IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイブイエックス コーポレイションの特許一覧

特開2022-184839円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ
<>
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図1
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図2
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図3
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図4
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図5A
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図5B
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図5C
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図6A
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図6B
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図6C
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図7
  • 特開-円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184839
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】円盤状コンデンサを備える同軸RFフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/202 20060101AFI20221206BHJP
   H01P 1/205 20060101ALI20221206BHJP
   H03H 7/075 20060101ALI20221206BHJP
   H01F 17/02 20060101ALI20221206BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01P1/202
H01P1/205 J
H03H7/075 A
H01F17/02
H01F27/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022131798
(22)【出願日】2022-08-22
(62)【分割の表示】P 2020509463の分割
【原出願日】2018-08-14
(31)【優先権主張番号】62/547,533
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】スミス,デビッド・エム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】他のフィルタ装置よりも小さいフォームファクタで実現し、パターン形成された導電線を備えるインダクタの実装により、単位長さあたりでより高いインダクタンスを実現するフィルタ装置を提供する。
【解決手段】外殻と、第1の円盤状コンデンサ120Aと、第2の円盤状コンデンサ120Bと、インダクタとを少なくとも備えるフィルタ装置100であって、外殻は、積層方向に細長い。第1の円盤状コンデンサ及び第2の円盤状コンデンサは、外殻内に配設される。第1の円盤状コンデンサは、積層方向に沿って第2の円盤状コンデンサの上に積層されている。インダクタは、外殻内に配設される第1のパターン形成された導電線を備える。第1のパターン形成された導電線は、第1の円盤状コンデンサと第2の円盤状コンデンサの間に結合される。第1のパターン形成された導電線は、積層方向を横切る巻き方向に巻かれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層方向に細長い外殻と、
前記外殻内の第1の円盤状コンデンサと、
前記外殻内の第2の円盤状コンデンサであって、前記第1の円盤状コンデンサが前記積層方向に沿って前記第2の円盤状コンデンサの上に積層されている第2の円盤状コンデンサと、
前記外殻内の第1のパターン形成された導電線を備えたインダクタであって、前記第1のパターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの間に結合され、前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向を横切る巻き方向に巻かれるインダクタと
を備えるフィルタ装置。
【請求項2】
前記第1の円盤状コンデンサは、前記積層方向に沿った第1の筒状を有する第1の電極と、前記積層方向に沿った第2の筒状を有する第2の電極とを備え、前記第2の電極の断面は、前記第1の電極の断面を囲む、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記第1の円盤状コンデンサおよび前記第2の円盤状コンデンサは、多層セラミックコンデンサである、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記第1のパターン形成された導電線は、液晶ポリマー、窒化アルミニウム、およびセラミックの少なくとも1つで構成される本体上に形成される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向に沿った筒状を有する本体上に形成される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが増加している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが減少している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記第1のパターン形成された導電線は、本体上に形成され、前記本体は、前記積層方向に直交する第1の断面と、前記積層方向に直交する第2の断面と、前記積層方向に直交する第3の断面とを有し、前記第1の断面は前記第2の断面よりも前記第1の円盤状コンデンサに近く、前記第3の断面は前記第2の断面よりも前記第2の円盤状コンデンサに近い、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも大きく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも大きい、請求項8に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも小さく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも小さい、請求項8に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
前記外殻内の第3の円盤状コンデンサと、
前記外殻内の第2のパターン形成された導電線を備える第2のインダクタであって、前記第2のパターン形成された導電線は前記第2の円盤状コンデンサと前記第3の円盤状コンデンサの間に結合される、第2のインダクタと
をさらに備える、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
前記外殻は、微細研磨された銅で構成される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
積層方向に細長い外殻と、
電気信号入力ポートと、
電気信号出力ポートと、
前記電気信号入力ポートと前記電気信号出力ポートの間に結合された前記外殻内の第1の円盤状コンデンサと、
前記第1の円盤状コンデンサと前記電気信号出力ポートの間に結合された前記外殻内の第2の円盤状コンデンサと、
前記外殻内のパターン形成された導電線と、を備え、前記パターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの間に結合され、前記パターン形成された導電線は、前記積層方向を横切る巻き方向に巻かれる、フィルタ装置。
【請求項14】
前記第1の円盤状コンデンサは、前記積層方向に沿った第1の筒状を有する第1の電極と、前記積層方向に沿った第2の筒状を有する第2の電極とを備え、前記第2の電極の断面は、前記第1の電極の断面を囲む、請求項13に記載のフィルタ装置。
【請求項15】
前記パターン形成された導電線は、前記積層方向に沿った筒状を有する本体上に形成される、請求項13に記載のフィルタ装置。
【請求項16】
前記パターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが増加している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、請求項13に記載のフィルタ装置。
【請求項17】
前記パターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが減少している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、請求項13に記載のフィルタ装置。
【請求項18】
前記パターン形成された導電線は、本体上に形成され、前記本体は、前記積層方向に直交する第1の断面と、前記積層方向に直交する第2の断面と、前記積層方向に直交する第3の断面とを有し、前記第1の断面は前記第2の断面よりも前記第1の円盤状コンデンサに近く、前記第3の断面は前記第2の断面よりも前記第2の円盤状コンデンサに近い、請求項13に記載のフィルタ装置。
【請求項19】
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも大きく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも大きい、請求項18に記載のフィルタ装置。
【請求項20】
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも小さく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも小さい、請求項18に記載のフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2017年8月18日に出願した米国仮特許出願第62/547,533号の優先権を主張するものであり、その開示全体は、いずれかのおよび全ての目的のために全体として参照により本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]以下の説明は、読者の理解を助けるために与えられる。所与の情報または参考文献のいずれも先行技術と認められない。
【0003】
[0003]無線周波(RF)フィルタ装置は、入力信号の帯域外部分を抑制し、入力信号の帯域内部分を通過または増幅させる構成部品である。帯域内部分は、RFフィルタ装置の帯域内周波数に対応し、帯域外部分は、帯域外周波数に対応する。帯域外部分を抑制することによって、この帯域内部分は、さらなる信号処理またはテストのためにより良く解析され得る。例えば、RFフィルタ装置が、不要な高調波または雑音を抑制するために、通信システムの2つの装置(例えば、アンテナ、低雑音増幅器、混合器、電力増幅器、ベースバンド回路など)間で接続され得る。別の例については、ある周波数帯域で通信システムの出力をテストするために、RFフィルタ装置が、テスト用装置(例えば、スペクトルアナライザ、ネットワークアナライザなど)と通信システムの間に接続され得る。
【0004】
[0004]一部のRFフィルタ装置は、インダクタおよびコンデンサなどの回路構成部品を備える。インダクタおよびコンデンサは、寄生インダクタンス、寄生容量、寄生抵抗などの寄生要素を有し得る。寄生要素は、インダクタのインダクタンスまたはコンデンサの静電容量を減少または増加させ得る。変更されたインダクタンスまたは静電容量により、RFフィルタ装置の帯域内周波数は、目標周波数帯域から逸脱し得る。RFフィルタ装置の帯域内周波数を目標周波数帯に調整することは、回路構成部品のいくつかを調節すること、さらなる回路構成部品を追加すること、または両方を含む。加えて、寄生要素は、回路構成部品のQ値(quality factor)を減少させることがある。寄生要素によるQ値の損失を補償するために、回路構成部品の物理的寸法は、増大させられ得る。
【0005】
[0005]したがって、一部のRFフィルタ装置の物理的寸法は帯域内周波数を調整するために加えられる追加の構成部品により増大し、または回路構成部品の物理的寸法はQ値の損失を補償するために増大する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]外殻と、第1の円盤状コンデンサ(discoidal capacitor)と、第2の円盤状コンデンサと、インダクタとを少なくとも備えるフィルタ装置が開示されている。外殻は、積層方向に細長い。第1の円盤状コンデンサおよび第2の円盤状コンデンサは、外殻内に配設され、第1の円盤状コンデンサは、積層方向に沿って第2の円盤状コンデンサの上に積層されている。インダクタは、外殻内に配設される第1のパターン形成された導電線(patterned conductive line)を備える。第1のパターン形成された導電線は、第1の円盤状コンデンサと第2の円盤状コンデンサの間に結合される。第1のパターン形成された導電線は、積層方向を横切る巻き方向に巻かれる。
【0007】
[0007]1つまたは複数の実施形態では、第1の円盤状コンデンサは、積層方向に沿った第1の筒状を有する第1の電極と、積層方向に沿った第2の筒状を有する第2の電極とを備える。第2の電極の断面は、第1の電極の断面を囲むことができる。
【0008】
[0008]1つまたは複数の実施形態では、第1の円盤状コンデンサおよび第2の円盤状コンデンサは、多層セラミックコンデンサである。
【0009】
[0009]1つまたは複数の実施形態では、第1のパターン形成された導電線は、液晶ポリマー、窒化アルミニウム、およびセラミックの少なくとも1つで構成される本体上に形成される。
【0010】
[0010]1つまたは複数の実施形態では、第1のパターン形成された導電線は、積層方向に沿った筒状を有する本体上に形成される。
【0011】
[0011]1つまたは複数の実施形態では、第1のパターン形成された導電線は、積層方向に沿って高さが増加している本体上に形成され、高さは、積層方向に直交する方向に測定される。
【0012】
[0012]1つまたは複数の実施形態では、第1のパターン形成された導電線は、積層方向に沿って高さが減少している本体上に形成され、高さは、積層方向に直交する方向に測定される。
【0013】
[0013]1つまたは複数の実施形態では、第1のパターン形成された導電線は、本体上に形成される。本体は、積層方向に直交する第1の断面と、積層方向に直交する第2の断面と、積層方向に直交する第3の断面とを有することができる。第1の断面は、第2の断面よりも第1の円盤状コンデンサに近くすることができ、第3の断面は、第2の断面よりも第2の円盤状コンデンサに近くすることができる。
【0014】
[0014]1つまたは複数の実施形態では、積層方向に直交する第1の断面の第1の高さは、積層方向に直交する第2の断面の第2の高さよりも大きくすることができ、積層方向に直交する第3の断面の第3の高さは、第2の高さよりも大きくすることができる。
【0015】
[0015]1つまたは複数の実施形態では、積層方向に直交する第1の断面の第1の高さは、積層方向に直交する第2の断面の第2の高さよりも小さくすることができ、積層方向に直交する第3の断面の第3の高さは、第2の高さよりも小さくすることができる。
【0016】
[0016]前述の概要は例示であり、いずれにしても限定であることは意図されていない。上記の例示の態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】[0017]例示的実施形態による円盤状コンデンサとパターン形成された導電線とを備える同軸RFフィルタ装置の平面図である。
図2】[0018]例示的実施形態による、図1の線A-A’に沿った円盤状コンデンサの断面図である。
図3】[0019]例示的実施形態による図1の同軸RFフィルタ装置の概略回路図である。
図4】[0020]別の例示的実施形態による円盤状コンデンサおよびパターン形成された導電線を備える同軸RFフィルタ装置の平面図である。
図5A】[0021]例示的実施形態による図4の線B-B’に沿った第1のインダクタの断面図である。
図5B】[0022]例示的実施形態による図4の線C-C’に沿った第1のインダクタの断面図である。
図5C】[0023]例示的実施形態による図4の線D-D’に沿った第1のインダクタの断面図である。
図6A】[0024]例示的実施形態による図4の線E-E’に沿った第2のインダクタの断面図である。
図6B】[0025]例示的実施形態による図4の線F-F’に沿った第2のインダクタの断面図である。
図6C】[0026]例示的実施形態による図4の線G-G’に沿った第2のインダクタの断面図である。
図7】[0027]例示的実施形態によるインダクタのパターン形成された導電線の平面図である。
図8】[0028]別の例示的実施形態によるインダクタのパターン形成された導電線の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0029]本開示の前述および他の特徴は、添付図面と併せて以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになろう。これらの図面が本開示によるいくつかの実施形態を示しており、したがってその範囲を限定するとみなされるべきではなく、本開示は、添付図面を使用することによってさらなる具体性および詳細で説明されることを理解されたい。
【0019】
[0030]以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付図面の参照がなされる。図面では、文脈上別段の指示がない限り、典型的には、同様の記号は、同様の構成部品を特定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的実施形態は、限定であることは意味されていない。本明細書中示された主題事項の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、他の変更は行われてもよい。本開示の態様は、本明細書中に概して説明されるとともに図に示されるとき、幅広い様々な構成で配置、置換、組み合わせ、および設計されてもよく、それらの全部は明示的に考慮され、本開示の一部をなすことは容易に理解されよう。
【0020】
[0031]パターン形成された導電線を備えたインダクタと、円盤状コンデンサとを実装するフィルタ装置が開示されている。1つまたは複数の実施形態では、フィルタ装置は、外殻と、第1の円盤状コンデンサと、第2の円盤状コンデンサと、インダクタとを少なくとも含む。外殻は、積層方向に細長い。第1の円盤状コンデンサおよび第2の円盤状コンデンサは、外殻内に配設され、第1の円盤状コンデンサは、積層方向に第2の円盤状コンデンサの上に積層されている。インダクタは、外殻内に配設される第1のパターン形成された導電線を備える。第1のパターン形成された導電線は、第1の円盤状コンデンサと第2の円盤状コンデンサの間に結合される。第1のパターン形成された導電線は、積層方向を横切る巻き方向に巻かれる。
【0021】
[0032]本明細書中のパターン形成された導電線は、金属(例えば、銅、金、銀等)などの硬質導電性材料で構成される導電線を指す。
【0022】
[0033]本開示のフィルタ装置は、他のフィルタ装置よりも小さいフォームファクタで実現することができるので有利である。特に、パターン形成された導電線を備えるインダクタの実装により、より高いインダクタンスが単位長さあたりで実現されることを可能にする。また、円盤状コンデンサの実装により、より高い静電容量が単位長さあたりで実現されることを可能にする。さらに、本開示のインダクタおよび円盤状コンデンサは、改善されたQ値、および低減された寄生要素を有することができる。したがって、インダクタおよびコンデンサの物理的寸法は、目標インダクタンス、静電容量、Q値、またはそれらの任意の組み合わせを実現するために減少させることができ、それによってフィルタ装置の全体的な物理的寸法が減少させられることを可能にする。
【0023】
同軸RFフィルタ装置の例
[0034]図1を参照すると、例示的実施形態による円盤状コンデンサおよびパターン形成された導電線を備えた(本明細書中で「フィルタ装置100」とも呼ばれる)同軸RFフィルタ装置100の平面図が示されている。フィルタ装置100は、外殻110と、ポート105、108と、コネクタ115、118と、円盤状コンデンサ120A、120B...120Eと、インダクタ130A、130B...130Dとを備える。これらの構成部品は、ポート105で入力信号を受信し、入力信号の帯域外部分を抑制して、ポート108で出力信号を生成するように共に動作する。他の実施形態では、フィルタ装置100は、図1に示されたものよりも多い、少ない、またはそれとは異なる構成部品を備える。
【0024】
[0035]ポート105、108は、フィルタ装置100および外部装置の各回路構成部品(例えば、円盤状コンデンサ120、およびインダクタ130)間のインタフェースである。ポート105は電気信号入力ポートとすることができ、ポート108は電気信号出力ポートとすることができる。代替として、ポート105は電気信号出力ポートであってもよく、ポート108は電気信号出力ポートであってもよい。外部装置の例は、テスト装置(例えば、スペクトルアナライザ、ネットワークアナライザなど)と、通信システムと、この通信システムの任意の装置(例えば、アンテナ、低雑音増幅器、混合器、電力増幅器、ベースバンド回路、など)と、それらの任意の組み合わせを含む。一実施では、(本明細書中で「積層方向」とも呼ばれる)x方向に、ポート105は外殻110の一端に結合され、ポート108は外殻110の別の端に結合される。ポート105、108は、導電性材料を備えることができ、SMAポート、SMPポート、U.FLポート、IPEXポート、IP AXポート、IPXポート、AMCポート、MHFポート、UMCCポート、TNCポート、MMCXポート、または任意のRFポートとして実施することができる。
【0025】
[0036]外殻110は、円盤状コンデンサ120およびインダクタ130などの回路構成部品を覆う。一実施では、外殻110は、x方向に細長い筒状を有する。外殻110は、微細研磨された(micro-polished)銅などの導電性材料として実現され得る。微細研磨された銅は、銅を微細研磨または電解研磨することによって得ることができる。銅を微細研磨することによって表皮深さ効果(skin-depth effect)の減少を可能にさせ、それによってフィルタ装置100の電気特性を強化する。微細研磨された銅 外殻110は、外殻110内の回路構成部品を外部湿気が損傷することを防ぐのを助ける。図1に示されるように、外殻110内で、円盤状コンデンサ120はx方向に沿って積層することができ、そこでは、インダクタ130が2つの対応する円盤状コンデンサ120の間に入れられる。具体的には、外殻110内で、インダクタ130Aは、円盤状コンデンサ120A、120Bの間に結合され、インダクタ130Bは、円盤状コンデンサ120B、120Cの間に結合され、インダクタ130Cは、円盤状コンデンサ120C、120Dの間に結合され、インダクタ130Dは、円盤状コンデンサ120D、120Eの間に結合される。
【0026】
[0037]コネクタ115、118は、ポート105、108をそれぞれ円盤状コンデンサ120A、120Eに電気的に結合する金物構成部品である。コネクタ115、118は、電導性ワイヤまたはトレース(trace)として実装されてもよい。一態様では、コネクタ115、118は、回路構成部品(例えば、円盤状コンデンサ、およびインダクタ130)と共に、ポート105で受信した入力信号の帯域外部分を抑制するように動作するインダクタであり得る。コネクタ115、118の長さおよびコネクタ115、118の材料は、適切な末端(例えば、50Ωまたは75Ωの末端)を与えるように決定することができる。
【0027】
[0038]各インダクタ130は、2つの対応する円盤状コンデンサ120の間に入れられる。各インダクタ130は、本体134と、この本体134に巻かれたパターン形成された導電線138とを含む。パターン形成された導電線138は、堆積プロセスまたはエッチングプロセスによって形成することができる。本体134は、x方向に沿って延びる筒状を有することができ、LCP、窒化アルミニウム、セラミック、または低誘電率および低誘電正接を有する任意の材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、本体134は、y方向に沿って変化する高さを有することができる。LCB、窒化アルミニウム、またはセラミックで本体134を実現することにより、パターン形成された導電線138が低誘電率を有する本体134の剛体面上に形成されることを可能にする。パターン形成された導電線138は、2つの対応する円盤状コンデンサ120間に結合され、x方向を横切る巻き方向に本体134上で巻かれる。いくつかの実施形態では、パターン形成された導電線138は、金属(例えば、銅、金、銀等)などの硬質材料で構成される。パターン形成された導電線138は、堆積またはエッチングプロセスによって本体134上にパターン形成することができる。有益には、本開示のインダクタは、本明細書中で開示されるように、本体134およびパターン形成された導電線138を実装することによって、(i)x方向に沿って単位長さあたりより高いインダクタンス、(ii)低減された寄生要素、および(iii)他のインダクタよりも高いQ値を実現することができる。また、例えば、他のインダクタのTeflon(テフロン)(登録商標)ロッド上に巻かれた可撓性ワイヤよりも、パターン形成された導電線138がより高い剛性であることにより、本開示のインダクタは、その特性の変化の影響を受けにくい。したがって、パッキングプロセス(packing process)中の可撓性ワイヤの調節またはさらなる回路構成部品の追加によるRFフィルタ100の帯域内周波数の調整が省略可能である。
【0028】
[0039]いくつかの実施形態では、異なるインダクタ130が、異なる構成で実現される。詳細には、インダクタ130A、130B、130C、130Dは、異なるQ値と共に異なるインダクタンスを実現するために、本体134の異なる寸法(例えば、x方向に沿った長さ、x方向に直角な断面の本体134の半径、またはそれらの組み合わせ)、本体134の異なる幾何学的形状、パターン形成された導電線138の異なる巻き数、x方向に対して異なる角度の巻き線、本体134もしくはパターン形成された導電線138のために実現される異なる材料、またはそれらの任意の組み合わせを有することができる。
【0029】
[0040]各円盤状コンデンサ120は、対応するインダクタ130を介してその隣接した円盤状コンデンサ120に結合される。一態様では、各円盤状コンデンサ120は、向き合うとともにx方向に沿って延びる2つの筒状電極を備える。電極は、電極の中間に誘電材料を備えた導電性材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、円盤状コンデンサ120は、多層セラミック円盤状コンデンサである。円盤状コンデンサ120の構造の詳細な説明は、図2に関して以下に示される。有益には、円盤状コンデンサ120は、向き合った筒状を有する2つの電極を実現することによって、(i)x方向に沿って単位長さあたりより高い静電容量、(ii)低減された寄生要素、および(iii)他のコンデンサよりも高いQ値を実現することができる。
【0030】
[0041]いくつかの実施形態では、異なる円盤状コンデンサ120は、異なる構成で実現される。詳細には、円盤状コンデンサ120A、120B、120C、120D、120Eは、異なるQ値で異なる静電容量を実現するために、x方向に沿った異なる長さ、x方向に直角な断面の電極の異なる半径、y方向に沿った電極の異なる厚さ、電極の異なる幾何学的形状、電極または誘電材料のために実現される異なる材料、またはそれらの任意の組み合わせを有することができる。
【0031】
[0042]図2を参照すると、例示的実施形態による図1の線A-A’に沿った円盤状コンデンサ120の断面図が示されている。いくつかの実施形態では、円盤状コンデンサ120の断面は、外側電極220と、内側電極230と、電極220、230間の空間と、内側電極230によって取り囲まれた空間235とを備える。他の実施形態では、円盤状コンデンサ120の断面は、図2に示されたものよりもより多い、より少ない、または異なる構成部品を含む。
【0032】
[0043]いくつかの実施形態では、外側電極220の断面は、内側電極230の断面を囲む。詳細には、厚さt1を有する内側電極230の断面は、中心点Cに対して第1の半径r1を有する円形形状を有することができる。厚さt2を有する外側電極220の断面は、中心点Cに対して第2の半径r2を有する円形形状を有することができ、ただし、第2の半径r2は、第1の半径r1よりも大きくすることができる。内側電極230と外側電極220の間の空間225は、誘電材料、多層セラミック、または空気で満たされてもよい。さらに、内側電極230の断面内の空間235は、誘電材料、多層セラミック、または空気で満たされてもよい。いくつかの実施形態では、電極220、230間の空間225は、多層セラミックコンデンサを形成するようにそれぞれの外部電極に交互に結合されている複数の交互配置電極プレートを備えることができる。この構成では、円盤状コンデンサの寄生インダクタンスが、例えば、2つの平行な平坦電極を有する他のコンデンサと比べて減少し得る。
【0033】
[0044]図3は、例示的実施形態による図1のフィルタ装置100の概略回路図300である。フィルタ装置100は、ノードごとに分路コンデンサを備えた交互順序のインダクタLsl、Ls2...Ls6、およびコンデンサCs1、Cs2...Cs5の直列接続としてモデル化することができる。一態様では、コンデンサCsl、Cs2...Cs5は、それぞれ円盤状コンデンサ120A、120B...120Eに対応することができるともに、インダクタLs1、Ls2...Ls6はそれぞれコネクタ115、インダクタ130A、130B、130C、130D、およびコネクタ118に対応することができる。分岐コンデンサCpl1、Cpl2、Cp21...Cp52は、インダクタおよびコンデンサの寄生静電容量を対応するノードで組み込むことができる。図2に概略的に示されるように、インダクタLsl、Ls2...Ls6、およびコンデンサCsl、Cs2...Cs5の直列悦族を交互順序で実現することによって、フィルタ装置100は、例えば、1GHzから6GHzの間で、帯域内周波数でバンドパスフィルタとして動作することができる。
【0034】
[0045]図4は、別の例示的実施形態による円盤状コンデンサおよびパターン形成された導電線を備えるフィルタ装置400の平面図である。図4のフィルタ装置400は、図1のインダクタ130A、130B、130C、130Dが変化する高さを有するインダクタ430A、430B、430C、430Dで置き換えられることを除いて、図1のフィルタ装置100と同様である。したがって、その重複する内容の詳細な説明は、簡潔にするために本明細書では省略される。他の実施形態では、フィルタ装置400は、図4に示されたものよりもより多い、より少ない、または異なる構成部品を含む。
【0035】
[0046]いくつかの実施形態では、各インダクタ430は、x方向に沿って非均一な外形を備える本体434と、本体434上に巻かれたパターン形成された導電線とを有する。具体的には、各本体434は、X軸に沿って変化する高さhを有し、ただし、本体434の高さhは、x方向に直交するy方向に測定される。例えば、インダクタ430の高さhは、x方向に沿って増加または減少することができる。一態様では、インダクタ430A、430B、430Dの本体は、凹形状を有し、インダクタ430Cの本体は、凸形状を有する。本体434の変化する高さhは、インダクタ430のQ値Qを可能にする。非均一な外形を備えたインダクタ430の実現により、各インダクタは、図1に示されるような均一な外形またはソレノイド形状を有するインダクタと比べて、より小さいフォームファクタ(例えば、x方向に沿ってより小さい長さ)で実現されることが可能になる。
【0036】
[0047]図5Aから図5Cは、インダクタ430Cの変化する高さをより良く示すように図4の線B-B’、線C-C’、D-D’に沿ったインダクタ430Cの断面500A、500B、500Cを示す。
【0037】
[0048]図5Aでは、図4の線B-B’に沿ったインダクタ430Cの断面500Aが示されている。一実施では、本体510Aの断面は、高さh1(または直径)を備える円形形状を有し、そこにはパターン形成された導電線505Aが本体510A上に配設されている。本体510Aは、図4のインダクタ430Cの本体434とすることができ、パターン形成された導電線505Aは、図4のインダクタ430Cのパターン形成された導電線438であり得る。パターン形成された導電線505Aの断面は、楕円形を有することができる。他の実施形態では、パターン形成された導電線505Aの断面は、異なる形状(例えば、平坦形状、円形形状、湾曲形状、多角形形状、またはそれらの任意の組み合わせ)を有することができる。
【0038】
[0049]図5Bでは、図4の線C-C’に沿ったインダクタ430Cの断面500Bが示されている。インダクタ430Cの断面500Bは、 本体510Bの断面が本体510Aの断面の高さh1よりも大きい高さh2(または直径)を有する円形形状を有することを除いて、図5Aに示されたインダクタ430Cの断面500Aと同様である。
【0039】
[0050]図5Cでは、図4の線D-D’に沿ったインダクタ430Cの断面500Cが示されている。インダクタ430Cの断面500Cは、本体510Cの断面が本体510Bの断面の高さh2よりも小さい高さh3(または直径)を有する円形形状を有することを除いて、図5Aに示されたインダクタ430Cの断面500Aと同様である。高さh3は、本体510Aの断面の高さh1と同じであってもよくまたはそれとは異なってもよい。
【0040】
[0051]一態様では、インダクタ430Cの断面500Bは、インダクタ430Cの断面500Aよりも円盤状コンデンサ120Dに近く、インダクタ430Cの断面500Cは、インダクタ430Cの断面500Bよりも円盤状コンデンサ120Dに近い。したがって、インダクタ430Cの高さは、x方向に沿って、円盤状コンデンサ120Cの一端から円盤状コンデンサ120C、120D間の点に向かって増加し、次いでこの点から円盤状コンデンサ120Dの一端向かって減少して、例えば凸形状を形成する。
【0041】
[0052]図6Aから図6Cは、インダクタ430Dの変化する高さをより良く示すために、図4の線E-E’、F-F’、G-G’に沿ったインダクタ430Dの断面600A、600B、600Cを示す。
【0042】
[0053]図6Aでは、図4の線E-E’に沿ったインダクタ430Dの断面600Aが示されている。一実施では、本体610Aの断面は、高さh4(または直径)を有する円形形状を有し、そこでパターン形成された導電線605Aは、本体610A上に配設される。本体610Aは、図4インダクタ430Dの本体434とすることができ、パターン形成された導電線605Aは、図4のインダクタ430Dのパターン形成された導電線438とすることができる。
【0043】
[0054]図6Bでは、図4の線F-F’に沿ったインダクタ430D断面600Bが示されている。インダクタ430Dの断面600Bは、本体610Bの断面が本体610Aの断面の高さh4よりも小さい高さh5(または直径)を有する円形形状を有するのを除いて、図6Aに示されたインダクタ430Dの断面600Aに類似する。
【0044】
[0055]図6Cでは、図4の線G-G’に沿ったインダクタ430Dの断面600Cが示されている。インダクタ430Dの断面600Cは、本体610Cの断面が本体610Bの断面の高さh5よりも大きい高さh6(または直径)を備えた円形形状を有することを除いて、図6Aに示されたインダクタ430Dの断面600Aと同様である。高さh6は、本体610Aの断面の高さh4と同じでも異なってもよい。
【0045】
[0056]一構成では、インダクタ430Dの断面600Bは、インダクタ430Dの断面600Aよりも円盤状コンデンサ120Eに近く、インダクタ430Dの断面600Cは、インダクタ430Dの断面600Bよりも円盤状コンデンサ120Eに近い。したがって、インダクタ430Dの高さは、x方向に沿って円盤状コンデンサ120Dの一端から円盤状コンデンサ120D、120E間の点に向かって減少し、次いでこの点から円盤状コンデンサ120Eの一端に向かって増加して、例えば凹形状を形成する。
【0046】
[0057]図7は、例示的実施形態によるインダクタのパターン形成された導電線700の平面図である。パターン形成された導電線700は、フェルマーの螺旋状(Fermat’s spiral shape)を有する。パターン形成された導電線700は、図4のインダクタ430Dのパターン形成された導電線438であり得る。一手法では、パターン形成された導電線700は、以下の式に従って形成することができる。
【0047】
【数1】
【0048】
ただし、Zは、z方向に従った座標であり、Yは、y方向に従った座標であり、Xは、x方向に従った座標であり、αは、定数である。
【0049】
[0058]図8は、別の例示的実施形態によるインダクタのパターン形成された導電線800の斜視図である。パターン形成された導電線800は、円錐螺旋形状を有する。一手法では、パターン形成された導電線800は、以下の式に従って形成することができる。
【0050】
【数2】
【0051】
ただし、Xは、x方向に従った座標であり、Yは、y方向に従った座標であり、Zは、z方向に従った座標であり、hは、y方向に沿ったインダクタの最大高さであり、αは、定数である。
【0052】
[0059]本明細書中に記載された主題事項は、異なる構成部品であって、他の異なる構成部品内に収容された、または他の異なる構成部品と接続された異なる構成部品を示す場合がある。そのように示されたアーキテクチャは、例示にすぎず、実際には、同じ機能を実現する他の多くのアーキテクチャが実施され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を実現するための構成部品の任意の配置は、所望の機能が実現されるように有効に「関連」している。したがって、特定の機能を実現するために本明細書中で組み合わされる任意の2つの構成部品は、アーキテクチャまたは中間構成部品に関わらず、所望の機能が実現されるように互いに「関連」していると見ることができる。同様に、そのように関連した任意の2つの構成部品は、所望の機能を実現するために互いに「動作可能に接続」されているまたは「動作可能に結合」されていると見ることもでき、そのように関連していることができる任意の2つの構成部品は、所望の機能を実現するために互いに「動作可能に結合可能」であると見ることもできる。動作可能に結合可能の特定の例は、物理的に接続し合う(mateable)および/または物理的に相互作用する構成部品、ならびに/あるいは無線で相互作用可能なおよび/または無線で相互作用する構成部品、ならびに/あるいは論理的に相互作用するおよび/または論理的に相互作用可能な構成部品を含み、これに限定されない。
【0053】
[0060]本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、内容および/または用途に適しているように、複数形から単数形へおよび/または単数形から複数形へ変換することができる。様々な単数形/複数形の入れ替えは、明確にするために、本明細書中に明記され得る。
【0054】
[0061]通常、本明細書中で使用される用語、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)中で使用される用語は、全体を通じて「オープンな」用語として一般的に意図されていることが当業者によって理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項の記載に関して特定の数が意図される場合、そのような意図は、請求項において明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されよう。例えば、理解を助けるものとして、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」を使用して請求項の記載を導入することができる。しかしながら、そのような句の使用については、その請求項が導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」、および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の記載を含んでいる任意の特定の請求項をそのような記載をただ1つ含む発明に限定するということを示唆すると解釈されるべきではなく(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)、同じことが、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入される請求項の記載に関して特定の数が明示的に記載されている場合でも、典型的には、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語がない「2つの記載」の単なる記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似する慣例表現が使用されている例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはCの少なくとも1つ、など」に類似する慣例表現が使用されている例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、それに限定されない)。2つ以上の選択可能な事項を示すほぼいかなる離接語および/または離接句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、その事項の1つ、その事項のいずれか、または両方の事項を含む可能性を考慮していると理解されるべきであることが、当業者によりさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」もしくは「B」または「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。さらに、特段示されない限り、「おおよそ」、「約」、「あたり」、「実質的に」などの語の使用は、プラス10パーセントまたはマイナス10パーセントを意味する。
【0055】
[0062]例示的実施形態の前述の説明は、例示および説明のために示されたものである。開示された正確な形態に関して網羅的または限定であることは意図されず、上記の教示に鑑みて修正および変更が可能であり、または開示された実施形態の実施から取得されてもよい。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびその均等物によって定められることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層方向に細長い外殻(110)と、
前記外殻内の第1の円盤状コンデンサ(120A)と、
前記外殻内の第2の円盤状コンデンサ(120B)であって、前記第1の円盤状コンデンサが前記積層方向に沿って前記第2の円盤状コンデンサの上に積層されている第2の円盤状コンデンサ(120B)と、
前記積層方向に直交する円形断面と外側の筒状表面とを有する本体(134,434)であって、当該外側の筒状表面が前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサとの間を前記積層方向に延びる、本体(134,434)と、
前記外殻内の第1のパターン形成された導電線を備えたインダクタ(130,430)であって、前記第1のパターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの間に結合され、前記第1のパターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサから前記第2の円盤状コンデンサへ前記本体の前記外側の筒状表面上に完全に配設されて、前記第1のパターン形成された導電線は、前記外側の筒状表面上の前記本体回りに螺旋状に巻かれる、インダクタ(130,430)と、
を備えるフィルタ装置(100,400)。
【請求項2】
前記第1の円盤状コンデンサは、前記積層方向に沿った第1の筒状を有する第1の電極と、前記積層方向に沿った第2の筒状を有する第2の電極とを備え、前記第2の電極の断面は、前記第1の電極の断面を囲む、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記第1の円盤状コンデンサおよび前記第2の円盤状コンデンサは、多層セラミックコンデンサである、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記本体は、液晶ポリマー、窒化アルミニウム、およびセラミックの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記本体は、前記積層方向に直交する円形断面を有する、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記本体は、前記積層方向に沿って高さが増加しており、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記本体は、前記積層方向に沿って高さが減少しており、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記本体は、前記積層方向に直交する第1の断面と、前記積層方向に直交する第2の断面と、前記積層方向に直交する第3の断面とを有し、前記第1の断面は前記第2の断面よりも前記第1の円盤状コンデンサに近く、前記第3の断面は前記第2の断面よりも前記第2の円盤状コンデンサに近い、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも大きく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも大きい、請求項8に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも小さく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも小さい、請求項8に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
前記外殻内の第3の円盤状コンデンサと、
前記外殻内の第2のパターン形成された導電線を備える第2のインダクタであって、前記第2のパターン形成された導電線は前記第2の円盤状コンデンサと前記第3の円盤状コンデンサの間に結合される、第2のインダクタと
をさらに備える、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
前記外殻は、微細研磨された銅で構成される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
前記本体は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの各々に物理的に直接接触している、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項14】
積層方向に細長い外殻(110)と、
電気信号入力ポート(105)と、
電気信号出力ポート(108)と、
前記電気信号入力ポートと前記電気信号出力ポートの間に結合された前記外殻内の第1の円盤状コンデンサ(120A)と、
前記第1の円盤状コンデンサと前記電気信号出力ポートの間に結合された前記外殻内の第2の円盤状コンデンサ(120B)と、
本体(434)上に形成され、前記外殻内のパターン形成された導電線(438)であって、前記パターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの間に結合され、前記パターン形成された導電線は、前記積層方向を横切る巻き方向に巻かれる、導電線(438)と、
を備え、
前記本体は、前記積層方向に直交する方向に測定されて前記積層方向に沿って増加する高さh、または、前記積層方向に直交する方向に測定されて前記積層方向に沿って減少する高さh、のうち少なくとも一方を有し、
前記本体は、前記積層方向に直交する第1の断面と、前記積層方向に直交する第2の断面と、前記積層方向に直交する第3の断面とを有し、前記第1の断面は前記第2の断面よりも前記第1の円盤状コンデンサに近く、前記第3の断面は前記第2の断面よりも前記第2の円盤状コンデンサに近く、
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さh1は、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さh2よりも大きく、
前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さh3は、前記第2の高さh2よりも大きい、フィルタ装置(400)。
【請求項15】
前記本体は、前記積層方向に沿った任意の場所に円形断面を有する、請求項14に記載のフィルタ装置。
【請求項16】
前記本体は、複数の本体の1つの本体であり、前記パターン形成された導電線は、複数のパターン形成された導電線の1つのパターン形成された導電線であり、
前記電気信号入力ポートと前記電気信号出力ポートとの間に配設された複数のインダクタをさらに備え、
前記複数のインダクタの各インダクタは、前記複数の本体の各1つの本体と、前記複数のパターン形成された導電線の各1つのパターン形成された導電線と、を備える、請求項15に記載のフィルタ装置。
【請求項17】
前記複数の本体の少なくとも1つの本体は凹形状を有し、前記複数の本体の少なくとも1つの本体は凸形状を有する、請求項16に記載のフィルタ装置。
【請求項18】
前記第1の円盤状コンデンサは、前記積層方向に沿った第1の筒状形状を有する第1の電極と、前記積層方向に沿った第2の筒状形状を有する第2の電極とを備え、前記第2の電極の断面は、前記第1の電極の断面を囲む、請求項14に記載のフィルタ装置。
【請求項19】
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも小さく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも小さい、請求項14に記載のフィルタ装置。
【請求項20】
積層方向に細長い外殻(110)と、
前記外殻内の第1の円盤状コンデンサ(120A)と、
前記外殻内の第2の円盤状コンデンサ(120B)であって、前記第1の円盤状コンデンサが前記積層方向に沿って前記第2の円盤状コンデンサの上に積層されている第2の円盤状コンデンサ(120B)と、
前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサとの間を前記積層方向に延びる本体(134,434)であって、当該第1の円盤状コンデンサと当該第2の円盤状コンデンサの各々に直接接触している、本体(134,434)と、
前記外殻内の第1のパターン形成された導電線を備えたインダクタ(130,430)であって、前記第1のパターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの間に結合され、前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向回りを前記本体の前記外側の筒状表面上の前記本体回りに巻かれる、インダクタ(130,430)と、
を備えるフィルタ装置(100,400)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
[0062]例示的実施形態の前述の説明は、例示および説明のために示されたものである。開示された正確な形態に関して網羅的または限定であることは意図されず、上記の教示に鑑みて修正および変更が可能であり、または開示された実施形態の実施から取得されてもよい。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびその均等物によって定められることが意図される。
〔態様1〕
積層方向に細長い外殻と、
前記外殻内の第1の円盤状コンデンサと、
前記外殻内の第2の円盤状コンデンサであって、前記第1の円盤状コンデンサが前記積層方向に沿って前記第2の円盤状コンデンサの上に積層されている第2の円盤状コンデンサと、
前記外殻内の第1のパターン形成された導電線を備えたインダクタであって、前記第1のパターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの間に結合され、前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向を横切る巻き方向に巻かれるインダクタと
を備えるフィルタ装置。
〔態様2〕
前記第1の円盤状コンデンサは、前記積層方向に沿った第1の筒状を有する第1の電極と、前記積層方向に沿った第2の筒状を有する第2の電極とを備え、前記第2の電極の断面は、前記第1の電極の断面を囲む、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様3〕
前記第1の円盤状コンデンサおよび前記第2の円盤状コンデンサは、多層セラミックコンデンサである、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様4〕
前記第1のパターン形成された導電線は、液晶ポリマー、窒化アルミニウム、およびセラミックの少なくとも1つで構成される本体上に形成される、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様5〕
前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向に沿った筒状を有する本体上に形成される、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様6〕
前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが増加している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様7〕
前記第1のパターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが減少している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様8〕
前記第1のパターン形成された導電線は、本体上に形成され、前記本体は、前記積層方向に直交する第1の断面と、前記積層方向に直交する第2の断面と、前記積層方向に直交する第3の断面とを有し、前記第1の断面は前記第2の断面よりも前記第1の円盤状コンデンサに近く、前記第3の断面は前記第2の断面よりも前記第2の円盤状コンデンサに近い、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様9〕
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも大きく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも大きい、態様8に記載のフィルタ装置。
〔態様10〕
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも小さく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも小さい、態様8に記載のフィルタ装置。
〔態様11〕
前記外殻内の第3の円盤状コンデンサと、
前記外殻内の第2のパターン形成された導電線を備える第2のインダクタであって、前記第2のパターン形成された導電線は前記第2の円盤状コンデンサと前記第3の円盤状コンデンサの間に結合される、第2のインダクタと
をさらに備える、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様12〕
前記外殻は、微細研磨された銅で構成される、態様1に記載のフィルタ装置。
〔態様13〕
積層方向に細長い外殻と、
電気信号入力ポートと、
電気信号出力ポートと、
前記電気信号入力ポートと前記電気信号出力ポートの間に結合された前記外殻内の第1の円盤状コンデンサと、
前記第1の円盤状コンデンサと前記電気信号出力ポートの間に結合された前記外殻内の第2の円盤状コンデンサと、
前記外殻内のパターン形成された導電線と、を備え、前記パターン形成された導電線は、前記第1の円盤状コンデンサと前記第2の円盤状コンデンサの間に結合され、前記パターン形成された導電線は、前記積層方向を横切る巻き方向に巻かれる、フィルタ装置。
〔態様14〕
前記第1の円盤状コンデンサは、前記積層方向に沿った第1の筒状を有する第1の電極と、前記積層方向に沿った第2の筒状を有する第2の電極とを備え、前記第2の電極の断面は、前記第1の電極の断面を囲む、態様13に記載のフィルタ装置。
〔態様15〕
前記パターン形成された導電線は、前記積層方向に沿った筒状を有する本体上に形成される、態様13に記載のフィルタ装置。
〔態様16〕
前記パターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが増加している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、態様13に記載のフィルタ装置。
〔態様17〕
前記パターン形成された導電線は、前記積層方向に沿って高さが減少している本体上に形成され、前記高さは、前記積層方向に直交する方向に測定される、態様13に記載のフィルタ装置。
〔態様18〕
前記パターン形成された導電線は、本体上に形成され、前記本体は、前記積層方向に直交する第1の断面と、前記積層方向に直交する第2の断面と、前記積層方向に直交する第3の断面とを有し、前記第1の断面は前記第2の断面よりも前記第1の円盤状コンデンサに近く、前記第3の断面は前記第2の断面よりも前記第2の円盤状コンデンサに近い、態様13に記載のフィルタ装置。
〔態様19〕
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも大きく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも大きい、態様18に記載のフィルタ装置。
〔態様20〕
前記積層方向に直交する前記第1の断面の第1の高さは、前記積層方向に直交する前記第2の断面の第2の高さよりも小さく、前記積層方向に直交する前記第3の断面の第3の高さは、前記第2の高さよりも小さい、態様18に記載のフィルタ装置。
【外国語明細書】