134の回転方向が互いに逆となるように動力供給ライン150に接続されている。例えば、第1の電磁開閉器130-1は、正転するモータ134への動力の供給を制御し、第2の電磁開閉器130-2は、逆転するモータ134への動力の供給を制御する。なお、以下では、便宜上、第1の電磁開閉器130-1と第2の電磁開閉器130-2とを特に区別しないとき、電磁開閉器130として説明する場合がある。
【0039】
動力供給ライン150は、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nを介して、第1乃至第nのモータ134-1~nのそれぞれに接続されている。第1乃至第nの電磁接触器132-1~nは、動力供給ライン150から第1乃至第nのモータ134-1~nのそれぞれへの動力の供給を制御する。
【0040】
なお、電磁開閉器は、電磁接触器に、過電流などの負荷によって温度が上昇したときに電磁接触器を遮断するサーマルリレーが設けられた構成である。そのため、上記では、動力電源142から動力供給ライン150への動力の供給が電磁開閉器130によって制御されると説明したが、電磁開閉器130の代わりに電磁接触器を用いることもできる。同様に、動力供給ライン150からモータ134への動力の供給は、電磁接触器132の代わりに電磁開閉器を用いることもできる。また、電磁開閉器130の代わりに用いられる電磁接触器と電磁接触器132とを区別するとき、便宜上、前者の電磁接触器を動力電源用電磁接触器と記載する場合がある。
【0041】
電磁接触器132およびモータ134は、スライド機構、ローラ、ローラチェーン、軸受け等の部品、または油圧関係の複数の駆動部品とともに搬送装置106に備えられている。そのため、モータ134に動力が供給され、モータ134が回転することにより、パレット104が上下方向または横方向に移動することができる。なお、複数のモータ134によって、1つのパレット104を移動させるようにすることもできる。例えば、パレット104を上下方向に移動させるモータ134と横方向に移動させるモータ134とを別個に設けることもできる。
【0042】
モータ134は、三相モータと減速機が一体化されたギヤードモータを用いてもよい。三相モータには電磁ブレーキが内蔵されている。電磁ブレーキは、モータ134の回転軸に取り付けられたブレーキディスク、ブレーキパッド、ブレーキ用電磁石、および押圧バネを含む。ブレーキパッドは、常時、押圧バネによってブレーキディスクに押しつけられている。また、ブレーキ用電磁石は、ブレーキパッドの近傍に設けられている。ブレーキ用電磁石は、ブレーキ解除リレーを介して動力が供給される。ブレーキ解除リレーは、制御信号を受信している間はブレーキ用電磁石に動力を供給し、制御信号を受信しなくなると、ブレーキ用電磁石への動力の供給を停止する。ブレーキ用電磁石に動力が供給されると、ブレーキ用電磁石は、ブレーキパッドを引き付け、ブレーキディスクからブレーキパッドを引き離す。回転軸が開放されるため、ブレーキが解除され、パレット104が作動する。
【0043】
制御回路基板140は、制御信号ライン152を介して、電磁開閉器130および電磁接触器132の各々と接続している。制御回路基板140は、制御信号ライン152を介して、電磁開閉器130および電磁接触器132の各々に制御信号を送信することができる。制御信号を受信した電磁開閉器130は、動力電源142から動力供給ライン150に動力を供給するように動作する。また、制御信号を受信した電磁接触器132は、動力供給ライン150からモータ134に動力を供給するように動作する。
【0044】
制御回路基板140は、さらに、検出信号ライン154を介して、電磁開閉器130および電磁接触器132の各々と接続している。詳細は後述するが、制御回路基板140は、検出信号ライン154を介して、第1の電磁開閉器130-1および第2の電磁開閉器130-2ならびに第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点の開閉状態を検出する。制御回路基板140は、検出された補助接点の開閉状態に基づき、制御信号を送信するか否かを決定する。
【0045】
[2.操作盤105の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の操作盤105の構成を示す模式図である。
【0046】
図3に示すように、操作盤105は、操作電源スイッチ120、操作部122、情報表示部124、情報入力部126、および非常停止ボタン128を含む。
【0047】
操作電源スイッチ120は、駐車装置100の操作盤105を起動するためのスイッチである。例えば、操作電源スイッチ120は、操作鍵を挿入し、「切」から「入」に回すことで、操作盤105の電源の投入、操作部122の操作の受け付け、および情報入力部126を用いた情報の入力の少なくともいずれかを可能にする。操作部122は、操作手順ごとに点灯ランプおよび操作ボタンを有する。情報表示部124は、各種情報を表示する。情報表示部124は、例えば、液晶またはOLEDを用いた表示装置を含む。情報入力部126は、利用者からの情報の入力を受け付ける。情報入力部126は、例えば、複数のボタンを含む。利用者は、情報入力部126の複数のボタンを操作し、所定の情報を入力することができる。非常停止ボタン128は、非常時に操作されるボタンである。非常停止ボタン128が操作されると、利用者の安全を確保するため、駐車装置100の特定の動作(例えば、パレット104またはゲート108の作動)が停止する。
【0048】
操作盤105の操作によって出力される信号は、制御盤110に送信される。具体的には、操作電源スイッチ120の操作、情報入力部126による入力操作、および非常停止ボタンの操作による出力信号が、制御盤110に送信される。
【0049】
[3.制御盤110の構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の制御盤110の構成を示すブロック図である。
【0050】
図4に示すように、制御盤110は、制御回路基板140および動力電源142を含む。また、制御回路基板140は、第1の制御部140a、第1の検出部140b、第2の制御部140c、および第2の検出部140dを含む。なお、制御盤110構成はこれに限られない。制御盤110は、さらに、記憶部または通信部などを含んでいてもよい。
【0051】
第1の制御部140a、第1の検出部140b、第2の制御部140c、および第2の検出部140dは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置、ならびにROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリを含む。第1の制御部140a、第1の検出部140b、第2の制御部140c、および第2の検出部140dは、ROMに記憶されたプログラムをRAMによって展開してCPUによって実行する。例えば、第1の制御部140aおよび第2の制御部140cは、操作盤105から送信された信号を受信して、パレット104の移動やゲート108の開閉などを制御する制御信号を生成する。具体的には、パレット104の移動であれば、第1の制御部140aおよび第2の制御部140cは、それぞれ、電磁接触器132および電磁開閉器130を制御する制御信号を生成し、送信する。
【0052】
電磁接触器132は、ミラーコンタクトの主接点(a接点またはNO接点)および補助接点132a(b接点またはNC接点)を含む。すなわち、補助接点132aの開閉状態は主接点と連動し、主接点が開くと補助接点132aが閉じ、主接点が閉じると補助接点132aが開く。そのため、主接点で溶着が起きると、補助接点132aは閉じた状態を維持する。電磁接触器132は、主接点においてモータ134および動力供給ライン150と接続している。一方、補助接点132aには、検出信号ライン154を介して、第1の検出部140bが接続されている。
【0053】
第1の制御部140aは、制御信号ライン152を介して電磁接触器132に接続され、主接点を閉じるように電磁接触器132を制御する制御信号を送信する。制御信号を受信した電磁接触器132は、主接点を閉じ、動力供給ライン150からモータ134への動力の供給を可能にする。なお、この場合、補助接点132aは開かれる。
【0054】
電磁接触器132が故障し、制御信号を受信せずに制御信号ライン152からモータ134に動力が供給される場合、その要因は主接点の溶着である。この場合も、補助接点132aは開かれる。そのため、第1の検出部140bは、補助接点132aの開閉状態を検出し、補助接点132aの開閉状態を示す信号を第1の制御部140aに送信する。具体的には、補助接点132aが閉じていることを検出したとき、第1の検出部140bは、電磁接触器132が正常であることを示す正常信号を第1の制御部140aに送信する。一方、補助接点132aが開いていることを検出したとき、第1の検出部140bは、電磁接触器132が故障していることを示す異常信号を第1の制御部140aに送信する。第1の制御部140aは、補助接点132aの開閉状態を示す信号に基づき、電磁接触器132に制御信号を送信する。具体的には、第1の制御部140aが正常信号を受信したとき、第1の制御部140aは、電磁接触器132に制御信号を送信し、電磁接触器132を動作させる。一方、第1の制御部140aが異常信号を受信したとき、第1の制御部140aは、電磁接触器132に制御信号を送信しない。
【0055】
駐車装置100では、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点132aの開閉状態を検出することにより、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の故障を判定することができる。電磁接触器132が故障している場合には、モータ134へ動力が供給されないため、駐車装置100では、パレット104の移動による車両の接触事故を未然に防ぎ、安全性が図られる。
【0056】
上述した電磁接触器132の故障の判定は、電磁接触器132だけでなく、電磁開閉器130にも適用することができる。電磁開閉器130は、主接点において動力電源142および動力供給ライン150と接続している。一方、補助接点130aには、検出信号ライン154を介して、第2の検出部140dが接続されている。
【0057】
第2の制御部140cは、制御信号ライン152を介して電磁開閉器130に接続され、主接点を閉じるように電磁開閉器130を制御する制御信号を送信する。制御信号を受信した電磁開閉器130は、主接点を閉じ、動力電源142から動力供給ライン150へ動力を供給する。なお、この場合、補助接点130aは開かれる。
【0058】
電磁開閉器130が故障し、制御信号を受信せずに動力電源142から動力供給ライン150に動力が供給される場合、その要因は主接点の溶着である。この場合も、補助接点130aは開かれる。そのため、第2の検出部140dは、補助接点130aの開閉状態を検出し、補助接点130aの開閉状態を示す信号を第2の制御部140cに送信する。具体的には、補助接点130aが閉じていることを検出したとき、第2の検出部140dは、電磁開閉器130が正常であることを示す正常信号を第2の制御部140cに送信する。一方、補助接点130aが開いていることを検出したとき、第2の検出部140dは、電磁開閉器130が故障していることを示す異常信号を第2の制御部140cに送信する。第2の制御部140cは、補助接点130aの開閉状態を示す信号に基づき、電磁開閉器130に制御信号を送信する。具体的には、第2の制御部140cが正常信号を受信したとき、第2の制御部140cは、電磁開閉器130に制御信号を送信し、電磁開閉器130を動作させる。一方、第2の制御部140cが異常信号を受信したとき、第2の制御部140cは、電磁開閉器130に制御信号を送信しない。
【0059】
駐車装置100では、電磁開閉器130の補助接点130aの開閉状態を検出することにより、電磁開閉器130の故障を判定することができる。電磁開閉器130が故障している場合には、動力供給ライン150へ動力が供給されないため、駐車装置100では、パレット104の移動による車両の接触事故を未然に防ぎ、安全性が図られる。
【0060】
なお、制御回路基板140は、第1の制御部140aによって電磁接触器132に制御信号を送信した後、第2の制御部140cによって電磁開閉器130に制御信号を送信してもよい。
【0061】
[4.駐車装置100の制御方法]
図5は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の制御方法を示すフローチャート図である。具体的には、図5は、パレット104の移動処理を示すフローチャート図である。パレット104の移動処理は、操作盤105の入力によって開始される。
【0062】
ステップS100では、制御盤110の制御回路基板140が、操作盤105からの出力信号を受信する。
【0063】
ステップS110では、第1の検出部140bが、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点132aの開閉状態を検出する。
【0064】
ステップS120では、第1の検出部140bが、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点132aの開閉状態を示す信号(補助接点132aが閉じられている状態を示す正常信号または補助接点132aが開かれている状態を示す異常信号)を第1の制御部140aに送信する。
【0065】
ステップS130では、第1の制御部140aが、補助接点132aの開閉状態を判定する。具体的には、第1の制御部140aが正常信号のみを受信したとき(ステップS130:YES)、ステップS140が実行される。第1の制御部140aが異常信号を1つでも受信したとき(ステップS130:NO)、駐車装置100に異常状態が発生しているとして、駐車装置100を停止する。
【0066】
ステップS140では、第2の検出部140dが、電磁開閉器130の補助接点130aの開閉状態を検出する。
【0067】
ステップS150では、第2の検出部140dが、補助接点130aの開閉状態を示す信号(補助接点130aが閉じられている状態を示す正常信号または補助接点130aが開かれている状態を示す異常信号)を第2の制御部140cに送信する。
【0068】
ステップS160では、第2の制御部140cが、補助接点130aの開閉状態を判定する。具体的には、第2の制御部140cが正常信号を受信したとき(ステップS160:YES)、ステップS170が実行される。第2の制御部140cが異常信号を受信したとき(ステップS160:NO)、駐車装置100に異常状態が発生しているとして、駐車装置100を停止する。
【0069】
ステップS170では、制御回路基板140が、所定の電磁接触器132(例えば、移動させるパレット104の電磁接触器132)に第1の制御信号を送信する。これにより、所定の電磁接触器132が動作し、モータ134への動力の供給が可能になる。
【0070】
ステップS180では、制御回路基板140が、電磁開閉器130に第2の制御信号を送信する。これにより、電磁開閉器130が動作し、動力供給ライン150を介して動力電源からモータ134に動力が供給される。
【0071】
以上、説明したように、本実施形態に係る駐車装置100は、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点132aの開閉状態を検出することにより、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の異常状態(例えば、接点の溶着など)を判定することができる。電磁接触器132が異常状態にある場合、モータ134に動力が供給されないため、予期しないパレット104の移動を防止し、車両の接触事故などを未然に防ぐことができる。
【0072】
なお、上記では、パレット104を作動するモータ134に接続された電磁接触器132を一例として説明したが、同様の構成は、ゲート108を作動するモータに接続された電磁接触器の異常状態の判定に適用することができる。
【0073】
<第2実施形態>
図6を参照して、駐車装置100の変形例である駐車装置100Aについて説明する。なお、駐車装置100Aの構成が駐車装置100の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0074】
図6は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100Aの構成を示すブロック図である。
【0075】
図6に示すように、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nは、m個(mは自然数)の駐車領域P1~Pmのいずれかに属する。駐車装置100Aは、m個の駐車領域P1~Pmごとに、それぞれの駐車領域P1~Pmに属する第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの補助接点132aが直列に接続されたm個の補助接点回路部を含む。制御回路基板140の第1の検出部140bは、検出信号ライン154を介してm個の補助接点回路部と接続し、m個の補助接点回路部の開閉状態を検出する。そのため、制御回路基板140の第1の制御部140aは、m個の駐車領域P1~Pmごとに、それぞれに属する第1乃至第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの補助接点132aの開閉状態を判定することができる。
【0076】
以上、説明したように、本実施形態に係る駐車装置100Aは、m個の駐車領域P1~Pmごとに、それぞれに属する補助接点132aのいずれかの開閉状態を検出することにより、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nのいずれかの異常状態を判定することができる。駐車装置100Aでは、駐車装置100に比べて、制御回路基板140に接続される検出信号ライン154の数を減らすことができる。また、電磁接触器132が異常状態にある場合、モータ134に動力が供給されないため、予期しないパレット104の移動を防止し、車両の接触事故などを未然に防ぐことができる。
【0077】
<第3実施形態>
図7を参照して、駐車装置100のさらに別の変形例である駐車装置100Bについて説明する。なお、駐車装置100Bの構成が駐車装置100の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0078】
図7に示すように、駐車装置100Bは、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点132aが直列に接続された補助接点回路部を含む。制御回路基板140の第1の検出部140bは、検出信号ライン154を介して補助接点回路部と接続し、補助接点回路部の開閉状態を検出する。そのため、制御回路基板140の第1の制御部140aは、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nのいずれかの補助接点132aの開閉状態を判定することができる。
【0079】
以上、説明したように、本実施形態に係る駐車装置100Bは、第1乃至第nの補助接点132aのいずれかの開閉状態を検出することにより、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nのいずれかの異常状態を判定することができる。駐車装置100Bでは、駐車装置100に比べて、制御回路基板140に接続される検出信号ライン154の数を減らすことができる。また、電磁接触器132が異常状態にある場合、モータ134に動力が供給されないため、予期しないパレット104の移動を防止し、車両の接触事故などを未然に防ぐことができる。
【0080】
<第4実施形態>
図8を参照して、駐車装置100の一変形例である駐車装置100Cについて説明する。なお、駐車装置100Cの構成が駐車装置100の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0081】
図8は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100Cの構成を示すブロック図である。
【0082】
図8に示すように、駐車装置100Cは、電磁開閉器130の代わりに、インバータ130Cを含む。インバータ130Cは、任意の周波数を生成することができ、低周波数から出力し始めることができる。モータ134の発生トルクは一般的に小さい。そのため、パレット104を移動させるための定格トルクが発生するまでは、ブレーキパッドをブレーキディスクに押しつけておき、インバータ130Cから出力される周波数が負荷トルク以上の回転トルクに達したときにブレーキパッドを開放することができる。このように、インバータ130Cは、動力供給ライン150と接続し、モータ134の回転速度を制御することができる。すなわち、インバータ130Cは、動力電源142から動力供給ライン150に動力を供給するとともに、モータ134を有するパレット104の移動を制御することができる。
【0083】
駐車装置100Cは、駐車装置100と同様に、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点132aが、制御回路基板140の第1の検出部140bに接続されている。そのため、駐車装置100Cにおいても、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の故障を判定することができる。
【0084】
また、電磁開閉器130と同様に、インバータ130Cが主接点および主接点の開閉状態と連動する補助接点を含んでいてもよい。この場合におけるインバータ130Cは、電磁開閉器130と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0085】
以上、説明したように、本実施形態に係る駐車装置100Cは、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の補助接点132aの開閉状態を検出することにより、第1乃至第nの電磁接触器132-1~nの各々の異常状態を判定することができる。電磁接触器132が異常状態にある場合、モータ134に動力が供給されないため、予期しないパレット104の移動を防止し、車両の接触事故などを未然に防ぐことができる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の駐車装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0087】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0088】
100、100A、100B、100C:駐車装置、 101:車両、 102:支柱、 104:パレット、 105:操作盤、 106:搬送装置、 108:ゲート、 109:入出庫口、 110:制御盤、 120:操作電源スイッチ、 122:操作部、 124:情報表示部、 126:情報入力部、 128:非常停止ボタン、 130:電磁開閉器、 130a:補助接点、 130C:インバータ、 132:電磁接触器、 132a:補助接点、 134:モータ、 140:制御回路基板、 140a:第1の制御部、 140b:第1の検出部、 140c:第2の制御部、 140d:第2の検出部、 142:動力電源、 150:動力供給ライン、 152:制御信号ライン、 154:検出信号ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8