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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184704
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】解放装置
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/64 20060101AFI20221206BHJP
   F16H 21/10 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B64G1/64 500
F16H21/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022009784
(22)【出願日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】21176976
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】522035281
【氏名又は名称】エキソローンチ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリー ボグダノフ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター シュヴァルツ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ヴィマー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス グルーバー
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ ポリャク
(72)【発明者】
【氏名】デニス ベデロフ
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB27
3J062AC07
3J062CB02
3J062CB14
3J062CB27
3J062CB32
(57)【要約】
【課題】高い衝撃荷重の場合に適切な解放を確実にすることが可能な解放装置を提供する。
【解決手段】衛星を解放する解放装置が、解放プランジャを有し、該解放プランジャは、解放ばねによって予荷重が付与されることができ、各回動軸を中心に回動可能である二腕回動レバーによって予荷重位置に保持される。各回動レバーは、解放構成要素によって、ばねの力に抗して保持位置に保持されることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星を解放する解放装置であって、該解放装置は、解放プランジャ(12)を有し、該解放プランジャ(12)は、解放ばね(14)によって予荷重が付与されることができ、各回動軸(S1,S2)を中心に回動可能である二腕回動レバー(20,22)によって予荷重位置に保持され、各回動レバー(20,22)は、解放構成要素(16,18)によって、ばね(28,30)の力に抗して保持位置に保持されることができ、
各回動レバー(20,22)の1つの腕部(A2)が、付加的なウエイト(60,62)を備えていることを特徴とする解放装置。
【請求項2】
前記付加的なウエイト(60,62)の質量部および位置は、各回動レバー(20,22)に接続される全ての部品(24,26)を含む前記回動レバー(20,22)の重心が前記回動レバー(20,22)の回動軸(S1,S2)の領域にあるように選択されることを特徴とする請求項1に記載の解放装置。
【請求項3】
前記付加的なウエイト(60,62)は、タングステンを有し、特に、タングステンまたはタングステン合金から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の解放装置。
【請求項4】
前記回動レバー(20,22)は、保持位置で止めロッカー(32)に接触し、該止めロッカー(32)は、前記解放プランジャ(12)に固定されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の解放装置。
【請求項5】
特に、回動された位置において、前記止めロッカー(32)をロックするラッチ装置(54)が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の解放装置。
【請求項6】
前記解放装置は、閉じられたハウジング(10)に配置され、該ハウジング(10)は、前記解放装置の状態を示す複数の機械的インジケータ(42~46)を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の解放装置。
【請求項7】
インジケータ(46)は前記解放プランジャ(12)の位置を示し、インジケータ(42,44)は回動レバー(20,22)の位置を示すことを特徴とする請求項6に記載の解放装置。
【請求項8】
少なくとも1つのインジケータ(42~46)が作動構成要素として構成されることを特徴とする請求項6または7に記載の解放装置。
【請求項9】
前記解放ばね(14)は、インジケータ(62)に収容されることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載の解放装置。
【請求項10】
前記予荷重位置において、前記解放プランジャ(12)は、該解放プランジャ(12)の長手方向軸(L)に対して横向きのばね荷重付与ラッチ(36)の作用を受けることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の解放装置。
【請求項11】
前記解放プランジャ(12)は、特にばね荷重付与ラッチ(36)の力を吸収する固定ローラ(40)によって案内されることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の解放装置。
【請求項12】
解放構成要素の長手方向軸は、前記解放プランジャの長手方向軸(L)に対して15~25度の角度を包括することを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の解放装置。
【請求項13】
前記解放装置は、閉じられたハウジング(10)に配置され、該ハウジング(10)は、前記解放プランジャ(12)の長手方向軸(L)に平行な長さ(l)と、前記長手方向軸(L)に対して横向きであるとともに前記回動軸に対して横向きである幅(b)とを有し、前記幅(b)は、前記長さ(l)よりも大きく、特に、1.5~2倍大きいことを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の解放装置。
【請求項14】
前記解放装置は、開口部(64)を有する閉じられたハウジング(10)に配置され、前記開口部(64)に、工具が、前記解放構成要素(16,18)から回動レバー(20,22)を手動で解放するように挿入されることができることを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載の解放装置。
【請求項15】
ばね(34)によって予荷重が付与されるラッチ(36)が提供され、前記解放プランジャ(12)によって解放位置に移動されることができ、並列に接続された2つのセンサ、特に2つのリード端子が設けられ、前記センサによって、前記ラッチ(36)の前記解放位置が検出されることができることを特徴とする請求項1~14のいずれかに記載の解放装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星を解放する解放装置に関し、該解放装置は、解放プランジャを有し、該解放プランジャは、解放ばねによって予荷重が付与されることができ、各回動軸を中心に回動可能である二腕回動レバーによって予荷重位置に保持され、各回動レバーは、解放構成要素によって、ばねの力に抗して保持位置に保持されることができる。
【背景技術】
【0002】
このような解放装置は、例えば、独国特許出願公開第10 2016 108 606 A1号明細書により知られており、この明細書では、衛星を解放または放出するために、カバーの保持ボルトを解放するように機能する。衛星を解放する他の解放装置は、国際公開第2021/089167 A1号により知られている。この従来技術で説明される装置では、ばねにより荷重が付与される回動ボルトを解放装置が解放するので、リングに固定された衛星が、上記解放装置の助けを伴って放出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した種類の解放装置は、運搬ロケットによって軌道へ輸送されることが多く、この輸送の際に、特定の状況下で高い衝撃荷重を受けることがある。従って、本発明の目的は、高い衝撃荷重の場合に、適切な解放を確実にする、冒頭に示した種類の解放装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴部、特に、各回動レバーの1つの腕部が付加的なウエイトを有することによって満たされる。この付加的なウエイトについては、回動レバーの回動軸の両側のトルクが互いに相殺されるので、回動レバーの両腕部の質量部は、衝撃荷重(impact load)または衝撃荷重(shock load)の発生時に、二腕回動レバーがトルクを受けない、もしくは非常に小さいトルクのみを受けるように設定または分布されることができる。このため、衝撃のような荷重の発生時に解放装置を偶然に解放しないようにすることができる。
【0005】
本発明の有利な実施例が、説明、図面および従属請求項で説明される。
【0006】
第1の有利な実施例によると、付加的なウエイトの質量部および位置は、各回動レバーに接続される全ての部品を含む回動レバーの重心が回動レバーの回動軸の領域にあるように選択されることができる。従って、例えば解放構成要素と協働する取付部が、例えば回動レバーに取り付けられることができる。回動レバーに固定的に接続された全ての構成要素つまり回動レバーと共に回動する全ての構成要素の質量部が考慮される場合に、回動レバーにおける付加的なウエイトの質量部および位置は、解放装置または回動レバーに作用される衝撃により、回動レバーが、望まれないように回転し、解放構成要素から解放されないように選択されることができる。
【0007】
他の有利な実施例によると、付加的なウエイトは、タングステンを有することができ、特に、タングステンまたはタングステン合金から構成されることができる。高い特定のウエイトのために、この材料が例外的に高い密度を有し、従って、解放装置の全体がコンパクトな設計を有することが可能になるので、タングステンは、付加的なウエイトの製造にとって特に容易に適したものとなる。
【0008】
他の有利な実施例によると、回動レバーは、保持位置で止めロッカーに接触することができ、該止めロッカーは、解放プランジャに固定される。この止めロッカーによって、解放構成要素の作動後に、回動レバーの一方のみが回動され、その後、止めロッカーが両回動レバーによってもはや保持されておらず、このため、止めロッカーが回動し、これにより、解放プランジャの変位が可能となることが達成されることができる。この結果、解放プランジャ自身が単一片の構成要素として構成されることができる。
【0009】
他の有利な実施例によると、静止位置または回動された位置に、例えば回動ロッカーをロックするラッチ構成要素が設けられることができる。このラッチ構成要素は、例えばばねにより荷重が付与されることができ、回動ロッカーが解放後にロッカーの回動された位置に保持され、ロッカー自身によって望まれないように戻って回動しないことが確実にされることができ、これにより、解放プランジャの更なるロックが特定の状況下で妨害され得る。代替的または付加的に、止めロッカーはその静止位置にかかることができ、この位置では、両回動レバーが回動ロッカーに接触して回動ロッカーを2つの側から対称的に保持し、このため、解放プランジャは、解放ばねによって解放位置へ押されることができない。
【0010】
他の有利な実施例によると、解放装置は、閉じられたハウジングに配置されることができ、該ハウジングは、解放装置の状態を示す複数の機械的インジケータを備える。従って、例えば、解放プランジャがその予荷重位置にあるか、または解放ばねが解放プランジャを変位させたプランジャの解放位置にあるかを示すインジケータを設けることができる。さらに、少なくとも1つのインジケータが設けられることができ、このインジケータは、作業者に回動レバーの位置を示す、つまり、回動レバーが、該レバーの静止した予荷重位置にあるか、または解放プランジャの変位を可能にしたレバーの解放位置にあるかを示す。
【0011】
他の有利な実施例によると、少なくとも1つのインジケータが作動構成要素として構成されることができ、このため、解放プランジャの変位または回動レバーの回動が、例えば、インジケータの手動の作動により可能となる。このように、解放装置は、付加的な工具無しで作業者によって設定されることができ、解放プランジャは、解放ばねによって予荷重が付与され、2つの回動レバーは、解放プランジャをその予荷重位置に保持する。
【0012】
他の有利な実施例によると、解放ばねは、インジケータに収容されることができ、このため、解放ばねは、空間を節約して保護されるように収容される。
【0013】
他の有利な実施例によると、予荷重位置において、解放プランジャは、該解放プランジャの長手方向軸に対して横向きのばね荷重付与ラッチの作用を受け、これは、ラッチのばね力が解放プランジャのばね力に抗して作用しないという利点を有する。上記ばね荷重付与ラッチが衛星を解放するように機能するので、上記ラッチは、高いばね力によって作用されることが多い。しかし、このばね力は、本実施例では、解放ばねのばね力に対して横方向に延びるので、解放ばねのばね力は、装置の解放時に、最初に打ち負かされる必要が無く、このため、より小型のばねを用いることができる。
【0014】
他の有利な実施例によると、解放プランジャは、特にばね荷重付与ラッチの力を吸収する固定ローラによって案内されることができる。この結果、解放プランジャは、その予荷重位置において、横方向の力の作用を受けない、または望ましくない曲げを受けやすくなることが確実となる。
【0015】
他の有利な実施例によると、解放構成要素、例えば保持磁石の長手方向軸は、解放プランジャの長手方向軸に対して約15~25度の角度を包括することができる。解放構成要素と解放プランジャとの間の比較的小さい鋭角により、非常にコンパクトな設計を達成することができる。
【0016】
他の有利な実施例によると、解放装置は、閉じられたハウジングに配置されることができ、該ハウジングは、解放プランジャの長手方向軸に平行な長さと、長手方向軸に対して横向きであるとともに回動レバーの回動軸に対して横向きである幅とを有し、幅は、長さよりも大きく、特に、1.5~2倍大きい。この結果、このように衛星放出装置で取り付けられることができる非常にコンパクトな平行六面体形状の配置が達成され、このため、全ての質量部が取付面に可能な限り近づいて配置され、これは、低周波数でのシステムの振動に対して良い効果を有する。
【0017】
他の有利な実施例によると、解放装置は、開口部を有する閉じられたハウジングに配置されることができ、上記開口部に回動レバーの緊急解放のための工具が挿入されることができる。従って、例えば、ねじ回しが、解放構成要素と、該解放構成要素によって保持される回動レバーとの間に挿入されることができ、このため、回動レバーは、解放構成要素から離間されることができる。この点では、ハウジングを開く、または電気的または電子的解放を開始する必要がない。
【0018】
他の有利な実施例によると、ばねによって予荷重が付与されるラッチが提供されることができ、解放プランジャによって解放位置に移動されることができ、並列に接続された2つのセンサ、特に2つのリード端子が設けられ、センサによって、ラッチの解放位置が検出されることができる。このセンサシステムに起因して、解放装置が適切に解放され、ラッチが、衛星を放出することができるラッチの解放位置へ適切に移動したかについて、冗長的な判断がなされることができる。
【0019】
本発明は、有利な実施例および添付の図面についての例によって以下に純粋に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】開いたハウジングと予荷重解放プランジャとを有した解放装置の平面図である。
図2】解放された状態における図1の解放装置を示す図である。
図3】他の部分断面図示における図1の装置を示す図である。
図4】他の部分断面図示における図2の装置を示す図である。
図5】解放装置の部分斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、衛星(satellite)(図示せぬ)を解放する解放装置を示しており、該解放装置は、概ね平行六面体形状をなすハウジング10を備えており、該ハウジング10は、図では開いて示されているが、カバーによって閉塞されることができる。ハウジングには、直線的に変位可能な解放プランジャ12が配置されており、この解放プランジャ12は、解放ばね14(図3および図4参照)によって予荷重位置(図1および図3)へ押され、解放ばね14によってプランジャの解放位置(図2および図4)へ変位されることができる。
【0022】
磁石16,18の形態の各解放構成要素が、解放プランジャ12の両側に配置されている。2つの磁石16,18は、例えば、永久磁石として構成されており、詳細には図示されない装置、例えば電気コイルによって永久磁石に印加される逆磁界(magnetic counter-field)を有することができ、このため、磁石の保持力が減少される。
【0023】
プランジャの予荷重位置に解放プランジャ12を保持するために、二腕回動レバー20,22が解放プランジャ12の両側に設けられており、各回動レバーは、解放プランジャ12の長手方向軸Lに対して垂直に延びる回動軸S1,S2を中心に回動可能である。接触プレート24,26は、強磁性体材料から構成され、非励磁状態において、関連した磁石16,18に引きつけられ、該磁石16,18によって保持されるものであり、上記接触プレート24,26は、各回動レバー20,22の1つの腕部A1に取り付けられている。これにより、各回動レバー20,22は、解放プランジャ12がその予荷重位置に保持される、図1および図3に示された保持位置に、ばね28,30の力に抗して保持される。
【0024】
この目的のために、各回動レバー20,22のそれぞれの他の腕部A2が、ほぼダイアモンド形状をなす止めロッカー32に接触し、該止めロッカー32は、解放プランジャ12に回動可能に固定されており、実のところ、回動軸S1,S2と平行に延びる軸を中心に回動可能である。
【0025】
図1および図3がさらに示すように、ばね34によって荷重が付与される回動ボルト36が、解放プランジャ12の一端部に接触しており、図1および図3におけるボルトのロック位置に配置されている。解放プランジャ12が、図1または図4においてばね14の力によって長手方向軸Lに沿って下方に移動したときに、回動ボルト36は、ばね34の力によって、図2および図4に示される位置へ回動し、これにより、最初に説明した従来技術に記載されているような衛星放出ユニットの構成要素(より詳細に示されていない)を解放する。
【0026】
解放プランジャ12での回動ボルト36の接触はローラ38によって生じ、該ローラ38は、回動ボルト36に固定され、非解放状態で解放プランジャ12と接触し、および、長手方向軸Lに対して垂直な力を作用させる。この力を吸収するために、解放プランジャ12は、ハウジング10で支持された固定ローラ40によって案内され、このため、横方向の力が、解放プランジャ12に作用されない。
【0027】
図1,2または図3,4の比較が示すように、解放プランジャ12は、解放装置の作動時に移動し(図では下方に)、このため、回動ボルトのローラ38を有した回動ボルト36は、もはや、解放プランジャ12に接触しないが、ばね34によって引かれて回動することができ、これにより、衛星が解放される。
【0028】
動作時に、上述の解放装置は、図示せぬハウジングカバーによって閉塞されており、ハウジング10の内部に設けられた電子機器は、図示した電気コネクタA,Bによって電子機器を解放するように接続されている。しかし、ハウジングが閉塞されているときに、解放プランジャ12および回動腕部20,22が配置されている位置を認識することができたままとするために、合計3つのインジケータ42,44,46が、図示の実施例に設けられており、これらのインジケータは、同時に、作動構成要素として構成されている。インジケータ42~46は、ハウジング10を通して案内され、ばねによって荷重が付与されている。接触プレート24,26が磁石16,18と接触する予荷重位置(図1および図3)に回動レバー20,22があるときに、インジケータ42,44は、ハウジング10から突出しないように、インジケータのばねによってハウジング内部の方向に押される。しかし、解放状態(図2および図4参照)では、インジケータ44は、回動レバー22によってハウジング10から押されており、このため、外部から、回動レバー22が解放位置にあることを見ることができる。同時に、回動レバー22をそのばね30の力に抗して戻すように回動し、これにより、上記回動レバー22が磁石18をその保持プレート26に再び接触させ、磁石18によって保持されることが、インジケータ44の作動により可能となる。同様の機能が、インジケータ42に利用可能である。
【0029】
特に図3図5が示すように、解放ばね14が、インジケータ46に収容されている。従って、解放ばね14は、インジケータ46で圧力によって圧縮されることができ、これにより、解放ばね14の一端部が、ハウジングに固定された壁に接触しているときに、解放プランジャ12は、その長手方向軸Lに沿って(図5では左側に)直線的に移動する。ここで、解放プランジャ12の手動による予荷重の付与が可能である。
【0030】
上述の解放装置の動作が以下に説明される。
【0031】
動作のための準備の状態に上述の解放装置を運ぶために、解放プランジャ12は、最初に、その予荷重位置に移動され、この位置で保持されなければならない。この目的のために、インジケータ46は、解放プランジャ12および止めロッカー32が図1に示す位置にほぼあるように、図2に示す位置から長手方向軸Lに沿ってハウジング内部の方向に、解放ばね14の力に抗して最初に押される。これに引き続いて、接触プレート24,26が磁石16,18に接触し、磁石16,18によって保持されるまで、回動レバー20,22がばね28,30の力に抗して回動されるように、第1インジケータ42および/または第2インジケータ44は、同様に、ハウジング内部へ押されることができる。この位置は、インジケータ42,44に設けられたマーキング48がもはや見えないときに到達される。この状態では、インジケータ46は、止めロッカー32が回動レバー20,22の腕部A2によって両側から均等に保持されるように解放されることができる。この状態では、インジケータ46のマーキング50も見えなくなっており、解放装置は、図1および図3に示した状態にある。
【0032】
解放のために、電気的な解放信号が、図示した電気コネクタAまたはBを介して、ハウジング10の内部に設けられた制御電子機器に伝達される。その後、磁石16または磁石18の磁界は、電気コイル等によってある範囲まで弱められ、該範囲では、関連した接触プレート24,26が磁石から離れ、関連した回動レバーがばね28または30によって回動される。例えば、磁石18の保持力が弱められる場合には、接触プレート26は磁石18から解放され、回動レバー22はその回動軸S2を中心に時計回りに回動する。回動レバー22の短い腕部A2の端部に設けられたローラが、止めロッカー32の側部から転がり落ち、これにより、解放プランジャ12は、もはや、その位置に保持されない。ばね14の力に起因して、解放プランジャ12は(図1および図3の)その長手方向軸Lに沿って下方に引かれ、その後、止めロッカー32は同様に時計回りに回動され、解放プランジャ12は、図2および図4に示す位置に移動する。この位置では、回動ボルト36は、もはや保持されておらず、このため、回動ボルト36が図2および図4に示す位置にあるまで、回動ボルト36は、ばね34の力によって反時計回りに回動される。この位置では、詳細には図示されない放出ユニットがロックされておらず、衛星は(大抵はばねの力によって)放出されることができる。
【0033】
2つの磁石の一方による解放が何らかの理由により成功しない場合には、各他の磁石が、解放を達成したままとするために、磁石の磁界において弱められることができる。
【0034】
装置が適切に解放されたかを確認することができるために、図示した実施例では、磁石52が回動ボルト36に取り付けられている。回動ボルト36が図2および図4に示す位置に移動する場合に、磁石52は、2つのリードセンサの領域に配置され、これらのリードセンサは、並列に接続され、ハウジング内の図示せぬ電子回路基板に配置される。ここで、解放プロセスの冗長的な監視が生じることができる。2つのリードセンサは、回動ボルト36が解放位置にあるときに、関連した電子機器によって評価され、読み込まれ得る切り換え信号を生成するのみである。
【0035】
解放プロセス後に止めロッカー32が自力で戻るように回動することがないようにし、従って、更なるロック前に特定の状況下で解放プランジャを妨害するために、ラッチ装置54(図5)が解放プランジャ12に設けられており、止めロッカーをその解放位置(図1および図3)およびその解放された位置(図2および図4)にロックする。この目的のために、ばねが解放プランジャ12に収容され、ボールに力を作用させ、このボールは、止めロッカー32の各リセス部へと嵌め込まれることができる。従って、図示の実施例では、止めロッカー32は、定義された3つのラッチ位置を有している。
【0036】
図から理解することができるように、解放構成要素として機能する磁石16,18は、平行に配置されているのではなく、解放プランジャ12の長手方向軸Lに対して鋭角に配置されている。図示の実施例では、長手方向軸と各磁石との間の角度は、約20度であり、このため、非常にコンパクトな配置が達成される。同時に、この配置は、解放ばね14によって作用される力が止めロッカー32から回動レバーに伝達され、このため、上記力が回動軸S1,S2の方向に延び、従って、関連したシャフトによって吸収されるように形成される。従って、接触プレート24または26に伝達され得る強制的な開く力が生じない。
【0037】
望ましくない開く力を生成し得るトルクが、衝撃のような振動の発生時に、回動レバー20,22に作用されないようにするために、付加的なウエイト60,62が各二腕回動レバー20,22の一方の腕部の領域に設けられる。(異なる断面図示の図3および図4では見えない)付加的なウエイト60,62は、各回動レバー(図5参照)にねじ込まれており、衝撃のような衝撃荷重に起因して生じる力を相殺するように機能し、このため、各回動レバーがトルクを受けない。この点では、回動レバー20,22に接続される全ての部品、例えば接触プレート24,26を含む各回動レバー20,22の重心が、回動レバー20,22の回動軸S1またはS2の領域にあるように、(回動軸S1またはS2に対する)付加的なウエイトの質量部および位置が選択されることが特に好ましい。従って、付加的なウエイト60,62は、接触プレート24,26のバランスウエイトとして機能する。各回動レバーの質量部の中心が回動レバーの回動軸S1またはS2の領域に配置されるので、回動レバーは、衝撃のような衝撃荷重の下で望ましくなく回動されることはない。衝撃のような衝撃荷重が予期されない場合には、上述の解放装置は、付加的なウエイト無しで、自然に用いられることができる。この実施例は、本発明に従うように同様におよび明示的に考慮される。
【0038】
非常に小型で利用可能な取付空間のために、図示の解放装置によって、非常に容積の大きい付加的なウエイト、または回動軸からの広い空間が可能ではない。従って、付加的なウエイトが、高い特定の密度を有した材料、例えばタングステンまたはタングステン合金を有することが好ましい。
【0039】
解放機構の励磁されていない非ロックが試験または他の目的のために必要な場合には、接触プレート24,26は、ハウジング10を開くことなく、磁石16,18から手動で切り離されることもできる。この目的のために、ハウジングは、2つの横方向開口部64(図5)を有しており、この横方向開口部64を通して、工具、例えばねじ回しが、関連した磁石16,18から接触プレート24,26を解放するように、外部から挿入されることができる。これを容易にするために、各タブ66,68が接触プレート24,26に型成形され、磁石16,18から接触プレート24,26が横ばい(levering off)になることを容易にする。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】