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特開2022-184868エアロゾル前駆体用ディスペンサユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184868
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】エアロゾル前駆体用ディスペンサユニット
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20221206BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20221206BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20221206BHJP
【FI】
B65B3/04
A24F40/42
A24F40/70
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022141176
(22)【出願日】2022-09-06
(62)【分割の表示】P 2019541768の分割
【原出願日】2018-02-01
(31)【優先権主張番号】15/422,545
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリーズ・ドン・セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ジェイコブ・ノバック・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】アルバロ・ゴンザレス-パーラ
(72)【発明者】
【氏名】エウゲニア・テオフィルス
(72)【発明者】
【氏名】マリエル・アニトラ・キーナ・デ・ゼタージュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ・ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ウェスリー・スティーブン・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・フィリップス
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ドクリル
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・エイ・イングリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・フィリップ・アダム・ヒギンズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・クラグネイル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ヒューズ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ニール
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・プリッチャード
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、電子タバコなどのエアロゾル送達装置によって使用されるエアロゾル前駆体組成物を混合および分配するためのユニットを提供する。
【解決手段】ディスペンサユニット100は複数のバルク材料充填ステーション126を含み、複数のバルク材料充填ステーションは、エアロゾル形成剤を含む少なくとも1つの第1の充填ステーション126aと、エアロゾル前駆体を生成するための香味材料を含む少なくとも1つの第2の充填ステーション126bとを有し、ディスペンサユニットはまた、エアロゾル前駆体を受け取るように構成された複数の容器120を階層化するバルク消耗品パック118と、バルク消耗品パックから容器を取り出し、少なくとも2次元にわたって容器を移動させて複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つに停止するように構成されたロボットとを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル前駆体組成物を混合および分配するユニットであって、ユニットは、
エアロゾル形成剤を有する少なくとも1つの第1の充填ステーションおよびエアロゾル前駆体を生成するための香味材料を有する少なくとも1つの第2の充填ステーションを含む複数のバルク材料充填ステーションと、
エアロゾル前駆体を受け取るように構成された複数の容器を階層化するバルク消耗品パックと、
バルク消耗品パックから容器を取り出し、少なくとも2次元にわたって容器を移動させて複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つに停止するように構成されたロボットと、
を含む、ユニット。
【請求項2】
複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つで容器を充填する前に容器からキャップを取り外すように構成され、容器にエアロゾル前駆体を充填した後にキャップを取り付けるように構成されたキャッピングステーションをさらに含む、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
容器内のエアロゾル前駆体の量を測定するように構成された検査ステーションをさらに含む、請求項1または請求項2に記載のユニット。
【請求項4】
香味材料に基づいて標識を提供するように構成されたラベル付けステーションをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項5】
各バルク材料充填ステーションがポンプを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項6】
ポンプがリザーバに一体化されて、バルク材料充填ステーションから取り外し可能なバルク材料パックを形成する、請求項5に記載のユニット。
【請求項7】
ポンプが、リザーバと連通する階層化チャンバを含み、階層化チャンバが、それぞれのバルク材料の測定された用量を保持するように構成される、請求項6に記載のユニット。
【請求項8】
ロボットのステージに取り付けられたRFIDアンテナをさらに含み、RFIDアンテナが、バルク材料パック上のRFIDタグを読み取るように構成される、請求項6に記載のユニット。
【請求項9】
ポンプが、ポンプの各作動時にそれぞれのバルク材料の測定された用量を分配するように構成される、請求項5に記載のユニット。
【請求項10】
ポンプが、ロボットまたは容器の一部によって押圧されることにより作動する、請求項5に記載のユニット。
【請求項11】
各容器が、チャイルドレジスタンス機能および不正開封防止機能を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項12】
各容器が、
エアロゾル前駆体を保持するための貯蔵容積を有するボトルと、
キャップと、を含み、キャップが、
ノズルと、
不正開封防止バンドを含む内側カバーと、
内側カバー上に設けられた外側カバーと、を含み、外側カバーが、ボトルから内側カバーを取り外す能力を制限するチャイルドレジスタンス機能をもたらし、
第1の状態では、ノズル、内側カバーおよび外側カバーはボトルから同時に取り外すことができ、
第2の状態では、ノズルがボトルに実質的に恒久的に固定されている、請求項11に記載のユニット。
【請求項13】
請求項12に記載のユニットであって、
ボトルが雄ねじを含む首部を有し、
ノズルが、首部内に少なくとも部分的にはまるように構成され、ノズルが、ボトルからエアロゾル前駆体を分配するための開口部を有し、
内側カバーが、
首部の雄ねじと係合するための雌ねじをさらに含み、
不正開封防止バンドが内側カバーの内部に配置される、ユニット。
【請求項14】
第1の状態では、ノズルが第1の挿入距離I1だけ首部に挿入され、内側カバーが第1のねじ距離T1だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、
第2の状態では、ノズルがI1よりも大きい第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、内側カバーがT1よりも大きい第2のねじ距離T2だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、
第3の状態では、ノズルが第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、ノズルの開口部からボトル内のエアロゾル前駆体を分配することができるように内側カバーが首部と螺合しない、請求項13に記載のユニット。
【請求項15】
第4の状態をさらに含み、第4の状態では、キャップがボトルから取り外されて、貯蔵容積にエアロゾル前駆体を少なくとも部分的に充填することが可能になる、請求項14に記載のユニット。
【請求項16】
ノズルが内側カバーとともにボトルから取り外されるように、ノズルが、内側カバーにスナップ嵌めするための戻り止めを含む、請求項15に記載のユニット。
【請求項17】
首部が半径方向フランジをさらに含み、
第1の状態では不正開封防止バンドは作動せず、
第2の状態では、不正開封防止バンドが半径方向フランジの下に配置されることによって作動し、それにより、第3の状態を達成するために内側カバーが取り外されると、バンドが半径方向フランジを通過する際にバンドがダメージを受ける、請求項13に記載のユニット。
【請求項18】
第2の状態では、内側カバーが、首部に形成されたボトル位置合わせストッパに当接し、ボトル位置合わせストッパが、それぞれの側壁が円筒形でない場合、第2の状態でボトルの側壁とキャップの側壁との位置合わせを容易にする、請求項12に記載のユニット。
【請求項19】
ニコチン、メントール、フルーツ香味、フローラル香味およびセイボリー香味のいずれかから選択されるバルク材料をそれぞれ有する複数の第2のバルク材料充填ステーションを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項20】
複数のバルク材料ステーションのいずれにロボットが停止するかを指示する選択情報を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項21】
ロボットを制御して、所望のバルク材料充填ステーションに停止させ、各バルク材料充填ステーションから所望の量のバルク材料を分配するために、プロセッサを有するコントローラをさらに含む、請求項20に記載のユニット。
【請求項22】
エアロゾル前駆体のカスタム組成物を作製する自動化された方法であって、方法が、
ロボットによって容器を取り出すことと、
第1のポンプによって第1の位置でエアロゾル形成剤を容器に分配することと、
ロボットによって第2の位置に容器を移動させることと、
第2のポンプによって第2の位置で少なくとも1つの香味材料を容器に分配することと、
容器にキャップを施すことと、
エアロゾル形成剤と少なくとも1つの香味材料とを混合することと、
を含む、方法。
【請求項23】
容器を取り出すことが、吸引を使用して、複数の空の容器を含むバルク消耗品パックから容器を引っ張ることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
液体エアロゾル形成剤を分配することが、液体エアロゾル形成剤用のリザーバに一体化された第1のポンプを作動させることを含む、請求項22または請求項23に記載の方法。
【請求項25】
容器にキャップを施すことが、ボトルにキャップを取り付けることを含み、液体エアロゾル形成剤を容器に分配する前にボトルからキャップを取り外すことをさらに含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
混合することが、容器を螺旋パターンの平面に沿って移動させることを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
混合することが、容器を貫通する軸の周りで容器を回転させることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
容器を螺旋パターンで移動させることと、容器を回転させることとが、同じロボットを使用する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
請求項22~25のいずれか一項に記載の方法であって、
容器内のエアロゾル前駆体の量を測定することをさらに含む、方法。
【請求項30】
エアロゾル前駆体の量が所定の範囲外である場合に、容器を廃棄物入れに移動させることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1つの香味材料を容器に分配する前に少なくとも1つの香味材料を検証することをさらに含み、検証する工程がRFIDを使用することを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
チャイルドレジスタンス不正開封防止容器であって、容器が、
液体内容物を保持するための貯蔵容積を有するボトルと、
キャップと、を含み、キャップが、
ノズルと、
不正開封防止バンドを含む内側カバーと、
内側カバー上に設けられた外側カバーと、を含み、外側カバーが、ボトルから内側カバーを取り外す能力を制限するチャイルドレジスタンス機能をもたらし、
第1の状態では、ノズル、内側カバーおよび外側カバーはボトルから同時に取り外すことができ、
第2の状態では、ノズルがボトルに実質的に恒久的に固定されている、チャイルドレジスタンス不正開封防止容器。
【請求項33】
請求項32に記載の容器であって、
ボトルが雄ねじを含む首部を有し、
ノズルが、首部内に少なくとも部分的にはまるように構成され、ノズルが、ボトルから液体内容物を分配するための開口部を有し、
内側カバーが、首部の雄ねじと係合するための雌ねじをさらに含み、不正開封防止バンドが内側カバーの内部に配置される、容器。
【請求項34】
請求項32または請求項33に記載の容器であって、
第1の状態では、ノズルが第1の挿入距離I1だけ首部に挿入され、内側カバーが第1のねじ距離T1だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、
第2の状態では、ノズルがI1よりも大きい第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、内側カバーがT1よりも大きい第2のねじ距離T2だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、
第3の状態では、ノズルが第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、ノズルの開口部からボトルの液体内容物を分配することができるように内側カバーが首部と螺合しない、容器。
【請求項35】
容器にエアロゾル前駆体を充填する方法であって、
機械によってボトルから、ノズル、内側カバーおよび外側カバーを含むキャップを分離することと、
各ステーションがエアロゾル前駆体の液体成分を含む複数の充填ステーションから、ボトルの貯蔵容積にエアロゾル前駆体を少なくとも部分的に充填することと、
ノズルがボトルに実質的に恒久的に固定され、内側カバーとともに形成された不正開封防止バンドがボトルの首部から延びる半径方向フランジの下で作動するように、ボトルにキャップを取り付けることと、
を含む、方法。
【請求項36】
ボトルからキャップを分離することが、ボトルからノズル、内側カバーおよび外側カバーを同時に取り外すことを含む、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カスタムエアロゾル前駆体組成物と、エアロゾル前駆体を有する容器を排出するように構成された機械とに関する。本開示はまた、機械内でエアロゾル前駆体を受け取るための容器に関する。エアロゾル前駆体は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、タバコを組み込み得る材料を組み込む種類のものであってよい。前駆体は、喫煙品などのエアロゾル送達装置とともに使用する際に、人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができるように意図されている。喫煙品は、吸入可能な物質の生成のために電気的に生成された熱を利用する種類であってよい。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書およびCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替の喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式発熱源を参照されたい。さらに、様々な種類の電動エアロゾルおよび蒸気送達装置もまた、いずれも参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書およびMinskoffらの米国特許出願公開第2014/0283859号明細書ならびに2014年5月20日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/282,768号明細書、2014年5月23日に出願されたBrinkleyらの米国特許出願番号第14/286,552号明細書、2014年7月10日に出願されたAmpoliniらの米国特許出願番号第14/327,776号明細書および2014年8月21日に出願されたWormらの米国特許出願番号第14/465,167号明細書に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献2】米国特許第8,881,737号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2015/0216232号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2014/0283859号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの代替喫煙品の一部、すなわちエアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体の交換可能なカートリッジまたは再充填可能なタンク(例えば、スモークジュース(smoke juice)、e-リキッド(e-liquid)またはe-ジュース(e-juice))を使用することにより再利用することができる。これらの代替喫煙品とともに使用するためのエアロゾル前駆体のカスタマイズ可能な選択を提供することが望ましいであろう。したがって、エアロゾル前駆体の生成、混合および分配に関する進歩が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、電子タバコなどのエアロゾル送達装置によって使用されるエアロゾル前駆体組成物を混合および分配するためのユニットを提供する。ユニットから分配されるエアロゾル前駆体は、一般に、顧客の好みの香味および/または強度に合わせてカスタマイズすることができる。混合および分配ユニットは、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル送達装置のリザーバに供給するまで保持することができる充填された容器または部分的に充填された容器の形態で組成物を分配するように構成されてもよい。容器は、チャイルドレジスタンス機能および不正開封防止機能のうちの少なくとも1つを有するように特別に設計されてもよい。混合および分配ユニットの使用方法、ならびに容器の使用方法も記載される。
【0006】
一実施形態では、本開示は、エアロゾル前駆体組成物を混合および分配するためのユニットを含む。ユニットは、複数のバルク材料充填ステーションを含み、複数のバルク材料充填ステーションは、エアロゾル形成剤を有する少なくとも1つの第1の充填ステーションと、エアロゾル前駆体を生成するための香味材料を有する少なくとも1つの第2の充填ステーションとを含む。ユニットは、エアロゾル前駆体を受け取るように構成された複数の容器を階層化するバルク消耗品パックをさらに含む。ユニットは、バルク消耗品パックから容器を取り出し、少なくとも2次元にわたって容器を移動させて複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つに停止するように構成されたロボットをさらに含む。
【0007】
上記の混合および分配ユニットは、以下の記述からの特徴のうちの1つ以上を、個別に、ならびにそれらの組合せおよび順列でさらに含んでもよい。
【0008】
ユニットは、複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つで容器を充填する前に容器からキャップを取り外すように構成されたキャッピングステーションをさらに含む。キャッピングステーションはまた、容器にエアロゾル前駆体を少なくとも部分的に充填した後にキャップを取り付けるように構成されてもよい。
【0009】
ユニットは、容器内のエアロゾル前駆体の量を測定するように構成された検査ステーションをさらに含んでもよい。
【0010】
ユニットは、香味材料に基づいて標識を提供するように構成されたラベル付けステーションをさらに含んでもよい。ラベル付けステーションは、容器にウェブを付けることにより標識を提供してもよい。ラベル付けステーションは、標識を形成するための印刷ヘッドを含んでもよい。
【0011】
ユニットの各バルク材料充填ステーションは、ポンプを含んでもよい。ポンプがリザーバに一体化されて、バルク材料充填ステーションから取り外し可能なバルク材料パックを形成してもよい。ポンプは、リザーバと連通する階層化チャンバを含んでもよく、階層化チャンバは、それぞれのバルク材料の測定された用量を保持するように構成される。RFIDアンテナがロボットのステージに取り付けられてもよく、RFIDアンテナは、バルク材料パック上のRFIDタグを読み取るように構成される。ポンプは、ポンプの各作動時にそれぞれのバルク材料の測定された用量を分配するように構成されてもよい。ポンプは、ロボットまたは容器の一部によって押圧されることにより作動してもよい。
【0012】
ユニットは、チャイルドレジスタンス機能および不正開封防止機能を含む容器を使用してもよい。各容器は、エアロゾル前駆体を保持するための貯蔵容積と、キャップとを有するボトルを含んでもよい。キャップは、ノズルと、不正開封防止バンドを含む内側カバーと、内側カバー上に設けられた外側カバーとを含んでもよい。外側カバーは、ボトルから内側カバーを取り外す能力を制限するチャイルドレジスタンス機能をもたらす。第1の状態では、ノズル、内側カバーおよび外側カバーはボトルから同時に取り外すことができる。第2の状態では、ノズルは、ボトルに実質的に恒久的に固定されている。さらに、ボトルは、雄ねじを含む首部を有してもよい。ノズルは、首部内に少なくとも部分的にはまるように構成されてもよく、ノズルは、ボトルからエアロゾル前駆体を分配するための開口部を有する。内側カバーは、首部の雄ねじと係合するための雌ねじをさらに含んでもよく、不正開封防止バンドは、内側カバーの内部に配置されてもよい。第1の状態では、ノズルが第1の挿入距離I1だけ首部に挿入され、内側カバーが第1のねじ距離T1だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合してもよい。第2の状態では、ノズルがI1よりも大きい第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、内側カバーがT1よりも大きい第2のねじ距離T2だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合してもよい。第3の状態では、ノズルは、第2の挿入距離I2だけ首部に挿入されてもよく、ノズルの開口部からボトル内のエアロゾル前駆体を分配することができるように、内側カバーは、首部と螺合しない。第4の状態では、キャップがボトルから取り外されて、貯蔵容積にエアロゾル前駆体を少なくとも部分的に充填することが可能になる。
【0013】
ノズルは、ノズルが内側カバーとともにボトルから取り外されるように、内側カバーにスナップ嵌めするための戻り止めをさらに含んでもよい。ボトルの首部は半径方向フランジをさらに含んでもよく、第1の状態では不正開封防止バンドは作動せず、第2の状態では、不正開封防止バンドは、半径方向フランジの下に配置されることによって作動し、それにより、第3の状態を達成するために内側カバーが取り外されると、バンドが半径方向フランジを通過する際にバンドがダメージを受ける。不正開封防止バンドは、第1の状態では半径方向フランジを押圧し得る。第2の状態では、内側カバーは、首部に形成されたボトル位置合わせストッパに当接してもよく、ボトル位置合わせストッパは、それぞれの側壁が円筒形でない場合、第2の状態でボトルの側壁とキャップの側壁との位置合わせを容易にする。
【0014】
一実施形態では、ボトルの貯蔵容積は、少なくとも約5mlであり、好ましくは少なくとも約15mlである。
【0015】
混合および分配ユニットはまた、ニコチン、メントール、フルーツ香味、フローラル香味およびセイボリー香味のいずれかから選択されるバルク材料をそれぞれ有する複数の第2のバルク材料充填ステーションを含んでもよい。ロボットは、容器ホルダ、第1の次元ガイドおよび第2の次元ガイドを含んでもよい。ユーザインターフェースは、複数のバルク材料ステーションのいずれにロボットが停止するかを指示する選択情報を受信するように構成されてもよい。ロボットを制御して、所望のバルク材料充填ステーションに停止させ、各バルク材料充填ステーションから所望の量のバルク材料を分配するために、プロセッサを有するコントローラが提供されてもよい。
【0016】
他の実施形態では、本開示は、エアロゾル前駆体のカスタム組成物を作製する自動化された方法を提示する。一実施形態による方法は、ロボットによって容器を取り出すことと、第1のポンプによって第1の位置でエアロゾル形成剤を容器に分配することと、ロボットによって第2の位置に容器を移動させることと、第2のポンプによって第2の位置で少なくとも1つの香味材料を容器に分配することと、容器にキャップを施すことと、エアロゾル形成剤と少なくとも1つの香味材料とを混合することとを含む。
【0017】
エアロゾル前駆体のカスタム組成物の作製方法は、以下の任意の特徴のうちの1つ以上を個別に、またはそれらの組合せで含んでもよい。
【0018】
容器を取り出す工程は、吸引を使用して、複数の空の容器を含むバルク消耗品パックから容器を引っ張ることを含んでもよい。
【0019】
液体エアロゾル形成剤を分配する工程は、液体エアロゾル形成剤用のリザーバに一体化された第1のポンプを作動させることを含んでもよい。第1のポンプを作動させることは、第1のポンプの一部を実質的に垂直に上方に押すことを含んでもよい。押す行為は、その中に保持された容器のボトルを有する容器ホルダと第1のポンプの一部とを接触させることと、第1のポンプに対して容器ホルダを持ち上げることとを含んでもよい。また、第1のポンプの作動によって、第1のポンプ上のドリップガードが容器ホルダとともに移動してもよい。
【0020】
容器にキャップを施す工程は、ボトルにキャップを取り付けることを含んでもよい。方法は、液体エアロゾル形成剤を容器に分配する前にボトルからキャップを取り外すことをさらに含んでもよい。キャップを取り外す工程は、キャップを保持することと、ボトルに対してキャップを回転させることとを含んでもよい。
【0021】
混合する工程は、同じロボットを使用して、容器を螺旋パターンの平面に沿って移動させることと、および/または容器を貫通する軸の周りで容器を回転させることとを含んでもよい。混合は、容器を平面外に移動させることをさらに含んでもよい。
【0022】
作製方法はまた、容器内のエアロゾル前駆体の量を測定することを含んでもよい。エアロゾル前駆体の量を測定することは、距離計を使用して、距離計とエアロゾル前駆体の表面との間の距離を測定することを含んでもよい。方法は、エアロゾル前駆体の量が所定の範囲外である場合に、容器を廃棄物入れに移動させることを伴ってもよい。
【0023】
作製方法はまた、容器にラベルを付けることを含んでもよい。容器にラベルを付けることは、容器上にフィルムを追加することを含んでもよい。ラベルを付けることは、フィルムに情報を印刷することをさらに含んでもよい。容器にラベルを付けることは、容器に情報を印刷することを含んでもよい。
【0024】
作製方法はまた、少なくとも1つの香味材料を容器に分配する前に少なくとも1つの香味材料を検証することを含んでもよく、検証する工程はRFIDを使用することを含む。
【0025】
本開示の追加の実施形態は、チャイルドレジスタンス不正開封防止容器を提供する。容器は、液体内容物を保持するための貯蔵容積を有するボトルとキャップとを含む。キャップは、ノズルと、不正開封防止バンドを含む内側カバーと、内側カバー上に設けられた外側カバーとを含み、外側カバーは、ボトルから内側カバーを取り外す能力を制限するチャイルドレジスタンス機能をもたらす。第1の状態では、ノズル、内側カバーおよび外側カバーはボトルから同時に取り外すことができる。第2の状態では、ノズルはボトルに実質的に恒久的に固定されている。
【0026】
チャイルドレジスタンス不正開封防止容器の実施形態は、場合により、以下の特徴のうちの1つ以上を個別に、またはそれらの様々な組合せでさらに含んでもよい。ボトルは、雄ねじを含む首部を有してもよい。ノズルは、首部内に少なくとも部分的にはまるように構成されてもよく、ノズルは、ボトルから液体内容物を分配するための開口部を有する。内側カバーは、首部の雄ねじと係合するための雌ねじをさらに含んでもよく、不正開封防止バンドは内側カバーの内部に配置されてもよい。第1の状態では、ノズルが第1の挿入距離I1だけ首部に挿入され、内側カバーが第1のねじ距離T1だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合してもよい。第2の状態では、ノズルがI1よりも大きい第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、内側カバーがT1よりも大きい第2のねじ距離T2だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合してもよい。第3の状態では、ノズルは第2の挿入距離I2だけ首部に挿入されてもよく、ノズルの開口部からボトルの液体内容物を分配することができるように内側カバーは首部と螺合しない。第4の状態では、キャップがボトルから取り外されて、貯蔵容積に液体内容物を少なくとも部分的に充填することが可能になる。
【0027】
ノズルは、ノズルが内側カバーとともにボトルから取り外されるように、内側カバーにスナップ嵌めするための戻り止めを含んでもよい。首部は、半径方向フランジをさらに含んでもよい。第1の状態では、不正開封防止バンドは作動しない。第2の状態では、不正開封防止バンドは、半径方向フランジの下に配置されることによって作動し、それにより、第3の状態を達成するために内側カバーが取り外されると、バンドが半径方向フランジを通過する際にバンドがダメージを受ける。不正開封防止バンドは、第1の状態では半径方向フランジを押圧し得る。
【0028】
第2の状態では、内側カバーは、首部に形成されたボトル位置合わせストッパに当接してもよく、位置合わせストッパは、それぞれの側壁が円筒形でない場合、第2の状態でボトルの側壁とキャップの側壁との位置合わせを容易にする。
【0029】
ボトルの貯蔵容積は、少なくとも約5ml、好ましくは少なくとも約15mlであってよい。
【0030】
本開示のさらに他の実施形態は、容器にエアロゾル前駆体を充填する方法を含む。そのような方法の1つは、機械によってボトルからキャップを分離することを含み、キャップは、ノズル、内側カバーおよび外側カバーを含む。方法は、各ステーションがエアロゾル前駆体の液体成分を含む複数の充填ステーションから、ボトルの貯蔵容積にエアロゾル前駆体を少なくとも部分的に充填することと、ノズルがボトルに実質的に恒久的に固定され、内側カバーとともに形成された不正開封防止バンドがボトルの首部から延びる半径方向フランジの下で作動するように、ボトルにキャップを取り付けることとをさらに含む。
【0031】
容器を充填する方法はまた、以下の特徴および要素のうちの1つ以上を個別に、またはそれらの様々な組合せで含んでもよい。ボトルからキャップを分離する工程は、ボトルに対してキャップを回転させることを少なくとも含んでもよい。ボトルからキャップを分離することはまた、内側カバーに対して外側カバーを圧迫することおよび押込むことのうちの少なくとも1つを含んでもよい。ボトルからキャップを分離することは、ボトルからノズル、内側カバーおよび外側カバーを同時に取り外すことを含んでもよい。
【0032】
ボトルにキャップを取り付ける工程は、ボトルに対してキャップを回転させることを含んでもよい。
【0033】
容器を充填する方法はまた、ボトル位置合わせストッパがキャップ位置合わせストッパに当接するまで、ボトルに対してキャップを回転させることを含んでもよい。
【0034】
貯蔵容積を少なくとも部分的に充填する工程は、第1のポンプによって第1の位置で液体エアロゾル形成剤を容器に分配することと、ロボットによって第2の位置に容器を移動させることと、第2のポンプによって第2の位置で少なくとも1つの液体香味材料を容器に分配することとを含んでもよい。液体エアロゾル形成剤を分配することは、液体エアロゾル形成剤用のリザーバに一体化された第1のポンプを作動させることを含んでもよい。第1のポンプを作動させることは、第1のポンプの一部を実質的に垂直に上方に押すことを含んでもよい。押す行為は、その中に保持された容器のボトルを有する容器ホルダと第1のポンプの一部とを接触させることと、第1のポンプに対して容器ホルダを持ち上げることとを含んでもよい。
【0035】
容器を充填する方法はまた、少なくとも1つの液体香味材料を容器に分配する前に少なくとも1つの液体香味材料を検証することを含んでもよく、検証する工程はRFIDを使用することを含む。容器を充填する方法はまた、螺旋パターンの平面に沿って容器を移動させて、エアロゾル前駆体液体を混合することを含んでもよい。追加の工程はまた、容器内のエアロゾル前駆体の量を測定することと、エアロゾル前駆体の量が所定の範囲外である場合に容器を廃棄物入れに移動させることとを含んでもよい。
【0036】
本開示は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0037】
実施形態1:エアロゾル前駆体組成物を混合および分配するユニットであって、ユニットは、
エアロゾル形成剤を有する少なくとも1つの第1の充填ステーションおよびエアロゾル前駆体を生成するための香味材料を有する少なくとも1つの第2の充填ステーションを含む複数のバルク材料充填ステーションと、
エアロゾル前駆体を受け取るように構成された複数の容器を階層化するバルク消耗品パックと、
バルク消耗品パックから容器を取り出し、少なくとも2次元にわたって容器を移動させて複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つに停止するように構成されたロボットと、
を含む、ユニット。
【0038】
実施形態2:複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つで容器を充填する前に容器からキャップを取り外すように構成され、容器にエアロゾル前駆体を充填した後にキャップを取り付けるように構成されたキャッピングステーションをさらに含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0039】
実施形態3:容器内のエアロゾル前駆体の量を測定するように構成された検査ステーションをさらに含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0040】
実施形態4:香味材料に基づいて標識を提供するように構成されたラベル付けステーションをさらに含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0041】
実施形態5:各バルク材料充填ステーションがポンプを含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0042】
実施形態6:ポンプがリザーバに一体化されて、バルク材料充填ステーションから取り外し可能なバルク材料パックを形成する、任意の前述の実施形態のユニット。
【0043】
実施形態7:ポンプが、リザーバと連通する階層化チャンバを含み、階層化チャンバが、それぞれのバルク材料の測定された用量を保持するように構成される、任意の前述の実施形態のユニット。
【0044】
実施形態8:ロボットのステージに取り付けられたRFIDアンテナをさらに含み、RFIDアンテナが、バルク材料パック上のRFIDタグを読み取るように構成される、任意の前述の実施形態のユニット。
【0045】
実施形態9:ポンプが、ポンプの各作動時にそれぞれのバルク材料の測定された用量を分配するように構成される、任意の前述の実施形態のユニット。
【0046】
実施形態10:ポンプが、ロボットまたは容器の一部によって押圧されることにより作動する、任意の前述の実施形態のユニット。
【0047】
実施形態11:各容器が、チャイルドレジスタンス機能および不正開封防止機能を含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0048】
実施形態12:各容器が、エアロゾル前駆体を保持するための貯蔵容積を有するボトルと、キャップと、を含み、キャップが、ノズルと、不正開封防止バンドを含む内側カバーと、内側カバー上に設けられた外側カバーと、を含み、外側カバーが、ボトルから内側カバーを取り外す能力を制限するチャイルドレジスタンス機能をもたらし、第1の状態では、ノズル、内側カバーおよび外側カバーはボトルから同時に取り外すことができ、第2の状態では、ノズルがボトルに実質的に恒久的に固定されている、任意の前述の実施形態のユニット。
【0049】
実施形態13:ボトルが雄ねじを含む首部を有し、ノズルが、首部内に少なくとも部分的にはまるように構成され、ノズルが、ボトルからエアロゾル前駆体を分配するための開口部を有し、内側カバーが、首部の雄ねじと係合するための雌ねじをさらに含み、不正開封防止バンドが内側カバーの内部に配置される、任意の前述の実施形態のユニット。
【0050】
実施形態14:第1の状態では、ノズルが第1の挿入距離I1だけ首部に挿入され、内側カバーが第1のねじ距離T1だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、第2の状態では、ノズルがI1よりも大きい第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、内側カバーがT1よりも大きい第2のねじ距離T2だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、第3の状態では、ノズルが第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、ノズルの開口部からボトル内のエアロゾル前駆体を分配することができるように内側カバーが首部と螺合しない、任意の前述の実施形態のユニット。
【0051】
実施形態15:第4の状態をさらに含み、第4の状態では、キャップがボトルから取り外されて、貯蔵容積にエアロゾル前駆体を少なくとも部分的に充填することが可能になる、任意の前述の実施形態のユニット。
【0052】
実施形態16:ノズルが内側カバーとともにボトルから取り外されるように、ノズルが、内側カバーにスナップ嵌めするための戻り止めを含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0053】
実施形態17:首部が半径方向フランジをさらに含み、第1の状態では不正開封防止バンドは作動せず、第2の状態では、不正開封防止バンドが半径方向フランジの下に配置されることによって作動し、それにより、第3の状態を達成するために内側カバーが取り外されると、バンドが半径方向フランジを通過する際にバンドがダメージを受ける、任意の前述の実施形態のユニット。
【0054】
実施形態18:第2の状態では、内側カバーが、首部に形成されたボトル位置合わせストッパに当接し、ボトル位置合わせストッパが、それぞれの側壁が円筒形でない場合、第2の状態でボトルの側壁とキャップの側壁との位置合わせを容易にする、任意の前述の実施形態のユニット。
【0055】
実施形態19:ニコチン、メントール、フルーツ香味、フローラル香味およびセイボリー香味のいずれかから選択されるバルク材料をそれぞれ有する複数の第2のバルク材料充填ステーションを含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0056】
実施形態20:複数のバルク材料ステーションのいずれにロボットが停止するかを指示する選択情報を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0057】
実施形態21:ロボットを制御して、所望のバルク材料充填ステーションに停止させ、各バルク材料充填ステーションから所望の量のバルク材料を分配するために、プロセッサを有するコントローラをさらに含む、任意の前述の実施形態のユニット。
【0058】
実施形態22:エアロゾル前駆体のカスタム組成物を作製する自動化された方法であって、方法が、
ロボットによって容器を取り出すことと、
第1のポンプによって第1の位置でエアロゾル形成剤を容器に分配することと、
ロボットによって第2の位置に容器を移動させることと、
第2のポンプによって第2の位置で少なくとも1つの香味材料を容器に分配することと、
容器にキャップを施すことと、
エアロゾル形成剤と少なくとも1つの香味材料とを混合することと、
を含む、方法。
【0059】
実施形態23:容器を取り出すことが、吸引を使用して、複数の空の容器を含むバルク消耗品パックから容器を引っ張ることを含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0060】
実施形態24:液体エアロゾル形成剤を分配することが、液体エアロゾル形成剤用のリザーバに一体化された第1のポンプを作動させることを含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0061】
実施形態25:容器にキャップを施すことが、ボトルにキャップを取り付けることを含み、液体エアロゾル形成剤を容器に分配する前にボトルからキャップを取り外すことをさらに含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0062】
実施形態26:混合することが、容器を螺旋パターンの平面に沿って移動させることを含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0063】
実施形態27:混合することが、容器を貫通する軸の周りで容器を回転させることをさらに含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0064】
実施形態28:容器を螺旋パターンで移動させることと、容器を回転させることとが、同じロボットを使用する、任意の前述の実施形態の方法。
【0065】
実施形態29:容器内のエアロゾル前駆体の量を測定することをさらに含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0066】
実施形態30:エアロゾル前駆体の量が所定の範囲外である場合に、容器を廃棄物入れに移動させることを含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0067】
実施形態31:少なくとも1つの香味材料を容器に分配する前に少なくとも1つの香味材料を検証することをさらに含み、検証する工程がRFIDを使用することを含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0068】
実施形態32:チャイルドレジスタンス不正開封防止容器であって、
容器が、液体内容物を保持するための貯蔵容積を有するボトルと、キャップとを含み、キャップが、ノズルと、不正開封防止バンドを含む内側カバーと、内側カバー上に設けられた外側カバーと、を含み、外側カバーが、ボトルから内側カバーを取り外す能力を制限するチャイルドレジスタンス機能をもたらし、第1の状態では、ノズル、内側カバーおよび外側カバーは、ボトルから同時に取り外すことができ、第2の状態では、ノズルがボトルに実質的に恒久的に固定されている、チャイルドレジスタンス不正開封防止容器。
【0069】
実施形態33:ボトルが雄ねじを含む首部を有し、ノズルが、首部内に少なくとも部分的にはまるように構成され、ノズルが、ボトルから液体内容物を分配するための開口部を有し、内側カバーが、首部の雄ねじと係合するための雌ねじをさらに含み、不正開封防止バンドが内側カバーの内部に配置される、任意の前述の実施形態の容器。
【0070】
実施形態34:第1の状態では、ノズルが第1の挿入距離I1だけ首部に挿入され、内側カバーが第1のねじ距離T1だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、第2の状態では、ノズルがI1よりも大きい第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、内側カバーがT1よりも大きい第2のねじ距離T2だけ首部と螺合するように、キャップがボトルと係合し、第3の状態では、ノズルが第2の挿入距離I2だけ首部に挿入され、ノズルの開口部からボトルの液体内容物を分配することができるように内側カバーが首部と螺合しない、任意の前述の実施形態の容器。
【0071】
実施形態35:容器にエアロゾル前駆体を充填する方法であって、
機械によってボトルから、ノズル、内側カバーおよび外側カバーを含むキャップを分離することと、
各ステーションがエアロゾル前駆体の液体成分を含む複数の充填ステーションから、ボトルの貯蔵容積にエアロゾル前駆体を少なくとも部分的に充填することと、
ノズルがボトルに実質的に恒久的に固定され、内側カバーとともに形成された不正開封防止バンドがボトルの首部から延びる半径方向フランジの下で作動するように、ボトルにキャップを取り付けることと、
を含む、方法。
【0072】
実施形態36:ボトルからキャップを分離することが、ボトルからノズル、内側カバーおよび外側カバーを同時に取り外すことを含む、任意の前述の実施形態の方法。
【0073】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組合せを含む。本開示は、前後関係が他に明確に指示されない限り、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、開示の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0074】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】本開示の実施形態によるディスペンサユニットの外観図を示す。
図2】カバーが開いているディスペンサユニットを示す。
図3】本開示の実施形態によるディスペンサユニットの外部の一部を切り取った内部の図である。
図4】ディスペンサユニット内で使用される、本開示の実施形態によるロボットの詳細図である。
図5A】容器を取り出すための一連の工程を示す。
図5B】容器を取り出すための一連の工程を示す。
図5C】容器を取り出すための一連の工程を示す。
図5D】容器を取り出すための一連の工程を示す。
図5E】容器を取り出すための一連の工程を示す。
図6】キャッピングステーションにある容器を示す。
図7】一実施形態によるキャッピングステーションの詳細図である。
図8】第1のバルク材料充填ステーションにある容器を示す。
図9】一実施形態による第1のバルク材料充填ステーションで使用するためのバルク材料パックを示す。
図10A】一実施形態による充填プロセスの工程を示す。
図10B】一実施形態による充填プロセスの工程を示す。
図10C】一実施形態による充填プロセスの工程を示す。
図10D】一実施形態による充填プロセスの工程を示す。
図11】第2のバルク材料充填ステーションにある容器を示す。
図12】任意の第3のバルク材料充填ステーションにある容器を示す。
図13】検査ステーションにある容器を示す。
図14A】一実施形態による検査ステーションの詳細を示す。
図14B】一実施形態による検査ステーションの詳細を示す。
図15】キャッピングステーションに戻された容器を示す。
図16】ラベル付けステーションにある容器を示す。
図17】一実施形態によるラベル付けステーションの詳細を示す。
図18】一実施形態による、混合を達成するためにロボットによって提供される容器の動きを概略的に示すディスペンサユニットの上面断面図である。
図19】一実施形態による排出ステーションの詳細図である。
図20】一実施形態による、充填前状態の容器の断面図を示す。
図21】充填状態の図20の容器の断面図を示す。
図22図20の容器の一部の分解図である。
図23図20の容器のノズルの内部詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、前後関係が他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0077】
以下に説明するように、本開示の実施形態は、エアロゾル前駆体組成物、エアロゾル前駆体組成物用であってエアロゾル前駆体組成物を収容する容器、エアロゾル前駆体の組成物を生成するための装置、および完成したエアロゾル前駆体組成物を内部に有する1つ以上の容器を排出するための装置に関する。また、以下に記載する物品および装置の機能から、関連する方法が説明され、理解される。エアロゾル前駆体(前駆体、エアロゾル前駆体組成物およびエアロゾル前駆体調合物とも区別なく呼ばれる)とは、エアロゾル送達装置と組み合わせて従来使用されている消費可能な液体組成物である。エアロゾル送達装置は一般に、電気エネルギーを使用してエアロゾル前駆体を加熱し、吸入可能な物質を形成する。エアロゾル送達装置は、その物品または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の一部または全部(例えば、吸入および呼気の作法、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用作法、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供してもよい。
【0078】
エアロゾル送達装置は一般に、多くの構成要素を含む。エアロゾル送達装置は、多くの場合、電源(すなわち、電力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段)、ヒータまたは発熱構成要素(例えば、一般に「噴霧器」と呼ばれる電気抵抗加熱要素または構成要素)、およびエアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース」、「e-リキッド」および「e-ジュース」と一般に呼ばれる、一般に十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを含む。様々なエアロゾル送達装置の設計および構成要素の配置は、本開示に上記で組み込まれた代表的な製品など、開示されたまたは市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して理解することができる。
【0079】
図1を参照すると、本開示の実施形態は、ディスペンサユニット100に関する。一実施形態では、複数の種類で入手可能なカスタムブレンドエアロゾル前駆体組成物を内部に有する容器を排出するように、ディスペンサユニット100は、顧客または店員により操作される。少なくとも、ディスペンサユニット100から排出されるカスタムブレンドエアロゾル前駆体組成物は、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも5種類、好ましくは10種類以上で入手可能である。利用可能な種類の数の上限は、ディスペンサユニット100の大きさ、および本開示のディスペンサユニットの実装時に使用される機器の何らかの技術的制限に関連し得る。香味および強度のうちの少なくとも1つが異なれば、エアロゾル前駆体組成物は異なる種類である。強度とは、ニコチン含有量または濃度を指し得る。強度とはまた、エアロゾル前駆体内の香味材料の濃度を指し得る。好ましくは、ディスペンサユニット100から排出されるカスタムブレンドエアロゾル前駆体組成物は、最初に別個の成分(例えば、本明細書でバルク材料と呼ばれるエアロゾル前駆体組成物成分)を組み合わせることにより、ディスペンサユニット100内でその場で生成される。一実施形態では、最初に分離された成分は、ディスペンサユニット100からユーザ(例えば、顧客または店員)に排出される容器内で最初に接触する。
【0080】
本開示の実施形態によるディスペンサユニット100は、大きさが比較的小さく、小売店員または適切に選別された顧客による操作のために、机またはカウンターに配置することができる可能性があるように意図される。しかし、ディスペンサユニット100の規模は、本開示に照らして所望に応じて増大させてもよい。ディスペンサユニット100は、ディスペンサユニットの外部または外部に隣接した、特定しやすく、操作しやすい任意の位置に設けられたユーザインターフェース102を含んでもよい。ユーザインターフェース102は、ユーザが選択を行い(例えば、選択情報を提供し)、それにより好ましいエアロゾル前駆体がユーザに供給されることを可能にするように構成されてもよい。例えば、ユーザは、ユーザインターフェース102に表示される複数の選択肢およびメニューを使用して、エアロゾル前駆体の香味および/または強度(例えば、ニコチン含有量)をカスタマイズしてもよい。ユーザインターフェース102は、タッチスクリーンであってよい。あるいは、ユーザインターフェース102は、キーパッドなどの入力装置とは別のディスプレイを含んでもよい。
【0081】
ディスペンサユニット100はまた、充填された容器をユーザに排出するためのシュートに接続された開口104を含んでもよい。開口104は、充填された容器がユーザによって取り出されるか受け取られる準備ができた際に選択的に開くドア、フラップ、バルブ、引出しまたは他の構造を含んでもよい。ドアは、ユーザによって手動で開かれても、ディスペンサユニット100による制御を介して自動的に開かれてもよい。
【0082】
図2に示すように、ディスペンサユニット100は、アクセスドア106を有してもよい。アクセスドア106により、メンテナンス要員または小売業者がディスペンサユニット100の内部にアクセスして、ディスペンサユニット100をメンテナンスするか、更新するか、少なくともバルク材料を用いて補充し、ユニットの操作を実行するために必要な容器を空にすることができるようにする。アクセスドア106は、蝶番式ドアに限定されず、他の任意の好適なクロージャを含んでもよい。アクセスドア106はディスペンサユニット100の前面に示されているが、ディスペンサユニット100の内部機構へのアクセスを提供する要望に基づいて、アクセスドア106が他の任意の好適な場所に配置されてもよい。したがって、アクセスドア106の構成は、ディスペンサユニット100内の内部構成要素およびステーションの配置およびパッケージングによる影響を受け得る。単一のアクセスドア106が図2に示されているが、ディスペンサユニット100は、必要な内部アクセスを提供するために複数の別個のアクセスドア106を含んでもよいことを十分に理解されたい。
【0083】
図1に見られるように、ディスペンサユニット100の外部は、ユーザが操作可能にアクセス可能な様々な他のポート、プラグ、スキャナ、リーダおよび他の装置を含んでもよい。例えば、ユーザインターフェース102に加えて、またはユーザインターフェース102の代わりに、ディスペンサユニット100に情報を提供するために使用され得るバーコード、QRコード(登録商標)、磁気ストリップ、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)ならびに他の光学的および電磁的識別のためのスキャナ、センサ、カメラなどのリーダ108を、ディスペンサユニット100は含んでもよい。一実施形態では、ディスペンサユニット100は、運転免許証または従業員バッジなどの識別カードを通じてユーザの身元を判定するように構成されてもよい。ディスペンサユニット100は、盗難を防止するか、破壊者を取り押さえるのを補助するために、ユーザを記録するカメラを含んでもよい。ディスペンサユニット100は、クーポンまたは他のパンフレット上のコードのためのリーダを有してもよい。例えば、店は、従業員の好みのエアロゾル前駆体のレシピを宣伝したいと望む可能性がある。これらのレシピは、ユーザがスキャンしてディスペンサユニット100に所定のレシピを作成させることができるバーコードによって示されてもよい。ユーザは、ディスペンサユニット100が読み取ることができるキータグまたは他の内部もしくは外部記憶媒体、例えばメモリに自身の好みを保存して、顧客の好みのエアロゾル前駆体の自動販売を促進してもよい。一例では、ウェブサイトまたはモバイルアプリケーションを使用して顧客のレシピが作成されてもよい。次いで、顧客のスマートフォンは、ディスペンサユニット100と動作可能に通信するバーコードリーダが読み取ることができる対応するバーコードを表示するようにプログラムされてもよい。顧客のレシピをモバイルアプリケーション内に組み込んで、アプリケーションがBluetooth(登録商標)などの近距離無線技術を介してディスペンサユニット100にレシピ情報を送信することができるようにしてもよい。モバイルアプリケーションは、エアロゾル前駆体の支払いを無線で促進するために、購入履歴の保存、報酬プログラムの促進などのユーザプロファイルと組み合わせた他の機能を促進してもよい。他のリーダは、当技術分野で既知の支払いを受け入れるためのクレジットカードリーダ、現金受入手段または他の装置を用いて、ディスペンサユニット100から直接所望の製品を直接購入するのを容易にし得る。
【0084】
一実施形態では、ディスペンサユニット100は、ディスペンサユニットがそのカスタマイズされた前駆体を調製している間に、ユーザがエアロゾル送達装置の電源ユニットを再充電できるようにするポートまたはプラグを含んでもよい。
【0085】
ディスペンサユニット100はまた、ユーザアクセス可能またはユーザに面することを意図していないディスペンサユニットの操作を容易にするために、1つ以上のポート、プラグまたは装置を有してもよい。これらには、ディスペンサユニット100に電力を供給するための電源コード、またはワールドワイドウェブ上の、もしくは小売店の業務の一環としての遠隔データベースとユニットがネットワーク接続することを可能にするためのイーサネット(登録商標)ポートのような製品が含まれ得る。例えば、ディスペンサユニット100は、顧客が製品の代金を支払った後、または販売員がユーザの年齢もしくは他の識別特性を確認した後にのみユニットが所望の製品を供給するように、店舗のレジスタにリンクしてもよい。
【0086】
ディスペンサユニット100自体が、分配プロセスを合理化するために消費者の好みを保存することができてもよい。ディスペンサユニット100は、顧客が毎回同じユニットに戻ることなく、またはユーザインターフェース102上で一式の選択をすることなく好ましい前駆体を受け取り得るように、他の同様のユニットにネットワーク接続されてもよいか、インターネットにネットワーク接続されてもよいか、リーダ技術を備えてもよい。
【0087】
図2は、アクセスドア106が開いた状態のディスペンサユニット100を示す。排出シュート110は、アクセスドア106とともに揺動するように取り付けられてもよい。取り外し可能な廃棄物入れ112もアクセスドア106とともに移動してもよい。廃棄物入れ112は、好ましい基準に適合しないディスペンサユニット100によって生成された製品を受け取るように構成される。また、ディスペンサユニット100内の可動部品を隠し保護するために任意に設けられた内側ドア114も示されている。原料引出し116は、滑り出て、引出しに空の容器またはエアロゾル前駆体のバルク材料成分を補充するのを容易にするように構成されてもよい。
【0088】
図3は、本開示の一実施形態によるステーション、特徴および要素の内部配置を明らかにするためのディスペンサユニット100の外部の一部を切り取った内部の図である。原料引出し116は、カスタムブレンドエアロゾル前駆体組成物が充填されるように構成された複数の容器120を階層化するバルク消耗品パック118を含んでもよい。バルク消耗品パック118内の容器120は、空であっても、カスタムブレンドエアロゾル前駆体組成物の成分によって部分的に充填されていてもよい。バルク消耗品パック118は、一群から1つの容器120を取り出すのを容易にする、容器120を受け取るためのセルを有するトレイ、ホッパまたは他の構成など、多くの形態をとってもよい。原料引出し116は、前駆体を作製する際に使用する成分を受け取るように構成された複数の追加の区画122を有してもよい。各区画122は、バルク材料パック124を受け取って、容器120用のバルク材料充填ステーション126を作成するように構成される。
【0089】
バルク材料充填ステーション126のうちの2つ以上を訪れる容器120から生じるエアロゾル前駆体は特に限定されない。代表的な前駆体のいくつかの任意の特徴を以下で考察する。エアロゾル前駆体は、様々な成分(すなわち、構成要素)の組合せまたは混合物から構成される。特定のエアロゾル前駆体成分の選択と、使用されるこれらの成分の相対量とは、エアロゾル送達装置の噴霧器によって生成される主流エアロゾルの全体的な化学組成を制御するために、ユーザインターフェース102でのユーザ入力に基づいて変更されてもよい。特に興味深いのは、本質的に一般に液体であると特徴付けることができるエアロゾル前駆体である。例えば、代表的な一般的な液体のエアロゾル前駆体は、溶液、混和性成分の混合物、または懸濁成分もしくは分散成分を組み込んだ液体の形態を有し得る。典型的なエアロゾル前駆体は、本開示の特徴であるエアロゾル送達装置の使用中に経験される条件下で熱に曝されると気化することができ、ひいては、吸入することができる蒸気およびエアロゾルを生じることができる。
【0090】
エアロゾル前駆体は、1つ以上の第1の充填ステーション126a内に提供され得るいわゆる「エアロゾル形成剤」成分を組み込んでもよい。そのような材料は、本開示の特徴である噴霧器の通常の使用中に経験される条件下で熱に曝されて気化した際に、目に見えるエアロゾルを生じる能力を有する。そのようなエアロゾル形成材料は、様々なポリオールまたは多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよびそれらの混合物)を含む。本開示の多くの実施形態は、水、水分または水性液体として特徴付けることができるエアロゾル前駆体成分を組み込む。特定のエアロゾル送達装置の通常の使用条件では、これらの装置内に組み込まれた水が気化して、生成されたエアロゾルの成分をもたらすことができる。このように、本開示の目的では、エアロゾル前駆体内に存在する水は,エアロゾル形成材料であると考えられ得る。
【0091】
吸引される主流エアロゾルの感覚特性または性質を変化させる様々な香味剤または香味材料が、エアロゾル前駆体の第2の主要成分を構成し、第2の充填ステーション126b内に提供されてもよい。第2の充填ステーション126bのそれぞれが、固有の香味材料を提供してもよい。さらに、最も人気のある香味が、複数の第2の充填ステーション126bで提供されてもよい。エアロゾル前駆体内に香味剤を選択的に添加して、エアロゾルの香味、アロマおよび感覚刺激特性を変化させてもよい。特定の香味剤が、タバコ以外の供給源から提供されてもよい。例示的な香味剤は、天然または人工の性質のものであってよく、濃縮物または香味パッケージとして使用されてもよい。
【0092】
例示的な香味剤には、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、フローラル香味、セイボリー香味、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味剤に従来使用されている種類および特徴の香味剤および香味パッケージが挙げられる。また、高果糖コーンシロップなどのシロップを使用することができる。最終エアロゾル前駆体混合物の配合の前に、特定の香味剤がエアロゾル形成材料内に組み込まれてもよい(例えば、特定の水溶性香味剤を水中に組み込むことができ、メントールをプロピレングリコール中に組み込むことができ、特定の複合香味パッケージをプロピレングリコール中に組み込むことができる)。
【0093】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達装置では、エアロゾル前駆体は、タバコまたはタバコ由来成分(本明細書では「ニコチン源」と呼ばれる)を組み込むことが最も好ましい。これらのニコチン源は、1つ以上の第3の充填ステーション126c内に存在してもよい。第3の充填ステーション126cは、ニコチンステーションと呼ばれる場合がある。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末状のタバコ薄片などのタバコの部分または片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香味剤などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。ある点では、タバコに由来し、高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で使用され得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。
【0094】
エアロゾル前駆体はまた、酸性または塩基性の特徴を示す成分(例えば、有機酸、アンモニウム塩または有機アミン)を含んでもよい。これらの成分は、本開示の目的のために香味材料の一般的な説明に含まれ得る。例えば、ニコチンを組み込んだエアロゾル前駆体調合物中に、特定の有機酸(例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸およびピルビン酸)が、好ましくは(総有機酸含有量に基づいて)ニコチンと等モル量まで含まれてもよい。例えば、エアロゾル前駆体は、存在する有機酸の総量がエアロゾル前駆体中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのコハク酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸またはそれらの様々な順列および組合せを含んでもよい。
【0095】
非限定的な一例として、ユーザの要求に応じてディスペンサユニット100によって生成される代表的なエアロゾル前駆体は、
重量基準で約70%~約90%のグリセリン、多くの場合約75%~約85%のグリセリンと、
約5%~約20%の水、多くの場合約10%~約15%の水と、
約1%~約10%のプロピレングリコール、多くの場合約4%~約8%のプロピレングリコールと、
約0.1%~約6%のニコチン、多くの場合約1.5%~約5%のニコチンと、
最大約6%の量の任意の香味剤、多くの場合約0.1%~約5%の香味剤と、
の混合物の形態を有することができる。
例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、重量基準で約76%超のグリセリンと、約14%の水と、約7%のプロピレングリコールと、約1%~約2%のニコチンと、約1%未満の香味材料と、を組み込んだ調合物の形態を有してもよい。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、約75%超のグリセリンと、約14%の水と、約7%のプロピレングリコールと、約2.5%のニコチンおよび約1%未満の香味材料と、を組み込んだ調合物の形態を有してもよい。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、重量基準で約75%超のグリセリンと、約5%の水と、約8%のプロピレングリコールと、約6%のニコチンと、約6%未満の香味材料と、を組み込んだ調合物の形態を有してもよい。
【0096】
代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および調合物もまた、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許出願公開第2013/0213417号明細書およびCollettらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号パンフレットに記載され、特徴付けられており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyのVUSE(R)製品、Lorillard TechnologiesのBLU製品、Mistic EcigsのMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。発泡性材料の実施形態が、エアロゾル前駆体とともに使用されてもよく、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNiaziらの米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書、Patherらの米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書、ならびにStricklandらの米国特許出願公開第2006/0191548号明細書、Crawfordらの米国特許出願公開第2009/0025741号明細書、Brinkleyらの米国特許出願公開第2010/0018539号明細書およびSunらの米国特許出願公開第2010/0170522号明細書およびJohnsonらのPCT国際公開第97/06786号パンフレットに記載されている。
【0097】
バルク材料充填ステーションに加えて、ディスペンサユニット100はロボット130も含む。図4に最もよく見られるように、ロボット130は、容器120を保持し、少なくとも2次元にわたって容器を移動させるためのステージ132(容器ホルダと呼ばれる)を含んでもよい。例えば、ステージ132は、第1のアクチュエータ134によって駆動されて、レール136上で案内されるようにX軸に沿って移動してもよい。第2のアクチュエータ138が、ステージ132を駆動して、支持体140上で案内されるようにY軸に沿って移動させてもよい。アクチュエータ134、138は、アクチュエータ134、138およびユーザインターフェース102と動作可能に通信するプロセッサを有するコントローラ142によって導かれてもよい。好ましい前駆体組成物と、各バルク材料充填ステーション126の在庫レベルとに基づいて、コントローラ142は、適切なバルク材料充填ステーションのそれぞれにステージ132を停止させ、適切な量の各バルク材料を容器120に引き込むように構成される。
【0098】
図3は、容器受け取りステーション144としてバルク消耗品パック118の下に配置されたロボット130のステージ132を示す。ステージ132は、前駆体選択および購入取引の完了などによるディスペンサユニット100の作動時に、容器受け取りステーション144に報告し、空の容器120を取り出すように、コントローラによって信号を送られてもよい。
【0099】
バルク消耗品パック118から空の容器120を取り出すための1つの例示的なプロセスが図5A図5Eに示されており、ここでは説明を容易にするためにバルク消耗品パック118の部分図のみが示されている。ロボット130は、空の容器120の底部と接触するように上昇させることができる伸長可能な吸引カップ146を有してもよい。図5Bに示すように、容器120の底部を把持するために吸引が適用されてもよい。吸引が適用されると、図5Cおよび図5Dの進行に示されるように、吸引カップ146が下げられて、バルク消耗品パック118から容器120を引っ張ってもよい。バルク消耗品パック118は、空の容器120が取り外されると、上の次の容器120aが準備位置に落ちるように重力供給されてもよい。バルク消耗品パック118の底部は、吸引カップ146の引っ張り力が適用されていない場合に追加の容器が取り外されるのを防ぐために摩擦タブ148を含んでもよい。図5Eに見られるように、1つの容器120が取り出された後、次の容器120aは、ディスペンサユニット100の次の実行のために正しく配置される。
【0100】
吸引作動プルダウン取出し部を有する重力供給式バルク消耗品パック118は、空の容器120を選択し、それをロボット130のステージ132と係合させるための1つの可能な構成にすぎない。例えば、原料引出し116の一部であるバルク消耗品パック118の代わりに、バルク消耗品パック118は、ディスペンサユニット100内の独立したトレイとして形成されてもよい。あるいは、バルク消耗品パック118は、ロボット130の下に設けられてもよい。容器受け取りステーション144は、単一の場所または複数の近接した場所になくてもよい。代わりに、例えば、空の容器120がロボット130の下に置かれたトレイを越えて一段奥に配置される場合、容器受け取りステーション144は、利用可能な空の容器に対応するディスペンサユニット100内の任意の場所にあってよい。
【0101】
以下でさらに考察するように、バルク消耗品パック118は、互いに予め取り付けられたボトル150およびキャップ152(図7参照)の両方を含む空の容器120を受け取るように構成されてもよい。他の実施形態では、別個のバルク消耗品パックにボトル150およびキャップ152が設けられてもよく、その場合、ディスペンサユニット100は、ボトルにエアロゾル前駆体組成物を充填した後にのみボトル150をそれぞれのキャップ152と組み合わせるように構成される。
【0102】
容器120がキャップ152を最初に含む場合、ロボット130を作動させて容器受け取りステーション144からキャッピングステーション154に容器を移動させてもよく、前記移動は、図6の水平の太線矢印によって示されている。キャッピングステーション154の例を図7に示す。キャッピングステーション154は、キャップ保持装置156を含んでもよい。キャッピングステーション154では、ロボット130は、容器120とキャップ保持装置156とを位置合わせする。図示された例では、容器120およびキャップ保持装置156のうちの少なくとも1つがZ軸に沿って垂直に移動して、キャップ保持装置を容器のキャップ152と係合させる。一実施形態では、ロボット130および/またはステージ132は、容器120を持ち上げてキャップ保持装置156と係合させるように構成される。係合は、キャップ保持装置156がキャップ152を把持し、容器120の残りの部分(例えばボトル150)が離されている間にキャップを一時的に保持することを可能にする真空圧、摩擦、戻り止め機構または他の既知の手段によって促進されてもよい。図示の実施形態では、キャップ152は、回転によりボトル150から取り外される。したがって、キャッピングステーション154は、キャップ保持装置156に関連してボトル150に対してキャップ152を回転させる回転アクチュエータ158をさらに含んでもよい。キャップ保持装置156は、ベルトシステムまたはギアシステムを使用することにより、直接的または間接的にモータにより回転するように駆動されてもよい。他の実施形態では、キャップ152およびキャップ保持装置156がディスペンサユニット100に対して実質的に静止したままである間に、ステージ132がボトル150を回転させる機構を有し得ることを当業者であれば理解するであろう。
【0103】
図8を参照すると、ステージ132は、太線矢印Aによって示されるように、キャッピングステーション154から第1のバルク材料充填ステーション126aに移動している。ボトル150は、前駆体成分を受け取る準備ができている。この場合もやはり、キャップ152は、ボトル150から最初に分離されていても、キャッピングステーション154によってボトルから分離されていてもよい。上述のように、第1の充填ステーション126aは、エアロゾル形成剤を提供してもよい。エアロゾル形成剤は、実質的にあらゆるエアロゾル前駆体組成物に含まれる。しかし、エアロゾル形成剤は、必ずしもボトル150に分配される最初の成分ではない。
【0104】
上述のように、第1の充填ステーション126aは、第1のバルク材料パック124aを含んでもよい。区画122から取り外された例示的なバルク材料パック124が図9に示されている。バルク材料パック124は、ブラダーバッグ162が内部に配置されたシェル160を有する箱中-袋入り(bag-in-a-box)構成で示されている。シェル160は、厚紙部分およびプラスチック部分を含んでもよい。シェル160の硬質プラスチック部分を使用して、原料引出し116内のそれぞれの区画122に係合してもよい。ブラダーバッグ162は、エアロゾル前駆体組成物のバルク材料成分用のリザーバ164を提供する。リザーバ164は、いくつかのバルク材料に対して少なくとも約500mlの容積を有してもよい。他のバルク材料パック124用のリザーバ164は、少なくとも約2000mlの容積を有してもよい。以下で考察されるように使用するために、RFIDタグ166がシェル160に取り付けられてもよい。
【0105】
バルク材料パック124は、リザーバ164に一体化されたポンプ168をさらに含んでもよい。ポンプ168は、リザーバ164と出口172との間に階層化チャンバ170を含んでもよい(図10A参照)。階層化チャンバ170は、ポンプ168の各作動が出口172からバルク材料の測定された用量を放出するように、それぞれのバルク材料の測定された用量を保持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ボトル150がそれぞれのバルク材料パック124からバルク材料を受け取る準備をしていない場合に出口172を選択的に覆うために、ドリップガード174が設けられてもよい。ドリップガード174は、ステージ132によって移動されてボトル150にアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ168は、ポンプがシェル160内に少なくとも部分的に後退した格納位置を有することによって、輸送中に保護されてもよい。
【0106】
バルク材料パック124は、使い捨て可能であり、原料引出し116の区画122から容易に取り外し可能であるように構成される。したがって、リザーバ164が空の場合、バルク材料パック124全体を交換することができる。バルク材料パック124の一部としてポンプ168を一体化することにより、成分の相互汚染が最小限に抑えられるか排除される。さらに、外付けの電動ポンプを使用した場合に必要となる洗浄および浄化ラインが不要となる。それにもかかわらず、必要に応じて、ポンプ168は代わりに容器122の要素として設けられてもよく、バルク材料パック124は、バルク材料パック124が容器122に挿入されると実質的に上記の構成でポンプ168に係合するように構成されてもよい。
【0107】
図8および図10A図10Dを参照して、バルク材料充填ステーション126についてさらに説明する。ロボット130を作動させて、所望のバルク材料充填ステーション126にステージ132およびボトル150を提供してもよく、ここでボトルは、図10Aに示すように、対応するポンプ168の下に位置合わせされる。ステージ132は、対応する充填ステーション126でバルク材料パック124上のRFIDタグ166を読み取り、ステージの適切な配置を検証するように構成されたRFIDアンテナ176を含んでもよい。RFIDの使用は任意であってよい。コントローラ142は、各区画122に対応するようにステージ132の座標を用いて事前にプログラムされてもよい。ディスペンサユニット100をストックする場合、ユーザは、ユーザインターフェース102を用いてコントローラ142をプログラムして、いずれのバルク材料が各区画122内に配置されるか、または各充填ステーション126に提供されるかをディスペンサユニット100に教示してもよい。
【0108】
ロボット130が好ましい前駆体レシピのための適切な充填ステーション126にボトル150を配置すると、図10Bに示すように、ステージの一部がポンプ168の一部と係合するようにステージ132が垂直に上昇させられてもよい。他の実施形態では、ボトル150自体がポンプ168の一部と係合してもよい。図示の実施形態では、ステージ132は、ポンプのフランジ181に形成された一対の位置合わせ開口部180と係合するなど、ポンプ168の一部に接触するように構成された一対の位置合わせポスト178とともに示されている。位置合わせポスト178が位置合わせ開口部180と係合すると、図10Cの太線矢印によって示されるようにステージ132の上方への動きが継続して、ポンプ168を上方に押して、バルク材料を出口172からボトル150に放出する。ポンプ168の作動は、回転カムによっても達成され得る。
【0109】
階層化チャンバ170からの測定された用量などの一定量のバルク材料を受け取ると、ボトル150が引き込まれ、ポンプ168が係合解除されてもよい。場合によっては、所望の前駆体は、単一の充填ステーション126からのバルク材料の複数回用量を含んでもよい。したがって、ステージ132は、ポンプから完全に係合解除することなくポンプを再装填するのに十分な程度だけポンプ168から後退してもよい。次いで、追加量のバルク材料を抽出するために、ステージ132を再び押し上げてもよい。ボトル150が本充填ステーション126から所望の量のバルク材料を受け取ると、ステージ132は、例えば、Z軸に沿ってステージを下に移動させることによりポンプ168を係合解除してもよい。
【0110】
図11および図12は、それぞれ第2の充填ステーション126bおよび第3の充填ステーション126cで停止したステージ132およびボトル150を示す。第2の充填ステーション126bでは、ボトル150は、1回以上の用量の香味材料を受け取ってもよい。香味材料は、上記とほぼ同じ方法で、対応するバルク材料パック124bから放出されてもよい。同様に、第3の充填ステーション126cでは、ボトル150は、1回以上の用量のニコチン材料を受け取ってもよい。ニコチン材料は、上記とほぼ同じ方法で、対応するバルク材料パック124cから放出されてもよい。第1の充填ステーション126aから第2の充填ステーション126bおよび第3の充填ステーション126cへのステージ132およびボトル150の動きは、それぞれの図に太線矢印によって表されている。当業者であれば、この動きが上記のようにロボット130によって提供されることを理解するであろう。
【0111】
適切な充填ステーション126を訪れ、各ステーションから適切と思われる量のバルク材料を受け取ると、ロボット130が検査ステーション182にボトル150を移動させてもよい。図13は、検査ステーション182にボトル150を配置しているステージ132を示す。検査ステーション182は、図14Aおよび図14Bにさらに詳細に示されている。検査ステーション182は、モジュール内のキャッピングステーション154と組み合わされる機器を含んでもよい。任意の検査ステーション182は、ボトル150内のエアロゾル前駆体の量を測定するように構成される。検査ステーション182は、正しい容積のエアロゾル前駆体がユーザに確実に分配されるように品質管理機能を提供する。一例では、ディスペンサユニット100は、15ml以上を提供するように構成されてもよい。
【0112】
一実施形態では、検査ステーション182は、超音波距離計184を有する。図14Bに示されるように、距離計184からボトル150にビーム186または波が放出される。次に、ビーム186は、エアロゾル前駆体組成物の表面188で反射し、距離計184に戻る。超音波距離計184は、単独で、またはコントローラ142と組み合わせて、ビーム186が移動した距離を特定することができる。次に、ボトル150が所望の高さまで充填されると、この距離と好ましい距離とを比較することができる。ビーム186があまりにも遠くまで移動した場合、すなわちエアロゾル前駆体の容積が許容範囲外であった場合、ボトル150を充填ステーション126のうちの1つ以上に戻して追加のバルク材料を受け取ってもよい。別の実施形態では、ボトル150が十分に充填されていない場合、容器120は、顧客に提供される代わりに、図2に見られるような廃棄物入れ112に廃棄されてもよい。検査ステーション182では、エアロゾル前駆体成分のいずれに最終組成物が足りず、不十分な総容積をもたらしていたのかを特定することができないため、充填が不十分な容器120を廃棄することが好ましい場合がある。一実施形態では、ロボット130は、各充填ステーション126を訪れた後、検査ステーション182にボトル150を移動させてもよい。ただし、各成分を個別に追加した後にボトル150の容積を検査すると、ディスペンサユニット100の処理時間が許容できない時間まで増大する可能性がある。
【0113】
ポンプ168の信頼性に応じて、容積制御を確実にするための検査ステーション182を設けることが重要であり得る。バルク材料が完全に空になるまでバルク材料パック124が使用される場合、ボトル150内の容積も不十分である可能性があり、その場合、リザーバ164がほぼ空の場合にパック124を1回以上使用すると、出口172から部分的な用量のみが放出される可能性がある。コントローラ142は、特定のバルク材料パック124が作動して一定用量のバルク材料を放出した回数を追跡するように構成されてもよい。例えば、コントローラ142は、上述のRFIDタグ166およびRFIDアンテナ176を使用して、特定のバルク材料パック124への訪問回数を記録してもよい。この追跡機能により、バルク材料パック124の性能の品質が低下すると予測される前に、バルク材料パック124の使用を中止し、交換を指示することができる。
【0114】
検査ステーション182は、超音波距離計184を含むものとして説明されてきた。当業者であれば、検査ステーション182が、他のレーザ距離計もしくは光学距離計、または当技術分野で既知の他の測定技術と同じまたは実質的に同等の機能を提供することができることを理解するであろう。ボトル150の狭い首部から確実に出入りするために、レーザを使用したメータが使用されてもよい。別の例では、ステージ132は質量スケールを備えてもよい。質量スケールは、空のボトル150に等しい風袋重量を有し、前駆体の総容積を十分に推定することができてもよい。このスケールはまた、各充填ステーション126でのボトル150の質量の変化に基づいて、添加中の各成分の容積を推定することができてもよい。このスケールにより、ステーションモニタリングによって、十分なステーションが、容器120を廃棄する必要性を低減または排除すること、あるいは充填プロセスの終了時に別個の検査工程を提供すること、を可能にすることができてもよい。
【0115】
図15は、ボトルの内容物の容積が検査ステーション182として試験された後にキャッピングステーション154に戻されたボトル150を示す。内容物が許容可能な容積を有する場合、ボトル150をキャッピングステーション154に移動させてもよい。ボトル150が廃棄されるように設定されている場合、ボトルがキャッピングステーション154に戻されて、廃棄物入れ112内の容器120内に前駆体を収容してもよい。キャッピングステーション154は、キャップ152をボトル150に戻すように機能する。キャップ152をボトル150に置くことが、キャップがボトルから取り外されるのとほぼ同じ方法で起こると予測される。ボトル150がキャップ152と位置合わせされると、キャップ保持装置156が反対方向に単に回転してもよい。キャッピングステーション154の追加の特徴は、以下に提供される容器構造の詳しい説明を考慮して明らかになるであろう。
【0116】
ディスペンサユニット100は、ラベル付けステーション190をさらに含んでもよい。図16は、キャッピングステーション154からラベル付けステーション190に移動させられた容器120を示す。ラベル付けステーション190は、ボトル150が充填された後、またはキャップ152がボトルに固定された後の使用に限定されない。ラベル付けステーション190は、バルク消耗品パック118から容器120を取り出した直後に使用されてもよい。他の実施形態では、ラベル付けステーション190での追加のラベル付けが不要になるように、必要かつ任意のマーキングまたは情報が容器120に事前に配置されてもよい。
【0117】
容器120上に提供される情報は、政府規制に準拠して商標またはテキストを提供する標識を含んでもよい。テキストは、内部に収容された前駆体に使用されるレシピを具体的または一般的に示してもよい。テキストまたは記号は、容器120または前駆体の使用に関する指示を提供してもよい。情報には、在庫管理、価格決定などのために購入中にスキャンされるバーコード、QRコード(登録商標)などが含まれ得る。
【0118】
総称して情報と呼ばれるラベルの内容は、全体または一部が容器120上に事前に配置されていてもよい。内容は、ラベル付けステーション190によって全体的または部分的に適用されてもよい。情報は、ボトル150、または容器120のキャップ152に直接適用されてもよい。情報は、接着剤付きフィルムまたは直接熱転写ラベルなどのウェブ192またはフィルムを介して容器120上に提供されてもよい。情報は、ウェブが容器120に取り付けられる前または後にウェブ192上に提供されてもよい。
【0119】
図17は、印刷ヘッド194の形態のラベル付けステーション190を示す。容器が印刷ヘッドを通過して移動する際に容器120に対する圧力を維持するように、例えば、ばね荷重をかけて印刷ヘッド194を付勢してもよい。ロボット130を使用して、印刷ヘッド194を通過して容器120を移動させてもよい。容器120を必要に応じて回転させて、その上に予め印刷されたラベルの接着を容易にし、および/または容器の複数の表面への印刷を容易にしてもよい。
【0120】
図18を参照すると、製品(例えば、前駆体を充填した容器)を仕上げる前に、ディスペンサユニット100内で1つ以上の追加の工程が生じてもよい。例えば、本開示の前駆体を生成するために多くの場合使用されるエアロゾル形成剤および香味材料は、同じボトル150に追加されても必ずしも容易かつ簡単に混合されない。しかし、一定した製品を提供するには、これらの前駆体成分を使用前に十分に混合しなければならない。1つの選択肢は、例えば「よく振る」ようにユーザに促す指示をラベルに提供することである。図18に示されている実施形態では、ディスペンサユニット100内で混合工程が行われる。図18は、ディスペンサユニット100の概略上面断面図を示す。混合経路196が螺旋パターンの形で示されている。ロボット130は、X-Y平面内の螺旋状混合経路に沿って容器120を移動させるように構成されてもよい。代替的または追加的に、混合経路196は、擬似ランダムパターンであってよい。代替的または追加的に、ステージ132は、容器120をZ軸に沿ってX-Y平面から移動させるように構成されてもよい。Z軸に沿った動きは、キャッピングステーション154と係合および係合解除するために使用され得る動きと同じ方向である。容器が螺旋状混合経路196をたどるため、容器120は比較的ゆっくりとZ軸に沿って移動させられ得る。あるいは、容器120は積極的に上下に振られてもよい。追加的または代替的に、ステージ132は、容器を貫通する軸、例えばZ軸の周りで容器120に回転運動を与えるように構成されてもよい。さらに他の実施形態では、キャッピングステーション154内で回転混合が起こってもよい。キャップ保持装置156は、容器120を全体として回転させてもよく、ボトル150は、ステージ132から一時的に離されるか、少なくともステージ132に対して自由に回転することができる。
【0121】
図19を参照すると、例示的な排出シュート110が示されている。排出シュート110は、入口200を含んでもよい。ロボット130は、入口200内に容器120を配置するように構成されてもよい。ステージ132または他の構造を使用して、容器120を上昇させてもよい。偏向面202が、所望の排出経路204に沿って容器120を押してもよい。排出シュート110は、ステージ132からの放出後に、容器120をアクセスドア106の開口104に導いてもよく、および/または開口104の外に導いてもよい。
【0122】
ディスペンサユニット100、ディスペンサユニット100内のいくつかの可能なステーション、およびそれぞれの代表的な機能についてここまで説明したので、ディスペンサユニット100の使用から生じる方法およびプロセスが当業者によって理解される。エアロゾル前駆体のカスタム組成物を作製する自動化された方法として、ディスペンサユニット100の使用が説明され得る。方法は、ロボット130によって空の容器120を取り出すことを含んでもよい。次いで、方法は、第1のポンプ168によって第1の位置で液体エアロゾル形成剤を容器120に分配することと、ロボット130によって第2の位置に容器120を移動させることと、第2のポンプによって第2の位置で少なくとも1つの液体香味材料を容器120に分配することとを含んでもよい。容器120は、キャップ152によって密閉または閉鎖されてもよい。次いで、エアロゾル前駆体成分を混合してエアロゾル前駆体組成物を完成させ、その後、これをディスペンサユニット100から排出してもよい。
【0123】
図20図23を参照すると、ディスペンサユニット100とともに使用するための容器120の一例が詳細に示されている。一実施形態では、ディスペンサユニット100によって分配される容器120は、1つ以上の「チャイルドレジスタンス」機能を有する。「チャイルドレジスタンス」機能は、一般に、容器120の内容物へのアクセスを制限するために2つ以上の異なる作用の組合せを必要とすることが当業者によって理解されている。一例には、キャップ152を回転させながら圧迫作用を適用することが含まれる。他の従来のチャイルドレジスタンスキャップは、回転中に押圧力を必要とする。さらに他の従来のチャイルドレジスタンスキャップは、キャップを取り外す前に特定の要素の位置合わせを必要とする。
【0124】
一実施形態では、容器120は、1つ以上の不正開封防止機能を含む。不正開封防止機能は、容器120が最初にアクセスされた後に容器120の外観または機能を変化させ、それにより、ユーザが、容器が以前に開かれたかどうかを認識することを意図している。例えば、いくつかのボトルキャップは、容器が最初に破られた後にポップアップするボタンを有する。好ましい実施形態では、ディスペンサユニット100から受け取られるエアロゾル前駆体を含む容器120は、チャイルドレジスタンス機能および不正開封防止機能の両方を有する。
【0125】
図20は、第1の状態の容器120の断面図を示す。第1の状態は、一般に、充填前状態(すなわち、充填される前または充填前、したがって実質的に空または未充填である)に対応する。第1の状態では、容器120は、ロボット130による取出しの準備ができたバルク消耗品パック118内に存在してもよい。容器120は、ボトル150とキャップ152とを含む。ボトル150は、エアロゾル前駆体などの液体内容物を保持するための貯蔵容積210を含む。貯蔵容積210は、少なくとも約5ml、好ましくは少なくとも約15mlであってよい。ディスペンサユニット100は、かなりの数の容器120を内部に有するカウンタートップ装置として構成されることが好ましいため、貯蔵容積210は100mlを超えるとは予測されない。多くの場合、貯蔵容積210は、エアロゾル送達装置での複数回の使用に十分なエアロゾル前駆体を収容するのに十分な大きさである。言い換えれば、例えばカートリッジ内に設けられるエアロゾル送達装置のリザーバは、ボトル150の貯蔵容積210の2分の1以上の大きさであってよい。
【0126】
ボトル150は、キャップ152のボトル150への取り付けを少なくとも部分的に補助する雄ねじ214を有する首部212を含んでもよい。首部212は、ねじ214と貯蔵容積210との間に半径方向フランジ216を含んでもよい。
【0127】
キャップ152は、貯蔵容積210からエアロゾル前駆体を分配するための開口部222を有するノズル220を含んでもよい。ノズル220は、首部212内に少なくとも部分的にはまってもよい。キャップ152はまた、内側カバー224を含んでもよい。内側カバー224は、首部212の雄ねじ214と係合するように構成された雌ねじ226を含んでもよい。内側カバー224は、内側カバー224の内部に配置された不正開封防止バンド228の形態の不正開封防止機能を提供してもよい。
【0128】
第1の充填前位置では、不正開封防止バンド228は作動しない。したがって、キャップ152を取り外してボトル150に前駆体を充填できるようにしても、不正開封防止バンド228が破壊されることはない。図20に示すように、不正開封防止バンド228は、第1の状態では半径方向フランジ216の上部を押圧してもよい。バンド228と半径方向フランジ216の上部との間のこの圧入は、空の容器120の輸送または積み込み中にキャップ152がボトル150から緩まないことを確実にするのに役立ち得る。
【0129】
キャップ152はまた、内側カバー224上に設けられるように構成された外側カバー230を含んでもよい。内側カバー224と外側カバー230との間の選択された動きは、容器120に好ましいチャイルドレジスタンス機能をもたらし得る。例えば、内側カバー224を首部212に対して回転させるために、外側カバー230を内側カバー224に対して半径方向に圧迫する必要があってもよい。あるいは、内側カバーを首部212に対して回転させるために、外側カバー230をボトル150に向かって内側カバー224上に押し下げる必要があってもよい。
【0130】
図20に示される第1の状態は、ボトル150に部分的に取り付けられたキャップ152を含む。例えば、ノズル220は、第1の挿入距離I1だけ首部212に挿入される。内側カバー224は、第1のねじ距離T1だけ首部212と螺合する。第1の状態では、ボトル150がエアロゾル前駆体組成物成分を受け取ることができるように、不正開封防止機能を作動させることなくボトル150からキャップ152を完全に取り外すことができる。充填前のキャップ152の完全な取り外しは、ノズル220、内側カバー224および外側カバー230を同時に取り外すことを含んでもよい。
【0131】
図21は、第2の状態でボトル150に完全に取り付けられたキャップ152を示す。第2の状態は、一般に、エアロゾル前駆体がボトル150を充填した後に生じる。図21は、ユーザがエアロゾル前駆体を初めて使用する前に起こるであろう、無傷で作動している不正開封防止バンド228を示している。第2の状態では、ノズル220がI1よりも大きい第2の挿入距離I2だけ首部212に挿入されるように、キャップ152がボトル150と係合する。第2の状態では、内側カバー224は、T1よりも大きい第2のねじ距離T2だけ首部212と螺合する。内側カバー224が首部212に完全にねじ込まれると、半径方向フランジ216の下に配置されることにより、不正開封防止バンド228が作動する。バンド228が作動すると、内側カバー224がノズル220から取り外された場合に、バンドが半径方向フランジ216を通過する際にバンドがダメージを受ける(例えば、永久変形または破損する)。
【0132】
図20に示される第1の状態では、第1の挿入距離I1は、首部212内のノズル220に遊嵌をもたらすように構成される。充填のためにボトル150にアクセスするために内側カバー224が首部212からねじ式に取り外されると、ノズル220が内側カバー224とともに運ばれ、キャップ152によって維持される。一例では、ノズル220は、突起234と相互作用することによって内側カバー224にスナップ嵌めするための戻り止め232を有する。戻り止め232および突起234は、ノズルが首部212に緩く挿入された場合にのみ、ノズル220が内側カバー224に追従することを可能にする。言い換えれば、戻り止め232は、第1の状態にある際に、キャッピングステーション154での単一の工程でボトル150からキャップ152を完全に取り外すことを可能にする。これにより、ボトル150からノズル220を別個に取り外したり、場合によっては別個にボトルに追加したりする必要がなくなる。
【0133】
しかし、図21に示される第2の状態では、第2の挿入距離I2は、ノズル220の首部212への緊密で実質的に恒久的な圧入をもたらすように構成される。ノズル220は、内側カバー224の段部238の下に設定された肩部236を含んでもよい。内側カバー224が首部212に完全にねじ込まれると、内側カバー224の段部238がノズル220の肩部236を押して、第2の挿入距離I2にノズルを押し込んでもよい。第2の位置では、首部212とノズル220との間の保持は、戻り止め232と突起234との間の保持よりも著しく大きい。したがって、第2の状態が達成されると、ノズル220が首部212と係合したままである間、内側カバー224はボトル150からねじ式に取り外し可能であるように構成される。
【0134】
ノズル220が第2の挿入距離I2だけ首部212に挿入され、内側カバー224が首部と螺合しない場合、容器120は、第3の状態にあると言われ得る。第3の状態では、ノズル220の開口部222を通してボトル150の前駆体内容物を分配することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、ボトル150の側壁240およびキャップ152の側壁242は円筒形でなくてよい。このように、ボトル150に対してキャップ152をねじ込むことにより、キャップ152の側壁242とボトル150の側壁240との間に位置ずれがもたらされる場合がある。この潜在的な問題に対処し、キャップ152がボトル150に完全にねじ込まれた際にそれぞれの側壁を確実に位置合わせするのを補助するために、首部212にはボトル位置合わせストッパ244が設けられてもよい。ボトル位置合わせストッパ244は、図22に最もよく示され得る。内側カバー224はまた、図23に最もよく示され得るキャップ位置合わせストッパ246を有してもよい。ボトル150にキャップ152をねじ込むと、ボトル位置合わせストッパ244は、第2の状態でキャップ位置合わせストッパ246に当接し、その時点で容器120の側壁240、242が位置合わせされる。
【0136】
一実施形態による容器120の構造をここまで示し、説明してきたが、当業者には容器を使用または充填する方法およびプロセスが明らかであろう。一例では、容器120は、容器にエアロゾル前駆体液体を充填する方法の一部として使用されてもよい。方法は、機械によってボトル150からキャップ152を分離することを含んでもよく、キャップは、ノズル220、内側カバー224および外側カバー230を有する。次に、方法は、ボトル150の貯蔵容積210に、複数の充填ステーション126からエアロゾル前駆体液体を少なくとも部分的に充填することを含んでもよく、各ステーションは、エアロゾル前駆体の液体成分を含む。ノズル220がボトルに実質的に恒久的に固定され、内側カバー224とともに形成された不正開封防止バンド228がボトルの首部212から延びる半径方向フランジ216の下で作動するように、ボトル150にキャップ152を取り付けることにより、方法が継続されてもよい。
【0137】
ディスペンサユニット100および容器120の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な実施形態に適用され得る。しかし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
【0138】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有する、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル前駆体組成物を混合および分配するユニットであって、ユニットは、
エアロゾル形成剤を有する少なくとも1つの第1の充填ステーションおよびエアロゾル前駆体を生成するための香味材料を有する少なくとも1つの第2の充填ステーションを含む複数のバルク材料充填ステーションと、
エアロゾル前駆体を受け取るように構成された複数の容器を階層化するバルク消耗品パックと、
バルク消耗品パックから容器を取り出し、少なくとも2次元にわたって容器を移動させて複数のバルク材料充填ステーションのうちの少なくとも2つに停止するように構成されたロボットと、
を含む、ユニット。
【外国語明細書】