(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184920
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】倉庫ロボットのナビゲーションルート予約
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20221206BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G05D1/02 P
B65G1/00 501C
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143643
(22)【出願日】2022-09-09
(62)【分割の表示】P 2021117039の分割
【原出願日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】202010840682.2
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520167863
【氏名又は名称】ハイ ロボティクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAI ROBOTICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイ、シン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ハオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、ロボットが倉庫環境でのナビゲーションを支援するための方法とシステムを開示した。
【解決手段】いくつかの実施例において、ロボットは、予約ルートを受信して、倉庫内でナビゲーションするときに予約ルートに従って移動するために使用される。予約ルートは1つ又は複数のウェイポイントを含む。各ウェイポイントは位置とサイズを表し、当該サイズは当該位置でロボットを収容するために必要な空間である。前記1つ又は複数のウェイポイントは、ロボットが順序に従うために、シーケンスにリストされる。いくつかの実施例において、各ウェイポイントはさらに、タイムスタンプを含んでもよく、当該タイムスタンプは、予約ルートが割り当てられたロボットが当該位置に到達すべき時間を表す。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ガイドロボットを移動させる方法であって、
第1自動ガイドロボットが経路予約によって、ウェイポイントの第1シーケンスを含む第1経路を受信し、前記ウェイポイントの第1シーケンスが第1ウェイポイントを含むことと、
前記第1自動ガイドロボットが前記第1ウェイポイントを通過した後、前記第1ウェイポイントを解放することと、
第2自動ガイドロボットが経路予約によって、ウェイポイントの第2シーケンスを含む第2経路を受信し、前記ウェイポイントの第2シーケンスが前記第1自動ガイドロボットに解放された前記第1ウェイポイントを含むこととを含む、ことを特徴とする自動ガイドロボットを移動させる方法。
【請求項2】
前記第2自動ガイドロボットが前記第2経路の終端に到達する前に、前記第2自動ガイドロボットが第3経路を受信し、前記第2自動ガイドロボットが前記第3経路を受信していない場合、前記第2経路の終端に留まり、所定の時間が経過した後に前記第3経路を再び要求し、前記第3経路がウェイポイントの第3シーケンスを含むことと、
前記第2自動ガイドロボットが前記第2経路の終端に到達するとき、前記第2経路を完了としてマークすることとの、少なくとも1つをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サーバーは、前記自動ガイドロボットが送信した位置情報をリアルタイムで受信し、前記自動ガイドロボットの位置を分析して、解放すべきウェイポイント、予約ポイント、および経路の少なくとも1つを決定し、解放することと、
前記サーバーは、前記自動ガイドロボットがフィードバックした情報マッピングデジタル地図に基づいて、前記自動ガイドロボットの位置を分析し、解放すべきウェイポイント、予約ポイント、および経路の少なくとも1つを決定し、解放することとの、少なくとも1つをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各ウェイポイントが位置とサイズを有し、前記サイズは、前記位置で前記自動ガイドロボットを収容するために必要な空間に対応する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記サイズは、前記自動ガイドロボット全体の地上における最大投影面積であり、前記最大投影面積は、走行時と静止時、方向転換時と非方向転換時、負荷時と無負荷時、及び貨物を取り出す時と貨物を置く時の最大投影面積を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1経路、第2経路及び第3経路は、解放されていない別の経路での任意のウェイポイントとも衝突しないウェイポイントを含み、2つのウェイポイントの間に空間次元の重なりがある場合、前記2つのウェイポイントの間に衝突が生じる、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記自動ガイドロボットが冗長予約の原則に基づいて、通過すべきウェイポイントを予約することをさらに含み、前記冗長予約は、前記自動ガイドロボットが通過すべきウェイポイントを予約するほか、予約したウェイポイントにおける最も遠いウェイポイントの後のいくつかの近接ウェイポイントも予約する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1経路及び第2経路の構成形態は、完全にウェイポイントによって構成され、又はウェイポイントが予約ポイント、線分、マーク、及びルールポイントの少なくとも1つと組み合わせることによって構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
自動ガイドロボットをガイドするためのシステムであって、前記システムがプロセッサを有し、前記プロセッサは、
第1自動ガイドロボットに第1経路を受信させ、
前記第1自動ガイドロボットが前記第1ウェイポイントを通過した後、前記第1ウェイポイントを解放し、
第2自動ガイドロボットに第2経路を受信させる、ように構成られ、
前記第1経路はウェイポイントの第1シーケンスを含み、前記ウェイポイントの第1シーケンスは第1ウェイポイントを含み、前記第2経路はウェイポイントの第2シーケンスを含み、前記ウェイポイントの第2シーケンスは前記第1自動ガイドロボットに解放された前記第1ウェイポイントを含む、ことを特徴とする自動ガイドロボットをガイドするためのシステム。
【請求項10】
前記プロセッサはさらに、
前記第2自動ガイドロボットが前記第2経路の終端に到達する前に、前記第2自動ガイドロボットに第3経路を受信させ、前記第2自動ガイドロボットが前記第3経路を受信していない場合、前記第2自動ガイドロボットを前記第2経路の終端に留まらせ、所定の時間が経過した後に前記第3経路を再び要求することと、
前記第2自動ガイドロボットが前記第2経路の終端に到達するとき、前記第2経路を完了としてマークすることとの、少なくとも1つを行うように構成られ、
前記第3経路はウェイポイントの第3シーケンスを含む、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記プロセッサはさらに、
サーバーは、前記自動ガイドロボットが送信した位置情報をリアルタイムで受信し、前記自動ガイドロボットの位置を分析して、解放すべきウェイポイント、予約ポイント、および経路の少なくとも1つを決定し、解放することと、
前記サーバーは、前記自動ガイドロボットがフィードバックした情報マッピングデジタル地図に基づいて、前記自動ガイドロボットの位置を分析し、解放すべきウェイポイント、予約ポイント、および経路の少なくとも1つを決定し、解放することとの、少なくとも1つを行うように構成られる、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
各ウェイポイントが位置とサイズを有し、前記サイズは、前記位置で前記自動ガイドロボットを収容するために必要な空間に対応する、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記サイズは、前記自動ガイドロボット全体の地上における最大投影面積であり、前記最大投影面積は、走行時と静止時、方向転換時と非方向転換時、負荷時と無負荷時、及び貨物を取り出す時と貨物を置く時の最大投影面積を含む、ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1経路、第2経路及び第3経路は、解放されていない別の経路での任意のウェイポイントとも衝突しないウェイポイントを含み、2つのウェイポイントの間に空間次元の重なりがある場合、前記2つのウェイポイントの間に衝突が生じる、ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサはさらに、
前記自動ガイドロボットに冗長予約の原則に基づいて、通過すべきウェイポイントを予約させるように構成られ、
前記冗長予約は、前記自動ガイドロボットが通過すべきウェイポイントを予約するほか、予約したウェイポイントにおける最も遠いウェイポイントの後のいくつかの近接ウェイポイントも予約する、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1経路及び第2経路の構成形態は、完全にウェイポイントによって構成され、又はウェイポイントが予約ポイント、線分、マーク、及びルールポイントの少なくとも1つと組み合わせることによって構成される、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して倉庫ロボットの制御と管理に関し、特に倉庫ロボットのためのナビゲーションルート予約に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫ではロボットや自動機器を使うことが増えている。自動倉庫ロボットは、重い貨物を持ち上げるだけでなく、過去に人工的に操作する必要があった任務を負っていり、例えば、貨物や箱を指定の場所に移動したり、決められた棚から品物を取り出すなどが挙げられる。大型倉庫でロボットを使うことが多くなるにつれて、安全と効率を確保するために正確かつリアルタイムのナビゲーションが必要である。
【0003】
従来技術では、自動ガイドロボットはルート予約で倉庫内を移動する。通常、1つのルートは、予め予約された線分のセットであり、自動ガイド車両やロボットがそれに沿って移動する。従来技術では、ルート予約方法は多忙な倉庫のためのものではなく、多忙な倉庫では、多くのロボットは同じ経路又は倉庫棚間の通路内を同じ方向に移動することがある。従来技術におけるルート予約方法は効率が低く、改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、自動ガイドロボットのロボットで賑わう倉庫内の安全ナビゲーションのための改良されたルート予約方法及びシステムを開示する。
【0005】
それに応じて、本開示は、自動ガイドロボットを倉庫内でナビゲーションするための改良された方法と機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施例において、自動ガイドロボットを移動するための方法は、自動ガイドロボットが経路予約によって受信した経路を記憶し、前記経路に沿って移動することを含む。前記経路は、シーケンスにリストされた1つ又は複数のウェイポイントを含み、自動ガイドロボットは、前記1つ又は複数のウェイポイントのそれぞれに順次到達することにより、前記経路に沿って移動する。
【0007】
本開示では、ウェイポイントとは、自動ガイドロボットが倉庫内に留まる必要があるポイントを指す。ウェイポイントは、異なるルールに基づいて設定されることができ、例えば、自動ガイドロボットが姿勢を変える(例えば、方向転換)必要があるかどうか、自動ガイドロボットが所定の時間を待つ必要があるかどうか、自動ガイドロボットが貨物を取り出し、貨物を置く必要があるかどうかに基づいて、対応するウェイポイントを設定する。ウェイポイントの指定は位置とサイズを含む。
【0008】
いくつかの実施例において、自動ガイドロボットは、経路予約によって1つ又は複数のウェイポイントを含む第1経路を受信する。自動ガイドロボットは、1つ又は複数のウェイポイントのそれぞれに順番に到達することにより、第1経路に沿って移動することができる。自動ガイドロボットが第1経路の終端に到達する前に、又は第1経路の終端に、自動ガイドロボットは、第2経路を受信し、ここで、前記第2経路は、前記自動ガイドロボットによる再度の経路予約要求後、サーバが自動ガイドロボットに第2経路関連情報を送信することによって得られるもの、又はサーバによるリアルタイム更新後、自動ガイドロボットに第2経路関連情報を自動的に送信することによって得られるものである。第2経路は、1つ又は複数のウェイポイントを含む。自動ガイドロボットは第2経路を記憶し、第2経路における各ウェイポイントに順番に到達することにより、第2経路に沿って移動するために使用される。
【0009】
いくつかの実施例において、自動ガイドロボットは、第1経路の終端に到達するとき、第1経路を完了としてマークする。いくつかの実施例において、自動ガイドロボットが第2経路を受信する前に第1経路の終端に到達すると、ロボットは第1経路の終端に留まる。1つの実施例において、ロボットが第2経路を受信する前に第1経路の終端に到達すると、ロボットは第2経路の要求を送信することができる。別の実施例において、ロボットは、第2経路の要求を送信する前に、第1経路の終端で所定の時間を待つことができる。
【0010】
いくつかの実施例において、ウェイポイントの指定はタイムスタンプを含んでもよい。タイムスタンプは、自動ガイドロボットがウェイポイントの位置に到達すべき時間を指示する。いくつかの実施例において、ウェイポイントの指定は、ロボットが採用する方位をさらに含むことができる。いくつかの実施例において、ウェイポイントの指定は、自動ガイドロボットの移動のための移動命令をさらに含むことができる。例えば、ロボットが直線又は横方向に移動するように指示することができる。また、ロボットが方向を変え、例えば、回転するように指示することができる。
【0011】
本開示では、2つのロボットに割り当てられた2つの経路は、物理的な位置で互いに交差してもよい。しかし、2つの経路が衝突しない場合、このような交差経路は、2つの自動ガイドロボットの間に衝突を起こさせないことができる。本開示では、第1経路上のウェイポイントと第2経路上のウェイポイントとの間に重なりがある場合、2つの経路間で衝突が生じる。いくつかの実施例において、各ウェイポイントの指定は、位置、サイズ及びタイムスタンプを含む。2つの位置と2つのタイムスタンプとの間に重なりがある場合、2つのウェイポイントが重なり、これはロボットがほぼ同じ位置に同時に到着することを意味する。
【0012】
本開示では、ロボットは、ロボットが経路の終端に到達した後、それに割り当てられた経路を解放するために使用される。ロボットが割り当てられた経路に沿って移動するとき、ロボットはまた、その通過する各ウェイポイントを解放することができる。予約から解放されたとマークされたウェイポイントは、他の任意のウェイポイントと「衝突」しない。
【0013】
いくつかの実施例において、自動ガイドロボットは上記の方法に従ってナビゲーションするために使用される。ソフトウェアプログラムは、コンピュータで読み取り可能な非一時的な媒体に記憶され、ロボットが倉庫環境でナビゲーションされるように指示するためにロボットにロードされることができる。いくつかの実施例において、組み込みソフトウェアを有する回路又はプログラマブル集積回路、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)は、プログラミング命令を実行する際に上記の方法を実行するために使用される。
【発明の効果】
【0014】
本開示では、ロボットによって自動化された倉庫内の安全と効率を向上させるために、革新的なルート予約方法が開示された。従来技術では、衝突を回避するために、予約ルートに位置点が含まれている場合、同じ位置点を含むルート要求は、予約ルート全体が解放されるまで拒否又は遅延される。本明細書で開示されるいくつかの実施例において、ウェイポイントの概念が導入される。ウェイポイントは、2つの予約のルートに含まれてもよい。2つのロボットは、異なる時間でウェイポイントに到達すると、何の衝突も発生しない。いくつかの実施例において、ロボットが1つのウェイポイントを通過した後、当該ウェイポイントを解放する。その後、解放されたウェイポイントを別の予約経路に含めることができる。このようにして、第1予約ルートを解放する前に、第2予約要求を処理することができる。したがって、開示された装置、システム及び方法は、多くのロボットを使用して、ロボットで賑わう倉庫に、より効果的なルート予約を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の明細書及び図面をさらに閲読すると、本開示のこれら及び他の特徴は明らかになる。図面では、すべての図面にける同じ図面記号は対応するパーツを示す。また、図面のコンポーネントは一定の縮尺で描かれる必要がなく、本開示の原理を明瞭に表現することに重点を置くべきである。
【
図1】ガイドロボットが予約経路に沿って移動する倉庫環境の図である。
【
図2a】複数のウェイポイントを含む例示的なルートを示す。
【
図2b】複数のウェイポイントを含む例示的なルートを示す。
【
図2c】複数のウェイポイントを含む例示的なルートを示す。
【
図2d】複数のウェイポイントを含む例示的なルートを示す。
【
図2e】複数のウェイポイントを含む例示的なルートを示す。
【
図2f】複数のウェイポイントを含む例示的なルートを示す。
【
図3】ガイドロボットがナビゲーションガイドに従って予約ルートに沿って移動する例示的なルートを示す。
【
図4】ガイドロボットのために「冗長予約」を行う例示的なルートを示す。
【
図5】ガイドロボットのために予約された例示的なルートを示す。
【
図7】本開示の実施例に係るルート予約方法を示すフローチャートである。
【
図8a】本開示の実施例に係るガイドロボットのブロック図を示す。
【
図8b】本開示の実施例に係るガイドロボットを支援するシステムのブロック図を示す。
【
図9】貨物箱を搬送するロボットの構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の好ましい実施例が示されている図面を参照して本開示の実施例をより十分に説明する。しかしながら、本開示の様々な実施例は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、かつ、本明細書に記載された実施例に限定されると解釈されるべきではない。逆に、これらの実施例を提供することにより、本開示が徹底かつ完全になり、本開示の範囲が当業者に十分に伝達される。
【0017】
図1は、複数のロボットが配置された倉庫を示す。グリッド100は、自動ガイドロボットをガイドするシステムのサーバ(前記グリッドは例えばデータマッピング形式で表示される経路設定)に記憶されてもよいし、倉庫の床に設置されてもよいし、又は自動ガイドロボットをガイドするシステムのサーバに記憶されるとともに倉庫の床に設置されされてもよく、ロボット120は、倉庫内の1つの位置から別の位置にナビゲーションされる場合、ロボット120はグリッドに沿って移動し、或いは、ロボット120は計画されたルート又は予約経路に従って、グリッドによって形成された航路上でマルチ航路を横断するように移動する。例えば、ロボット120が棚に向かって移動して、収納ボックス又は収納箱を持ち上げ、収納容器を指定位置に置くように指示することができる。ロボット120が埠頭に到着した貨物コンテナを開けて、コンテナ中の内容物を収納箱に割り当てるように指示することもできる。ロボット120は、受信した命令を実行するために倉庫内を動き回る場合、棚の周りをナビゲーションし、他のロボットとの衝突を避ける必要がある。
【0018】
ロボット120は、自主的ナビゲーションに使用されることができる。例えば、ロボット120は、タスクを完了するための命令を受信すると、まずタスク命令に基づいて開始位置と終了位置を取得する。1つの実施例において、命令自体は開始位置と終了位置を含むことができる。別の実施例において、ロボット120は、タスクに基づいて開始位置及び/又は終了位置を導出することができる。例えば、タスクは、収納箱を取り出して当該収納箱をワークステーションに持ち込むことである場合、ロボット120は、ワークステーションの位置を終了位置として使用することができる。システム初期化の間、ワークステーションの位置は、既にロボット120のメモリに記憶される可能性がある。代わりに、ロボット120からのクエリに応答して、リモートサーバ(図示せず)からワークステーションの位置を受信することができる。いくつかの実施例において、タスクの開始位置はロボット120の現在位置である。いくつかの実施例において、タスクの開始位置は、保管倉庫の位置である。
【0019】
なお、以下の説明では、ロボットが既に割り当てられた経路又は予約されたルートを受信したことについて言及すると、当該経路又はルートは、当該ロボットをスケジュールする中央サーバ又は位置決めルート予約サーバによって送信されてもよい。選択的に、当該経路又はルートは、ロボットが相互に調整して形成され、予約されたり、ロボットの中の高い権限を持つロボットによって管理されたりすることもできる。
【0020】
開始位置と終了位置に基づいて、ロボット120又はリモートサーバによってナビゲーション経路110を決定してもよい。
図1に示すように、ナビゲーション経路110は、1つ又は複数のウェイポイントW112、W113、…、W119を含む。各ウェイポイントWは、倉庫施設内の物理的な位置Pを表す。各ウェイポイントWはまた、サイズrをさらに含む。例えば、ウェイポイントWは(P、r)として指定されてもよい。二次元グリッド内の位置の座標(例えば、(x、y))を使用して物理的な位置Pを表してもよい。ウェイポイントは、円形又は正方形を採用することができ、これに応じて、ウェイポイントのサイズrは、Pを中心とする円の半径、又はPを中心とする正方形の辺の長さとして表してもよい。なお、ウェイポイントは他の形状、例えば、三角形、長方形又は菱形などを利用することができ、これに応じて、ウェイポイントのサイズrは異なるように表してもよい。倉庫内では、ウェイポイントは同じ又は異なる幾何学形状を有してもよく、ロボットが異なる姿勢を実行するように指示するウェイポイントの形状は、通常異なる。例えば、ロボットの方向転換ときのウェイポイント、ロボットの取出装置、アームなどの変化ときのウェイポイント、ロボットの無負荷ときのウェイポイント、ロボットの負荷ときのウェイポイント、又はロボットが止まって動かないときのウェイポイントは、それぞれ異なる形状を有する。なお、異なるロボットに対応するウェイポイントの形状も異なる。
【0021】
いくつかの実施例において、タスク指示には、ロボットが各ウェイポイントでの予約モードが含まれ、少なくとも走行、停止、方向転換、貨物を取り出すこと、貨物を置くこと、機構を備える部位の動作調整などの指示が含まれているが、これらに限定されない。
【0022】
いくつかの実施例において、予約経路は、ウェイポイント及びウェイポイント間で走行ルートを構成する予約ポイントを含む。ロボットは割り当てられた経路に沿って移動する場合、通過した各ウェイポイント/予約ポイント/経路を解放することができる。具体的に、いくつかの実施例において、ロボットが割り当てられた経路に沿って移動する場合、ロボットは、通過したウェイポイント/予約ポイント/経路を解放し、解放されたウェイポイント/予約ポイント/経路の情報をサーバに送信することができ、サーバが情報を受信したら、関連経路をスケジュールする。いくつかの実施例において、ロボットが割り当てられた経路に沿って移動する場合、サーバは、ロボットが送信した位置情報をリアルタイムで受信し、ロボットの位置を分析して、解放すべきウェイポイント/予約ポイント/経路を決定し、解放する。いくつかの実施例において、ロボットが割り当てられた経路に沿って移動する場合、サーバは、ロボットがフィードバックした情報に基づいてデジタル地図をマッピングし、ロボットの位置を分析して、解放すべきウェイポイント/予約ポイント/経路を決定し、解放する。
【0023】
いくつかの実施例において、ロボットが割り当てられた経路に沿って移動する場合、ロボットは、無線通信を介して周囲のロボット情報と相互にハンドシェイクする(即ち、ロボットとその周囲のロボットは無線通信を介して互いの情報を取得し、情報インタラクションを行う)ことにより、ウェイポイント/予約ポイント/経路の解放を完了する。いくつかの実施例において、ロボットが割り当てられた経路に沿って移動する場合、解放を完了するために、別のロボットを仲裁として、解放すべきウェイポイント/予約ポイント/経路を支援して判定することができる。通過したウェイポイント/予約ポイント/経路を解放することにより、システム負担を効果的に軽減し、安全係数を著しく向上させる。
【0024】
いくつかの実施例において、ロボットは、通過する各ウェイポイントをリアルタイムで解放するが、ロボットが停止した時に所在するウェイポイントは解放されず、同時に通過すべき点を予約し、ここで、「リアルタイム解放」は、ロボットがあるウェイポイントを通過するとき、すぐに当該ウェイポイントを解放することである。別の実施例において、ロボットは一段の経路を通過するごとに、例えば指定された位置に到達するごとに、通過した経路(通過したウェイポイントを含む)を解放するとともに、通過すべき経路を予約することができる。予約から解放されたウェイポイントは、他の任意のウェイポイントと「衝突」しないとマークされた。ウェイポイント又は経路をリアルタイムで解放することにより、サーバがより多くのウェイポイントのスケジューリング選択を有する。
【0025】
いくつかの実施例において、サーバは、各ロボットに対して経路計画を行い、ロボットは、通過すべきウェイポイントの予約要求をサーバに送信し、サーバは、当前経路に基づいて、ロボットのために通過すべきウェイポイントを予約し、予約失敗の場合、サーバは、予約成功まで再予約し、ロボットに予約成功のウェイポイントの経路情報を提供し、ロボットは、関連情報を受信した後、後続の動作を実行する。例えば、ロボットは、経路a->b->c->d、即ち4つのウェイポイントa、b、c、dを順次通過する経路を予約する場合、ロボットがウェイポイントcの予約に失敗すると、ロボットがウェイポイントcに到達する前に、ロボットはサーバに新しい経路予約要求を送信する。ロボットは対応する経路情報を受信する場合、ロボットが当該経路指示情報を受信すると、新しい経路情報を受信した後、ロボットは、経路を再計画し、ロボットが当該経路指示情報を受信しないと、サーバにフィードバックして、サーバが更新後の経路指示情報を送信するのを待つ。
【0026】
ここで、経路計画、経路予約、経路解放、予約要求の送信、経路が衝突したかどうかの適用判定は、サーバとロボットのいずれかによって実行されてもよい。
【0027】
いくつかの実施例において、ロボット自体は経路計画、ウェイポイント予約、及びウェイポイント予約が成功したかどうかの判断を行い、それに応じて、再予約が必要かどうかを確認し、又は予約されたウェイポイントに従って後続の動作を実行することができる。
【0028】
いくつかの実施例において、ロボットは、無線通信を介して周囲のロボット情報と相互にハンドシェイクして、経路計画、ウェイポイント予約を完了し、ウェイポイント予約が成功したかどうかを判断し、それに応じて、再予約が必要かどうかを確認し、又は予約されたウェイポイントに従って後続の動作を実行する。
【0029】
いくつかの実施例において、ロボットは、他のロボットの協力により、経路計画、ウェイポイント予約を完了し、ウェイポイント予約が成功したかどうかを判断し、それに応じて、再予約が必要かどうかを確認し、又は予約されたウェイポイントに従って後続の動作を実行することができる。
【0030】
いくつかの実施例において、ロボットは、サーバが送信した関連データを組み合わせて分析することにより、経路計画、ウェイポイント予約を完了し、ウェイポイント予約が成功したかどうかを判断し、それに応じて、再予約が必要かどうかを確認し、又は予約されたウェイポイントに従って後続の動作を実行することができる。
【0031】
前記予約要求は、各ウェイポイントの予約の要求を含み、これにより経路予約を行い、前記経路予約は、一回又は複数回の経路予約を含むことができる。前記経路予約は、サーバがロボット起動時のポイントから予約失敗まで、経路中の各ウェイポイントに従って順に行うものである。その後、予約成功のすべてのウェイポイントの情報をロボットにフィードバックし、ロボットは、予約成功のウェイポイントに沿って進み、進む過程中に通過すべきウェイポイントを予約し続ける。
【0032】
経路予約の範囲は、動的に調整されることができ、即ち予約毎に、ウェイポイントの個数は異なってもよい。
【0033】
いくつかの実施例において、サイズrは、ロボット全体(棚、取出装置などを含む)の地上における最大投影面積であり、走行時と静止時、方向転換時と非方向転換時、負荷時と無負荷時、貨物を取り出す時と貨物を置く時の最大投影面積を含む。
【0034】
三次元空間には、ロボット120の姿勢と貨物棚の立体姿態が含まれる。三次元空間を導入することにより、2つ又は複数のロボット120はサイズが同じタイムスタンプに重なりがある場合、2つのロボットは衝突しない可能性がある。例えば、2つのロボット120の間には異なる高さで交差があるが、衝突は起きない。
【0035】
いくつかの実施例において、1つのロボット120は高さh1で取出装置を伸ばし、ロボット120に隣接するウェイポイントでの別のロボットは高さh2で取出装置を伸ばする場合(ここで、h1とh2の高さは異なる)、即ち上記の2つのロボット(例えば、隣接する2つの貨物を取り出す通路に位置し、向かい合っているロボット)は、それぞれ取出装置を同じ棚の異なる層に伸ばして貨物を取り出す場合、2つのロボットのウェイポイントのサイズrは重なる可能性があるが、このときの2つのロボットは衝突しない。別の実施例において、1つのロボット120は高さh1で取出装置を伸ばし、ロボット120に隣接するウェイポイントでの別のロボットは高さh2で取出装置を伸ばして(ここで、h1とh2の高さは異なる)、方向転換により2つのロボットのウェイポイントのサイズrが重なるようになっているが、2つのロボットは衝突しない。三次元空間を導入することにより、ウェイポイントとロボットの高いマッチングを実現し、ウェイポイントの利用率を向上させ、さらにロボットの作業効率を向上させる。従来技術では、ナビゲーションルートは線分と点を含む。ナビゲーション計画では、ロボットのサイズは考慮されない。ただし、多くのロボットが使用され、ロボットで賑わう倉庫では、平行車線を設計する必要がある場合があり、2つのロボットは平行車線で並んで移動することができる。ロボットのサイズが異なる又はコーナーが狭い複雑な環境の中で、ロボットのサイズは、ナビゲーション計画で考慮すべき重要な要素である。例えば、比較的狭いコーナーでは、大型ロボットは通過できず、詰まられる可能性がある。本明細書で開示された方法とシステムでは、ナビゲーション計画とルート予約中に、ロボット120のサイズを考慮した。本開示では、ルートは簡単な線分によって表されるものではない。いくつかの実施例において、ロボット120が所定タスクに基づいて割り当てられた経路を受信する場合、割り当てられた経路は1つ又は複数のウェイポイントWのリストを含む。各ウェイポイントは位置とサイズによって表される。ウェイポイントリストは、ロボット120が通過すべき一連のウェイポイントを表す。
【0036】
いくつかの実施例において、経路にはウェイポイント以外にもルールポイントがある。
【0037】
ルールポイントは、
(1)通常動作ポイントであってもよく、走行経路やロボット位置決めなどの計算根拠、校正用の地図起点、境界点、経路状態情報を提供するための状態ポイントなどとして使用される。
(2)地図路線正則化(regularization)によって形成された経路及びウェイポイントであってもよく、地図は走行可能範囲とその範囲境界を含み、ロボット位置及びタスク起点と終点と地図とのマッピング関係を通じて、ロボットが走行可能な1本以上のルートを確立し、正則化計算により、走行可能範囲、許容走行時間と距離、直線と非直線走行モードなどの要素に従って、走行ルートを直線及び/又は非直線の走行経路に修正する。
(3)立体空間の正則化計算によって得られたウェイポイントであってもよく、ロボット走行と動作は一定の空間を占める必要があり、時間次元を組み合わせて、空間正則化計算により、ロボット本体の占用空間をデジタル多次元空間にマッピングし、必要な空間パラメータを経路ウェイポイントのサイズrパラメータに設定する。ここで、ロボットによる環境感知により、ロボット作業シーン、多重タスク連携、ロボットナビゲーション障害物回避環境深度回復、対象物感知又は周辺ロボットの三次元再構成などの方法を組み合わせて、ロボット正則化学習法と類神経学習法の少なくとも1つを組み合わせて、ロボットの動作に必要なサイズrパラメータを修正する。
【0038】
いくつかの実施例において、経路は
図1に示すウェイポイントリストを含むことができる。いくつかの実施例において、ウェイポイントリストに加えて、経路はさらに、線分又はマークを含むことができる。前記線分は、経路内の隣接する2つのウェイポイントの間にあり、マークは、ロボットが経路走行中に姿勢を変えることができるように指示し、又は経路走行が完了した指示を指示するために使用される。
【0039】
経路構成の形態は、
(1)完全にウェイポイントによって構成されてもよく、各ウェイポイントが前記設定に従って動作する。
(2)ウェイポイントが予約ポイント、線分、マーク、ルールポイントの少なくとも1つを組み合わせて構成されてもよい。ここで、線分とマークは、実体であってもよいし、仮想であってもよく、1つの方法を選んで設置してもよいし、2つの方法を全部設置してもよい。線分の識別により、ロボット走行方向と当該道路区間の走行距離を指示し、マークにより、ロボットを直接位置決めし、及び/又はロボットを指示して特定姿態に調整し、当該特定姿態は、タスクによって生成したウェイポイント姿態であってもよいし、環境ニーズのために設定されてもよく、例えば、経路が間もなく組立ラインの伝送台に近くなり、ロボットは必ず取出装置を一番低いところに調整して、ロボットが走行するときに取出装置は伝送台に衝突することを避ける。
【0040】
図2a~
図2cは3つの例示的な経路を示す。
図2aにおいて、例示的な経路202は、1つ又は複数のウェイポイントを含む。経路202は、ロボット120が通過すべき一連のウェイポイントWとして表される。
図2bにおいて、例示的な経路204は、1つ又は複数のウェイポイントW及びいくつかの線分Lを含む。
図2cにおいて、例示的な経路206は、1つ又は複数のウェイポイントW及びいくつかのマークMを含み、ナビゲーションの目的でウェイポイントWとマークMを倉庫施設に配置する。
【0041】
いくつかの実施例において、ウェイポイントは、ロボット120の移動のための移動命令を含むことができる。移動命令の例は、「直線移動」、「右横方向移動」、「左横方向移動」、「反時計回り180o回転」、「反時計回り0~90o回転」又は「時計回り0~90o回転」などを含む。いくつかの実施例において、移動命令は、「移動方向を西90°から北45°に変更する」であってもよく、ロボットがその移動方向を変えるように指示する。ロボットは、回転によって新しい移動方向に向けてその移動方向を変えるように構成されてもよい。代わりに、ロボットは、回転せずに新しい方向に沿って簡単に移動するように構成されてもよい。
【0042】
図2dに示すように、選択的に、a点からb点に到達する場合、ロボット120が受信した移動命令の移動形態は、a点で時計回りに一定の角度を回転して、b点に向かって直線的に前進することである。
【0043】
図2eに示すように、選択的に、a点からb点に到達する場合、ロボット120が受信した移動命令の移動形態は、a点から順に時計回りに回転し、b点に向かって弧を描くように前進する。さらに、c点でロボットがあれば、c点のロボットの動作に影響しないように考慮する必要がある。
【0044】
図2fに示すように、選択的に、ロボット120の走行可能な航路は複数であり、並列に計画され、ロボット120は、航路x1のa点から航路x3のb点に到達し、走行中に、航路x1の任意の点から航路x2を通って航路x3に到達し、マルチ航路横断の走行形態を形成し、航路x3で方向転換してb点に向けて前進することができる。
【0045】
図3において、4つのウェイポイントW1、W2、W3及びW4は計画経路300に含まれる。各ウェイポイントはいずれも1つの移動命令を含み、ロボット120が当該ウェイポイントに到達するとき、当該命令はロボット120がどのように移動するがを指示する。例えば、
図3において、ロボット120は、一番左の点Aから始めて、水平に右に移動してもよい。ロボット120は、ウェイポイントW1に到達するとき、ウェイポイントW1は、ロボット120が時計回りに90o回転するように指示して、ロボット120に垂直線分に沿って南に移動を開始させる。類似的に、ウェイポイントW2、W3及びW4は、それぞれ回転命令を含み、当該回転命令は、ロボット120が目的地Bに到達するまで、次の道路区間に移動するように指示する。
【0046】
いくつかの実施例において、各ウェイポイントは姿勢指示を含み、当該姿勢指示は、ロボット120がある姿勢や方向を用いる指示として使用される。例えば、
図5は、3つの姿勢指示を示す。各姿勢指示は、ロボット120が矢印のように右に移動する際にどのような姿勢を用いる指示である。姿勢指示(a)は、ロボット120が水平に右に移動する際に側面に向かう指示である。例えば、ロボット120が狭い空間を通過する場合、又はロボット120が別のロボットに衝突しないようにする場合、当該姿勢は、ロボット120にとって必須のものかもしれない。姿勢指示(b)において、ロボット120はその移動方向で前に向かい、これは正常姿勢と見なすことができる。姿勢指示(c)において、ロボットは動かずに同じ点に留まるように指示される。姿勢指示は、ロボットがスキャン又は読み取るためのマークとして、システムに記憶されてもよいし、床に配置されてもよい。姿勢指示は、有線又は無線伝送で送信されてもよい。
【0047】
いくつかの実施例において、空間と時間次元でウェイポイントを表すことができる。位置とサイズに加えて、各ウェイポイントはさらに、タイムスタンプを含んでもよい。タイムスタンプは、ロボット120がウェイポイントの物理的な位置に到達する必要がある時間を指示する。時間次元を増加することにより、忙しい倉庫でより複雑なスケジュールが可能になる。例えば、2つのロボットを異なる時間で衝突せずに安全に同じ位置を通過させることができる。ルート予約期間中に、各ロボットは、いずれも1つ又は複数のウェイポイントを含む予約経路を受信する。この2つの経路はいずれも1つのウェイポイントを含み、当該ウェイポイントは同じ物理的な位置を標識するが、異なるタイムスタンプを有する。予約されたルートを受信した後、各ロボットは、ナビゲーションルートに従って、タイムスタンプで指示された異なる時間に同じ物理的な位置を通過する。時間次元がないと、ロボットがいつウェイポイントを通過又は到達するかを予測又は制御できない。空間次元だけでウェイポイントを表すと、2つのロボットに割り当てられた2つの予約ルートが同じウェイポイントを共有する場合、この2つのロボットは同時に同じウェイポイントに到達し、衝突を引き起こす可能性がある。
【0048】
いくつかの実施例において、ロボットがサーバに経路予約要求を送信し、ここで、当該経路予約要求がロボット現在の自身のタスク重み情報を含む場合、サーバは、ロボット自身のタスク重み情報に基づいて、当該ロボットに経路指示情報を送信する。いくつかの実施例において、ロボットがサーバに経路予約要求を送信し、ここで、当該経路予約要求がロボット関連タスク情報を含む場合、サーバは、関連タスク情報に基づいて、各ロボットのタスク重み情報を決定して、当該ロボットに経路指示情報を送信する。ここで、タスク重み情報は、各ロボットが経路予約をサーバに送信する時間順序、及び、異なるロボットが同じウェイポイントに到達するタイムスタンプが同じであるとき、各ロボットが貨物を取り出すと貨物を置く優先度、ロボットの積載数、積載重量、ロボットの移動速度などの情報を含む。サーバは、タスク重み情報を導入することにより、ロボットに関連経路指示を行い、各ロボットがより秩序正しく、効率的に、安全に移動するようにする。
【0049】
安全のために、予約ルートに含まれたウェイポイントがルート予約要求に含まれている場合、当該ルート予約要求は拒否される。ウェイポイントの表現に時間次元を導入することで、2つの予約ルートに同じウェイポイントを含めることができるため、効率が向上した。
【0050】
本開示は、倉庫ロボットのルート予約においてウェイポイントを導入し、安全を改善して効率を向上させる。ウェイポイントの使用により、自動ガイドロボットの管理と制御がより容易且つ簡単になる。例えば、2つの割り当てられた経路が重なる場合、即ち1つ又は複数のウェイポイントを共有しない場合、それぞれが割り当てられた経路に沿って移動する2つのロボットは互いに衝突しない。
図6a~6bは空間次元と時空次元における「重なる」ウェイポイントの例を示す。
【0051】
図6aにおいて、2つの経路502、504は平行に延びている。重なるウェイポイントW52とW54を除いて、2つの経路は互いに交差しなく、ここで、2つのロボットがサイトに到着し、姿勢指示によってロボットの姿態を調整することができる。当該サイトは、経路の目標点、中間点又は方向転換点などの関連ウェイポイントとして機能することができる。いくつかの実施例において、ウェイポイントW52とW54における各々は、位置Pとサイズrを含むことができる。ウェイポイントのサイズrは、ロボットのサイズを表すため、W52とW54の重なりは、2つのロボットが相手にぶつかって衝突することを意味する。
【0052】
ウェイポイントW52とW54が経路で重なる状況は以下の3つの状況を含む。第1状況は経路衝突、即ち、経路が平行に延びた後、2つのロボットの一方又は両方が急に変化して位置Pの重複を形成する状況であり、第2状況は、2つのロボットの一方又は両方がそれぞれの位置Pで姿勢変化(当該姿勢変化は、取出装置、アーム変化又は移動シャシーの方向転換などである)を起こし、それらのサイズrが重なる状況であり、第3状況は、第1状況、第2状況又は両方の組み合わせで、2つのロボットのタイムスタンプtが同じである状況である。例えば、1つの状況では、W52の位置とW54の位置は異なるが、従来技術のルート予約技術では、経路又はルートは無次元の線又は点で表され、このようにして、2つのロボットに割り当てられた経路は交差しないが、これらの経路は、1つ又は複数のロボットのサイズを収容するための十分な空間を残していない場合、従来技術のナビゲーション計画は衝突の検出や防止ができない。
【0053】
いくつかの実施例において、各ウェイポイントは、位置P、サイズr及びタイムスタンプtを含む。三次元空間について、各ウェイポイントのサイズrはロボットの動作に応じて占有される空間であり、2つのウェイポイントのサイズrは、同じタイムスタンプtで異なる立体空間を占有すると、衝突しない。
図6bに示すような時空座標系でW52とW54を描画するとき、W52とW54が重ならない場合、この2つのロボットは衝突を避けることになり、例えば、それらは異なる時間に同じ位置を通過し、ここで、
図6bの横軸座標tはロボット走行の時間であり、縦軸座標Pはロボット走行の位置であり、当該縦軸座標Pは、関数の位置Pをタイムスタンプtと組み合わせて形成された二次元座標であり、位置と時間の対応関係を示し、x軸の位置/タイムスタンプtをy軸の位置/タイムスタンプtと組み合わせて2つの二次元座標の二重二次元計算、又はx-y軸の位置/タイムスタンプtの三次元計算により、位置とタイムスタンプの関係を表現することもできる。
【0054】
ここでは、同じ倉庫で動作する貨物箱搬送ロボットと棚搬送ロボットを例として説明し、ここで、貨物箱搬送ロボットの構造を
図9に示す。
【0055】
図9において、貨物箱搬送ロボットの構造は、ロボット本体100、前記ロボット本体上に設置されたいくつかのスロット110、前記ロボット本体100上に設置された調整アセンブリ150及び搬送装置140を含む。調整アセンブリ150は、搬送装置140を駆動して昇降移動を行うために使用され、搬送装置140に関連して、縦方向を軸として回転して向きを調整することができるため、搬送装置140は、いずれかのスロット110に、又は対象物がある在庫棚の倉庫位置に一致することができる。搬送装置140は、在庫棚と前記スロットとの間で対象物の搬送を行うために、対象物のロード又はアンロードのために用いられる。
【0056】
棚搬送ロボットの構造(米国特許US10486901B2を参照する)は、上部にジャッキ機構が設置された移動ベースを含み、最下層の高さがロボットの高さよりも高い棚の底に入ることができ、ジャッキ機構は、棚を支えて持ち上げ、移動ベースの移動機能を合わせて、棚を棚搬送ロボットの移動に合わせて動かさせる。
【0057】
両者の経路上のウェイポイントはそれぞれ隣接するW52とW54がある。同じタイムスタンプで、貨物箱搬送ロボットは、W52で取出装置を回転させ、棚搬送ロボットはW54で無負荷の(支持棚がない)又は支持高さの低い棚で移動し、いくつかの実施例において、棚搬送ロボットが貨物箱搬送ロボットの取出装置の下で走行することが形成され、投影は重なるが、立体空間では互いに干渉しないため、衝突しないと推定される。
【0058】
いくつかの実施例において、2つのロボットは全部貨物箱搬送ロボットである場合、同じタイムスタンプで隣接するW52とW54では、2つのロボットはいずれも取出装置を動作させるが、一方の取出装置はロボットの上部で動作し、もう一方の取出装置はロボットの下部で動作し、両者の取出装置の活動空間が重ならないので、衝突しないと推定される。
【0059】
いくつかの実施例において、2つのロボットがタスクの要求によって機械構造上のハンドシェイク操作を行う場合、投影は重なり、立体空間でも互いに接触しているが、タスクの要求のため、衝突しないと推定され、立体空間が接触外の干渉であるかどうかを推定して、これによりハンドシェイク操作の安全性の予測を支援する。
【0060】
位置、サイズ、姿勢指示及び/又はタイムスタンプを含むウェイポイントは、ルート予約を促進するために使用されてもよい。
図7は例示的なルート予約方法を示すフローチャートである。
【0061】
ステップ602において、自動ガイドロボット120は第1経路を受信する。第1経路は、ロボット120又はリモートサーバによって生成されてもよい(
図8bにおける750を参照する)。第1経路は、シーケンスにリストされた1つ又は複数のウェイポイントを含む。いくつかの実施例において、各ウェイポイントは位置とサイズを含む。当該サイズは、自動ガイドロボット120を収容するために必要な空間に対応する。
【0062】
ロボット120は、ステップ604で第1経路を記憶し、第1経路に沿って移動することによってナビゲーションを開始する(ステップ604)。ロボット120は、1つ又は複数のウェイポイントのそれぞれに順番に到達する(ステップ606)。1つの実施例において、ロボット120が第1経路の終端に到達する前に、ロボット120は第2経路を受信する(ステップ608)。ロボット120が第1経路の終端に到達するとき、ロボット120は、第1経路を完了としてマークする(ステップ610)第1経路に含まれたウェイポイントを解放する。その後、ロボット120は、第1経路と同じように、第2経路に沿ってナビゲーションを続ける。
【0063】
場合によっては、ロボット120が第1経路の終端に到達するとき、第2経路を受信できなくなる場合がある。ロボット120が第1経路の終端に到達して第2経路を受信できない場合、ロボット120は、第1経路の終端に留まり、所定の時間を待つ又は予約経路を変更することができる。予約経路を変更しない場合、ロボット120は、所定の時間が経過した後、第2経路に対する要求を送信することができる。1つの実施例において、ルート予約でサーバに依存する場合、当該要求はリモートサーバに送信されてもよい。別の実施例において、当該要求は、ロボット120のローカルに実装される異なる機能ブロックに送信されてもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、予約できる走行距離(又はウェイポイント)は、ロボットが現在位置から最大速度で運転して停止できる一番遠い距離(又はウェイポイント)を含む。
【0065】
いくつかの実施例において、予約できるウェイポイントは、ロボットが現在位置から経路を進む間、停止しなければならないウェイポイントを含む。いくつかの実施例において、停止しなければならないウェイポイントにはいくつかの定義があり、(1)対応する動作を実行するために停止する必要があるウェイポイント(2)人工と共同で操作するために停止する必要があるウェイポイント。
【0066】
いくつかの実施例において、ロボットが予約できる走行距離において、停止しなければならないウェイポイントが含まれる場合、ロボットは、動作が停止する必要があるウェイポイントの距離だけを予約できる。例えば、ロボットが予約したい距離は、5つの点の距離であってもよく、最も近いウェイポイントが2つの点の距離しかないなら、予約できる最も遠いのは、2つの点の距離のあるウェイポイントだけである。
【0067】
いくつかの実施例において、ルートの中の部分エリアのウェイポイントをグループにし、ロボットはその中のあるウェイポイントを予約してサーバに予約要求を送信した後、サーバは予約要求を受信して、予約対象であるウェイポイントがあるグループの中にあるかどうかを判断し、あるグループの中にある場合、まず当該グループを予約し、当該の予約が成功すれば、グループ内のウェイポイントを予約し続けてもいいし、グループ内のウェイポイントを予約しなくてもいい。上記の予約方法により、ロボットが当該グループの予約に成功した後、他のロボットは、当該グループ内のいずれかのウェイポイントも予約できない。例えば、グループ1はウェイポイントA、B及びCを含み、ロボットがグループ1の予約に成功した後、他のロボットがグループ1を予約するとき、サーバは、グループ1及びそれに含まれたウェイポイント全てが予約できないフィードバック情報を送信する。
【0068】
いくつかの実施例において、ロボットがあるグループの予約に成功した後、当該グループ内のウェイポイントを予約し続ける場合、他のロボットは、当該ウェイポイントを含むグループ内の任意の他のウェイポイントを予約できない。例えば、グループ1はウェイポイントA、B及びCを含み、グループ2はウェイポイントAとDを含み、グループ3はウェイポイントCとEを含み、ロボットが当該ウェイポイントAの予約に成功した後、グループ1とグループ2は共にウェイポイントAを含むため、他のロボットはグループ1と2における他のウェイポイント(例えば、ウェイポイントB、C及びD)を予約できず、その近くのウェイポイントを予約でき、例えば、ポイントEを予約することができる。ロボットがあるグループ内のすべての点を離れた後、対応するグループ及びその点を解放する。「予約グループ」の関連案をロボットのルート予約に導入することで、ロボット間の衝突をより効果的に防止し、ロボットの安全運行を保証することができる。
【0069】
いくつかの実施例において、ロボットは「冗長予約」の原則に基づいて、通過すべきウェイポイントを予約し、ここで「冗長予約」は、ロボットが通過すべきウェイポイントを予約するほか、予約したウェイポイントにおける最も遠いウェイポイントの後のいくつかの近接点を予約し、このようにしてロボット間の直線衝突を回避し、ロボットの安全運行をより効果的に保証する。
図4に示すように、予約したいウェイポイント1とウェイポイントCまでの全てのウェイポイントが同じグループにある場合、ウェイポイントCを同時に予約し、ウェイポイント2とウェイポイントDが同じグループにある場合、ウェイポイントDを同時に予約し、ウェイポイント3とウェイポイントFが同じグループにある場合、ウェイポイントFを同時に予約する。このとき、予約の範囲は、A~C、ウェイポイント1~D、ウェイポイント2~F、ウェイポイント3~ウェイポイント4、及びウェイポイント4~Bを含む。
【0070】
図8aと
図8bは、2つの例示的なルート予約システムを示す。
図8aにおいて、ロボット700は、ルートを予約して自主的にナビゲーションするために使用される。ロボット700は、他のロボット又は中央サーバと通信して、他のロボットの位置と移動情報を得ることができる。ロボット700は、1つ又は複数のプロセッサ702、メモリ記憶媒体704及びセンサ706を含む。1つ又は複数のプロセッサ702は、前記のルート予約方法を実行するために使用される。センサ706は、ロボット700の位置及び/又は状態を検出するために使用される。メモリ記憶媒体704は、センサデータ及びナビゲーションに必要なソフトウェアプログラムを記憶するために使用される。代替的に、
図8bに示すように、ロボット700は、部分的又は完全にリモートサーバ750に依存してナビゲーションルートを計画と決定することができる。
【0071】
リモートサーバ750は、1つ又は複数のプロセッサ752、メモリ754及びトランシーバ758を含む。リモートサーバ750は、複数のロボットのためにナビゲーションルートを予約して、トランシーバ708とトランシーバ758を介してロボットに予約されたルートを送信するために使用される。
【0072】
本明細書は、特定の実施例を参照して本開示を示して説明したが、本開示は、示された詳細に限定されることを意図していない。むしろ、特許請求の範囲の同等の範とエリア内で、本開示から逸脱することなく、細部に様々な修正を加えることができる。