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特開2022-18468情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018468
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/20 20200101AFI20220120BHJP
   G06F 16/21 20190101ALI20220120BHJP
【FI】
G06F17/50 612C
G06F16/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121584
(22)【出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】503361400
【氏名又は名称】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(72)【発明者】
【氏名】梅田 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】植田 泰士
(72)【発明者】
【氏名】片平 真史
【テーマコード(参考)】
5B046
5B146
5B175
【Fターム(参考)】
5B046DA01
5B046JA07
5B046KA08
5B146CA01
5B146DJ14
5B146DL10
5B175CA07
5B175KA11
(57)【要約】
【課題】解析処理における作業者の知見に関する情報の記録及び参照を可能にする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】ハードウェアの解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記知見情報と、前記解析工程の解析目的、検証観点、前記ハードウェアの名称、前記ハードウェアの利用環境における過渡事象の計測位置、及び前記過渡事象のレビュー観点の少なくとも1つと、が対応付けられたツリー構造を有する知見ツリーを生成する生成部と、を備える情報処理装置である。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードウェアの解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記知見情報と、前記解析工程の解析目的、検証観点、前記ハードウェアの名称、前記ハードウェアの利用環境における過渡事象の計測位置、及び前記過渡事象のレビュー観点の少なくとも1つと、が対応付けられたツリー構造を有する知見ツリーを生成する生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記知見ツリーは、上位層から下位層に向かって、前記解析目的、前記検証観点、前記ハードウェアの名称、前記計測位置、及び前記過渡事象のレビュー観点の各々を示すノードが順に配置されたツリー構造を有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記過渡事象のレビュー観点は、予め定義された過渡事象のレビュー観点の識別情報により表される、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部により取得された前記知見情報に含まれるレビューコメントと、予め定義されたキーワード情報とをマッチングすることにより前記レビューコメントから抽出された少なくとも1つの単語と、が対応付けられたレビューコメント分析表を生成する分析部をさらに備え、
前記生成部は、前記分析部により生成された前記レビューコメント分析表に基づいて、前記知見ツリーを生成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記レビューコメント分析表において、前記レビューコメントに前記過渡事象のレビュー観点が対応付けられている場合、前記過渡事象のレビュー観点を示すノードに前記レビューコメントが対応付けられた前記知見ツリーを生成する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記レビューコメント分析表において、前記レビューコメントに2つ以上の前記計測位置が対応付けられている場合、前記計測位置を示すノードに前記レビューコメントが対応付けられた前記知見ツリーを生成する、
請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記レビューコメント分析表において、前記レビューコメントに2つ以上の前記ハードウェアの名称が対応付けられている場合、前記ハードウェアが複数である場合を示す第1分岐と、前記ハードウェアが単体である場合を示す第2分岐とを設定し、前記第1分岐の下位層に2つ以上の前記ハードウェアの名称を示すノードを追加し、該ノードに前記レビューコメントが対応付けられた前記知見ツリーを生成する、
請求項4から6のいずれ一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成部により生成された前記知見ツリーを表示部に表示させる表示制御部をさらに備える、
請求項1から7のいずれ一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
ハードウェアの解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を取得し、
取得された前記知見情報と、前記解析工程の解析目的、検証観点、前記ハードウェアの名称、前記ハードウェアの利用環境における過渡事象の計測位置、及び前記過渡事象のレビュー観点の少なくとも1つと、が対応付けられたツリー構造を有する知見ツリーを生成する、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ハードウェアの解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を取得させ、
取得された前記知見情報と、前記解析工程の解析目的、検証観点、前記ハードウェアの名称、前記ハードウェアの利用環境における過渡事象の計測位置、及び前記過渡事象のレビュー観点の少なくとも1つと、が対応付けられたツリー構造を有する知見ツリーを生成させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種ハードウェアの開発プロセスにおいては、動作検証のための試験として、ハードウェアの利用環境を模擬したシミュレーションによる解析試験が行われる。解析試験では、直接計測できない事象(流量、温度、圧力等)がシミュレーションにより解析される。また、シミュレーションの解析精度を高めるために、開発対象のハードウェアと類似する既存の設備等を用いた実機試験により得られる計測結果と、シミュレーションにより得られる解析結果とが一致するようにシミュレーションにおける各種パラメータが調整される。
【0003】
シミュレーションにおいては、実際の利用環境を模擬するため、調整対象となるパラメータの数が膨大になることが多い。このため、シミュレーションに要する計算時間の制約から、作業者は、自身の知見に基づいて、一部のパラメータについては省略したり、固定値として取り扱う等して模擬度合いを下げる調整を行う。また、一方で、作業者は、重要なパラメータについては、他のパラメータによる影響を考慮した方程式を用いて定義する等して模擬度合いを高める調整を行う(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-61065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、シミュレーションにおけるパラメータの調整は、解析目的、ハードウェアの構造、利用環境における各種物理事象等を合わせて考慮した作業者の複合的な知見に基づいて行われていた。また、開発対象のハードウェアは新規性が高く、同一の既存のハードウェアは存在しないため、既存の設備等から得られる計測結果をそのまま利用することはできず、作業者の知見に基づいて適宜修正等が行われていた。従来、このような作業者の複合的な知見を記録および参照する手段が無いため、解析モデルの作成時や解析結果のレビュー時等に、他者はどのような観点で作業者が解析を行ったのかを把握することができなかった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、解析処理における作業者の知見に関する情報の記録及び参照を可能にする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ハードウェアの解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記知見情報と、前記解析工程の解析目的、検証観点、前記ハードウェアの名称、前記ハードウェアの利用環境における過渡事象の計測位置、及び前記過渡事象のレビュー観点の少なくとも1つと、が対応付けられたツリー構造を有する知見ツリーを生成する生成部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、解析処理における作業者の知見に関する情報の記録及び参照を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】知見ツリーの基本構造T1の一例を示す図である。
図2】情報処理装置による解析処理の対象となるハードウェアの利用環境の一例を示す図である。
図3】情報処理装置による解析処理の対象となる解析工程を説明する図である。
図4】解析モデルによる解析値A1の一例を示す図である。
図5】解析対象の設計期待値A2の一例を示す図である。
図6】現在及び/または過去の参照値A3の一例を示す図である。
図7】比較結果A4の一例を示す図である。
図8】過渡事象レビュー観点IDの一覧を示す図である。
図9】レビュー結果A5の一例を示す図である。
図10】情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
図11】キーワード情報の一例を示す図である。
図12】情報処理装置1によるレビューコメント分析表の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】レビューコメント分析表T2の一例を示す図である。
図14】情報処理装置1による知見ツリーの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】レビューコメント分析表T2において「過渡事象レビュー観点ID」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。
図16】レビューコメント分析表T2において2つ以上の「計測ID」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。
図17】レビューコメント分析表T2において2つ以上の「計測ID」が存在するレビューコメントに対する他の処理の様子を示す図である。
図18】レビューコメント分析表T2において2つ以上の「HW機器」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。
図19】レビューコメント分析表T2において、1つの「HW機器」と、1つの「計測IDと」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図を参照して本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの実施形態について説明する。
【0011】
<情報処理装置の適用対象>
本実施形態の情報処理装置は、ハードウェアの開発プロセスに含まれる解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を用いて、過渡解析における知見情報を示す知見ツリーを生成する。本実施形態において、過渡解析とは、時間的に状態が変化する事象(過渡事象)の挙動を解析することを意味する。過渡事象は、例えば、開発対象のハードウェアの利用環境における特定の箇所において計測される温度、圧力、流量等の値である。
【0012】
知見ツリーとは、解析対象に関連する情報とともに、解析作業を行った作業者により記録されたレビューコメントをツリー構造で示すものである。このレビューコメントには、解析作業における作業者の解析前提を示す情報が含まれる。図1は、知見ツリーの基本構造T1を説明する図である。知見ツリーの基本構造T1においては、解析目的(G1)、検証観点(G1.1)、ハードウェア(HW)機器(G1.1.1)、計測箇所(G1.1.1.1)、過渡レビュー観点ID(G1.1.1.1.1)等の解析対象に関する情報を示すノード(「ゴール」とも呼ぶ)がツリー構造をなしている。知見ツリーは、上位層から下位層に向かって、解析目的、検証観点、ハードウェアの名称、計測位置、及び過渡事象のレビュー観点の各々を示すノードが順に配置されたツリー構造を有する。
【0013】
また、これらの各ノード(G)には、解析前提C1、解析前提C1.1、解析前提C1.1.1、解析前提C1.1.1.1、解析前提C1.1.1.1.1等のレビューコメントを示す情報(「コンテキスト」とも呼ぶ)が対応付けられている。解析目的(G1)、検証観点(G1.1)、ハードウェア(HW)機器(G1.1.1)、計測箇所(G1.1.1.1)、過渡レビュー観点ID(G1.1.1.1.1)等の解析対象に関する情報を示すノード間には、運用シーケンス分割(S1)、解析対象の分割(S1.1)、計測対象毎の分割(S1.1.1)、レビュー観点毎の分割(S1.1.1.1)等のツリー構造を細分化・詳細化するための観点を示すノードが設定されている。上記のゴール(G)、コンテキスト(C)の文言は、解析作業を行った作業者により記録されたレビューコメントに基づいて設定される。一方、ツリー構造を細分化・詳細化するための観点を示すノード(S)の文言は、予め定義された固定のものである。知見ツリーにおいて、解析前提(C)は角丸四角の図形によって表され、ノード(G)は四角の図形によって表され、ノード(S)はひし形の図形よって表される。また、解析前提(C)と、ノード(G)との間の対応付けは、矢印によって表される。
【0014】
解析結果のレビュー等を行う他者は、このような知見ツリーを参照することで、解析作業を担当した作業者の知見に関する情報を確認することができる。知見ツリーの生成方法については後述する。
【0015】
図2は、情報処理装置による解析処理の対象となるハードウェアの利用環境の一例を示す図である。図2において、例えば、タンク、ポンプ、タービン、ガス発生器、および燃焼器の少なくとも1つが開発対象のハードウェアである。図1に示す例では、3つの計測箇所A1,B1,及びC1が設定されている。3つの計測箇所A1,B1,及びC1には、計測センサーとして、例えば、「温度センサー」が設置されており、この温度センサーにより、過渡事象である「温度」が測定される。計測箇所A1は、ガス発生器とタービンAとをつなぐ配管に位置する。計測箇所A1には、その識別情報として「計測ID1」が設定されている。計測箇所B1は、ガス発生器とタービンBとをつなぐ配管に位置する。計測箇所B1には、その識別情報として「計測ID2」が設定されている。計測箇所C1は、燃焼器とガス発生器とをつなぐ配管に位置する。計測箇所C1には、その識別情報として「計測ID3」が設定されている。以下においては、この図1に示す利用環境を例に挙げて説明する。
【0016】
図3は、情報処理装置による解析処理の対象となる解析工程を説明する図である。解析工程は、例えば、解析工程1、解析工程2、解析工程3、及び解析工程4を含む。
【0017】
解析工程1は、解析ツール(シミュレータ)を用いてハードウェアの利用環境の挙動を模擬する工程である。解析工程1では、予め準備された解析モデルを用いてハードウェアの利用環境を模擬することで、特定の計測箇所における過渡事象の解析値A1を得る。図4は、解析値A1の一例を示す図である。図4の例では、時刻毎の、計測ID1からID3の各々における温度の解析値(シミュレーション結果)が示されている。さらに、計測ID1に対して、レビューコメントC1が対応付けられている。このレビューコメントC1は、シミュレーションを行った作業者によって記録されたものである。このレビューコメントC1には、例えば、シミュレーションを行うに際して作業者が前提とした解析モデルの特徴や、解析対象の特徴を示す説明(解析前提)が含まれる。図4の例では、このレビューコメントC1として、解析モデルに関して「レビューコメントX1」が登録され、解析対象に関して「レビューコメントX2」が登録されている。
【0018】
解析工程2は、設計期待値を取得する工程である。設計期待値とは、利用環境が設計に沿った理想的な動作を行った場合における解析対象(過渡事象)の期待値である。設計期待値は、例えば、作業者により指定される。図5は、解析対象の設計期待値A2の一例を示す図である。図5の例では、時刻毎の、計測ID1からID3の各々における温度の設計期待値が示されている。例えば、計測ID1の設計期待値は、時刻t1からt3にわたって、温度が10度ずつ徐々に増大する。さらに、この設計期待値A2においては、計測ID1に対して、レビューコメントC2が対応付けられている。このレビューコメントC2は、作業者によって登録されたものである。
【0019】
解析工程3は、現在及び/または過去の参照値を取得する工程である。現在及び/または過去の参照値とは、開発対象のハードウェアと類似する機器を含む既存の利用環境や、試験用に準備された試験機器を含む利用環境において実際に測定された解析対象(過渡事象)の実測値である。図6は、解析対象の参照値A3の一例を示す図である。図6の例では、時刻毎の、計測ID1からID3の各々における温度の実測値が示されている。さらに、計測ID2に対して、レビューコメントC3が対応付けられている。このレビューコメントC3は、作業者によって登録されたものである。
【0020】
解析工程4は、解析工程1から3において取得された解析値、設計期待値、及び参照値を比較する工程である。ここでは、予め定義された定数定義や計算式定義に基づいて、各解析工程で得られた値の単位を揃える処理や、所定の指標値を算出する処理が行われる。図7は、計測ID1についての比較結果A4の一例を示す。図7の例では、解析工程1において取得された計測ID1の解析値ID1_A1と、解析工程2において取得された計測ID1の設計期待値ID1_A2と、解析工程3において取得された計測ID1の参照値ID1_A3とが時刻と値との関係を示すグラフにより比較可能に示されている。さらに、この計測ID1の比較結果に対して、レビューコメントC4が対応付けられている。このレビューコメントC4は、作業者によって登録されたものである。このレビューコメントC4は、例えば、再度のシミュレーションを行うに際して作業者が前提とした解析モデルの特徴に対するコメント(レビューコメントWA1)、解析対象の特徴に対するコメント(レビューコメントWA2)に加えて、過渡事象レビュー観点ID(「1-A-Max」)を含む。
【0021】
過渡事象レビュー観点IDとは、予め定義されたレビュー観点を識別する識別情報である。図8は、予め定義された過渡事象レビュー観点IDの一覧を示す。例えば、過渡事象レビュー観点ID「1-A-Max」は、過渡レビュー観点が「該当時間の絶対値」であり、記録範囲が「全区間」であり、計測値の閾値種別が「最大」であるレビュー観点を示している。例えば、作業者は、図7に示す比較結果をレビューした際、自信が着目した観点に相当する過渡事象レビュー観点IDを図8の一覧から選択して、レビューコメントC4に記録する。すなわち、過渡事象のレビュー観点は、予め定義された過渡事象のレビュー観点の識別情報により表される。
【0022】
また、解析工程4では、上記の解析工程におけるレビューコメントをまとめて、レビュー結果が生成される。図9は、レビュー結果A5の一例を示す図である。図9の例では、「計測ID1」の行に、図4に示す解析値A1の計測ID1に対して付与されたレビューコメントC1と、図5に示す設計期待値A2の計測ID1に対して付与されたレビューコメントC2と、図7に示す計測ID1の比較結果A4に対して付与されたレビューコメントC4とが含まれる。なお、図7に示す計測ID1の比較結果A4に対して付与されたレビューコメントC4に含まれる「解析モデル」に対するレビューコメントWA1および「解析対象」に対するレビューコメントWA2は、「解析工程4」の列に記載されるが、「過渡事象レビュー観点ID」の値である「1-A-Max」は、「解析工程4」とは区別されて列である「過渡事象レビュー観点ID」列に記載される。また、図9の例では、「計測ID2」の行に、図6に示す計測ID2に対して付与されたレビューコメントC3が含まれる。なお、計測ID2および計測ID3に対しても、上記の計測ID1と同様な比較処理が行われる。
【0023】
<情報処理装置の構成>
図10は、情報処理装置1の構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、解析値A1、設計期待値A2、参照値A3、比較結果A4、及びレビュー結果A5を入力値として受け取り、知見ツリーTRを出力する。情報処理装置1は、例えば、入力インターフェース10と、表示部20と、制御部30と、記憶部40とを備える。
【0024】
入力インターフェース10は、情報処理装置1のユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して制御部30に出力する。例えば、入力インターフェース10は、マウス、キーボード、タッチパネル等を含む。入力インターフェース10がタッチパネルである場合、入力インターフェース10は、後述する表示部20の表示機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0025】
表示部20は、各種の情報を表示する。例えば、表示部20は、制御部30によって生成された画像や、ユーザからの各種の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。表示部20は、LCD(Liquid Crystal Display)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。
【0026】
制御部30は、情報処理装置1の動作を制御する。制御部30は、例えば、取得部31と、分析部32と、生成部33と、表示制御部34との機能を有する。制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサが記憶部40に記憶されるプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、取得部31と、分析部32と、生成部33と、表示制御部34との各機能部を実現する。また、これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0027】
取得部31は、解析値A1、設計期待値A2、参照値A3、比較結果A4、及びレビュー結果A5を取得する。取得部31は、例えば、入力インターフェース10を介したユーザの操作に基づいて、解析値A1、設計期待値A2、参照値A3、比較結果A4、及びレビュー結果A5を取得する。或いは、取得部31は、ネットワークを介して接続された他装置に記憶されている解析値A1、設計期待値A2、参照値A3、比較結果A4、及びレビュー結果A5を取得してもよい。すなわち、取得部31は、ハードウェアの解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を取得する。
【0028】
分析部32は、レビュー結果A5と、予め定義されたキーワード情報D2とに基づいて、レビューコメント分析表を生成する。図11は、キーワード情報D2の一例を示す図である。図11に示すように、キーワード情報D2には、分類子毎の具体名称、別名称が対応付けられている。分析部32によるレビューコメント分析表の具体的な生成方法については後述する。
【0029】
すなわち、分析部32は、取得部31により取得された知見情報に含まれるレビューコメントと、予め定義されたキーワード情報とをマッチングすることによりレビューコメントから抽出された少なくとも1つの単語と、が対応付けられたレビューコメント分析表T2を生成する。
【0030】
生成部33は、分析部32により生成されたレビューコメント分析表に基づいて、知見ツリーを生成する。すなわち、生成部33は、取得部31により取得された知見情報と、解析工程の解析目的、検証観点、ハードウェアの名称、ハードウェアの利用環境における過渡事象の計測位置、及び過渡事象のレビュー観点の少なくとも1つと、が対応付けられたツリー構造を有する知見ツリーを生成する。生成部33による知見ツリーの具体的な生成方法については後述する。
【0031】
表示制御部34は、表示部20の動作を制御する。表示制御部34は、例えば、分析部32により生成されたレビューコメント分析表や、生成部33により生成された知見ツリーを、表示部20に表示させる。
【0032】
記憶部40は、例えば、図8に示す過渡事象レビュー観点情報D1、図11に示すキーワード情報D2等を記憶する。記憶部40、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、又はこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置等により実現される。また、記憶部40の一部又は全部は、NAS(Network Attached Storage)や外部のストレージサーバ等、情報処理装置1のアクセス可能な外部装置であってもよい。
【0033】
<情報処理装置の処理(レビューコメント分析表の生成処理)>
次に、情報処理装置1によるレビューコメント分析表の生成処理について説明する。図12は、情報処理装置1によるレビューコメント分析表の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、情報処理装置1のユーザが、入力インターフェース10を介して、レビューコメント分析表の生成処理の開始指示を入力した場合に開始される。
【0034】
まず、情報処理装置1の取得部31は、例えば、入力インターフェース10を介したユーザの操作に基づいて、解析値A1、設計期待値A2、参照値A3、比較結果A4、及びレビュー結果A5を取得する(ステップS101)。
【0035】
次に、分析部32は、取得されたレビュー結果A5に含まれる複数のレビューコメントの中から、処理対象のレビューコメントを選択する(ステップS103)。例えば、図9に示すレビュー結果A5において、分析部32は、処理対象のレビューコメントとして、解析工程1において計測ID1と対応付けられたレビューコメント「レビューコメントX1」及び「レビューコメントX2」を選択する。
【0036】
次に、分析部32は、選択されたレビューコメントに対して形態素解析を行い、選択されたレビューコメントに含まれる単語(例えば、名詞句)を抽出する(ステップS105)。
【0037】
次に、分析部32は、抽出された単語と、キーワード情報D2に予め登録されているキーワードとのマッチングを行い、抽出された単語の各々がキーワード情報D2に登録されているか否かを判定する(ステップS107)。例えば、図11に示すキーワード情報D2には分類子「HW機器」の具体名称として「タービンA」が予め登録されている。ここで、分析部32は、抽出された単語が「タービンA」である場合、抽出された単語がキーワード情報D2に登録されていると判定する。一方、分析部32は、抽出された単語が「タンクC」である場合、キーワード情報D2には同単語は登録されていないため、抽出された単語がキーワード情報D2に登録されていないと判定する。
【0038】
分析部32は、抽出された単語がキーワード情報D2に登録されていると判定した場合、この抽出された単語を、レビューコメント分析表T2に追加する(ステップS109)。図13は、レビューコメント分析表T2の一例を示す図である。図13に示すように、レビューコメント分析表T2には、レビューコメントと、キーワード情報D2に登録されていると判定された単語とが対応付けられて記録される。詳細には、レビューコメント分析表T2において、キーワード情報D2に登録されていると判定された単語は、分類子と対応付けられている。例えば、図11に示すキーワード情報D2において「タービンA」は分類子「HW機器」と対応付けられている。このため、抽出された単語「タービンA」は、レビューコメント分析表T2の「HW機器」の列に対応付けて記録される。その他、図13に示すレビューコメント分析表T2においては、識別番号「No.1」のレビューコメント「レビューコメントX1」及び「レビューコメントX2」と対応付けられて、「始動(分類子は“運用シーケンス”)」、「計測箇所A1(分類子は“計測ID”)」が記録されている。なお、レビューコメント分析表T2における「ツール補正及び検証観点」の列には、必要に応じてユーザが入力インターフェース10を介して入力した任意の文字が記録されている。
【0039】
なお、分析部32は、処理対象のレビューコメントに「過渡事象レビュー観点ID」が含まれている場合には、この「過渡事象レビュー観点ID」をレビューコメント分析表T2に追加する。例えば、図13に示すレビューコメント分析表T2においては、識別番号「No.4」のデータには、「過渡事象レビュー観点ID」である「1-A-MAX」が記録されている。
【0040】
次に、分析部32は、取得されたレビュー結果A5に含まれる複数のレビューコメントの全てのレビューコメントに対する上記の処理が完了したか否かを判定する(ステップS111)。分析部32は、全てのレビューコメントに対する上記の処理が完了していないと判定した場合、上記のステップS103に戻り、以降の処理を繰り返す。一方、分析部32は、全てのレビューコメントに対する上記の処理が完了したと判定した場合、本フローチャートの処理を終了する。なお、表示制御部34は、分析部32により生成されたレビューコメント分析表を表示部20に表示させてもよい。
【0041】
<情報処理装置の処理(知見ツリーの生成処理)>
次に、情報処理装置1による知見ツリーの生成処理について説明する。図14は、情報処理装置1による知見ツリーの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、上記のレビューコメント分析表T2が生成された後に、情報処理装置1のユーザが、入力インターフェース10を介して、知見ツリーの生成処理の開始指示を入力した場合に開始される。なお、このフローチャートの処理は、図12に示されるレビューコメント分析表の生成処理の後に自動的に開始されてもよい。
【0042】
まず、情報処理装置1の生成部33は、レビューコメント分析表T2から全てのレビューコメントを抽出する(ステップS201)。
【0043】
次に、生成部33は、抽出されたレビューコメントの内、以下の第1条件および第2条件のいずれの条件も満たさないレビューコメントを、処理対象のレビューコメントから除外する(ステップS203)。第1条件は、レビューコメント分析表T2において、レビューコメントと対応付けられた「計測ID」及び「HW機器」の両方に単語が記録されていること、または、「計測ID」及び「HW機器」の一方に2つ以上の単語が記録されていることである。第2条件は、レビューコメント分析表T2において、レビューコメントと対応付けられた「ツール補正及び検証観点」に単語が登録されていることである。レビューコメントが第1条件および第2条件のいずれも満たさない場合、このレビューコメントには作業者の知見が具体的に表現されていないことが推定される。このため、生成部33は、第1条件または第2条件のいずれの条件も満たさないレビューコメントについては、処理対象のレビューコメントから除外し、知見ツリーに反映しない。
【0044】
次に、生成部33は、処理対象のレビューコメントの内、レビューコメント分析表T2において、「過渡事象レビュー観点ID」が存在するレビューコメントに対する処理を行う(ステップS205)。例えば、生成部33は、知見ツリーTRにおいて、計測ID(計測箇所)のノードの下位層に過渡事象レビュー観点IDを追加し、この過渡事象レビュー観点IDにレビューコメントを対応付けする。
【0045】
図15は、レビューコメント分析表T2において、「過渡事象レビュー観点ID」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。図13に示す例において、識別番号「No.4」のレビューコメント「レビューコメントWA1」及び「レビューコメントWA2」には、過渡事象レビュー観点ID「1-A-MAX」が対応付けられている。この場合、生成部33は、図15に示す計測IDのノードである「G1.1.1.1」(図15のP4の箇所)および最下層(図15のP1の箇所)に「計測箇所A1」を設定する。そして、生成部33は、この「G1.1.1.1:計測箇所A1」の下層に分割された分岐部に位置するノード「G1.1.1.1.1」に、過渡事象レビュー観点ID「1-A-MAX」と対応する定型文(図8参照)である「全区間での「計測ID」の最大値を確認する(1-A-MAX)」を設定する(図15のP5の箇所)。そして、この「G1.1.1.1.1」に選択されたレビューコメントのコンテキスト「C1.1.1.1.1」を対応付けする(図15のP6の箇所)。その他、生成部33は、図15の検証観点のノード「G1.1」に「始動」を設定し(図15のP2の箇所)、HW機器のノード「G1.1.1」に「タービンA」を設定する(図15のP3の箇所)。なお、知見ツリーTRの最上位層に位置する「C1:解析前提」および「G1:解析目的」に設定する文言は、ユーザが予め任意に設定することができる。
【0046】
すなわち、生成部33は、レビューコメント分析表T2において、レビューコメントに過渡事象のレビュー観点が対応付けられている場合、過渡事象のレビュー観点を示すノードにレビューコメントが対応付けられた知見ツリーを生成する。
【0047】
次に、生成部33は、処理対象のレビューコメントの内、レビューコメント分析表T2において、2つ以上の「計測ID」が存在するレビューコメントに対する処理を行う(ステップS207)。例えば、生成部33は、知見ツリーTRにおいて、既に、同一の計測IDのノードが設定されている場合には、そのノード名に2つ以上の「計測ID」を転記し、このノードにレビューコメントを対応付ける。この場合、計測IDのノードの上位にHW機器のノードが存在する場合には、そのHW機器が、処理対象のレビューコメントと対応付けられたHW機器と一致しているかを確認する。一致していない場合には、生成部33は、処理対象のレビューコメントに対応付けられたHW機器のノードを新たに追加して、その下位層に、計測IDのノードを追加し、この計測IDのノードに処理対象のレビューコメントを対応付ける。
【0048】
図16は、レビューコメント分析表T2において、2つ以上の「計測ID」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。図13に示す例において、識別番号「No.5」のレビューコメント「レビューコメントVA1」及び「レビューコメントVA2」には、2つの計測IDである「計測箇所A1」及び「計測箇所B1」が対応付けられている。この場合、生成部33は、図16に示す計測IDのノードである「G1.1.1.1」(図16のQ2の箇所)に計測ID「計測箇所A1」及び「計測箇所B1」を転記する。そして、生成部33は、この「G1.1.1.1:計測箇所A1,計測箇所B1」に選択されたレビューコメントのコンテキスト「C1.1.1.1」を対応付けする(図16のQ3の箇所)。その他、生成部33は、「G1.1.1.1:計測箇所A1,計測箇所B1」の最下層に「計測箇所B1」を設定する(図16のQ1の箇所)。
【0049】
図17は、レビューコメント分析表T2において、2つ以上の「計測ID」が存在するレビューコメントに対する他の処理の様子を示す図である。図13に示す例において、識別番号「No.2」のレビューコメント「レビューコメントY1」及び「レビューコメントY2」には、2つの計測IDである「計測箇所B1」及び「計測箇所C1」が対応付けられている。また、この識別番号「No.2」のレビューコメントには、HW機器として「タンクB」が対応付けられている。この時点において、HW機器「タンクB」は知見ツリーTRに設定されていない。このため、生成部33は、HW機器のゴールとして「G1.1.2:タンクB」を新たに設定し(図17のR1の箇所)、その下位層に、計測IDのノードとして「G1.1.2.1:計測箇所B1,計測箇所C1」を追加し(図17のR2の箇所)、この計測IDのノードに処理対象のレビューコメントのコンテキストとして「C1.1.2.1:レビューコメントY1,レビューコメントY2」を対応付ける(図17のR3の箇所)。
【0050】
すなわち、生成部33は、レビューコメント分析表T2において、レビューコメントに2つ以上の計測位置が対応付けられている場合、計測位置を示すノードにレビューコメントが対応付けられた知見ツリーを生成する。
【0051】
次に、生成部33は、処理対象のレビューコメントの内、レビューコメント分析表T2において、2つ以上の「HW機器」が存在するレビューコメントに対する処理を行う(ステップS209)。
【0052】
図18は、レビューコメント分析表T2において、2つ以上の「HW機器」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。図13に示す例において、識別番号「No.3」のレビューコメント「レビューコメントZ1」及び「レビューコメントZ2」には、2つのHW機器である「タービンA」及び「燃焼器」が対応付けられている。この場合、生成部33は、HW機器のノードの上位層に新たな細分化・詳細化の観点であるノード「S1.1:複数と単体に分ける」を設定し(図18のS1の箇所)、この「S1.1:複数と単体に分ける」の下位層に2つのノード「G1.1.1:複数のHW間のIF」及び「G1.1.2:単一のHW」を設定する。「G1.1.2:単一のHW」の下層の「S1.1.2.:解析対象の分割」以下の構造は、図17に示す検証観点「S1.1:解析対象の分割」以下の構造と同じである。一方、「G1.1.1:複数のHW間のIF」の下位層には、細分化・詳細化の観点であるノード「S1.1.1:解析対象IF毎の分割」、HW機器のノード「G1.1.1.1:タービンAと燃焼器」、細分化・詳細化の観点であるノード「S1.1.1.1:計測箇所毎の分割」、計測IDのノード「G1.1.1.1.1:計測箇所B1」が設定され、この計測IDのノード「G1.1.1.1.1:計測箇所B1」に処理対象のレビューコメントのコンテキストとして「C1.1.1.1:レビューコメントZ1,レビューコメントZ2」が対応付けられる(図18のS2の箇所)。
【0053】
すなわち、生成部33は、レビューコメント分析表T2において、レビューコメントに2つ以上のハードウェアの名称が対応付けられている場合、ハードウェアが複数である場合を示す第1分岐と、ハードウェアが単体である場合を示す第2分岐とを設定し、第1分岐の下位層に2つ以上のハードウェアの名称を示すノードを追加し、該ノードにレビューコメントが対応付けられた知見ツリーを生成する。
【0054】
次に、生成部33は、処理対象のレビューコメントの内、レビューコメント分析表T2において、1つの「HW機器」と、1つの「計測ID」とが存在するレビューコメントに対する処理を行う(ステップS211)。
【0055】
図19は、レビューコメント分析表T2において、1つの「HW機器」と、1つの「計測IDと」が存在するレビューコメントに対する処理の様子を示す図である。図13に示す例において、識別番号「No.1」のレビューコメント「レビューコメントX1」及び「レビューコメントX2」には、1つのHW機器である「タービンA」と、1つの計測IDである「計測箇所A1」とが対応付けられている。この場合、生成部33は、HW機器のノードである「G1.1.2.1:タービンA」の下位層の「S.1.1.2.1:計測対象毎の分割」の下位層に、計測IDのノードである「G1.1.2.1.2:計測箇所A1」を設定し、この計測IDのノード「G1.1.2.1.2:計測箇所A1」に処理対象のレビューコメントのコンテキストとして「C.1.1.2.1.2:レビューコメントX1,レビューコメントX2」を対応付ける(図19のU1の箇所)。
【0056】
以上の処理により、知見ツリーTRが完成し、本フォローチャートの処理が完了する。
なお、表示制御部34は、生成部33により生成された知見ツリーTRを表示部20に表示させてもよい。或いは、生成部33は、生成した知見ツリーTRを、情報処理装置1の外部にファイルとして出力するようにしてもよい。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置1は、ハードウェアの解析工程毎に記録された解析前提に関する知見情報を取得する取得部31と、前記取得部31により取得された前記知見情報と、前記解析工程の解析目的、検証観点、前記ハードウェアの名称、前記ハードウェアの利用環境における過渡事象の計測位置、及び前記過渡事象のレビュー観点の少なくとも1つと、が対応付けられたツリー構造を有する知見ツリーRを生成する生成部33とを備えることにより、解析処理における作業者の知見に関する情報の記録及び参照を可能にすることができる。
【0058】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…情報処理装置、10…入力インターフェース、20…表示部、30…制御部、31…取得部、32…分析部、33…生成部、34…表示制御部、40…記憶部
図1
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