(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184889
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ゲーム処理プログラム、ゲーム処理装置及びゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5372 20140101AFI20221206BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20221206BHJP
A63F 13/21 20140101ALI20221206BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221206BHJP
A63F 13/537 20140101ALI20221206BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20221206BHJP
【FI】
A63F13/5372
A63F13/428
A63F13/21
A63F13/79
A63F13/537
G06F3/04842
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142259
(22)【出願日】2022-09-07
(62)【分割の表示】P 2021016647の分割
【原出願日】2015-09-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトに掲載(A)平成27年9月9日https://www.com/watch?v=E9hqxgk3Gn0,(B)平成27年9月9日http://tgs.gree.net/exhibitions/vr,(C)平成27年9月10日https://www.youtube.com/watch?t=107&v=WFZwNc1M
(71)【出願人】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 匡志
(57)【要約】
【課題】複数のプレイヤにより進行される仮想空間のゲームにおいてプレイヤ同士の状況把握を補助する。
【解決手段】制御部21を、ディスプレイ14において、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を、検出装置により検出されたプレイヤの注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、プレイヤの注視位置が、選択前の第1の状態の対象オブジェクト上にある時間である注視時間が所定時間に達したか否かを判定する判定部と、注視時間の経過を示す注視時間表示を、対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部と、一方のプレイヤの注視位置が対象オブジェクト上にある注視時間が所定時間に達したと判定された場合に、一方のプレイヤのディスプレイ14及び他方のプレイヤのディスプレイ14に、選択を完了した対象オブジェクトを第2の状態として表示するオブジェクト変更部として機能させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記検出装置の検出結果に基づいて前記各プレイヤの注視位置を特定する注視位置特定部と、
前記プレイヤが視認する前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を当該プレイヤの前記注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、
前記プレイヤの前記注視位置の座標と選択前の第1の状態の前記対象オブジェクトの座標とを対比して、前記プレイヤの注視位置が前記第1の状態の前記対象オブジェクト上にあるとみなされた注視時間が所定時間に達したか否かを判定する判定部と、
前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部と、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に当該対象オブジェクトの選択を完了したと判断して、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するオブジェクト変更部として機能させる、ゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記時間表示出力部は、前記注視時間が前記所定時間に達したとき前記注視時間表示を消去する
請求項1に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記時間表示出力部は、前記注視位置を前記注視時間表示の中央部分に位置させて表示する
請求項1又は2に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項4】
前記時間表示出力部は、前記注視時間表示が前記特定された注視位置を隠さない状態で前記注視時間表示を表示する
請求項1~3のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項5】
前記時間表示出力部は、前記注視時間の経過に合わせて前記注視時間を示す領域が増加するゲージを前記注視時間表示として表示する
請求項1~4のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記時間表示出力部は、前記注視位置が選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある状態が特定されたことを契機として前記注視時間表示を表示する
請求項1~5のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項7】
前記時間表示出力部は、前記対象オブジェクトを選択する前記ゲームの開始から終了までの期間において前記注視時間表示を継続して表示する
請求項1~5のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項8】
前記時間表示出力部は、一方のプレイヤが前記対象オブジェクトを注視することにより表示された前記注視位置が他方のプレイヤの前記仮想空間における視野範囲に含まれる場合に、前記他方のプレイヤが用いる前記ディスプレイに表示される前記仮想空間の画像に前記一方のプレイヤの注視により表示された前記注視時間表示を含める
請求項1~7のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項9】
前記オブジェクト変更部は、前記第1の状態の前記対象オブジェクトを移動させることにより前記第2の状態とする
請求項1~8のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項10】
前記オブジェクト変更部は、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した後に、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した状態を継続する請求項1~9のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項11】
前記オブジェクト変更部は、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した前記第2の状態を、前記プレイヤの注視の継続を条件に維持する請求項1~9のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項12】
プレイヤの注視位置を特定するための検出装置を用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理装置であって、
前記検出装置の検出結果に基づいて前記各プレイヤの注視位置を特定する注視位置特定部と、
前記プレイヤが視認する前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を当該プレイヤの前記注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、
前記プレイヤの前記注視位置の座標と選択前の第1の状態の前記対象オブジェクトの座標とを対比して、前記プレイヤの注視位置が前記第1の状態の前記対象オブジェクト上にあるとみなされた注視時間が所定時間に達したか否かを判定する判定部と、
前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部と、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に当該対象オブジェクトの選択を完了したと判断して、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するオブジェクト変更部と、を備える、ゲーム処理装置。
【請求項13】
制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理方法であって、
前記制御部が、
前記検出装置の検出結果に基づいて前記各プレイヤの注視位置を特定するステップと、
前記プレイヤが視認する前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を当該プレイヤの前記注視位置に応じてそれぞれ表示するステップと、
前記プレイヤの前記注視位置の座標と選択前の第1の状態の前記対象オブジェクトの座標とを対比して、前記プレイヤの注視位置が前記第1の状態の前記対象オブジェクト上にあるとみなされた注視時間が所定時間に達したか否かを判定するステップと、
前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力するステップと、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に当該対象オブジェクトの選択を完了したと判断して、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するステップと、を実行するゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行されるゲームを提供するためのゲーム処理プログラム、ゲーム処理装置及びゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤの頭部に装着されたヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)に、仮想空間の画像を表示してプレイするバーチャルリアリティゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。HMDは、例えばジャイロセンサ等を備えており、プレイヤの頭部の動きを検知できる。プレイヤが頭部を動かすと、HMDは頭部の動きに追従してディスプレイに表示する画像を変化させる。このように、ゲーム画像が頭部の動きに追従することで、プレイヤは一層ゲームに意識を集中させることができる。つまり、ゲームへの没入感を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された、HMDを用いてのゲーム装置においては、単独のプレイヤによるゲームが提供され、複数のプレイヤが協力して進行させるゲームは想定されていない。したがって、複数のプレイヤによるゲームに上記ゲーム装置を用いた場合、プレイヤはHMDを装着しているために他のプレイヤの状況把握が困難となる。そして、このようにプレイヤ同士の状況把握が困難となると、各プレイヤがコミュニケーションをとりつつ協力してゲームを進行させることが難しくなる。
【0005】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のプレイヤにより進行される仮想空間のゲームにおいてプレイヤ同士の状況把握を補助することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するゲーム処理プログラムは、制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのプログラムであって、前記制御部を、前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を、前記検出装置により検出されたプレイヤの注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、前記プレイヤの注視位置が、選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある注視時間が所定時間に達したか否かを判定する判定部と、前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部と、一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するオブジェクト変更部として機能させる。
【0007】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記時間表示出力部は、前記注視時間が所定時間に達したとき前記注視時間表示を消去してもよい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記時間表示出力部は、前記注視位置を前記注視時間表示の中央部分に位置させて表示してもよい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記時間表示出力部は、前記注視時間表示が前記特定された注視位置を隠さない状態で前記注視時間表示を表示してもよい。
【0008】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記時間表示出力部は、前記注視時間の経過に合わせて前記注視時間を示す領域が増加するゲージを前記注視時間表示として表示してもよい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記時間表示出力部は、前記注視位置が選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある状態が特定されたことを契機として前記注視時間表示を表示してもよい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記時間表示出力部は、前記対象オブジェクトを選択する前記ゲームの開始から終了までの期間において前記注視時間表示を継続して表示してもよい。
【0009】
上記ゲーム処理プログラムについて、前記時間表示出力部は、一方のプレイヤが前記対象オブジェクトを注視することにより表示された前記注視時間表示が他方のプレイヤの前記仮想空間における視野範囲に含まれる場合に、前記他方のプレイヤが用いる前記ディスプレイに表示される前記仮想空間の画像に前記一方のプレイヤの注視により表示された前記注視時間表示を含めてもよい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記オブジェクト変更部は、前記第1の状態の前記対象オブジェクトを移動させることにより前記第2の状態としてもよい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記オブジェクト変更部は、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した後に、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した状態を継続してもよい。
上記ゲーム処理プログラムについて、前記オブジェクト変更部は、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した状態を、前記プレイヤの注視の継続を条件に維持してもよい。
【0010】
上記課題を解決するゲーム処理装置は、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置を用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理装置であって、前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を、前記検出装置により検出されたプレイヤの注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、前記プレイヤの注視位置が、選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある時間である注視時間が所定時間に達したか否かを判定する判定部と、前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部と、一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するオブジェクト変更部と、を備える。
【0011】
上記課題を解決するゲーム処理方法は、制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理方法であって、前記制御部が、前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を、前記検出装置により検出されたプレイヤの注視位置に応じてそれぞれ表示するステップと、前記プレイヤの注視位置が、選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある注視時間が所定時間継続したか否かを判定するステップと、前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力するステップと、一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかるゲーム処理プログラム、ゲーム処理装置及びゲーム処理方法によれば、複数のプレイヤにより進行される仮想空間のゲームにおいてプレイヤ同士の状況把握を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態のシステムの構成を説明する概略図。
【
図2】第1実施形態の仮想空間に表示される注視位置を説明する概念図。
【
図3】第1実施形態のオブジェクトの選択処理の手順を示すフローチャート。
【
図4】第1実施形態のオブジェクトの表示処理の手順を示すフローチャート。
【
図5】第1実施形態のゲーム進行処理の手順を示すフローチャート。
【
図6】第1実施形態のディスプレイに表示される画像であって、オブジェクトの選択前の状態を示す模式図。
【
図7】第1実施形態のディスプレイに表示される画像であって、オブジェクトの選択後の状態を示す模式図。
【
図8】第2実施形態のオブジェクトの選択処理の手順を示すフローチャート。
【
図9】第2実施形態のディスプレイに表示される画像であって、オブジェクトの選択前の状態を示す模式図。
【
図10】第2実施形態のディスプレイに表示される画像であって、オブジェクトの選択後の状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、ゲーム処理プログラム、ゲーム処理装置及びゲーム処理方法について、第1実施形態を説明する。ゲーム処理装置においてゲーム処理プログラムが実行されることによってプレイヤに提供されるゲームでは、すべてのプレイヤが頭部にヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着することが前提となる。本実施形態では、二人のプレイヤがチームを組んで進行するゲームについて説明するが、チームを構成する人数は何人でもよい。
【0015】
図1を参照して、HMD10及びゲーム処理装置20を有するシステムの構成について説明する。まず、ゲーム処理装置20に接続されるHMD10の構成について説明する。HMD10は、HMD制御部11、検出装置としてのセンサ12及び入出力インターフェース部(I/F部)13を備える。HMD制御部11は、入出力I/F部13を介して、ゲーム処理装置20に対して各種情報を出力するとともに、ゲーム処理装置20から各種情報を入力する。センサ12は、プレイヤの頭部の位置及び向きを特定するための検出装置に対応する。センサ12は、例えばジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ等のうち少なくとも1つのセンサを備え、プレイヤの頭部の動きを検出する。なお、別の実施形態として、プレイヤの眼球の動きを直接的に検出するもの、例えば、虹彩内に近赤外線を入射しその反射光を検出する視線検出センサ等がセンサ12として用いられてもよい。ここで、本実施形態においては、プレイヤの頭部が、本発明のプレイヤの体の所定部位に対応する。
【0016】
また、HMD10は、画像を表示するディスプレイ14、音声を出力するスピーカ15を備える。例えば、ディスプレイ14は、左目が視認する画像と右目が視認する画像とを視差を設けて表示する。これにより、プレイヤは、奥行き感のある立体的な画像を視認することができる。HMD制御部11は、入出力I/F部13を介して、ゲーム処理装置20から受信した画像信号に応じた画像をディスプレイ14に表示する。スピーカ15は、ヘッドフォン等であり、効果音や、ゲームの進行について説明する音声等を出力する。
【0017】
次に、ゲーム処理装置20の構成について説明する。ゲーム処理装置20は、制御部21、記憶部22、入出力部23を備えている。制御部21は、CPU、RAM、ROM等のハードウェア要素から構成される。また、制御部21は、注視位置特定部24、ゲーム管理部25、表示制御部26を備えている。本実施形態において、制御部21は、ハードウェア要素にゲーム処理プログラムを実行させることによって、注視位置特定部24、ゲーム管理部25、表示制御部26として機能する。制御部21は、空間画像表示部、注視位置表示部、表示態様変更部、判定部に対応する。
【0018】
記憶部22には、仮想空間画像情報27、対象オブジェクト情報28、オブジェクト状況情報29、注視位置情報30、注視時間情報31が格納されている。
仮想空間画像情報27は、二人のプレイヤが共有する仮想空間の背景やオブジェクトの画像を描画するためのデータである。
【0019】
対象オブジェクト情報28は、仮想空間内に表示されるオブジェクトのうち、プレイヤによって選択可能なオブジェクトである対象オブジェクトに関する情報であって、対象オブジェクトの座標を含んでいる。対象オブジェクトは、プレイヤが注視を所定時間継続することによって選択される。また、対象オブジェクトは、選択が完了すると表示態様が変化する。
【0020】
オブジェクト状況情報29は、各対象オブジェクトの選択状態を示す情報であり、本実施形態では、選択状態として「基本状態」又は「有効状態」を含んでいる。本実施形態において「基本状態」は、選択前の状態であり、「有効状態」は、選択が完了し、表示態様が変化した状態である。
【0021】
注視位置情報30は、各プレイヤの注視位置を示す情報である。本実施形態では、プレイヤ毎に、仮想空間内において特定された注視位置を示す座標が記録される。
注視時間情報31は、各プレイヤが対象オブジェクトの注視を継続している時間に関する情報である。
【0022】
制御部21の注視位置特定部24は、入出力部23を介して、各プレイヤに装着されたHMD10のHMD制御部11からセンサ12の検出信号を入力する。また、注視位置特定部24は、入力した検出信号を用いて、プレイヤの注視位置を仮想空間の座標で特定し、特定した注視位置を記憶部22に記憶する。
【0023】
ゲーム管理部25は、注視位置情報30の座標と対象オブジェクト情報28に含まれるオブジェクトの位置とを対比させて、注視位置が対象オブジェクト上にあるか否かを判断する。ゲーム管理部25は、注視位置が対象オブジェクト上にあると判断すると、CPUのクロック信号等を利用したシステム時刻等に基づき、プレイヤが対象オブジェクトの注視を継続している時間である注視時間を計測する。また、ゲーム管理部25は、計測した注視時間を注視時間情報31として記憶部22に格納する。
【0024】
また、ゲーム管理部25は、注視時間が所定時間(例えば3秒)に達したか否かを判断し、注視時間が所定時間に達したとき対象オブジェクトの選択が完了したと判断する。ゲーム管理部25は、選択が完了した対象オブジェクトのオブジェクト状況情報29を有効状態に更新する。
【0025】
また、ゲーム管理部25は、オブジェクト状況情報29に基づき、ゲームの制限時間内に、ミッションクリア条件が成立するか否かを判断する。ここでは、ミッションクリア条件として、有効状態が設定された対象オブジェクトが同時に且つ所定数存在する場合を想定する。ゲーム管理部25は、ミッションクリア条件を満足せず、ゲーム開始からの経過時間が制限時間に達した場合には、ゲーム終了と判断する。
【0026】
また、ゲーム管理部25は、図示しない音声情報記憶部から、効果音やゲームの進行について説明する音声等の音声情報を抽出して、入出力部23を介してHMD10に送信する。
【0027】
表示制御部26は、各プレイヤの注視位置情報30が示す注視位置を中心とした仮想空間内での視野範囲を特定し、その視野範囲に対応する仮想空間画像情報27を抽出する。また、表示制御部26は、抽出した仮想空間画像情報27を画像信号としてHMD10に送信する。
【0028】
また、表示制御部26は、オブジェクト状況情報29に応じて対象オブジェクトを表示する。オブジェクト状況情報29が選択状態として基本状態を含むとき、表示制御部26は、対象オブジェクトを通常の表示とする。オブジェクト状況情報29が選択状態として有効状態を含むとき、表示制御部26は、対象オブジェクトを有効状態の表示にする。その結果、基本状態の表示と比べて、対象オブジェクトの色、形状、明度が変化したり、対象オブジェクトに新たな表示が付加されたりする。
【0029】
さらに、表示制御部26は、プレイヤ毎に、プレイヤに対応するキャラクタを仮想空間内に表示する。
次に、
図2を参照して、ゲーム処理装置20による注視位置表示機能について説明する。注視位置特定部24は、HMD10からセンサ12の検出信号を入力し、検出信号に応じたプレイヤ101の頭部の位置及び向きを特定する。具体的には、注視位置特定部24は、頭部の位置及び向きを、水平方向に沿ったX軸及びX軸を中心とした回転方向を示すピッチθp、鉛直方向に沿ったY軸及びY軸を中心とした回転方向を示すヨーθy、奥行方向に沿ったZ軸及びZ軸を中心とした回転方向を示すロールθrの3軸方向の位置及び各軸回りの角度として算出する。
【0030】
注視位置特定部24は、特定した頭部の位置及び向きに基づき、仮想空間100内でのプレイヤ101の注視位置を特定する。注視位置の特定の方法は、センサ12の種類に応じた公知の方法を用いることができる。例えば、注視位置特定部24は、左目位置と右目位置とを結ぶ直線を仮想的に設定し、当該直線に直交する方向に延び、且つ左目位置と右目位置の中点を通る方向を視線方向D1とする。さらに、注視位置特定部24は、視線方向D1とオブジェクト102(又は背景)との交点を注視位置P1として特定する。なお、センサ12として、眼球の動きを検出するものや虹彩内からの反射光を検出するものを用いる場合には、眼球の動きや反射光に基づき視線方向を特定する。
【0031】
表示制御部26は、注視位置P1に向かって仮想空間100内を進む光線103を仮想空間画像上に表示する。本実施形態では、注視位置P1に向かう光線103を、プレイヤに対応するキャラクタが持つ電灯105から放射される光線として表示する。電灯105の光の出射位置は、特定した頭部の位置及び向きから移動させた所定の位置及び方向に設定することができる。さらに、表示制御部26は、特定された注視位置P1は、光線103がオブジェクト102又は背景に照射された照射位置104として仮想空間画像上に表示する。
【0032】
仮想空間は、二人のプレイヤによって共有されるので、一方のプレイヤ101の注視位置を示す照射位置104が、他方のプレイヤ101の視野範囲に含まれる場合には、後者のプレイヤ101のディスプレイ14に前者のプレイヤ101の照射位置104が表示される。その結果、後者のプレイヤは、前者のプレイヤ101が見ているオブジェクトを、仮想区間内において把握することができる。
【0033】
また、一方のプレイヤ101の光線103が、他方のプレイヤ101の視野範囲に含まれる場合には、後者のプレイヤ101のディスプレイ14に前者のプレイヤの光線103が表示される。そのため、後者のプレイヤ101は、前者のプレイヤ101の視線が向かう先を把握することができる。
【0034】
次に、
図3~
図7を参照して、プレイヤにゲームを提供するための各処理についてその処理手順を説明する。本実施形態では、ゲームのミッションクリア条件を、制限時間内に、「有効状態の対象オブジェクトが同時に1対存在する」ことに例示して各処理について説明する。なお、対象オブジェクト以外のオブジェクトは選択できないこととする。また、1対のオブジェクトは、二人のプレイヤが1つずつ選択しなければならないこととする。但し、ミッションクリア条件、オブジェクトの選択に関する条件はこれらに限定されず、適宜変更可能である。
【0035】
ゲームが開始されると、ゲーム処理装置20の制御部21は、HMD10のセンサ12から入力した検出信号に応じた頭部の位置及び向きを算出する。また、制御部21は、頭部の位置及び向きに基づき、注視位置を特定する。また、制御部21は、注視位置を中心とした視野範囲の仮想空間画像情報27を抽出し、抽出した仮想空間画像情報27を画像信号としてHMD制御部11に送信する。HMD制御部11は、受信した画像信号に応じた画像をディスプレイ14に出力する。このように、ゲーム処理装置20は、プレイヤの頭部の位置及び向きに応じた仮想空間画像をディスプレイ14に表示させながら、ゲームを進行する。
【0036】
(オブジェクトの選択処理)
図3を参照して、オブジェクトの選択処理についてその手順を説明する。この処理は、プレイヤ毎に実行される。また、この処理の終了条件は、ミッションクリアとなったこと、及びミッションクリア前であってゲーム開始時から計測される経過時間が制限時間に達したことのいずれかが成立することである。この処理は、終了条件が成立するまで繰り返される。
【0037】
ゲームが開始されると、ゲーム処理装置20の制御部21は、プレイヤの注視位置を特定する(ステップS1)。具体的には、制御部21の注視位置特定部24は、センサ12の検出信号に応じた頭部の位置及び向きを算出する。また、注視位置特定部24は、頭部の位置及び向きを用いてプレイヤの注視位置を特定し、特定された注視位置を、注視位置情報30として記憶部22に記録する。
【0038】
次に、ゲーム処理装置20の制御部21は、注視位置が選択可能なオブジェクト上にあるか否かについての判定処理を実行する(ステップS2)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25は、特定した注視位置情報30と対象オブジェクト情報28とを対比する。ここで、注視位置情報30に含まれる注視位置が対象オブジェクトの位置に重なる場合には、注視位置が選択可能なオブジェクト上にあると判定する。
【0039】
注視位置情報30が選択可能なオブジェクト以外にあると判定した場合(ステップS2において「NO」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、注視時間情報31を「注視時間=0」として(ステップS7)、ステップS1に戻る。
【0040】
一方、注視位置情報30が選択可能なオブジェクト上にあると判定した場合(ステップS2において「YES」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21が、対象オブジェクトの選択をロックして、注視時間を計測する(ステップS3)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25は、他のプレイヤによる対象オブジェクトの選択を禁止して、システム時刻等に基づき、注視開始からの経過時間を計測する。また、ゲーム管理部25は、計測した経過時間を、注視時間情報31として記憶部22に記録する。
【0041】
次に、ゲーム処理装置20の制御部21は、注視時間の経過を示すゲージを表示する(ステップS4)。具体的には、制御部21の表示制御部26は、ゲージを選択された対象オブジェクトに重ねて表示する。ゲージは、注視時間表示に対応し、注視開始から所定時間までの経過を表す。
【0042】
次に、ゲーム処理装置20の制御部21は、注視時間が所定時間に達したか否かについての判定処理を実行する(ステップS5)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25は、注視時間情報31を記憶部22から読み出し、注視時間情報31が示す時間が、所定時間に達したか否かを判断する。
【0043】
注視時間が所定時間に達していないと判断した場合(ステップS5において「NO」の場合)、制御部21は、ステップS1に戻り、注視位置の特定を行う。制御部21は、注視位置が選択可能なオブジェクト上にあるか否かを判断する(ステップS2)。そして、注視位置情報30が選択可能なオブジェクト以外にあると判定した場合(ステップS2において「NO」の場合)、すなわち注視時間が所定時間に達する前に対象オブジェクトから視線をそらせた場合には、ゲーム処理装置20の制御部21は、注視時間情報31を「注視時間=0」として(ステップS7)、注視時間をリセットしてステップS1に戻る。
【0044】
一方、注視時間が所定時間に達したと判断すると(ステップS5において「YES」の場合)、制御部21が、その対象オブジェクトのオブジェクト状況情報29を更新する(ステップS6)。
【0045】
例えば、制御部21のゲーム管理部25は、ステップS6の直前において、オブジェクト状況情報29に基本状態が記録されている場合には、オブジェクト状況情報29を有効状態に更新する。また、ステップS6の直前において、オブジェクト状況情報29に有効状態が記録されている場合には、ゲーム管理部25は、オブジェクト状況情報29を基本状態に更新する。したがって、既に選択したオブジェクトを、再度選択した場合には基本状態に戻るため、ミッションクリアとならない。オブジェクト状況情報29を有効状態に更新した後、ゲームが終了しない間は、ステップS1に戻る。
【0046】
(オブジェクトの表示処理)
次に、
図4を参照して、選択されたオブジェクトの表示処理についてその手順を説明する。この処理の終了条件は、ミッションクリアとなったこと、及び経過時間が制限時間に達したことのいずれかが成立することであり、この処理は終了条件が成立するまで繰り返される。
【0047】
まず、ゲーム処理装置20の制御部21は、対象オブジェクトのオブジェクト状況情報29を取得する(ステップS10)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25は、予め決められた順番にしたがって、一つのオブジェクト状況情報29を記憶部22から読み出す。
【0048】
次に、ゲーム処理装置20の制御部21は、オブジェクト状況情報29に応じて対象オブジェクトを表示させる(ステップS11)。具体的には、オブジェクト状況情報29が基本状態であった場合には、対象オブジェクトを基本状態の表示態様とし、有効状態であった場合には、有効状態の表示態様とする。制御部21は、この手順を全ての対象オブジェクトについて繰り返す。また、全ての対象オブジェクトについて変更処理が完了すると、ゲーム開始からの経過時間が制限時間内であれば、最初の対象オブジェクトから変更処理を繰り返す。
【0049】
(ゲーム進行処理)
次に、
図5を参照して、ゲーム進行処理について説明する。まず、ゲーム処理装置20の制御部21は、ゲームが開始されると、ゲーム開始からの経過時間を計測する(ステップS20)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25はシステム時刻に基づき、経過時間を計測する。
【0050】
次に、ゲーム処理装置20の制御部21は、経過時間が、制限時間であるか否かを判断する(ステップS21)。そして、経過時間が制限時間を超えたと判断した場合(ステップS21において「NO」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、ゲームを終了させる(ステップS25)。
【0051】
一方、経過時間が制限時間内であると判断した場合(ステップS21において「YES」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、記憶部22からオブジェクト状況情報29を取得する(ステップS22)。具体的には、ゲーム管理部25は、全ての対象オブジェクトのオブジェクト状況情報29を記憶部22から読み出す。
【0052】
そして、ゲーム処理装置20の制御部21は、ミッションクリアとなる表示状態の組み合わせがあるかどうか否かを判断する(ステップS23)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25は、取得したオブジェクト状況情報29に基づき、ミッションクリア条件である有効状態の対象オブジェクトの組み合わせが存在するかどうかを判断する。本実施形態では、オブジェクト状況情報29に有効状態が記録された対象オブジェクトが1対存在するか否かを判断する。
【0053】
ミッションクリアとなる表示状態の組み合わせが存在すると判断した場合(ステップS23において「YES」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、ミッションクリアと判定して(ステップS24)、ゲームを終了させる(ステップS25)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25は、オブジェクト状況情報29に有効状態が記録された対象オブジェクトが1対存在する場合に、ミッションクリアと判定する。
【0054】
一方、ミッションクリアとなる表示状態の組み合わせが存在しないと判断した場合(ステップS23において「NO」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、ステップS20に戻り、経過時間の計測を行なう。具体的には、制御部21のゲーム管理部25は、オブジェクト状況情報29に有効状態が記録された対象オブジェクトが1つのみ存在する場合、又は存在しない場合には、ミッションクリアではないと判断して、ステップS20に戻る。
【0055】
図6及び
図7を参照して、ゲーム進行中にHMD10のディスプレイ14に表示される画像について説明する。なお、
図6及び
図7に示す仮想空間画像は、HMD10の視野範囲とは無関係に模式的に示している。
【0056】
図6に示すように、ゲーム処理装置20の制御部21は、プレイヤの注視位置を視野範囲の中央とした仮想空間画像200をディスプレイ14に表示する。一例として、仮想空間画像200には、対象オブジェクトの一つとして複数の円柱201が表示されている。また、オブジェクトのうち、選択可能なオブジェクトである対象オブジェクトを光らせるなど、対象オブジェクトとそれ以外のオブジェクトを識別可能としてもよい。
【0057】
各プレイヤの注視位置は、オブジェクトや背景に光が照射された照射位置104として表示される。また、プレイヤに対応するキャラクタの位置から照射位置104に向かう方向は、キャラクタが有する電灯105から出射される光線103として表示される。なお、電灯105に加え、電灯105を持つキャラクタの手を表示してもよい。また、電灯105を仮想空間画像内に表示しなくてもよい。
【0058】
円柱201は、基本状態から有効状態に遷移するとき、表示上、動作するオブジェクトである。基本状態では2つに分割された表示態様で表示される。また、円柱201は、有効状態では、連結された表示態様で表示される。プレイヤが円柱201を注視すると、注視位置を中心に円環状のゲージ205が円柱201に重ねて表示される。このとき、ゲージ205は、制御部21が特定した注視位置がゲージ205の中央部分に位置するように配置される。そのため、特定した注視位置がゲージ205によって隠されず、対象オブジェクトである円柱201を一部視認することができる。これにより、プレイヤは、ゲージ205の中央部を介して円柱201の注視を続けやすくなる。
【0059】
このゲージ205では、注視が開始されたときから時間の経過に合わせて領域206が増大する。注視時間が所定時間に達すると、ゲージ205は消去される。但し、注視時間が所定時間に達したとき、ゲージ205が所定時間に達した状態を維持するか、又は完了を示すアイコンなどを表示してもよい。
【0060】
更に、
図6に示すように、他のプレイヤが円柱201を注視することによって表示されたゲージ205が、プレイヤの視野範囲内に含まれているときには、他のプレイヤによるゲージ205が表示される。このため、プレイヤ間で、各自がどのような状況にあるのかを把握することが容易となる。
【0061】
図7に示すように、プレイヤが円柱201を所定時間継続して注視すると、制御部21は、円柱201の表示態様を有効状態とする。例えば、上述した円柱201の例では、分割された円柱201の上側部分を、その下側部分に向かって下降させ、上側部分と下側部分とを連結させる。このようにゲージ205による経過時間の計測が終了した直後に円柱201が動作することによって、プレイヤは、対象オブジェクトの選択が完了したことを直感的に理解することができる。制御部21は、上側部分と下側部分とが連結した円柱201が1対あると判断すると、ミッションクリアと判断する。
【0062】
一方、上側部分と下側部分とが連結した円柱201を、注視により再び選択してしまうと、上側部分が上昇して、下側部分と離れてしまう。制御部21は、円柱201の上側部分と下側部分とが連結解除されたとき、円柱201のオブジェクト状況情報29を基本状態に更新する。このため、円柱201が一度連結されたとしても、他に連結した円柱201が同時に存在しないまま連結が解除された場合には、制御部21は、ミッションクリアと判断しない。
【0063】
このように、注視によって対象オブジェクトを選択するゲームにおいて、プレイヤの注視位置を仮想空間内の照射位置104で示すこと、選択された対象オブジェクトの表示態様を変化させることによって、お互いの状況把握を補助することができる。また、注視位置を、キャラクタが保持する電灯105から出射された光線103がオブジェクト等に照射された照射位置として表現するので、仮想空間への没入感を損なわないようにすることができる。そして、このようにプレイヤ間の状況把握を補助することによって、HMD10を用いたバーチャルリアリティゲームにおいても、複数のプレイヤが協力してゲームを進行させることについての障害や、プレイヤが感じるストレス等が少なくなり、ゲームの興趣を高めることができる。
【0064】
また、プレイヤの間の状況把握の方法としては、例えば、データ化した音声を各プレイヤのHMD10同士でやりとりするボイスチャット等の方法がある。しかし、この方法では、コミュニケーションの補助の一環とはなり得るものの、ゲーム参加人数が3人以上となったときボイスチャットの声と仮想空間内のキャラクタとの対応付けが難しくなり、各自の状況把握が容易ではない。上述したゲームにおいては、各プレイヤの注視位置を照射位置104として表示し、選択された対象オブジェトの表示態様を変化させるので、プレイヤが3人以上に増えたとしても、各自の状況把握を容易にすることができる。
【0065】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)上記第1実施形態では、二人のプレイヤにより共有される仮想空間の画像には、プレイヤの注視位置が照射位置104として表示される。これにより、プレイヤの視野範囲に他のプレイヤの注視位置が含まれるとき、プレイヤは、他のプレイヤによる選択の開始又は選択中である対象オブジェクトを把握することができる。また、選択された対象オブジェクトは表示態様が変化するので、選択したプレイヤ自身、及びその対象オブジェクトを視認した他のプレイヤは、注視が有効であることを把握することができる。このため、複数のプレイヤが仮想空間内でオブジェクトの選択を行なうゲームにおいて各自の状況把握を補助することができる。
【0066】
(2)上記第1実施形態では、仮想空間の画像には、プレイヤの仮想空間内の位置から注視位置に向かう光線103が表示される。このため、プレイヤの視野範囲内を他のプレイヤの光線103が交差するときには、プレイヤは他のプレイヤの視線が向かう先を把握することができる。
【0067】
(3)上記第1実施形態では、対象オブジェクトの表示態様が変化した後に、プレイヤの視線が対象オブジェクトから外れたときも表示態様が変化した状態が維持される。このため、プレイヤが対象オブジェクトの選択が完了したことを直感的に理解できる。
【0068】
(4)上記第1実施形態では、プレイヤによる対象オブジェクトの注視が特定されたときにゲージ205が表示されて、注視が継続されている時間が表される。このため、プレイヤが、注視が有効であることを把握できるとともに、注視時間が所定時間に達するまで注視が必要であることを直感的に把握することができる。
【0069】
(第2実施形態)
次に、ゲーム処理プログラム、ゲーム処理装置及びゲーム処理方法を具体化した第2実施形態を説明する。尚、第2実施形態は、第1実施形態のオブジェクトの選択処理の一部を変更した構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0070】
本実施形態のゲームでは、制限時間内に、有効状態に遷移した対象オブジェクトが同時に1対存在するとき、ミッションクリアとなる点で第1実施形態と同様である。但し、本実施形態では、有効状態に変化する対象オブジェクトは、選択可能な対象オブジェクトの中に、プレイヤの人数と同数である1対しか含まれないとして説明する。すなわち、対象オブジェクトには、有効状態に遷移するものと、有効状態に遷移しないものとが存在する。また、対象オブジェクトの選択においても、対象オブジェクトの注視を継続しなければ選択が解除されるため、1対のオブジェクトは、二人のプレイヤが1つずつ選択する必要がある。
【0071】
有効状態に遷移する対象オブジェクトのオブジェクト状況情報29には、「基本状態」、「有効状態」のいずれかが設定される。有効状態に遷移しない対象オブジェクトには、「基本状態」と、プレイヤの注視によって表示態様が変化した状態であるがミッションクリアの条件を満たすことのない「変化状態」とのいずれかが設定される。なお、対象オブジェクトが、「有効状態」に遷移する対象オブジェクトか、「変化状態」に遷移するオブジェクトかであることを示す情報は、対象オブジェクト情報28に含まれている。
【0072】
図8を参照して、プレイヤ毎に実行されるオブジェクトの選択処理についてその手順を説明する。この処理の終了条件は、ミッションクリアとなったこと、及びミッションクリア前であってゲーム開始時から計時される経過時間が制限時間に達したことのいずれかが成立したことであり、この処理は終了条件が成立するまで繰り返される。
【0073】
ゲーム処理装置20の制御部21は、第1実施形態と同様に、注視位置の特定処理(ステップS1)~注視時間が所定時間に達したか否かの判定処理(ステップS5)を行なう。また、制御部21は、注視時間が所定時間に達する前に、注視位置が対象オブジェクトから外れると注視時間を「0」をリセットする(ステップS7)。
【0074】
ステップS5において注視時間が所定時間に達したと判定した場合(ステップS5において「YES」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、対象オブジェクト情報28に基づき、対象オブジェクトが有効状態に遷移するものか、又は変化状態に遷移するものかについて、その種類を判定する(ステップS10)。
【0075】
そして、ゲーム処理装置20の制御部21は、対象オブジェクトの種類に基づき、オブジェクト状況情報29を設定する(ステップS11)。例えば、対象オブジェクトが有効状態に遷移するものであった場合、制御部21のゲーム管理部25は、オブジェクト状況情報29を基本状態から有効状態に更新する。対象オブジェクトが変化状態に遷移するものであった場合、ゲーム管理部25は、オブジェクト状況情報29を基本状態から変化状態に更新する。
【0076】
また、ゲーム管理部25は、有効状態に遷移可能な対象オブジェクトに対しては、オブジェクト状況情報29に有効状態を記録する。変化状態に遷移する対象オブジェクトに対しては、ゲーム管理部25は、オブジェクト状況情報29に変化状態を記録する。
【0077】
次に、ゲーム処理装置20の制御部21は、オブジェクトの注視が継続されているか否かを判断する(ステップS12)。具体的には、制御部21のゲーム管理部25が、注視位置情報30及び対象オブジェクト情報28に基づき、注視位置が対象オブジェクト上にあるか否かを判断する。
【0078】
オブジェクトの注視が継続されていると判断した場合(ステップS12において「YES」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、オブジェクト状況情報29を対象オブジェクトの種類に基づき「有効状態」又は「変化状態」に維持設定する(ステップS11)。
【0079】
一方、オブジェクトの注視が継続されていないと判断した場合(ステップS12において「NO」の場合)、ゲーム処理装置20の制御部21は、オブジェクト状況を基本状態に設定し(ステップS12)、ステップS1に戻る。
【0080】
本実施形態においても、選択されたオブジェクトの表示処理及びゲーム進行処理の手順は、第1実施形態と同様である。但し、本実施形態の表示処理では、オブジェクトの表示(ステップS11)において、オブジェクト状況情報29が変化状態の場合は、変化状態の表示態様とし、有効状態の場合は有効状態の表示態様とする点で第1実施形態と異なる。そして、制御部21は、1対の対象オブジェクトが有効状態となると、ミッションクリアと判断する。
【0081】
次に、
図9及び
図10を参照して、ゲーム進行中にHMD10のディスプレイ14に表示される画像について説明する。なお、
図9及び
図10に示す仮想空間画像は、HMD10の視野範囲とは無関係に模式的に示している。
【0082】
図9に示すように、ディスプレイ14には、円柱201等のオブジェクトが表示される。オブジェクトの中には、プレイヤが選択可能な対象オブジェクトが複数存在する。対象オブジェクトは、プレイヤが選択することによって、いずれも表示の態様が変化する。対象オブジェクトである円柱201を注視により選択すると、ゲージ205が表示される。また、各プレイヤの注視位置は照射位置104として表示され、仮想空間内のプレイヤの位置から照射位置104に向かう方向が光線103として表示される。
【0083】
図10に示すように、有効状態に遷移した円柱201には、円柱201から出射される光線210が表示される。光線210は、その光路が視野範囲内に含まれるプレイヤのディスプレイ14に表示される。
【0084】
図10中左側に示すように、変化状態に遷移した円柱201が選択されると、光線210とは異なる方向の光線211が表示される。なお、変化状態に遷移した円柱201は、有効状態と異なる方向の光線211以外にも、有効状態と異なる色や数の光線を表示してもよいし、単に色を変化させたりしてもよい。ミッションのクリアには、光線210の出射が開始されるタイミングが同時となることは必須ではなく、光線210が出射された状態が維持されることによって、1対の円柱201から光線210が出射された状態となったときにミッションクリアと判断される。
【0085】
このように、注視によって対象オブジェクトの表示態様を変化させてはじめて、その対象オブジェクトがミッションクリアとなるためのオブジェクトであることを把握することができる。そのため、プレイヤは、他のプレイヤと協力して、任意の対象オブジェクトを選択して、有効状態となる対象オブジェクトを探さなければならない。したがって、プレイヤは、対象オブジェクトを同時に選択する点で協力するだけでなく、所定の対象オブジェクトを探す作業においても協力する必要がある。このため、複数人でプレイするバーチャルリアリティゲームの興趣を向上することができる。また、有効状態に遷移する対象オブジェクトの選択においても、同時性が求められるので、その点でもゲームの興趣を向上することができる。
【0086】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1の実施形態に記載した効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(5)上記第2実施形態では、対象オブジェクトの表示態様が有効状態に変化した状態は、プレイヤの注視の継続を条件に維持される。このため、ミッションをクリアするためには、プレイヤが対象オブジェクトを選択することについて、同時性が求められる。このため、ミッションクリアを実現することについての興趣を高めることができる。
【0087】
なお、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・上記第1実施形態では、対象オブジェクトについて、全ての対象オブジェクトが基本状態から有効状態に遷移可能とした。また、第2実施形態では、全ての対象オブジェクトのうちプレイヤの人数と同数の2つが基本状態から有効状態に遷移可能であるとした。対象オブジェクトについては.これらに限定されるものではない。
【0088】
例えば、全ての対象オブジェクトの一部であって、プレイヤの人数より多い所定数の対象オブジェクトが基本状態から有効状態に遷移可能であってもよい。ゲームの内容に応じて、有効状態に遷移可能な対象オブジェクトの数を調整することによって、ミッションクリアの容易性を調整することができる。
【0089】
・上記第1実施形態では、ミッションクリアの条件について、対象オブジェクトを所定時間注視することによって選択して有効状態とし、有効状態の対象オブジェクトが同時に1対存在した場合に、ミッションクリアとした。ミッションクリア条件は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、ゲーム開始時から制限時間内において、有効状態の対象オブジェクトが、異なるタイミングで1対存在した場合に、ミッションクリアとしてもよい。
【0090】
また、ミッションクリアの条件となるプレイヤにより選択される対象オブジェクトの数も、プレイヤ毎に1つずつであることに限定されるものではない。例えば、対象オブジェクトは、各プレイヤが複数の対象オブジェクトを選択することによってミッションクリアとしてもよいし、チーム全体として所定数の対象オブジェクトが選択されることによってミッションクリアとしてもよい。又は、対戦型ゲーム等において、制限時間内に可能なだけ対象オブジェクトが選択され、選択された対象オブジェクトの数によって勝敗を競うようにしてもよい。
【0091】
また、ミッションクリアの条件について、チームを構成するプレイヤの全員が、同時に同じオブジェクトを選択することによってミッションクリアとしてもよいし、交互に同じオブジェクト又は異なるオブジェクトを選択することによってミッションクリアとしてもよい。
【0092】
・上記各実施形態では、プレイヤの注視位置が対象オブジェクト上に位置した時にゲージを表示した。これに代えて、プレイヤが注視しなくても、注視時間を示すゲージ205をゲーム開始からゲーム終了まで表示していてもよい。この場合、プレイヤは、対象オブジェクトとそれ以外のオブジェクトを容易に識別することができる。この態様において、プレイヤが対象オブジェクトを注視していないときにはゲージ205を小さく表示し、プレイヤが対象オブジェクトを注視したときにゲージ205を大きくする等、強調表示するようにしてもよい。
【0093】
・上記各実施形態では、注視位置を、光線103がオブジェクト等に照射された位置である照射位置104として表示するようにした。これに加え、ゲーム処理装置20の制御部21は、プレイヤが対象オブジェクトを注視しているとき、注視されている状態を、他のプレイヤの視野に入るような広範囲に放射される光(明度変化)や音で表現してもよい。これによれば、ゲージが視野に入らないプレイヤにも、チームメイトがオブジェクトを選択していることを把握することができる。
【0094】
・上記各実施形態では、仮想空間内のプレイヤの位置から照射位置104に向かう方向を、電灯105から出射される光線103によって表現した。これ以外に、光線103は電灯105以外を光源とする光線でもよい。例えば、キャラクタが持つ電灯以外の他の所持品から出射される光線として表示してもよいし、プレイヤの左目及び右目の少なくとも一方から出射される光線として表現してもよい。
【0095】
・上記各実施形態では、プレイヤの注視位置を照射位置104として示した。これ以外に、プレイヤの注視位置を、矢印、十字等のマークで示すようにしてもよい。
・上記各実施形態では、環状のゲージを表示するようにした。これに代えて、棒状のゲージ、平面状のゲージを表示してもよい。或いは、ゲージは、必ずしもマーク等で表示しなくてもよく、対象オブジェクトの明度変化、対象オブジェクトのフェードアウトなどの表示の変化でもよい。
【0096】
・上記各実施形態では、一方のプレイヤの視野に他方のプレイヤが注視している注視位置が含まれる場合のみ、前者のプレイヤの注視を示すゲージを表示するようにした。これに代えて、一方のプレイヤの視野に、他方のプレイヤが注視している対象オブジェクトやゲージ205が含まれない場合は、そのオブジェクトやゲージ205を、前者のプレイヤが視認する仮想空間の画像に重ねられるサブ画面で表示してもよい。
【0097】
・上記各実施形態では、二人のプレイヤがプレイするゲームを提供する場合について説明したが、三人以上のプレイヤがプレイするゲームを提供してもよい。この場合、プレイヤの数と同数のHMD10がゲーム処理装置20と接続される。
【0098】
・上記各実施形態では、ゲーム処理装置20がプレイヤの頭部の位置及び向きを特定するようにした。これに代えて、HMD制御部11が、センサ12の検出信号に基づき、頭部の位置及び向きを算出するようにしてもよい。このように、上記各実施形態に記載したゲーム処理装置20の機能の一部を、HMD10にもたせることも可能である。
【0099】
・上記各実施形態では、プレイヤの注視位置を特定するシステムを、プレイヤの頭部位置に基づき算出するシステムに具体化したが、その他の手法で注視位置を特定するシステムであってもよい。例えば、瞳孔の位置および向きに基づいて視線方向を算出し、その視線方向から注視位置を特定するようにしてもよい。また、例えば鼻の位置や向き、または口の位置や向きに基づいて視線方向を算出し、その視線方向から注視位置を特定するようにしてもよい。なお、鼻や口の向きは、例えば後頭部から鼻または口へ向かう方向として定めてもよい。
【0100】
・上記各実施形態では、複数のプレイヤは、各プレイヤに対応するキャラクタの視点(キャラクタ視点)で仮想空間のオブジェクトを見ているが、各プレイヤが視点を切り替えられてもよい。例えば、各プレイヤはキャラクタ視点だけでなく、プレイヤキャラクタの背後から俯瞰視点で仮想空間のオブジェクトを見ることを選択可能であってもよい。このとき、例えばゲーム開始前に各プレイヤが視点を選択してもよいし、ゲーム途中で視点の変更が可能であってもよい。プレイヤは、自分の好みの視点を選択することによって、他のプレイヤの位置を把握しやすくでき、一層、他のプレイヤとの連携を図ることが可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
[1]制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を、前記検出装置により検出されたプレイヤの注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、
前記プレイヤの注視位置が、選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある注視時間が所定時間に達したか否かを判定する判定部と、
前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部と、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するオブジェクト変更部として機能させる、ゲーム処理プログラム。
[2]前記時間表示出力部は、前記注視時間が前記所定時間に達したとき前記注視時間表示を消去する、[1]に記載のゲーム処理プログラム。
[3]前記時間表示出力部は、前記注視位置を前記注視時間表示の中央部分に位置させて表示する、[1]又は[2]に記載のゲーム処理プログラム。
[4]前記時間表示出力部は、前記注視時間表示が前記特定された注視位置を隠さない状態で前記注視時間表示を表示する、[1]~[3]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[5]前記時間表示出力部は、前記注視時間の経過に合わせて前記注視時間を示す領域が増加するゲージを前記注視時間表示として表示する、[1]~[4]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[6]前記時間表示出力部は、前記注視位置が選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある状態が特定されたことを契機として前記注視時間表示を表示する、[1]~[5]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[7]前記時間表示出力部は、前記対象オブジェクトを選択する前記ゲームの開始から終了までの期間において前記注視時間表示を継続して表示する、[1]~[5]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[8]前記時間表示出力部は、一方のプレイヤが前記対象オブジェクトを注視することにより表示された前記注視位置が他方のプレイヤの前記仮想空間における視野範囲に含まれる場合に、前記他方のプレイヤが用いる前記ディスプレイに表示される前記仮想空間の画像に前記一方のプレイヤの注視により表示された前記注視時間表示を含める、[1]~[7]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[9]前記オブジェクト変更部は、前記第1の状態の前記対象オブジェクトを移動させることにより前記第2の状態とする、[1]~[8]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[10]前記オブジェクト変更部は、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した後に、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した状態を継続する、[1]~[9]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[11]前記オブジェクト変更部は、前記対象オブジェクトの表示態様が変化した状態を、前記プレイヤの注視の継続を条件に維持する[1]~[9]のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
[12]プレイヤの注視位置を特定するための検出装置を用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理装置であって、
前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を、前記検出装置により検出されたプレイヤの注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、
前記プレイヤの注視位置が、選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある注視時間が所定時間に達したか否かを判定する判定部と、
前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部と、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するオブジェクト変更部と、を備える、ゲーム処理装置。
[13]制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理方法であって、
前記制御部が、
前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を、前記検出装置により検出されたプレイヤの注視位置に応じてそれぞれ表示するステップと、
前記プレイヤの注視位置が、選択前の第1の状態の前記対象オブジェクト上にある注視時間が所定時間に達したか否かを判定するステップと、
前記注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力するステップと、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にある前記注視時間が前記所定時間に達したと判定された場合に、前記一方のプレイヤの前記ディスプレイ及び他方のプレイヤの前記ディスプレイに、選択を完了した前記対象オブジェクトを第2の状態として表示するステップと、を実行するゲーム処理方法。
【符号の説明】
【0101】
10…HMD、11…HMD制御部、12…トラッキングセンサ、13…入出力I/F部、14…ディスプレイ、20…ゲーム処理装置、21…制御部、22…記憶部、23…入出力部、24…注視位置特定部、25…ゲーム管理部、26…表示制御部。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記検出装置の検出結果に基づいて前記各プレイヤの注視位置を特定する注視位置特定部と、
前記プレイヤが視認する前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を当該プレイヤの前記注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、
前記プレイヤの注視位置が選択前の基本状態の前記対象オブジェクト上にあるか否かを判定する判定部と、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にあると判定された場合に当該対象オブジェクトの選択を完了したと判断するとともに、選択を完了した前記対象オブジェクトの種類に応じて、当該対象オブジェクトの表示態様を、ミッションの達成が可能な有効状態又は前記ミッションの達成が可能ではない変化状態のいずれかの状態とするオブジェクト変更部として機能させる、ゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記空間画像表示部は、前記各プレイヤの位置から前記注視位置に向かう方向を光線として表示する、請求項1に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記制御部を、
前記有効状態の前記対象オブジェクトが所定数に到達した場合に前記ゲームのミッションが達成されたと判定するゲーム進行部としてさらに機能させる、請求項1又は2に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項4】
前記ゲーム進行部は、選択を完了した前記対象オブジェクトを再度選択した場合には、選択した状態を解除する、請求項3に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項5】
前記制御部を、
前記注視位置が前記対象オブジェクト上にあるとみなされた注視時間の経過を示す注視時間表示を、前記対象オブジェクトと関連付けて出力する時間表示出力部としてさらに機能させる、請求項1~4のいずれか1項に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項6】
前記時間表示出力部は、前記注視時間表示が特定された前記注視位置を隠さない状態で前記注視時間表示を表示する
請求項5に記載のゲーム処理プログラム。
【請求項7】
プレイヤの注視位置を特定するための検出装置を用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理装置であって、
前記検出装置の検出結果に基づいて前記各プレイヤの注視位置を特定する注視位置特定部と、
前記プレイヤが視認する前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を当該プレイヤの前記注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示部と、
前記プレイヤの注視位置が選択前の基本状態の前記対象オブジェクト上にあるか否かを判定する判定部と、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にあると判定された場合に当該対象オブジェクトの選択を完了したと判断するとともに、選択を完了した前記対象オブジェクトの種類に応じて、当該対象オブジェクトの表示態様を、ミッションの達成が可能な有効状態又は前記ミッションの達成が可能ではない変化状態のいずれかの状態とするオブジェクト変更部と、を備える、ゲーム処理装置。
【請求項8】
制御部と、プレイヤの注視位置を特定するための検出装置とを用いて、仮想空間の画像をディスプレイに表示して複数のプレイヤによって進行するゲームを提供するためのゲーム処理方法であって、
前記制御部が、
前記検出装置の検出結果に基づいて前記各プレイヤの注視位置を特定する注視位置特定処理と、
前記プレイヤが視認する前記ディスプレイにおいて、選択可能な対象オブジェクトを含んだ仮想空間の画像を当該プレイヤの前記注視位置に応じてそれぞれ表示する空間画像表示処理と、
前記プレイヤの注視位置が選択前の基本状態の前記対象オブジェクト上にあるか否かを判定する判定処理と、
一方のプレイヤの前記注視位置が前記対象オブジェクト上にあると判定された場合に当該対象オブジェクトの選択を完了したと判断するとともに、選択を完了した前記対象オブジェクトの種類に応じて、当該対象オブジェクトの表示態様を、ミッションの達成が可能な有効状態又は前記ミッションの達成が可能ではない変化状態のいずれかの状態とするオブジェクト変更処理と、を実行するゲーム処理方法。