(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184800
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】排ガスヒータ
(51)【国際特許分類】
F23J 15/08 20060101AFI20221206BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20221206BHJP
F01N 3/20 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
F23J15/08
H05B3/00 310C
H05B3/00 365K
F01N3/20 K
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022087581
(22)【出願日】2022-05-30
(31)【優先権主張番号】10 2021 113 989.9
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520050956
【氏名又は名称】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Purem GmbH
【住所又は居所原語表記】Homburger Strasse 95, 66539 Neunkirchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ブレンナー
【テーマコード(参考)】
3G091
3K058
3K070
【Fターム(参考)】
3G091CA05
3G091EA28
3G091EA29
3G091HB01
3K058AA13
3K058AA71
3K058CA03
3K058CA23
3K058CA56
3K058CA62
3K058CA63
3K058CE12
3K058CE19
3K070DA09
3K070DA52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内燃機関用の排ガス装置用の排ガスヒータを提供する。
【解決手段】第1の供給電圧接続部(28)と、第2の供給電圧接続部(32)と、第1の供給電圧接続部(28)と第2の供給電圧接続部(32)との間に延在する加熱領域(38)とを有する加熱導体(12)を備え、加熱領域(38)に組み込まれた電圧測定区間(42)をさらに備える、排ガスヒータ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の排ガス装置用の排ガスヒータであって、
第1の供給電圧接続部(28)と、第2の供給電圧接続部(32)と、前記第1の供給電圧接続部(28)と前記第2の供給電圧接続部(32)との間に延在する加熱領域(38)とを有する加熱導体(12)を備え、
前記加熱領域(38)に組み込まれた電圧測定区間(42;42’;42’’)をさらに備える、
排ガスヒータ。
【請求項2】
前記電圧測定区間(42;42’;42’’)は、
- 前記加熱領域(38)の一区分(74)、
または
- 測定抵抗体(44)であって、前記測定抵抗体(44)の第1の接続領域(46)が、前記第1の供給電圧接続部(28)に通じる第1の加熱領域区分(48)に接続されており、前記測定抵抗体(44)の第2の接続領域(50)が、前記第2の供給電圧接続部(32)に通じる第2の加熱領域区分(52)に接続されており、前記測定抵抗体(44)は、前記第1の加熱領域区分(48)と前記第2の加熱領域区分(52)とに電気的に直列に接続されている、測定抵抗体(44)、
または
- 前記加熱領域(38)の一区分(70)に沿って延在する測定抵抗体(44’)を備える
ことを特徴とする、請求項1記載の排ガスヒータ。
【請求項3】
前記第1の加熱領域区分(48)と前記第2の加熱領域区分(52)とに電気的に直列に接続されている前記測定抵抗体(44)では、前記測定抵抗体(44)の前記第1の接続領域(46)の区域に、第1の電圧測定接続部(54)が形成されており、前記測定抵抗体の前記第2の接続領域の区域に、第2の電圧測定接続部(58)が形成されていることを特徴とする、請求項2記載の排ガスヒータ。
【請求項4】
前記加熱領域(38)の一区分(70)に沿って延在する前記測定抵抗体(44’)では、前記測定抵抗体(44’)の、第1の電圧測定接続部(54)と第2の電圧測定接続部(58)との間に延在する長手方向領域の実質的に全体が、前記加熱領域(38)に熱伝達接触していることを特徴とする、請求項2記載の排ガスヒータ。
【請求項5】
前記電圧測定区間(42;42’)は、前記加熱領域(38)の抵抗特性とは異なる抵抗特性を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の排ガスヒータ。
【請求項6】
所定の動作温度範囲において、前記電圧測定区間(42;42’)は、前記加熱領域(38)よりも強く温度に依存して変化する電気的な抵抗を有し、または/かつ前記動作温度範囲において、前記電圧測定区間(42;42’)は、前記加熱領域(38)よりも少ない電気的な抵抗を有することを特徴とする、請求項5記載の排ガスヒータ。
【請求項7】
前記電圧測定区間(42;42’)は、PTC抵抗特性またはNTC抵抗特性を有することを特徴とする、請求項5または6記載の排ガスヒータ。
【請求項8】
内燃機関用の排ガス装置用の排ガス加熱システムであって、
排ガス(A)により通流可能な、請求項1から7までのいずれか1項記載の少なくとも1つの排ガスヒータ(10)と、
第1の電圧測定接続部(54)と第2の電圧測定接続部(58)との間の測定電圧を検出して、検出された前記測定電圧に応じて、第1の供給電圧接続部(28)と第2の供給電圧接続部(32)との間に供給電圧を印加するための制御装置(66)と、
を備える、排ガス加熱システム。
【請求項9】
前記制御装置(66)は、前記第1の供給電圧接続部(28)と前記第2の供給電圧接続部(32)との間に印加すべき前記供給電圧を、前記検出された測定電圧と、測定区間(42;42’;42’’)の領域における目標測定電圧または目標温度とに応じて印加するように構成されていることを特徴とする、請求項8記載の排ガス加熱システム。
【請求項10】
請求項8または9記載の排ガス加熱システムを備える、内燃機関用の排ガス装置。
【請求項11】
好ましくは請求項8または9記載の排ガス加熱システムまたは請求項10記載の排ガス装置に設けられた、請求項1から7までのいずれか1項記載の排ガスヒータを動作させるための方法であって、
a)第1の供給電圧接続部(28)と第2の供給電圧接続部(32)との間に供給電圧を印加するステップと、
b)測定区間(42;42’;42’’)の第1の電圧測定接続部(54)と、前記測定区間(42;42’;42’’)の第2の電圧測定接続部(58)との間の測定電圧を検出するステップと、
c1)前記ステップb)で検出された前記測定電圧を目標測定電圧と比較することによって、前記検出された測定電圧と、前記目標測定電圧との間の電圧偏差を求め、前記電圧偏差に応じて、前記検出された測定電圧が前記目標測定電圧の範囲内にあるように、前記供給電圧を調整するステップ、
または
c2)前記ステップb)で検出された前記測定電圧に基づいて求められた温度を目標温度と比較することによって、前記求められた温度と、前記目標温度との間の温度偏差を求め、前記温度偏差に応じて、前記求められた温度が前記目標温度の範囲内にあるように、前記供給電圧を調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記ステップc2)において、前記測定区間(42;42’;42’’)の領域の温度を、測定電圧-温度-相関関係を用いて求めることを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記目標測定電圧または前記目標温度を、少なくとも1つの周辺パラメータに応じて予め設定することを特徴とする、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
前記排ガスヒータ(10)を通流する排ガス(A)の排ガス温度が、1つの周辺パラメータであることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の排ガス装置用の排ガスヒータと、このような排ガスヒータを備えて形成された排ガス加熱システムと、このような排ガスヒータもしくは排ガス加熱システムを備えた排ガス装置に関する。本発明は、さらに、このような排ガスヒータを動作させるための方法に関する。
【0002】
独国特許出願公開第102020123376号明細書に基づき、2つの供給電圧接続部の間に延在し、排ガス装置内で排ガスが周囲を流動可能な加熱領域を備える加熱導体を有する排ガスヒータが公知である。この排ガスヒータの加熱導体は、金属平形材料から分離加工によって提供されている。両供給電圧接続部の間に電圧を印加することと、電圧の印加時に両供給電圧接続部の間を流れる電流とによって、実質的に電圧と電流との積により規定される加熱出力に基づき熱が発生し、この熱の少なくとも一部が、加熱導体もしくは加熱導体の加熱領域の周囲を流動する排ガスに伝達される。
【0003】
本発明の課題は、周辺条件、例えば、加熱導体の周囲を流動する排ガスの温度への加熱動作の改善された適合を達成することができる、排ガスヒータおよび排ガスヒータを動作させるための方法を提供することである。
【0004】
本発明によれば、この課題は、請求項1記載の、内燃機関用の排ガス装置用の排ガスヒータによって解決される。この排ガスヒータは、第1の供給電圧接続部と、第2の供給電圧接続部と、第1の供給電圧接続部と第2の供給電圧接続部との間に延在する加熱領域とを有する加熱導体を備え、加熱領域に組み込まれた電圧測定区間をさらに備える。
【0005】
加熱導体もしくは加熱導体の加熱領域にこのような電圧測定区間を提供することによって、電圧測定区間で降下する電圧を取り出すもしくは検出することにより、電圧と電気的な抵抗との間の一般に知られている相関関係および電気的な抵抗と電圧測定区間の温度との間の一般に知られている相関関係に基づき、電圧測定区間の領域における温度を求め、ひいては加熱領域の温度をも求めることができるようになる。加熱領域の温度については、原則として、実質的に電圧測定区間の温度に相応してもいると想定することができる。したがって、加熱導体の加熱領域の、排ガスが周囲を流動するもしくは流動可能な領域における加熱導体の温度に関する情報を提供することができる。したがって、供給電圧を変更し、ひいては、加熱導体で発生する加熱出力をも変更することによって、加熱導体の温度を所望の範囲内にもたらすまたは目標値の範囲内に保つことができる。
【0006】
特に簡単に実現することのできる構成では、電圧測定区間は、加熱領域の一区分を備えていてよい。これは、測定電圧が、加熱領域でもしくは加熱領域に設けられた2つの電圧測定接続部の間で直接取り出され、したがって、加熱領域の、電圧測定区間を提供する長手方向の区分における加熱領域の温度に関する情報を直接提供することができることを意味する。
【0007】
代替的な構成では、電圧測定区間は、測定抵抗体を備えていてもよい。測定抵抗体の第1の接続領域が、第1の供給電圧接続部に通じる第1の加熱領域区分に接続されており、測定抵抗体の第2の接続領域が、第2の供給電圧接続部に通じる第2の加熱領域区分に接続されており、測定抵抗体は、第1の加熱領域区分と第2の加熱領域区分とに電気的に直列に接続されている。この構成では、加熱導体は電圧測定区間の領域で中断されているので、加熱領域の、電圧測定区間によって実体的には互いに分離されているものの、電圧測定区間を介して互いに導電的に接続されている2つの加熱領域区分が存在する。別個の構成部材として構成された測定抵抗体の形態のこのような測定区間を加熱導体もしくは加熱導体の加熱領域に組み込むことによって、考慮すべき動作温度範囲、すなわち、このような排ガスヒータが一般に動作させられる温度範囲において、測定電圧を正確に検出すること、もしくは電気的な抵抗ひいては測定区間の領域に生じている温度をも正確に求めることを可能にする材料を測定抵抗体のために使用する可能性が提供される。
【0008】
別の代替的な構成では、加熱領域に組み込まれた測定区間は、加熱領域の一区分に沿って延在する測定抵抗体を備えていてもよい。この構成でも、測定抵抗体に特に適した材料を使用することができる。なお、この場合には、加熱導体もしくは加熱領域が中断されず、ひいては、加熱領域の一長手方向区分が排ガスとの熱的な相互作用のために使用されることはない。
【0009】
電圧降下を検出するための測定抵抗体を特に効率的に利用することができるようにするために、第1の加熱領域区分と第2の加熱領域区分とに電気的に直列に接続されている測定抵抗体では、測定抵抗体の第1の接続領域の領域に、第1の電圧測定接続部が形成されており、測定抵抗体の第2の接続領域の領域に、第2の電圧測定接続部が形成されていることが提案される。
【0010】
加熱領域の一区分に沿って延在する測定抵抗体では、測定抵抗体の、第1の電圧測定接続部と第2の電圧測定接続部との間に延在する長手方向領域の実質的に全体が、加熱領域に熱伝達接触していてよい。これによって、測定抵抗体と加熱領域との熱的な接触の存在に基づき、測定抵抗体が、加熱領域の温度に相応する温度を有することが保証される。
【0011】
両電圧測定接続部の間で降下する電圧の検出時の精度を高めるために、電圧測定区間は、加熱領域の抵抗特性とは異なる抵抗特性を有してよい。これによって、特に、加熱導体もしくは加熱導体の加熱領域のために、このような排ガスヒータもしくは排ガスヒータの加熱導体が一般に動作させられる温度範囲において温度に対する電気的な抵抗の比較的低い依存性しか有さない材料を用いる可能性が提供される。
【0012】
このような動作温度範囲において、有利には、電圧測定区間は、加熱領域よりも強く温度に依存して変化する電気的な抵抗を有してもよい。これは、加熱導体よりも電圧測定区間において、抵抗-温度-相関関係の勾配の絶対値が大きいことを意味する。代替的または付加的に、このような互いに異なる抵抗特性は、動作温度範囲において、電圧測定区間が、加熱領域よりも少ない電気的な抵抗を有することを特定してもよい。これにより、より低い電気的な抵抗に基づき、加熱領域に比べて、測定区間で生じる電圧降下はより小さく、生じる加熱出力も相応してより小さいので、測定区間の温度が、測定区間と熱伝達接触している加熱領域の温度によって主に決まり得ることが保証される。
【0013】
電気的な抵抗の強い温度依存性を有する、特に有利な構成では、電圧測定区間は、PTC抵抗特性またはNTC抵抗特性を有してよい。このような抵抗特性は、例えば金属の場合とは異なり、排ガスヒータの動作にとって特に重要な温度範囲において、温度と電気的な抵抗との間の、線形ではなく、指数関数的な相関関係を有する点で優れている。これは、すでに比較的僅かな温度変化が、電圧の取出しによって検出可能な電気的な抵抗の大きな変化を生じさせることを意味する。PTC抵抗特性を備える形成材料を使用することは、特に電圧測定区間が加熱導体に直列接続されている場合に、比較的高い温度における電気的な抵抗の指数関数的な増大により、加熱出力の自己調整作用、ひいては加熱導体の過熱防止を提供することができるという更なる利点を提供する。
【0014】
本発明は、さらに、内燃機関用の排ガス装置用の排ガス加熱システムであって、排ガスにより通流可能な、本発明に係る構造を備える少なくとも1つの排ガスヒータと、第1の電圧測定接続部と第2の電圧測定接続部との間の測定電圧を検出して、検出された測定電圧に応じて、第1の供給電圧接続部と第2の供給電圧接続部との間に供給電圧を印加するための制御装置とを有する、排ガス加熱システムに関する。
【0015】
制御装置は、第1の供給電圧接続部と第2の供給電圧接続部との間に印加すべき供給電圧を、検出された測定電圧と、測定区間の領域における目標測定電圧または目標温度とに応じて印加するように構成されていてもよい。すなわち、電圧制御手段を設けることができ、この電圧制御手段は、検出された測定電圧、すなわち、実際電圧に基づいて求められた測定区間の温度が、目標温度の範囲内にあるようにする、もしくは制御ストラテジに応じて、この目標温度付近で変動し、したがって特定された制御ストラテジに実質的に依存する程度でしか目標温度から偏差しないようにする役割を果たす。目標温度もしくは特定の目標温度に対応する目標測定電圧は、例えば周辺パラメータ、例えば、排ガスヒータを通流する排ガスの排ガス温度に応じて、予め設定されてよい。
【0016】
本発明は、さらに、本発明により形成される少なくとも1つの排ガスヒータを備える排ガス加熱システムを備える、内燃機関用の排ガス装置に関する。
【0017】
冒頭に挙げた課題は、さらに、好ましくは本発明により形成される少なくとも1つの排ガスヒータを備える排ガス加熱システムまたはそのような排ガス加熱システムを含む排ガス装置に設けられた、本発明により形成される排ガスヒータを動作させるための方法であって、
a)第1の供給電圧接続部と第2の供給電圧接続部との間に供給電圧を印加するステップと、
b)第1の電圧測定接続部と第2の電圧測定接続部との間の測定電圧を検出するステップと、
c1)ステップb)で検出された測定電圧を目標測定電圧と比較することによって、検出された測定電圧と、目標測定電圧との間の電圧偏差を求め、この電圧偏差に応じて、検出された測定電圧が目標測定電圧の範囲内にあるように、供給電圧を調整するステップ、または
c2)ステップb)で検出された測定電圧に基づいて求められた温度を目標温度と比較することによって、求められた温度と、目標温度との間の温度偏差を求め、この温度偏差に応じて、求められた温度が目標温度の範囲内にあるように、供給電圧を調整するステップと
を含む、方法によって解決される。
【0018】
付言しておくと、測定電圧を検出することは、検出された測定電圧と、測定区間の電気的な抵抗もしくは測定区間の温度との間の相関関係に基づき、測定区間の電気的な抵抗、ひいては測定区間の温度を求めるための根拠を形成する。したがって、測定電圧を調整もしくは制御することにより、測定区間の電気的な抵抗ひいては温度が調整もしくは制御され、これにより、実質的に加熱導体の温度も調整もしくは制御される。
【0019】
ステップc2)において、測定区間の領域の温度は、測定電圧-温度-相関関係を用いて求められてよい。この相関関係は、例えば特性マップまたは関数関係の形態で格納されていてもよく、これによって、測定電圧のそれぞれの値に対応させて、特性マップから読み取るまたは関数関係に基づき計算することによって、それぞれの測定電圧によって表される温度を求めることができ、望ましい場合には目標温度と比較することができる。
【0020】
目標温度もしくは目標温度を表す目標測定電圧は、好適には、周辺パラメータ、例えば、排ガスヒータを通流する排ガスの温度に応じて予め設定されてよい。
【0021】
以下に、本発明を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】支持装置に支持された加熱導体と、加熱導体に組み込まれた電圧測定区間とを備える排ガスヒータを示す図である。
【
図2】加熱導体に組み込まれた電圧測定区間の、互いに異なる2つの代替的な構成を示す、排ガスヒータの
図1に相応する図である。
【
図3】加熱導体と、電圧測定区間の、PTC抵抗特性を有する測定抵抗体とについて、温度と電気的な抵抗との間の相関関係を示す図である。
【
図4】
図2の左半分に示した電圧測定区間を備える加熱導体の側面図である。
【
図5】
図2の右半分に示した電圧測定区間を備える加熱導体の側面図である。
【
図6】排ガスヒータと、排ガスヒータに組み込まれた電圧測定区間とを備える排ガス装置の原理図である。
【0023】
図1に、原理的な構造に関して、例えば独国特許出願公開第102020123376号明細書に記載されているような、排ガスヒータ10を示す。排ガスヒータ10は、例えば金属プレートから分離加工によって形成された加熱導体12を有する。加熱導体12は、図示の構造では、中心領域の周りに周方向で連続した6つの蛇行曲折区画14,16,18,20,22,24を備えて形成されている。蛇行曲折区画14,16,18,20,22,24のそれぞれにおいて、それぞれの蛇行曲折区分が互いに半径方向で段差を付けられ、半径方向でそれぞれ後続する蛇行曲折区分に、その周方向端部領域の一方で接続されている。
【0024】
蛇行曲折区画12の、半径方向で一番外側の蛇行曲折区分26が、その周方向端部領域の一方において、第1の供給電圧接続部28を提供している。相応して、蛇行曲折区画24の、半径方向で一番外側の蛇行曲折区分30が、その周方向端部領域の一方において、第2の供給電圧接続部32を提供している。両方の供給電圧接続部28,30に、それぞれの電圧供給線路34,36を接続することができる。この電圧供給線路34,36は、排ガスヒータ10を含む、例えば管状の排ガス案内要素内に設けられた排ガス密な貫通案内路を通して案内されていてもよい。
【0025】
加熱導体12は、両方の供給電圧接続部28,30の間に、全体を符号38で示した加熱領域を有する。この加熱領域は、両供給電圧接続部28,30に電圧を印加すると、その際に流れる電流に基づき加熱され、これにより加熱領域38の周囲を流動する排ガスに熱を伝達することができる。
【0026】
加熱導体12もしくはその加熱領域38は、支持装置40に支持されている。支持装置40は、例えば加熱導体12の上流側および下流側に、半径方向外側で例えば管状の排ガス案内要素に接続されたそれぞれ1つの支持ディスクを有していてもよい。
【0027】
付言しておくと、蛇行曲折区画14,16,18,20,22,24を備える加熱領域38の構造もしくは経過は、単に例示的なものである。加熱領域は、別の構造、例えば螺旋状の経過を有していてもよい。
【0028】
加熱導体12の加熱領域38に、全体を符号42で示した測定区間が組み込まれている。測定区間42は、
図1に示す構成例では、測定抵抗体44を有する。測定抵抗体44は、第1の接続領域46において、例えばねじ締結、リベット締め、ろう接、溶接またはこれに類する方式によって、第1の供給電圧接続部28に通じる第1の加熱領域区分48に接続されており、第2の接続領域50において、同じ方式で、第2の供給電圧接続部32に通じる第2の加熱領域区分52に接続されている。したがって、加熱領域38は、その両方の加熱領域区分48,50という、基本的には実体的に互いに分離された2つの区分を備えて形成されているものの、この2つの区分は、この2つの区分に接続され、ひいては、この2つの区分に電気的に直列に接続されている測定抵抗体44によって、互いに導電的に接続されている。
【0029】
第1の接続領域46の領域に、第1の電圧測定接続部54が提供されており、この第1の電圧測定接続部54に、第1の電圧測定線路56が接続されている。同様に、第2の接続領域50の領域に、第2の電圧測定接続部58が提供されており、この第2の電圧測定接続部58に、第2の電圧測定線路60が接続されている。電圧測定線路56,60も、排ガス案内要素を貫通する排ガス密な貫通案内路を通して案内されていてもよい。
【0030】
電圧測定区間42の測定抵抗体44は、好ましくは、加熱導体12の抵抗特性とは異なる抵抗特性を有する。加熱導体12は、例えば、基本的に比較的小さい抵抗を有し、排ガスヒータ10が動作させられる温度範囲、すなわち約700℃~800℃の温度範囲においてほぼ一定で僅かにしか増大しない電気的な抵抗を有する金属材料で形成されている。測定抵抗体44は、例えばPTC抵抗特性を備えるPTC素子であってよい。加熱導体12の抵抗特性と、PTC素子として形成された測定抵抗体44の抵抗特性とを、
図3に原理的に示す。曲線K
1によって、加熱導体12の電気的な抵抗が、比較的広い温度範囲において僅かにしか変化しないことが判る。曲線K
2は、測定抵抗体44のPTC抵抗特性を原理的に示す。PTC抵抗特性は、広い温度範囲において、特に排ガスヒータ10の通常動作にとって重要な温度範囲において、例えば加熱導体12よりも明らかに低い電気的な抵抗を示すが、温度に対する電気的な抵抗のより強い依存性を有する。温度が上昇するとともに、測定抵抗体44の電気的な抵抗は指数関数的に増大し、それによって加熱導体12の電気的な抵抗を上回るようにもなる。
【0031】
一方では加熱導体12の、他方では測定抵抗体44の、このような温度-抵抗-特性によって、さまざまな利点が得られる。一方では、排ガスヒータ10が通常に動作させられる温度範囲における測定抵抗体44もしくは測定区間42の比較的低い電気的な抵抗により、両方の加熱領域区分48,52に直列に接続されている測定抵抗体44において比較的僅かな電圧降下しか生じないため、発生する加熱出力も比較的小さい。したがって、測定抵抗体44自体が発生させる熱は比較的少ないので、測定抵抗体44の温度は、加熱導体12の温度もしくは測定抵抗体44に実体的に結合された両方の加熱領域区分48,52の温度によって実質的に決定されていることになる。他方では、測定抵抗体44の電気的な抵抗は、温度とともに比較的大きく変化するので、すでに比較的小さな温度変化によって、電気的な抵抗の、ひいては測定抵抗体44において降下する電圧の、大幅な変化が生じる。この電圧降下は、測定電圧として、電圧測定線路56,60を介して検出され、それによって、測定抵抗体44の温度、ひいては実質的に測定抵抗体44に続いている加熱領域38の温度が直接推定される。
【0032】
測定抵抗体44のPTC抵抗特性の別の利点は、温度が過度に大きく上昇するとき、測定抵抗体44の電気的な抵抗も大きく増大することである。測定抵抗体44の電気的な抵抗が大きく増大すると、測定抵抗体44が両方の加熱領域区分48,52に直列に接続されていることに基づき、結果として、両方の加熱領域区分48,52にも比較的少ない電流が流れることになる。その結果、温度が過度に大きく上昇するときには、排ガスヒータ10全体の加熱出力が抑制されることになる。すなわち、この抵抗特性によって、自己調整作用を得ることができ、この自己調整作用は、上昇する温度に伴って大きく増大する電気的な抵抗に基づき、加熱出力が対応して減少するように働く。例えば、測定抵抗体44の形成材料の選択によって、約700℃~800℃にまで達する動作温度範囲の場合に、測定区間42の領域で温度がさらに上昇したときには、測定抵抗体44の電気的な抵抗の大きな増大が生じ、約900℃の温度では、排ガスヒータ10の加熱出力がもはや極めて僅かに、例えばほぼゼロになるようにすることができる。
【0033】
図6は、例えば自動車の内燃機関の、全体を符号62で示した排ガス装置を説明するものである。排ガス装置62は、管状の排ガス案内要素64を有し、この排ガス案内要素64内で、排ガスAが、排ガス案内要素44内に配置された排ガスヒータ10に向かって流れる。排ガスヒータ10の供給電圧接続部28,32は、供給線路34,36を介して制御装置66に接続されているので、この制御装置66によって、例えば自動車に既存の車載電圧に基づき、加熱導体12の供給電圧接続部28,32に供給電圧を印加することができる。
【0034】
電圧測定接続部54,58もしくは電圧測定接続部54,58から離れる方向に延びる電圧測定線路56,60も制御装置66に接続されているので、測定抵抗体44における電圧降下を制御装置66で検出することができる。したがって、両方の電圧測定接続部54,58の間の電圧降下すなわち測定抵抗体44で検出される測定電圧と、測定抵抗体44の電気的な抵抗または測定抵抗体44の電気的な抵抗によって表される測定抵抗体44もしくは測定強さ42の領域の温度との間の、例えば特性マップまたは関数の関係の形態で制御装置66に格納されている相関関係によって、この温度もしくは概して加熱導体12の加熱領域38の領域の温度に関する情報を提供することが可能になる。
【0035】
制御装置66は、加熱領域38もしくは排ガスヒータ10の温度を、例えば排ガス温度に応じた目標温度に調整もしくは制御するように構成されていてよい。このことは、例えば、測定抵抗体44で検出された測定電圧、およびこの測定電圧と、測定抵抗体44の電気的な抵抗、ひいては測定抵抗体44の領域の温度との間の既知の相関関係に基づき、測定抵抗体44の領域の実際温度を求めて、目標温度と比較することによって行うことができる。次いで、実際温度と目標温度との間の偏差に応じて、供給電圧接続部28,32に印加される供給電圧を変更することができ、これによって、閉ループ制御プロシージャで、現在温度が目標温度の範囲内にあるようになる。
【0036】
しかし、測定抵抗体44における電圧降下すなわち測定電圧と、測定抵抗体44の電気的な抵抗ひいてはまた測定抵抗体44の領域の温度との間には直接の相関関係が存在するため、測定電圧を温度に換算することは必ずしも必要ではない。むしろ、制御装置46において、例えば排ガス温度に応じて変更することができる目標測定電圧を予め設定してもよい。この目標測定電圧を、測定抵抗体44で検出された測定電圧、すなわち実際測定電圧と比較することができ、これによって、この場合にも、目標測定電圧と実際測定電圧との間の値に応じて、供給電圧接続部28,32に印加される供給電圧を変更することができ、したがって、排ガスヒータ10を、例えば、その都度生じている排ガス温度、または例えば排ガスの流れ方向で見て排ガスヒータ10に後続する排ガス処理ユニット68、例えば触媒ユニット、の領域の温度に対して最適な加熱出力で動作させることができる。
【0037】
さらに付言しておくと、目標測定電圧を予め設定しておく、もしくは目標測定温度を予め設定しておくことは、測定抵抗体44について目標抵抗を予め設定しておくことと同義である。測定電圧に基づき、測定抵抗体44における電圧降下と測定抵抗体44の電気的な抵抗との一般に知られている相関関係に基づき、供給電圧接続部28,32での供給電圧を変更することによって、測定抵抗体44の電気的な抵抗を、目標抵抗に適合するように調整することができる。測定電圧と、測定抵抗体44の電気的な抵抗と、測定抵抗体44の領域の温度とは、互いに対応するか互いに一義的な相関関係にある物理的な量であるので、これらの量のそれぞれを、温度検出もしくは温度制御のための根拠として利用することができる。もしくは、これらの量のうちの1つを制御量として使用することは、この量と一義的な相関関係にある他の量が、排ガスヒータ10の温度の調整もしくは制御のための根拠を成すことと同義である。
【0038】
図2に、特に代替的に構成された2つの測定区間42’および42’’を備える排ガスヒータ10の代替的な構成を示す。
図2の左側に示す、原理的に
図4にも示されている測定区間42’の構成では、測定区間42’は、加熱導体12の加熱領域38に実体的に組み込まれている測定抵抗体44ではなく、加熱領域38の一区分70に沿って延在し、かつ加熱領域38に対して絶縁材料72によって電気的に絶縁された測定抵抗体44’を有する。ただし、電気的に絶縁性の絶縁材料72を介して、測定抵抗体44’は、加熱導体12の加熱領域38と熱伝達接触している。この絶縁材料72は、例えば耐熱性の接着剤を含んでいてもよいし、絶縁性の被覆に包まれている測定抵抗体44’の場合、ろう接材料または溶接材料を含んでいてもよい。
【0039】
測定抵抗体44’の両方の端部に、電圧測定接続部54,58が形成されており、この電圧測定接続部54,58に、電圧測定線路56,60が接続されている。電圧測定線路56,60を介して、測定抵抗体44’において生じる電圧降下、すなわち測定電圧を検出することができる。この測定電圧もまた、測定抵抗体44’の温度との一義的な相関関係を有する。例えば、このような構成では、測定抵抗体は、いわゆるPt100白金測温抵抗体として形成されていてよい。Pt100白金測温抵抗体は、特に約800℃までの温度範囲において、温度に伴う電気的な抵抗のほぼ線形の、しかし著しい増大を示す。
【0040】
測定区間42’が、加熱導体12と熱的に接触してはいるものの、加熱導体12との導電的な相互作用を有してはいないように、測定区間42’を加熱導体12に組み込むことによって、加熱導体12もしくはその加熱領域38の長手方向区分の実質的に全体が、この長手方向区分の周囲を流動する排ガスAへの熱伝達のために利用可能になる。
【0041】
付言しておくと、もちろん、
図4に示す構成でも、測定区間42’の測定抵抗体44’が別の抵抗特性、例えば
図1に示した構成の形態を参照する上述したPTC抵抗特性、を有していてもよい。しかし、この構成では、測定抵抗体44’と加熱導体12との間の電気的な相互作用が存在しないので、PTC素子における、大きく増大する電気的な抵抗に基づく自己調整作用を利用することはできない。しかし、制御装置66によって、測定区間42’の領域の温度の監視に基づき、適合する制御手段によって、加熱導体12の温度が上側の閾値温度を超過しないようにすることはできる。
【0042】
図2の右側および
図5に示す排ガスヒータ10の構成形態では、測定区間42’’は、加熱導体12の加熱領域38の一区分74を含む。加熱領域38に、電圧測定接続部54,58が、例えば電圧測定線路56,60をろう接または溶接することによって形成されている。
図3の曲線K
1を参照して説明したように、基本的に、加熱領域38も、温度とともに変化していく電気的な抵抗を有するので、両方の電圧測定接続部54,58の間の電圧降下、すなわち測定電圧を検出することにより、区分74の電気的な抵抗、ひいては区分74の温度を推定することができる。両電圧測定接続部54,58の間で生じる電圧降下は、区分74の電気的な抵抗に依存し、区分74の電気的な抵抗は区分74の長さに依存するので、測定電圧もしくは測定電圧の変動をできる限り正確に検出するためには、電圧測定接続部54,58同士を、加熱領域38に沿って、互いにできるだけ大きく離隔して配置することが有利であり得る。例えば電圧測定接続部54,58が、供給電圧接続部28,32の領域に設けられていてもよい。
【0043】
本発明に係る排ガスヒータの構造により、排ガスヒータもしくは排ガスヒータの加熱導体の領域の温度を監視し、内燃機関のその都度の運転ひいては特に排ガス温度もしくは下流で後続する排ガス処理ユニットの温度にとっても特に有利な値に調整もしくは制御する可能性が提供される。このためには、それぞれ異なる形態の測定区間を使用することができる。測定区間が、別個の構成部材として提供された測定抵抗体を有する場合には、この測定抵抗体を、それぞれ異なる抵抗特性を備えて形成することができる。PTC抵抗特性が特に有利である。なぜならば、PTC抵抗特性は、過度の温度上昇時に、排ガスヒータ10の加熱出力もしくは温度の自己調整作用をもたらすからである。しかし、別の抵抗特性、例えばNTC抵抗特性、または金属で一般にそうであるように実質的に線形である抵抗特性を備える測定抵抗体が使用されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の排ガス装置用の排ガスヒータであって、
第1の供給電圧接続部(28)と、第2の供給電圧接続部(32)と、前記第1の供給電圧接続部(28)と前記第2の供給電圧接続部(32)との間に延在する加熱領域(38)とを有する加熱導体(12)を備え、
前記加熱領域(38)に組み込まれた電圧測定区間(42;42’;42’’)をさらに備える、
排ガスヒータ。
【請求項2】
前記電圧測定区間(42;42’;42’’)は、
- 前記加熱領域(38)の一区分(74)、
または
- 測定抵抗体(44)であって、前記測定抵抗体(44)の第1の接続領域(46)が、前記第1の供給電圧接続部(28)に通じる第1の加熱領域区分(48)に接続されており、前記測定抵抗体(44)の第2の接続領域(50)が、前記第2の供給電圧接続部(32)に通じる第2の加熱領域区分(52)に接続されており、前記測定抵抗体(44)は、前記第1の加熱領域区分(48)と前記第2の加熱領域区分(52)とに電気的に直列に接続されている、測定抵抗体(44)、
または
- 前記加熱領域(38)の一区分(70)に沿って延在する測定抵抗体(44’)を備える
ことを特徴とする、請求項1記載の排ガスヒータ。
【請求項3】
前記第1の加熱領域区分(48)と前記第2の加熱領域区分(52)とに電気的に直列に接続されている前記測定抵抗体(44)では、前記測定抵抗体(44)の前記第1の接続領域(46)の区域に、第1の電圧測定接続部(54)が形成されており、前記測定抵抗体の前記第2の接続領域の区域に、第2の電圧測定接続部(58)が形成されていることを特徴とする、請求項2記載の排ガスヒータ。
【請求項4】
前記加熱領域(38)の一区分(70)に沿って延在する前記測定抵抗体(44’)では、前記測定抵抗体(44’)の、第1の電圧測定接続部(54)と第2の電圧測定接続部(58)との間に延在する長手方向領域の実質的に全体が、前記加熱領域(38)に熱伝達接触していることを特徴とする、請求項2記載の排ガスヒータ。
【請求項5】
前記電圧測定区間(42;42’)は、前記加熱領域(38)の抵抗特性とは異なる抵抗特性を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の排ガスヒータ。
【請求項6】
所定の動作温度範囲において、前記電圧測定区間(42;42’)は、前記加熱領域(38)よりも強く温度に依存して変化する電気的な抵抗を有し、または/かつ前記動作温度範囲において、前記電圧測定区間(42;42’)は、前記加熱領域(38)よりも少ない電気的な抵抗を有することを特徴とする、請求項5記載の排ガスヒータ。
【請求項7】
前記電圧測定区間(42;42’)は、PTC抵抗特性またはNTC抵抗特性を有することを特徴とする、請求項5記載の排ガスヒータ。
【請求項8】
内燃機関用の排ガス装置用の排ガス加熱システムであって、
排ガス(A)により通流可能な、請求項1記載の少なくとも1つの排ガスヒータと、
第1の電圧測定接続部(54)と第2の電圧測定接続部(58)との間の測定電圧を検出して、検出された前記測定電圧に応じて、第1の供給電圧接続部(28)と第2の供給電圧接続部(32)との間に供給電圧を印加するための制御装置(66)と、
を備える、排ガス加熱システム。
【請求項9】
前記制御装置(66)は、前記第1の供給電圧接続部(28)と前記第2の供給電圧接続部(32)との間に印加すべき前記供給電圧を、前記検出された測定電圧と、測定区間(42;42’;42’’)の領域における目標測定電圧または目標温度とに応じて印加するように構成されていることを特徴とする、請求項8記載の排ガス加熱システム。
【請求項10】
請求項8記載の排ガス加熱システムを備える、内燃機関用の排ガス装置。
【請求項11】
好ましくは請求項8記載の排ガス加熱システムまたは請求項10記載の排ガス装置に設けられた、請求項1記載の排ガスヒータを動作させるための方法であって、
a)第1の供給電圧接続部(28)と第2の供給電圧接続部(32)との間に供給電圧を印加するステップと、
b)測定区間(42;42’;42’’)の第1の電圧測定接続部(54)と、前記測定区間(42;42’;42’’)の第2の電圧測定接続部(58)との間の測定電圧を検出するステップと、
c1)前記ステップb)で検出された前記測定電圧を目標測定電圧と比較することによって、前記検出された測定電圧と、前記目標測定電圧との間の電圧偏差を求め、前記電圧偏差に応じて、前記検出された測定電圧が前記目標測定電圧の範囲内にあるように、前記供給電圧を調整するステップ、
または
c2)前記ステップb)で検出された前記測定電圧に基づいて求められた温度を目標温度と比較することによって、前記求められた温度と、前記目標温度との間の温度偏差を求め、前記温度偏差に応じて、前記求められた温度が前記目標温度の範囲内にあるように、前記供給電圧を調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記ステップc2)において、前記測定区間(42;42’;42’’)の領域の温度を、測定電圧-温度-相関関係を用いて求めることを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記目標測定電圧または前記目標温度を、少なくとも1つの周辺パラメータに応じて予め設定することを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記排ガスヒータ(10)を通流する排ガス(A)の排ガス温度が、1つの周辺パラメータであることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【外国語明細書】