(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184873
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】配線構造、表示基板および表示装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20221206BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H05K1/02 J
G09F9/30 330
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141329
(22)【出願日】2022-09-06
(62)【分割の表示】P 2019547967の分割
【原出願日】2018-05-25
(31)【優先権主張番号】201710772275.0
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲ジャン▼ 志▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】王 研▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 恕▲権▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲偉▼
(57)【要約】 (修正有)
【課題】断裂しにくい配線構造ならびに当該配線構造を備える表示基板および表示装置を提供する。
【解決手段】本体部に複数の導電ユニット10備える配線構造であって、透かし彫りパターン13を有する本体部は、配線構造の延伸方向に対向設置された第1側辺11と第2側辺12とを有し、かつ、前記第1側辺と前記第2側辺はいずれも波形である。本体部はさらに、配線構造の延伸方向に順に連なる複数の導電ユニットを備える。各導電ユニットにおいて、前記第1側辺上に位置する突出部の、配線構造の延伸方向における長さと、前記第2側辺上に位置する突出部の、配線構造の延伸方向における長さは異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透かし彫りパターンを有する本体部を備える配線構造であって、
前記本体部は、対向設置された第1側辺と第2側辺とを有し、かつ前記第1側辺と前記第2側辺は、いずれも配線構造の延伸方向に波形であり、
前記本体部は配線構造の延伸方向において、前記第1側辺上に交互に配置される複数の第1突出部と複数の第1凹部とを有し、前記第2側辺上に交互に配置される複数の第2突出部と複数の第2凹部とを有する、配線構造。
【請求項2】
前記第1側辺上の複数の第1突出部のうちの少なくとも1つの第1突出部は、前記延伸方向に垂直な方向において、前記第2側辺上の複数の第2突出部のうちの1つの第2突出部に対応して設置される、請求項1に記載の配線構造。
【請求項3】
前記第1側辺上の複数の第1突出部のうちの各第1突出部は、前記延伸方向に垂直な方向において、前記第2側辺上の複数の第2突出部のうちの対応する1つの第2突出部に対応して設置される、請求項2に記載の配線構造。
【請求項4】
前記第1側辺上の複数の第1突出部のうちの少なくとも1つの第1突出部は、前記延伸方向に垂直な方向において、前記第2側辺上の複数の第2突出部のうちの対応する1つの第2突出部に対応して設置される、請求項1に記載の配線構造。
【請求項5】
前記第1側辺上に位置する第1突出部の湾曲度と、前記第2側辺上に位置する第2突出部の湾曲度と、が異なる、請求項2に記載の配線構造。
【請求項6】
前記第1側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なり、
前記第2側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なる、請求項2に記載の配線構造。
【請求項7】
前記第1側辺上と前記第2側辺上のいずれにおいても、少なくとも三種類の、湾曲度が異なる突出部を備える、請求項2に記載の配線構造。
【請求項8】
前記第1側辺上の任意の隣り合う2つの第1突出部の曲率半径は、それぞれ30nm及び50nmであり、
前記第2側辺上の任意の隣り合う2つの第2突出部の曲率半径は、それぞれ30nm及び50nmである、請求項6に記載の配線構造。
【請求項9】
前記透かし彫りパターンは、前記本体部に設けられた複数の開口部を有し、
前記延伸方向に垂直な方向において、前記複数の開口部の少なくとも1つは、前記第1側辺上の複数の第1突出部のうちの対応する1つの第1突出部に対応して設置される、又は、前記第2側辺上の複数の第2突出部のうちの対応する1つの第2突出部に対応して設置される、請求項2に記載の配線構造。
【請求項10】
前記複数の開口部は、複数列の開口部を含み、
前記複数の開口部は、前記延伸方向に垂直な方向において、ずれて配置されている、請求項9に記載の配線構造。
【請求項11】
前記複数の開口部は、複数列の開口部を含み、
前記2列の開口部における1列の開口部の少なくとも1つの開口部は、もう1列の開口部において、該開口部に隣接する2つの開口部の中心線上にある、請求項10に記載の配線構造。
【請求項12】
前記2列の開口部における1列の開口部のうちの各開口部は、もう1列の開口部において、該開口部に隣接する2つの開口部の距離と等しい、請求項11に記載の配線構造。
【請求項13】
前記2列の開口部における1列の開口部のうちの各開口部は、もう1列の開口部において、該開口部に隣接する2つの開口部の距離と等しく、該隣接する2つの開口部の間の距離と等しい、請求項12に記載の配線構造。
【請求項14】
前記開口部の形状には、円形、楕円形、矩形、菱形のいずれか1つが含まれる、請求項13に記載の配線構造。
【請求項15】
ベースと、前記ベースに設けられた請求項1に記載の配線構造と、を備える、表示基板。
【請求項16】
請求項15に記載の表示基板を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に属し、具体的に、配線構造、表示基板および表示装置に関するものである。
(関連出願の相互参照)
本願は、2017年8月31日に中国知識産権局に提出された、中国特許出願番号第201710772275.0号の優先権を主張し、公開内容を参照という形でここに援用する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル表示装置を製造するために、有機発光層、有機パッシベーション層、フレキシブル基板としてのポリマー基板(例えばPI基板)のような有機材料を使用した多くの表示部材が開発されている。しかしながら、有機材料の導電率は金属線にはるかに及ばないため、有機材料をもってディスプレイ内の金属線の代わりとすることは困難である。フレキシブル表示装置が折れ曲がった時、表示パネル内の金属線が断裂する可能性があり(その断裂ひずみトレースは約1%である)、表示部材が無効になってしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本願は、従来技術に存在する技術課題の1つを少なくとも解決することを趣旨とし、断裂しにくい配線構造ならびに当該配線構造を備える表示基板および表示装置を提供する。
【0004】
本願の技術課題を解決するために用いる技術案は、透かし彫りパターンを有する本体部を備え、前記本体部は、配線構造の延伸方向に対向設置された第1側辺と第2側辺とを有し、かつ前記第1側辺と前記第2側辺はいずれも波形であり、
【0005】
前記本体部は、配線構造の延伸方向に順に連なる複数の導電ユニットを備え、各前記導電ユニットにおいて、前記第1側辺上に位置する突出部の、前記配線構造の延伸方向における長さと、前記第2側辺上に位置する突出部の、前記配線構造の延伸方向における長さが異なる、配線構造である。
【0006】
本願の実施例によれば、各前記導電ユニットにおいて、前記第1側辺上に位置する突出部の湾曲度と、前記第2側辺上に位置する突出部の湾曲度が異なる。
【0007】
本願の実施例によれば、前記第1側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なる、および/または、前記第2側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なる。
【0008】
本願の実施例によれば、各前記導電ユニットのいずれにおいても、前記第1側辺上に位置する1つの突出部と、前記第2側辺上に位置する1つの突出部と、を備える。
【0009】
本願の実施例によれば、隣り合う2つの前記導電ユニットの、前記第1側辺上の接続点と第2側辺上の接続点との間を結ぶ線の延伸方向は、配線構造の延伸方向に垂直な方向と交差する。
【0010】
本願の実施例によれば、任意の隣り合う2つの前記導電ユニットは互いに点対称のパターンである。
【0011】
本願の実施例によれば、前記第1側辺上と前記第2側辺上のいずれにおいても、少なくとも三種類の、湾曲度が異なる突出部を備える。
【0012】
本願の実施例によれば、前記本体部の少なくとも一部の隣り合う2つの導電ユニットのうちの一方に、前記第1側辺上に位置する1つの突出部と前記第2側辺上に位置する2つの突出部とを備え、他方に、前記第1側辺上に位置する2つの突出部と前記第2側辺上に位置する1つの突出部とを備える。
【0013】
本願の実施例によれば、前記第1側辺上に位置する1つの突出部と前記第2側辺上に位置する2つの突出部とを備える導電ユニットと、これと隣り合い、第1側辺上に位置する2つの突出部と第2側辺上に位置する1つの突出部とを備える2つの導電ユニットとが互いに点対称のパターンである。
【0014】
本願の実施例によれば、複数の本体部を備える前記配線構造であって、任意の隣り合う2つの前記本体部のうちの一方の第1側辺と他方の第2側辺が互いにつなぎ合わせられて一体構造をなす。
【0015】
本願の実施例によれば、隣り合う2つの前記本体部における透かし彫りパターンがジグザグに配置される。
【0016】
本願の実施例によれば、各前記導電ユニットのいずれにも前記透かし彫りパターンが1つ設けられる。
【0017】
本願の実施例によれば、前記透かし彫りのパターンの形状には、円形、楕円形、矩形、菱形のいずれか1つが含まれる。
【0018】
本願の実施例によれば、各前記導電ユニットは一体成形構造である。
【0019】
本願は、ベースと、前記ベースに設けられた配線構造と、を備える、表示基板をさらに提供する。
【0020】
本願は、上記の表示基板を備える表示装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本願実施例の配線構造の概念図である。
【
図2】
図2は本願実施例の配線構造の概念図である。
【
図3】
図3は本願実施例の配線構造の概念図である。
【
図4】
図4は本願の他の実施例の配線構造の概念図である。
【
図5】
図5は本願のさらなる実施例の配線構造の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願の技術案を当業者がよりよく理解できるように、以下では図面と具体的な実施の形態を組み合わせて、本願についてさらに詳細に説明する。
【0023】
図1~5に示すように、本願の実施例では、透かし彫りパターン13を有する本体部を備え、本体部は、配線構造の延伸方向に対向設置された第1側辺11と第2側辺12とを有し、かつ第1側辺11と第2側辺12はいずれも波形であり、本体部は、配線構造の延伸方向に順に連なる複数の導電ユニット10を備え、各導電ユニット10において、前記第1側辺上に位置する突出部の、前記配線構造の延伸方向における長さと、前記第2側辺上に位置する突出部の、前記配線構造の延伸方向における長さが異なる、配線構造を提供する。したがって、配線構造が折れ曲がった時に応力が集中する点の間を結ぶ線が湾曲線(配線構造が折れ曲がった時の折れ目がある直線)と平行になり、折り曲げで形成される亀裂が、応力集中点を結ぶ線の方向に延伸し、配線構造が断裂してしまうという現象を回避できる。
【0024】
本願の実施例によれば、各導電ユニット10において、第1側辺11上に位置する突出部の湾曲度と、第2側辺12上に位置する突出部の湾曲度が異なる。
【0025】
本実施例における配線構造の本体部の第1側辺11と第2側辺12はいずれも波形であり(つまり、各側辺は複数の突出部が連なってなる)、かつ本体部における各導電ユニット10の、前記第1側辺11上に位置する突出部の湾曲度と前記第2側辺12上に位置する突出部の湾曲度が異なるため、各導電ユニット10における、第1側辺11上に位置する突出部が耐えうる曲げ力と第2側辺12上に位置する突出部が耐えうる曲げ力は異なる。よって、導電ユニット10における一方の突出部が断裂しても、他方の突出部によって配線構造の接続を保持することができ、配線構造が折れ曲がって断裂して無効になるという問題を防ぐことができる。
【0026】
本体部の第1側辺11上の任意の隣り合う2つの突出部の湾曲度が異なり、および/または、前記第2側辺12上の任意の隣り合う2つの突出部の湾曲度が異なる。つまり、第1側辺11と第2側辺12における少なくとも一方上の任意の隣り合う2つの突出部の湾曲度が異なり、湾曲度が異なる突出部が耐えうる曲げ力も異なるものであって、配線構造が折れ曲がる過程において大きな力を受けたときでも、一部の突出部が断裂するだけである。一方、1つの導電ユニット10における、第1側辺11と第2側辺12上の突出部の湾曲度も異なるものであって、同じ理由により、配線構造が折れ曲がる過程において大きな力を受けても、そのうちの一方上の突出部が断裂するだけであるため、配線構造は信号伝送を正常に行うことができ、使用に影響しない。
【0027】
各導電ユニット10のいずれにも透かし彫りパターン13が1つ設けられ、このような構造は、配線構造の良好な導電性を確保したうえで、配線構造が折れ曲がり、引っ張られ、ねじられたときに応力を最大限に解放することができ、配線構造の断裂を防ぐことができる。透かし彫りのパターン13の形状は、円形、楕円形(
図2に示す通り)、矩形、菱形のいずれか1つであってよく、当然ながら、上記のいくつかの形状に限定されるものではない。
以下では、具体的な実施の形態を組み合わせて、本実施例における配線構造について説明する。
【0028】
本願の実施例によれば、
図1~3に示すように、配線構造の本体部は配線構造の延伸方向に順次連なる導電ユニット10を備え、各導電ユニット10は第1側辺11上に位置する1つの突出部と、第2側辺12上に位置する1つの突出部とを有する。
図3に示すように、本体部上の隣り合う2つの前記導電ユニット10の、前記第1側辺11上の接続点と第2側辺12上の接続点とを結ぶ線の延伸方向は、配線構造の延伸方向と垂直な方向に交差する。つまり、1つの導電ユニット10において、第1側辺11上の突出部の、配線構造の延伸方向における長さは、第2側辺12上の突出部の、配線構造の延伸方向における長さ未満である。本体部上の隣り合う2つの前記導電ユニット10の、前記第1側辺11上における接続線(例えば
図3に示すa)と第2側辺12上の接続線(例えば
図3に示すb)は、配線構造がねじられ、折れ曲がり、引っ張られたときなどに応力が集中する点であるため、本実施例における隣り合う2つの導電ユニット10の間の、第1側辺11上の応力集中点(即ち点a)と第2側辺12上の応力集中点(即ち点b)との間を結ぶ線は水平線(水平線とは、配線構造の延伸方向に垂直な直線を指す)上にない。当該構造は、配線構造が折れ曲がった時に、応力が集中する点を結ぶ線の方向(a点とb点とを結ぶ方向)が湾曲線(図中の破線)と平行になるのを避けることで、折り曲げで形成される亀裂が応力集中点を結ぶ線の方向に延伸し、配線構造が断裂してしまうという現象を防止し、ひいては配線構造の耐湾曲性と信頼性を向上させている。特にフレキシブル基板について言えば、湾曲しやすいというフレキシブル基板そのものの性質から、本実施例の配線構造を用いることでフレキシブル基板の歩留まりを大幅に向上できる。
【0029】
本願の実施例によれば、各導電ユニット10において、第1側辺11上に位置する突出部と、第2側辺12上に位置する突出部の湾曲度が異なる。さらに、任意の隣り合う2つの導電ユニット10の、第1側辺11上に位置する突出部の湾曲度が異なり、第2側辺12上に位置する突出部の湾曲度も異なる。各導電ユニット10のいずれにも前記透かし彫りパターン13が1つ設けられる。任意で、各導電ユニット10は一体成形構造であり、このような設置は製造に便利で、生産効率を大幅に向上させることができる。
【0030】
配線構造の構造を均一にするために、本体部の第1側辺11と第2側辺12はいずれも二種類の異なる湾曲度の突出部を備えるよう選択できる。各側辺上に、湾曲度が異なる突出部が交互に設けられる。さらに、第1側辺11と第2側辺12上に設けられる突出部の種類は同一である(ここでの「種類は同一である」ということは、第1側辺11と第2側辺12上の突出部が円弧状である場合、例えば、第1側辺11上の突出部の曲率半径がそれぞれ30mm、50mmであるとき、第2側辺12上の突出部の曲率半径もそれぞれ30mm、50mmであるということを指す)。このとき、隣り合う2つの導電ユニット10は互いに点対称のパターンである。
【0031】
本願のさらなる実施例によれば、
図4に示すように、配線構造の本体部は、配線構造の延伸方向に順に連なる導電ユニット10を備え、本体部の第1側辺11上と第2側辺12上のいずれにおいても、三種類の、湾曲度が異なる突出部を備え、さらに、任意の隣り合う2つの導電ユニット10の、第1側辺11上に位置する突出部の湾曲度が異なり、第2側辺12上に位置する突出部の湾曲度も異なる。各導電ユニット10のいずれにも前記透かし彫りパターン13が1つ設けられる。各導電ユニット10は一体成形構造であることが好ましく、このような設置は製造に便利で、生産効率を大幅に向上させることができる。
【0032】
具体的に、
図4に示すように、配線構造の本体部内の一部の導電ユニット10の構造は上記実施例と同一であり、残りの部分における2つの導電ユニット10のうちの一方に、前記第1側辺11上に位置する1つの突出部と第2側辺12上に位置する2つの突出部とを含み、他方に、前記第1側辺11上に位置する2つの突出部と第2側辺12上に位置する1つの突出部とを含む。任意で、前記第1側辺11上に位置する1つの突出部と前記第2側辺12上に位置する2つの突出部とを備える導電ユニット10と、これと隣り合い、第1側辺11上に位置する2つの突出部と第2側辺12上に位置する1つの突出部とを備える2つの導電ユニット10とは互いに点対称のパターンである。
【0033】
なお、本体部の第1側辺11と第2側辺12上のいずれにおいても、湾曲度の異なるより多くの突出部を含んでよい。各導電ユニット10についても上記の構造には限定されず、第1側辺11上に位置する複数の突出部と第2側辺12上に位置する複数の突出部とを含んでもよく、ここでは逐一列挙しない。
【0034】
本願のさらなる実施例によれば、配線構造は、上記における任意の配線構造を複数つなぎ合わせてなしたものであってもよい。
図5に示すように、配線構造は2つの本体部を備え、任意の隣り合う2つの前記本体部のうちの一方の第1側辺11と他方の第2側辺12が互いにつなぎ合わせられて一体構造をなす。また、任意で、
図5に示すように、配線構造上にジグザグに配置された隣り合う2つの本体部の透かし彫りパターン13において、一方の本体部の各透かし彫りパターンは、他方の本体部の各透かし彫りパターンの水平方向において(即ち、配線構造の延伸方向に垂直な方向において)ずれている。このような設置方式は、隣り合う2つの本体部のうちの透かし彫りパターン13の線が配線構造の曲げ線と平行になり、配線構造が折れ曲がるときに断裂が生じやすいという問題を回避できる。
【0035】
図1~5に示すように、上記各種配線構造の本体部における各導電ユニット10の、第1側辺11上に位置する突出部の、配線構造の延伸方向における長さと、前記第2側辺12に位置する突出部の、配線構造の延伸方向における長さは異なり、隣り合う2つの導電ユニット10の間の、第1側辺11上の応力集中点と第2側辺12上の応力集中点との間を結ぶ線は曲げ線と平行でない。よって、折り曲げで形成される亀裂が応力集中点を結ぶ線の方向に延伸し、配線構造が断裂してしまうという現象を防止し、ひいては配線構造の耐湾曲性と信頼性を向上させている。
【0036】
このほか、各導電ユニット10において、第1側辺11上に位置する突出部と、第2側辺12上に位置する突出部の湾曲度が異なれば、各導電ユニット10の、第1側辺11上に位置する突出部が耐えうる曲げ力と、第2側辺12上に位置する突出部が耐えうる曲げ力も異なるため、導電ユニット10における一方の突出部が断裂しても、他方の突出部によって配線構造の接続を保持することができ、配線構造が折れ曲がって断裂して無効になってしまうという問題を防ぐことができる。
【0037】
本実施例は、ベースと、ベースに設けられた配線構造とを備える表示基板をさらに提供し、当該配線構造は上記実施例におけるいずれかの配線構造であってもよい。
【0038】
本実施例における表示基板はフレキシブル基板であってよく、使用するベースの材料はポリイミド(PI)などのようなフレキシブル材料であってもよい。
【0039】
本実施例の表示基板における配線構造上の本体部の第1側辺11と第2側辺12はいずれも波形であるため(つまり、各側辺は複数の突出部が連なってなる)、1つの導電ユニット10において、第1側辺11上の突出部の、配線構造の延伸方向における長さは、第2側辺12上の突出部の、配線構造の延伸方向における長さ未満である。このような構造は、配線構造が折れ曲がった時に、応力集中点を結ぶ線の方向が曲げ線と平行になるのを避けることで、折り曲げで形成される亀裂が応力集中点を結ぶ線の方向に延伸し、配線構造が断裂してしまうという現象を防止し、ひいては配線構造の耐湾曲性と信頼性を向上させている。特にフレキシブル基板について言えば、湾曲しやすいというフレキシブル基板そのものの性質から、本実施例の配線構造を用いることでフレキシブル基板の歩留まりを大幅に向上できる。
【0040】
さらに、本体部における各導電ユニット10の、前記第1側辺11上に位置する突出部の湾曲度と前記第2側辺上に位置する突出部の湾曲度が異なるため、各導電ユニット10における、第1側辺11上に位置する突出部が耐えうる曲げ力と第2側辺12上に位置する突出部が耐えうる曲げ力は異なる。よって、導電ユニット10における湾曲度の小さい突出部が断裂しても、湾曲部が比較的大きな他方の突出部によって配線構造の接続を保持することができ、配線構造が折れ曲がって断裂して無効になってしまうという問題を防ぐことができる。特にフレキシブル基板について言えば、湾曲しやすいというフレキシブル基板そのものの性質から、本実施例の配線構造を用いることでフレキシブル基板の歩留まりを大幅に向上できる。
【0041】
本実施例は、上記実施例における表示基板を備える表示装置をさらに提供する。よって、本実施例の表示装置の性能はより優れている。
【0042】
なお、表示装置は液晶表示装置もしくはエレクトロルミネッセンス表示装置であってよく、例えば、液晶パネル、電子ペーパー、OLEDパネル、携帯電話、タブレット型コンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノート型パソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなど、表示機能を有するあらゆる製品または部材であってもよい。
【0043】
上記の実施の形態は、本願の原理を説明するために用いた例示的な実施の形態であり、本願はこれに限定されないのは明らかである。当業者は本願の精神と本質を逸脱しない範囲で各種変形と改善をなすことができ、これらの変形と改善も本願の請求範囲であると見なされる。
【0044】
(項目1)
透かし彫りパターンを有する本体部を備える配線構造であって、
前記本体部は、配線構造の延伸方向に対向設置された第1側辺と第2側辺とを有し、かつ前記第1側辺と前記第2側辺はいずれも波形であり、
前記本体部は、配線構造の延伸方向に順に連なる複数の導電ユニットを備え、各前記導電ユニットにおいて、前記第1側辺上に位置する突出部の、前記配線構造の延伸方向における長さと、前記第2側辺上に位置する突出部の、前記配線構造の延伸方向における長さが異なる、配線構造。
(項目2)
各前記導電ユニットにおいて、前記第1側辺上に位置する突出部の湾曲度と、前記第2側辺上に位置する突出部の湾曲度が異なる、項目1に記載の配線構造。
(項目3)
前記第1側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なる、項目1に記載の配線構造。
(項目4)
前記第2側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なる、項目1に記載の配線構造。
(項目5)
前記第1側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なり、かつ前記第2側辺上の任意の隣り合う2つの前記突出部の湾曲度が異なる、項目1に記載の配線構造。
(項目6)
各前記導電ユニットのいずれにおいても、前記第1側辺上に位置する1つの突出部と、前記第2側辺上に位置する1つの突出部と、を備える、項目3~5のいずれか一項に記載の配線構造。
(項目7)
任意の隣り合う2つの前記導電ユニットは互いに点対称のパターンである、項目6に記載の配線構造。
(項目8)
前記第1側辺上と前記第2側辺上のいずれにおいても、少なくとも三種類の、湾曲度が異なる突出部を備える、項目3~5のいずれか一項に記載の配線構造。
(項目9)
前記本体部の少なくとも一部の隣り合う2つの導電ユニットのうちの一方に、前記第1側辺上に位置する1つの突出部と前記第2側辺上に位置する2つの突出部とを備え、他方に、前記第1側辺上に位置する2つの突出部と前記第2側辺上に位置する1つの突出部とを備える、項目8に記載の配線構造。
(項目10)
前記第1側辺上に位置する1つの突出部と前記第2側辺上に位置する2つの突出部とを備える導電ユニットと、これと隣り合い、第1側辺上に位置する2つの突出部と第2側辺上に位置する1つの突出部とを備える2つの導電ユニットとが互いに点対称のパターンである、項目9に記載の配線構造。
(項目11)
複数の本体部を備える前記配線構造であって、任意の隣り合う2つの前記本体部のうちの一方の第1側辺と他方の第2側辺が互いにつなぎ合わせられて一体構造をなす、項目1に記載の配線構造。
(項目12)
隣り合う2つの前記本体部における透かし彫りパターンがジグザグに配置される、項目11に記載の配線構造。
(項目13)
各前記導電ユニットのいずれにも前記透かし彫りパターンが1つ設けられる、項目1に記載の配線構造。
(項目14)
前記透かし彫りのパターンの形状には、円形、楕円形、矩形、菱形のいずれか1つが含まれる、項目1に記載の配線構造。
(項目15)
各前記導電ユニットは一体成形構造である、項目1~14のいずれか一項に記載の配線構造。
(項目16)
ベースと、前記ベースに設けられた項目1~15のいずれか一項に記載の配線構造と、を備える、表示基板。
(項目17)
項目16に記載の表示基板を備える表示装置。
【符号の説明】
【0045】
10 導電ユニット
11 第1側辺
12 第2側辺
13 パターン