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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184749
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ドアアクチュエータリンク機構
(51)【国際特許分類】
   E05F 5/00 20170101AFI20221206BHJP
   E05F 3/00 20060101ALI20221206BHJP
   E05D 11/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
E05F5/00 A
E05F3/00 Z
E05D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022077038
(22)【出願日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】21176936
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】520104927
【氏名又は名称】ドルマカバ ドイチュランド ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライギン コンスタンティン
【テーマコード(参考)】
2E032
【Fターム(参考)】
2E032AA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ドアの動作的に安全でかつ低メンテナンスの動作を可能にするドアアクチュエータリンク機構を提供する。
【解決手段】ドアアクチュエータリンク機構は、長手方向軸11に沿って延在するレバー2であって、オフセット6を有してリンク機構ヘッドに一体化する、レバーを備え、リンク機構ヘッドは、ドアアクチュエータの出力シャフト上での回転的に固定された取り付けのために形成され、オフセット6によってケーブル配線のための自由空間9が形成され、自由空間9は、リンク機構ヘッドによって、かつ、レバー2のオフセット面によって、画定され、レバー2は、最大で仮想境界面10まで突出し、前記仮想境界面は、長手方向軸11に垂直に画定され、オフセット面は、自由空間9を拡げるためにこの境界面10から部分的に後退している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアアクチュエータリンク機構(1)であって、
長手方向軸に沿って延在するレバーであって、オフセットを有してリンク機構ヘッドに一体化される、レバー
を備え、
前記リンク機構ヘッドは、ドアアクチュエータの出力シャフト上での回転的に固定された取り付けのために形成され、
前記オフセットによってケーブル配線のための自由空間が形成され、前記自由空間は、前記リンク機構ヘッドによって、かつ、前記レバーのオフセット面によって、画定され、
前記レバーは、最大で仮想境界面まで突出し、前記仮想境界面は、前記長手方向軸に対し垂直に画定され、前記オフセット面は、前記自由空間を拡げるためにこの仮想境界面から部分的に後退している、ドアアクチュエータリンク機構。
【請求項2】
前記オフセット面は、傾斜断面を有し、前記傾斜断面は、前記オフセット面の全体又は前記オフセット面の一部にわたって延在する、請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項3】
前記オフセット面は、前記傾斜断面において前記長手方向軸に対して特定の角度を導入し、前記特定の角度の上限は、89度、好ましくは80度、特に好ましくは75度であり、及び/又は、前記特定の角度の下限は、30度、好ましくは40度、特に好ましくは45度である、請求項2に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項4】
前記傾斜断面は、鋭角端から鈍角端まで延在し、前記鋭角端は、前記鈍角端よりも前記仮想境界面に近い、請求項2又は3に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項5】
前記レバー内、及び/又は、前記レバーと前記レバーを囲むレバークラッディングとの間、及び/又は、前記レバークラッディング内に、少なくとも1つのケーブルチャネルが形成される、請求項4に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項6】
前記ケーブルチャネルは、前記鈍角端において前記自由空間に向けて開口する、請求項5に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項7】
前記ケーブルチャネルは、前記長手方向軸に対し水平方向に側方に延びる、請求項6に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項8】
前記オフセット面は、凸状当接断面を有し、前記凸状当接断面は、前記オフセット面の一部にわたって延在し、ケーブルの当接のために形成される、請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項9】
前記ドアアクチュエータ上の静止取り付けのために形成されるとともに、前記リンク機構ヘッドに対して回転可能である、枢動部材と、
前記自由空間を通って最大で前記枢動部材まで延びるケーブルと
を備え、
前記リンク機構ヘッドは、前記枢動部材に対して、少なくとも135度、好ましくは少なくとも180度だけ回転可能である、請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項10】
前記枢動部材は、前記リンク機構ヘッドの径方向外側、かつ、前記リンク機構ヘッドを囲む径方向クラッディングの内側に配置される、請求項9に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項11】
前記自由空間は、前記リンク機構ヘッドの反対側の自由空間クラッディングによって画定される、請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項12】
前記リンク機構ヘッドの、前記自由空間とは逆を向く側に、形態拘束要素が、好ましくは交換可能に、配置され、前記形態拘束要素は、前記出力シャフトへの形状嵌合接続のために形成される、請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項13】
前記レバーは、前記リンク機構ヘッドと重ね合わせられ、前記重ね合わせにおいて下向き溶接が行われる、請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項14】
前記レバーは、鋏型リンク機構を形成するために別のレバーに回転可能に接続される、請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項15】
スライドレールと、前記スライドレール内で直線状に案内されるスライドピースとを備え、前記レバーは、回転的に可動に前記スライドピースに接続される、請求項1~3のいずれか1項に記載のドアアクチュエータリンク機構。
【請求項16】
出力シャフトを有するドアアクチュエータと、
請求項1に記載のドアアクチュエータリンク機構であって、前記リンク機構ヘッドは、出力シャフト上での回転的に固定された取り付けのために形成される、ドアアクチュエータリンク機構と
を備える、ドアアクチュエータアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のドアアクチュエータアセンブリと、ドアリーフとを備える回転ドアアセンブリであって、前記ドアアクチュエータは、前記ドアリーフ上に取り付けられ、前記ドアアクチュエータリンク機構は、フレーム又は壁上での取り付けのために形成され、前記オフセットによって形成された肩部が、前記ドアリーフの背面に係合する、回転ドアアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアアクチュエータの出力シャフト上での取り付けのためのドアアクチュエータリンク機構に関する。本発明は、ドアアクチュエータリンク機構をそれぞれ備える、ドアアクチュエータアセンブリ及び回転ドアアセンブリも開示する。
【0002】
従来技術から、まとめてドアアクチュエータとして指定される、ドアクローザ及びドア駆動部が知られている。ドアクローザは、力貯蔵機構、例えば、ばねを有する。この力貯蔵機構は、人間によってドアが手動で開放されると蓄積される。力貯蔵機構は、ドアが閉鎖されると放出される。従来技術においてサーボドライブを有するドアクローザも存在し、これは、ドアが開放されると力貯蔵機構の蓄積を支援する。対照的に、ドア駆動部は、電気又は油圧駆動部を有し、これは、ドアを開放及び/又は閉鎖するために力の全てを印加する。駆動部に加えて、力貯蔵機構をドア駆動部において使用することができる。
【0003】
ドアアクチュエータは、通常、出力シャフトを有する。出力シャフトは、回転的に固定された方式においてドアアクチュエータリンク機構に接続される。ドアアクチュエータがドアリーフ上に取り付けられる場合、ドアアクチュエータリンク機構は、フレーム又は壁に力を伝達する。対照的に、ドアアクチュエータがフレーム又は壁に締結される場合、リンク機構は、ドアリーフに力を伝達する。異なる応用の事例において、ドアアクチュエータリンク機構を通る又はドアアクチュエータリンク機構に沿ったケーブル配線が望ましい。ケーブル配線に沿って、データ転送用及び電力供給用の1つ又は複数のケーブルを敷設することができる。例えば、このようにして、ドアアクチュエータ内の駆動部に電力を供給する、及び/又は当該駆動部を作動させることができる。しかしながら、ドアアクチュエータが壁又はフレーム上に取り付けられる場合であっても、電力供給、例えばドアロックの電力供給は、ケーブル配線を介して行うことができ、同様に、ケーブル配線を介して、ドアアクチュエータ、ドアロック又はドアリーフ上の別の要素とデータを交換することが可能である。
【0004】
本発明の目的は、シンプルな設計を有する、ドアの動作的に安全でかつ低メンテナンスの動作を可能にするドアアクチュエータリンク機構を示すことである。特に、ドアアクチュエータリンク機構は、安全なケーブル配線を可能にするべきである。
【0005】
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項は、それらの主題として本発明の有利な構成を有する。
【0006】
本発明は、レバー及びリンク機構ヘッドを有するドアアクチュエータリンク機構を開示する。レバーは、長手方向軸に沿って延在する。特に、長手方向軸は、レバーの中心に据えられる。レバーの一端は、例えば、スライドピースに接続され、スライドピースは、スライドレール内で案内される。代替的に、レバーのこの一端は、別のレバーに回転可能に接続することもでき、それにより、これらの2つのレバーが合わせて鋏型リンク機構を形成する。レバーの他端は、ドアアクチュエータリンク機構のリンク機構ヘッドに、オフセットを有して一体化される。
【0007】
リンク機構ヘッドは、ドアアクチュエータの出力シャフト上での回転的に固定された取り付けのために形成される。特に、リンク機構ヘッドは、ドアアクチュエータの出力シャフト上に挿入され、結果として、回転的に固定された方式において出力シャフトに接続される。本発明の説明のためにドアアクチュエータの出力シャフトのシャフト軸が画定される。シャフト軸の位置及びアラインメントも、リンク機構ヘッドの設計から明らかになる。ドアアクチュエータは、本質的に、ドアクローザ、サーボドアクローザ又はドア駆動部とすることができる。
【0008】
レバーとリンク機構ヘッドとの間のオフセットから、肩部がもたらされる。ドアアクチュエータがドアリーフ上に取り付けられる場合、レバーは、ドアリーフを越えて最大でドアアクチュエータの出力シャフトまで延在する。ドアアクチュエータ又は出力シャフトは、通常、ドアリーフの上縁部よりも幾分低く位置付けられる。結果として、オフセットからもたらされる肩部は、ドアリーフの背面に係合する。
【0009】
肩部と同時に、オフセットから、ケーブル配線のために本発明に従って形成される自由空間ももたらされる。特に、ドアアクチュエータリンク機構は、少なくとも1つのケーブルを備え、このケーブルは、自由空間を通って延びる。
【0010】
自由空間は、リンク機構ヘッドによって、かつレバーのオフセット面によって、画定される。レバーのオフセット面は、特に、シャフト軸に対向する面である。特に、オフセット面は、オフセットの領域において終端する、又は下向きに屈曲したレバーからもたらされる。オフセット面は、特に、リンク機構ヘッドの上側に一体化される。
【0011】
ドアアクチュエータがドアリーフ上に取り付けられる場合、使用されるべき出力シャフトは、ドアアクチュエータから上向きに突出する。したがって、リンク機構ヘッドは、ドアアクチュエータの上方に位置付けられる。したがって、ここで画定される自由空間は、リンク機構ヘッドによってその下側で画定される。オフセット面は、側方境界を形成する。自由空間は、理論上、上向きに、すなわち、リンク機構ヘッドの反対の側で、開口したままであり得る。しかしながら、好ましくは、対応する自由空間クラッディングが自由空間とその上側で一体化されることが規定される。
【0012】
オフセット面は、自由空間の境界を一方の側でのみ形成する。別の側、特に半円形である別の側は、対応する径方向クラッディングによって画定することができる。
【0013】
ここで説明される要素、特に「レバー」及び「リンク機構ヘッド」は、ドアアクチュエータリンク機構の対応する支持コンポーネントのみを説明している。レバー及び/又はリンク機構ヘッドは、クラッディングによって完全に又は部分的に囲むことができる。特に、レバー及びリンク機構ヘッドは、金属から製造される。レバー及びリンク機構ヘッドは、一体部品として製造することもできるし、互いに接続された2つのコンポーネントとすることもできる。周囲クラッディングは、特にプラスチックから製造されるが、金属薄板から製造することもできる。径方向クラッディング、自由空間クラッディング及びレバークラッディングは、本発明の文脈においてクラッディングの位置を説明するときに言及される。これらのクラッディングは、一体部品として互いに接続されることもできるし、別個のコンポーネントを表すこともできる。レバークラッディングは、特に、レバーの1つ又は複数の側に位置する。詳細に説明されるように、レバー内、及び/又は、レバーとそのレバークラッディングとの間、及び/又は、レバークラッディング内に、ケーブルチャネルを形成することができる。自由空間を通って案内される少なくとも1つケーブルは、レバーに沿ったこのケーブルチャネル内で更に案内され、したがって、長手方向軸に平行である。ケーブル又は対応する更なるケーブルは、好ましくは、自由空間からドアアクチュエータの方向においてシャフト軸に平行に案内され、好ましくは、ドアアクチュエータ内の電子システム及び/又は電気システムに接続される。
【0014】
ドアアクチュエータ上のドアアクチュエータリンク機構を使用するとき、リンク機構ヘッドはレバーとともに、ドアアクチュエータの残りのコンポーネントに対して出力シャフトと合わせて回転し、応用に応じて、ここでは最大で180度の回転運動が行われ得る。少なくとも1つのケーブルは、この回転運動によって自由空間において運動又は屈曲する。自由空間において可能な限り大きいケーブルの曲げ半径を可能にするために、自由空間は、好ましくは可能な限り大きく設計される。特に、これは、シャフト軸に垂直な平面における自由空間の拡大に関する。しかしながら同時に、自由空間のサイズは、オフセットによって制限される。すなわち、オフセットは、リンク機構ヘッドに可能な限り近接して位置決めしなければならず、それにより、オフセットからもたらされる肩部もリンク機構ヘッド又はシャフト軸に可能な限り近接して位置決めされ、したがって、ドアリーフの背面に係合することができる。さらに、ドアアクチュエータリンク機構は、対応する力を伝達するために、レバーからリンク機構ヘッドへの遷移時に十分に安定するように形成しなければならない。
【0015】
オフセットの更なる構成のために、好ましくは仮想境界面が画定される。仮想境界面は、レバーの長手方向軸に垂直である。境界面は、特に、鉛直であり、したがって、シャフト軸に平行である。レバーは、リンク機構ヘッドの方向において、又はシャフト軸の方向において、最大でこの仮想境界面まで突出する。したがって、リンク機構ヘッドに対向するレバーの端部は、この仮想境界面の位置を画定する。特に、レバーのオフセット面、すなわち、自由空間を側方に画定する面が、最大でこの仮想境界面まで突出する。レバーの最大限に大きい構成の事例、したがって、安定性に関して最適である構成の事例では、レバーは、そのオフセット面全体で、最大でこの境界面まで突出することになる。本発明の文脈では、好ましくは、オフセット面が、自由空間をこのように拡げるために境界面から部分的に後退していることが提供される。したがって、レバー、特にオフセット面は、少なくとも先端で、最大で境界面まで突出する。しかしながら、オフセット面全体は、仮想境界面と重なり合わず、むしろオフセット面の少なくとも1点とのみ重なり合う。
【0016】
言い換えれば、オフセット面は好ましくはその領域全体にわたってレバーの長手方向軸に垂直であるわけではないことが定義される。
【0017】
その上、好ましくは、レバーの上側は、リンク機構ヘッドの上側よりも高く、この高さの差は、自由空間の高さを決定することが定義される。オフセット面は、好ましくは、一方の側では、リンク機構ヘッドの上側に一体化し、かつ、他方の側では、レバーの上側に一体化する。さらに、好ましくは、リンク機構ヘッドの下側、すなわち、ドアアクチュエータに対向する側が、レバーの下側よりも低いことが提供される。
【0018】
好ましくは、オフセット面は傾斜断面を有することが提供される。傾斜断面は、オフセット面全体が斜めに形成されるようにオフセット面全体にわたって延在することができる。代替的に、傾斜断面がオフセット面の一部のみにわたって延在し、したがって、オフセット面の一部のみが斜めに形成されることも可能である。これは、レバーの長手方向軸に関して90度から逸脱する対応する角度を有する傾斜設計として理解すべきである。傾斜断面は、好ましくは、自由空間が傾斜構成によって(シャフト軸に平行に画定された)その高さ全体にわたって拡大されるように、仮想境界面に関して斜めである。シャフト軸に対して傾斜している、レバーの上側からリンク機構ヘッドの上側への傾斜遷移部は、特に、「傾斜断面」とはみなされない。
【0019】
オフセット面は、好ましくは、傾斜断面において長手方向軸に対して或る角度αを導入する。角度αの上限は、好ましくは89度、より好ましくは80度、特に好ましくは75度である。加えて又は代替的に、角度αの下限は、好ましくは30度、より好ましくは40度、特に好ましくは45度である。これらの角度範囲を通して、レバー及びリンク機構ヘッドの安定した接続と、可能な限り大きい自由空間の構成との間の適切なバランスが取られる。
【0020】
好ましくは、オフセット面の傾斜断面は、鋭角端から鈍角端まで延在することが定義される。傾斜断面の鋭角端は、好ましくは、鈍角端よりも境界面に近い。傾斜断面がオフセット面全体にわたって延在する場合、好ましくは、鋭角端が境界面に接触することが提供される。
【0021】
既に説明されたように、ケーブルチャネルが、好ましくは、レバー内及び/又はレバー上に位置する。このケーブルチャネルは、好ましくは、傾斜断面の鈍角端において自由空間に向けて開口する。
【0022】
ケーブルチャネルは、好ましくは、レバー内で又はレバーに隣接して、長手方向軸に水平方向に側方に延びる。「水平方向に側方に」とは、ケーブルチャネルが好ましくはレバーの上方又は下方で延びるのではなく、むしろレバーに隣接して延びること意味する。結果として、可能な限り構造的に低いレバーの設計が保証される。
【0023】
傾斜断面に加えて又はその代わりに、オフセット面は、凸状当接断面を有することができる。ケーブルは、この断面上で当接することもできるし、ケーブルは、この断面の周囲で屈曲することもできる。特に、当接断面は、2つの回転方向のうちの一方における回転運動が比較的に大きい事例においてのみ、ケーブルと接触する。当接断面は、追加要素によって形成することができ、これは、リンク機構ヘッド及び/又はレバーに接続され、結果として、オフセット面の断面を形成する。しかしながら、当接断面は、レバーの一体コンポーネントによって形成することもできる。
【0024】
ケーブル配線は、自由空間からドアアクチュエータの方向において行われる。特に、ケーブルは、リンク機構ヘッドを通過して側方に案内される。このために、枢動部材が好ましくは使用される。この枢動部材は、回転的に固定された方式においてドアアクチュエータに接続するために形成される。結果として、ドアアクチュエータリンク機構は、出力シャフトとともに、この枢動部材に対して回転する。枢動部材は、特に、リンク機構ヘッドの径方向外側に位置決めされる。自由空間からドアアクチュエータに、枢動部材を介して、好ましくは、90度だけ偏向されたケーブル配線が行われる。それにより、ケーブルは、枢動部材を通して案内することができる。ケーブルは、代替的に、枢動部材に接続することもでき、その場合、別のケーブル又は別の線が枢動部材からドアアクチュエータに繋げられる。
【0025】
好ましくは、リンク機構ヘッドは、したがってレバー及び出力シャフトも、枢動部材に対して、少なくとも135度、好ましくは少なくとも180度だけ回転可能であることが提供される。自由空間は、回転のこの大きい角度の事例において自由空間内でのケーブルの十分に大きい曲げ半径を可能にするために、相応して大きく形成しなければならない。
【0026】
説明されたように、枢動部材は、好ましくは、リンク機構ヘッドの径方向外側に位置する。さらに、径方向クラッディングは、好ましくは、枢動部材の径方向外側に位置し、それにより、枢動部材が径方向クラッディングとリンク機構ヘッドとの間に配置される。
【0027】
リンク機構ヘッドの、自由空間とは逆を向く側に、好ましくは形態拘束要素が位置する。この形態拘束要素は、出力シャフトへの回転的に固定された接続を可能にする。特に、形態拘束要素は、出力シャフトの外面多角形縁部上に挿入される内面多角形縁部である。
【0028】
形態拘束要素は、好ましくは、非破壊的にリンク機構ヘッドの残りのコンポーネントから着脱可能であり、したがって、交換可能及び/又は回転可能である。好ましくは、形態拘束要素は、リンク機構ヘッドに対して異なる回転位置においてリンク機構ヘッド上に締結可能であることが提供される。
【0029】
レバー及びリンク機構ヘッドは、一体部品として、例えば屈曲した金属片によって、製造することができる。この事例では、オフセットは、特に、長手方向軸に対して斜めである屈曲した縁部によって形成される。
【0030】
代替的に、レバー及びリンク機構ヘッドは、合わせて溶接された2つのコンポーネントである。レバーは、特に好ましくは、リンク機構ヘッドと重ね合わされ、レバーの一端は、オフセット面を形成し、リンク機構ヘッドの一端は、肩部を形成する。
【0031】
特に、レバー及びリンク機構ヘッドは、重ね合わせにおいて下向き溶接されることが提供される。抵抗溶接を介してレバー及びリンク機構ヘッドの2つの重ね合わせ表面に形状嵌合的に接続される材料堆積部が、特にレバーとリンク機構ヘッドとの間に位置決めされる。
【0032】
本発明は、ドアアクチュエータアセンブリも含む。ドアアクチュエータリンク機構の一部として提示される有利な構成及びドアアクチュエータリンク機構について記載された従属請求項は、ドアアクチュエータアセンブリに対して有利に相応して適用可能である。
【0033】
ドアアクチュエータアセンブリは、出力シャフトを有するドアアクチュエータと、ドアアクチュエータリンク機構とを備え、リンク機構ヘッドは、出力シャフト上での回転的に固定された取り付けのために形成される。リンク機構ヘッドは、好ましくは、回転的に固定された方式において出力シャフト上に取り付けられる。
【0034】
本発明は、回転ドアアセンブリも含む。ドアアクチュエータリンク機構の一部として提示される有利な構成及びドアアクチュエータリンク機構について記載された従属請求項は、回転ドアアセンブリに対して有利に相応して適用可能である。
【0035】
回転ドアアセンブリは、前述されたドアアクチュエータアセンブリと、ドアリーフとを備え、ドアアクチュエータは、ドアリーフ上に取り付けられ、ドアアクチュエータリンク機構は、フレーム又は壁上での取り付けのために形成され、オフセットによって形成された肩部が、ドアリーフの背面に係合する。それゆえ、レバーは、フレーム又は壁からドアリーフの上側縁部を越えて突出し、このようにドアアクチュエータの出力シャフトに接続するために、そのオフセットを通して幾分下向きに延在する。それにより、ドアアクチュエータの側でドアリーフの背面に係合する肩部が、オフセットからもたらされる。
【0036】
ここで、例示的な実施形態に基づいて本発明が更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】例示的な実施形態に係る、本発明に係るドアアクチュエータアセンブリと、本発明に係るドアアクチュエータリンク機構とを有する、本発明に係る回転ドアアセンブリの図である。
図2図1からの描写の側面図である。
図3】例示的な実施形態に係る、本発明に係るドアアクチュエータリンク機構の、異なる回転位置における詳細の図である。
図4】例示的な実施形態に係る、本発明に係るドアアクチュエータリンク機構の、異なる回転位置における詳細の図である。
図5】例示的な実施形態に係る、本発明に係るドアアクチュエータリンク機構の別の詳細の図である。
図6】例示的な実施形態に係る、本発明に係るドアアクチュエータリンク機構のリンク機構ヘッドの図である。
図7】例示的な実施形態に係る、本発明に係るドアアクチュエータリンク機構のリンク機構ヘッドの詳細の図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
全ての図面に基づいて、以下で、ドアアクチュエータリンク機構1と合わせてドアアクチュエータアセンブリ100を有する回転ドアアセンブリ200が詳細に説明される。
【0039】
図1は、フレーム201と、回動可能にフレーム201内に収容されているドアリーフ202とを有する回転ドアアセンブリ200を示している。回転ドアアセンブリ200は、ドアアクチュエータアセンブリ100も備える。
【0040】
ドアアクチュエータアセンブリ100は、ここではドア駆動部として形成された、出力シャフト102を有するドアアクチュエータ101を備える。出力シャフト102は、シャフト軸103を中心に回転する。ドアアクチュエータ101は、ドアリーフ202上に締結される。ドアアクチュエータアセンブリ100は、ドアアクチュエータリンク機構1も有する。図示されている例では、ドアアクチュエータリンク機構1は、レバー2を備え、当該レバーは、回動可能にスライドピース5に接続される。スライドピース5は、直動可能にスライドレール4内で案内される。スライドレール4は、フレーム201上に締結される。
【0041】
ドアアクチュエータリンク機構1の詳細な構造は、特に図2図7において明らかになる。
【0042】
レバー2は、オフセット6を有してリンク機構ヘッド3に一体化する。このオフセット6から、自由空間9がもたらされる。自由空間9が出力シャフト102の上方に位置するので、シャフト軸103は、この自由空間9を通って延びる。
【0043】
自由空間9の下側は、リンク機構ヘッド3の上側によって画定される。オフセット面7が、自由空間9の側方境界を形成する。このオフセット面7は、オフセット6からもたらされる。示されている例示的な実施形態では、オフセット面7は、シャフト軸103に対向するレバー2の端面側によって形成される。
【0044】
示されている例では、オフセット6により、ドアアクチュエータリンク機構1の一方の側にオフセット面7がもたらされ、反対の下側に肩部8がもたらされる。図2における描写が示しているように、レバー2は、ドアリーフ202を越えて突出し、出力シャフト102への接続を可能にするためにリンク機構ヘッド3でオフセット6を通して下向きに延在する。それにより、肩部8は、ドアリーフ202の背面に係合する。
【0045】
例えば、図3及び図5は、仮想境界面10を示している。仮想境界面10は、レバー2の長手方向軸11に垂直で、かつシャフト軸103に平行である。それと同時に、レバー2又はオフセット面7の最前端は、この仮想境界面10の位置を画定する。オフセット面7は、境界面10から後退し、そのようにして、自由空間9を可能な限り大きくするように構成する。
【0046】
示されている例示的な実施形態では、オフセット面7は、長手方向軸11に対して斜めの傾斜断面12を伴って形成され、それにより、およそ35度の角度αを導入する。この傾斜断面12は、鋭角端15から鈍角端16まで延在する。
【0047】
図3及び図4は、オフセット面7が傾斜断面12及び当接断面13を有する一変形を示している。当接断面13は、図示されている構造では追加要素14によって形成される。この追加要素14は、レバー2に割り当てられることになる。当接断面13は、レバーの一体部分によって形成することもできる。
【0048】
図5は、傾斜断面12の鋭角端15が最大で仮想境界面10まで突出するように、オフセット面7全体を傾斜断面12によって形成することもできることを示している。
【0049】
その凸構成における当接断面13の利点は、図3及び図4を見た場合に明らかになる。これらの図は、自由空間9を通したケーブル18の案内を示している。ドアアクチュエータリンク機構1は、ドアアクチュエータ101に対して最大で180度回転させることができる。そのような回転は、図3及び図4を見た場合に認識可能である。ケーブル18は、図4において表されている回転の事例、及びより一層の回転の事例において、当接断面13と接触する。当接断面13の凹構成を介して、画定される屈曲は、ケーブル18の最大可能半径で事前に画定される。
【0050】
図3及び図4は、レバー2に隣接して、長手方向軸11に対して側方にオフセットしてケーブルチャネル19が形成されることを示している。ケーブル18は、このケーブルチャネル19を通って延びる。ケーブルチャネル19は、レバークラッディング20の内側に位置する。
【0051】
ケーブルチャネル19は、鈍角端16において自由空間9に向けて開口している。
【0052】
図3及び図4は、ドアアクチュエータリンク機構1が枢動部材17を備えることも示している。枢動部材17は、ドアアクチュエータ101に固定して接続され、自由空間9における実質的に水平なケーブル配線からのケーブル配線を、ドアアクチュエータ101の方向における垂直配線に方向転換させるように機能する。
【0053】
枢動部材17は、リンク機構ヘッド3の径方向外側、かつ、径方向クラッディング21の径方向内側に位置する。この径方向クラッディング21は、リンク機構ヘッド3を囲むとともに、オフセット面7に加えて、自由空間9を側方で画定する。
【0054】
自由空間9の、リンク機構ヘッド3とは反対の上側は、自由空間クラッディングによって閉鎖することができるが、これは、図示されていない。その場合、この自由空間クラッディングは、自由空間9の上側境界を形成する。レバー2の上側も相応して被覆することができる。
【0055】
図6は、シャフト軸103に垂直に測定される、シャフト軸103からリンク機構ヘッド3の外縁部までの径方向距離22を示している。この径方向距離22は、相応して小さくなるように構成しなければならず、なぜならば、そうしなければ、肩部8(図2を参照)がドアリーフ202と衝突することになるためである。したがって、レバー2とリンク機構ヘッド3との間の重なり表面も画定される。図6は、リンク機構ヘッド3上に材料堆積部23が適用されることを示している。この時点で、レバー2及びリンク機構ヘッド3の重ね合わせと、これらの2つの要素の溶接、特に、抵抗溶接法による下向き溶接(flat welding)とが行われる。
【0056】
図5図6及び図7は、リンク機構ヘッド3が形態拘束要素24を有することを示している。この形態拘束要素24は、出力シャフト102上に挿入するための内面多角形縁部を備える。
【0057】
図7は、形態拘束要素24が非破壊的にリンク機構ヘッド3の残りのコンポーネントから着脱可能であることを示している。結果として、形態拘束要素24は、交換可能、及び/又はリンク機構ヘッド3に対して異なる回転位置においてリンク機構ヘッド3上に取り付け可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 ドアアクチュエータリンク機構
2 レバー
3 リンク機構ヘッド
4 スライドレール
5 スライドピース
6 オフセット
7 オフセット面
8 肩部
9 自由空間
10 仮想境界面
11 長手方向軸
12 傾斜断面
13 当接断面
14 追加要素
15 鋭角端
16 鈍角端
17 枢動部材
18 ケーブル
19 ケーブルチャネル
20 レバークラッディング
21 径方向クラッディング
22 径方向距離
23 材料堆積部
24 形態拘束要素
100 ドアアクチュエータアセンブリ
101 ドアアクチュエータ
102 出力シャフト
103 シャフト軸
200 回転ドアアセンブリ
201 フレーム
202 ドアリーフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】