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特開2022-184824航空機のギャレー用のギャレーカート収納システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184824
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】航空機のギャレー用のギャレーカート収納システム
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/04 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B64D11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022088983
(22)【出願日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】63/195,195
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バルミチェフ, セルゲイ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】サンクリーティ, ミスラ エム.ケイ.ヴイ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航空機のギャレー内にギャレーカートを収納するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ギャレーカートシステムは、両方とも少なくとも1つのギャレーカートを受け入れるように構成された、下側カートコンパートメント及び上側カートコンパートメントを含む。カートコンパートメントの間でギャレーカートを移動させるために、少なくとも1つの垂直輸送デバイスが、カートコンパートメントの間で延在する。作業スペース空間を有するギャレー作業スペースが、カートコンパートメントの間に位置付けられている。ギャレー作業スペースは、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間でのギャレーカートの移動を可能にするために、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で開口部を形成するよう展開位置とクリアランス位置との間で移動可能な調理台を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(10)のギャレー(100)内にギャレーカート(110)を収納するためのギャレーカート収納システム(104)であって、
前記ギャレーカート(110)のうちの第1のギャレーカートを受け入れるように構成された下側ギャレーカートキャビティ(150)を画定する下側カートコンパートメント(106)、
前記下側カートコンパートメント(106)の上方に位置付けられた上側カートコンパートメント(108)であって、前記ギャレーカート(110)のうちの第2のギャレーカートを受け入れるように構成された上側ギャレーカートキャビティ(170)を画定する上側カートコンパートメント(108)、
前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で前記第2のギャレーカートを移動させるために、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で延在する垂直輸送デバイス(130)、及び
前記下側カートコンパートメント(106)の上方に位置付けられ、前記上側カートコンパートメント(108)の下方に位置付けられた作業スペース空間(116)を有するギャレー作業スペース(112)を備え、前記ギャレー作業スペース(112)は、調理台(114)を有し、前記調理台(114)は展開位置とクリアランス位置との間で移動可能であり、前記調理台(114)は、前記展開位置で、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間での前記第2のギャレーカートの移動をブロックするように、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間に位置付けられ、前記調理台(114)は、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間での前記第2のギャレーカートの移動を可能にするために、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で開口部(148)を形成するよう前記クリアランス位置へ移動される、ギャレーカート収納システム(104)。
【請求項2】
前記調理台(114)が、前記展開位置で、前記下側カートコンパートメント(106)及び前記上側カートコンパートメント(108)と鉛直軸に沿って整列し、前記調理台(114)は、前記クリアランス位置で、前記下側カートコンパートメント(106)及び前記上側カートコンパートメント(108)からオフセットされている、請求項1に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項3】
前記調理台(114)が、前縁(142)及び後縁(144)を含み、前記後縁(144)は、前記展開位置で、前記ギャレーカート(110)の後方に配置され、前記後縁(144)は、前記クリアランス位置で、前記ギャレーカート(110)の前方に配置される、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項4】
前記調理台(114)が、前記開口部を形成するために、前記展開位置から前記クリアランス位置へ水平摺動方向に移動可能である、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項5】
前記ギャレー作業スペース(112)が、前記ギャレー作業スペース(112)の後ろに後ろ壁(118)を含み、前記後ろ壁(118)は、前記展開位置と前記クリアランス位置との間で前記調理台(114)と共に移動可能であり、前記垂直輸送デバイス(130)は、前記後ろ壁(118)の後ろで、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で前記第2のギャレーカートを移動させるように構成されている、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項6】
前記調理台(114)が、互いから独立して移動可能な調理台(114)セクションに区分けされている、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項7】
前記調理台(114)が、前記調理台(114)の縁部においてヒンジ(146)を含み、前記調理台(114)は、前記ヒンジ(146)において旋回可能である、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項8】
前記下側カートコンパートメント(106)が第1の幅を有し、前記上側カートコンパートメント(108)が前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有し、前記下側カートコンパートメント(106)は、前記上側カートコンパートメント(108)よりも多い数の前記ギャレーカート(110)を保持するように構成されている、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項9】
前記下側ギャレーカートキャビティ(150)が、複数の前記ギャレーカート(110)を受け入れるように構成され、前記上側ギャレーカートキャビティ(170)は、複数の前記ギャレーカート(110)を受け入れるように構成されている、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項10】
前記下側ギャレーカートキャビティ(150)が、下側左側壁(152)、下側右側壁(154)、及び下側後壁(156)によって画定され、前記上側ギャレーカートキャビティ(170)は、上側左側壁(172)、上側右側壁(174)、及び上側後壁(176)によって画定されている、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項11】
前記垂直輸送デバイス(130)が、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で対応するギャレーカート(110)を移動させるために、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で延在する複数の垂直輸送デバイス(130)のうちの1つである、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項12】
前記垂直輸送デバイス(130)が、トラック、及び前記トラックに沿って移動可能なキャリッジ(214)を含み、前記キャリッジ(214)は、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で前記第2のギャレーカートを移動させるように、前記トラックに沿って移動可能である、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項13】
前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間の垂直接続チャンバ(149)を更に備え、前記調理台(114)は、前記展開位置で、前記垂直接続チャンバ(149)へのアクセスをブロックし、前記調理台(114)は、前記クリアランス位置で、前記下側カートコンパートメント(106)と前記上側カートコンパートメント(108)との間で、前記垂直接続チャンバ(149)内での前記第2のギャレーカートの移動を可能にするために、前記垂直接続チャンバ(149)をブロックしない、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項14】
前記下側カートコンパートメント(106)が、下側後壁(156)と下側ドア(158)との間に2つの列の前記ギャレーカート(110)を受け入れるように構成された二重深度コンパートメントであり、前記上側カートコンパートメント(108)は、上側後壁(176)と上側ドア(178)との間に2つの列の前記ギャレーカート(110)を受け入れるように構成された二重深度コンパートメントである、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【請求項15】
前記下側カートコンパートメント(106)が、前記下側ギャレーカートキャビティ(150)を閉じるために、前記下側カートコンパートメント(106)の前部(160)において下側ドア(158)を含み、前記下側ドア(158)は、前記下側ギャレーカートキャビティ(150)へのアクセスを提供するために、前記ギャレー(100)に対して開き、前記上側カートコンパートメント(108)は、前記上側ギャレーカートキャビティ(170)を閉じるために、前記上側カートコンパートメント(108)の前部(180)において上側ドア(178)を含み、前記上側ドア(178)は、前記上側ギャレーカートキャビティ(170)へのアクセスを提供するために、前記ギャレー(100)に対して開く、請求項1又は2に記載のギャレーカート収納システム(104)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、航空機のギャレー内にギャレーカートを収納するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機は、典型的には、乗客への食事サービスで提供される食品を貯蔵及び準備するためのギャレーが装備されている。ギャレーは、ギャレーカート用の収納スペースを含む。そのギャレーカートが、食品トレイや飲料などを含む。2回か3回の食事が提供される長い距離のフライトでは、食品やゴミを貯蔵するために必要な多数のギャレーカートを受け入れるために、大きなギャレーが必要とされる。これらの大きなギャレーは、大きなスペースを占め、結果として、客室に装備され得る乗客席の数を低減させる。これは、航空会社の収益を低減させる。幾つかの周知のギャレーカート収納システムは、航空機の下側ローブ内又は最上部内にギャレーカートを収納する。しかし、そのようなギャレーカート収納システムは、通常、自動化された構成要素を使用し、故障の際に、下側収納エリア又は上側収納エリアに手動でアクセスすることができない。
【0003】
ギャレーサービスと干渉することなしに、フライト中に多数のギャレーカートが収納されアクセスされ得る、民間航空機のギャレー配置が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、航空機のギャレー内にギャレーカートを収納するためのギャレーカート収納システムが提供される。ギャレーカート収納システムは、ギャレーカートのうちの第1のギャレーカートを受け入れるように構成された下側ギャレーカートキャビティを画定する下側カートコンパートメントを含む。ギャレーカート収納システムは、下側カートコンパートメントの上方に位置付けられた上側カートコンパートメントを含む。上側カートコンパートメントは、ギャレーカートのうちの第2のギャレーカートを受け入れるように構成された上側ギャレーカートキャビティを画定する。ギャレーカート収納システムは、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で第2のギャレーカートを移動させるために、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で延在する垂直輸送デバイスを含む。ギャレーカート収納システムは、下側カートコンパートメントの上方に位置付けられ、上側カートコンパートメントの下方に位置付けられた作業スペース空間を有するギャレー作業スペースを含む。ギャレー作業スペースは、調理台を有する。調理台は、展開位置とクリアランス位置との間で移動可能である。調理台は、展開位置で、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間での第2のギャレーカートの移動をブロックするように、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間に位置付けられている。調理台は、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間での第2のギャレーカートの移動を可能にするために、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で開口部を形成するようクリアランス位置へ移動される。
【0005】
別の一実施形態では、航空機が提供され、航空機はキャビンフロアを有するキャビンを含む。キャビンは、航空機の最上部にあるキャビンの天井を有する。航空機は、キャビン内にギャレーを含む。ギャレーは、第1の側壁、第2の側壁、及び第1の側壁と第2の側壁との間で延在する後壁(rear wall)を含む、複数の壁を含む。後壁はギャレーの前部の反対側にある。ギャレーは、第1の側壁、第2の側壁、後壁、及び前部の間に、ギャレー設置面積を有する。ギャレーは、ギャレーカートを収納するためのギャレーカート収納システムを含む。ギャレーカート収納システムは、ギャレーカートのうちの第1のギャレーカートを受け入れるように構成された下側ギャレーカートキャビティを画定する、ギャレー設置面積内の下側カートコンパートメントを含む。下側ギャレーカートキャビティは、第1の側壁、第2の側壁、及び後壁によって画定される。下側カートコンパートメントは、下側ギャレーカートキャビティを閉じるために、ギャレーの前部において下側ドアを有する。下側ドアは、キャビン内からの下側ギャレーカートキャビティへのアクセスを提供するために、キャビンに対して開く。ギャレーカート収納システムは、ギャレーカートのうちの第2のギャレーカートを受け入れるように構成された上側ギャレーカートキャビティを画定する、ギャレー設置面積内の上側カートコンパートメントを含む。上側ギャレーカートキャビティは、第1の側壁、第2の側壁、及び後壁によって画定される。上側カートコンパートメントは、上側ギャレーカートキャビティを閉じるために、ギャレーの前部において上側ドアを有する。上側ドアは、キャビン内からの上側ギャレーカートキャビティへのアクセスを提供するために、キャビンに対して開く。ギャレーカート収納システムは、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で第2のギャレーカートを移動させるために、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で延在する垂直輸送デバイスを含む。ギャレーカート収納システムは、下側カートコンパートメントの上方に位置付けられ、上側カートコンパートメントの下方に位置付けられた、ギャレー設置面積内の作業スペース空間を有するギャレー作業スペースを含む。ギャレー作業スペースは、調理台を有する。調理台は、展開位置とクリアランス位置との間で移動可能である。調理台は、展開位置で、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間での第2のギャレーカートの移動をブロックするように、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間に位置付けられている。調理台は、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間での第2のギャレーカートの移動を可能にするために、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で開口部を形成するようクリアランス位置へ移動される。
【0006】
更なる一実施形態では、航空機のギャレー内にギャレーカートを収納する方法が提供される。該方法は、複数のギャレーカートを、ギャレー作業スペースの調理台の下方の下側カートコンパートメントの下側ギャレーキャビティ内に配置することを含む。該方法は、複数のギャレーカートを、ギャレー作業スペースの上方の上側カートコンパートメントの上側ギャレーカートキャビティ内に配置することを含む。該方法は、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で開口部を形成するために、調理台を展開位置からクリアランス位置に移動させることを含む。該方法は、下側カートコンパートメントと上側カートコンパートメントとの間で延在する垂直輸送デバイスを使用して、開口部を通して概して鉛直方向に、上側カートコンパートメントと下側カートコンパートメントとの間でギャレーカートを移動させることを含む。
【0007】
上述の特徴及び機能は、様々な実施形態において個別に実現され得るか、又は更に別の実施形態において組み合わされ得る。これらの実施形態の更なる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な一実施形態による航空機の断面概略図である。
図2】ギャレーカートを収納するためのギャレーカート収納システムを示す例示的な一実施形態によるギャレーの前面図である。
図3】ギャレーカートを収納するためのギャレーカート収納システムを示す例示的な一実施形態によるギャレーの前面斜視図である。
図4】クリアランス位置にある調理台及び後ろ壁(back wall)を示す例示的な一実施形態によるギャレーの前面斜視図である。
図5】クリアランス位置にある調理台及び後ろ壁を示す例示的な一実施形態によるギャレーの前面斜視図である。
図6】ギャレーカート及び垂直輸送デバイスを示すために後壁が除去された、例示的な一実施形態によるギャレーの後面斜視図である。
図7】ベイのうちの1つを示す例示的な一実施形態によるギャレーの一部分の後面斜視図である。
図8】垂直輸送デバイスを示す例示的な一実施形態によるギャレーの一部分の後面斜視図である。
図9】例示的な一実施形態による垂直輸送デバイスを示すギャレーの一部分の後面斜視図である。
図10】例示的な一実施形態による垂直輸送デバイスを示すギャレーの一部分の拡大後面斜視図である。
図11】例示的な一実施形態による垂直輸送デバイスを示すギャレーの一部分の後面斜視図である。
図12】例示的な一実施形態による垂直輸送デバイスを示すギャレーの一部分の拡大図後面斜視図である。
図13】例示的な一実施形態による垂直輸送デバイスを示すギャレーの一部分の後面斜視図である。
図14】例示的な一実施形態による垂直輸送デバイスを示すギャレーの一部分の拡大後面斜視図である。
図15】例示的な一実施形態によるギャレーの一部分の側面図である。
図16】例示的な一実施形態によるギャレーの一部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して読むことにより、より良く理解される。様々な実施形態が、図面に示す配設および手段に限定されないことは、理解すべきである。
【0010】
本明細書で使用される際に、単数で記載され、「一」または「1つの」という言葉に続く要素又はステップは、前記要素又はステップの複数形を除外することが明示的に記述されない限り、こうした除外が行われないことを、理解すべきである。更に、「一実施形態(one embodiment又はan embodiment)」への言及は、記載されている特徴を同様に包含する追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを、意図するものではない。更に、ある特定の性質を有する1以上の要素を「備える(comprising)」、又は「有する(having)」実施形態は、その性質を有していない追加のかかる要素を含み得る(そうではないことが明示的に記述されていない場合に限る)。
【0011】
航空機のギャレー内にギャレーカートを収納するためのギャレーカート収納システムの様々な実施形態が、本明細書で説明される。ギャレーカート収納システムは、調理台と、下側カートコンパートメントの上方に位置付けられ、上側カートコンパートメントの下方に位置付けられた作業スペース空間とを有する、ギャレー作業スペースを含む。様々な実施形態では、下側及び上側カートコンパートメントが、下側及び上側ギャレーカートキャビティを画定する。それらは、ギャレーカートがギャレー作業スペースの下方及びギャレー作業スペースの上方に位置付けられるように、ギャレーカートを受け入れる。下側ギャレーカートコンパートメントは、壁によって画定される。下側ギャレーカートコンパートメントは、キャビティへのアクセスを提供するためにギャレーに対して開く前部の下側ドアを有する。上側ギャレーカートコンパートメントは、壁によって画定される。上側ギャレーカートコンパートメントは、キャビティへのアクセスを提供するためにギャレーに対して開く、上側カートコンパートメントの前部の上側ドアを有する。様々な実施形態では、下側及び上側カートコンパートメントの両方が、航空機のキャビン内のギャレースペースから、作業人員によってアクセス可能である。様々な実施形態では、1以上の垂直輸送デバイスが、下側及び上側カートコンパートメントの間でギャレーカートを移動させるために、それらの間で延在する。様々な実施形態では、ギャレー輸送デバイスが、ギャレーカートを上側及び下側カートコンパートメントの間で移動させることを可能にするために、ギャレー作業スペースが再構成可能である。様々な実施形態では、ギャレーカートが上側及び下側カートコンパートメントの間で移動することを可能とするために、調理台が移動可能である。ギャレー作業スペースの上方及び下方にカートコンパートメントを積み重ねることによって、ギャレースペースの設置面積内で収納可能なギャレーカートの数が増加する。そのようにして、より大きなキャビンスペースが乗客席向けに利用可能となる。
【0012】
図1は、例示的な一実施形態による航空機10の断面概略図である。航空機10は、航空機10の下側部分内に貨物エリア12を含む。貨物エリア12は、1以上の貨物コンパートメントを含む。航空機10は、貨物エリア12の上方に乗客エリア16を画定するキャビン14を含む。キャビン14は、キャビンフロア18及びキャビン天井20を含む。貨物エリア12は、キャビンフロア18によって乗客エリア16から分離されている。頭上エリア24を画定する航空機10の最上部22は、キャビン天井20によって乗客エリア16から分離されている。
【0013】
航空機10は、キャビン14内の1以上のギャレー100(断面で示されている)を含む。各ギャレー100は、乗客エリア16内のスペース26からなど、乗客エリア16内から作業人員によってアクセス可能である。ギャレー100は、食品や飲料などの、乗客に提供するために使用される物品を収納するために、航空機10の乗務員によってアクセス可能なケータリングエリアである。ギャレー100は、キャビンフロア18とキャビン天井20との間で延在する複数の壁102を含む。ギャレー100は、ギャレー100内にギャレーカート110を収納するためのギャレーカート収納システム104を含む。ギャレーカート110は、ATLASカート、KSSUカート、ACEカートなどのような、標準的なギャレーカートであってよい。壁102は、ギャレーカート110を収納するための下側カートコンパートメント106及び上側カートコンパートメント108などの、カートコンパートメントを画定する。様々な実施例では、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108とが両方とも、ギャレー100の全幅に延在する。代替的な実施例では、上側カートコンパートメント108が、下側カートコンパートメント106の一部分のみの上に延在してよい。下側カートコンパートメント106は、第1の幅を有してよく、上側カートコンパートメント108は、第1の幅よりも狭い第2の幅を有してよい。そのような実施形態では、下側カートコンパートメント106が、上側カートコンパートメント108よりも多い数のギャレーカート110を保持するように構成される。幾つかの実施例では、下側カートコンパートメント106が、6つのギャレーカート110を受け入れるための幅を有し、一方で、上側カートコンパートメント108が、3つのギャレーカート110を受け入れるために、下側カートコンパートメント106の半分の幅だけ延在する。代替的な実施形態では、他の実施例が可能である。様々な実施例では、ギャレー100が、航空機10の一部分にわたり横方向に延在してよく、航空機10内で前方に対向するか又は後方に対向する。他の様々な実施形態では、ギャレー100が、航空機10内で長さ方向に配置されてよい。それによって、ギャレー100は、航空機10の右側に対向するか又は航空機10の左側に対向する。他の様々な実施形態では、ギャレー100が馬蹄形であってよい。
【0014】
食事を準備し、食品や飲料の提供に使用するために、壁102が、乗務員によって使用可能なギャレー作業スペース112を画定する。ギャレー作業スペース112は、調理台114、及び、乗務員用の作業スペースを画定する調理台114の上方の作業スペース空間116を含む。後ろ壁118が、作業スペース空間116の後ろに位置付けられている。調理台114及び作業スペース空間116は、後ろ壁118の前方に位置付けられている。例示的な一実施形態では、ギャレー作業スペース112の下方及び上方の両方にギャレーカート110を収納するために、カートコンパートメント106が積み重ねられている。ギャレーカート110は、ギャレースペース26からアクセス可能である。例えば、ギャレー作業スペース112の上方のギャレーカート110は、乗務員によって、ギャレースペース26からアクセス可能である。乗務員は、上側ギャレーカート110にアクセスするために、上方に巻き上げられるか又は他の方法で持ち上げられてよい、ステップスツール、上昇可能フロアパネル、スタンディングプラットフォーム上に立ってよい。ギャレー100に割かれるスペースは、乗客席又は洗面所といった他の目的には使用不能であり、したがって、航空機の運航業者にとって各フライトの収益を増加させるよう、乗客エリア16の座席エリアを増やすためには、航空機の製造業者がギャレー100の設置面積を低減させることが望まれてよい。ギャレー作業スペースの上方にギャレーカート110を収納するために、カートコンパートメント106、108を積み重ねることによって、所与のギャレー設置面積内のギャレーカート110の数を増やすことができる(例えば、積み重ねられないギャレーと比較して)。
【0015】
様々な実施形態では、ギャレーカート110を上側及び下側カートコンパートメント106、108の間で鉛直方向に移動させることを可能とするために、ギャレー作業スペース112が再構成可能である。例えば、ギャレーカート110が、上側カートコンパートメント108と下側カートコンパートメント106との間で移動することを可能にするために、調理台114はクリアランス位置に移動可能である。ギャレーカート110が、上側カートコンパートメント108と下側カートコンパートメント106との間で移動することを可能にするために、調理台114は、調理台114の後ろにスペース又は開口部を形成するよう前方に摺動してよい。様々な実施形態では、ギャレーカート110が、後ろ壁118の後ろで、上側カートコンパートメント108と下側カートコンパートメント106との間で移動することを可能にするために、後ろ壁118が調理台114と共に移動可能である。
【0016】
ギャレー100は、ギャレー100用に冷却された気流を提供するギャレー冷却システム40を含む。様々な実施形態では、ギャレー冷却システム40の構成要素が、キャビン天井20の上方のギャレー100の上方(例えば、航空機10の最上部22内)に配置される。代替的な実施形態では、ギャレー冷却システム40の構成要素が、ギャレー100内に配置される。他の代替的な実施形態では、ギャレー冷却システム40の構成要素が、ギャレー100の下方(例えば、キャビンフロア18の下方の航空機10の貨物エリア12内)に配置される。例示的な一実施形態では、ギャレー冷却システム40が、冷却された気流を生成する熱交換器42を含む。様々な実施形態では、熱交換器42が、冷却された気流を生成するための、圧縮機、凝縮器、蒸発器、及びエアハンドラを含む、冷凍機である。ギャレー冷却システム40は、カートコンパートメント106、108を通る気流を循環させる、供給ダクト44及びリターンダクト46を含む。様々な実施形態では、ギャレー冷却システムが、複数の熱交換器42を含んでよい。他の様々な実施形態では、ギャレー冷却システム40が、ギャレーカート110を冷却するためのドライアイスを使用してよい。ギャレーカート110は、絶縁されたカートであってよい。ギャレー壁は、絶縁されたギャレー壁であってよい。
【0017】
図2は、ギャレーカート110を収納するためのギャレーカート収納システム104を示す例示的な一実施形態によるギャレー100の前面図である。図3は、ギャレーカート110を収納するためのギャレーカート収納システム104を示す例示的な一実施形態によるギャレー100の前面斜視図である。
【0018】
ギャレー100の壁102は、キャビンフロア18とキャビン天井20との間で延在する。壁102は、ギャレー100の左側にある第1の側壁120、及び第1の側壁120の反対側のギャレー100の右側にある第2の側壁122を含む。壁102は、ギャレー100の前部126の反対側のギャレー100の後部にある後壁124(図3)を含む。第1及び第2の側壁120、122は、後壁124からギャレー100の前部126まで延在する。ギャレー100は、キャビンフロア18上に設置面積を有する。設置面積は、側壁120、122、後壁124、及び前部126によって画定される、キャビンフロア18の表面積を占める。例示的な一実施形態では、下側カートコンパートメント106が、設置面積の範囲内に含まれ、上側カートコンパートメント108が、設置面積の範囲内に含まれる。例示的な一実施形態では、ギャレー作業スペース112が、設置面積の範囲内に含まれる。様々な実施例では、ギャレー100が、航空機10内に配置されてよく、それによって、ギャレー100の前部126は、航空機10の後端に対向する。他の様々な実施形態では、ギャレー100が、航空機10内に配置されてよく、それによって、ギャレー100の前部126は、航空機10の前端に対向する。他の様々な実施形態では、ギャレー100が、航空機10内で長さ方向に配置されてよく、それによって、ギャレー100の前部126は、航空機10の右側に対向するか又は航空機10の左側に対向する。
【0019】
ギャレーカート収納システム104は、下側カートコンパートメント106及び上側カートコンパートメント108を含む。その場合、ギャレー作業スペース112が、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間にある。ギャレーカート収納システム104は、下側及び上側カートコンパートメント106、108の間でギャレーカート110を移動させるための1以上の垂直輸送デバイス130を含む。例えば、垂直輸送デバイス130は、必要とされるまで上側カートコンパートメント108内に収納するために、ギャレーカート110を下側カートコンパートメント106から上側カートコンパートメント108に持ち上げて装填してよい。例示的な一実施形態では、垂直輸送デバイス130が、ギャレー作業スペース112を通してギャレーカート110を移動させてよい。垂直輸送デバイス130は、エレベータ、リフト、ジャッキシステム、ねじジャッキ、ウインチ、ベルト、チェーンなどを含んでよい。様々な実施例では、垂直輸送デバイス130が、ギャレーカート110(例えば、支持トレイ上に載置されている車輪)を支持する支持トレイ132を含んでよい。
【0020】
例示的な一実施形態では、ギャレー100が、複数のベイ134に分割される。各ベイ134は、下側カートコンパートメント106の一部分、上側カートコンパートメント108の一部分、及びギャレー作業スペース112の一部分を画定する。ベイ134は、1つのギャレーカート110の幅を有し、1つのギャレーカート110をベイ134の下側部分内(下側カートコンパートメント106内)に保持するように構成され、1つのギャレーカート110をベイ134の上側部分内(上側コンパートメント108内)に保持するように構成されている。例示的な一実施形態では、各ベイ134が、ベイ134の上側及び下側部分の間でギャレーカート110を移動させるための対応する垂直輸送デバイス130を有する。様々な実施形態では、各ベイ134が、対応する熱交換器42(例えば、冷凍機)を有する。
【0021】
下側カートコンパートメント106は、複数のギャレーカート110を受け入れるように構成された下側ギャレーカートキャビティ150を画定する。図示される一実施形態では、下側ギャレーカートキャビティ150が、6つのギャレーカート110を保持するが、下側ギャレーカートキャビティ150は、それより多い又は少ないギャレーカート110を保持するようにサイズ決定されてよい。下側ギャレーカートキャビティ150は、下側左側壁152、下側右側壁154、及び下側左及び右側壁152、154の間の下側後壁156(図3)によって画定される。下側後壁156は、後壁124によって画定されてよい。下側左側壁152は、第1の側壁120によって画定されてよい。下側右側壁154は、第2の側壁122によって画定されてよい。例示的な一実施例では、下側ギャレーカートキャビティ150を閉じるために、下側カートコンパートメント106が、下側カートコンパートメント106の前部160に任意選択的な下側ドア158を含む。ギャレーカート110を取り出すためなどに、下側ギャレーカートキャビティ150へのアクセスを提供するよう、下側ドア158は、ギャレー100の前のギャレースペース26に対して開く。下側カートコンパートメント106は、上部162と下部164との間で延在する。調理台114は、上部162に設けられる。下部164は、キャビンフロア18に設けられ、ギャレー100の設置面積の範囲内に含まれる。
【0022】
上側カートコンパートメント108は、複数のギャレーカート110を受け入れるように構成された上側ギャレーカートキャビティ170を画定する。例示される一実施形態では、上側ギャレーカートキャビティ170が、6つのギャレーカート110を保持するが、上側ギャレーカートキャビティ170は、それより多い又は少ないギャレーカート110を保持するようにサイズ決定されてよい。上側ギャレーカートキャビティ170は、上側左側壁172、上側右側壁174、及び上側左及び右側壁172、174の間の上側後壁176によって画定される。上側後壁176は、後壁124によって画定されてよい。上側左側壁172は、第1の側壁120によって画定されてよい。上側右側壁174は、第2の側壁122によって画定されてよい。例示的な一実施形態では、上側ギャレーカートキャビティ170を閉じるために、上側カートコンパートメント108が、上側カートコンパートメント108の前部180に任意選択的な上側ドア178を含む。上側ドア178は、ギャレー作業スペース112のすぐ上方に位置付けられる。上側ギャレーカートキャビティ170へのアクセスを提供するために、上側ドア178は、ギャレー100の前のギャレースペース26に対して開く。
【0023】
上側ギャレーカート110は、ギャレースペース26から乗務員によってアクセス可能である。乗務員は、上側ギャレーカート110にアクセスするために、巻き上げられるか又は他の方法で持ち上げられてよい、ステップスツール、上昇可能フロアパネル、スタンディングプラットフォーム上に立つなどである。例示的な一実施形態では、ギャレー作業スペース112が、十分に低い高さである。それによって、中程度の体格の乗務員は、ツーステップの脚立などの脚立の上に立って、上側ギャレーカートキャビティ170内の上側ギャレーカート110の最も高い箇所の食品トレイに到達し、アクセスすることができる。例えば、ギャレー作業スペース112は、0.3メートルと0.5メートルとの間(12インチ~20インチ)であってよい。その結果、上側カートコンパートメント108は、十分に低く、乗務員によって容易にアクセス可能であってよい。様々な実施形態では、上側ギャレーカートキャビティ170の上部が、ギャレー100の床の上方2.6メートル(8.5フィート)以下である。任意選択的に、上側ギャレーカートキャビティ170の上部は、約2.4メートル(8.0フィート)である。上側ギャレーカートキャビティ170、及び上側ギャレーカートキャビティ170内の上側ギャレーカート110は、乗務員によって上側ギャレーカートキャビティ170の上部がアクセス可能な高さにおいてギャレー100内に配置される。その場合、乗務員は、脚立の上に立つなどである。したがって、乗務員は、フライト中に輸送システムが故障した場合、上側ギャレーカート110内の食品トレイ及び飲料に予備的にアクセス可能である。ギャレーカート110の上部は、少し上昇することによってアクセス可能である。例えば、ギャレー100の前の通路スタンディングエリア内で、ステップスツール若しくは上昇可能プラットフォーム又はフロアパネルが、1から2フィートなどの短い距離だけ上昇する。
【0024】
例示的な一実施形態では、上側カートコンパートメント108が、下側カートコンパートメント106と設置面積を共有する。上側カートコンパートメント108は、上部182と下部184との間で延在する。ギャレー作業スペース112は、下部184の下方に位置付けられている。上部182は、キャビン天井20に設けられる。したがって、ギャレーカート110にアクセスするためなどに、上側ドア178が、キャビン14内に含まれ、キャビン14内でアクセス可能である。例えば、垂直輸送デバイス130の不具合の場合に、上側ドア178を開けて、ギャレーカート110の内容物を回収する。
【0025】
ギャレー作業スペース112は、上側カートコンパートメント108と下側カートコンパートメント106との間に(例えば、鉛直軸に沿って整列して)位置付けられている。調理台114及び作業スペースが、下側カートコンパートメント106内のギャレーカート110の上方に位置付けられている。調理台114及び作業スペースは、上側カートコンパートメント内のギャレーカート110の下方に位置付けられている。様々な実施形態では、後ろ壁118が、下側及び上側カートコンパートメント106、108内のギャレーカート110の間に位置付けられている。通常の使用中に、調理台114及び後ろ壁118は、展開されたすなわち通常の使用位置にあるが、調理台114及び後ろ壁118は、ギャレー100の壁102に対して、クリアランス位置まで移動可能である(図4及び図5参照)。展開位置では、調理台114及び後ろ壁118が、下側及び上側カートコンパートメント106、108の間でのギャレーカート110の移動をブロックする。クリアランス位置では、調理台114及び後ろ壁118が、ギャレーカート110から離れて邪魔をせず、ギャレーカート110が、下側及び上側カートコンパートメント106、108の間で自由に移動することを可能にする。
【0026】
図4は、クリアランス位置にある調理台114及び後ろ壁118を示す例示的な一実施形態によるギャレー100の前面斜視図である。図5は、クリアランス位置にある調理台114及び後ろ壁118を示す例示的な一実施形態によるギャレー100の前面斜視図である。
【0027】
例示的な一実施形態では、調理台114及び後ろ壁118が、接続されており、共に移動可能である。代替的に、調理台114及び後ろ壁118は、分離されてよく、互いから分離して移動可能であってよい。様々な実施形態では、調理台114及び後ろ壁118が、展開位置(図2及び図3)とクリアランス位置(図4及び図5)との間で、水平摺動方向に移動可能である。例えば、スライド140が、ギャレー作業スペース112に設けられてよい。調理台114及び後ろ壁118は、スライドに結合され、スライド140によって展開位置とクリアランス位置との間で移動可能である。調理台114及び後ろ壁118が、壁102に対して移動することを可能とするために、トラックやレールなどの他のデバイスが、代替的な実施形態で設けられてよい。他の様々な実施形態では、調理台114及び後ろ壁118を前方に摺動させるよりもむしろ、調理台114は、クリアランス位置まで後ろ壁118に対して上向きに畳まれてよく、ギャレーカート110は、折り畳まれた調理台114の前で、下側及び上側カートコンパートメント106、108の間で移動されてよい。代替的な実施形態では、調理台114及び/又は後ろ壁118が、解放ファスナ(例えば、クリップ又はラッチ)などによって、取り外されてよく、調理台114及び/又は後ろ壁118をギャレー100から取り外す。
【0028】
例示的な一実施形態では、調理台114が、前縁142と後縁144との間で延在する。後ろ壁118は、後縁144に設けられている。調理台114は、後ろ壁118と垂直である。後ろ壁118は、ギャレー100の後壁124と平行であり且つ離隔している(例えば、後壁124の前方に配置されている)。後ろ壁118と後壁124との間の間隔は、後ろ壁118が展開及びクリアランス位置の間で移動されるときに変化する。例えば、ギャレーカート110が、下側及び上側カートコンパートメント106、108の間で移動することを可能にするためのスペースを提供するために、クリアランス位置では間隔が増加される。調理台114及び後ろ壁118の後ろでのギャレーカート110の移動を可能にするために、後縁144をギャレーカート110の前方に配置するよう、調理台114はクリアランス位置まで移動可能である。例えば、展開位置では、後縁144が、ギャレーカート110の前側の後方に配置されている(ギャレーカート110の後ろ側の後方に配置されてよい)。しかし、クリアランス位置では、後縁144が、ギャレーカート110の前側の前方に配置されている。それによって、調理台114は、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間でのギャレーカートの移動を邪魔しない。
【0029】
様々な実施形態では、調理台114が後ろ壁118に対して旋回することを可能とするために、調理台114が、ヒンジ146で後ろ壁118に結合されている。例えば、クリアランス位置まで引き出されると、調理台114は、上向きに折り畳まれてよく(図5)、又は概して鉛直配向に下向きに折り畳まれてよく、作業スペースの中に延在する調理台114の乗務員への影響を低減させる。
【0030】
クリアランス位置では、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間でのギャレーカート110の移動を可能にするために、調理台114及び後ろ壁118が、ギャレーカート110及び垂直輸送デバイス130に対してクリアランス(離れた)位置にある。調理台114及び後ろ壁118が、クリアランス位置まで前方に移動されたときに、開口部148が、調理台114及び後ろ壁118の後方に画定される。開口部148は、後ろ壁118と後壁124との間の空間によって画定される。開口部148は、ギャレーカート110が、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間で鉛直方向に移動することを可能にするようにサイズ決定される。例えば、開口部148は、ギャレーカート110の深さよりも大きい深さを有する。様々な実施形態では、クリアランス位置において、後ろ壁118が下側ドア158と整列している。それによって、開口部148は、下側カートコンパートメント106と少なくとも同じ深さである。
【0031】
様々な実施形態では、調理台114及び後ろ壁118が、複数の調理台セクション114’と複数の後ろ壁セクション118’とに区分けされてよい。複数の調理台セクション114’は、互いに対して移動可能であり、複数の後ろ壁セクション118’は、互いに対して移動可能である。図示される一実施形態では、調理台114及び後ろ壁118が、2つの調理台セクション114’及び2つの後ろ壁セクション118’に分割されるが、調理台114及び後ろ壁118は、対応するセクションを有する各ベイ134などの、より多い数のセクションに更に分割されてよい。複数のセクションは、単一の大きな調理台114及び後ろ壁118のユニットと比較して、展開及びクリアランス位置の間での作業並びに展開及びクリアランス位置の間での移動がより容易であってよい。
【0032】
図6は、ギャレーカート110及び垂直輸送デバイス130を示すために後壁124が除去された、例示的な一実施形態によるギャレー100の後面斜視図である。図7は、ベイ134のうちの1つを示す例示的な一実施形態によるギャレー100の一部分の後面斜視図である。
【0033】
ギャレー100は、ベイ134を形成するフレーム部材136を含む。フレーム部材136は、ギャレー100用のフレームワークを形成するように相互接続された垂直フレーム部材と水平フレーム部材とを含む。フレーム部材136は、L形状の部材、C形状の部材、T形状の部材、又は他の種類の金属フレーム部材などのような、金属フレーム部材であってよい。下側及び上側ドア158、178は、対応するフレーム部材136に取り付けられてよい。様々な実施形態では、垂直輸送デバイス130が、対応するフレーム部材136に結合される。壁102は、フレーム部材136に結合されてよい。
【0034】
後ろ壁118は、図6で、ギャレー100の後ろの近くに示されている。垂直接続チャンバ149が、後ろ壁118の後方に位置付けられている。垂直接続チャンバ149は、ギャレー作業スペース112の後ろに位置付けられている。垂直接続チャンバ149は、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108とを接続する。冷却システム40の構成要素が、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間で、垂直接続チャンバ149を通過してよい。垂直輸送デバイス130の構成要素が、垂直接続チャンバ149を通過する。後ろ壁118が、クリアランス位置まで前方に移動されるときに、垂直接続チャンバ149のサイズは、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間の開口部148(図7)を含むように増加する。調理台114は、展開位置において、ギャレーカート110による垂直接続チャンバ149へのアクセスをブロックする。後ろ壁118は、展開位置において、ギャレーカート110による垂直接続チャンバ149へのアクセスをブロックする。しかし、調理台114及び後ろ壁118は、クリアランス位置にあるときに、垂直接続チャンバ149をブロックしない。むしろ、垂直接続チャンバ149は、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間での、開口部を通って垂直接続チャンバ149に出入りするギャレーカート110の移動を可能にするために空いている。
【0035】
冷却システム40は、ギャレー100の上部において熱交換器42を含む。供給ダクト44は、熱交換器42から下側カートコンパートメント106まで延在する。供給ダクトは、冷たい空気をギャレーカート110に供給するために、下側カートコンパートメント106の下部まで延在してよい。冷たい空気は、エアオーバー(air-over)冷却によってギャレーカートを冷却する。空気は、対流によってギャレー100を通って移動する。例えば、使用される空気は、対流によって、下側カートコンパートメント106から上側カートコンパートメント108まで上向きに移動する。使用される空気を熱交換器42まで循環させるために、リターンダクト46が、上側カートコンパートメント108内に設けられている。代替的な実施形態では、供給ダクト44が、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との両方の中に設けられてよく、リターンダクト46が、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との両方の中に設けられてよい。代替的な実施形態では、複数のベイ134を冷却するために単一の熱交換器を有するなど、他の冷却システムが設けられてよい。
【0036】
例示的な一実施形態では、各ベイ134が、対応する垂直輸送デバイス130を有する。垂直輸送デバイス130は、トレイ132、及びトレイ132に動作可能に結合された垂直アクチュエータ200を含む。垂直アクチュエータ200は、トレイ132、したがってトレイ132内のギャレーカート110を、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間で鉛直方向に移動させる。様々な実施形態では、垂直アクチュエータ200が、ギャレーカート110の後ろに位置付けられている。他の様々な実施形態では、垂直アクチュエータ200が、隣接するギャレーカート110の間などの、ギャレーカート110の側部に位置付けられている。垂直アクチュエータ200は、単一のギャレーカート110を持ち上げてよい。代替的に、垂直アクチュエータ200は、複数のギャレーカート110を持ち上げてよい。様々な実施形態では、垂直アクチュエータ200が、モータ210、及びモータ210によって回転されるねじ付き駆動シャフト212を含む。モータ210は、ギャレー100に、例えばフレーム部材136などに取り付けられている。キャリッジ214が、ねじ付き駆動シャフト212に結合され、ねじ付き駆動シャフト212に沿って移動可能である。キャリッジ214は、トレイ132に結合されており、トレイ132を移動させ、ギャレーカート110を上げ下げする。ねじ付き駆動シャフト212の回転は、ねじ付き駆動シャフト212に沿ったキャリッジ214の鉛直方向の移動をもたらす。ねじ付き駆動シャフト212の回転の方向は、上向きか又は下向きかのいずれかに、キャリッジ214、したがってトレイ132及びギャレーカート110を移動させる。代替的な実施形態では、ウインチ、チェーン、ベルトなどの、他の種類の垂直アクチュエータが使用されてよい。
【0037】
図8は、垂直輸送デバイス130を示す例示的な一実施形態によるギャレー100の一部分の後面斜視図である。トレイ132は、トレイ132の後部にブラケット220を含む。上側ローラー222及び下側ローラー224が、ブラケット220に取り付けられて、フレーム部材136に沿ったトレイ132の移動をガイドする。キャリッジ214は、ねじ付き駆動シャフト212に沿ったキャリッジ214の位置を制御するために、ねじ付き駆動シャフト212に結合されたナット216を含む。
【0038】
図9は、例示的な一実施形態による垂直輸送デバイス130を示すギャレー100の一部分の後面斜視図である。図10は、例示的な一実施形態による垂直輸送デバイス130を示すギャレー100の一部分の拡大後面斜視図である。図示される一実施形態では、垂直アクチュエータ200のモータ210が、トレイ132に結合されている。ねじ付き駆動シャフト212は、静的であり回転しない。モータ210は、ねじ付き駆動シャフト212と相互作用するギア付きモータであり、ねじ付き駆動シャフト212に沿って上昇下降する。例えば、ナットギアがモータ210によって回転されて、ナットギアが回転されるときに、モータ210がねじ付き駆動シャフト212に沿って移動する。キャタピラ電気ケーブルなどの電力ケーブル218が、モータ210に結合されている。電力ケーブル218は、可撓性であり、トレイ132と共に移動する。
【0039】
図11は、例示的な一実施形態による垂直輸送デバイス130を示すギャレー100の一部分の後面斜視図である。図12は、例示的な一実施形態による垂直輸送デバイス130を示すギャレー100の一部分の拡大後面斜視図である。図示される一実施形態では、垂直輸送デバイス130が、ウインチ230及びウインチケーブル232を含む。ウインチ230は、ギャレー100に、例えばギャレー100の上部などのフレーム部材136に取り付けられている。ウインチケーブル232は、トレイ132に結合されている。ウインチ230は、トレイ132を上下に引っ張るために、ウインチケーブル232を巻き上げるか又は解放するように動作される。
【0040】
図13は、例示的な一実施形態による垂直輸送デバイス130を示すギャレー100の一部分の後面斜視図である。図14は、例示的な一実施形態による垂直輸送デバイス130を示すギャレー100の一部分の拡大後面斜視図である。図示される一実施形態では、ウインチ230が、トレイ132に取り付けられている。ウインチケーブル232の遠位端は、ギャレー100の上部などにおいてフレーム部材136に取り付けられている。ウインチ230は、トレイ132を上下に引っ張るように動作される。電気ケーブル234が、ウインチ230に電力供給するために、ウインチ230に結合されている。
【0041】
図15は、例示的な一実施形態によるギャレー100の一部分の側面図である。図16は、例示的な一実施形態によるギャレー100の一部分の側面図である。図示される一実施形態では、ギャレー100が、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との両方において、ギャレーカート110の2つの列を有する二重深度ギャレーである。下側カートコンパートメント106は、下側後壁156と下側ドア158との間で前から後ろに重ねられた2つの列に、ギャレーカート110を受け入れるように構成された二重深度コンパートメントである。上側カートコンパートメント108は、上側後壁176と上側ドア178との間で前から後ろに重ねられた2つの列に、ギャレーカート110を受け入れるように構成された二重深度コンパートメントである。垂直アクチュエータが、ギャレーカートの各々向けに設けられてよい。代替的に、各垂直アクチュエータが、複数のギャレーカートを持ち上げるために使用されてよい。調理台は、ギャレーカート110の両方の列をカバーする二重深度調理台であってよい。調理台は、調理台が半分に折り畳まれることを可能にするために、中間にヒンジセクションを有してよい。図15は、展開位置にある調理台114及び後ろ壁118を示している。図16は、クリアランス位置にある調理台114及び後ろ壁118を示しており、下側カートコンパートメント106と上側カートコンパートメント108との間でのギャレーカート110の鉛直方向の移動を可能にする開口部144を示している。他の様々な実施形態では、二重深度ギャレーよりもむしろ、ギャレー100が、フル深度ギャレーカート及び半分深度ギャレーカートを受け入れるように構成された1.5深度ギャレーであってよい。
【0042】
本開示による更なる例示的且つ非排他的な実施例が、以下の段落で説明される。
【0043】
本開示による一実施例では、航空機(10)のギャレー(100)内にギャレーカート(110)を収納するためのギャレーカート収納システム(104)が、ギャレーカート(110)のうちの第1のギャレーカートを受け入れるように構成された下側ギャレーカートキャビティ(150)を画定する下側カートコンパートメント(106)、下側カートコンパートメント(106)の上方に位置付けられた上側カートコンパートメント(108)であって、ギャレーカート(110)のうちの第2のギャレーカートを受け入れるように構成された上側ギャレーカートキャビティ(170)を画定する上側カートコンパートメント(108)、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で第2のギャレーカートを移動させるために、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で延在する垂直輸送デバイス(130)、及び、下側カートコンパートメント(106)の上方に位置付けられ、上側カートコンパートメント(108)の下方に位置付けられた作業スペース空間(116)を有するギャレー作業スペース(112)を備え、ギャレー作業スペース(112)は、調理台(114)を有し、調理台(114)は展開位置とクリアランス位置との間で移動可能であり、調理台(114)は、展開位置で、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間での第2のギャレーカートの移動をブロックするように、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間に位置付けられ、調理台(114)は、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間での第2のギャレーカートの移動を可能にするために、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で開口部(148)を形成するようクリアランス位置へ移動される。
【0044】
任意選択的に、前述の段落のギャレーカート収納システム(104)では、調理台(114)が、展開位置で、下側カートコンパートメント(106)及び上側カートコンパートメント(108)と鉛直軸に沿って整列し、調理台(114)は、クリアランス位置で、下側カートコンパートメント(106)及び上側カートコンパートメント(108)からオフセットされている。
【0045】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、調理台(114)が、前縁(142)及び後縁(144)を含み、後縁(144)は、展開位置で、ギャレーカート(110)の後方に配置され、後縁(144)は、クリアランス位置で、ギャレーカート(110)の前方に配置される。
【0046】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、調理台(114)が、開口部を形成するために、展開位置からクリアランス位置へ水平摺動方向に移動可能である。
【0047】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、ギャレー作業スペース(112)が、ギャレー作業スペース(112)の後ろに後ろ壁(118)を含み、後ろ壁(118)は、展開位置とクリアランス位置との間で調理台(114)と共に移動可能であり、垂直輸送デバイス(130)は、後ろ壁(118)の後ろで、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で第2のギャレーカートを移動させるように構成されている。
【0048】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、調理台(114)が、互いから独立して移動可能な調理台(114)セクションに区分けされている。
【0049】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、調理台(114)が、調理台(114)の縁部においてヒンジ(146)を含み、調理台(114)は、ヒンジ(146)において旋回可能である。
【0050】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、下側カートコンパートメント(106)が第1の幅を有し、上側カートコンパートメント(108)が第1の幅よりも狭い第2の幅を有し、下側カートコンパートメント(106)は、上側カートコンパートメント(108)よりも多い数のギャレーカート(110)を保持するように構成されている。
【0051】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、下側ギャレーカートキャビティ(150)が、複数のギャレーカート(110)を受け入れるように構成され、上側ギャレーカートキャビティ(170)は、複数のギャレーカート(110)を受け入れるように構成されている。
【0052】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、下側ギャレーカートキャビティ(150)が、下側左側壁(152)、下側右側壁(154)、及び下側後壁(156)によって画定され、上側ギャレーカートキャビティ(170)は、上側左側壁(172)、上側右側壁(174)、及び上側後壁(176)によって画定されている。
【0053】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、垂直輸送デバイス(130)が、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で対応するギャレーカート(110)を移動させるために、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で延在する複数の垂直輸送デバイス(130)のうちの1つである。
【0054】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、垂直輸送デバイス(130)が、トラック、及びトラックに沿って移動可能なキャリッジ(214)を含み、キャリッジ(214)は、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で第2のギャレーカートを移動させるように、トラックに沿って移動可能である。
【0055】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)は、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間の垂直接続チャンバ(149)を更に備え、調理台(114)は、展開位置で、垂直接続チャンバ(149)へのアクセスをブロックし、調理台(114)は、クリアランス位置で、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で、垂直接続チャンバ(149)内での第2のギャレーカートの移動を可能にするために、垂直接続チャンバ(149)をブロックしない。
【0056】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、下側カートコンパートメント(106)が、下側後壁(156)と下側ドア(158)との間に2つの列のギャレーカート(110)を受け入れるように構成された二重深度コンパートメントであり、上側カートコンパートメント(108)は、上側後壁(176)と上側ドア(178)との間に2つの列のギャレーカート(110)を受け入れるように構成された二重深度コンパートメントである。
【0057】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、下側カートコンパートメント(106)が、下側ギャレーカートキャビティ(150)を閉じるために、下側カートコンパートメント(106)の前部(160)において下側ドア(158)を含み、下側ドア(158)は、下側ギャレーカートキャビティ(150)へのアクセスを提供するために、ギャレー(100)に対して開き、上側カートコンパートメント(108)は、上側ギャレーカートキャビティ(170)を閉じるために、上側カートコンパートメント(108)の前部(180)において上側ドア(178)を含み、上側ドア(178)は、上側ギャレーカートキャビティ(170)へのアクセスを提供するために、ギャレー(100)に対して開く。
【0058】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つのギャレーカート収納システム(104)では、上側ギャレーカートキャビティの上部が、ギャレー(100)のフロアから最大で2.6メートルであるような高さにおいて、上側ギャレーカートキャビティが、ギャレー内に配置されている。
【0059】
本開示による別の一実施例では、航空機が、キャビンフロアを有するキャビンであって、航空機の最上部にキャビン天井を有するキャビン、並びに、キャビン内のギャレー(100)であって、第1の側壁、第2の側壁、及び第1の側壁と第2の側壁との間で延在する後壁を含む複数の壁(102)であって、第2の側壁は第1の側壁の反対側である、複数の壁(102)を含む、ギャレー(100)を備え、ギャレー(100)は、後壁の反対側の前部を有し、第1の側壁、第2の側壁、後壁、及び前部によって画定されるギャレー(100)設置面積を有し、ギャレーカートを収納するためのギャレーカート収納システム(104)を含み、ギャレーカート収納システム(104)は、ギャレーカートのうちの第1のギャレーカートを受け入れるように構成された下側ギャレーカートキャビティを画定するギャレー設置面積内の下側カートコンパートメント(106)であって、下側ギャレーカートキャビティは、第1の側壁、第2の側壁、及び後壁によって画定され、下側カートコンパートメント(106)は、下側ギャレーカートキャビティを閉じるために、ギャレー(100)の前部において下側ドアを有し、下側ドアは、キャビン内から下側ギャレーカートキャビティへのアクセスを提供するために、キャビンに対して開く、下側カートコンパートメント(106)、ギャレーカートのうちの第2のギャレーカートを受け入れるように構成された上側ギャレーカートキャビティを画定するギャレー設置面積内の上側カートコンパートメント(108)であって、上側ギャレーカートキャビティは、第1の側壁、第2の側壁、及び後壁によって画定され、上側カートコンパートメント(108)は、上側ギャレーカートキャビティを閉じるために、ギャレー(100)の前部において上側ドアを有し、上側ドアは、キャビン内から上側ギャレーカートキャビティへのアクセスを提供するために、キャビンに対して開く、上側カートコンパートメント(108)、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメントとの間で第2のギャレーカートを移動させるために、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で延在する垂直輸送デバイス、及び、下側カートコンパートメント(106)の上方に位置付けられ、上側カートコンパートメントの下方に位置付けられた、ギャレー設置面積内の作業スペース空間(116)を有するギャレー作業スペース(112)を備え、ギャレー作業スペース(112)は、調理台(114)を有し、調理台(114)は展開位置とクリアランス位置との間で移動可能であり、調理台(114)は、展開位置で、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間での第2のギャレーカートの移動をブロックするように、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間に位置付けられ、調理台(114)は、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間での第2のギャレーカートの移動を可能にするために、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメントとの間で開口部を形成するようクリアランス位置へ移動される。
【0060】
任意選択的に、前述の段落の航空機では、下側カートコンパートメント(106)が第1の幅を有し、上側カートコンパートメント(108)が第1の幅よりも狭い第2の幅を有し、下側カートコンパートメント(106)は、上側カートコンパートメントよりも多い数のギャレーカートを保持するように構成されている。
【0061】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つの航空機は、冷却された気流を生成する熱交換器を有するギャレー冷却システムを更に備え、ギャレー冷却システムは、熱交換器と下側カートコンパートメント(106)との間で延在する下側供給ダクト、及び、熱交換器と上側カートコンパートメントとの間で延在する上側リターンダクトを含む。
【0062】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つの航空機では、調理台(114)が、展開位置で、下側カートコンパートメント(106)及び上側カートコンパートメント(108)と鉛直軸に沿って整列し、調理台(114)は、クリアランス位置で、下側カートコンパートメント(106)及び上側カートコンパートメント(108)からオフセットされている。
【0063】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つの航空機では、調理台(114)が、前縁(142)及び後縁を含み、後縁は、展開位置で後壁から第1の距離に配置され、後縁は、クリアランス位置で後壁から第2の距離に配置され、第2の距離は第1の距離よりも長い。
【0064】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つの航空機では、ギャレー作業スペース(112)が、ギャレー作業スペース(112)の後ろに後ろ壁(118)を含み、後ろ壁(118)は、ギャレー(100)の後壁と平行であり且つ後壁から離隔し、後ろ壁(118)は、後ろ壁(118)と後壁との間の間隔を変更するために、展開位置とクリアランス位置との間で調理台(114)と共に移動可能であり、垂直輸送デバイスは、後壁とクリアランス位置にある後ろ壁(118)との間で、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間で第2のギャレーカートを移動させるように構成されている。
【0065】
本開示による別の一実施例では、航空機のギャレー(100)内にギャレーカートを収納する方法が、ギャレー作業スペース(112)の調理台(114)の下方の下側カートコンパートメント(106)の下側ギャレーカートキャビティ内にギャレーカートを配置すること、ギャレー作業スペース(112)の上方の上側カートコンパートメント(108)の上側ギャレーカートキャビティ内にギャレーカートを配置すること、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメントとの間で開口部を形成するために、調理台(114)を展開位置からクリアランス位置に移動させること、及び、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメントとの間で延在する垂直輸送デバイスを使用して、開口部を通して概して鉛直方向に、上側カートコンパートメント(108)と下側カートコンパートメント(106)との間でギャレーカートを移動させることを含む。
【0066】
任意選択的に、前述の段落の方法では、調理台(114)を前記移動させることが、調理台(114)を水平摺動方向に摺動させることを含む。
【0067】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つの方法では、調理台(114)を前記移動させることが、展開位置とクリアランス位置との間で、ギャレー作業スペース(112)の後ろ壁(118)を調理台(114)と共に移動させることを更に含み、ギャレーカートを前記移動させることは、後ろ壁(118)の後ろで、下側カートコンパートメント(106)と上側カートコンパートメント(108)との間でギャレーカートを移動させることを含む。
【0068】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つの方法は、ギャレー(100)内から上側ギャレーカートキャビティ内のギャレーカート内の食品と飲料とのうちの少なくとも一方にアクセスすることを更に含む。
【0069】
任意選択的に、前述の段落のうちの1つの方法は、上側ギャレーカートキャビティ内のギャレーカートにアクセスするために、上側カートコンパートメント(108)の上側ドア(178)を開くことを更に含む。
【0070】
上記の説明は、限定ではなく、例示を意図するものであることを理解するべきである。例えば、上述の実施形態(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、様々な実施形態の範囲から逸脱することなく特定の状況または材料を様々な実施形態の教示に適応させるために、多数の改変が加えられ得る。本明細書で説明している寸法、材料の種類、様々な構成要素の配向、並びに、様々な構成要素の数及び位置は、一定の実施形態のパラメータを規定することを意図しており、決して限定するものではなく、例示的な実施形態に過ぎない。特許請求の本質及び範囲に含まれる多くの他の実施形態及び改変は、上記の説明を読むことによって、当業者にとって明らかになるであろう。したがって、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、及びこうした特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲を参照して、決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこにおいて(in which)」という用語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という用語の、明白な同義語として使用される。更に、以下の特許請求の範囲では、「第1の」「第2の」、及び「第3の」などの表現は、単なる標識として使用されるものであり、それらの対象物の数値的要件を課すことを意図していない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で記述されておらず、こうした特許請求の範囲の限定が、「のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用せず、更なる構造を持たない機能の記述がそれに続かない限り、米国特許法第112条、段落(f)に基づいて解釈されることを意図していない。
図1
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【外国語明細書】