(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184932
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】多センサー高周波検出
(51)【国際特許分類】
G01S 7/36 20060101AFI20221206BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20221206BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20221206BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20221206BHJP
G01S 13/87 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G01S7/36
A61B5/11 110
A61B5/16 130
A61B5/0245 Z
G01S13/87
【審査請求】未請求
【請求項の数】61
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144523
(22)【出願日】2022-09-12
(62)【分割の表示】P 2020172340の分割
【原出願日】2016-04-20
(31)【優先権主張番号】62/149,916
(32)【優先日】2015-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/207,670
(32)【優先日】2015-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】508354647
【氏名又は名称】レスメッド センサー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】マクマホン,スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】シュコット,プルゼミスワフ
(72)【発明者】
【氏名】ショルディス,レドモンド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高周波動作センサーは、共通の近隣において動作するように、干渉を低減する。
【解決手段】いくつかのバージョンにおいて、干渉は、タイミングおよび/または周波数同期により低減され得る。いくつかのバージョンにおいて、マスター高周波動作センサーは、第1の高周波(RF)信号を送信し得る。スレーブ高周波動作センサーは、第1のRF周波数との干渉を最小化させる第2の高周波信号を決定し得る。いくつかのバージョンにおいて、さらなる送信調節(例えば、パルス幅低減または周波数および/またはタイミングディザリングの差)により、干渉が低減され得る。いくつかのバージョンにおいて、装置は、高周波動作センサーからの出射パルス間の干渉を軽減するために高周波信号を異なる方向に出射する構成において、複数のセンサーと共に構成され得る。
【選択図】
図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多センサー構成における動作のために構成された高周波動作センサーであって、前記高
周波動作センサーは、
高周波送信器であって、前記送信器は、パルス高周波信号を出射するように構成される
、高周波送信器と、
前記出射されたパルス高周波信号のうち反射されたものを受信して反射面の動作を検出
するように構成された受信器と、を含み、
前記送信器は、前記高周波動作センサーからの出射パルス間の干渉を軽減するために、
前記パルス高周波信号の前記高周波動作センサーの近隣の別の高周波動作センサーとの同
期された送信のために構成される、高周波動作センサー。
【請求項2】
前記送信器は、出射されたパルス高周波信号を前記別の高周波動作センサーの出射パル
ス高周波信号とインタリーブするように、時間的に同期される、請求項1の高周波動作セ
ンサー。
【請求項3】
前記高周波動作センサー間の同期はクロック信号の送信を含む、請求項2の高周波動作
センサー。
【請求項4】
前記高周波動作センサー間の同期は、ディザー同期信号の送信を含む、請求項3の高周
波動作センサー。
【請求項5】
前記高周波動作センサーは、出射されたパルス高周波信号からタイミングを検出する、
請求項3~4のうちいずれか1つの高周波動作センサー。
【請求項6】
前記高周波動作センサーは、前記出射されたパルス高周波信号から独立する非同期信号
を検出する、請求項3~4のうちいずれか1つの高周波動作センサー。
【請求項7】
前記高周波動作センサーは、前記出射されたパルス高周波信号のタイミングに適合され
た赤外線信号送信器をさらに含む、請求項1~4のうちいずれか1つの高周波動作センサ
ー。
【請求項8】
前記高周波動作センサーは、前記別の高周波動作センサーとの有線接続のためのインタ
ーフェースを含み、前記有線接続は、前記出射されたパルス高周波信号のタイミングのた
めに構成される、請求項1~4のうちいずれか1つの高周波動作センサー。
【請求項9】
前記送信器は、干渉低減のために、前記別の高周波動作センサーの送信器と周波数につ
いて同期される、請求項1の高周波動作センサー。
【請求項10】
前記送信器は、検出された干渉ノイズに応答した周波数調節のために構成された可変発
振器を含む、請求項1の高周波動作センサー。
【請求項11】
前記送信器は、周波数ディザリングのためにさらに構成される、請求項1~10のうち
いずれか1つの高周波動作センサー。
【請求項12】
前記送信器は、時間ディザリングのためにさらに構成される、請求項1~11のうちい
ずれか1つの高周波動作センサー。
【請求項13】
高周波動作センサーであって、前記高周波動作センサーは、
高周波送信器であって、前記送信器は、パルス高周波信号を出射するように構成される
、高周波送信器と、
前記出射されたパルス高周波信号のうち反射されたものを受信して反射面の動作を検出
するように構成された受信器と、含み、
前記送信器は、前記高周波動作センサーからの出射パルス間の干渉を軽減するために、
前記高周波動作センサーの近隣における別の高周波動作センサーのディザータイミングと
異なるディザータイミングと共に構成される、高周波動作センサー。
【請求項14】
前記送信器の前記ディザータイミングは疑似ランダムである、請求項11、12および
13のうちいずれか1つの高周波動作センサー。
【請求項15】
前記送信器は、周波数ディザリングと共に構成される、請求項13~14のうちいずれ
か1つの高周波動作センサー。
【請求項16】
高周波動作検知装置であって、
2つ以上の高周波センサーであって、各センサーは、パルス高周波信号を出射するよう
に構成された高周波送信器と、前記出射されたパルス高周波信号のうち反射されたものを
受信して動作を検出するように構成された受信器を含み、前記装置は、前記高周波センサ
ーからの出射パルス間の干渉を軽減するために、前記高周波信号を異なる方向において出
射する構成において前記センサーを維持するためのハウジングを含む、高周波センサーを
含む、高周波動作検知装置。
【請求項17】
前記センサーは、前記出射されたパルスを90度~270度の相対的角度で方向付ける
ように配置される、請求項11の高周波動作センサー。
【請求項18】
前記センサーは、前記出射されたパルスを180度以上の相対的角度で方向付けるよう
に配置される、請求項16または17の高周波動作センサー。
【請求項19】
高周波を送信するシステムであって、
マスター高周波動作センサーと、
スレーブ高周波動作センサーを含み、
前記マスター高周波動作センサーは、第1の高周波(RF)信号を送信するように構成
され、
前記スレーブ高周波動作センサーは、第2のRF信号を送信するように構成され、
前記システムは、前記第1の高周波(RF)信号と前記第2のRF信号との間の干渉を
軽減するように配置される、システム。
【請求項20】
前記スレーブ高周波動作センサーは、前記第2のRF信号が前記第1の高周波(RF)
信号との最小干渉を発生させるように、前記第2のRF信号を送信するように構成される
、請求項19のシステム。
【請求項21】
前記マスター高周波動作センサーおよびスレーブ高周波動作センサーは、単一のハウジ
ング内に配置される、請求項19または請求項20のシステム。
【請求項22】
前記マスター高周波動作センサーおよびスレーブ高周波動作センサーは、前記単一のハ
ウジング内に90度の角度で配置される、請求項21のシステム。
【請求項23】
RF送信器は、少なくとも1つの同期RFパルス信号を送信するように構成される、請
求項19~22のうちいずれか1つのシステム。
【請求項24】
前記スレーブ高周波動作センサーは、前記同期RFパルス信号を受信するようにさらに
構成される、請求項23のシステム。
【請求項25】
前記スレーブ高周波動作センサーは、前記受信された同期RFパルス信号を中間周波数
で検出するようにさらに構成される、請求項24のシステム。
【請求項26】
前記マスター高周波動作センサーは、前記の少なくとも1つのRFパルス信号を別個の
産業、科学および/または医療用送信帯域(ISM)上で送信するようにさらに構成され
る、請求項23のシステム。
【請求項27】
前記マスター高周波動作センサーは、IR同期信号を送信するように構成された赤外線
(IR)送信器をさらに含み、
前記スレーブ高周波動作センサーは、前記送信されたIR同期信号を受信するように構
成された赤外線(IR)受信器をさらに含む、請求項19~22のうちいずれか1つのシ
ステム。
【請求項28】
前記マスター高周波動作センサーおよび前記スレーブ高周波動作センサーは、マスター
―スレーブ発振器回路をさらに含む、請求項19~22のうちいずれか1つのシステム。
【請求項29】
前記マスター―スレーブ発振器回路は、同期情報を前記マスター高周波動作センサーか
ら前記スレーブ高周波動作センサーへタイミング送信およびディザリングするように構成
されたマルチワイヤケーブル相互接続をさらに含む、請求項28のシステム。
【請求項30】
前記マスター高周波動作センサーおよび前記スレーブ高周波動作センサーのうち少なく
とも1つは、少なくとも1つの共振器発振器回路を含む、請求項19~22のうちいずれ
か1つのシステム。
【請求項31】
少なくとも1つの共振器発振器回路は水晶振動子を含む、請求項30のシステム。
【請求項32】
前記スレーブ高周波動作センサーは、前記少なくとも1つの共振器発振器回路および電
圧制御型RF発振器を含み、前記電圧制御型RF発振器は、そのRF信号周波数を前記マ
スター高周波動作センサーと同期させるように構成される、請求項30のシステム。
【請求項33】
前記電圧制御型RF発振器は、高レベルの干渉ノイズの原因となる高電圧を検出し、高
レベルの干渉ノイズの原因となる低電圧を検出し、前記電圧制御型RF発振器を前記高電
圧と前記低電圧との間の中央制御電圧位置へ移動させることにより、前記RF周波数を前
記マスター高周波動作センサーと同期させるように構成される、請求項32のシステム。
【請求項34】
前記第1の高周波(RF)信号および第2のRF信号のうち少なくとも1つは、0.5
μsのRFパルス幅を有する、請求項19~33のうちいずれか1つのシステム。
【請求項35】
前記マスター高周波動作センサーは、第1のディザリング時間を前記第1の高周波(R
F)信号へ提供するように構成され、
前記スレーブ高周波動作センサーは、異なるディザリング時間を前記第2のRF信号へ
提供するようにさらに構成される、
請求項19~34のうちいずれか1つのシステム。
【請求項36】
前記マスター高周波動作センサーは、第1のバイナリリップルカウンタおよび排他的O
Rゲートを含み、
前記スレーブ高周波動作センサーは、第2のバイナリリップルカウンタおよび排他的O
Rゲートを含み、
前記第1のおよび第2のバイナリリップルカウンタおよび排他的ORゲートは、疑似ラ
ンダムディザリング時間を発生させるように構成される、
請求項19~35のうちいずれか1つのシステム。
【請求項37】
前記マスター高周波動作センサーは第1の誘電共鳴発振器を含み、前記第1の誘電共鳴
発振器は、第1の電圧によって変調され、
前記スレーブ高周波動作センサーは第2の誘電共鳴発振器を含み、前記第2の誘電共鳴
発振器は第2の電圧によって変調される、請求項19~36のうちいずれか1つのシステ
ム。
【請求項38】
前記第1の高周波(RF)信号および第2のRF信号は、異なる周波数にある、請求項
19~37のうちいずれか1つのシステム。
【請求項39】
前記送信器は、前記パルス高周波信号の前記周波数をディザーするように構成される、
請求項1の高周波動作センサー。
【請求項40】
高周波を送信するシステムであって、
第1の高周波動作センサーと、
第2の高周波動作センサーを含み、
前記第1の高周波動作センサーは、第1の高周波(RF)信号を送信するように構成さ
れ、
前記第2の高周波動作センサーは、第2のRF信号を送信するように構成され、前記シ
ステムは、双方のセンサーの前記RF信号間の干渉を最小化させるように配置されるシス
テム。
【請求項41】
前記第1の高周波動作センサーは、前記第2の高周波動作センサーから送信された前記
周波数の表示を受信するように構成され、前記第2の高周波動作センサーは、前記第1の
高周波動作センサーから送信された周波数の表示を受信するように構成される、請求項4
0のシステム。
【請求項42】
前記第1の高周波動作センサーは、前記第2の高周波動作センサーから送信された前記
周波数の前記受信された表示に応答して前記第1の高周波(RF)信号の前記周波数を調
節するように構成される、請求項41のシステム。
【請求項43】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーはそれぞれ、前記
センサーが動作することが可能な選択可能な周波数を含むルックアップテーブルへアクセ
スするように構成される、請求項40のシステム。
【請求項44】
前記第1の高周波動作センサーは、第1のルックアップテーブルから周波数を選択する
ように構成され、前記第2の高周波動作センサーは、第2のルックアップテーブルから周
波数を選択するように構成される、請求項43のシステム。
【請求項45】
前記第1のルックアップテーブルは奇周波数を含み、前記第2のルックアップテーブル
は偶周波数を含む、請求項44のシステム。
【請求項46】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーは、ネットワーク
時間プロトコル(NTP)を用いてその各周波数を調節するように構成される、請求項4
0のシステム。
【請求項47】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーは、干渉の検出に
応答してその各送信周波数を調節するように構成される、請求項40のシステム。
【請求項48】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーは、所定の温度係
数に基づいてその各送信周波数を調節するように構成される、請求項40のシステム。
【請求項49】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーは、地理的位置の
入力に応答して前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーがR
F信号を送信する前記周波数を確認または調節するように構成される、請求項40~48
のうちいずれか1つのシステム。
【請求項50】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーのうち少なくとも
1つは、動作の不在が検出された際に低出力モードで動作するように構成される、請求項
40~49のうちいずれか1つのシステム。
【請求項51】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーは、連続クロック
信号を有線または無線リンクを介して送るように構成される、請求項40のシステム。
【請求項52】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーのうち少なくとも
1つは、
各センサーからネットワークを介して読み出された周期的中心周波数値を送ることと、
前記第1および前記第2のセンサー間の干渉を最小化するように、各センサーが送信す
る前記周波数を調節することを行うように構成される請求項40のシステム。
【請求項53】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーのうち少なくとも
1つは、
その各電流中心周波数を動的に検出することと、
前記第1のおよび第2の高周波動作センサー間の干渉が規定されたスペクトルマスク内
に残留しつつ最小化されるように、同意されたルックアップテーブル中心周波数と整合す
るように、このような周波数を周期的に調節することを行うように構成される、請求項4
0、43または44のいずれかのシステム。
【請求項54】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーは、
周波数範囲は、最小および最大の干渉を検出するように、動的に走査され、
前記センサーのうち少なくとも1つの中心周波数は、前記最小値と関連付けられた周波
数へ調節されるように構成される、請求項40、43または44のいずれかのシステム。
【請求項55】
前記センサーは、最大干渉の周波数を介して通信する、請求項54のシステム。
【請求項56】
前記第1の高周波動作センサーおよび前記第2の高周波動作センサーのうち少なくとも
1つは、
温度変化を検出することと、
前記センサーのうち少なくとも1つの中心周波数を調節するために、前記検出された温
度変化に基づいて前記センサー間のポーリングを開始することを行うように構成される、
請求項40、43または44のいずれかのシステム。
【請求項57】
前記システムは、前記RF信号を発生させる前記センサーの1つ以上の発振器の周波数
ディザリングにより、双方のセンサーの前記RF信号間の干渉を最小化させるように配置
される、請求項40のシステム。
【請求項58】
前記1つ以上の発振器のうち少なくとも1つに対する電圧レベルは、前記周波数ディザ
リングを発生させるように傾斜が付けられる、請求項57のシステム。
【請求項59】
前記システムは、前記センサー双方の前記RF信号のパルスのタイミングディザリング
により、双方のセンサーの前記RF信号間の干渉を最小化させるように配置される、請求
項40、57および58のいずれかのシステム。
【請求項60】
前記1つ以上の発振器のうち少なくとも1つへ連結されたダイオードに対する電圧レベ
ルは、前記センサーのうち少なくとも1つの前記タイミングディザリングを実行するよう
に、傾斜が付けられる、請求項59のシステム。
【請求項61】
前記1つ以上の発振器のうち少なくとも1つは誘電共鳴発振器である、請求項58およ
び60のいずれかのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月20日に出願された米国仮特許出願第62/149、916
号および2015年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/207、670号の
出願日の恩恵を主張する。本明細書に同文献の開示内容を参考のため援用する。
【0002】
発明の分野
本技術は、移動物体および生体の特性の検出のための回路およびセンサーに関する。よ
り詳細には、本発明は、高周波放出(例えば、距離ゲートパルス、動作検知)を生成する
ためのセンサーに関し、特に、類似のセンサーに接近したときのセンサー動作の向上を特
に重要視している。
【背景技術】
【0003】
連続波(CW)ドップラーレーダー動作センサーは、連続波高周波(RF)キャリアを
放出し、送信されたRFをリターンエコーと混合して、移動ターゲットによって生成され
たドップラーシフトに等しい差周波数を生成する。これらのセンサーは、明確なレンジ限
界を持っていない(すなわち、近隣および遠隔の物体双方の信号を受信することができ、
受信信号は、レーダー断面の関数となる)。その結果、誤トリガ(すなわち、動作アーチ
ファクト干渉)に繋がり得る。近距離における感度が高いと望ましい場合もあり、誤トリ
ガの原因になり得る。
【0004】
パルスドップラー動作センサーについて、Follenらに付与された米国特許第4、
197、537号中に記載がある。短パルスが送信され、そのエコーが送信パルスと自己
混合される。パルス幅は、距離ゲート領域を規定する。送信パルスが終了すると、送信パ
ルス終了後に到着した混合端およびターゲットリターンは混合されないため、ゲートアウ
トされる。
【0005】
米国特許第5、966、090号(McEwanへ付与された「Differenti
al Pulse Radar Motion Sensor」)中に開示された差分パ
ルスドップラー動作センサーの場合、2つのパルス幅を交互に送信する。その後、ドップ
ラー応答を各幅から減算して、距離に対する応答がかなり一定の距離ゲートドップラー感
知領域を生成する。
【0006】
例えば米国特許第5、361、070号(McEwanへ付与された「Ultra-W
ideband Radar Motion Sensor」)中に記載されたインパル
スレーダーの場合、送信インパルス幅に関連して、感知領域が極めて狭い。例えば米国特
許第5、682、164号(McEwanへ付与された「Pulse Homodyne
Field Disturbance Sensor」)に記載された2パルスドップ
ラーレーダー動作センサーの場合、第1のパルスを送信し、遅延後に第2のパルスを生成
する。第2のパルスは、第1のパルスからのエコーと混合する。そのため、規定された最
小距離および最大距離と共に距離ゲート感知帯が形成される。UWBレーダー動作センサ
ーの場合、意図されたラジエーターとしてのRF調節受容幅が広くないという不利点があ
る。また、中程度の距離における物体感知が困難であり、いくつかの実施形態においては
RF干渉が発生し得る。
【0007】
変調パルスドップラーセンサーについて、McEwanへ付与された米国特許第6、4
26、716号中に記載がある。距離ゲートマイクロ波動作センサーは、調節可能な最小
および最大の検出範囲を含む。本装置は、RF発振器を含む。このRF発振器は、送信お
よびミキサーパルスを生成する関連付けられたパルス生成および遅延要素、単一送信(T
X)/受信(RX)アンテナまたは一対の別個のTXおよびRXアンテナ、およびRF受
信器を備える(例えば、ミキサーおよびエコーパルスから距離ゲートドップラー信号を生
成するための関連付けられたフィルタリング、増幅および復調要素を備えた検出器/ミキ
サー)。
【0008】
米国特許第7、952、515号において、McEwanは、特定のホログラフィック
レーダーを開示している。同文献は、特定のダウンレンジ領域への応答を制限するために
、範囲ゲートをホログラフィックレーダーへ付加している。McEwanによれば、内部
像面またはスライスを結像するために材料を貫通する際に、結像表面のより清潔でよりク
ラッターフリーのレーダーホログラムを得ることが可能である。範囲ゲーティングによれ
ば、複数の結像表面をダウンレンジ方向に積層させることが可能な積層ホログラム技術が
可能になる。
【0009】
米国特許出願公開第2010/0214158号において、McEwanは、ホログラ
フィックレーダーのためのRFマグニチュードサンプラーを開示している。McEwan
は、RFマグニチュードサンプラーは、狭帯域ホログラフィックパルスレーダーによって
生成された干渉パターンを細かく分解することができる旨を述べている。
【0010】
米国特許出願公開第2014/0024917号において、McMahonらは、距離
ゲート感知のための高周波パルスを出射するための振動信号を生成するように、構成され
得る生理感知のためのセンサーについて述べている。このセンサーは、パルスを出射する
ように構成された高周波送信器と、出射された高周波パルスのうち反射パルスを受信する
ように構成された受信器を含み得る。受信パルスは、動作、睡眠、呼吸および/または心
拍などの生理特性を検出するために処理され得る。
【0011】
複数のセンサーが共通位置にある場合の生理特性検出などの高周波感知のためのセンサ
ーおよび/またはその信号処理の向上が、必要になり得る。センサー近接は、望ましくな
い干渉を持ち得る。例えば、これは、信号/ノイズ比を悪化させ得る。
【発明の概要】
【0012】
技術の要旨
本技術のいくつかの実施形態の一局面は、高周波信号を用いて生理特性を検出するため
のセンサーに関する。
【0013】
本技術のいくつかの実施形態の別の局面は、対象(例えば、人間)へ送信されるパルス
高周波(RF)信号を生成するように構成された回路を備えたこのようなセンサーに関連
する。受信器は、対象から反射された信号を検出し、この信号は増幅され、元々の信号の
一部と混合される。その後、このミキサーの出力がフィルタリングされ得る。その結果得
られた信号は、当該人物の動き、呼吸および心臓活動についての情報を含み得、例えば生
の動作センサー信号と呼ばれ得る。送信信号と反射信号との間の位相差は、当該人物の一
般的な身体の動き、呼吸および心臓活動を推測するために、受信器においてまたは独立プ
ロセッサによって測定され得る。
【0014】
いくつかのバージョンにおいて、RF動作センサーは、他のRF動作センサーからの干
渉を低減するように、構成され得る。
【0015】
いくつかのバージョンにおいて、センサーは、RFパルスの時間的重複を回避するため
に、ローカルセンサーのグループ間で同期するように、構成され得る。
【0016】
いくつかのバージョンにおいて、センサーは、RFパルスの周波数の重複を回避するよ
うに、ローカルセンサーの群間を同期させるように、構成され得る。
【0017】
いくつかのバージョンにおいて、各センサーからの信号パルシングは、本明細書中に記
載の多様な手段により(例えば、パルス幅低減、タイミングディザリングおよび/または
周波数ディザリングにより)干渉の可能性を低減させるように適合され得る。
【0018】
いくつかのバージョンにおいて、複数の(例えば2つの)センサーは、共通ハウジング
構造などにより、(例えば、ヘッドボードにおいてベッドに沿ってまたは足下において中
途に配置されるなどの)干渉を回避するように、異なるまたは適切な方向に対向するよう
に、構成され得る。
【0019】
いくつかのバージョンにおいて、複数のセンサーにより、ノイズを軽減するための最適
な配置が可能になり得る。これらのバージョンは、必要なRF干渉減衰を可能にするため
のセンサーアンテナ偏波またはアンテナビームパターンに依存し得る。
【0020】
本技術のいくつかのバージョンは、多センサー構成における動作のために構成された高
周波動作センサーを含み得る。高周波動作センサーは、高周波送信器を含み得る。送信器
は、パルス高周波信号などの感知信号を出力するように、構成され得る。高周波動作セン
サーは、反射面の動作を検出するために出射された高周波信号の反射信号を受信するよう
に構成された受信器を含み得る。送信器は、高周波動作センサーからの出射パルス間の干
渉を軽減するように高周波動作センサーの近隣においてパルス高周波信号と別の高周波動
作センサーとの同期送信が可能のように、構成され得る。
【0021】
いくつかのバージョンにおいて、送信器は、出射パルス高周波信号を別の高周波動作セ
ンサーの出射パルス高周波信号とインタリーブさせるように、時間的に同期され得る。高
周波動作センサー間の同期は、クロック信号の送信を含み得る。高周波動作センサー間の
同期は、ディザー同期信号の送信を含み得る。任意選択的に、高周波動作センサーは、出
射されたパルス高周波信号からタイミングを検出するかまたは検出し得る。いくつかのバ
ージョンにおいて、高周波動作センサーは、出射されたパルス高周波信号から独立して同
期信号を検出し得る。高周波動作センサーは、出射されたパルス高周波信号のタイミング
に適合された赤外線信号送信器を含み得る。高周波動作センサーは、別の高周波動作セン
サーとの有線接続のためのインターフェースを含み得る。有線接続は、出射されたパルス
高周波信号のタイミングのために構成され得る。干渉低減のため、送信器は、別のセンサ
ーの送信器と周波数について同期され得る。
【0022】
任意選択的に、送信器は、検出された干渉ノイズに応答した周波数調節のために構成さ
れた可変発振器を含み得る。送信器は、周波数ディザリングのためにさらに構成され得る
。送信器は、時間ディザリングのために、さらに構成され得る。送信器は、パルス高周波
信号の周波数をディザーするように、構成され得る。
【0023】
本技術のいくつかのバージョンは、高周波動作センサーを含み得る。高周波動作センサ
ーは、高周波感知信号(例えば、パルス高周波信号)を出射するように構成された高周波
送信器と、反射面の動作を検出するために、出射された高周波信号のうち反射信号を受信
するように構成された受信器を含み得る。送信器は、高周波動作センサーからの出射パル
ス間の干渉を低減するように、高周波動作センサーの近隣において別の高周波動作センサ
ーのディザータイミングと異なるディザータイミングと共に構成され得る。送信器のディ
ザータイミングは、疑似ランダムであり得る。送信器は、周波数ディザリングと共に構成
され得る。
【0024】
本技術のいくつかのバージョンは、高周波動作検知装置を含み得る。本装置は、2つ以
上の高周波センサーを含み得る。各センサーは、感知信号(例えば、パルス高周波信号)
を出射するように構成された高周波送信器と、出射された高周波信号のうち反射された1
つを受信して動作を検出するように構成された受信器を含み得る。本装置は、高周波動作
センサーからの出射パルス間の干渉を軽減するように高周波信号を異なる方向に出射する
ための構成においてセンサーを維持するためのハウジングを含み得る。これらのセンサー
は、出射されたパルスを約90度~270度の相対的角度で方向付けるように、方向付け
られ得る。これらのセンサーは、出射されたパルスを約180度以上の相対的角度で方向
付けるように、配置され得る。
【0025】
本技術のいくつかのバージョンは、感知などのための高周波を送信するためのシステム
を含み得る。本システムは、マスター高周波動作センサーおよびスレーブ高周波動作セン
サーを含み得る。マスター高周波動作センサーは、第1の高周波(RF)信号を送信する
ように、構成され得る。スレーブ高周波動作センサーは、第2のRF信号を送信するよう
に、構成され得る。本システムは、双方のセンサーのRF信号間の干渉を最小限にするよ
うに配置または構成され得る。
【0026】
いくつかのバージョンにおいて、スレーブ高周波動作センサーは、第1のRF周波数信
号との最小干渉を発生させる第2のRF信号を送信するように、構成され得る。マスター
高周波動作センサーおよびスレーブ高周波動作センサーは、単一または共通のハウジング
内に適合され得る。マスター高周波動作センサーおよびスレーブ高周波動作センサーは、
単一または共通のハウジング内におよそ90度の角度で配置され得る。RF送信器は、少
なくとも1つの同期RFパルス信号を送信するように、構成され得る。スレーブ高周波動
作センサーは、同期RFパルス信号を受信するようにさらに構成され得る。スレーブ高周
波センサーは、受信された同期RFパルス信号を中間周波数において検出するようにさら
に構成され得る。マスター高周波センサーは、少なくとも1つのRFパルス信号を別個の
産業用、科学用および/または医療用の送信帯域(ISM)上において送信するようにさ
らに構成され得る。マスター高周波センサーは、赤外線(IR)送信器をさらに含み得る
(例えば、IR同期信号を送信するように構成されたもの)。スレーブ高周波センサーは
、赤外線(IR)受信器を含み得る(例えば、送信されたIR同期信号を受信するように
構成されたもの)。
【0027】
任意選択的に、マスター高周波センサーおよびスレーブ高周波センサーは、マスター―
スレーブ発振器回路をさらに含み得る。マスター―スレーブ発振器回路は、マルチワイヤ
ケーブル相互接続をさらに含み得る(例えば、タイミングおよびディザリング同期情報を
マスター高周波センサーからスレーブ高周波センサーへ送信するように構成されたもの)
。マスター高周波動作センサーおよびスレーブ高周波動作センサーのうち少なくとも1つ
は、少なくとも1つの共振器発振器回路を含み得る。少なくとも1つの共振器発振器回路
は、水晶振動子を含み得る。
【0028】
いくつかのバージョンにおいて、スレーブ高周波動作センサーは、少なくとも1つの共
振器発振器回路および電圧制御型RF発振器を含み得る。電圧制御型RF発振器は、その
RF信号周波数をマスター高周波動作センサーと同期させるように、構成され得る。電圧
制御型RF発振器は、高レベルの干渉ノイズの原因となる高電圧の検出と、高レベルの干
渉ノイズの原因となる低電圧の検出と、高電圧と低電圧との間の中央制御電圧位置への電
圧制御型RF発振器の移動を行うことにより、RF周波数をマスター高周波センサーと同
期させるように、構成され得る。任意選択的に、第1のRF信号および第2のRF信号の
うち少なくとも1つは、約0.5μsのRFパルス幅を持ち得る。
【0029】
マスター高周波センサーは、第1のディザリング時間を第1のRF信号へ提供するよう
に、構成され得る。スレーブ高周波センサーは、異なるディザリング時間を第2のRF信
号へ提供するように、構成され得る。マスター高周波センサーは、第1のバイナリリップ
ルカウンタおよび排他的ORゲートを含み得る。同様に、スレーブ高周波センサーは、第
2のバイナリリップルカウンタおよび排他的ORゲートを含み得る。第1および第2のバ
イナリリップルカウンタおよび排他的ORゲートは、疑似ランダムディザリング時間を発
生させるように、構成され得る。マスター高周波センサーは、第1の電圧によって変調さ
れ得る第1の誘電共鳴発振器を含み得る。スレーブ高周波センサーは、第2の電圧によっ
て変調され得る第2の誘電共鳴発振器を含み得る。任意選択的に、第1および第2のRF
信号は、異なる周波数であり得る。
【0030】
本技術のいくつかのバージョンは、感知などのための高周波を送信するためのシステム
を含み得る。本システムは、第1の高周波動作センサーおよび第2の高周波動作センサー
を含み得る。第1の高周波動作センサーは、第1の高周波(RF)信号を送信するように
、構成され得る。第2の高周波動作センサーは、第2のRF信号を送信するように、構成
され得る。本システムは、双方のセンサーのRF信号間の干渉を最小にするように適合さ
れ得る。
【0031】
いくつかのバージョンにおいて、第1の周波数動作センサーは、第2の高周波動作セン
サーから送信された周波数の表示を受信するように構成され得、第2の高周波動作センサ
ーは、第1の高周波動作センサーから送信された周波数の表示を受信するように、構成さ
れ得る。第1の周波数動作センサーは、第2の高周波動作センサーから送信された周波数
の受信された表示に応答して第1の高周波信号の周波数を調節するように、構成され得る
。第1の周波数動作センサーおよび第2の周波数動作センサーはそれぞれ、センサーが動
作することが可能な選択可能な周波数を含むルックアップテーブルへアクセスするように
、構成され得る。このルックアップテーブルは、センサーが動作することが可能な選択可
能な周波数を含む。第1の周波数動作センサーは、周波数を第1のルックアップテーブル
から選択するように構成され得、第2の周波数動作センサーは、周波数を第2のルックア
ップテーブルから選択するように、構成され得る。第1のルックアップテーブルは奇周波
数を含み得、第2のルックアップテーブルは偶周波数を含み得る。第1の周波数動作セン
サーおよび第2の高周波動作センサーは、その各周波数を、ネットワーク時間プロトコル
(NTP)を用いて調節するように、構成され得る。
【0032】
第1の周波数動作センサーおよび第2の高周波動作センサーは、干渉の検出に応答して
その各送信周波数を調節するように、構成され得る。第1の周波数動作センサーおよび第
2の高周波動作センサーは、各送信周波数を所定の温度係数に基づいて調節するように、
構成され得る。第1の周波数動作センサーおよび第2の高周波動作センサーは、高周波動
作センサーが地理的位置の入力に応答してRF信号を送信する際に用いられる周波数を確
認または抽出するように、構成され得る。第1の周波数動作センサーおよび第2の高周波
動作センサーのうち少なくとも1つは、動作の不在が検出されたときに低出力モードで動
作するように、構成され得る。第1の周波数動作センサーおよび第2の高周波動作センサ
ーは、連続クロック信号を有線または無線リンクを介して送るように、構成され得る。
【0033】
いくつかのバージョンにおいて、第1の周波数動作センサーおよび第2の高周波動作セ
ンサーのうち少なくとも1つは、以下のことを行うように構成され得る、すなわち、各セ
ンサーからネットワークを介して読み出された周期的中心周波数値を送ることおよび/ま
たは第1および第2のセンサー間の干渉を最小化させるように、各センサーによる送信が
行われる周波数を調節することを行うように構成され得る。第1の周波数動作センサーお
よび第2の高周波動作センサーのうち少なくとも1つは、以下を行うように構成され得る
、すなわち、その各電流中心周波数を動的に検出することおよび/または規定されたスペ
クトルマスク内にあることを維持しつつ2つのセンサー間の干渉が最小化されるように、
その各電流中心周波数が同意されたルックアップテーブル中心周波数と整合するようにそ
の各電流中心周波数を周期的に調節することを行うように構成され得る。任意選択的に、
第1の周波数動作センサーおよび第2の高周波動作センサーは、以下のことを行うように
構成され得る、すなわち、最小および最大干渉が検出されるように周波数範囲が動的に走
査されることおよび/またはセンサーのうち少なくとも1つの中心周波数が最小値と関連
付けられた周波数へ調節可能なことを行うように構成され得る。これらのセンサーは、最
大干渉の周波数を介して通信し得る。第1の周波数動作センサーおよび第2の高周波動作
センサーのうち少なくとも1つは、以下を行うように構成され得る、すなわち、温度変化
を検出することおよび/またはセンサーのうち少なくとも1つの中心周波数を調節するた
めに、センサー間のポーリングを検出された温度変化に基づいて開始することを行うよう
に構成され得る。
【0034】
いくつかのバージョンにおいて、システムは、RF信号を生成するセンサーの1つ以上
の発振器の周波数ディザリングにより、双方のセンサーのRF信号間の干渉を最小化させ
るように配置され得る。例えば、周波数ディザリングを生成するために、1つ以上の発振
器のうち少なくとも1つに対する電圧レベルに傾斜が付けられ得る。本システムは、セン
サー双方のRF信号のパルスのタイミングディザリングにより、双方のセンサーのRF信
号間の干渉を最小化させるように配置され得る。例えば、センサーのうち少なくとも1つ
のタイミングディザリングを実行するために、1つ以上の発振器のうち少なくとも1つと
連結されたダイオードに対する電圧レベルに傾斜が付けられ得る。いくつかの場合、1つ
以上の発振器のうち少なくとも1つは、誘電共鳴発振器であり得る。
【0035】
この技術の他の局面、特徴および利点は、本開示の一部でありかつ本技術の原理を例示
的に示す以下の詳細な記載を添付図面と共に参照すれば明らかになる。本技術のさらなる
局面は、添付図面から明らかになるであろう。
【0036】
以下、本技術のさらなる例示的な実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本技術の高周波生理センサーを用いた実行に適した例示的な検出システムを示す。
【
図2】
図2は、本技術のいくつかの実施形態の動作の概念図である。
【
図3】
図3は、本技術のいくつかの実施形態に適したセンサー信号を入手するための概念的構造およびプロセスフローを示す。
【
図4】
図4は、本技術のためのセンサー回路のいくつかの実施形態における振動切り換えを用いた距離ゲート高周波信号の生成において用いられる例示的構成要素を示す。
【
図5A】
図5Aは、本技術のいくつかの実施形態に適したRFパルスの生成および検出を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、本技術のいくつかの実施形態に適したRFパルスの生成および検出を示す図である。
【
図6】
図6は、本技術のいくつかの実施形態に適した、結果として得られる受信器RF信号の例示である。
【
図7】
図7は、送信された信号(700)と、受信信号(702)と、本技術に述べるようなベースバンドノイズを含む、結果として得られる受信器RF信号(704)を示す。結果として得られる受信器RF信号(704)における定数変化の結果、ベースバンド干渉に繋がり得る。
【
図8A】
図8Aは、本技術のいくつかの実施形態に見受けられるような、RF信号が通過する信号経路の例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、本技術のいくつかの実施形態に見受けられるような、RF信号が通過する信号経路の例を示す図である。
【
図9】
図9は、本技術のいくつかの実施形態に適したセンサー位置を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、パルス生成および読み取りの同期タイミングの信号表現である。
【
図12】
図12は、本技術のいくつかの実施形態に適したIR信号タイミング接続の図である。
【
図13】
図13は、本技術のいくつかの実施形態において用いられるような3線式同期マスター―スレーブ試験回路である。
【
図14】
図14は、本技術のいくつかの実施形態に適したハウジングの例である。
【
図15】
図15は、センサーベースバンド範囲、中間周波数およびフィルタ範囲間のサンプル比を示す。
【
図16A】
図16Aは、干渉の無い時間領域における例となる同相および直交ベースバンド信号の信号グラフである。
【
図16C】
図16Cは、ピークノイズが200mVrmsを超える信号グラフであり、ここで、ピークノイズレベルのタイミングは予測不可能である。
【
図17】
図17は、4MHzセラミック共振器発振器および関連付けられたバイナリリップルカウンタによりRF変調および復調タイミングを確立させる方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な説明
1.概要
図1に示すように、本技術のいくつかの実施形態は、複数のユーザまたは患者の生理特
性の検出に有用な感知または検出装置100および102を実行し得る。これらのセンサ
ーは、スタンドアロンセンサーであり得るか、または、装置のセンサーによって検出され
た生理特性の分析に基づいた自動治療応答を提供するように、呼吸治療装置などの他の装
置に連結され得る。例えば、コントローラおよびフロー生成器を備えた呼吸治療装置は、
このようなセンサーと共に構成され得るかまたはこのようなセンサーと通信するように構
成され得、センサーによって検出された生理特性に応答して患者インターフェース(例え
ば、マスク)において生成された圧力治療を調節するように、構成され得る。あるいは、
このようなセンサーは、患者がフロー生成器を用いていない場合に患者の生理特性を検出
してフロー生成器の使用の有利性について患者に通知するために用いられ得る。例示的な
呼吸治療装置について、2015年6月31日に出願された国際特許出願第PCT/US
2015/043204号に記載がある。本明細書に同文献の開示内容全体を参考のため
援用する。
【0039】
このような装置の典型的なセンサーは、高周波(RF)波(例えば、距離ゲート感知の
ための高周波パルス)を出射する送信器を用い得る。送信器との結合装置中に任意選択的
に含まれ得る受信器は、患者の身体から反射された波を受信および処理するように、構成
され得る。信号処理は、受信された反射信号に基づいて生理特性を導出するために、セン
サーを起動させる装置のプロセッサなどと共に用いられ得る。このようなセンサーの動作
の例について、米国特許出願公開第2009/0203972号に記載がある。本明細書
に同文献の開示内容全体を参考のため援用する。
【0040】
センサーまたはセンサー構成要素の主要図を
図3に示す。
図3に示すように、送信器は
、高周波信号tを対象(例えば、人間)へ送信する。一般的に、RF信号源はローカル発
振器(LO)である。その後、反射信号がRF受信器によって受信され、増幅され、元々
の信号の一部と混合され、このミキサーの出力がフィルタリングされ得る。その結果得ら
れる信号は、当該人物の動き、呼吸および心臓活動についての情報を含み得、例えば生の
動作センサー信号と呼ばれる。 当該人物の動き、呼吸および心臓活動のうちいずれか1
つを推定するために、送信された信号と反射信号との間の位相差が測定され得る。
【0041】
身体の動き、呼吸および心臓活動を反映する信号構成要素を入手するために、生の動作
センサー信号が処理され得る。身体の動きは、ゼロ交差またはエネルギーエンベロープ検
出アルゴリズム(またはより複雑なアルゴリズム)を用いることにより特定され得、「動
作オン」または「動作オフ」インジケータを形成するために用いられ得る。例えば、この
ような動き検出アルゴリズムは、上記した米国特許出願公開第2009/0203972
号、国際特許出願第PCT/US14/045814号、2015年4月20日に出願さ
れた米国仮特許出願第62/149、839号、および2015年8月20日に出願され
た米国仮特許出願第62/207、687号のうちいずれかに開示された方法論に従って
実行され得る。本明細書に同文献の開示内容全体を参考のため援用する。呼吸活動は典型
的には0.1~0.8Hzの範囲内であり、元々の信号を当該領域中の通過帯域を用いて
バンドパスフィルタによってフィルタリングすることにより、導出され得る。心臓活動は
、より高周波数において信号中において反射され、通過帯域が0.8~10Hzの範囲(
例えば、毎分あたり70心拍は、この範囲内においておよそ1.17Hzである)のバン
ドパスフィルタによるフィルタリングにより、この活動にアクセスすることができる。
【0042】
このような呼吸および動きセンサーは、距離ゲートRF動作検出器であり得る。本セン
サーは、DC電源またはバッテリ入力を受容するように構成され得、例えば呼吸の同相お
よび直交構成要素ならびに検出範囲内の人物の動き信号双方を用いた4つのアナログ動作
チャンネル出力を提供し得る。パルスRF動作センサーの場合、範囲ゲーティングは、動
き検出を好適なゾーンまたは範囲のみに限定することを支援することができる。そのため
、センサーによる検出を、センサーから規定距離内において行うことができる。
【0043】
図4に示すように、本技術の典型的なセンサー402は、1つ以上の発振器を用い得る
(例えば、発振器404(例えば、誘電共鳴発振器(DRO)))。DROは、高QDR
Oであり得、狭帯域発振器(例えば、10.525GHzで動作するDRO)である(例
えば、誘電材料のパックを用いた発振器)。DROは典型的には、安定したRF周波数特
性を生成し、温度、湿度および構成要素寄生の変動による影響を比較的受けにくい。いく
つかの場合、センサーは、米国特許出願公開第2014/0024917号に記載される
センサーであり得る。本明細書に同文献の開示内容全体を参考のため援用する。
【0044】
図5Aに示すように、パルス高周波信号は、2つの主要な変調パラメータを有する。こ
れらは、時間継続長さがTによって表されるパルス反復間隔(PRI)および時間継続長
さがτによって表されるパルス幅(PW)である。パルス反復周波数(PRF)は、PR
I逆数である。例えば、センサーは、パルス反復間隔Tが4μsに指定されかつパルス幅
タイミングτが2μsに指定されたRFパルス信号を生成するようにおよそ250KHz
の周波数においてパルス変調された10.525GHzのRF信号を送信し得る。そのた
め、本例におけるRF信号は、長さ0.5μsであり、4μs毎に生成される(すなわち
、12.5%のデューティサイクル)。
【0045】
本センサーは、RF信号の送信も受信も可能なホモダイントランシーバであり得る。そ
のため、トランシーバは、受信信号の送信された信号に対するマグニチュードおよび位相
を測定し得る。受信信号の位相および/またはマグニチュードは、当該受信信号が移動し
た距離までターゲットが移動すると、送信信号に対して変化する。その結果、復調マグニ
チュード検出器受信器出力信号は、ターゲットの動きおよび/または信号が移動した距離
の測定値である。このようなマグニチュード検出器は任意選択的に実行可能であるものの
、場合によっては、他の回路要素または検出器が、マグニチュード検出器(単数または複
数)の代わりまたはマグニチュード検出器(単数または複数)の機能を提供するために用
いられ得る。例えば、信号変調を検出するように構成された任意の検出器回路(例えば、
ピーク検出器、エンベロープ検出器、または高調波ミキサー回路)が用いられ得る。
【0046】
送信RF信号および受信RF信号はどちらも、ホモダイン受信器切り換え型のマグニチ
ュード検出器(例えば、RFマグニチュード検出器)の入力に対して提供され得る。例え
ば、
図5Bに示すように、受信信号は、センサーがRFパルスを送信しているときに受信
時間間隔期間において検出され得る。この点について、マグニチュード検出器は、RFパ
ルスが送信されるたびにRFパルスを検出し得る。いくつかの実施形態において、マグニ
チュード検出器は、RFパルス送信の第1の12nsの間の5ns期間の間に信号を検出
し得る(すなわち、5nsは、例えば第7のns、第1のnsなどで開始する第1の12
ns内のいずれかの位置であり得る)。
【0047】
RFパルス源が1つしか無い場合、送信RF信号および受信RF信号は、以下の数式を
用いて表現され得る。
送信RF信号:Sin(ω1t+θ1)、および
受信RF信号:BSin(ω1t+θ2)
式中、AおよびBは振幅であり、ω1は角度周波数であり、tは時間であり、θ1およ
びθ2は各位相である。(移動時間は、θ1[例えば、発振器における基準位相]とθ2
[対象からの反射後]との間の位相差を暗示する)。
【0048】
これら2つの信号が同じ源からのものである場合、これらの信号の周波数も同じになる
。そのため、これらの信号が重畳された場合、その結果得られるRF信号の振幅は、反射
信号の位相および振幅と共に変化する。送信RF信号および受信RF信号は、以下の式を
用いることにより、組み合わされ得る。式中、aおよびbは振幅であり、xは時間を角度
周波数(2πft)で乗算した値であり、βおよびαは位相である。
【0049】
図6に示すように、その結果得られる信号602は、送信RF信号を受信RF信号で変
調した結果であり得る。その結果、得られる信号602は、周期的な正弦振幅エンベロー
プ600と、ターゲットの距離および動きそれぞれのみが変動する位相を持ち得る。その
ため、重畳信号は、ターゲットへの距離またはターゲットの動きと共に変化する。
【0050】
時間ディザリング
2つ以上のセンサーが動作する場合、発振器タイミングの差および/またはディザリン
グにより、ノイズ干渉低減が促進され得る。例えば、いくつかのセンサーにおいて、パル
ス生成のタイミングは、ディザリング回路(図示せず)(例えば、パルス生成器408に
連結されたかまたはパルス生成器408と共に設けられたもの)を設けることにより、下
側のパルス反復周波数と関連付けられたタイミングに対してディザーされ得る。
図10b
は、パルス生成の「ディザリング」の信号表現を示す(ここにおいて、パルスの開始時間
は、全体的パルス生成タイミングに対して変化する)。このようなディザリングにより、
パルス開始時間がノミナルの全体的パルス中心に対して直線的に遅延または前進する(す
なわち、第2のパルス列が第1のパルス列よりもより低いパルス反復周波数にある)よう
に、全体的パルス反復周波数を変化させることができる。この場合、正味の影響として、
PRFが固定されたままである場合、パルス開始時間の位置がそのノミナルの開始時間に
比べて変化することがある。これは、同期傾斜ディザリング回路によって達成され得る。
例示的な同期傾斜ディザリング回路は、下側のRC(抵抗‐コンデンサ)時間定数に基づ
いて、電圧制御型遅延要素と共に実行され得る。傾斜制御電圧の結果、バラクタキャパシ
タンスが変化し、その結果共振器周波数が変化する。このようにして、パルス生成回路発
振器の周波数および関連付けられたPRFは、同期的かつ直線的におおよそ1ms毎に約
1%のオーダーで変化する。いくつかの例において、直線的な傾斜関数は1kHzであり
得、その結果、関連付けられたディザーがPRIおよびPWタイミング上に発生する。デ
ィザリングは、同期RF復調ノイズアーチファクトの除去に用いられ得る。傾斜ディザリ
ングは、実行するのに複雑度が低いため、利用が可能であるものの、RF変調および復調
タイミングと同期していない場合、トーンアーチファクトを発生させ得る。同期傾斜ディ
ザリングを用いた場合、これらの不要なトーンの発生が回避される。しかし、タイミング
ディザリング回路を用いた場合、ユニット間のPRIタイミング差が複雑化し、そのため
パルスタイミング同期も複雑化する。
【0051】
いくつかのセンサーにおいて、RF変調および復調のタイミングは、4MHzセラミッ
ク共振器発振器および関連付けられたバイナリリップルカウンタによって確立される(図
17の例を参照)。低復調ノイズを達成するため、その後発振器タイミングを(例えば、
1kHzにおける)直線的な傾斜関数と「同期的にディザー」させることができ、その結
果、関連付けられたディザーがPRIおよびPWタイミング上に発生する。このようなタ
イミングディザリング回路を用いた場合、ユニット間のPRIタイミング差が複雑化する
。このタイミング差は、水晶振動子よりも周波数公差およびより高いドリフトが低いセラ
ミック共振器を用いた場合にさらに悪化する。まとめると、同期ディザリングの場合、R
F干渉信号ノイズを軽減できるものの、ディザリングおよび/またはタイミング差に起因
して、第2のRF干渉信号ノイズ低減方法(すなわち、パルスタイミング同期)について
問題が発生する。例えば、
図10Aに示すように、第1のセンサーの読み出し信号が第2
のセンサーのパルスと重複し得るかまたは逆の場合があり得る。
【0052】
RF干渉第1のセンサーの生成無く2つのセンサーを共存させるためには、そのRFパ
ルスを第2のセンサーの静穏な期間において送信するかまたは逆を行うことが必要になる
。例えば、
図11Aに示すように、第1のセンサーの読み出し信号(白線/図中「RL」
として図示されている)は、第2のセンサーがRF信号を送信していない時間期間のみに
おいて発生する。同様に、第2のセンサーは、第1のセンサーが送信していないときに信
号のみを読み出す。しかし、実際は、センサーの動作(ディザリング、周波数差および周
波数ドリフト)の非同期性であるため、
図11Bに示すように、第1のセンサーのRFパ
ルスは第2のセンサーの受信タイミングと周期的に重複する。この点について、センサー
の性質に起因して、第2のセンサーによるRFパルスの送信および逆の場合において、第
1のセンサーの読み出し信号が発生し得る。
【0053】
2.ノイズ源
センサー(例えば、相互に近接して配置された例示の検出装置100および102セン
サー)の場合、高周波(RF)が共存する問題を被り得る。
図2に示すように、対向する
センサーの方向においてその各RFパルスが突出するように、2つのセンサー300およ
び302が配置され得る。この点について、センサー300はRFパルス312をセンサ
ー302の方向において送信し得、センサー302はRFパルス310をセンサー300
の方向に送信し得る。その結果、センサー300は、そのRFパルス312、対向するセ
ンサー302の直接RFパルス310および対向するセンサーの二重反射RFパルス(図
示せず)の反射を受け得る。そのため、センサーが受信したRFパルスは、センサーから
元々送信されたRF信号によって生成された望ましいRFパルス反射以外のものを含み得
るため、受信されたRFパルスが復調された際にベースバンド干渉が発生する。(一般的
に、いくつかの場合において、ベースバンド信号は、周波数範囲が極めて狭い信号であり
得る(すなわち、スペクトルマグニチュードは、発生源(f=0と示す)の近隣の周波数
のみにおいてゼロであり、無視できる大きさである))。
【0054】
センサーのRFパルスのみを
図2中において示しているが、他の装置からのRF波も、
センサーによって受信され得る。このようなRF波は、センサーの近隣位置および離隔位
置に配置された装置から発生し得る。RF波の性質に起因して、RF波は、障壁(例えば
、壁および他の障害物および地理的トポグラフィー)を通じて移動する能力を持ち得る。
そのため、本技術の実施形態は、RFが共存する問題によるセンサーへの影響度を大幅に
低減することに向けられる。
【0055】
受信されたRF信号が装置または送信元センサー以外の源から来たものである場合、受
信されたRF信号にノイズが発生し得る。送信信号、受信信号および結果として得られる
RF信号は、以下の数式によって表され得る。
第1の源から送信されるRF信号、
ASin(ω1t+θ1)、および
第2の源から送信されるRF信号、
ASin(ω2t+θ2)
結果として得られる結合RF信号:
【数1】
【0056】
ここで、AおよびBは振幅であり、ω1tおよびω2tは、各時間に依存する角度周波
数である、θ1およびθ2は各位相である。第1の源からの送信信号および第2の源から
の受信RF信号を結合すると、周期的正弦振幅エンベロープおよび位相がターゲットのい
かなる動きと無関係に時間的に常に変化するRF信号が発生し得る。
図7の例において、
第1の源からの送信信号700は、第2の源から受信された信号702と結合し得、その
結果信号704が発生する。理解されるように、その結果得られる信号704の周期的正
弦振幅エンベロープおよび位相は、ターゲットのいかなる動きと無関係に時間的に常に変
化する。(位相が時間的に常に変化するため、これは、
図7中の円[左手側]として表さ
れる)。その結果得られる信号に対するこのような常なる変化は、受信信号702が送信
周波数の複数の中間周波数において送信信号700と結合した場合に発生し得る。このよ
うな変動に起因して、ベースバンド干渉が発生し得る。
【0057】
受信側センサー以外の装置または源から送信されたRF信号によって生成される干渉の
量は、不要な干渉RF信号の受信信号強度に依存し得る。この点について、不要な干渉R
F信号の強度は、経路干渉RF信号が受信側センサーに到達する距離に依存し得る。例え
ば、
図8Aに示すように、干渉信号806は、物体804から反射され得、受信側センサ
ー800によって受信され得る。そのため、信号が受信側センサー800に直接到達する
場合と比較して、干渉RF信号806が受信側センサー800に到達した際に、干渉RF
信号806の出力が低下する。反射後の干渉信号の出力の式は、以下によって得られる。
【数2】
式中、
P
r=反射された干渉信号の出力
P
t=送信器出力
G
t=送信側アンテナの利得、
A
r=受信側アンテナの有効アパチャ(領域)(おおむねGrと示す)、
δ=ターゲットのレーダー断面または散乱係数、
R
r=(反射信号の)送信器からターゲットまでの距離、および
F=パターン伝搬係数(通常は1に近い)
【0058】
これとは対照的に、
図8Bに示すように、干渉信号808は、第2の活性源802によ
って生成され、いかなる反射を引き起こすこと無く、センサー800によって直接受信さ
れ得る。干渉信号808の反射が発生しないため、干渉信号808の出力は、移動距離に
基づいてのみ低減する。そのため、干渉RF信号の出力は、距離に基づいて低減する。干
渉信号808の出力が反射されずかつ直接受信器に到達した場合の式は、以下によって得
られる。
【数3】
式中、
P
r=反射された干渉信号の出力
P
t=送信器出力
G
t=送信側アンテナの利得、
A
r=受信側アンテナの有効アパチャ(領域)(おおむねGrと示す)、
δ=ターゲットのレーダー断面または散乱係数、
R
d=送信器から受信器までの距離(直接送信~受信の場合)、および
F=パターン伝搬係数(通常は1に近い)
【0059】
その結果、2つのセンサーが室内に配置された場合、有効経路長さがより短くまた散乱
に起因した減衰が無くなるため、第2のユニットからの干渉信号レベルが第1のセンサー
から送信された信号よりも高くなり、反射されて、第1のセンサーへ戻る。
【0060】
干渉RF信号がセンサーにおいて受信された場合、干渉RF信号に起因して、ベースバ
ンドノイズが、以下の特定の条件下において発生し得る、つまり、(1)干渉RF周波数
が帯域内であること(すなわち、10.525GHz、10.587GHz、9.3GH
z、61GHz、24GHz、10.45GHz)、(2)干渉RF信号がセンサーの受
信時間間隔において受信されること、(3)センサーから送信されるRF信号の周波数お
よび干渉RF信号の周波数の差周波数が複数の送信周波数信号のパルス反復周波数の倍数
であること、および(4)RF干渉信号が、干渉ノイズ信号を発生させるために充分な振
幅を有することにおいて発生し得る。
【0061】
これら4つの条件は、以下のように言い換えることができる。すなわち、RF1は主要
センサーのRF中心周波数を表し、RF2は干渉源RF中心周波数を表し、IF1は中間
周波数を表す(一般的に、通信および電子エンジニアリングなどのいくつかの場合におい
て、中間周波数(IF)は、送信または受信における中間ステップとしてRF1のキャリ
ア周波数がシフトする周波数としてみなされ得る。)、IF2はRF2の中間周波数を表
す。
(1)RF2がRF1の復調周波数範囲内(典型的には、+/-25MHz以内)にあ
る場合、干渉が発生し得る。
(2)RF2(PRF2)のパルス反復周波数がRF1周波数の倍数である場合、干渉
が発生し得る。より詳細には、RF1=RF2+/-n(PRF2)の場合、nは任意の
整数である。
(3)受信器は非同期であるため、復調RF2についての情報にIF1の周波数または
その奇高調波のうちいずれかが含まれる場合に、位相検出器干渉が発生し得る。換言する
と、RF2(すなわち、AM/FM変調または他の任意の変調方式によって変調された信
号)は、IF1またはその奇高調波についての情報を含む。
(4)RF1およびRF2が結合された後に復調された場合、干渉が発生し得る。ここ
で、RF2は、ベースバンドノイズ構成要素を発生させるために充分な信号レベルである
。
【0062】
このようなベースバンドノイズ干渉を低減するために、本技術は、いくつかの解決法の
実行を企図する。第1に、RFパルスとの時間的な重複を完全に回避するために、センサ
ーが時間的に同期させられ得る。第2に、RFパルスの周波数的重複を回避するために、
センサーが同期させられ得る(すなわち、RF1=RF2+/-(n+0.5)(PRF
2))。第3に、これらのセンサーは、干渉の可能性が無視できる位になるような様態で
パルスを発生させるように、構成され得る。第4に、2つ以上のセンサーが、異なる方向
を向く1つのハウジング内に配置され得る(例えば、ベッドに沿ってヘッドボードまたは
足下において中ほどに配置され得る)。本明細書中、上記実行それぞれについて詳述する
。
【0063】
基準発振器としてDROを用いた距離ゲートRFセンサーの場合、第2のまたは後続の
センサーは、近隣の類似のセンサーに対して近隣の最適な干渉となる安定した出射周波数
および挙動を持ち得る(すなわち、複数の非接触距離ゲートセンサーシステムを考えた場
合)。
【0064】
1つより多くのセンサーが近接している有効な低ノイズ動作のためにこの干渉を軽減す
るために、以下の実行が行われ得る。
(i)センサー間におけるタイミング同期が、有線的または無線的に行われ得る(この場
合、協働センサー間において高精度タイミング信号が用いられる)、または、
(ii)各センサーを、このほとんど完全な干渉を(協働を必要とすることなく)発生さ
せない様態で独立的に構成することができる。
【0065】
後者の場合(すなわち、センサー間協働が無い場合)、時間および/または周波数にお
いてディザリングが用いられ得る。周波数のディザリングが干渉回避のために用いられ得
るのに対し、タイミングのディザリングは、ノイズの拡散のために用いられ得る。例えば
、本明細書中により詳述するように、いくつかの実施形態において、タイミング発振器へ
連結されたダイオード上の電圧を傾斜させると、ダイオードキャパシタンスが変化し得る
。その結果、タイミング発振器の振動周波数が変化し、その結果、(例えば、生成された
パルスRF信号において用いられるディザリングタイミングパルスによって)タイミング
ディザリングが行われる。さらに、DRO(誘電共鳴発振器)の供給電圧に傾斜を付ける
ことにより、周波数が変化し、その結果、(例えば、RF信号の電圧2.5~3.0~2
.5Vを傾斜させることにより)周波数ディザリングに繋がる。
【0066】
3.タイミング同期
RFパルスの時間同期は、同期パルスを第1のセンサー(マスター)から第2のセンサ
ー(スレーブ)へ生成することにより、実行され得る。そのため、第2のセンサーは、そ
のRFパルスを第1のセンサーの静穏な期間において送信する。この解決法の場合、
図9
の「ベースラインノイズ」セットアップに示すように、ノイズレベルは同じであり得る。
マスターセンサーに利用の代わりに、マスターセンサーが1つ以上のスレーブセンサーの
駆動の際に用いる際に用いる方法と極めて類似する方法で、全センサーの同期を独立コン
トローラによって駆動することができる。あるいは、実際に、これらのセンサーは、ピア
として機能することができる。例えば、制御および通信がフィールド内のデバイス間に分
配され、これにより、各デバイスは、マスターデバイスを通じる/介する必要無く周囲の
デバイスと直接通信する。
【0067】
センサー間のタイミング同期を実行するために、以下の要素が考慮され得る。第1に、
センサーのタイミングは、同期ディザリング(例えば、1ms間隔、それ以上またはそれ
以下におけるもの)を含み得るため、同期の達成は容易ではない場合がある。第2に、わ
ずか約1%周波数精度のセラミック共振器により、センサーのタイミングが制御され得る
。第3に、スレーブユニットは、同期の損失を検出することおよびセンサータイミングを
維持することについてイネーブルされるべきである。第4に、例えばディザリングの利用
および動作の非同期性のアドレス問題を支援するように、クロックおよびディザー同期信
号双方をマスターからスレーブセンサーへ送信することができる。第5に、必要なRFパ
ルスインタリーブロッキングを維持するため、同期をサブマイクロ秒タイミング精度で達
成すべきである。第6に、マスターおよびスレーブセンサーは、同期信号を送信および受
信することが必要であることを知るべきである(すなわち、これらのセンサーは、必要な
ときに自動的に同期すべきであるかまたは取付時に同期するように設定されるべきである
)。
【0068】
3.1 RFパルス信号
これらの考慮事項から発生して、特にタイミングのディザリングおよび非同期性の観点
から、いくつかのバージョンは、クロックおよびディザー同期信号双方の送信を含むタイ
ミング同期の生成を含み得、サブマイクロ秒のタイミング精度で行われ得る。これを達成
するための方法は、複数存在する(例えば、マスターユニットからのRFパルス信号の検
出)。この点について、マスターユニットからのパルス信号がスレーブユニットによって
受信された場合、マスターユニットのパルス信号と関連付けられたタイミングでスレーブ
ユニットがRF信号を確実に送信しないように、スレーブユニットのタイミングが調節さ
れる。しかし、RFパルス信号が発振器のクロック周波数に無い場合があるため、タイミ
ングアーキテクチャの変更が必要になり得る。さらに、位相ロックループ(PLL)の実
行が必要になり得るが、ディザリングによって複雑化し得る。タイミングディザリングが
用いられない場合、上記の同期要件は、より少要件のPRFパルスタイミング同期まで低
減される。いくつかの場合において、パルスタイミングディザリングが用いられ得、代わ
りに、向上した干渉ノイズ低減が、RF周波数ディザリングによって達成され得る。
【0069】
3.2 中間段階におけるRFパルス信号検出
クロックおよびディザー同期信号双方をサブマイクロ秒のタイミング精度で送信する別
の方法において、マスターセンサーのRFパルス信号をIF(中間周波数)段階において
スレーブセンサーによって検出することが用いられる。受信信号の受信、増幅および調整
ならびにローカル4MHz発振器へ位相ロックするために回路複雑度が必要になるため、
この解決法は実行が容易ではないが、特にデジタルサンプリングが用いられた場合に実行
可能である。
【0070】
3.3 別個のRF信号
別の方法において、別個のRF同期信号が送られ得る。例えば、マスターユニットから
スレーブユニットへ同期信号を提供するために、別個の産業、科学および医療バンド(I
SM)RF信号が生成され得る。この点について、無線手段を通じて、ISMRF信号を
既存のRF通信チャンネル上に潜在的にピギーバックすることができる。
【0071】
3.4 他の無線信号
別の方法において、タイミング同期を他の無線通信方法を通じて実行することができる
(例えば、RF信号(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigB
eeまたは他の専用の無線手段))。
【0072】
3.5 赤外線信号
別の方法において、タイミング同期は、フォトニック手段(例えば、光パルスを通じた
もの、特に赤外線信号を通じたもの)により実行され得る。
図12に示すように、マスタ
ーセンサー1201は、赤外線信号1204をスレーブセンサー1202へ送ることがで
きる。この点について、マスターセンサー1201は赤外線送信器/受信器を含み得、ス
レーブセンサー1202は赤外線送信器/受信器を含み得る。そのため、マスターセンサ
ー1201は、タイミング信号を赤外線送信器からスレーブセンサー1202の赤外線受
信器へ送信し得る。しかし、必要な網羅範囲およびタイミング精度に必要な速度を達成す
る複雑化が発生し得る。例えば、センサー間の距離に応じて赤外線信号が遅延し得、その
ため適切な同期が得られなくなる。さらに、干渉問題(例えば、他のデバイスからの高速
IR信号「ジャミング」出力などの問題(例えば、テレビジョンリモート制御))に遭遇
する場合がある。他の方法(例えば、光ファイバー接続または可視光通信を介した送信(
例えば、パルシングLEDまたは蛍光灯)を400~800THz(780~375nm
)の範囲で用いたもの)も用いられ得る。
【0073】
3.6 ワイヤケーブル連結
別のタイミング同期方法を、有線接続を通じて実行することができる。例えば、マスタ
ーセンサーをスレーブセンサーへ接続するために、マルチワイヤケーブル(例えば、3線
式ケーブルまたは2ワイヤケーブル)が用いられ得る。このような3線式ケーブル同期マ
スター―スレーブ発振器回路を
図13に示す。3線式ケーブルは、マスターセンサーをス
レーブセンサーへ接続することにより、マスターセンサーがタイミングおよびディザリン
グ同期情報をマスターセンサーからスレーブセンサーへ送ることを可能にし得る。
図13
の左側にはマスターセンサー回路1301があり、同図の右側にはスレーブセンサー回路
1302がある。マスターセンサー回路は、リセット制御(図示せず)を可能にするよう
に1k抵抗を介して接地接続されたリセットU1ピン11を含み得る。さらに、マスター
センサー回路1301は、ゲートドライバ/バッファによってバッファされ(かつスレー
ブへのクロック出力として供給される)4MHz発振器入力U1CLKピン10を含み得
る。さらに、マスターセンサー回路は、スレーブへのリセット出力として供給されるゲー
トドライバ/バッファによってバッファされる1kHzディザー出力U1Q12ピン1を
含み得る。最後に、マスター回路は、接地(0V)へ接続され、スレーブセンサーへの出
力として供給され得る。
【0074】
スレーブセンサー回路は、リセット制御を可能にするように1k抵抗を介して接地接続
されたリセットU1ピン11と、マスター回路から受信されかつ2.2Nf直接コンデン
サを介してスレーブ回路リセットU1ピン11へ提供される1kHzディザー出力を含み
得る。スレーブセンサー回路は、1kHz抵抗を介してトランジスタQ1コレクタを駆動
するようにマスター回路から受信される4MHz発振器出力ゲートドライバ/バッファを
さらに含み得る。最後に、スレーブ回路は、マスター回路から入力として供給される回路
接地(0V)を含み得る。
【0075】
より一般的に述べると、マスタークロック出力は、(マスター回路上の)第1のバッフ
ァを通じて、スレーブ回路上の第2のバッファによって受信されるワイヤへ送信される。
第2のバッファからの出力は、スレーブクロック入力へ提供される。同様に、リセット出
力は、バッファを通じて、スレーブ回路上のバッファによって受信されるワイヤへ送信さ
れる。第2のバッファからの出力は、微分器回路/ハイパスフィルタを通じてリセットピ
ンへ提供される。リセットパルスの前縁のみが、リセットピンへ送られる。スレーブ回路
は、接地接続され得る。
【0076】
マスターおよびスレーブセンサーは、マスターセンサーから例えば約0.5usのパル
ス幅を送ることにより、3線式ケーブルによって同期され得る。このようなパルス幅によ
り、RFパルスの異相同期が可能になる。
【0077】
既述のように、タイミングディザリングが用いられない場合、上記の同期要件は、より
少要件のPRFパルスタイミング同期の要件まで低減する。この場合、記載の3ワイヤ3
配線タイミング回路が、2配線タイミング回路のものにまで低減する。2配線回路は、マ
スターリセット出力を送信し、クロックを実行することにより、実行され得る。その結果
、マスタークロック要件が不要になる。
【0078】
有線接続を用いれば、同期要件を達成することができ、他の機能を任意選択的に提供す
ることも可能になる。例えば、ワイヤケーブルは、第2の(または後続の)ユニット(単
数または複数)へ電源供給するように、実行され得る。そのため、ワイヤにより、より多
数のワイヤおよびケーブルを必ずしも導入することなく、センサーをより遠隔位置に配置
することが可能になり得る。加えて、2配線により、信号を変調することによりタイミン
グ同期をおよび電力を第2のユニットへ提供することが可能になる。このワイヤにより、
他の無線チップセットの必要性も低減することが可能になる(関連制御/センサーデータ
もワイヤ上に変調されるため、例えば、1組のセンサーにより一対を形成することができ
、そのうち1つだけにWi-FiまたはBluetoothインターフェースおよび電力
アダプタまたはバッテリ用空間を持たせ、第2のものをケーブルを介して単純に接続し、
別個のWi-Fiなどの無線能力を設ける必要が無くなる)。イーサネット(登録商標)
に基づいたより複雑な有線接続も利用可能である。
【0079】
上記の3線式同期回路および2配線式同期回路はどちらも、センサーの回路上に実行し
てもよいし、あるいは接続ワイヤ内に配置してもよい。後者の利点としては、同期回路お
よび関連コストが各ユニットに含まれる点がある。
【0080】
3.7 水晶振動子
上記のタイミング同期解決法に加えてまたは独立型アロン解決法として、発振器は、水
晶振動子内に実行され得る。そのため、水晶振動子が高周波数公差および低周波数ドリフ
トレートを有するため、より低周期の同期信号が必要になる。さらに、ディザリング無し
で水晶振動子を実行することが可能であるため、単一の同期信号のみ(例えば、クロック
)で済む。
【0081】
4.周波数同期
複数のセンサー間のRF干渉を低減するための別の実行として、センサーのRF周波数
の同期がある。この点について、RF干渉の発生無しにはセンサーの共存ができない。例
えば、2つのセンサーがRF周波数f1およびf2においてそれぞれ時間tにおいて送信
する場合、f1およびf2に起因する受信信号は以下のようになる。
【数4】
【0082】
f1およびf2間の最大干渉は、f1-f2=n*PRF±IFのときに発生する。こ
こで、IFは中間周波数であり、nは整数である。f1-f2=(n+0.5)*PRF
±IFのとき、最小干渉が発生する。
【0083】
4.1 異なる周波数の使用
干渉の最小化のため、異なるセンサーが異なる周波数に合わせて構成され得る。この点
について、センサーは、異なる周波数に動的に設定され得る。例えば、これらのセンサー
は、周波数が電圧の関数であるDROを実行し得る。例えば、1VDCの変動が発生した
場合、1.5MHzのRF周波数変化が発生し得る。
【0084】
第1のセンサーの電圧制御型RF発振器は、RF周波数を第2のユニットへ同期させ得
る。この点について、第1のセンサー内の制御回路は、高レベルの干渉ノイズの原因とな
るDRO電圧を検出し、これら2つの「高ノイズレベル」電圧間の(例えば、建設的、破
壊的、建設的、破壊的なパターンが存在する)中央制御電圧位置(すなわち、低ノイズ領
域)へ移動することにより、DRO電圧を最小ノイズ電圧へ調節することができる。干渉
に起因して、複数の干渉最大値が発生する。2つのンサー間のRF周波数同期は、単一の
センサーが1つだけ用いられた場合と全く同様のノイズレベルを発生させることが実証さ
れている。
【0085】
4.2 有線または無線ネットワークを介したまたは符号化干渉パルスを介した干渉およ
びセンサー間の通信の自動検出
干渉を最小化させる別の方法において、複数のセンサーそれぞれにその固有の各中心周
波数を検出させる。その後、各センサーは、その各周波数値をその他のセンサーへ有線ま
たは無線接続を介して送信し得る。その後、これらのセンサーは、相互間の干渉を最大に
低減するために最適な間隔を達成するように、その各中心周波数を調節し得る。このよう
にして、1つよりも多数のセンサーが協働して、干渉を低減または回避することができる
。このような構成は、クロック信号、クロック縁および/またはリセットを送信する必要
性を回避し得る。また、このアプローチは、遅延および通信チャンネル中に発生し得る他
の潜在的問題に耐えられるため、センサーが低いサービスの質(QoS)のリンクを介し
て協働することが可能になる。しかし、このようなアプローチは、低QoSのネットワー
クに限定されず、良品質または高品質のQoSリンク上において実行することができる。
さらに、各中心周波数を送信した場合、(必要にならない限り)バッファ回路の使用、専
用ケーブルおよび/または無線または赤外線リンクの同期を回避することが可能になる。
これと対照的に、クロック信号、クロック縁および/またはリセットを常にセンサー間で
送信するためには、規定されたQoSが必要になり得る(例えば、待ち時間、帯域幅、お
よび他のパラメータ)。ネットワーク(例えば、インターネット)またはアドホックのピ
アツーピアWi-Fiリンク(例えば、Wi-Fi保護セットアップ(WPS)を用いた
Wi-Fiダイレクト)は、このようなリンクの例である(例えば、これらは、中心周波
数送信またはクロック信号送信に適したリンクの例である)。
【0086】
中心周波数の検出は、いくつかのさらなる回路構成要素量の回路(例えば、ミキサーか
らの信号のタッピング)を必要とし、デジタルセンサーによってイネーブルされ得る。こ
の点について、第1のデジタルセンサーは、その大部分の電流または最近の中心周波数読
み取り値の通知を第2のデジタルセンサーへ送り、第2のデジタルセンサーは、その大部
分の電流または最近の中心周波数読み取り値を第1のセンサーへ送り得る。例えば、第1
のデジタルセンサーは、10.252791GHzの中心周波数を送り、第2のデジタル
センサーは、10.525836GHzの中心周波数を送り得る。その後、第1および第
2のデジタルセンサーは、相互間の干渉を最大に低減するために例えば125kHzの最
適な間隔を達成するように、その各中心周波数を調節できる。最適な調節量は、各センサ
ーのIFおよびPRF構成に基づき得る。デジタルセンサーについて述べたが、周波数値
の送信は、取り付けられたデバイス中のプロセッサと情報を共有するように構成されたア
ナログベースバンドセンサーによって可能にすることもできる。
【0087】
中心周波数の送信は、Wi-Fi、イーサネット、Bluetoothまたは他の任意
の種類の接続を介して発生し得る。送信においては、認証ハンドシェイクの後に中心周波
数値の周期的送信が行われる。任意選択的に、これらの値が過去の値から規定された閾値
だけ逸脱した場合、更新値の送信が発生し得る。いくつかの実施形態において、送信され
たデータは、Wi-Fiリンクを介してパケットとして符号化され得る。
【0088】
4.3 周波数ルックアップテーブル
周波数同期を確立するための別の技術として、各センサー中の周波数のルックアップテ
ーブルの利用がある。この点について、センサーはそれぞれ、ルックアップテーブルのコ
ピー(またはこのような周波数を動的に計算するための関数または式)を保存し得る。例
えば、テーブル(単数または複数)は、1組の奇周波数および1組の偶周波数を含み得る
。奇周波数および偶周波数は、相互干渉において空値となるように選択され得る。その後
、これらのセンサーは、奇テーブルおよび偶テーブルで動作するように、周波数を選択す
るようにプログラムされ得る。そのため、これらのテーブルは、センサーと関連付けられ
たフィルタの許容可能なスペクトルマスク内の領域に及び、ここで、この領域は、センサ
ーの制御可能な中心周波数範囲内である。例えば、周波数は、以下から選択され得る。
(0.5+n)*PRF
式中、nは整数であり、PRFはパルスレート周波数である。センサーが数式を必要な
ときに用いて周波数を計算するようにプログラムされる場合、このような構成は、センサ
ーメモリの低減を可能にし得る。
【0089】
特定の実施形態において、第1のセンサーは、偶テーブルまたは奇テーブル中の周波数
または当該周波数に近い周波数で動作しているかを確認し、いずれかのテーブル上の近い
(または最も近い)周波数のうち1つに整合するように微調節を行い得る。例えば、第1
のセンサーは、その周波数を偶テーブル中の最も近い周波数へ調節できる。その後、第2
のセンサーは、その周波数を奇テーブル中の最も近い周波数へ調節し、これにより最小の
干渉が達成される。
【0090】
規定された一対の(または複数の)センサー間の通信は、セットアップ時にのみ行えば
よい。そのため、規定された一対の構成により、センサー間の進行中の有線または無線送
信の必要性を無くすことが支援され得る。そのため、進行中の動作時において周波数を継
続的に更新することに起因する複雑性が最小化または排除され得る。
【0091】
規定された一対の(または複数のセンサー)のためのワンオフペアリングプロセスを、
有線または無線手段を介して行うことができる。例えば、近接場通信(NFC)および/
または加速度計を用いて「タップツーペア」をイネーブルすることができ、これにより、
センサー間のテーブル情報の通信をイネーブルするために接近および/または制御信号が
用いられる。
【0092】
あるいは、例えば、制御パラメータの変更が無いことを確認するために時折またはベス
トエフォートベースで(例えばストアアンドフォワードネットワークを介して))ペアリ
ングプロセスを周期的に繰り返してもよい。この点について、1つ以上のセンサーの位置
または状況が変化した場合、ユーザに手動修理を行うようにシステムが促され得るか、あ
るいは、修理プロセスをバックグラウンドで自動的に行ってもよい。
【0093】
2つ以上のセンサーが接近している場合、各テーブルの部分が各センサーに限定され得
る。例えば、各センサーは、偶テーブル上の可能な周波数の範囲または奇テーブル上の可
能な周波数の範囲へ割り当てられ得る。さらに、好適な挙動を規定するためのスイッチま
たはいくつかの他の種類の入力がセンサー上に設けられ得る。例えば、スイッチは、セン
サーが動作する際に用いられる周波数を調節するかあるいはセンサーが偶テーブルの周波
数または奇テーブルの周波数またはそのいくつかの部分において動作するかを選択するよ
うに、設定され得る。
【0094】
RF環境の他の計量をシステムの1つ以上のセンサーデバイスによって収集することが
望ましい場合もある。例えば、RF環境の収集可能な他の計量は、センサー間の間隔また
は距離の測定値およびセンサーの相対的方向であり得る。これらの計量を用いて、相互干
渉を最小化させるためにセンサーが協働するように、構成がプログラムされ得る。高レベ
ルの残留干渉の可能性が高い位置にセンサーが配置された場合、ペアリングルーチンを行
う前または後に、センサーは、センサーのうち1つ以上を再配置または再方向付けの通知
を提供し得る。
【0095】
4.4 敵味方の検出
記載のように、2つ以上などの複数のセンサーが近接し、対策をとらないと相互に強く
干渉する場合がある。しかし、これらのセンサーは干渉し得るため、相互干渉の検出およ
び調節時において特定の挙動を持つように構成され得る点において「味方」である。これ
と対照的に、RF信号のサードパーティ源は、パルス列を偶発的または活動的にジャミン
グすることにより、センサー動作と干渉し得る。センサーと類似の中心周波数で動作して
いるこのようなサードパーティ源は「敵」とみなされ、例として、類似の周波数/パルシ
ング戦略で動作する別の製造業者または供給業者からの感知技術であり得、あるいは、医
療心肺センサーの動作を故意に妨害しようとする悪意のユーザであり得る。他の例となる
干渉し得る源は、寝室内/病院内(または寝室外)の複合受動型赤外線センサー(PIR
)およびマイクロ波セキュリティ検出器であり得(例えば、マイクロ波検出器構成要素が
類似のRF中心周波数で動作する場合)、高出力航空レーダーおよび/または軍事、警察
または交通規制または車両レーダーは全て、センサー動作と干渉し得る類似の中心周波数
を生成し得る。
【0096】
干渉が味方のセンサーから発生する場合、センサーは、干渉の存在を決定するために、
周波数範囲を意図的に走査するようにプログラムされ得る。この点について、味方のセン
サーのうち1つ以上はそれぞれ、干渉を最大化させようとするサーチモードにおいて、そ
の中心周波数を変更し得る。干渉が最大化されると、これらのセンサーはその後、干渉を
最小化させるようにその中心周波数を再構成し得る。その後、最大干渉周波数と最小干渉
周波数との間の周波数範囲がこれらのセンサー(単数または複数)によって決定され得る
。その後、これらのセンサーは、周波数範囲が例えば既知の周波数範囲に関連するかを決
定し、その場合、これらのセンサーは、既知の種類の別のセンサーが干渉源であると推定
する。このような走査は、センサーの近隣において動作が全く無い場合に優先的に発生す
る。
【0097】
味方のセンサーが干渉源であるとの決定に基づいて、センサーは、通信(例えばマンチ
ェスター符号化)を用いて通信を開始し得る。例えば、これらのセンサーのうち1つ以上
は、2つ以上のセンサーが最大値に同意するまで、決定された干渉最大値の周囲のその各
中心周波数を調節できる。この点について、第1のセンサーはその中心周波数を所定の比
率で移動させ、第2の(または複数の他のセンサー)は干渉最大値が達成されたときを検
出する。各センサーは、同意が得られた最大値点を通信し得、その後、最小周波数点を探
すために動くべきセンサーについて同意する。最小値が達成されると、最小値まで調節さ
れたセンサーは、修正が必要になるまで(例えば温度ドリフトまたは他の変化する要素を
考慮するために)、その中心周波数で保持される。
【0098】
味方のセンサー間におけるこのような協働活動は、ベースステーションを通じておよび
/またはデバイスの網ネットワークを通じて行われ得る。この点について、センサーは、
例えば電圧変化を例えば電圧制御型発振器および/または他のRF特性(例えば、パルス
タイミングおよび放射電力)へ制御するプロセッサを設けることにより、(例えば、中心
周波数を動的に調節する能力を持つように)再構成可能であり得る。別の実施形態におい
て、他の通信チャンネルを用いることなく「味方」間のより高速の通信が可能となるよう
に、符号化がいくつかのRFパルス列へ適用され得る。
【0099】
そのため、短期干渉信号およびマスクアウトを考慮するために、制御信号を用いたロー
カルまたはリモートプロセッサへのポーリングイベントの通信が確立される。そのため、
その結果、相互通信が不要な(すなわち、電流中心周波数についての正確な知識が不要な
)システムが実現される。そのため、温度変動基準(例えば、特定の温度変化の検出)が
、最近の温度変化の結果の干渉を回避するための各センサーの周波数の更新のためのセン
サー間のポーリングのトリガまたは開始のために、用いられる。
【0100】
検出された最大干渉およびセンサー固有の中心周波数に基づいて、干渉信号の周波数の
測定が可能になる。これが機能する様態として、(a)センサーの中心周波数を知ること
と、(b)中心周波数を任意選択的に掃引することと、(c)最大干渉を配置することと
、(d)この干渉源の周波数を減算することとが行われる。最大(または高)干渉が検出
された場合、当該干渉源が当該周波数にある構成要素を有すると推測され得る。干渉周波
数が分かった後、(例えば、サードパーティセンサー(単数または複数)の構成が可能な
場合、例えばオフにし、角度、距離、周波数、出力レベルなどが調節することにより)セ
ンサーを再構成すること、ユーザに警告を出すこと、または実際にサードパーティ干渉源
を再構成することが可能になる。最大干渉は、最大ノイズによって規定される。これは、
ベースバンドおよび/または中間周波数中のより高周波数構成要素を視認することにより
、測定され得る。ベースバンド範囲がDC~200Hzであり中間周波数が8kHzであ
るセンサーの例の場合、干渉を確認するためのフィルタ範囲は、例えば500~1500
Hzであり得る(おおよそで言うと、これらは10離れた要素であり、1つの中心が約1
00であり、1つが約1000、1つが約10、000である)(
図15を参照)。
図1
6Aは、干渉の無い時間領域内の例示的な同相および直交(IQ)ベースバンド信号を示
す。
図16Bは、間欠的な干渉信号を示す。
図16Cは、200mVrmsを超えるピー
クノイズを持つことおよびピークノイズレベルの予測不可能性を示す。
【0101】
4.5 敵(または他の干渉源)を回避するための中心周波数の調節
上記したように、他のセンサー(すなわち、味方)からのものではない強い干渉源は、
敵としてみなされる。敵は、1つ以上のセンサーから送信された周波数またはそれに近い
中心周波数でRF信号を送信し得る。そのため、ジャミング信号または他の悪意のあるR
F放出を送信し得る敵が存在する場合に協働することが可能なセンサーが望ましい。
【0102】
いくつかの実施形態において、敵に起因してRF干渉が別のセンサー(単数または複数
)と協働するセンサーによって連続的に検出された場合、当該センサーが動作する周波数
範囲をシステムが調節することが促され得る。例えば、システムは、通常と異なる外部干
渉が最小化される状況を発見するために、値の許容されるルックアップテーブルまたは電
波スペクトルの他の許容されるブロックについて検索を行い得る。サードパーティ源が類
似のパルシング方式を用いたセンサーである場合、空値の干渉周波数へ移動させる(例え
ば、中心周波数を125kHzだけ移動させると、干渉を最小化させるのに充分であり得
、および/またはPRFの調節により)ことが分かる。これが成功しなかった場合、セン
サーは、ローカルRF環境の写真を構築し、干渉最小を経時的に見つけるために(例えば
傾斜降下干渉回避を用いて)最適化プロセスを行うために、中心周波数を段階的に調節で
きることが分かる。いくつかの例において、これを行うためには、中心周波数の大きな変
更(例えば、10.587GHzから9.3GHzへの移動(またはその逆))が必要に
なり得る。
【0103】
敵および/または他の源に起因する外部干渉の最小化にシステムが成功しなかった場合
、システムはユーザに通知し得る。例えば、システムは、クロッキング、調節された中心
周波数または中心トラバースの特殊ルックアップテーブルを介した送信により、動作を調
節しようと試行し得る。このような調節が成功しなかった場合、システムは、所定の受容
可能な閾値を超えたような残留干渉が検出されたため、再調節が「不成功」に終わった旨
をユーザへ通知し得る。任意選択的に、このような情報は、干渉が本質的に継続する場合
にのみ、ユーザへ提示され得る。干渉のいくつかの極端な例において、センサーのRF無
線が自動的にオフにされ得、エラー信号が設定され得る(例えば、画面上に表示され得る
)。そのため、センサーは、生理信号を処理および/または抽出することができなくなる
ため、ユーザの生体パラメータの検出ができなくなり得る。さらに、検出された場合、こ
れらの生体パラメータが不正確になり得る。
【0104】
5.非同期要件を用いないノイズ低減
いくつかの実施形態において、2つ以上のセンサー間の同期無しに、ノイズ低減が達成
され得る。この点について、これらのセンサーは、センサーの周波数またはタイミングの
同期無くRFの共存問題を最小化するように、構成され得る。
【0105】
5.1 RFパルス幅の低減
1つのこのような技術は、干渉の可能性を低減するためにRFパルス幅を低減すること
を含み得る。
図5Aに戻って、パルス幅τは、RFパルス信号の長さを決定するために用
いられる。パルス反復間隔PRIを維持しつつパルス幅を低減すると、センサー動作への
悪影響が無くなり得る。さらに、より短いパルス幅の場合他のパルスで変調される可能性
がより長いパルスよりも少なくなる。最低のパルス幅値が、RF信号帯域幅およびスプリ
アス信号レベルについての規制認可基準要件を満たすように、選択され得る。
【0106】
5.2 各センサーのディザー
ノイズ低減のための別の技術は、各センサーのパルスタイミングを異なる様態でディザ
リングすることまたは各センサーのパルスタイミングを相互にオフセットしている一定周
波数を維持することを含み得る。この点について、マスターおよびスレーブセンサーと異
なるタイミングにより、センサーRFパルスが相互に同相でロックされる可能性を低減す
ることができる。
【0107】
5.3 ディザータイミングの増加
ノイズ低減のため、2つのセンサー間のパルスタイミングディザーも増加され、疑似ラ
ンダムにされ得る。各センサーの時間のディザリングと同様に、ディザリングサイクルを
延長し、マスターおよびスレーブセンサーのいずれかまたは双方について疑似ランダムに
され得る。いくつかの例において、延長された疑似ランダムディザリングサイクルを生成
するために、第2のバイナリリップルカウンタおよび排他的ORゲートまたはマイクロコ
ントローラまたはプロセッサが用いられ得る。既述のように、ディザリングまたは疑似ラ
ンダムタイミングディザリングwithPRF(およびIF)との同期性は、トーンアー
チファクトがセンサーの位相敏感復調器受信器によって生成されないようにするために、
重要である。一例において、ダイオードは、タイミングが付けられたパルスのDROから
の放出を制御するように構成されたタイミング発振器(例えば、
図4のパルス生成器40
8)と連結され得る。ダイオード上の電圧レベルを上方に傾斜を付けることができ、これ
によりダイオードキャパシタンスが変化する。その結果、タイミング発振器の振動の周波
数が変化する。そのため、タイミングディザリングが発生し得る。
【0108】
5.4 RF周波数のディザー
ノイズおよび干渉を非同期的に低減するための別の技術として、PRF周波数ロックを
軽減するように誘電共鳴発振器(DRO)RF周波数をディザーすることがある。さらに
、周波数ディザリングの場合、外部RF干渉の軽減という利点がある。いくつかの例にお
いて、DROのドレイン電圧を変調するかまたは電圧制御型調整器からのDROの供給電
圧をディザーするためのさらなる回路が必要になり得る。この点について、DROの供給
電圧に傾斜を付けることにより、DROによる周波数出力が調節され得る。
【0109】
周波数ディザリングにより、複数のセンサーが共通する近隣に共存することが可能にな
り得る。例えば、周波数ディザリングを用いることにより、通常動作時のセンサー間に干
渉が発生する可能性が統計的に非有意になるように、各センサーの中心周波数が移動する
。このような技術は、単独で用いてもよいし、あるいはディザリングへのタイミング付与
と併用してもよい。
【0110】
5.5 単一のハウジング
センサー間のノイズ低減のための別の技術において、単一のハウジングユニット中にセ
ンサーが配置される。
図14に示すように、2つのセンサー1406および1408がハ
ウジングユニット1400内に配置される。センサー1406はセンサー1408から1
80度離れて配置されるため、信号1402および1404により干渉は(有ったとして
も)最小である。
図9に戻って、センサーを少なくとも90度離して配置した場合、これ
らのセンサー間に最低レベルのノイズが発生する。そのため、センサーをハウジング内に
配置する際は、これらのセンサーを相互に少なくとも90度を以て配置する必要がある。
この技術の恩恵として、直接接続を通じてセンサーを容易に同期させることが可能な点が
ある。
【0111】
5.6 方向付け
干渉源の信号レベルは重要であるため、センサーの位置は、ノイズ低減において役割が
ある。センサーを相互に接近して視線内に配置すると、干渉ノイズが最大になる。有効経
路長さが増加するようにこれらのセンサーを方向付けることにより、このノイズを軽減す
ることが可能になる。センサーをさらに離隔して相互に角度を以て配置することは、共存
ノイズを低減する有効な手段である。
【0112】
5.7 偏波
RF信を送信および受信するセンサーが円形に偏波される(すなわち、そのRF信号電
界および磁界が好適な送信および受信方向を有する)場合、1つのセンサーの偏波が他方
の偏波に直交するようにセンサーを配置することにより、さらなるノイズ低減を達成する
ことができる。このようにして、受信された干渉RF信号が拒絶される(その直交偏波に
起因して減衰が発生する)一方、反射動き信号が好適である(偏波に起因して減衰が無く
なる)。
【0113】
6.複合構成
記載のノイズ低減アーキテクチャおよび/または技術のうちの1つ以上を用いることに
より、ノイズ低減も得られる。以下のテーブル1において、「S」は同期を表し、「D」
はディザリングを表す。用語が括弧「()」中にある場合、「S」および/または「D」
の場合を示す(すなわち、テーブル1の表示を簡易化するため)。テーブル1において、
「t」はタイミングを表す(これは、IFタイミングおよびPRFタイミングを含む)。
「f」はRF中心周波数を表す。介入が存在しない場合は「何も」存在しない(すなわち
、同様に些細なものは無い)。テーブルは、共存センサーが1つある場合を示すが、(1
、2、…n)個のリンクされたセンサーまで延長可能される。タイミングの同期は、有線
または無線制御信号(すなわち、第1の制御信号)の同期を示し、ディザリングも用いら
れる(タイミングの同時同期およびタイミングのディザリング)場合、同期の容易化のた
めに第2の制御信号が用いられる点に留意されたい。タイミング同期のため、これは、P
RFタイミングがロックされることを示す。ディザリングのため、これは、IFおよびP
RFが同期されるがディザーされること(よって、第2の制御信号の要件)を示す。
【0114】
タイミング同期単独の場合の潜在的制限として、良好なRFパルス分離が必要になる点
がある。(RF変調のOFF期間にRF信号からRFが流れると、RFパルス分離が悪化
する)。そのため、パルス間のRF無線送信器をオフにするかまたはこの流出を無くすた
めの他のアプローチが望ましい。
【0115】
テーブル1を考慮する際、タイミングディザーおよび周波数同期[t(D)f(S)]
の組み合わせが良く機能する可能性が高い。タイミング同期および周波数同期[t(S)
f(S)]の組み合わせ(特に、分離が良好である場合)またはタイミング同期およびタ
イミングディザーおよび周波数同期[t(S、D)f(S)]も良好に機能する可能性が
高い。
【表1】
【0116】
7.他の考慮事項
7.1 温度変動のための修正
DROの制御下においても、特定の動作パラメータが変化すると、センサーの中心周波
数がシフトし得る。この点について、雰囲気温度および内部温度双方が変動すると、セン
サーの周波数出力がシフトし得る。いくつかの例において、高出力光または熱源がRFセ
ンサーに近接するかまたはRFセンサーと同じハウジングにある場合、センサーは温度の
大きな変化を繰り返し経験し、このような源は経時的にオンまたはオフに切り替わる。プ
ロセッサおよびセンサーを備える製品が先ずオンにされ、封入物がシステムの(雰囲気温
度を超え得る)期待される動作温度に到達すると、中心周波数もシフトし得る。
【0117】
別個の温度監視を含むシステムの場合、温度(温度の経時的な変化率に相対する)温度
変化の検出を用いて、センサー送信周波数を調節することができる。そのため、実施形態
は、センサーが任意の温度変動に関係無く特定の周波数を出力することを支援するための
設計パラメータを含み得る。
【0118】
連続クロックまたは関連付けられたリセット同期信号を規定されたQoSで有線または
無線リンクを介して送る2つ以上のセンサーを含むシステムの場合、任意の温度または中
心周波数の関連変化が自動的に修正され得る。この点について、センサーは、QoSにつ
いて上記した技術により調節され得る。
【0119】
センサーから読み出された周期的中心周波数値を送る2つ以上のセンサーを含むシステ
ムの場合、最適な間隔が維持され得る。例えば、これらのセンサーは、センサーから読み
出された値をネットワークを介して送信し得、その結果、1つ以上のセンサーの調節が規
定された周波数間隔が達成および保持されるような様態で可能になる。そのため、センサ
ー間の干渉が最小化され得る。このような修正は、規定閾値を超えたセンサーの中心周波
数の変化または差分に基づいて、行われる。
【0120】
ルックアップテーブルを用いた2つ以上のセンサーを含むシステムの場合、初期ペアリ
ングプロセスの後、各センサーは、その電流中心周波数(例えば、温度または他のパラメ
ータの変化に起因してドリフトしているもの)を動的に検出し、その周波数を(同意され
たルックアップテーブル中心周波数と整合するように)継続的または周期的に調節し得る
。これにより、このような調節は、センサーを規定されたスペクトルマスク内に確実に残
留させつつ、センサー間の干渉を最小化させ得る。
【0121】
RFセンサー変動およびプロセッサ制御オフセットは、特定の分解能に対する温度を推
定するためにRFセンサーを単独で用いることが可能のように、温度の推定にも用いられ
る。この点について、これらの温度は、センサー起動効果を可能にし、さらに、この分解
能は、別個の温度センサーが設けられていない場所における温度感知を可能にし得る。そ
のため、発振器の温度係数を前もって知る必要が無くなり得る。
【0122】
7.2 センサー同期イベントの低減
製造時に中心周波数を読み出し、高精度に設定することにより、センサーがその実際の
中心周波数を近隣のセンサーへ提供し、時間の量の低減が可能になり得る。この点につい
て、DROまたは水晶振動子の動作温度の最大値および最小値を知ることが可能である。
DROの動作は直線的であるため、これらの最大値および最小値に基づいて、温度係数を
決定することも可能である。既知の温度係数になると、センサーから出力される動作の周
波数に基づいて、動作温度に起因する不正確性を修正するための調節が行われる。
【0123】
7.3 サードパーティのタイミング修正
センサーがその固有の中心周波数を測定する実施形態において、RF信号を生成するク
ロックの精度は既知であり、中心周波数の決定において調節され得る。例えば、特定の時
間におけるクロックの実際の周波数を決定するために、ネットワーク時間プロトコル(N
TP)が用いられる。その後、他のセンサーが事前規定された周波数差で動作し、その他
のセンサーが調節できるように、クロックに対してタイミング較正が行われる。NTPは
、パケットスイッチ型の可変待ち時間型のデータネットワーク(例えば、インターネット
、ポート番号123上のユーザデータグラムプロトコル(UDP)を用いる)を介したシ
ステム間のクロック同期のためのネットワーキングプロトコルである。
【0124】
市販の水晶圧電素子は、既知のクロックレートおよび精度を持ち得る。例えば、水晶圧
電素子は、20ppm(parts per million)の精度と、温度による関
連変化を持ち得る。温度変化が遅い場合(例えば、10分間または30分間の期間)、タ
イミング較正が4MHzクロックに行われ得る。この点について、電流時間が利用可能に
なった後、その他のデバイスへ送ることが可能になる。
【0125】
電流時間を他のセンサーへ提供するために、クロックレート(本例においては4MHz
クロック)が、度数率(例えば10.525GHz)と混合され得る。混合信号の結果、
4MHzクロック信号の高調波が受信信号上に出現する。そのため、出力に基づいて、以
下の周波数が存在する。
n*実際の周波数
ここで、nは整数であり、実際の周波数とは、(電流例10.525GHzにおける)
センサーの出力周波数である。精度損失に起因して、クロックレートが上記レートと若干
異なり得る。上記例を続けて、クロックレートは4.01387MHzであり得る。セン
サー間の高精度のタイミングを確保するために、出力周波数が周波数逸脱および/または
ビート周波数を含まなくなるまで、クロックレートが調節され得る。調節されたレートに
基づいて、nにクロックレートを乗算した値において水晶圧電素子が動作するものと決定
することができる。
【0126】
ネットワークタイミングプロトコルまたはGPSタイミング信号または他の時間基準を
用いた時間経過に基づいて、クロック同期信号が計算され得る。例えば、基準周波数がイ
ンターネットソースから発見され得る。NTPを用いた時間経過に基づいて、クロック同
期信号が計算され得る。その後、この同期信号はその他のセンサーへ送られ得る。
【0127】
7.4 位置認識センサーパラメータ
いくつかの実施形態において、センサーが位置情報を入手することが可能であり得る。
この点について、センサーは、位置決めシステム(例えば、グローバルポジショニングシ
ステム(GPS))のデータを含み得るかまたはそのようなデータへのアクセスを持ち得
、これにより、センサーは、センサーが現在位置しているかについての地理的位置情報を
入手し得る。いくつかの実施形態において、センサーは、スマートデバイス(例えば、ス
マートフォン、タブレット、スマートウォッチ)に含まれるか、または接続され得る。そ
のため、センサーは、その地理的位置情報を当該スマートデバイスから受信し得る。タイ
ミング情報をGPS受信器を介して受信することも可能であり、無線同期が可能になる(
ただし、適切なGPS信号が利用可能である場合)。
【0128】
その後、地理的位置の入力情報に基づいて、センサーは、センサーが配置された現在の
地理的領域について、自身の動作が許容されたスペクトルマスク内にあることを保証し得
る。あるいは、センサーのパラメータの可能な制御集合によってセンサーが配置された地
理的領域の許容されるスペクトルマスク内のセンサーが動作できない場合、センサーは自
動的に不活性化し得る。そのため、1つ以上のセンサーが、ローカル高周波調整と共にか
つ相互に共存することができる。
【0129】
7.5 低出力状態
所定長さの時間にわたって動作が検出されない場合、センサーは、低出力サーチモード
(またはさらには睡眠またはオフモード)へ切り換えられる。この点について、センサー
は、身体装着型デバイス(例えば、ペンダント、チェストバンド、ブレスレット、腕時計
、帽子および他のこのようなデバイス)と一体化され得る。そのため、センサーは、既存
の電子デバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートフォン、モノのインターネット(
IoT)デバイス)中に直接設けられる。
【0130】
そのため、一体化されているデバイスが使用されていない場合(例えば、動作が検出さ
れない場合)、センサーは、低出力サーチモードに切り替わるようにプログラムされ得る
。例えば、ペンダントに一体化されたセンサーは、ドレッサー上に配置され得る。ユーザ
はそのペンダントを装着していないため、センサーは動作を検出できない。そのため、全
体的電力消費を低減するようにパルスの出力電力、周波数および/または継続長さを低減
することにより、センサーの範囲を調節することができる。さらに、これらの調節は、許
容範囲内に入るようにプログラムされ得る。デバイスに一体化されたセンサーについて述
べたが、センサーが動作を検出しない場合、スタンドアロンセンサーを低出力サーチモー
ドに切り替わるようにプログラムしてもよい。よって、低出力状態は、1つ以上のセンサ
ーのRF出射出力を低減することにより、共存へのさらなる支援として機能することがで
きる。
【0131】
7.6 セキュリティ
センサーは、セキュリティ感知用途においても用いられ、検出領域内への不正な生理パ
ターン(例えば、人物(単数または複数)の侵入)を検出して、警告を出す(かまたは制
御信号をプロセッサへ送る)ことができる。理解されるように、セキュリティ用途におい
ては、多数のこのようなセンサーを建物内に共同配置することができるため、RFセンサ
ーの共存は極めて重要である。また、(例えば、寝室内の侵入者を検出するための)侵入
者(強盗)警告システム中のノードまたはセンサーとして機能するようにユーザが日中外
出している場合、1つ以上の睡眠センサーを制御システムによって再構成することも可能
である。
【0132】
7.7 処理
センサーが受信した信号などの信号の処理は、センサープリント板ユニット(PCBA
)上のプロセッサによって行われ得る。このようなPCBAにより、アナログおよび/ま
たはデジタルリンクを介したリモートプロセッサ(例えば、メインボード上のマイクロプ
ロセッサ)との通信も可能になり得る。
【0133】
デジタルセンサーを用いた実施形態において、信号がデジタル化され、無線または有線
接続を介して送信され得る。デジタル化は、高分解能および/またはサンプリングレート
で行われ、センサー信号そのもの(例えば、同相(I)および直交(Q)ストリーム、ま
たはIおよびQのこのような分離の前またはそのような分離を不要とするストリーム)が
、単一のまたは複数のプロセッサへ送信され得る。さらに、送信された情報の各チャンネ
ルは、電流または最近の中心周波数、中心周波数の相対的変化、使用されているルックア
ップテーブル位置などについての情報も含み得る。
【0134】
1つ以上のセンサー上の構成要素数を最小限にすることにより、多センサーシステムを
実行するための構成要素数が低減され得る。例えば、動作環境(例えば、複数のセンサー
が用いられる家、アパートメントブロック、ホテル、オフィス、病院または用語施設にお
いて、システムは、所望の動作および生理感知を達成するために、より広範なシステム実
行において利用可能な既存のデータリンクおよび/またはデータ処理出力を用い得る。一
例において、センサーは、その各信号を遠隔に配置、別個に収容された、複数のセンサー
信号を一度に処理することが可能なプロセッサへ送信し得る。
【0135】
任意選択的に、デジタル化されたセンサー信号は、特定の動作パターンを検出するため
に既存の音声処理アクセラレータおよびルーチンが用いられるように、音声周波数へコー
ド変換され得る。
【0136】
加えて、記載の技術の主要な目的は、呼吸、睡眠および心拍の検出のための用途に関連
するが、人体(または相応に構成されている場合は動物)の他の動きを検出するのにも同
様に適している。
【0137】
他に文脈から明確に分かる場合および一定の範囲の値が提供されていない限り、下限の
単位の1/10、当該範囲の上限と下限の間、および記載の範囲の他の任意の記載の値ま
たは介入値に対する各介入値は本技術に包含されることが理解される。介入範囲中に独立
的に含まれるこれらの介入範囲の上限および下限が記載の範囲における制限を特に超えた
場合も、本技術に包含される。記載の範囲がこれらの制限のうち1つまたは双方を含む場
合、これらの記載の制限のいずれかまたは双方を超える範囲も、本技術に包含される。
【0138】
さらに、本明細書中に値(単数または複数)が本技術の一部として実行される場合、他
に明記無き限り、このような値が近似され得、実際的な技術的実行が許容または要求する
範囲まで任意の適切な有効桁までこのような値を用いることが可能であると理解される。
【0139】
他に明記無き限り、本明細書中の全ての技術用語および科学用語は、本技術が属する分
野の当業者が一般的に理解するような意味と同じ意味を持つ。本明細書中に記載の方法お
よび材料に類似するかまたは等しい任意の方法および材料を本技術の実践または試験にお
いて用いることが可能であるが、限られた数の例示的方法および材料が本明細書中に記載
される。
【0140】
特定の材料が構成要素の構築に好適に用いられるものとして記載されているが、特性が
類似する明白な代替的材料が代替物として用いられる。さらに、それとは反対に記載無き
限り、本明細書中に記載される任意および全ての構成要素は、製造可能なものとして理解
されるため、集合的にまたは別個に製造され得る。
【0141】
本明細書中に用いられるように、添付の特許請求の範囲において、単数形である「a」
、「an」および「the」は、文脈から明らかにならない限り、その複数の均等物を含
む点に留意されたい。
【0142】
本明細書中に記載される公開文献は全て、これらの公開文献の対象である方法および/
または材料を開示して記載するように、参考のため援用される。本明細書中に記載の公開
文献は、本出願の出願日前のその開示内容のみのために提供するものである。本明細書中
のいずれの内容も、本技術が先行特許のためにこのような公開文献に先行していない、認
めるものと解釈されるべきではない。さらに、記載の公開文献の日付は、実際の公開文献
の日付と異なる場合があり、個別に確認が必要であり得る。
【0143】
さらに、本開示の解釈において、全ての用語は、文脈に基づいた最大範囲の合理的な様
式で解釈されるべきである。詳細には、「comprises」および「compris
ing」という用語は、要素、構成要素またはステップを排他的な意味合いで指すものと
して解釈されるべきであり、記載の要素、構成要素またはステップが明記されていない他
の要素、構成要素またはステップと共に存在、利用または結合され得ることを示す。
【0144】
詳細な説明において用いられる見出しは、読者の便宜のためのものであり、本開示また
は特許請求の範囲全体において見受けられる内容を制限するために用いられるべきではな
い。これらの見出しは、特許請求の範囲または特許請求の範囲の制限の範囲の解釈におい
て用いられるべきではない。
【0145】
本明細書中の技術について、特定の実施形態を参照して述べてきたが、これらの実施形
態は本技術の原理および用途を例示したものに過ぎないことが理解されるべきである。い
くつかの場合において、用語および記号は、本技術の実施に不要な特定の詳細を示し得る
。例えば、「第1の」および「第2の」という用語が用いられるが、他に明記無き限り、
これらの用語は任意の順序を示すことを意図しておらず、別個の要素を区別するために用
いられる。さらに、本方法におけるプロセスステップについての記載または例示を順序付
けて述べる場合があるが、このような順序は不要である。当業者であれば、このような順
序が変更可能であり、および/または、その局面を同時にもしくはさらに同期的に行うこ
とが可能であることを認識する。
【0146】
従って、本技術の意図および範囲から逸脱することなく、例示の実施形態において多数
の変更例が可能であり、他の配置構成を案出できることが理解されるべきである。本明細
書において当該分野における公知の内容に言及した場合、逆の記載が無き限り、このよう
な内容は、本技術が関連する分野の当業者に共通に公知であることを示していないことが
、さらに理解されるべきである。
【符号の説明】
【0147】
部品リスト
検出装置100
検出装置102
センサー300
センサー302
RFパルス 310
RFパルス 312
センサー402
発振器 404
パルス生成器 408
周期的正弦振幅エンベロープ 600
信号 602
信号 700
信号 702
結果として得られる受信器RF信号 704
センサー800
第2の活性源 802
物体 804
rf信号806
信号 808
マスターセンサー1201
スレーブセンサー1202
赤外線信号 1204
マスターセンサー回路 1301
スレーブセンサー回路 1302
ハウジングユニット 1400
信号 1402
信号 1404
センサー1406
センサー1408