(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184729
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】集積光源モジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 6/12 20060101AFI20221206BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20221206BHJP
B41J 2/447 20060101ALI20221206BHJP
B41J 2/455 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G02B6/12 301
G02B6/42
B41J2/447 101C
B41J2/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050711
(22)【出願日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2021091209
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 邦恭
(72)【発明者】
【氏名】小巻 壮
(72)【発明者】
【氏名】福澤 英明
【テーマコード(参考)】
2C162
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2C162AE21
2C162AE28
2C162AE40
2C162AE47
2C162AF06
2C162FA04
2C162FA18
2C162FA50
2H137AA15
2H137AB11
2H137BA32
2H137BA52
2H137BB02
2H137BB25
2H137BC51
2H137DB08
2H137EA04
2H137EA05
2H137EA13
2H147AA04
2H147AB04
2H147AB17
2H147CA13
2H147CA18
2H147CA27
2H147CB03
2H147CD02
2H147CD04
2H147CD05
2H147CD09
2H147EA13C
2H147EA14A
2H147EA35A
2H147FA09
2H147FA21
2H147FC02
2H147FC03
2H147FC05
2H147FC07
(57)【要約】
【課題】光半導体素子と平面光導波路とを組み合わせて高集積化が可能とされた集積光源モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の集積光源モジュール100は、整列して並ぶN個の入射口61と、整列して並ぶM個の出射口と、N個の入射口61とM個の出射口とにつながる光導波路とを有する平面光導波路50と、N個の入射口61のそれぞれに対向し、N個の入射口61に光を入射可能に配設されたN個の光半導体素子30と、を備え、M個の出射口から出射される光を被照射対象に照射できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整列して並ぶN個の入射口と、整列して並ぶM個の出射口と、前記N個の入射口と前記M個の出射口とにつながる光導波路とを有する平面光導波路と、
前記N個の入射口のそれぞれに対向し、前記入射口に光を入射可能に配設されたN個の光半導体素子と、を備え、
前記M個の出射口から出射される光を被照射対象に照射できる、集積光源モジュール。
【請求項2】
前記入射口の数(N)と前記出射口の数(M)とが異なっている、請求項1に記載の集積光源モジュール。
【請求項3】
前記出射口の数(M)が前記入射口の数(N)より少ない、請求項1又は2のいずれかに記載の集積光源モジュール。
【請求項4】
前記出射口の数(M)が前記入射口の数(N)より多い、請求項1又は2のいずれかに記載の集積光源モジュール。
【請求項5】
隣接する前記N個の入射口の間隔のうち、少なくとも一部の間隔が異なっている、請求項1~4のいずれか一項に記載の集積光源モジュール。
【請求項6】
前記光半導体素子が導体レーザ素子であり、前記N個の半導体レーザ素子のうち、少なくとも一部の半導体レーザ素子は異なる周波数のレーザ光を出力する、請求項1~5のいずれか一項に記載の集積光源モジュール。
【請求項7】
前記光半導体素子が半導体レーザ素子であり、前記N個の半導体レーザ素子はすべて同一周波数のレーザ光を出力するものであり、前記平面光導波路のM個の出射口のうち、少なくとも一部の出射口から出力されるレーザ光の周波数は異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載の集積光源モジュール。
【請求項8】
前記集積光源モジュールはプリントヘッドである、請求項1~7のいずれか一項に記載の集積光源モジュール。
【請求項9】
前記平面光導波路が複数積層され、前記複数の平面光導波路に対応する前記N個の光半導体素子の層が複数積層されてなる、請求項1~8のいずれか一項に集積光源モジュール。
【請求項10】
隣接して配置する集積光源モジュールの前記平面光導波路の間に反射膜を備える、請求項9に記載の集積光源モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用したプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置で用いられる光学ヘッドとして、LED(発光ダイオード)をアレイ状に配列したLEDプリントヘッドが知られている(例えば、特許文献1)。電子写真方式の画像形成装置では、一様に帯電された感光体に、プリントヘッドによって光ビームを照射して感光体上に静電潜像を形成し、形成された静電潜像にトナーが供給されて感光体上にトナー像が形成され、トナーが用紙に転写して定着させることで印刷を行う。
【0003】
また、LEDを半導体レーザに置き換えたプリントヘッドも知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5585292号公報
【特許文献2】特開2009-286048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LEDはランバーシアン分布で発光するため、光の取り出し効率が低い。LEDプリントヘッドでは、光の取り出し効率を向上させるために、LEDの直上に集光レンズを備えることが基本構成となっている(特許文献1参照)。この構成のため、LEDプリントヘッドでは、光学特性の課題などから高集積化させることが困難であった。
また、LEDプリントヘッドにおけるLEDを半導体レーザに置き換えたプリントヘッドについても、半導体レーザのピーク出力を高めるためにレンズを用いている(特許文献2参照)。レンズを要する点はLEDプリントヘッドと同様であり、やはり高集積化が困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光半導体素子と平面光導波路とを組み合わせて高集積化が可能とされた集積光源モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
【0008】
本発明の一態様に係る集積光源モジュールは、整列して並ぶN個の入射口と、整列して並ぶM個の出射口と、前記N個の入射口と前記M個の出射口とにつながる光導波路とを有する平面光導波路と、前記N個の入射口のそれぞれに対向し、前記入射口に光を入射可能に配設されたN個の光半導体素子と、を備え、前記M個の出射口から出射される光を被照射対象に照射できる。
【0009】
上記態様に係る集積光源モジュールは、前記入射口の数(N)と前記出射口の数(M)とが異なっていてもよい。
【0010】
上記態様に係る集積光源モジュールは、前記出射口の数(M)が前記入射口の数(N)より少なくてもよい。
【0011】
上記態様に係る集積光源モジュールは、前記出射口の数(M)が前記入射口の数(N)より多くてもよい。
【0012】
上記態様に係る集積光源モジュールは、隣接する前記N個の入射口の間隔のうち、少なくとも一部の間隔が異なっている、請求項1~4のいずれか一項に記載の集積光源モジュール。
【0013】
上記態様に係る集積光源モジュールは、前記光半導体素子が半導体レーザ素子であり、前記N個の半導体レーザ素子のうち、少なくとも一部の半導体レーザ素子は異なる周波数のレーザ光を出力するものでもよい。
【0014】
上記態様に係る集積光源モジュールは、前記光半導体素子が半導体レーザ素子であり、前記N個の半導体レーザ素子はすべて同一周波数のレーザ光を出力するものであり、前記平面光導波路のM個の出射口のうち、少なくとも一部の出射口から出力されるレーザ光の周波数は異なるものでもよい。
【0015】
上記態様に係る集積光源モジュールは、前記集積光源モジュールはプリントヘッドであってもよい。
【0016】
上記態様に係る集積光源モジュールは、前記平面光導波路が複数積層され、前記複数の平面光導波路に対応する前記N個の光半導体素子の層が複数積層されてなるものでもよい。
【0017】
上記態様に係る集積光源モジュールは、隣接して配置する集積光源モジュールの前記平面光導波路の間に反射膜を備えてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光半導体素子と平面導波路とを組み合わせて高集積化が可能とされた集積光源モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態の集積光源モジュールの斜視模式図である。
【
図2】
図1に示した集積光源モジュールのPLCの入射口が配置する入射面の一部を正面から見た正面模式図である。
【
図3】
図1に示した集積光源モジュールをA-A´線で切断した断面模式図である。
【
図4】PLCの出射口が高密度化された構成の出射面近傍を模式的に示す斜視図である。
【
図5】(a)は、入射口の数と出射口の数が同じ構成の平面光導波路を備える集積光源モジュールを概念的に示す平面図である。(b)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、入射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。(c)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、出射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。
【
図6】(a)は、出射口の数が入射口の数よりも少ない構成の平面光導波路を備える集積光源モジュールを概念的に示す平面図である。(b)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、入射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。(c)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、出射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。
【
図7】(a)は、入射口の数が出射口の数よりも少ない構成の平面光導波路を備える集積光源モジュールを概念的に示す平面図である。(b)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、入射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。(c)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、出射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。
【
図8】(a)は、
図5~
図7に示した平面光導波路の構成の特徴を組み合わせた平面光導波路を備える集積光源モジュールを概念的に示す平面図である。(b)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、入射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。(c)は、(a)に示した集積光源モジュールについて、出射口を備える面側から見た平面光導波路の正面図である。
【
図9】他の実施形態の集積光源モジュールの斜視模式図である。
【
図10】
図9に示した集積光源モジュールのうち、平面光導波路の出射口を有する面から見た正面模式図である。
【
図11】複数の平面光導波路層を積層する方法の各工程を示す断面模式図であり、(a)は1層目の平面光導波路層を作製するための第1工程、(b)は第2工程、(c)は第3工程、(d)は第4工程であり、(e)は2層目の平面光導波路層を作製するための第1工程、(f)は第2工程、(g)は第3工程、(h)は第4工程、である。
【
図12】複数のLDの層を積層する方法の各工程を示す断面模式図であり、(a)は第1工程、(b)は第2工程、(c)は第3工程、(d)は第3工程後の斜視図であり、(e)は第4工程、(f)は第5工程であり、(g)はLD部とPLC部とを接合した図、である。
【
図13】感光体ドラムの回転軸方向から見た典型的な画像形成装置の概略模式図である。
【
図14】感光体ドラム及びプリントヘッドについてほぼ側面方向から見た概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0021】
図1は、一実施形態の集積光源モジュールの斜視模式図である。
図2は、
図1に示す集積光源モジュールの平面光導波路の入射口が配置する入射面の一部を正面から見た正面模式図である。
図3は、
図1に示す集積光源モジュール100をA-A´線で切断した断面模式図である。
図4は、PLCの出射口が高密度化された構成の出射面近傍を概念的に示す斜視図である。
図4では、コア51とコアより下のクラッド52の一部のみを描いている。この集積光源モジュールには、特定周波数を発生する光源を用いてもよく、可視光線以外の光源を用いてもよい。
【0022】
図1に示す集積光源モジュール100は、整列して並ぶN個の入射口(入射端)61と、整列して並ぶM個の出射口(出射端)64(
図3参照)と、N個の入射口61とM個の出射口64とにつながる光導波路とを有する平面光導波路50と、N個の入射口61のそれぞれに対向し、N個の入射口61に光を入射可能に配設されたN個の光半導体素子30と、を備え、M個の出射口64から出射される光を被照射対象に照射できる。
ここで、「平面光導波路」は、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)に相当する構成要素であるが、本明細書では「平面光導波路」と称する。また、「平面光導波路」はクラッドとコアとからなり、通常、薄層なので、「平面光導波路層」と称することがある。また、「光半導体素子」としては、レーザダイオード(Laser Diode:LD)や発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を例示できるが、以下ではLDを例に挙げて説明する。
【0023】
図1に示す集積光源モジュール100はさらに、上面(表面)21(
図3参照)にLD30が設けられたサブキャリア(基台)20と、上面(表面)41(
図3参照)にPLC50が設けられた基板40と、を備える。なお、
図1においては、
図2及び
図3で示した構成要素を省略しているものがある。
【0024】
本実施形態に係る集積光源モジュールは、平面光導波路(PLC)を用い、各半導体レーザチップの出力をPLCの出射口(出射端)まで到達させる構成である。光導波路を湾曲した経路にする等のPLCの設計によって、光ビームの出射口(出射端)の高密度に配置する構成とすることで、光出力を高密度化できる(
図4参照)。
また、本発明に係る集積光源モジュールは、光半導体素子をPLCと組み合わせて、PLCの出射口(出射端)を狭くすることによって集光と同様の効果を得ることができ、その結果、レンズを必須としない。レンズがないことによって、PLCが有する出射口の配置構成を自由にとることができる。ただ、PLCの出射口からの光をさらに絞りたいときには、出射口の前にレンズを備える構成としてもよい。
また、本実施形態に係る集積光源モジュールは、PLCの設計によって光導波路の合流及び/又は分岐によって、PLCの入射口数(N個)と出射口数(M個)とを設計できる。
また、本実施形態に係る集積光源モジュールは、PLCを複数段重ねた構成とし、同じ光半導体素子でも、異なる段のPLCの出射口の位置をずらして、光出力をより高密度化させた構成とすることができる。
また、本実施形態に係る集積光源モジュールは、PLCの出射口をアレイ状に一次元的に配置することによってプリントヘッドとして用いることができる。また、PLCの出射口をマトリックス状に二次元的に配置することによってディスプレイの光源として用いることができる。
また、本実施形態に係る集積光源モジュールは、PLCの設計によって、光半導体素子の光軸とは異なる方向に出射することが可能である。このため、集積光源モジュールと被照射対象(例えば、感光体ドラム)と配置の自由度が大きくなる。
【0025】
集積光源モジュール100は、サブキャリア20の上面(表面)21に設けられたN個のLD30を備える。
この集積光源モジュール100は、N個のLD30として、例えば赤色光を発するLD30-r1、緑色光を発するLD30-g1、青色光を発するLD30-b1を順に繰り返して、赤色光を発するLDをrn個、緑色光を発するgn個、及び青色光を発するLDbn個を備える(rn+gn+bn=N)。各LDは、x方向で互いに間隔をあけて配置されている。集積光源モジュール100では、N個のLD30が一次元的にアレイ状に整列して配置し、赤色光を発するLD、緑色光を発するLD、青色光を発するLDを順に繰り返す構成であるが、LDの配置構成はこれに限らない。
ここで、y方向は、LD30から発せられる光の出射方向、即ち光軸に沿う方向である。x方向は、y方向に略直交する方向である。z方向は、x方向及びy方向に直交し、サブキャリア20からLD30に向かう方向である。
【0026】
本実施形態において、例示として示した3原色の光のうち、赤色光とは、ピーク波長が例えば610nm以上750nm以下である光が使用可能であり、緑色光とは、ピーク波長が例えば500nm以上560nm以下である光が使用可能であり、青色光とは、ピーク波長が例えば435nm以上480nm以下である光が使用可能である。
なお、本実施形態として示した赤(R)、緑(G)、青(B)以外の光も使用可能であり、例えば波長780nm~2.0μmの近赤外線や、波長2.0μm~4.0μmの中赤外線、4.0μm~1.0mmの遠赤外線、波長200nm~380nmの近紫外線、波長10nm~200nmの遠紫外線である。図面を用いて説明した赤(R)、緑(G)、青(B)の搭載順についても、この順である必要性はなく適宜変更可能である。
【0027】
集積光源モジュール100は、N個のLD30すべてを一つのサブキャリア20上に備える構成である。かかる構成において、各LD30間の間隔を例えば、10~1000μm程度にすることで、N個のLD30を高密度で配置できる。高密度のLD30の配置によって、PLC50におけるN個の入射口を高密度に配置できる。
この構成に限らず、例えば、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3原色の光のLDごとに別のサブキャリアに設けられる構成や、また、N個のLDと同じ数のサブキャリアを備える構成であってもよい。
【0028】
LD30は、ベアチップ(パッケージ化されていないチップ)でサブキャリア20に実装されている。サブキャリア20は、例えば窒化アルミニウム(AlN)や、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、シリコン(Si)等で構成されている。
図3に示すように、サブキャリア20とLD30との間には第1金属層75(金属層)及び第2金属層76が設けられている。そして、LD30は、サブキャリア20に接する第1金属層75とLD30に接する第2金属層76とを介してサブキャリア20と接続されている。本実施形態では、例えば、z方向においてサブキャリア20とLD30-r1とが第1金属層75-r1及び第2金属層76-r1を介して接続されている。
第1金属層75及び第2金属層76を形成する方法としては、公知の方法が利用可能で特に問わないが、スパッタ、蒸着、ペースト化した金属の塗布、等の公知手法が利用可能である。第1金属層75は、例えば金(Au)とスズ(Sn)の合金、スズ(Sn)と銅(Cu)の合金、インジウム(In)とビスマス(Bi)の合金及びスズ(Sn)-銀(Ag)-銅(Cu)系はんだ合金(SAC)からなる群から選択されるいずれかの合金で構成されている。第2金属層76は、例えば金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、鉛(Pb)、インジウム(In)及びニッケル(Ni)からなる群から選択される1又は複数の金属で構成されている。このように、第1金属層75は合金、第2金属層76は単一金属で構成することができる。
【0029】
基板40は、シリコン(Si)で構成されている。PLC50は、集積回路等の微細な構造を形成する際に用いられる公知のフォトリソグラフィやドライエッチングを含む半導体プロセスによって、基板40の上面41に、基板40と一体になるように作製されている。
図1及び
図2に示すように、PLC50は、N個のLD30(30-r1、30-g1、30-b1、・・・)と同数のコア51(51-r1、51-g1、51-b1、・・・)と、コアを囲むクラッド52とを有する。クラッド52の厚みと、各コアの幅方向寸法は、特に制限はないが、例えば、50μm程度の厚みを有するクラッド52中に、数ミクロン程度の幅方向寸法を有するコア51が配設されている。
【0030】
コア51及びクラッド52は、例えば石英で構成されている。コア51の屈折率は、クラッド52の屈折率より所定値だけ高くなっている。これにより、コア51の各々に到達した光が、各コアとクラッド52との界面で全反射しながら、各コアを伝搬する。コア51には、例えばゲルマニウム(Ge)等の不純物が前述の所定値に応じた量でドープされている。
【0031】
図1及び
図3に示すように、PLC50におけるN個の入射口61(61-r1、61-g1、61-b1、・・・61-rn、61-gn、61-bn)はそれぞれ、N個のLD30の出射口31から発せられる光の光軸に合わせて対向して配置されている。
ここで、本明細書において、PLC50における「入射口」とは、
図2に示すように、各コア51が入射面62に露出する端面(露出面)を意味する。PLC50における入射口61としては、N個のLD30(30-r1、30-g1、30-b1、・・・30-rn、30-gn、30-bn)に対応して、N個の入射口61(61-r1、61-g1、61-b1、・・・61-rn、61-gn、61-bn)が入射面62に配置している。
集積光源モジュール100においては、LD30-r1の出射口31-r1から発せられる赤色光の光軸と入射口61-r1の中心とが略重なっている。同様に、LD30-g1の出射口がコア51-g1の入射口61-g1と対向している。x方向及びz方向において、LD30-g1から発せられる緑色光の光軸と入射口61-g1の中心とが略重なっている。LD30-b1の出射口がコア51-b1の入射口61-b1と対向している。x方向及びz方向において、LD30-b1から発せられる青色光の光軸と入射口61-b1の中心とが略重なっている。このような構成及び配置によって、LD30-r1、30-g1、30-b1から発せられる赤色光、緑色光、青色光の少なくとも一部は、コア51-r1、51-g1、51-b1に入射可能である。
【0032】
N個のLD30から発せられる赤色光、緑色光、青色光は、N個のコア51の入射口61にそれぞれ入射した後、各コアを伝搬する。N個の各コア51は合流及び/又は分岐しながら、出射面65に配置するM個の出射口64に到達する。
ここで、本明細書において、PLC50における「出射口」とは、各コア51が出射面65に露出する端面(露出面)を意味する。PLC50における出射口としては、各コア51の合流・分岐に応じて、M個の出射口64(64-1、64-2、・・・64-M)が出射面65に配置している。
【0033】
図3に示すように、サブキャリア20は、第3金属層71、第4金属層72、第5金属層73を介して基板40と接続されている。本実施形態では、サブキャリア20において基板40に対向する面22と基板40においてサブキャリア20に対向する面42とは、第3金属層71、第4金属層72、第5金属層73、反射防止膜81を介して接続されている。そして第1金属層75の融点は、第5金属層73の融点よりも高い。
【0034】
第3金属層71は、スパッタ又は蒸着等によって面22に当接した状態で設けられ、例えば金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、鉛(Pb)、インジウム(In)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)及びタンタル(Ta)からなる群から選択される1又は複数の金属で構成されている。また、好ましくは、第3金属層71は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、鉛(Pb)、インジウム(In)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されるいずれかの金属で構成される。第4金属層72は、スパッタ又は蒸着等によって面42に当接した状態で設けられ、例えばチタン(Ti)、タンタル(Ta)及びタングステン(W)からなる群から選択される1又は複数の金属で構成されている。また、好ましくは、第4金属層72は、タンタル(Ta)で構成される。第5金属層73は、第3金属層71と第4金属層72との間に介在し、例えばAuSn、SnCu、InBi、SnAgCu、SnPdAg、SnBiIn及びPbBiInからなる群から選択される1又は複数の合金で構成されている。また、好ましくは、第5金属層73は、AuSn、SnAgCu及びSnBiInからなる群から選択されるいずれかの合金で構成される。以上のように、第3金属層71及び第4金属層72は単一金属、第5金属層73は合金で構成することができ、サブキャリア20と基板40は、単一金属と合金とで接合されることができる。
【0035】
また本実施形態では、LD30とPLC50との間に反射防止膜81が設けられている。例えば、反射防止膜81は、基板40の側面42とPLC50の入射口61を備える入射面62とに、一体的に形成されている。但し、反射防止膜81は、PLC50の入射口61を備える入射面62のみに形成されていてもよい。
【0036】
また、入射口61を備える入射面62に加えて、出射口64を備える出射面65にも、反射防止膜82が設けられている。なお、
図1では、集積光源モジュール100の概略構成を示しており、第3金属層71、第4金属層72、第5金属層73及び反射防止膜81,82は省略されている。
【0037】
反射防止膜81,82は、PLC50への入射光又は出射光が入射口61又は出射口64から各面に進入する方向とは逆向きに反射することを防止し、入射光又は出射光の透過率を高めるための膜である。反射防止膜81,82は、例えば複数の種類の誘電体が、入射光である赤色光、緑色光、青色光の波長に応じた所定の厚みで交互に積層されることによって形成される多層膜である。前述の誘電体としては、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化シリコン(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)等が挙げられる。
【0038】
LD30の出射口31とPLC50の入射口61とは、所定の間隔で配置されている。入射口61は出射口31と対向しており、y方向において出射口31と入射口61との間には隙間70がある。集積光源モジュール100は空気中に露出されているので、隙間70には空気が満ちている。集積光源モジュール100に用いられる光量等を踏まえると、隙間70のy方向の大きさ(間隔の大きさ)は、例えば0μmより大きく、5μm以下であることが好ましい。
【0039】
<平面光導波路の第1実施形態>
図5(a)は、入射口の数(N個)と出射口の数(M個)が同じ(N=M)構成のPLC150を備える集積光源モジュール101を概念的に示す平面図である。
図5(b)は、
図5(a)に示した集積光源モジュール101について、入射口161を備える入射面162側から見たPLC150の正面図である。
図5(c)は、
図5(a)に示した集積光源モジュール101について、出射口164を備える出射面165側から見たPLC150の正面図である。
図5においては、PLC150及びLD130以外の構成要素は省略している。
【0040】
図5に示すPLC150は平面導波路の入力端と出力端が1対1に対応する構成であり、1対1で入出力が決まるため、光導波路の形状をシンプルにすることができ、入力から出力の損失が少ない。
【0041】
図5に示す集積光源モジュール101は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶN個の入射口161-1、161-2、161-3、・・・161-(N-1)、161-Nと、アレイ状に整列して並ぶN個の出射口164-1、164-2、164-3、・・・164-(N-1)、164-Nと、N個の入射口161とN個の出射口164とにつながる光導波路151(151-1、151-2、151-3、・・・151-(N-1)、151-N)とを有するPLC150と、N個の入射口161のそれぞれに対向し、入射口に光を入射可能にアレイ状に整列して配設されたN個の光半導体素子130(130-1、130-2、130-3、・・・130-(N-1)、130-N)と、を備える。
【0042】
図5に示すPLC150は、N個の入射口の隣接する入射口の間隔(距離)d
i1が等しい構成であるが、一部の間隔が異なる構成でもよく、また、全ての間隔が異なる構成でもよい。間隔d
i1は特に制限はないが、例えば、10μm~1000μmとすることができる。
また、
図5に示すPLC150は、M個の出射口の隣接する出射口の間隔(距離)do
1が等しい構成であるが、一部の間隔が異なる構成でもよく、また、全ての間隔が異なる構成でもよい。間隔do
1は特に制限はないが、例えば、10μm~1000μmとすることができる。
【0043】
また、
図5に示すPLC150は、隣接する入射口の間隔d
i1と隣接する出射口の間隔do
1とが等しい構成であるが、間隔d
i1と間隔do
1とが異なる構成でもよい。また、隣接する入射口の間隔及び隣接する出射口の間隔のうちの一方、又は両方について、一部の間隔が異なる構成でもよい。また、隣接する入射口の間隔及び隣接する出射口の間隔のうちの一方、又は両方について、全ての間隔が異なる構成でもよい。
【0044】
また、
図5に示すPLC150は、N個のLD130の配置に対応して、N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい。
また、
図5に示すPLC150は、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい。
N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成であってもよいし、また、その逆にN個の入射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であってもよい。
【0045】
図5に示すN個のLD130は、全てのLDが同じ周波数である構成でも、一部のLDが異なる周波数である構成でも、全てのLDが異なる周波数である構成でもよい。
また、
図5に示すN個のLD130は、全てのLDが同じ出力である構成でも、一部のLDが異なる出力である構成でも、全てのLDが異なる出力である構成でもよい。
【0046】
また、
図5に示すN個のLD130は、全てのLDの出射口が実質的に同一面に並ぶ(y方向で同じ位置)構成であるが、一部のLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよく、また、全てのLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよい。
【0047】
また、
図5に示すN個のLD130は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい。
【0048】
<平面光導波路の第2実施形態>
図6(a)は、入射口の数(N個)と出射口の数(M個)が異なり、出射口の数が入射口の数よりも少ない(N>M)構成のPLC250を備える集積光源モジュール102を概念的に示す平面図である。
図6(b)は、
図6(a)に示した集積光源モジュール102について、入射口261を備える入射面262側から見たPLC250の正面図である。
図6(c)は、
図6(a)に示した集積光源モジュール102について、出射口264を備える出射面265側から見たPLC250の正面図である。
図6においては、PLC250及びLD230以外の構成要素は省略している。
【0049】
図6に示すPLC250は、平面光導波路の入力端より出力端が少ない構成であり、例えば、一つの光半導体素子からの出力が弱い場合、複数の光導波路をまとめることで出力を大きくすることができる。また、同一周波数の光半導体素子から出射された光を光導波路内で混合することで異なる周波数にしたり、異なる周波数の光半導体素子を混合して特定周波数の出力を得ることも可能になる。
【0050】
図6に示す集積光源モジュール102は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶN個の入射口261-1、261-2、261-3、・・・261-(N-1)、261-Nと、アレイ状に整列して並ぶM個の出射口264-1、・・・264-Mと、N個の入射口261とM個の出射口264とにつながる光導波路251(251-1、251-2、221-3、・・・251-(N-1)、251-N)及び光導波路252(252-1、・・・252-M)とを有するPLC250と、N個の入射口261のそれぞれに対向し、入射口に光を入射可能にアレイ状に整列して配設されたN個の光半導体素子230(230-1、230-2、230-3、・・・230-(N-1)、230-N)と、を備える。ここで、N本の光導波路251はPLC250内で、その一部が合波により、M(N>M)本の光導波路252となっている。
【0051】
図6に示すPLC250においては、光導波路251-1及び光導波路251-2は合流位置g1で合流して光導波路252-1となる構成である。この構成によって、LD230-1から出射し、光導波路251-1の入射口261-1に入射し、光導波路251-1を伝搬していったレーザ光とLD230-2から出射し、光導波路251-2の入射口261-2に入射し、光導波路251-2を伝搬していったレーザ光とは合流位置g1で合波し、合波したレーザ光は光導波路252-1を伝搬して出射口264-1から出射する。
また、光導波路251-(N-1)及び光導波路251-NはgMで合流して光導波路252-Mとなる構成である。この構成によって、LD230-(N-1)から出射し、光導波路251-(N-1)の入射口261-(N-1)に入射し、光導波路251-(N-1)を伝搬していったレーザ光とLD230-Nから出射し、光導波路251-Nの入射口261-Nに入射し、光導波路251-Nを伝搬していったレーザ光とは合流位置gMで合波し、合波したレーザ光は光導波路252-Mを伝搬して出射口264-Mから出射する。
【0052】
図6に示すPLC250は、合流位置g1で合流した光導波路、図示しない合流位置で合流した光導波路、及び、合流位置gMで合流した光導波路はその後、合流することなく、出射口につながる構成であるが、それらの合流位置よりy方向の後方の所定の合流位置でさらに1回又は複数回、光導波路が合流する構成であってもよい。
また、
図6に示すPLC250は、すべての光導波路が入射面から出射面の間で1度は必ず合流する光導波路だけからなる構成であってもよいし、1度も他の光導波路と合流しない光導波路が存在する構成(すなわち、合流する光導波路と合流しない光導波路が混在する構成)であってもよい。
【0053】
図6に示すPLC250は、N個の入射口の隣接する入射口の間隔(距離)d
i2が等しい構成であるが、一部の間隔が異なる構成でもよく、また、全ての間隔が異なる構成でもよい点は、
図5に示したPLC150と同様である。
また、
図6に示すPLC150は、M個の出射口の隣接する出射口の間隔(距離)do
2が等しい構成でもよく、また、一部の間隔が異なる構成でもよく、また、全ての間隔が異なる構成でもよい点は、
図5に示したPLC150と同様である。
【0054】
また、
図6に示すPLC250は、N個のLD230の配置に対応して、N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したPLC150と同様である。
また、
図6に示すPLC250は、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したPLC150と同様である。
N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成であってもよいし、また、その逆にN個の入射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であってもよい点は、
図5に示したPLC150と同様である。
【0055】
図6に示すN個のLD230は、全てのLDが同じ周波数である構成でも、一部のLDが異なる周波数である構成でも、全てのLDが異なる周波数である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130と同様である。
また、
図6に示すN個のLD230は、全てのLDが同じ出力である構成でも、一部のLDが異なる出力である構成でも、全てのLDが異なる出力である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130と同様である。
【0056】
図6に示すN個のLD230は、全てのLDの出射口が実質的に同一面に並ぶ(y方向で同じ位置)構成であるが、一部のLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよく、また、全てのLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130と同様である。
【0057】
また、
図6に示すN個のLD230は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130と同様である。
【0058】
<平面光導波路の第3実施形態>
図7(a)は、入射口の数(N個)と出射口の数(M個)が異なり、入射口の数が出射口の数よりも少ない(N>M)構成のPLC350を備える集積光源モジュール103を概念的に示す平面図である。
図7(b)は、
図7(a)に示した集積光源モジュール103について、入射口361を備える入射面362側から見たPLC350の正面図である。
図7(c)は、
図7(a)に示した集積光源モジュール103について、出射口364を備える出射面365側から見たPLC350の正面図である。
図7においては、PLC350及びLD330以外の構成要素は省略している。
【0059】
図7に示すPLC350は、平面導波路の入力端より出力端が多い構成であり、例えば、一つの光半導体素子の出力について、光導波路を分岐させることで出力を分割することができ、その結果、出力端の密度を向上させることができる。また、ある周波数の光学素子をPLC内で導波路を分割することで異なる特性(周波数特性)を有する出力を高密度に得ることが可能となる。
【0060】
図7に示す集積光源モジュール103は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶN個の入射口361-1、361-2、361-3、・・・361-(N-1)、361-Nと、アレイ状に整列して並ぶM個の出射口364-1、364-2、364-3、364-4、364-5、364-6、・・・364-(M-2)、364-(M-1)、364-Mと、N個の入射口361とM個の出射口364とにつながる光導波路351(351-1、351-2、321-3、・・・351-(N-1)、351-N)及び光導波路352(352-1a、352-1b、352-2a、352-2b、353-2a、353-2b、・・・352-(N-1)a、352-(N-1)b)とを有するPLC350と、N個の入射口361のそれぞれに対向し、入射口に光を入射可能にアレイ状に整列して配設されたN個の光半導体素子330(330-1、330-2、330-3、・・・330-(N-1)、330-N)と、を備える。
【0061】
図7に示すPLC350においては、光導波路351-1は分岐位置b1で光導波路352-1aと光導波路352-1bとに分岐する構成である。この構成によって、LD330-1から出射し、光導波路351-1の入射口361-1に入射し、光導波路351-1を伝搬していったレーザ光は分岐位置b1で分波し、分波したレーザ光の一方は光導波路352-1aを伝搬していき、出射口364-1から出射する。また、分波したレーザ光の他方は光導波路352-1bを伝搬していき、出射口364-2から出射する。
同様に、光導波路351-2は分岐位置b2で光導波路352-2aと光導波路352-2bとに分岐する構成である。この構成によって、LD330-2から出射し、光導波路351-2の入射口361-2に入射し、光導波路351-2を伝搬していったレーザ光は分岐位置b2で分波し、分波したレーザ光の一方は光導波路352-2aを伝搬していき、出射口364-3から出射する。また、分波したレーザ光の他方は光導波路352-2bを伝搬していき、出射口364-4から出射する。
同様に、光導波路351-3は分岐位置b3で光導波路352-3aと光導波路353-2bとに分岐する構成である。この構成によって、LD330-3から出射し、光導波路351-3の入射口361-3に入射し、光導波路351-3を伝搬していったレーザ光は分岐位置b3で分波し、分波したレーザ光の一方は光導波路352-3aを伝搬していき、出射口364-5から出射する。また、分波したレーザ光の他方は光導波路352-3bを伝搬していき、出射口364-6から出射する。
同様に、光導波路351-(N-1)は分岐位置b(N-1)で光導波路352-(N-1)aと光導波路353-(N-1)bとに分岐する構成である。この構成によって、LD330-(N-1)から出射し、光導波路351-(N-1)の入射口361-(N-1)に入射し、光導波路351-(N-1)を伝搬していったレーザ光は分岐位置b(N-1)で分波し、分波したレーザ光の一方は光導波路352-(N-1)aを伝搬していき、出射口364-(M-2)から出射する。また、分波したレーザ光の他方は光導波路352-(N-1)bを伝搬していき、出射口364-(M-1)から出射する。
図7に示すPLC350においては、光導波路351-Nは分岐せずに、出射口364-Mにつながっている。
図7に示すPLC350は、すべての光導波路が入射面から出射面の間で1度は必ず分岐する光導波路だけからなる構成であってもよいし、1度も分岐しない光導波路が存在する構成(すなわち、分岐する光導波路と分岐しない光導波路が混在する構成)であってもよい。
【0062】
図7に示すPLC350は、分岐位置b1で分岐した光導波路、分岐位置b2で分岐した光導波路、分岐位置b3で分岐した光導波路、及び、分岐位置b(N-1)で分岐した光導波路はその後、分岐することなく、出射口につながる構成であるが、それらの分岐位置よりy方向の後方の所定の分岐位置でさらに1回又は複数回、光導波路が分岐する構成であってもよい。
【0063】
図7に示すPLC350は、N個の入射口の隣接する入射口の間隔(距離)d
i3が等しい構成であるが、一部の間隔が異なる構成でもよく、また、全ての間隔が異なる構成でもよい点は、
図5に示したPLC150及び
図6に示したPLC250と同様である。
また、
図7に示すPLC250は、M個の出射口の隣接する出射口の間隔(距離)do
3が等しい構成でもよく、また、一部の間隔が異なる構成でもよく、また、全ての間隔が異なる構成でもよい点は、
図5に示したPLC150及び
図6に示したPLC250と同様である。
【0064】
また、
図7に示すPLC350は、N個のLD330の配置に対応して、N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したPLC150及び
図6に示したPLC250と同様である。
また、
図7に示すPLC350は、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したPLC150及び
図6に示したPLC250と同様である。
N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成であってもよいし、また、その逆にN個の入射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であってもよい点は、
図5に示したPLC150及び
図6に示したPLC250と同様である。
【0065】
図7に示すN個のLD330は、全てのLDが同じ周波数である構成でも、一部のLDが異なる周波数である構成でも、全てのLDが異なる周波数である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130及び
図6に示したN個のLD230と同様である。
また、
図7に示すN個のLD330は、全てのLDが同じ出力である構成でも、一部のLDが異なる出力である構成でも、全てのLDが異なる出力である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130及び
図6に示したN個のLD230と同様である。
【0066】
図7に示すN個のLD330は、全てのLDの出射口が実質的に同一面に並ぶ(y方向で同じ位置)構成であるが、一部のLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよく、また、全てのLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130及び
図6に示したN個のLD230と同様である。
【0067】
また、
図7に示すN個のLD330は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130及び
図6に示したN個のLD230と同様である。
【0068】
<平面光導波路の第4実施形態>
図8(a)は、平面光導波路の第1~第3実施形態を組み合わせた構成のPLC450を備える集積光源モジュール104を概念的に示す平面図である。
図8(b)は、
図7(a)に示した集積光源モジュール104について、入射口461を備える入射面462側から見たPLC450の正面図である。
図8(c)は、
図8(a)に示した集積光源モジュール104について、出射口464を備える出射面465側から見たPLC450の正面図である。
図8においては、PLC450及びLD430以外の構成要素は省略している。
【0069】
図8に示すPLC450は、複数の光半導体素子を、平面導波路の光導波路の設計によって所望の出力や周波数となるように調整することができる。この場合、異なる周波数の光半導体素子を用いなくても異なる周波数が得られるため、光源モジュールを構築する際の組み立て効率、生産効率が向上する。
【0070】
図8に示す集積光源モジュール104は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶN個の入射口461-1、461-2、461-3、・・・461-(N-1)、461-Nと、アレイ状に整列して並ぶM個の出射口464-1、464-2、464-3、・・・464-(M-2)、464-(M-1)、464-Mと、N個の入射口461とM個の出射口464とにつながる光導波路451(451-1、451-2、421-3、・・・461-(N-1)、461-N)及び光導波路452(452-1a、452-1b、452-2、・・・452-(N-1)a、452-(N-1)b)とを有するPLC450と、N個の入射口461のそれぞれに対向し、入射口に光を入射しアレイ状に整列して配設されたN個の光半導体素子430(430-1、430-2、430-3、・・・430-(N-1)、430-N)と、を備える。ここで、N本の光導波路451はPLC450内で、その一部が合波及び/又は分波により、M本の光導波路452となってM個の出射口に到達する。
【0071】
図8に示すPLC450においては、光導波路451-1は分岐位置b1で光導波路452-1aと光導波路452-1bとに分岐する構成である。この構成によって、LD430-1から出射し、光導波路451-1の入射口461-1に入射し、光導波路451-1を伝搬していったレーザ光は分岐位置b1で分波し、分波したレーザ光の一方は光導波路452-1aを伝搬していき、出射口464-1から出射する。また、分波したレーザ光の他方は光導波路452-1bを伝搬していき、出射口464-2から出射する。
同様に、光導波路451-(N-1)は分岐位置bxで光導波路452-(N-1)aと光導波路452-(N-1)bとに分岐する構成である。この構成によって、LD430-(N-1)から出射し、光導波路451-(N-1)の入射口461-(N-1)に入射し、光導波路451-(N-1)を伝搬していったレーザ光は分岐位置bxで分波し、分波したレーザ光の一方は光導波路452-(N-1)aを伝搬していき、出射口464-(M-2)から出射する。また、分波したレーザ光の他方は光導波路352-(N-1)bを伝搬していき、出射口464-(M-1)から出射する。
また、光導波路451-2及び光導波路451-3は合流位置g1で合流して光導波路452-2となる構成である。この構成によって、LD430-2から出射し、光導波路451-2の入射口461-2に入射し、光導波路451-2を伝搬していったレーザ光と、LD430-3から出射し、光導波路451-3の入射口461-3に入射し、光導波路451-3を伝搬していったレーザ光とは合流位置g1で合波し、合波したレーザ光は光導波路452-2を伝搬して出射口464-3から出射する。
図8に示すPLC450においては、光導波路451-Nは合流も分岐もせずに、出射口464-Mにつながっている。
図8に示すPLC450は、すべての光導波路が入射面から出射面の間で1度は少なくとも合流か分岐かのいずれかをする光導波路だけからなる構成であってもよいし、1度も合流も分岐もしない光導波路が存在する構成(すなわち、1度は少なくとも合流か分岐かのいずれかをする光導波路光導波路と、1度も合流も分岐もしない光導波路とが混在する構成)であってもよい。
【0072】
図8に示すPLC450においては、分岐位置b1で分岐した光導波路、分岐位置bxで分岐した光導波路、合流位置g1で合流した光導波路はその後、分岐や合流をすることなく、出射口につながる構成であるが、それらの分岐位置及び/又は合流位置よりy方向の後方の所定の分岐位置や合流位置でさらに1回又は複数回、光導波路が分岐及び/又は合流する構成であってもよい。
【0073】
図8に示すPLC450は、N個の入射口の隣接する入射口の間隔(距離)d
i4が等しい構成であるが、一部の間隔が異なる構成でもよく、また、全ての間隔が異なる構成でもよい点は、
図5に示したPLC150、
図6に示したPLC250及び
図7に示したPLC350と同様である。
【0074】
また、
図8に示すPLC450は、N個のLD430の配置に対応して、N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したPLC150、
図6に示したPLC250及び
図7に示したPLC350と同様である。
また、
図8に示すPLC450は、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したPLC150、
図6に示したPLC250及び
図7に示したPLC350と同様である。
N個の入射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成であってもよいし、また、その逆にN個の入射口がマトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成で、かつ、M個の出射口がアレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であってもよい点は、
図5に示したPLC150、
図6に示したPLC250及び
図7に示したPLC350と同様である。
【0075】
図7に示すN個のLD330は、全てのLDが同じ周波数である構成でも、一部のLDが異なる周波数である構成でも、全てのLDが異なる周波数である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130、
図6に示したN個のLD230及び
図7に示したN個のLD330と同様である。
また、
図7に示すN個のLD330は、全てのLDが同じ出力である構成でも、一部のLDが異なる出力である構成でも、全てのLDが異なる出力である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130、
図6に示したN個のLD230及び
図7に示したN個のLD330と同様である。
【0076】
図8に示すN個のLD430は、全てのLDの出射口が実質的に同一面に並ぶ(y方向で同じ位置)構成であるが、一部のLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよく、また、全てのLDの出射口がy方向で異なる位置である構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130、
図6に示したN個のLD230及び
図7に示したN個のLD330と同様である。
【0077】
また、
図8に示すN個のLD430は、アレイ状(一次元的)に整列して並ぶ構成であるが、マトリックス状等の二次元的に整列して並ぶ構成でもよい点は、
図5に示したN個のLD130、
図6に示したN個のLD230及び
図7に示したN個のLD330と同様である。
【0078】
図9は、他の実施形態に係る集積光源モジュール200の斜視模式図である。
【0079】
図9に示す本実施形態の集積光源モジュール200は、整列して並ぶN個の入射口と、整列して並ぶM個の出射口と、N個の入射口とM個の出射口とにつながる光導波路とを有する、3層の平面光導波路層(PLC)50A、50B、50Cと、その3層の平面光導波路層のそれぞれに対応する、3層のN個の光半導体素子(LD)の層30A、30B、30Cとを備える。
図9に示す本実施形態の集積光源モジュール200ではさらに、上面(表面)に30A、30B、30Cが設けられたサブキャリア(基台)20と、上面(表面)にPLC50A、50B、50Cが設けられた基板40と、を示しているが、その他、上述した構成要素は図示を省略している。
【0080】
図9に示す本実施形態の集積光源モジュール200は、3層の平面光導波路層(PLC)と、各平面光導波路層に対応する、3層のN個の光半導体素子(LD)の層とを備える構成であるが、3層に限らず、2層や4層以上の複数層を備える構成とすることができる。
【0081】
平面光導波路層(PLC)50Aと平面光導波路層(PLC)50Aとの間、及び、平面光導波路層(PLC)50Bと平面光導波路層(PLC)50Cとの間のそれぞれ、反射膜85A、85Bを備えることが好ましい(
図10参照)。
各層間の光干渉を抑えることができるからである。
【0082】
反射膜85A、85Bとしては、金属膜を用いることができる。金属膜の材料としては反射率が高い金属材料であることが好ましい。例えば、Ru、Ta、Ti、W等である。また、反射膜85A、85Bとして、金属膜を用いた場合には、平面光導波路層(PLC)の積層時に平坦性を維持しやすいという効果も得られる。
【0083】
図10は、
図9に示した集積光源モジュール200のうち、PLC50A、50B、50Cの出射口を有する面から見た正面模式図である。
PLC50A、50B、50Cのそれぞれの隣接する出射口の間隔d
A、d
B、d
Cはいずれも等しい(d
A=d
B=d
C=d)が、PLC50Bの出射口のx方向の位置をPLC50Aの出射口のx方向の位置に対してその間隔dの1/3ずらし、かつ、PLC50Cの出射口のx方向の位置をPLC50Bの出射口のx方向の位置に対して同じ方向にその間隔dの1/3ずらした配置とされている。この配置構成によって、PLC全体としてのx方向の出射口の密度が3倍に高密度化されている。
【0084】
図11を用いて、
図9及び
図10に示したような集積光源モジュールが備える、複数の平面光導波路層(PLC)を積層した積層体を作製する方法の一例について説明する。
(1)基板の準備
図11(a)に示すように、基板40を準備する。基板40としては例えば、Si基板を用いることができる。
(2)1層目の平面光導波路層(PLC層)の形成
次に、
図11(b)~(d)に示すように、基板40上に平面光導波路層(PLC層)50Aを形成する。まず、
図11(b)に示すように、火炎堆積法(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)などによりクラッド層(アンダークラッド層)50AAを形成する。次に、
図11(c)に示すように、フォトリソグラフィや反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)でコア層51Aを形成する。次に、
図11(d)に示すように、クラッド層(オーバークラッド層)50ABを形成し、1層目のPLC層50Aを形成する。
(3)2層目の平面光導波路層(PLC層)の形成
次に、
図11(e)~(h)に示すように、1層目のPLC層50A上に2層目のPLC層50Bを形成する。まず、
図11(e)に示すように、1層目のPLC層50Aの表面50Aaに金属膜85AAをスパッタリング等で成膜する。金属膜としては例えば、Ti、Ta、W等の金属膜85AAを用いることができる。1層目のPLC層表面の凹凸に沿うように金属膜85AAが形成される。この金属膜85AAの表面は、PLC層表面の凹凸と金属膜の成膜ばらつきとに起因した表面凹凸が発生する。次に、
図11(f)に示すように、ドライやウェットによる表面平坦化手法(例えばCMPなどの化学機械研磨)によって表面凹凸を低減し、2層目のPLC層の下地層(金属膜からなる)85Aを形成する。次に、
図11(g)及び(h)に示すように、(2)で示したのと同様の手法にて、形成した下地層85Aの上に2層目のPLC層のクラッド層(アンダークラッド層)50BAを形成し、コア層51Bを形成し、クラッド層(オーバークラッド層)50BBを形成して、2層目のPLC層50Bを形成することができる。
(4)3層目以上の平面光導波路層(PLC層)の形成
同様の手法にて、3層目以上の平面光導波路層(PLC層)を積層することができる。
【0085】
図12を用いて、
図9及び
図10に示したような集積光源モジュールが備える、複数のLDの層を積層した積層体を作製する方法の一例について説明する。以下では、LDの層が2層の場合を例に説明する。
(1)サブキャリアの準備
図12(a)に示すように、LD配線やCMOSなどが組み込まれたサブキャリア20を準備する。
(2)LD接合用金属膜の成膜
図12(b)に示すように、サブキャリア20上にLDを接合するための接合用金属膜Mを順に成膜する。
(3)LDの実装
図12(c)に示すように、1層目のLD30A、2層目のLD30Bを接合用金属膜M上に実装したのち固定する。
図12(d)はこの状態の斜視図である。
(4)絶縁材料の充填
図12(e)に示すように、1層目のLD30A、2層目のLD30Bが倒れないように絶縁材料を充填して絶縁材料層NMを形成する。
(5)絶縁材料の研磨
図12(f)に示すように、絶縁材料層NMをLDの発光部まで研磨してLD部を作製する。
(6)LD部とPLC部との接合
LD部を90度回転させてPLC部と接合し、集積光源モジュールを作製する。
【0086】
<適用例>
本発明に係る集積光源モジュールの適用例として、電子写真方式を採用した画像形成装置のプリントヘッドとして用いた場合について説明する。
図13は、感光体ドラム(被照射対象)の回転軸方向から見た典型的な画像形成装置の概略模式図である。
図14は、感光体ドラム及びプリントヘッドについてほぼ側面方向から見た概略模式図である。
【0087】
図13に示した画像形成装置10は、ドラム状の像担持体であり、矢印方向に回転する感光体ドラム1と、感光体ドラム1の表面を帯電させる帯電器2と、帯電器2によって帯電された感光体ドラム1上に静電潜像を形成するための露光手段である、本発明に係る集積光源モジュールを適用したプリントヘッド3と、感光体ドラム1上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像器4と、感光体ドラム1上のトナー像を記録紙S上に転写する転写ローラ5と、記録紙S上に転写されたトナー像を定着させる定着器6と、感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するために除電する除電器7と、感光体ドラム1上に残ったトナーを機械的に清掃するクリーナー8とを備えている。
【0088】
図13に示した画像形成装置10における電子写真プロセスを簡単に説明する。
帯電器2により感光体ドラム1を帯電させた後(帯電工程)、プリントヘッド3から出射したレーザ光を感光体ドラム1に照射して感光体ドラム1上に静電潜像を形成する(露光工程)。次いで、現像器4により感光体ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させトナー像を形成する(現像工程)。この後、転写ユニット24により、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を記録紙Sに転写し(転写工程)、定着器6により記録紙S上に転写したトナー像に圧力および熱を印加して記録紙Sに融着させトナーを固定する(定着工程)。
【符号の説明】
【0089】
3 プリントヘッド
30、130、230、330、430 光半導体素子
50、50A、50B、50C、150、250、350、450 平面光導波路
61、161、261、361、461 入射口
64、164、264、364、464 出射口
100、101、102、103、104、200 集積光源モジュール