(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184910
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】年齢の識別認識システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/35 20130101AFI20221206BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20221206BHJP
G07F 7/12 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G06F21/35
G06F21/44
G07F7/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143194
(22)【出願日】2022-09-08
(62)【分割の表示】P 2020088569の分割
【原出願日】2020-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】504284401
【氏名又は名称】有限会社ノア
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】松村 喜秀
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者に不便をかけず、利用者の電子証明書カードの真正性と年齢の確かさを確保することを可能とする年齢の識別認識システムを提供する。
【解決手段】RFIDを有した電子証明書カードに基づき年齢を識別する年齢の識別認識システムにおいて、カード読取装置は、RFIDを読み取るRFID読取部、イメージセンサー部、イメージセンサー部により取り込まれる電子証明書カードの券面に記載された文字を認識する光学文字認識部及び制御部を備える。制御部は、RFIDに記憶された情報であって、照合番号なしで読み取れる情報をRFID読取部により読み出し可能か否か試行する第1ステップS19、32と、光学文字認識部により電子証明書カードの券面に記載された生年月日情報を読み取る第2ステップS23、35とを実行し、第1ステップが成功の場合に限り、生年月日情報に基づく年齢認証を出力するS28を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDを有した電子証明書カードに基づき年齢を識別するに当たって、複数種の電子証明書カードを取り扱うことができる年齢の識別認識システムであって、
前記電子証明書カードの前記RFIDと通信可能なRFID読取部と、
前記電子証明書カードの券面を画像として取り込むイメージセンサー部と、
前記イメージセンサー部により取り込まれる前記電子証明書カードの券面に記載された文字を認識する光学文字認識部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数種の電子証明書カードの種別ごとに搭載されたアプリケーションに割り当てられたアプリケーションIDのセレクト命令を前記RFID読取部を介して前記電子証明書カードに送信し、前記RFID読取部が前記アプリケーションIDがセレクトされた結果を受信した場合に、前記電子証明書カードが前記アプリケーションIDに対応する前記電子証明書カードの種別であると特定し、
前記光学文字認識部により、前記特定された前記電子証明書カードの種別における券面の様式から生年月日が記載された生年月日部を特定し、前記電子証明書カードの券面の前記生年月日部に記載された生年月日情報を読み取る
ように構成される、
年齢の識別認識システム。
【請求項2】
前記制御部は、さらに、前記光学文字認識部により、前記特定された前記電子証明書カードの種別における券面の様式から有効期限が記載された有効期限部を特定し、前記電子証明書カードの券面の前記有効期限部に記載された有効期限情報を読み取るように構成される、請求項1に記載の年齢の識別認識システム。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、前記RFIDに記憶された情報であって、前記特定された前記電子証明書カードの種別において照合なしで読み取れる情報を前記RFID読取部により読み出し可能か否か試行するように構成される、請求項1又は2に記載の年齢の識別認識システム。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、前記光学文字認識部により読み取られた前記生年月日情報に基づく年齢認証を出力するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の年齢の識別認識システム。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、前記イメージセンサー部により取り込んだ前記電子証明書カードの画像に基づき、貼り付け偽装か否か判断するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の年齢の識別認識システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、年齢の識別認識システムに関し、特に購入に年齢制限のあるタバコやアルコール飲料、成人雑誌、DVD等の自動販売機や年齢に制限がある施設への入場扉等を顧客の年齢が適応しているか否かを判定し、自動的に制御して作動させるための年齢の識別認識システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記した年齢を確認して自動販売機を作動させるシステムとして、近時では専用カードを利用した商品の自動販売システムが知られている。このシステムは必要な貨幣を投入後、欲する商品の選択ボタンを押した後に、専用カードを認識部にタッチさせることで装置が動作して商品が放出される。そして、この専用カードは貸与が禁止された個人限定のものとなっている。
【0003】
現在は、この専用カードの使用のほかにも、運転免許証を読み取り口に挿入し、年齢を読み取らせた上で上記のように商品の購入が出来るシステムも実施されている。
【0004】
ここで、前記した専用カードを入手するために、格別の手続が必要となって繁雑であり、年齢をクリアしている購入者でも所有していないケースも多い。
【0005】
一方、運転免許証はすでに電子化されており多数の者に取得されている。また、国民は個人番号カード(マイナンバーカード)の交付を受けることができ、こちらも電子化されたカードであるなど、特定の商品購入専用のカード以外にも年齢確認可能な電子証明書カードが普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動販売機等において無人で年齢確認する場合を考える。
運転免許証、個人番号カード等は現在RFID(radio frequency identifier、以下同じ。)を有したRFID方式のICカードが利用されている。
しかしながら、IC内に格納された生年月日等の年齢がわかる情報は、個人情報のため、RFIDのIC内の照合番号(PINコード)により保護された領域に記憶されている。
自動販売機等の機械に対し、利用者が照合番号(PINコード)を入力することを当該利用者にシステムが要求する場合には、利用者にとって購入する手続きが煩雑であって利用者に不便がかかり、利用を促進し難い。
個人番号カードの券面には、照合番号として入力すべき情報が記載されているため、これを光学的に読み取り、システムが利用者に代わって自動入力する場合には、誤った照合番号を入力し、カードがロックされてしまうリスクがあり、利用者に不便がかかり、利用を促進し難い。
一方、券面に記載された生年月日のみで年齢認証する場合には、安易な偽造カードにより不正利用されるおそれが高まり、利用者の年齢の確かさが低すぎる。
【0008】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、商品の購入や施設の入場等に際して、年齢確認を要する場合、その年齢を確認するための手段としてRFIDを有した電子証明書カードを用いる年齢の識別認識システムにおいて、利用者に不便をかけず、利用者の電子証明書カードの真正性と、年齢の確かさを確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの態様の年齢の識別認識システムは、RFIDを有した電子証明書カードに基づき年齢を識別するに当たって、複数種の電子証明書カードを取り扱うことができる年齢の識別認識システムであって、前記電子証明書カードの前記RFIDと通信可能なRFID読取部と、前記電子証明書カードの券面を画像として取り込むイメージセンサー部と、前記イメージセンサー部により取り込まれる前記電子証明書カードの券面に記載された文字を認識する光学文字認識部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数種の電子証明書カードの種別ごとに搭載されたアプリケーションに割り当てられたアプリケーションIDのセレクト命令を前記RFID読取部を介して前記電子証明書カードに送信し、前記RFID読取部が前記アプリケーションIDがセレクトされた結果を受信した場合に、前記電子証明書カードが前記アプリケーションIDに対応する前記電子証明書カードの種別であると特定し、前記光学文字認識部により、前記特定された前記電子証明書カードの種別における券面の様式から生年月日が記載された生年月日部を特定し、前記電子証明書カードの券面の前記生年月日部に記載された生年月日情報を読み取るように構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品の購入や施設の入場等に際して、年齢確認を要する場合、その年齢を確認するための手段としてRFIDを有した電子証明書カードを用いる年齢の識別認識システムにおいて、利用者に照合番号を入力するなどの不便をかけず、利用者の電子証明書カードの真正性と、年齢の確かさを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本発明に係るシステムの作動手順を示すフローチャート図である。
【
図3】本発明に係るシステムの作動手順を示すフローチャート図である。
【
図4】個人番号カードのICチップ内のアプリケーション構成を示した概念図である。
【
図5】運転免許証のICチップ内のアプリケーション構成を示した概念図である。
【
図6】在留カードのICチップ内のアプリケーション構成を示した概念図である。
【
図7】カードごとの照合番号の有無と読み出し可能な情報との対応表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0013】
本発明の好ましい実施形態をタバコの自動販売機に搭載した場合を例として図面を参照して説明する。
図1は年齢識別部のブロック図、
図2、
図3は同じく本発明に係るシステムの作動手順を示すフローチャート図である。
【0014】
年齢識別部はカードをローディングし、排出する機構のものとされ、ここで使用されるカードは、RFIDを有した電子証明書カードであり、ISO-14443 Type-Bに該当する3種のカードを例とする、その3種は、個人番号カード(マイナンバーカード)、運転免許証、在留カードである。
【0015】
年齢識別部は
図1に示すように前記したローディング機構によって引き込まれた電子証明書カードのカード読取装置5を有している。このカード読取装置5はCPU部6を有し、このCPU部6にカード搬送部7、光学センサー部8、表示部9、イメージセンサー部10、電子証明書カードの内部(IC)に含まれる電子情報を読み取るRFID読取部11、そしてブザー12が接続された構成となっており、さらに、PINパッド(本人を確認するための照合番号、即ちPINコードを打ち込む小型のキーボード)13と接続可能な構造となっている。なお、本発明の実施にあたってPINパッド13は使用しないので、PINパッド13と接続可能な構造となっていないカード読取装置でも実施可能である。また、ブザー12は、スピーカーなどに代えるなど、音声再生部であればよい。
【0016】
本実施形態における制御部は、CPU部6により構成される。
また、イメージセンサー部10により取り込まれる電子証明書カードの券面に記載された文字を認識する光学文字認識部(Optical Character Recognition)は、CPU部6でソフトウエアが実行されることで機能する。さらにCPU部6は、以下に説明する年齢の識別認証の処理を実行して、カード判定信号(OK or NG)を外部機器の制御ユニットに出力する。このカード判定信号(OK判定(S28) or NG判定(S50))のうち、OK判定(S28)は、本システムの年齢認証に相当する。本実施形態の例では、年齢認証は20歳以上であることの認証である。
外部機器の制御ユニットは、外部機器を制御し、動作(商品の提供)を実行させる。
【0017】
かかる構成とした年齢の識別認識システムによる年齢の識別認識の手順を
図2、
図3を参照して説明する。
(1)導入部
まず、自動販売機等で商品を購入する際、利用者は年齢識別部へ使用する電子証明書カードを挿入する。
電子証明書カードが挿入されると(S11)、CPU部6が制御し、当該電子証明書カードを自動搬送し、当該電子証明書カードの券面の画像をイメージセンサー部10により取り込む(S12)。
【0018】
次に、CPU部6は、RFID読取部11にリクエストBを発行するよう命令する(S13)。ここで、リクエストBとは、ISO-14443 Type-Bのカードなら応答しなさいという命令である。RFID読取部11が電波を出して、近くにISO-14443 Type-B のカードがあるか検索する。カード読取装置5内にISO-14443 Type-BのICカードがあれば、ICカードからRFID読取部11に「ISO-14443 Type-Bのカードである」と応答が返ってくる。ここでは、挿入された電子証明書カードから同応答が返ってきてRFID読取部11が応答有りの報告をCPU部6にしたとする(S14でOK)。なお、ステップS14でNGの場合は、カードを排出する(S15,S16)
【0019】
次に、CPU部6はRFID読取部11を介して電子証明書カードに対し個人番号カードのアプリケーションIDのセレクト命令を送信する(S17)。アプリケーションIDとは、カード種別ごとに搭載された複数のアプリケーションに割り当てられた識別情報である。
ここで、本実施形態で取り扱う3種のカード(個人番号カード、運転免許証、在留カード)のアプリケーション構成について説明する。
図4は個人番号カードのICチップ内のアプリケーション構成を示した概念図である。
図5は運転免許証のICチップ内のアプリケーション構成を示した概念図である。
図6は在留カードのICチップ内のアプリケーション構成を示した概念図である。
個人番号カードのICチップ内にはAP1~AP6のアプリケーションやカードOSが含まれている。本実施形態では、券面事項確認アプリケーションAP2のアプリケーションIDをステップS17で用いる。券面事項確認アプリケーションAP2には、照合番号なしで読み出し可能な情報と、照合番号ありで読み取り可能な情報とが含まれている(
図7参照)。
【0020】
(2)個人番号カードである場合
CPU部6にRFID読取部11を介して電子証明書カードから、個人番号カードのアプリケーションIDのセレクトした結果が返ってくる(S18でOK)。
次にCPU部6はRFID読取部11を介して電子証明書カードに対し、照合番号なしで読み出せる発行市町村コードの読み出しを試行する(第1ステップS19)。
読み出しに成功すれば(S20でOK)、CPU部6は発行市町村コードが5桁か否か判断する(S21)。
ステップS21でOKの場合、CPU部6は貼付検出判定を実行する(S22)。貼付検出判定とは、イメージセンサー部10により取り込んだ電子証明書カードの画像(S12)に基づき、貼り付け偽装が否か判断する第3ステップである。
【0021】
ステップS22でOKの場合、CPU部6はステップS12でスキャンした電子証明書カードの券面の画像のうち生年月日部と有効期限年部を光学文字認識部により読み取る(S23,第2ステップ)。ここでCPU部6はステップS18でのOKの結果により、挿入されたカードが個人番号カードであると確定しているので、個人番号カードの券面の様式から生年月日が記載された生年月日部と、有機期限年が記載された有効期限年部をそれぞれ特定して光学文字認識部によるOCR処理をかける。このように制御部6は、第2ステップの前に、RFID読取部11を介した通信により電子証明書カードのカード種を券面の生年月日の記載部が特定できる分類まで特定し、その後の第2ステップにおいて、電子証明書カードの券面の生年月日の記載部を特定して生年月日情報を読み取る。ここでは有効期限年についても同様に処理する。これにより、高効率かつ高精度に生年月日と有効期限年を読み取ることができる。
次にCPU部6は、ステップS23で生年月日部から読み取った生年月日情報から年齢を計算する(S24)。なお、年齢計算は、CPU部6が現在年月日を参照し(内部カレンダーを参照)、これとの比較から現在年齢を算出することで行う。
【0022】
次にCPU部6は、年齢判定を行う。ここでは20歳以上か判断する(S25)。
ステップS25でOK、すなわち、20歳以上であった場合、CPU部6は、ステップS23で光学文字認識部により読み取った券面に記載の有効期限年と生年月日の月日から有効期限を算出し、内部カレンダーと比較して、有効期限内か否か判断する(第4ステップ(S26、S27))。
有効期限内である場合(S27でOK)、OK判定を外部機器の制御ユニットに出力し(S28)、電子証明書カードを排出する(S29)。
【0023】
(NG処理)
CPU部6は、ステップS20,21,22,25,27でNGとなった場合は、いずれも、NG判定を外部機器の制御ユニットに出力し(S50)、カードを排出する(S51)。
【0024】
(3)運転免許証である場合
ステップS18でNGの場合、CPU部6はRFID読取部11を介して電子証明書カードに対し運転免許証のアプリケーションIDのセレクト命令を送信する(S30)。
運転免許証のICチップ内にはBP10(BP11,BP12,BP13),BP20のアプリケーションやカードOSが含まれている(
図5参照)。本実施形態では、「専用ファイル1」BP11のアプリケーションIDをステップS30で用いる。「マスターファイル」BP10には、照合番号なしで読み出し可能な情報と、照合番号ありで読み取り可能な情報とが含まれている(
図7参照)。
CPU部6にRFID読取部11を介して電子証明書カードから、運転免許証のアプリケーションIDのセレクトした結果が返ってくる(S31でOK)。
次にCPU部6はRFID読取部11を介して電子証明書カードに対し、照合番号なしで読み出せる有効期限データの読み出しを試行する(第1ステップS32)。
読み出しに成功すれば(S33でOK)、CPU部6は貼付検出判定を実行する(S34)。ここでも貼付検出判定とは、イメージセンサー部10により取り込んだ電子証明書カードの画像(S12)に基づき、貼り付け偽装が否か判断する第3ステップである。
【0025】
ステップS34でOKの場合、CPU部6はステップS12でスキャンした電子証明書カードの券面の画像のうち生年月日部を光学文字認識部により読み取る(第2ステップS35)。ここでCPU部6はステップS31でのOKの結果により、挿入されたカードが運転免許証であると確定しているので、運転免許証の券面の様式から生年月日が記載された生年月日部を特定して光学文字認識部によるOCR処理をかける。このように制御部6は、第2ステップの前に、RFID読取部11を介した通信により電子証明書カードのカード種を券面の生年月日の記載部が特定できる分類まで特定し、その後の第2ステップにおいて、電子証明書カードの券面の生年月日の記載部を特定して生年月日情報を読み取る。これにより、高効率かつ高精度に生年月日を読み取ることができる。
次にCPU部6は、ステップS35で生年月日部から読み取った生年月日情報から年齢を計算する(S36)。
【0026】
次にCPU部6は、年齢判定を行う。ここでは20歳以上か判断する(S37)。
ステップS37でOK、すなわち、20歳以上であった場合、CPU部6は、ICチップから読み出した有効期限データと、内部カレンダーと比較して、有効期限内か否か判断する(第4ステップ(S38、S39))。
有効期限内である場合(S39でOK)、OK判定を外部機器の制御ユニットに出力し(S28)、電子証明書カードを排出する(S29)。
【0027】
(NG処理)
CPU部6は、ステップS33,34,37,39でNGとなった場合は、いずれも、NG判定を外部機器の制御ユニットに出力し(S50)、カードを排出する(S51)。
【0028】
(4)在留カードである場合
ステップS31でNGの場合、CPU部6はRFID読取部11を介して電子証明書カードに対し在留カードのアプリケーションIDのセレクト命令を送信する(S40)。
在留カードのICチップ内にはCP10(CP11,CP12,CP13),CP20のアプリケーションやカードOSが含まれている(
図6参照)。本実施形態では、「専用ファイル1」CP11のアプリケーションIDをステップS40で用いる。「マスターファイル」CP10には、照合番号なしで読み出し可能な情報と、照合番号ありで読み取り可能な情報とが含まれている(
図7参照)。
CPU部6にRFID読取部11を介して電子証明書カードから、在留カードのアプリケーションIDのセレクトした結果が返ってくる(S41でOK)。
次にCPU部6はRFID読取部11を介して電子証明書カードに対し、照合番号なしで読み出せるカード種別データの読み出しを試行する(第1ステップS42)。在留カードに関しては専用でなく、照合番号なしで読み出せるカード種別データとして「A」が読み出せたら在留カードと特定される。したがって、ここではカード種別データとして「A」が読み出せるかを試行する。なお、「B」なら特別永住者証明書である。
「A」の読み出しに成功すれば(S43でOK)、CPU部6は貼付検出判定を実行する(S44)。ここでも貼付検出判定とは、イメージセンサー部10により取り込んだ電子証明書カードの画像(S12)に基づき、貼り付け偽装が否か判断する第3ステップである。
【0029】
ステップS44でOKの場合、CPU部6はステップS12でスキャンした電子証明書カードの券面の画像のうち生年月日部と有効期限部を光学文字認識部により読み取る(第2ステップS45)。ここでCPU部6はステップS43でのOKの結果により、挿入されたカードが在留カードであると確定しているので、在留カードの券面の様式から生年月日が記載された生年月日部と、有効期限(年月日)が記載された有効期限部をそれぞれ特定して光学文字認識部によるOCR処理をかける。このように制御部6は、第2ステップの前に、RFID読取部11を介した通信により電子証明書カードのカード種を券面の生年月日の記載部が特定できる分類まで特定し、その後の第2ステップにおいて、電子証明書カードの券面の生年月日の記載部を特定して生年月日情報を読み取る。ここでは有効期限についても同様に処理する。これにより、高効率かつ高精度に生年月日及び有効期限を読み取ることができる。
次にCPU部6は、ステップS45で生年月日部から読み取った生年月日情報から年齢を計算する(S46)。
【0030】
次にCPU部6は、年齢判定を行う。ここでは20歳以上か判断する(S47)。
ステップS47でOK、すなわち、20歳以上であった場合、CPU部6は、ステップS45で光学文字認識部により読み取った券面に記載の有効期限データと、内部カレンダーと比較して、有効期限内か否か判断する(第4ステップ(S48、S49))。
有効期限内である場合(S49でOK)、OK判定を外部機器の制御ユニットに出力し(S28)、電子証明書カードを排出する(S29)。
【0031】
(NG処理)
CPU部6は、ステップS41,43,44,47,49でNGとなった場合は、いずれも、NG判定を外部機器の制御ユニットに出力し(S50)、カードを排出する(S51)。
【0032】
〔作用効果その他〕
以上のように第2ステップで光学文字認識部により読み取った生年月日情報に基づく年齢認証(OK判定S28)を出力するのは、照合番号なしでRFIDを読み取る第1ステップが成功の場合に限られる。
したがって、挿入された電子証明書カードが真正であることの1要素を確認したから、利用者の年齢の確かさ(本実施形態では20歳以上であることの確かさ)を上げることができる。
加えて、第3ステップで否(貼り付け偽装でない)の場合に限られる。
したがって、挿入された電子証明書カードが真正であることの他の1要素を確認したから、利用者の年齢の確かさ(本実施形態では20歳以上であることの確かさ)をさらに上げることができる。
さらに加えて、第4ステップで有効期限内であると判断した場合に限られる。
したがって、挿入された電子証明書カードが真正であることのさらなる他の1要素を確認したから、利用者の年齢の確かさ(本実施形態では20歳以上であることの確かさ)をさらに上げることができる。また、有効期限切れの電子証明書カードの使用を防止できる。
利用者は電子証明書カードを挿入するだけで済み、照合番号を入力する必要がない。また、電子証明書カードの照合番号で保護された領域の読取を試行しないから、ロックさせてしまう恐れが無い。
以上のようにして、商品の購入や施設の入場等に際して、年齢確認を要する場合、その年齢を確認するための手段としてRFIDを有した電子証明書カードを用いる年齢の識別認識システムにおいて、利用者に不便をかけず、利用者の電子証明書カードの真正性と年齢の確かさを確保することができる。
【0033】
以上本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、この他の様々な形態で実施が可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の省略、置き換え、変更を行うことができる。
以上の実施形態に拘わらず、第3ステップを採用せず、第1ステップと第4ステップを組み合わせて認証条件として実施してもよいし、第3ステップ及び第4ステップを採用せず、第1ステップを認証条件として実施してもよい。
また、以上の実施形態にあっては、20歳以上であるという年齢認証を出力したが、18歳以上 12歳以下、30~50歳等、判断基準年齢及び上限か下限か、上限及び下限を有するものであるか等は問わない。また、判断基準年齢というものが無く、年齢情報を出力するものであってもよい。
以上の実施形態にあっては、3種のカードを取り扱い可能なシステムとしているが、1種のみ又は2種のカードのみ、或いは4種以上のカードを取り扱い可能なシステムを構成して実施してよい。
また以上の実施形態にあっては、ユーザーにカードを挿入させる形態を実施したが、所定の読取面にカードをタッチさせることで、RFIDの通信と券面のスキャンが行える形態を実施してもよい。
【符号の説明】
【0034】
5 カード読取装置
6 CPU部
7 カード搬送部
8 光学センサー部
9 表示部
10 イメージセンサー部
11 RFID読取部