(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184664
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】日蔭用植物育成LED照明装置
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A01G7/00 601C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021113833
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000221432
【氏名又は名称】東西電工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三島 庸歳
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022AA03
2B022DA02
2B022DA03
2B022DA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ソーラパネルの陰になる場所の植物は、日が当たる場所の植物に比べて成長が著しく悪くなる。収穫量が20%を割るとソーラシェアリングができなくなる。
【解決手段】LEDを2μS以上500μS以下の時間、デューティ20%以下のパルスで点灯すれば植物は十分な成長促進効果が得られ、消費電力も微々たる値になる。前記パルス点灯方式を使用し、ソーラパネルで影になる箇所を照射すれば、影になる部分の植物の成長は促進され、植物の収穫は良くなり、収支は改善する。パルス点灯させる電源は直接商用電源からもとれるが、折角ソーラ発電装置があるので、その電池から電源をとっても消費電力は1W程度のため、売電から言えば微々たるもので問題はない。ソーラ発電装置から電源が供給できないときは別個に数Wのソーラ発電装置を設けても良い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラ発電装置の取付け高さを高くして、その下で植物を育成する装置を取付ける構造からなり、植物を育成する装置は、電源をソーラ発電装置、ソーラ発電装置の近傍に設置した小型のソーラ発電装置、または近くの商用電源から供給し、前記電源により、ソーラ発電装置の取付脚などに取り付けたパルス点灯装置を動作させ、2μS以上500μS以下の時間、デューティ20%以下のパルスで、ソーラ発電装置の取付脚間などに取り付けられたLEDをソーラ発電装置などで影になるところを照射してなる日蔭用植物育成LED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を育成している田畑などに売電目的の太陽光発電装置を設置した時の日陰になる植物を育成する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物栽培方法には人工光、例えば蛍光灯、水銀灯などを用いて最適な照度で植物を育成していた。最近田畑などに太陽光発電装置を設置してソーラシェアリングしているが、この太陽光発電装置は植物の植付けや収穫、できるだけ植物に太陽が当るようにソーラパネルの高さを高くしている。ソーラパネルの高さを高くしても日陰になることは免れない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ソーラパネルの陰になる場所の植物は、日が当たる場所の植物に比べて成長が著しく悪くなる。収穫品は植物の出来に差があり、成長具合の選別作業も必要になり、成長の悪いものは価格が下がり、収支も悪くなり、収穫量が20%を割るとソーラシェアリングができなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
国際公開第2019/031559によれば、植物育成で採算性をよくするため、LEDを2μS以上500μS以下の時間、デューティ20%以下のパルスで点灯すれば植物は十分な成長促進効果が得られ、消費電力も微々たる値になると記載されている。前記パルス点灯方式を使用し、ソーラパネルで影になる箇所を照射すれば、影になる部分の植物の成長は促進され、植物の収穫は良くなり、収支は改善する。パルス点灯させる電源は直接商用電源からもとれるが、折角ソーラ発電システムがあるので、その電池から電源をとっても消費電力は1W程度のため、売電から言えば微々たるもので問題はない。ソーラ発電システムから電源が供給できないときは別個に数Wのソーラ発電装置を設けても良い。もちろん商用電源を使用しても差し支えない。
【0005】
植物の種類により発光色は異なり、例えば青、赤、緑、橙、UVなどが使用され、どの植物がどの波長が良いかは今後蓄積されつつある。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によればLEDを2μS以上500μS以下の時間、デューティ20%以下のパルス点灯でソーラパネルが影になる場所を照射することにより、1W程度の電力で影になる箇所の植物の成長が加速され、植物栽培の収支が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施例を示す売電ソーラ利用で日陰の植物育成用LEDパルス制御装置設置の斜視図である。
【0008】
図1はソーラ発電装置1を高く設置して、その下部で植物2を栽培している斜視図である。植物2の上部に防水性を持たしたLED3を複数個ソーラ固定用ラックに設置し、ソーラ発電装置1から電源を受けたパルス点灯装置4で防水性を持たしたLED3はパルス点灯する。このパルスは2μS以上500μS以下の時間、デューティ20%以下であるため植物育成は促進される(国際公開第2019/031559)。消費電力は微々たるものであるため、ソーラ発電システム1の売電価格には殆ど支障がなく、効率的に影の部分の植物を育成でき、全体の収穫が良くなり、収支が改善される。
【0009】
植物2の防水性を持たしたLED3の光色は育てる植物の種類により異なるが、例えば青はトマトに良いなど、今後植物の種類で最適な発光色を期待できる。
なお、今回のパルス点灯装置の電源はソーラ発電装置から供給する方法を説明したが、別に小容量のソーラ発電装置を設置しても良いし、商用電源が近くにあればそれを利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例を示す売電ソーラ利用で日陰の植物育成用LEDパルス点灯装置設置の斜視図
【符号の説明】
【0011】
1・・・ソーラ発電装置
2・・・植物
3・・・防水性を持たしたLED
4・・・パルス点灯装置